金融審議会金融分科会第二部会会合(第18回)議事録

日時:平成16年10月5日(火)10時00分~11時28分

場所:中央合同庁舎第4号館 9階特別会議室

○ 堀内部会長

時間がまいりましたので、ただいまから金融審議会金融分科会第二部会の第18回目の会合を開催したいと思います。本日は雨の中をお集まり頂きましてありがとうございます。

会議に先立ちまして、本日の会議は公開することになっておりますので、その点をまずご了解頂きたいと思います。

それから、一部専門委員の変更がございましたので、ご紹介申し上げたいと思います。

鈴木委員に代わりまして専門委員をお引き受け頂くことになりました宮山武津夫委員でございます。よろしくお願いいたします。

また、若林委員に代わりまして専門委員をお引き受け頂くことになりました渡辺達郎委員でございます。渡辺さんはまだお見えになっていませんね。

それから、本日は岩原、池尾、神田、原、辻山の各委員がご欠席ということでございます。

それでは、本日の議事に入らせて頂きます。

本日はお手元の議事次第に従いまして、無認可共済への対応につきましてご議論を頂きたいと思います。この点につきましては、まず山下座長より保険の基本問題に関するワーキンググループにおけるこれまでの議論を整理した「無認可共済への対応に係る論点整理」につきましてご説明頂きまして、その後、皆様にご審議頂きたいと思います。

それでは、まず山下さん、お願いいたします。

○ 山下座長

山下でございます。無認可共済につきましては近年、事業の規模や形態が多様化しておりまして、保険の基本問題に関するワーキンググループにおきまして消費者保護や保険との関係などの観点から、どのような対応が考えられるか、本年4月から議論を行ってまいりました。

すでに6月22日の当部会におきまして総務省からの報告、これは根拠法のない共済に関する調査の中間取りまとめ結果というものでございましたが、それを含みます4回のワーキンググループの検討状況の報告を行っております。

その後、9月7日のワーキンググループを再開いたしまして、無認可共済について消費者保護などの観点から一定の規制を行う方向で、具体的な対応策の検討を3回にわたり行ってまいりました。

お手元の配布資料、第二部会18-1のタイトルが「無認可共済への対応に係る論点整理」でございますが、これがワーキンググループにおけるこれまでの議論を整理したものでございます。

それでは、最初に事務局よりこの論点整理の読み上げを行って頂きたいと思います。なお、配布資料の第二部会18-2という番号がついている6月22日の当部会においてご報告させて頂きました総務省からの報告につきましても補足的にご説明を併せて行って頂きたいと思っております。

それでは、まず事務局にお願いいたします。

○ 今泉事務官

「無認可共済」への対応に係る論点整理(PDF)を読みあげ

○ 新川信用機構室長

引き続きまして資料18-2でございます。右肩の上のところに第二部会18-2と書いてある資料、今後のご審議の参考のために若干補足説明をさせて頂きます。

この18-2という資料は6月に総務省の行政評価局からご報告のあった資料でございます。報告の概要につきまして、3枚目、ページ番号では1ページになりますが、これをご覧頂きます。3枚目をご覧頂きまして、中間取りまとめと書いてありますところのマル1をご覧頂きますと、これは総務省行政評価局、あるいは管区の行政評価局、それから行政評価事務所を通じて調査を行ったものでございます。そのうち任意団体等による共済が行われていると思われるものを中心に400強の団体が把握されているところであります。

今回の調査についてはそのうちの146の団体について訪問等による実地調査を実施したもものでございます。

なお、この任意団体等による共済のほか、マル2にございますように公益法人やNPO、企業内共済、互助会等において行われている根拠法のない共済の実態についても現在調査中とのことでございます。

1枚おめくり頂きます。

調査をいたしました146団体につきまして、以下調査結果の中間取りまとめでございます。

まず、共済の規模でございますが、加入件数の合計は約306万件でございます。掛金総額は473億円、それから支払いました共済金は209億円となってございます。

1枚おめくり頂きます。商品、共済の種類でございますが、半数近くの団体が生命・身体に関する共済を実施しております。そのほか、家財ですとかペット、葬儀、そういったような商品が提供されているところでございます。

それから、共済の対象でありますけれども、全体の4分の3の団体が特定の任意団体の構成員等を対象に共済の販売を行っているということでございます。

1枚おめくり頂きます。共済団体の現状でございますが、マル1にございますように半数近くの団体がここ5年の間に事業を開始しております。

それから、4割の団体において専従職員がいないという現状にございます。

次のページをおめくりください。以下、共済事業の運営の概況でございますが、まず募集勧誘形態でございます。大半は直販あるいは代理店を活用した募集を行っておりますが、1割弱11団体におきまして会員を活用して、会員が新しい会員を勧誘した場合に手数料を払うといった形で会員を活用した募集活動を行っております。

財務内容の開示状況でございますが、全体の3割の団体におきまして会員に財産の状況や決算に関する情報を開示していないという現状にございます。

次をおめくりください。財務内容でございます。責任準備金あるいは再共済契約の有無でございますが、3分の1の団体において責任準備金を計上していない。同じく3分の1の団体において再共済契約をしていない、こういった現状にございます。

以上、6月に中間報告をいただいた内容でございますが、先ほど申し上げましたようにその他の団体につきましても鋭意調査中とのことでございますので、まとまりました段階でまたいずれかの形でご報告があるかと思います。以上でございます。

○ 堀内部会長

どうもありがとうございました。山下さん、何か補足して頂くことはございますか。

○ 山下座長

18-1の論点整理でございますが、1ページから2ページの冒頭にかけましてはいわゆる無認可共済について、真に私的自治に任せていいもの、たとえば、小規模であるとか労働組合が実施するものなど、こういうものを除いてはこれまでと違い、何らかの法規制の対象にしていくことが望ましいであろう、こういうことについてはワーキンググループのメンバーの意見の一致があったかと思います。

そこで、どういう規制をかけるかについて幾つかのアプローチがあって、2ページ(1)はこれは全部保険会社として扱って、実質が保険であれば保険会社として扱って、保険業法の規制対象としていくべきだという考え方であります。

それに対する考え方が(2)でございまして、無認可共済が提供している一種のリスクに対する保障サービスというものについては、保険会社の保険とは違った存在意義があるのではないか、あるいは、すでに総務省の調査にもありますように無認可共済というのは近年、非常に多数登場しておりまして、中には相当消費者保護上の問題があるものも含まれておりますので、とにかく緊急的にまず規制の対象に取り込んでいくという観点も含めまして保険会社とは違った、比喩的ですけれどもやや軽い規制の対象として規制をしていく、こういう考え方が(2)であります。

(2)の中も2ページの真ん中から下のほうから3ページにかけまして、(A)と(B)のアプローチがあり得るということであります。

(A)は特定のものを対象とした実質的な意味での共済とそうでない開放的な保険等を分けて、実質的な意味での共済について、その保険とは違う軽い規制をかけていこうというアプローチであります。

(B)のほうは、実質的な区別が可能かどうかということはなかなか難しい面もあって、そこで規制対象に何を取り込むかを考える際に、仮に共済の経営がうまくいかなくても契約者に損失を自己負担できるように、そういうことが期待できる程度の、非常に軽いサービスというものに限って軽い規制の下で認めていこう、こういう考え方かと思います。

ですから、(B)のほうは保険期間が短期であるとか、保険金額が一定額以下とか、非常に形式的な面に着目して規制対象としていこうという考え方であります。

3ページの上から4行目にありますように、ワーキンググループの学識経験者の委員の意見の大勢は2ページの(2)の考え方でいこうというものですが、(A)と(B)という両方の考え方があって、さらには実際には具体的な制度設計に当たっては(A)と(B)を組み合わせていくような解決が現実的ではないかということを一応考えているわけですが、そのうえで軽い規制としてどういうことが考えられるかというのを具体的なポイントごとに整理したのが3ページから5ページにかけてでございます。

この中でも比較的意見の一致があるというのは、例えば4ページの(6)募集規制、募集をする際の行為規制でございます。こういうものであるとか、それから一番下の(8)、セーフティネット、こういうものは保険の場合と違って必要がないのではないかということであります。

しかし、その他の点については委員の間でもどの程度の規制にするかということに温度差があるということでありまして、例えば3ページの(1)参入規制、それから商品審査の面、こういうものでありますとか、(3)の責任準備金の積立、それから(4)の資産運用規制、こういう点についてはいくら規模とかサービス内容で限定があって、軽いサービスとはいえ、最低限の経理規制であるとか、資産運用規制が必要であるという意見とそうでないという意見があります。(5)の情報開示についても同様で、この中には監査を義務づけるかどうかという問題も含まれております。そういうふうなところでどの程度の規制にしたらいいのかは必ずしも意見がまとまっておりませんで、この点については今後この部会のほうでご審議をいただくということでこの薄いペーパーをまとめてございます。

経理とか資産運用規制、本来であれば事業の健全性を確保するという観点からいえば、保険会社と同様の規制をなるべくかけていくということも考えられますが、それに対する手法が別にないわけではなくて、4ページの(4)の中では資産運用規制の中で、こういう共済事業については保険料収入の相当部分の供託を義務づける、これはプリペイドカードなどでとられている手法ですが、こういうことによって資産の安全性を確保するということも考えております。こういう手法をとれば事業のほうも保険のようにむやみに大きくなることはおのずから制約がかかるであろう。こんな考え方で新たな手法も考えられるのではないかということを示唆しておりますので、そのあたりの当否も含めて、今後この部会でご検討いただければありがたいと思っております。以上です。

○ 堀内部会長

ありがとうございました。それでは、ただいまご説明頂きました無認可共済への対応に係わる論点整理につきまして、ご質問、ご意見等がございましたらお願いいたします。

加藤委員どうぞ。

○ 加藤専門委員

ワーキンググループでこの難しい問題について議論し、論点をここまで整理いただいてありがたいと思っておりますが、1点だけ確認させて頂き、あわせて意見を述べさせて頂きたいと思います。

2ページの2でございますが、保険会社に対する規制と異なる規制を導入すべき2つのアプローチに関して、この(A)(B)を併せて検討するということでございますが、併せて読みますと短期、少額で小規模なものは、仮にあまり特定性がなくても、共済特有の規制でいいと読み取れるところがございます。

確かに保険によっては影響も小さいものもあるかなと思うのでございますが、生命保険、医療保険に関しましては数理的に成り立つかという疑問がございます。

生命保険、医療保険については加入から時間が経過すると、あるいは短期のものであっても更新を繰り返すと、保険群団の健康状態は悪化してまいります。単年度の群団で見れば、どんどん保険料を上げていかざるを得ず、そうなればいよいよ健康な人が逃げて不健康な人だけが集まり、保険としては成り立たなくなってしまいます。

そうならないように毎年、持続的に契約を募集し続けなくてはならず、何十年も契約を募集し続ければ一定の規模を超えてしまうわけでございまして、1件1件が少額であっても相当の規模になった団体を保険業法以外で規制するというのは、非常に難しい問題でございます。

既存の共済に急に保険業法の規制を課すのは問題だという意見もあったようですが、健全性を維持しつつ、保険業法の規制がかかる一定の規模に達するように、保険業法の適用を目指して育成するか、あるいはそういう規模に達しないのであれば、生命保険、医療保険に関しては収束させるということが適切ではないかと考えます。

収束させることで今加入している人が被害を被るのではないかという議論もありましたが、逆にずっとかけ続けている間に破綻の道を歩み、いざ入院したときに給付金が下りないということが起こってしまうということは非常に被害を拡大しますので、死亡・医療保険に関しては、健全性を確保するために、一定の規模まで大きくして保険業法の規制を適用するか、そうでなければ収束させる以外に道は無いと考えております。

○ 堀内部会長

羽田委員。

○ 羽田専門委員

一言申し上げます。結論を先に申し上げますと、私は(2)に反対です。保険業法、また必要であればそれを若干改正したうえでもよろしいですから、同じ厳しいルールで共済を規制すべきであろうと思います。

若干細かく申し上げますと、まず私どもが今ここで議論しているのは無認可共済といっていますが、私はこれは無認可保険と考えるべきであろうと思います。

例えば商品、内容、先ほどの説明にもありましたけれどもほとんど保険と同じです。支払いの最高額も先ほどの資料にありましたけれども何千万とか億というものもあります。それから、いわゆる特定多数という表面的にはそういう形式をとっているものが多いようですが、実際は何千円、1,000円とか2,000円とかいう加入費を、中には最近私がインターネットで調べたところ100円というのもありましたけれども、100円払うとだれでも加入できる。実質不特定多数。ですから、これはまさに保険だろうと思います。

2番目に申し上げたいことは、たしか今年の4月だったと思うんですけれども、ある会社がいわゆる無認可共済の計画について金融庁にノーアクションレターを出しました。これは公開されておりますけれども、たしかこの会議でも配られたかと思います。

その商品内容とか特定の仕方というものをもう一度見たところ、いろいろなインターネットにある記事等と比較してみたところ、ほかの多くの無認可共済といわれるところがやっているものとほとんど同じです。それに対して金融庁は今年4月に、これは保険であるから、非常に回りくどいというかわかりにくい言い方でしたけれども、これは保険であるから免許が必要といっております。

そういう状況の中で、さらに作業部会の議論等々の中でもそれは別の法律です、保険業法の適用にならないんです、というのも何か妙だというか法令解釈の一貫性がないように私には思えたわけです。

それから、3番目ですが、IAISという機構があります。何て訳すのか、世界保険監督者機構とでも訳すのでしょうか。たしかちょうど今日からだったと思うのですが、ヨルダンで年次総会が開かれていると思いますが、このIAISはご存じのとおりいろいろな仕組み、これもほとんどは契約者保護という意味でいろいろな仕組みを新たに導入しております。再保険の監督の強化であるとか、ストレステストとかいろいろなことがあります。こういう状況の中で実質的に保険と同じ共済に対して緩やかな規制をかけるということであれば、これは契約者保護をより強化するという世界的な流れ、そういう流れに逆行するのではないかと思います。

もし、緩やかな規制をかけるというふうになりますと、これは相手方つまり共済をしている人々から見ると政府が一種のお墨付きを与えたことなると思います。したがって、今まで急激に増加しているようですが、ますます団体の数として増加するとことは明らかだと思います。

この問題は翻って別の観点から、共済の経営といいますかそういう観点から見ますと、いわゆる消費者対象の保険、金額で何百万か何千万かわかりませんけれども、消費者を対象とする保険というものは保険業法の下でいろいろな規制を受け、経費を結果として余計に使ってそれで保険として販売するよりも、経営的に見た場合、新たな緩い規制の中でそれを販売するというほうが経営メリットがずっと大きいと一般的に見ると思います。

となると、いろいろな資本がこの分野におそらく入ってくるだろう。イコールフッティングではなくて緩い規制のほうに当然ビジネスが集中するというのが当たり前だと思います。そういう中で契約者の保護が図れるのか、実効性のある監督ができるのかどうか。私は非常に疑問に思います。

保険業法で厳しい監督をしている中でも過去何件か保険会社の破綻がありました。もしそういう緩いといいますか、淡白というか、緩やかな規制をする第二の保険業法といいますか、そういう法律ができた場合、保険会社でさえも破綻している中で、そういう緩い法律の中で本当に破綻を防止できるのか、契約者保護ができるのか。そういうことに非常に疑問があります。

登録性にした場合とか、責任準備金の積立がない場合とかいろいろありますが、これで本当にいいのだろうかという、そういう気がします。

それから、先ほど説明がありましたが、もし破綻した場合でも契約者の損失は少ないとか、そもそもセーフティネットがないということを初めにいっていますよ、だから契約者さん、あとは自己責任ですよという、そういうやり方でいいのかなという気がします。

次の問題として、規制が緩やかな場合、おそらくこれは重要だと思いますが、ループホール、抜け道がたくさんできてくると思います。抜け道を封じるのは至難の業だと思います。一般的に考えるのは、例えば支払いの限度額とか最高金額というものを決める。これなどすぐわかることですがいくらでも抜け道ができます。

先ほども別の委員の方から話がありましたが、契約者の数といいますかそういうものに上限を設けても、これもすぐ抜け道ができます。あえて申し上げませんけれども、私だけでも幾つかこうやったらできるというのが頭の中に浮かんできます。

それから、多くの無認可共済というのは生損保兼営、融合商品を売っている場合があります。保険会社でさえも契約者保護という観点からしてはならないというようなことをもし無認可共済といいますか、緩い法律の下で行えるというふうになったら、これは本当にうまくいくのかという気がします。

先ほどの総務省の調査報告がありましたが、約2割ぐらいの無認可共済の皆さんは調査協力にさえも応じていない。本当にそういうものでうまくいくのか。そういう気がします。

もう一つ、これは法体系といいますか仕組みの問題ですが、先ほどもちょっとあったと思いますが、日本ではすでに簡易保険という仕組みがあります。2番目にたくさんの制度共済、規制のある共済、法律に基づく共済があります。それから、保険業法に基づく保険があります。もし、今度新たな第二保険業法とでもいうんですか、そういうものをつくった場合、実質的には保険について4つの仕組みといいますか制度がある、そういう極めて異例、世界的に見て異例なこと、それをさらに進める状況になるという気がします。

もし消費者、契約者の保護が重要ということであれば、結果として問題が先送りになるのではなくて、もっと問題が大きくなる前に保険業法を必要であれば一部改正をしてでも保険と同じ厳しいルールで無認可共済を監督すべき、規制すべきと思います。

冒頭に申し上げましたが、私はこれは無認可共済の問題ではなくて無認可保険の問題と思っております。したがって、保険に対してはダブルスタンダード、緩い規制の法律をもう1つつくるということではなくて、1つの保険業法の下で規制監督すべきだと思います。以上です。

○ 堀内部会長

どうもありがとうございます。ほかにいかがですか。

どうぞ前原さん。

○ 前原幹事

日本銀行の前原でございます。私からは確認の趣旨も含めまして2点ほど質問させて頂ければと思います。

まず、無認可共済の問題というのはいわゆる契約の自由とか、あるいは私的自治の原則といったものと消費者保護の観点からの規制という両者のいわば境界線上にある問題であるという具合に思います。

それだけに金融制度への規制全体を考えるうえで興味深い論点を多く含むと同時に、現実への対応になかなか難しい面も数多くあるように思います。

そうした中にあって、まず考えなければいけないことは、共済が契約自由の想定する範囲を超える実態やサイズを備えながらも規制を回避するといったことを通じて、結果的に消費者の利益が損なわれるといったことは避けなければならないということだと思います。

そうした観点から2つほど質問させて頂きたいのですが、1つ目の質問は共済が取り扱う商品については実質的に見て預金に類似した商品を共済の名の下に取り扱うことは出資法の趣旨から今後も認められないといった理解でよろしいのでしょうかという点であります。

2番目の質問としましては、この論点整理の4ページの3(5)というところに情報開示という箇所がございますが、外部監査に代替するものとして供託が上げられているのは極めて興味深いアイデアでありますが、その場合そもそもの保険料収入について、これは供託のベースになるわけですが、それについては適切な情報開示がきちんと担保されることが前提になると思うわけでありますが、そのような理解でよろしいでしょうか。以上、2点でございます。

○ 堀内部会長

幾つかご意見、ご質問が出ましたが、事務サイド、例えば山下座長を含めてお答えできる範囲のものがあれば、ご返事をいただいてもかまわないと思います。

○ 山下座長

これは個人的な見解としてお聞きいただければと思いますが、まず最後の前原幹事からのご質問につきましては、今のところの現状認識としては、保険の中でも貯蓄的なものは無認可共済ではほとんど行われていないようでして、そういうことを前提にわれわれも考えているわけで、これが共済でも貯蓄的な要素を持つことになると話が全然変わってまいります。この新しい規制の対象をどうするかを確定しなくてはいけませんが、その場合に貯蓄的なものはまず除くということが当然の前提で我々は考えているということでございます。

供託の前提としての情報開示が重要だ、これはおっしゃるとおりで、このあたりは先ほども少しふれましたが外部監査を義務づけるべきかどうかというあたりの論点にもかかわってくるところでございます。そのあたり、しっかりしたものであるべきであるということになると、この部会でもそういう方向でご議論いただく必要があるのではないかと思います。

それから、貯蓄的な要素があるようなものは、こういう新しい規制の対象とすべきではないだろうと考えておりますが、先ほど加藤委員のご質問にあったように保障性の共済であるけれども実質的には更新が事実上行われていくので、これは生命保険と実際に似てくるであろうということで、そういう実質が保険であるようなものについてはそれなりの対応を考えていく必要があるというは当然ワーキンググループでも議論のあったところでございます。

ただ、具体的にどういうところまでということになると、まだ詰めておりません。今後とも考える必要があるかと思います。

そういう点も含めて、3ページの上から4行目以下のパラグラフのところで、この報告書は今ある無認可共済のすべてを新しい規制の対象としてそのまま認めていくことを考えているわけではないわけであります。実質が保険業としての規制がふさわしいものについては、保険業法の規制対象とする、これがそこの4行目以下のパラグラフに書いてあるとおりです。そのあたり、どこを具体的に保険業法の規定対象とし、ここからが新しい規制というあたりになると、そこの限界づけがこれからの具体的な検討作業になってくるのではないかと思っております。

○ 堀内部会長

ほかにいかがでございますか。

木村さん。

○ 木村委員

ワーキングのほうでも岩原委員からご指摘されたところで、労働組合あるいは企業が行う共済については、一定規模以上のものについては適用除外というのはおかしいのではないかというご指摘があったんですが、今一度ちょっと。

4月にワーキングでご説明をさせて頂きましたが、労働組合の無認可共済の事業について若干ご説明をさせて頂きたいと思います。

4月に連合の加盟組織の共済事業についてヒアリングを中心に調査をしたんですが、これまたさまざまな形態があり、ピンからキリまであるという状態であって、共済の運営の形態も一様ではなくて、労働組合自らがやっているところ、あるいは全労済の共済制度を利用するところ、あるいはそれを組み合わせる、そして民間の生損保の商品を利用するというものもあって非常にさまざまでありまして、慶弔見舞金的なものにつきましては星の数ほどあるということで、把握ができないわけですけれども、この中で産別の組織で中には中規模以上のもの、あるいは結構大きな無認可共済をやっているところがございました。給付レベルも数万円、数十万円、100万円あるいは1,000万円、一番大きいところで4,000万ぐらいのところもあったわけでございますが、労働組合の共済事業というのはもともと日本の労働運動は共済事業からスタートしているというような歴史的な経過もございまして、いまだに組合に入っていただく、あるいは労組の活動の中で組合員サービスを向上させるという意味で非常に役立っている部分もございまして、産業別組織に加盟するのに共済があるから入っているんだというところも実態として中にはあるということでございます。

労働組合がやっている共済事業は対象が限定されておりまして、組合員とその家族あるいは組合員OBに限定しておりまして、企業のやっている共済事業も同様のものであろうと思います。あくまで対象は特定であるということでございます。

情報開示につきましても労働組合の仕組み上、基幹会議がチェックをすることになっておりまして、組合員に対して毎年の収支報告あるいは事由別の給付実績、こういうものについても少なくとも機関会議、定期大会も含めて監査報告とともに代議員の承認を得るという手続きを行っているのが通常であるということでありまして、組合員に対しては十分な情報開示がなされていると思います。いわば自治が働いているということでありまして、大きな穴をあければ執行部が責任をとらされるということになりますし、こういう機関会議を経るということで自浄作用も働いているというところでございます。

ある大きな共済事業がございまして、これは具体的に言って差し支えがあるのかないのかわかりませんが、自治体の職員の組合の自治労というのがありますが、ここは非常に大きな50万人の契約者でありまして、ここは全部自前でやっていたそうであります。アクチュアリーも年俸制で雇って、きちんとやっていた。そこでは収支のみならず、商品ごとの三利源まで開示をしていたということであったと聞いております。

残念ながらといいますか、10月から全労済のほうに移行してしまって、無認可共済というか自家共済でなくなってしまっておりますが、いずれにしましても労組の活動上、いわば合意を得ながら物事を進めるというプロセスの中で共済事業も組み込まれているということでございまして、きちんと共済規定を設けて、それに基づいて運用されているし、掛金は組合費などの一般会計とは別に管理をされているということでございます。

今回の議論、喫近の課題として少なくともマルチによる勧誘をやっているところとか、実質的に不特定の顧客を対象にしているということで、そういう部分について大きな被害が拡大しないようにということで議論が進められてきたと考えておりますし、そういったところを早急に手当てをするということで今後も議論が進められていくだろうと思います。

金融庁も、これも第一部会でもいろいろなことをしようとすると、必ず人が足りないのでなかなかできないというお話が出るわけですけれども、非常に限られた人的資源で運営をされているということを考えますと、絨毯爆撃ではなくてピンポイント攻撃で監督資源を集中化をするということで規制のあり方を考えていくことが適当ではないかということでございます。

したがいまして、自治がきちんと効いているところについては対象とすべきではないというこの記載は適当ではないかと思います。ただ、ある一定以上になりますと不安も出てくるだろうということでありまして、金融庁にどのような事業をやっているかとか、そういうご報告はしたほうがいいのではないかとか、あるいは中には共済種目ごとに積み立てる責任準備金の水準とか、あるいは加入者のために用意すべきセーフティネットに関する指針みたいなものを、あるいはガイドラインみたいなものがあればありがたいという声があったことも事実でございます。ここでの議論でそういう方向が出れば、それに向けた運用がなされていくと思っております。

それから、この規制の具体的な内容についてというよりも、これに付随する形で考えるべき点で、行政側において無認可共済に係わるいろいろな苦情、各種相談に対する対応体制、これもきちんとしておく必要があるのではないか。銀行の貸し渋りホットラインをイメージしているんですが、そういう適正な紛争処理というものにつながるような体制整備を行うことが必要ではないかと考えております。以上でございます。

○ 堀内部会長

どうもありがとうございました。ほかにいかがでございましょうか。

○ 高橋委員

私はワーキングの委員でございますが、消費者の立場から申し上げたいと思います。

これまで保障事業に携わる分野の方々、関係者の方々からのご意見が先行しましたけれども、2つの思いで伺っておりました。1つはそういう事業者の方々が消費者保護、契約者保護の観点から無認可共済を許容することに対する懸念があるというご表明であったと思います。

もう1つは脅威といいますか、既存の業態がシェアを新しい共済に奪われつつある現状に対して、既得権を守りたいという思いと受け止めざるを得なかったところがあります。

私としましてはこの問題は新しい保障事業の領域を認めていくかどうかという問題だと考えております。保障事業というのはいうまでもなく保険料を集める事業ではなくて、保険金、給付金をきちん払っていく事業だと思いますので、今、無認可共済という形態をとっているところ中でお金が集めやすいからという点に着目して事業を行っていたり、あるいは目的が別にあるというようなものに対しては排除していかなければいけないと思っています。

マルチ的な販売手法を行っている者の中にそういう疑義があるということです。例えば電話やファクスの不良在庫をさばくために共済をやっているようなものが現実にあるようでして、それらを野放しにすることは適切でないと思います。

先ほど、破綻懸念に対するご意見がございましたが、生損保の今までの破綻でいいますと長期貯蓄性のある商品の販売に問題があって生保7社、損保1社が破綻しており、再保険の問題で損保1社が破綻したということでございますので、先ほどの整理のペーパーの(2)の(B)という、いわゆる取扱い商品が短期のもの、一定額に限定されるもの、つまり短期で保障性重視のものに対する破綻懸念のご指摘は当たらないと思います。私は概ねセーフティネットの考え方がワーキングのほうで合意を得たというのはそういうことだということを付け加えたいと思います。

ただ、先ほど山下先生がおっしゃいましたように、無認可共済でも現行では短期が主で貯蓄性があるものが少ないということですけれども、すでに終身医療とか、そういうものも出始めてきておりますし、更新型に対するご懸念もありましたけれども、消費者の保護ということから必要な規制ということはもちろんかけていくべきだと思っております。

新しい保障事業の領域、いわゆる緩やかな規制の領域を認めるかどうかということにつきましては、認める理由は2つあると思うんですね。1つは既存の保険会社が対応できていない分野があって、それを共済がカバーしていて、そこが消費者の支持を得ているという点。

2つ目は今の保険事業のあり方、特に募集形態のあり方に対する消費者の不満があって、安く、そして少額のものが提供されるのであれば共済を支持するという方々が結構いるということなんですね。ですから、この2点に着目しますと、共済というのは危ないからやめろということではなくて、消費者ニーズを汲むことや、競争促進も必要でございますので、消費者利益の確保のための制度整備という意味でこの場で検討していただけたらと思っております。以上です。

○ 川本委員

私もワーキンググループで議論に参加させていただいておりますが、保険業界の方たちと他の委員との温度差を感じざるをえなかったのが正直なところと思っております。実態として重視すべきことは、無認可共済に対して消費者のニーズがある、機能が違うことに対して消費者がそれを求めているという現状がある中で、大切なのは悪質な業者をどのように取り除くのかということと、自己責任を前提としつつ情報開示などで契約者保護をどう図るかという論点だったと思っております。

お金を集めている以上、規制は必要なわけですけれども、規制に何が最小限いるのかという考え方でいくことのほうが大事で、現行の保険業の延長で考えるのではなくて、なるべくシンプルな規制で健全な業界を育てるという考え方が大切だと思いました。

ですから、全体的な規制改革の方向性の中での「特区」といいますか、新たな体系の規制を入れることによって、保険業界に対して、非常に規制もコスト体質も重たい保険業に対して、何らかの前向きの動きが出るのではないかと期待もいたしております。

規制の具体的内容についてですが、参入規制のところでは、登録制をひいて、しかも法人格を持たせることによって実務的にかなりしっかりしたところでないと参入できなくなるということがのぞましいのではないかと思います。また、商品審査のところは個別審査は保険業界においても今後求めない方向性だと思いますので、ここにあえて入れる必要はないのではないかと思います。

それから、供託の義務づけ等によって区分経理は当然必要と思いますが、供託の義務づけをすることによって、セーフティネット的なものがなくても、情報開示とあわせ契約者保護ははかれるのではないか、と議論した次第であります。以上です。

○ 西川専門委員

西川でございます。先ほど総務省の実態の調査がございましたけれども、まだ実態が十分よくわかっていない。さまざまな共済が存在するわけで、その中には消費者被害が生じるような共済があるというのは事実でございます。それをどういうように規制をしていくのかということであろうかと思いますが、やはり現実に消費者被害が生じる前に一定の規制をかけておくことが必要ではないか。

したがいまして、行政当局が実態を十分に把握できていない、こういうような現状を踏まえれば実効性という観点から新たな緩やかな規制を検討していくということでよろしいのではないか。

今、意見が出始めておりますが、この論点ペーパーの3、規制の具体的な内容でどのような工夫が行われていくのかという点での議論を進めていかないと、実際には野放しの状態がそのまま続いていくという、そちらの懸念のほうが大きいのではないか。このように考えております。

○ 加藤専門委員

脅威から反対しているというのは若干誤解がありまして、脅威というのは簡保でありますとか全労済さん、農協さんであり、無認可共済のような小さいサイズのものに、脅威から反対しているというのは誤解でございます。

ただ、先ほどいいましたように保険業法に該当しないサイズの死亡・医療保障事業が成り立ち得るのか、成り立たないものを共済として認めるというのは、ある種詐欺的なものを幇助することになりはしないかということを申し上げているわけです。小さくても保険事業として成り立つのなら、それなりの監督の仕方もあると思いますが、それは成り立たないのではないかと申し上げているわけでございます。

○ 和仁委員

今まで議論を拝聴しまして、業法を扱っている人間の立場から申し上げると、共済と保険は区別ができない、理論的に全く区別できないといわざるを得ない感を深くしました。

先ほど木村さんのほうから労働組合はきちんとやっているとおっしゃいましたが、労働組合であっても構成員が限定されているんですかというと非常によくわからない。

なおかつ再共済、再保険の世界にいってしまうと、何が共済なのが保険なのかよくわからないということで、理論的には破綻している分野でありまして、きれいに線は引けません。

高橋さんが新しい保障サービスを広げていくんだということを考えていくにはとおっしゃいましたが、そうなんでしょうがサービスは現に存在しているわけでありまして、問題はそこにある組織がひょっとすると破裂することもしれないし、何も起こさないかもしれない。放っておいていいんですかという問題だと思うんです。

問題意識としては加藤さんが先ほどおっしゃったように大きな生命保険会社に関しては別に何でもないというのは、それは全くそのとおりだと思います。ただ、それで事故ったときはどうするんだということの話であって、とりあえず一定の枠の中で皆さんやってもらって、こけるところはこけてもらう。それでちゃんと生き延びる組織がいるのだったら、そのときにまだ本当におかしなところはないのか点検し、規制を入れる必要があるのならそこで規制を入れましょうというぐらいの柔らかい考え方でやったほうがいいのではないかと思います。

先ほどホットラインの話は出ましたが、今の状況で事故が起こったら無認可であるにもかかわらず文句を言われるのは金融庁だと思います。そこを考えると、何か手をつけて、一応の道筋はつけておくということを始めましょうということではないでしょうか。その程度の論点整理だと私は思っておりますし、私の立場からはこの論点整理の考え方で進めていただいていいのではないかと思います。

ガチガチの規制をかけるわけにはいかない。だけど、今目の前にある危険を、正確に言えば、危険なのか危険でないのかよくわからないですが、それをみんなよく見えるようにして、そこから考えましょう、そのスタートラインをつくるだけの作業ではないかと私は理解しておりますので、ということでこの論点整理には賛成いたします。

○ 堀内部会長

どうもありがとうございました。

ほかに。

○ 今松委員

私はワーキングのメンバーではないので、そういうのもワーキングに出ていましたら、それで教えていただければと思うんですが、現実に今、消費者保護という立場からいった場合には、いろいろなトラブルであるとか、あるいは被害とか、こういうものがどれぐらい出ているか。あるいは、経営の破綻とかそういうものはどうなっているのか。先ほど、木村さんが労働組合のお話もされましたが、労働組合等々もどうであるのか。そのあたりを教えてもらえればと思います。

○ 堀内部会長

いかがですか。事務局、何か。

○ 新川信用機構室長

具体的な破綻事例あるいは被害事例というのは、特に目立ったものがあるというわけではありませんが、例えば消費者センターへの相談ですね。こういった商品があるのですが大丈夫でしょうか、そういったものがかなり数が増えてきているということはお伺いしております。

○ 堀内部会長

ちょっとよろしゅうございますか。

それは苦情ではなく、相談の件数ということですか。

○ 新川信用機構室長

相談ということになると思います。

○ 堀内部会長

いかがでございますか。

羽田委員。

○ 羽田専門委員

2回目で申し訳ないんですが、先ほど来聞いておりますと保険会社というのはいかにもグリーディでどこかのテレビではないですが腹黒いというふうに思われているようですが、実際は私はそうではないと思います。

先ほどもありましたけれどもいわゆる無認可共済が保険会社が対応しない分野に今対応しているという、そういう話もありました。高橋さんからですか。ほかの方からもあったと思うんですが、これは先ほど日生の加藤さんがおっしゃられたことと似ていると思いますが、保険会社というのは特に規制緩和の中においてはいろいろな商品を時期時期に応じて市場に送ろうという、これはかなりな努力をしていることは確かだと思います。

ですから、いろいろな商品を考え、数理的にも考え、データを集め、いろいろなことをやっている、そういう中でもやはり対応できない商品、危険というものがあると思います。そういうものにちゃんとした商品を対応したものとしてある無認可共済が商品を売り出した、本当にそれでいいのか。表面的には確かに保険会社が対応していないように見えますが、裏をよくよく考えると知らないのは消費者だけということだってあるはずだと私は思います。以上です。

○ 堀内部会長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでございましょうか。

高橋委員。

○ 高橋委員

今の部分で誤解があるといけませんので申し上げたいと思います。すべての共済が現行の保険業が対応していない分野をやっているということではなくて、そういうところをやっている分野もあると申し上げたつもりだったんですが、言葉足らずでしたらお詫び申し上げます。

その例で申し上げますと、例えば特殊な病気で、いま保険会社が引き受けていないものに対して共済が現実に引き受けている。その場合に1年たった時点で、今、現行の保険会社であれば保険の多くは更新できる形になっていますが、1年たった時点でもう一度告知してもらったり、契約者状況を勘案して継続するか、保険料をどうするのかを考えるような仕組みの共済もあります。そういう形で利用者、契約者が納得してやっているものであれば、それに対してとやかくいってぎちぎちの規制をかける必要はないのではないか。そういう意見でございます。

○ 堀内部会長

ほかにいかがでございましょうか。

幾つか議論が出て、分かれる部分もあるということで、こういう論点整理ができていると考えていただければいいでしょうか。

翁委員。

○ 翁委員

今日お話を伺っていた感想でございますけれども、現実に今、いろいろな問題がこの無認可共済の分野で出てきておりますので、まずはスピーディに消費者保護という観点から実効性のある規制をまずかけていくことが最優先の課題なのではないかと感じました。

もう1つ感じましたのは、保険業という業態を縛っている業法があって、それを回避する形でこういうものが出てきている。新たにまたガチガチの第二保険業みたいなものの業態をつくれば、当然いろいろな主体がこういった法律を回避しつつ担いたいと入ってくる可能性もございます。業者、担い手を縛ることだけを考えますと、金融の自由化とか担い手の拡大が進んでいる現在でありますし、また長い期間をかけて実効性のあるものでなくなってしまう可能性がある。

ですから、自由化とか担い手の拡大をにらんだ新しい規制体制を考えていく必要があるのではないかと感じました。

○ 堀内部会長

そういうご意見も一応どこかに書いてありましたね。つまり現行保険業法をある程度見直すという方向も考えていくという。

○ 山下座長

論点整理の2ページの(1)です。保険会社規制の見直しも視野に入れて行うべきであるという意見です。

○ 堀内部会長

この書きぶりは基本的には同じ規制の下に置くべきであって、それとの関係でなにか問題があれば、むしろ現行法を緩和すべきであるという意味でしょうか。

○ 山下座長

共済について軽い規制でいい部分があるのであれば、それは現行保険業法の規制も過剰な規制なのではないですかというご意見もあって、そういうことを踏まえてこういうことが書いてあります。

○ 片田委員

私も非常に感想めいたことを申し上げたいんですが、部会あるいは審議する課題は非常に専門性が高いんです。いつもそう思うんですが。私はほかの会議で申し上げたんですが、例えばペイオフのような問題を一般国民、市民にもっとわからせるようにPRしていただきたい、当局のほうで。そういうことを繰り返し申し上げてきて、そういう状況に現在なってきたと思っております。時期の問題もありまして関心が高まってきた。

それと同じような意味で、この無認可共済は市民の間にわかりにくい課題なんです。ですから、ここにマスコミの方もおられるんですが、いずれパブリックコメントということになるのだと思いますが、特定の関係者といいますか、関連のある方ばかりではなくて、幅広く意見を求めていただきたい。最終的なルールづくりあるいは法律になさる前に。

そのためにも何かの方法で今課題があるんだ。社会的な難しい問題。さっきから皆さんがおっしゃっていますように、市民の側からみれば利便性の問題、一面リスク排除の問題、非常に難しいことなんです。だから、もっと世の中に関心を持たせるようにして、衆知を集めるという体制をとっていただきたい。

私は無認可共済という言葉は難しいし、世の中に認知されていない。もっとPRしていただきたい。事務局に対するお願いでございます

○ 加藤専門委員

先ほど、共済の被害がほとんど出ていないというお話がございましたが、これは左で集めた金を右で回せているうちは被害は出ないわけでございまして、この自転車操業が止まったとたんに責任準備金の積立不足が多発するわけでございます。このように将来問題が起こってくるものを法律で新たな参入も含めて認めていっていいかということで議論しないといけない。

2点目は、保険として合理的に成り立たないものを共済として認めるということは、架空のデリバティブを認めるようなものでございますので、そういうことを認める法律をつくった途端に、登録制によって様々なものが参入して金を集めるということになってしまいます。

ですから、合理的に成り立つものだけに限ってやっていただきたい。このことだけは是非お願いしたいと思います。

○ 島上臨時委員

今ご指摘あったことはそのとおりだと思います。そういうものを大きな前提としながら、特定性のなかでニッチなニーズに合う商品はあるのではないか。そういうものはやれる余地といいましょうか、無認可の法規制のない形でやるのではなくて、きちんと消費者保護と透明性の観点からの法規制の下でやるという体制をここでつくったらどうだろうかいう考えだと思います。そういうものをつくっていいのだろうと思って、この論点整理に基本的に賛成しております。

保険会社の方から、そういう分野を新たにつくることではないかというご指摘がありますけれど、新しいルールの下で行う共済の分野をつくるというのが根幹の議論だと思います。

○ 堀内部会長

今までのご意見は論点整理に書かれている内容に大体そっていると思います。つまり、この整理そのものが両論併記、そういう形になっておりまして、そういう意味では今後検討する余地があるということだと思います。今日も非常に貴重なご意見を皆さんからいただきましたが、基本的には論点整理に書かれてある内容にそってご意見が出たと私は理解しておりますが、それでよろしゅうございますか。

そういう考え方でなくて、こういうのがあるんだよということがあればお教え願いたいんですが。

一応まとめてよいということであれば、この辺で……。若干時間がないわけではありませんけれども。早すぎますか。もう少しご議論いただいたほうがいいですか。

つまり、今後のスケジュールとしましては、後ほど事務局から幾つかお話があるんですが、我々もまだ検討に参加する余地が残されています。

ほかにご意見があれば頂きますけれども、もしなければこのぐらいにしてよろしゅうございますか。

高橋さんどうぞ。

○ 高橋委員

意見は出尽くしたようにも思うんですけれども、1点だけ追加させて頂きます。

まじめにやっている根拠法のない共済事業者が活動しやすい状況をつくることが私は重要だと思いますので、そういう方向で法整備していく。

また、我々がここで議論することで、現在、根拠法がない共済事業者が自ら信頼を得るための努力をしていくことが大切だと思っております。私もこの間、根拠法のない共済の設立や管理運営に携わっている会社を複数取材させて頂きましたけれども、中には非常にまじめにやっているところもございました。やはり幅広い意見ということでいえばパブリックコメントという手段もあると思いますが、金融庁としては監督下にない事業者をここにお呼びすることに対して若干の抵抗があるかもしれませんけれども、実際に根拠法のない共済を行っている事業者であるとか、そういった設立、運営、あるいは管理等にかかわっている事業者とか、そういう事業者の意見をこういう公開の場でお聞きすることも必要ではないかと思います。以上、意見として申し上げます。

○ 堀内部会長

どうもありがとうございました。

よろしゅうございますか。

それでは、ご意見が出尽くしたと判断させて頂きまして、この問題につきましては先ほどありましたように引き続き第二部会で審議していきたいと考えております。

ただ、第二部会で審議していくための参考としまして、保険の基本問題に関するワーキンググループにおまとめいただいた論点整理につきまして広く各界から意見を求めることにしたいと考えておりますが、それでよろしゅうございますでしょうか。

それから、今高橋さんからヒアリングをやってはどうかというお話がありましたが、各界からご意見を求めるということも進めさせて頂きたいと思います。

次回の部会ではその参考ということで事業者からですが、無認可共済の現状等につきましてヒアリングを行いたいと考えております。これも各界からご意見を求めることの一環だと考えられます。

そういうことのようでございますので、それをお許し頂きたいということでございますが、よろしゅうございますね。やっぱりやったほうがいいということだと思いますので、ぜひそれはやって頂きたいと思います。

○ 加藤専門委員

事前にその業者の事業規模とか、どういう商品を扱っているかについての情報はいただけるのでしょうか。

○ 堀内部会長

事前というのはどういう意味ですか。

○ 加藤専門委員

その場で事業規模を聞いても質問のしようがありませんので、どれぐらいの規模の業者さんをお呼びになって、どういうヒアリングをするか事前にお知らせいただけるのでしょうか。

○ 新川信用機構室長

監督権限その他ありませんので、お話をするにしてもこれから話をさせていただくことになりますので、どういった形で進めるかにつきまして、そういうのも含めまして部会長と相談のうえ、可能であればそういうことも選択肢にしたいと思いますが、これからやりますのでどういった形になるか、調整しましたうえでご相談させて頂きたいと思います。

○ 堀内部会長

事業者のバックグラウンドや何かはその場でお聞きすることは差し支えないと思います。

それでは、そういう形で進めさせて頂きます。

それでは、本日の審議は終了させて頂きます。

なお、この後、山下座長、事務局の方々及び私とで記者会見を行いまして、本日の会合の模様などにつきまして簡単にご紹介させて頂きますのでよろしくご理解頂きたいと思います。

事務局から最後にご連絡をお願いします。

○ 安居保険企画室長

次回以降の部会の開催につきましては、また部会長ともご相談のうえ、ご連絡させて頂きたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それから、今お話が出てございましたとおり、次回は事業者からのヒアリングを行いたいと考えております。今、事務局からも申し上げましたとおり、事業者の選択はこれから考えなくてはいけないわけでございますが、部会長、座長ともいろいろ相談させていただいたうえで決めさせて頂きたい。また、どういう形でやるかも含めてよく検討したいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

それから、本日、ワーキンググループからご報告がございました論点整理につきましては、先ほど部会長からも申し上げましたとおり、事務局におきまして金融庁のホームページに掲載いたしまして、今月下旬まで意見募集を行うという形で広く各界からご意見を募りたいと思います。その結果につきましてはこの場で後日ご報告させて頂きたいと思っております。事務局からは以上です。

○ 堀内部会長

どうもありがとうございました。

それでは、本日の会議を終了させて頂きます。どうもありがとうございました。

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