金融審議会金融分科会第二部会会合議事録

日時:平成16年10月27日(水)10時00分~12時13分

場所:中央合同庁舎第4号館 9階特別会議室

○ 堀内部会長

それでは、ただいまから会議を開催いたします。

本日は、大変お忙しいところお集まり頂きまして、どうもありがとうございます。

それでは、まず、本日の会合に関しての位置付けを申し上げたいと思います。本来ですと、金融審議会の部会が正式に成立するためには、委員と臨時委員、現在は合計16名ですけれども、その過半数が出席している必要があります。しかし、今回の会議ではその定足数が満たされていないというところでございます。したがって、第二部会の正式な会合ということではなくて、第二部会が主催する非公式なヒアリングというふうに位置付けることにいたします。その点をまずご了解頂きたいと思います。

それから、本日の会議は公開ということでございますので、その点もご了解頂きたいと思います。

本日は、岩原委員、池尾委員、翁委員、神田委員、木村委員、高橋委員、田中委員、和仁委員、辻山委員がご欠席ということでございます。

本日は、議題に関して参考意見を聴するため、参考人として、総務省行政評価局の三宅俊光評価監視官と渡邊靖上席評価監視調査官にご出席頂いております。どうぞよろしくお願いしたします。

それから、事業者の方々にもご出席頂いておりますが、後ほどご紹介をさせて頂きます。

議事に入ります前に、本日の配布資料の取扱いにつきまして、事務局の方からご説明をお願いしたいと思います。

○ 新川信用機構室長

それでは、事務局から資料の説明をさせて頂きます。信用機構室長の新川と申します。よろしくお願いいたします。

それでは、お手元の資料に議事次第という1枚紙がありますが、その下、紙1枚ですが、第二部会資料-1というものがございます。本体はこの下の冊子になりますが、これが総務省行政評価局からご説明頂く資料でございます。

それから、第二部会資料-2、3、4、5、これが事業者の方々から参考にしてほしいという資料でございます。

それから、一番下にございます、右肩に第二部会資料-6と書いてございます資料ですが、この資料は、1枚目に注が書いてございますが、10月5日~25日まで当部会におきまして意見募集を行ったところでありますが、その寄せられたご意見のうち、無認可共済を運営する事業者から提出されたご意見で、当部会に配布することの了解が得られたものを、本日の審議の参考に供する観点から、原則そのままの形で掲載しております。したがいまして、その内容につきまして、当局等が確認を行ったものではございません。それから、これらのご意見とか、意見募集全体としては100件を超える非常に多数のご意見を頂いております。したがいまして、ここに掲載したご意見が本日まで頂いたご意見募集の全体像を代表するご意見ではないという位置付けにもご留意頂きたいと思います。

なお、原則そのままの形と申し上げましたが、頂いたご意見の中で、特に第三者といいますか取引の相手方等、そういった事業者なり第三者について言及がある箇所は、それにつきましては事務局において非公表の取扱いとしておりますので、その点もご留意ください。

それから、このことも含めまして、ご意見募集の全体像につきましては、全体を取りまとめまして、後日、委員の皆様にはご報告させて頂きます。先ほど申し上げましたように、100件を超えるご意見がありましたので、ざっと見たところでは非常に幅の広いいろいろなご意見を頂いておると、そういった現状でございます。

○ 堀内部会長

どうもありがとうございました。

それでは、お手元の議事次第に従いまして、議事を進めます。

本日は、前回予告しましたように、無認可共済への対応についてご議論を頂きます。

まず無認可共済の実態につきまして参考意見をお聞きすることとしまして、それに基づきまして今後の我々の議論を進めていきたいというふうに考えております。

まず、総務省の方で「根拠法のない共済に関する調査結果」を取りまとめて公表しておられますので、これを総務省行政評価局の三宅評価監視官にご説明頂きたいと思います、その後にこれに関するご質問等の時間を15分ほど設けたいと思います。なお、三宅評価監視官と渡邊上席評価監視調査官におかれましては、この後、所用がおありということでございますので、ご説明頂いてご議論頂いた後にご退席頂くということになります。それから、その後、続きまして、事業者の方々から、共済会の概要、共済会を立ち上げるに至った経緯、主な取扱商品の内容などの項目について、それぞれ短いのですけれども10分程度ずつご説明を頂き、その後、50分程度、皆様の方からご意見を伺うことにしたいと思います。

それでは、総務省の三宅評価監視官、お願いします。

○ 三宅評価監視官(総務省)

総務省の三宅でございます。よろしくお願いします。

それでは、私どもの行いました調査の結果につきまして、その概要をご説明したいと存じます。お手元に白い資料で「根拠法のない共済に関する調査結果報告書」というものがございます。こちらの中に概要が織り込んでございますので、そちらに基づいてご説明したいと思います。恐縮ですが6ページをお開け頂けませんでしょうか。6ページ目からが調査結果の概要でございます。これに基づいて概略をご説明したいと存じます。

まず、今回の背景事情は今までのご議論にあったとおりでございますので、調査諸団体の方でこの後の説明をしたいと思います。

任意団体による共済ということで、これまで実態というものが必ずしも明らかでなかったわけでありますけれども、私どもの方で、全国の出先の事務所等を使いまして、団体名あるいは商品名といったようなところに「共済」という言葉を使用しているものにつきまして、まず情報を集めました。その結果、422という団体の数を把握しております。

これは下の左側の丸にあるわけでありますけれども、こういった数の中で、下の方に256という数字がございますが、こちらの方は、実際には根拠法のない共済等を実施しておらなかったというのが100あまりあります。そのほか、所在不明が80、残念ながら協力が得られなかったというものも50あったということで、こういったものを除く166の団体につきまして実地調査をいたしたというものでございます。実際に共済を実施していなかったというものにつきましては、民間の保険を扱ったということであるとか、あるいは、共済という名前から、共同の購入とかそういう事業をしておったというものでございました。

この166の団体でございますけれども、所在は東京都に5割ぐらいが所在しておるという状況でございます。その下に書いていますように、ここ5年の間に事業を開始しているものが6割弱、96団体と、近年の事業開始が集中している状況が見られたというものでございます。任意団体等と申しておりますが、大部分が任意団体でありますけれども、あと、株式会社、有限会社、中間法人といったような類型も一応考えたということでございます。

あと、典型的な共済ということで、企業内の互助会等の実態の方もあわせて見たところでございまして、こちらの方は27都道府県の中から選んだ103団体につきまして調査をお願いし、そのうち調査に至ったものが85団体でございます。

このほか、公益法人等による共済というものも今回は調べてみました。これは29都道府県の159団体でございます。これは法人の運営に行政機関の一定の関与があるということから、このようにグルーピングをしておるところでございます。公益法人が多いですけれども、あとは、商工会、商工会議所といったようなところ等がございます。

合わせて370の団体につきまして実地の調査を行ったというものでございます。この調査は、こういった協力を得られた団体からの説明をもとに分析をしたというものでございます。

それでは、この概要でございますが、次のページの方で、「事業の概況」でございますが、こうした団体につきまして、まず共済の規模という観点から、加入者の方を見てみたということ、2番目の枠が掛金の総額の状況、3番目の枠が支払総額といったようなデータを見ております。

加入者の方は、任意団体のところでは273万人といったような方々が加入されておる状況があったということでございます。これは、166のうちのこうした加入者のデータが得られた、あるいは算定しておられるというような団体の110の団体につきましての合計でございます。それから、企業内、公益法人では、それぞれ、276万人、1,639万人という数でございまして、これはもともと抽出した団体の合計ということで、必ずしも全国のものではございません。

金額の方もご覧のとおりの数字でございまして、最後のセンテンスの、加入者一人当たりの年間掛金、これで各団体を通じての比較的なものができるのかなということですけれども、任意団体の方では年間で2万4,600円程度、企業内の方では1,500円、公益法人では4,800円ということで、この辺が掛金面では濃淡が出ているところだと思われます。

支払金額の方は、表記のとおりの傾向でございました。

それから、おめくり頂きまして8ページ目の方でございますけれども、共済の種類の方でございます。どういった種類を各団体さんはされておられるのかという現状でございますけれども、任意団体さんの方では、生命・身体に関するものが4割を占めるということでございまして、そのほか、家財、ペット、葬儀と、いろいろな多種多様なものがあるということがわかったところでございます。この帯グラフは、若干見にくいですけれども、生命系の方から、順次、家財系に移るようなグラフにしてございます。それから、「その他」というところがありますけれども、これはその帯グラフの下のところに具体例を挙げております。建物完成保証あるいは遭難時の救護救援費用の補償等々、いろいろな多種多様なものが現に行われているということがわかったというところでございます。他方、企業内共済あるいは公益法人等によるものにつきましては、ほぼ生命・身体、家財といったものに限られておったというものが現状としてわかったということでございます。

それから、こういった共済の内容の方ですけれども、例えば死亡保障の限度額といったものを見てみますと、任意団体さん等の方では1,000万円以上が5割ぐらいは占めておったというところがございまして、一方、企業内、公益法人では50万円未満のところが多いということで、この辺も内容に濃淡があるというところが出ているかと思います。その詳しい状況等はその下の表にしてございますけれども、このような状況でございました。最高額、最低額、それぞれいろいろなところがございますけれども、団体の相対として見て見ると、今申し上げた右側に書いてあるような「特徴」というところで出てくるかと思います。

次のページが、どのような方々に共済を行っていらっしゃるのかというところで、共済の対象者というところを見ております。ご案内のとおり、この共済の対象者は何らかの特定の無集団の構成員というものを相手にしているというところでは変わりはないかと思いますけれども、この下の表にありますとおり、例えば任意団体等さんの方ではいろいろな方々を対象にしておられるということで、上から特定の職種・資格を持っていらっしゃる方々を対象にしているところから、地域あるいは特定の機器・サービスの購入者、あるいは特定の物件の入居者といったような方々を対象にしている部分がございます。中には、ちょっと網掛けをしてございますけれども、入会金だけといったようなところとか、あるいは具体的な要件が見られないといったものも3割弱あったという状況がございました。他方、企業内共済の方では、全て特定の企業の役職員あるいは大学の学生さんといったような限定された者と思われます。公益法人等では、網掛けしてございますけれども、特定の地域での勤務・居住といったようなところでの類型が多いのかなというのが結果でございました。このようなことから、特定の集団といってもいろいろな要件を設けられておられるというところが現状かと思います。

今度は事業運営の概況でございまして、10ページ目をご覧頂きますと、まず、共済加入の入口でございます募集の方法などでございます。こちらの方は、この表をご覧頂きますと、任意団体等さんの方では、大半が直販あるいは代理所の活用といったような手法でもって会員さんを集めておられるという現状でございますけれども、中には新会員を勧誘した会員に手数料を払うなどといった方法によるものも13団体あったということで、網掛けをしてございます。直販の中にもこのように、共済の対象者は特定の機器・サービスの購入者でありますけれども、その機器・サービスの販売員の方ですが、それに対しまして傘下の販売員の実績も手数料に反映するといったような仕組みがあるものもございます。また、会員の活用のところでも、傘下の新会員による勧誘実績も手数料に反映といったような部分も見られたということでございます。

それから、今回は相談の状況というものも調査いたしておりまして、全国の34都道府県の98の消費生活の相談の窓口の状況も見てみました。こういったものを見ますと、根拠法のない共済に関する加入の場面から支払いあるいは解約といったような場面でいろいろな相談が来ているわけでありますけれども、そのうち、その相談の原因でありますとか、その背景に募集時の募集方法が何らかの形で関係しているのではないかと見られるものが6割程度あったということでございまして、この表にあるとおり、251を分母としまして151件当たりが何らか関係していると見られるということで、具体例もこのように3つほど挙げさせて頂いております。

それから、次が加入時の交付書類等の状況あるいは財務状況等を11ページ目で見ております。こちらの方はそれぞれこの表記のとおりでございまして、加入時にどういった書類を交付しているのかという観点から見ますと、任意団体等さんの方では、75%のところで、それぞれ、約款、契約書等が配られていると、一方、企業内、公益法人等さんの方では若干割合は低いということでございます。それから、財務情報の方も、加入者であります会員さんにも、両方、財務諸表、損益計算書を開示していないところも3割ぐらいあるというようなことがあったというところでございます。

それから、次に12ページをご覧頂きますと、今度は、責任準備金と再共済契約の状況でございます。こちらの方は、準備金の措置状況を見ますと、準備金がないというお答えを頂いたのが、任意団体等では4割、企業内、公益法人では、それぞれ、6割5分、4割といったような数字でございます。今般、「準備金あり」としているところは、任意団体等さんでは6割ぐらいあるわけでありますけれども、その中でも、一体どれぐらいの額があるのかという観点から、年間の共済の支払い金額を分母にいたしまして責任準備金の額で割ってみますと、このような50%未満のところが22団体、100%未満が7団体、100%以上が40団体というようなことで、額についてもいろいろなばらつきがあるということだと思われます。それから、具体の積算基準といったようなものも聞いてみましたところ、それぞれ、基準がないというものが2割ぐらいあったという状況でございます。

下の表にあるとおり、保険業法あるいは制度共済等の基準を使っていらっしゃるところもあれば、コンサルタント会社さん等の何らかの数理計算でされておられるというようなところもございますが、基準がないというところ、あるいはその他の基準ということで、下に注がございますけれども、掛金の一定額等々の積み立て方をしているというような現状が見られたということでございます。それらの積み立てていない理由につきましては、下のとおりでございまして、小規模共済である等々の理由ということで伺っております。

次に、再共済契約の措置状況でございますけれども、こちらの方も再共済契約をしていないというものが任意団体等さんで3割ございました。それから、企業内や公益法人等ではいずれも8割以上ということで、かなり濃淡が出ているというものでございます。理由は、先ほどの責任準備金と似たような理由が挙げられております。

それから、両方の措置状況ということで見てみますと、責任準備金と再共済契約の両方とも未措置だというご回答を頂いたのも、任意団体等さんでは2割ぐらいあったということでございます、企業内や公益法人でも、それぞれ、6割弱、3割5分というようなことで現状はあったということでございます。

こうした各団体さんの実態等を踏まえまして、私どもの方でこうしたことが今後必要ではないかという意味で行政上の課題というものを14ページにまとめさせて頂いております。こうした実地で調査した団体についての結果から、根拠法のない共済に関しまして、消費者、加入者等の保護の観点から、次のとおり対処すべきと考えられる行政上の課題があるのではないかということで今回はまとめております。

1点目は募集方法等ということでございまして、先ほど申し上げたように、相談の多くがその原因あるいはその背景に募集方法が関係しているということが見られることから、募集方法の適正性が確保される必要があるのではないかという点がございます。もう1点は先ほどのいろいろな書類の交付の関係でございますけれども、契約後のトラブル防止という観点から、約款等につきましては確実に交付される必要があるのではないかというようなことを言ってございます。

財務情報につきましても先ほどの結果から見られるとおりのことでございまして、活動内容の透明性の確保、消費者選択ということに資するということで、少なくとも正確な情報が開示される必要があるのではないかというように考えてございます。

それから、責任準備金の方でございますけれども、支払義務の確実な履行ということから、団体自らにおいて責任準備金が適正に積み立てられることということでございます。積み立てておらない理由の中で、出資元の方が保証している等々の理由もありましたものですから、やはり実施団体においてきちんと積み立てることは必要ではないかということで、「自らにおいて」ということを入れております。その際ということで、当然、残高などもきちんと開示される必要があるのではないかということでございます。また、適正の確保ということで、少なくとも具体的な方法が開示される必要があるのではないかということを提示してございます。

なお、ここになお書きが3行ほどございますけれども、今までに見られたように、いろいろな団体さん、あるいは事業内容、構成員等に多様性があるということから、加入者が少ないなどといった共済の対象者の範囲あるいは加入者等の規模などから見まして、事業運営につきましてはその団体の自治に委ねるということで足りるものにつきましては、団体の対応に委ねることも考えられるのではないかなということで、必ずしも一律のものとは考えられないのではないかということをここで書いてございます。

それからもう1つ大きなくくりとしまして、今回、こうした実地に調査した団体の結果から、事業内容等の多様性が明らかになったということ、それから、残念ながら協力が得られなった団体もあったということなどからいたしまして、次の課題ということで、「実態把握等」と題しまして、個別に、あるいは継続して把握する、あるいは、同時に、問題があるものについて適正な対応を図る仕組みといったようなものが今後整備されることが必要ではないかということをここで掲げております。

以上、雑駁でございますけれども、私どもの調査結果を、公表したものの概略を、本日はご説明申し上げました。

○ 堀内部会長

どうもありがとうございました。

それでは、ただいまのご説明に関するご質問等がございましたら伺いたいと思いますが、いかがでございますか。

どうぞ、原委員。

○ 原委員

幾つかあるのですけれども、まず基本的なところと言うのでしょうか、最後にも書かれていますけれども、それから、途中で中間報告のときにもご報告があったのですが、調査に協力をしないところが相当数あるということですよね、それから、所在がわからなくなっているというのもたくさんあるということで、金融商品を扱っているところとしては私としては異例なことというような感じがしているのですけれども。前回は、調査の協力が得られなかったというのは、金融庁が何らかの規制をかけるということに反対であるから協力をしないというようなことが理由だったというふうに記憶をしているのですけれども、今回、今の段階でも、調査の協力が得られないというのが確か50ぐらいで、不明が80ですけれども、このあたりはどういう理由でということがわかれば1点お願いしたいと思います。

もう1つは、よく調べて頂いたので大変わかったのですけれども、10ページに新会員を勧誘した会員に手数料を払う特別の方法によるものが13団体あるということなのですが、この13団体について、扱っている商品ですとか、どういう形で契約者が増えていっているかとか、その手数料は幾ら払っているのかとか、もう少し詳しい調査はおやりになっているのかどうかということをちょっと前段でお聞きしたいと思いますが。

○ 三宅評価監視官(総務省)

まず1点目の協力頂けなかった理由のところでございますけれども、報告書の16ページの方に若干言及してございまして、細かい字で恐縮でございますけれども、16ページの下の方の6というところで、業務多忙である、あるいは守秘義務等がある、あるいは言及されました規制強化の動きに反対であるといったような種々の理由が述べられているというところでございます。

それから、特別な方法のところでございますけれども、これは57ページをお開き頂きますと細かい表がございまして、その中で、この13につきまして、共済の種類別に欄を設けてございます。例えば直販のところの1につきましては、生命・身体、家財を扱っていらっしゃるところでございますし、代理所のところの2というのはその他の商品を扱っていらっしゃる、それから、会員のところのここの欄の9の方は、生命・身体だけのところは5、身体・生命、その他が1、こういった欄である程度の商品特性がわかるかというように思います。

あと、具体の募集会員の形態の方でありますけれども、60ページの方にまた表を設けてございまして、先ほどの分類に従いまして、直販のところでの類型でこのような方法をとられているところの方法の内容といったものを、それぞれ分類に応じまして、若干掲げさせて頂いているところでございます。

○ 堀内部会長

原さん、よろしゅうございますか。

○ 原委員

もう一度見させて頂いてというふうに思いますけれども、よく調べられたというか、消費者団体がいろいろな形でアクセスして、どういう契約内容になっているかとか情報開示とかを求めると、ほとんど拒否なんですよね。全く開示する理由がないということで拒否をされておりますので、非常に基礎的なデータとしてはまたもう少し検討させて頂きたいというふうに思っております。

○ 堀内部会長

ほかにはいかがでございますか。

どうぞ、島上委員。

○ 島上委員

7ページの表でちょっと質問をさせて頂きたいのですけれども。

共済掛金の年間総額と共済金の支払額の年間総額とを見ますと、この間にかなり差があります。例えば任意団体の場合には、掛金で494億円、共済金支払が209億円。基本的に1年契約の掛け捨てということであればこの差はちょっと大きすぎる、となると、相当長期契約のものとか共済支払債務が後で出てくるものがあるのではなかろうか、となると、再保だとか、あるいは責任準備金がきちんとあるのかというのが私の関心になってくるのですけれども。13ページで調査して頂いているのは団体数ということで金額的な統計がないのですけれども、何か7ページのこの494億円と209億円の差、これに関連した金額的な責任準備金または共済契約の有無というような何か分析あるいは調査があるのかどうか、そこをお伺いしたいのですが。

○ 三宅評価監視官(総務省)

現在、この報告書の中では、7ページ目にありますような、差があるところにつきましての分析というものはいたしておりません。ただ、先ほど申し上げましたように、準備金の額とその支払った共済金の額といったものの対比は作ってございまして、その辺で、実際あるといっても年間の占める割合に対して準備金がどれぐらいあるのかといったところは若干わかるようになっておるということでございます。

○ 堀内部会長

今のお話は、12ページの表ですね。

○ 三宅評価監視官(総務省)

はい、こちらでございます。

○ 堀内部会長

責任準備金と年間支払共済金額の関係で、任意団体についてですが、例えば50%未満が22というような数字がありますけれども、島上さんはこれをご覧になってどういう印象を持っていらっしゃいますか。

○ 島上委員

この将来債務に対する備えというのは責任準備金を持つか再保に持っていくかでしょうから、それを両方見た上でどうかというのがないとわからない。単なる1年契約の掛け捨てをするとこの差がやはり大きい。となると、これはもう相当おいしいビジネスだなという感じにもなるわけで、実際はそうではないのかどうなのか、ちょっと実態がこれだけではよくわからないものですから、もし調査がなされておればお聞きしたいということです。

○ 堀内部会長

かなり一般的な調査を、難しいところを丁寧にやって頂いているわけですが、まだまだ実態が完全には把握しきれていないという状況であるということはどうも確かなようですね。

よろしゅうございますか。

どうぞ、羽田委員。

○ 羽田委員

2つほどあるのですが。

9ページ目の上の方の四角の中で、任意団体等について、下の方の黒く塗ってある「入会金のみ」というのが約2割強ありますけれども、このような団体について保険業法でいう特定性の関係は何か調べているのかどうかという、それが1つ。

それから、13ページの再共済のところなのですが、再共済先、具体的に例えばどういう会社に再共済を出しているとか、していないとか、そういう何か具体的なものを調べられているのかどうかをお聞きしたいと思うのですけれども。

○ 三宅評価監視官(総務省)

1点目の特定性の問題でございますけれども、入会金の額等は調べてございます。ただ、ご案内のとおり、特定性を総合的に判断するという3つの要素がございますけれども、今般は全体像の把握という観点からやっておりますので、今以上の詰めはいたしておりません。

それから、もう1点目の再共済先の話でございますけれども、お伺いできた範囲ということで若干ございまして、86ページの方に表をつくってございます。国内・国外というような大きな区分けでございますけれども、こうしたところで相手先としてご回答頂いたという部分がございます。

以上でございます。

○ 堀内部会長

ほかにございますか。

川本委員、どうぞ。

○ 川本委員

すみません。

財務情報の開示で、7割の団体の方が開示をしていらっしゃるということで、今まで聞いていた印象とは随分違うと思いました。さらにその後ろの方を拝見すると、外部監査を受けているところが2割弱ということです。まだ表の見方がよくわかっていないのかもしれませんが、会員のみに示しているところが多いということは、最終的には総務省の方の調査でも、実際のB/S、P/Lというところまではご覧になっていないのでしょうか。と言いますのは、もし求めれば7割の団体は今の段階でB/SとかP/Lを開示できる状況にあるのかどうかということをお聞きしたいのですけれども。

○ 三宅評価監視官(総務省)

調査の際にどのような方々に開示をされておられるかというところで聞いたときにこのような回答を頂いておりまして、それにあわせて私どもの方に書類を頂けた団体は多くございます。

○ 堀内部会長

財務情報をいつでも我々が手に入れられるというような、そういう状況になっているかどうかは確かではないということですか。

○ 三宅評価監視官(総務省)

そこまではお伺いしておりません。現状の取扱いをまず聞きまして、その上で、どのような書類でございますでしょうかというところで私どもに対しては頂けたというものでございまして、それ以上の取扱いはどうなるかというところは聞いてございません。

○ 堀内部会長

ほかにはいかがでございますか。

よろしゅうございますか。

それでは、他にご意見が差し当たりはないということでございますので、ここで三宅評価監視官と渡邊上席調査官は所用ということでございましてご退席になられます。どうもありがとうございました。

○ 新川信用機構室長

恐れ入ります、今準備を進めておりますが、これから事業者の方からヒアリングを頂きますが、前回の部会でワーキングから頂いた論点整理につきましてのご意見もあわせて頂戴しておりますので、今、ご参考までに、席上に前回ご報告いたしました論点整理を配布させて頂きます。

○ 堀内部会長

それでは、続きまして、本日の議題に関しまして参考意見を聴するため、事業者の方々に参考人としてご出席頂いておりますので、ご紹介をさせて頂きます。

まず、大東建託株式会社の熊切直美取締役と、大東共済会株式会社の福山喜久雄事務局次長でございます。

それから、共済会いきいき世代の会の片寄斗史子理事長と、平木範之事務局長でございます。

アニコム(動物健康促進クラブ)の小森伸昭理事長と、百瀬由美子総合企画部長でございます。

エーオンアフィニティージャパン株式会社の山中孝一代表取締役社長と牧田晋マネージャーでございます。

それでは、皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、順次、ご説明をお願いしたいと思います。まず、大東建託株式会社の熊切取締役よりお願いいたします。

○ 熊切取締役(大東建託株式会社)

それでは、大東共済会の概要につきましてご説明を申し上げたいと思います。

お手元の資料の資料-2というものにレジュメをまとめさせて頂きました。

大東共済会は、大東建託が建設をする賃貸のマンションあるいはアパートのオーナーさんの、入居者が退去をして次の入居者が見つかるまでの間、家賃のなくなる部分をヘッジするという目的で設立をした会社でございます。大東建託の100%子会社の、資本金が4億8,000万円の会社でございます。そこにございますように、設立は1980年3月17日、商号は大東共済会株式会社。今もご説明申し上げたように、大東建託の100%子会社でございます。

現在、3月末までの状況でございますが、加入を頂いております賃貸物件の建物の数が6万7,000棟、加入のお部屋の数が全国の33万2,000室になります。お客様の数が3万9,000名という形で、現在運営をしております。会員の資格につきましては、大東建託または大東建託の100%子会社の大東住宅が建設請負工事をした賃貸建物のオーナーで、かつ大東建物管理に管理業務委託をしているオーナー様を対象として、入会を頂いております。

冒頭申し上げたように、大東共済会の主たる目的は、建物賃貸事業の経営の上で発生する空家期間の無収入のリスクをヘッジするということで、共済会の加入者相互の拠出によります会費で空家期間のヘッジを保証給付し、賃貸事業経営の安定経営に資するということが狙いでございます。お客様である会員の方々からの拠出金と会員への給付金との入出金のバランスをとっていくという方針でございまして、株式会社の形式で設立はしましたけれども営利を追及する会社ではございませんで、すべて利益については内部留保という形で大東建託への配当も創業以来行っておりません。

次に、2ページのところですが、 II の「組織」ですけれども、大東共済会の組織は、そこの図にありますように、取締役会の下に当然役員がおるわけですが、大東共済会の取締役会の諮問機関として理事会というのがございます。これは、大東共済会の役員につきましては、社長と私が兼任をしておりますが、それ以外の取締役、監査役につきましては、全国のお客様の地域の代表者の方に役員に就任頂いて、同時に、諮問機関である理事会についても全国14営業部の代表のお客様から理事会の理事さんに就任を頂いております。

III の「主な取扱商品」というふうにご指示があった形で書きましたけれども、不特定の方々に販売をしているわけではありませんので、今ご説明申し上げたように、賃貸建物の空家期間の家賃の保証制度であるということでございます。

保証の期間につきましては、当初、保証の制度には期限は設けておりませんで、建物が建築をされた後、新築後10年後、それから、それ以降につきましては5年ごとに継続加入のための建物の美観あるいは機能性あるいは安全性等の審査をして、賃貸物件として共用ができるかどうかという審査をした上で継続加入をしておるということでございます。

それから、最大保証限度額ということでございますが、こちらにつきましては、地域相場の家賃の最大一部屋当たり90%を、次の入居者が見つかるまでの間保証するという仕組みになっております。現在のアパート・マンションのお部屋につきましては、月々の基準の家賃の4%が保険で言います掛金、そして、店舗あるいは事務所といったようなビジネス用の建物につきましては基準家賃額の6%という形で運用をしております。

直近の年間の共済の掛金につきましては、年間で129億200万円というのが平成16年3月期の決算数字でございます。

それから、3ページ目ですけれども、共済の掛金の運用方法、あるいは、先ほどのご報告にもありましたように、責任準備金あるいは再共済という状況でございますが、掛金の運用方法につきましては、現在は普通預金で運用をしております。

責任準備金につきましては、現在対応はしておりませんが、先ほど申し上げたように、過去からの利益の積み上げについてはすべて内部留保をしておりまして、なおかつ大東建託の100%子会社でございますので、監査法人トーマツの監査を年に2回定期監査をしておりますし、バランスシートあるいはP/Lにつきましても、四半期決算ごとに情報開示をして、お客様はもちろん、そして、証券会社のアナリスト、ファンドマネジャーを含めて、四半期ごとにバランスシートは開示をしております。加えて、月次の空家率の推移、それから、共済会の給付状況につきましては、月次で開示をしております。

それから、再共済の状況でございますが、その意味でこの種の再共済を受けて頂ける機関が世界中ありませんでしたので、現在は入っておりません。

そして、情報開示については、先ほど申し上げたように、バランスシート、財務情報に関しては定期的に開示をするとともに、会員でありますお客様に大東共済会の情報誌を年に2回、「ゆとリッチ」という会員誌を発行しております。その中に、当然、定期の理事会あるいは取締役会での審議事項、あるいは決算報告を含めまして、年に2回、各お客様のご自宅に郵送をしております。

最後に、 VI の「論点整理」というところでございますが、先ほどのご報告にありました行政上の課題ということについて、募集方法、財務情報、責任準備金という3つの課題が挙げられましたので、それに関してだけコメントをしたいと思います。

まず、募集方法につきましては、先ほど申し上げたように、私どもで請負契約を頂いた賃貸マンションのオーナー様が当社の共済会の対象でございますので、請負契約を頂く段階で、大東共済会の仕組み、あるいは給付の状況、財務状況を含めてご説明をした上で、加入を頂いております。当然、約款あるいは契約書というものについては、各契約ごとに配布をしております。

それから、2番目の財務情報につきましては、先ほどご説明申し上げたとおり、上場企業の100%子会社でございます、月次の開示はもちろん、四半期ごとのバランスシート、損益計算書の開示を今後とも継続をしてまいりますし、監査法人の定期監査も継続して行ってまいります。それから、責任準備金の部分ですけれども、こちらについては現在は責任準備金ということで対応はしておりませんが、現状、年間の給付額に対して内部留保の株主資本が約55%、加入金が129億円で、昨年の実績が111億円の支払いをしております。それに対して株主資本が63億円ということでございますので、約56%分を責任準備金に積み立てをすることが必要だということになりますれば、即座に積み立てをする計画をしております。

以上、簡単ではございますが、ご説明を終わらせて頂きます。

○ 堀内部会長

どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、共済会いきいき世代の会の片寄理事長からお願いいたします。

○ 平木事務局長(共済会いきいき世代の会)

それでは、いきいき世代の会の概要についてご報告いたしますが、まず最初に、共済会を立ち上げるに至った経緯につきまして、理事長の片寄の方からご報告をさせて頂き、その後、概要について私の方からご報告をしたいというふうに思います。

○ 片寄理事長(共済会いきいき世代の会)

それでは、ご説明させて頂きます。

いきいき世代の場合は、このご説明は『いきいき』という雑誌の創刊に少し遡ります。1995年、高齢化社会がいよいよ高齢社会というふうに様々に論じられるようになったときに、私どもは『いきいき』という雑誌を創刊いたしました。これは直販で直接ご自宅にお届けするというものです。現在、9年目に入っておりますけれども、読者数は36万人、大半が45歳~65歳の女性がほとんどです。もちろんご夫婦でお読みになったり、いろいろな形でお読み頂いているのですが、このときに私たちは、高齢社会、人生の後半を50という1つの年齢に象徴させまして、人生の後半の生き方・暮らし方を応援していこうと、これが雑誌のコンセプトでした。

したがって、人生の後半に1つ自分たちの最も最後を十分生きていくためのことを雑誌でやっていこうということで創刊しておりまして、メディアといいますか雑誌にはいろいろな役割があるかと思いますけれども、私どもは日々の暮らしを活性化させていく、あるいは自分のことは自分で考えて自分でやっていくということを一番最後に、ほとんどの方が女性ですから、大概の人が1人になることもある程度覚悟して臨んでいます、そのときにどういうことで自分で自分を支えていくかということが大きい課題になると思いますけれども、1つの雑誌をネットワークの形にしまして、支え合うことができることをいろいろな仕組みの中でやっていっております。例えば、雑誌を読んでいる人だけに限って通信販売をしたり、一緒に旅に行ったり、講座をしたりということで、後半の人生に自分自身を強く生きていかせる力というものを1つの雑誌が持っていかれないだろうかということで、現実的な仕組みを考えてきました。

共済に関しましても、ある年齢にいってから自分の一番大切なもの、支え合うものといいますと健康ということが一番ベースになるのですが、実際にはどんどん年をとっていって、それぞれが不安の中でいるのも事実です。それから、女性の場合は1人残されるということも大変多くて、雑誌を読んでいる仲間で互いに支え合う、強く生きていこうというときに、後半の人生においてはもちろん精神的なこともありますけれども、現実的にそういう支えができないかということで共済の仕組みを考えました。

大概、ほとんどの人は、自分で自分のことを最後までまっとうしたいと理想として考えているのですが、実際にはなかなかそうはいかないので、それではどういう場合に一番困るかというと、病気をしたり、とにかく自分が動けなくなる、そのときにどうやって自分の生活を支えていくかということが一番大切だろうと私たちは考えまして、ただなかなかそうしたものが現実にはないので、それではできることをということで医療に特化したものを共済の仕組みで考えられないかということでスタートいたしました。

細かいことについては事務局長の平木の方からこれからご説明いたしますが、強く生きていくということを一番キーワードにしまして、支え合える仕組みというものを現実的に、いろいろ、いきいきというものを考えております。現在、定期購読者に限って約8,000人の方に加入して頂いて、運営しております。設立のきっかけに関しましては大まかなところそういうことなのですが、具体的なところはこの後に平木の方から説明させて頂きます。

○ 平木事務局長(共済会いきいき世代の会)

それでは、概要についてご報告いたします。資料に沿ってご報告します。

設立年月日は2002年7月5日、募集開始は2002年10月7日、先ほど申しました『いきいき』の11月号から募集を行っています。共済実施団体の形態は、非営利事業という前提に立ちまして、人格のない社団として運営をさせて頂いております。

会員資格は、母体企業であります「ユーリーグ株式会社」が直販形態で月刊誌として刊行しています雑誌『いきいき』、現在、実売で36万部の通販雑誌ですけれども、『ふくふく』という通販の雑誌も同梱しております。これの1年または3年の定期購読者に限定をしております。保障対象者は、契約者本人・契約者の配偶者と子および配偶者・契約者本人の親および配偶者の親としております。

契約者数は、これは先ほど8,000名というのがありましたけれども、10月20日現在ですと契約者数で6,100、保障対象者数で7,800名です。募集形態は、雑誌『いきいき』におきまして募集告知を行い、これについては「いきいき世代の会」と「ユーリーグ株式会社」の間での業務委託契約を締結しておりますが、加入に関して「電話」または「はがき」で資料請求をして頂いた読者に対して、募集に関する資料、詳細なパンフレット及び申込書などを郵送させて頂いているということです。

2番の方は割愛しまして、3番、「主な取扱商品の内容」。現在は、基礎的で生きるための医療保障、先ほどありましたけれども、必要最低限の保障ということを目指しまして、医療共済として「いきいき世代」のみを販売しております。

保障内容としては、主たる保障内容は、病気・ケガによる入院保障・手術保障・高度先進医療保障です。一口の保障金額は以下のとおりで、2口まで加入可ということです。入院時には1日5,000円、2口では1万円、1回の入院については1日~90日まで、契約期間通算1080日。これは、1年間の更新をしておりますけれども、実際に最終的にやめられる期間までというふうに理解をして頂いたら結構です。手術保障につきましては、手術の種類を限定しまして、5万円、10万円、20万円、これについてはパンフレット等で手術の種類を詳しく掲載しております。それから、高度先進医療につきまして、契約期間通算で最高100万円、2口ですと200万円まで保障します。

保障期間は1年です。1年ごとの更新で、80歳までを保障とします。

最大保障限度額としては、こういうことが考えられるということですけれども、2口加入時で、90日入院して、最高40万円の手術をしたという場合ですが、この場合ですと130万円ということになります。高度先進医療保障が発生した場合は別途最高200万円ということになりますが、現在まで高度先進医療の支払実績はございません。

月掛金としてありますけれども、下の方に月及び年払いの掛金があります。加入後、年齢が5歳刻みで掛金が更新時にアップをするという形です。

自動更新の有無ですが、保障期間は1年で、1年後の契約満了を迎えるに当たっては、まず、更新時に加入資格『いきいき』の定期購読期間中であるかどうかの確認をします。それから、契約が満了し、継続する意思があるかどうかの旨の通知を発送して、そこで意思確認を行います。非継続を申し出た方につきましては、連絡をして非継続扱いとし、既に頂いております出資金も含め、年払いであれば残りの解約返戻金を含め返戻するということです。

直近の年間共済掛金ですが、2003年10月~2004年9月の実収ベース掛金で約2億8,000万円ということです。

共済掛金の運用方法、責任準備金、再共済の状況につきましては、まず、運用はしておりません。銀行は普通預金にて管理をしております。責任準備金は、1年契約であり、本来で言う責任準備金というものは発生しないという理解ではおりますけれども、年払い契約についてのみ翌事業年度分に係る部分について、再共済料を控除した金額を責任準備金として計上しています。再共済につきましては、S&P、Moody’s、AMBest等の格付け機関による優良な格付けをする保険会社を再共済先として選定しています。あまり高額な保障はしておりませんので、必ずしも必要という見解は持っておりませんが、安全確保のためやっているということです。

情報開示につきましては、共済会いきいき世代の会事務局に、事業年度ごと、まだ2期しか終わっておりませんけれども、決算資料、定款、規約類を配置し、契約者が閲覧できるようにしています。もちろん先ほどの話にありましたB/S、P/Lについても見れるようにしております。それから、加入証書郵送時に、いきいき世代の会約款、いきいき世代の会定款、共済事業規約等々を同封しております。

続きまして、金融庁の論点整理に対する意見・要望ということです。論点整理につきましてはいろいろな見解があるというふうには思いますけれども、部分的にはやはり賛成できる部分もありますので、必ずしも反対という立場ではありません。ただし、規制ありきということにならないように配慮を願いたいというふうに思います。

まず、基本的な考え方に対して、相互扶助という基本的な考えのもと、共済事業としてあるべき内容で事業を行っている団体、我々団体に対して、保険会社並みの規制をするということは、共済事業の設立から本来的にもやはりおかしいということと思いますし、比較的弱者として共済事業そのものの存在を否定し、現状を否定するだけではないだろうかというふうに考えます。基本的な事業活動の自由を阻害することになりかねないことから、保険会社と同様の検査を行うという論議は合理的でないと思われます。これについては、金融庁の監督下に入るということがうんぬんということではなくて、検査に対してのいろいろな体制であるとか、そういうものについてどれだけの費用がかかるのかということも含めて問題ではないかということです。したがって、共済事業としてあるべき一定の基準を設定し、その範疇の共済事業については必要最低限の届出を行うこと、一定の規模以上については民間の第三者機関の審査を導入するなど、検討するという方向で、例えば届出制など、緩やかな管理・監督制度を導入することを期待しているということです。

個別の内容についてですが、参入規制について、行政当局の監督を必要とする規模とはどの程度を想定しているのでしょうか。法人格については、中間法人を含め、共済事業にふさわしい法人格は存在しないというふうに我々は判断しております。最もふさわしい法人があるということであれば、それは法人格を取得することはやむを得ないと、否定しないということです。

商品審査等について、個別審査までは求めないということについては評価させて頂きたいと思いますが、保険会社と比べて業務に一定の制約を設けることの必要性を明確にしてほしいというふうに思います。好ましいというふうには思いませんけれども、ある程度商品が限定されるということはやむを得ないだろうというふうに考えています。

責任準備金の積立等について、1年契約の商品など、いわゆる単純商品については必ずしも必要というふうには思いませんけれども、コンサルティング会社の保険数理人などに委託することで可能としてはいかがでしょうかということです。現在も我々はそのようにさせて頂いているということです。

事業規制、資産運用規制について、共済事業は非営利の事業であるというふうに我々は考えていて、営利事業との兼業は基本的にあり得ないと考えている。よって、今後とも人格なき社団においての非営利事業を継続していきたいというふうには考えてはいますけれども、先ほど冒頭の法人格取得に伴う絡みでこの辺が変わってくることは部分的にはやむを得ないかなというふうに思います。保有部分がある以上一定の財産措置は必要というふうには考えています。運用については、確実性ということからの幅広い運用が本来目的からもいかがかと思われることから、一定の制限はやむを得ないというふうに思います。

情報開示について、これはもう先ほど申し上げたとおり、説明書類の備え置きは必要というふうに考えています。外部監査については義務づけるべきではないというふうに思いますが、規模によっては、これは信頼性を確保するという観点からも、導入を検討していいのではないかというふうに思います。

それから、募集規制について、商品の種類が少なく単純な場合、これは保険募集人を登録する必要性はあまりないのではないかというふうに思っています。むしろ、我々は、保険や共済などについて、今、幅広く勉強会を実施しています。それが加入者のいろいろな相談に答えられることだというふうに思いますので、むしろそういう保障全般のスキルを高めることが重要かなというふうに思います。

検査・監督について、行政当局の検査・監督については、特定の行政の監督下に置くという意味については、ある程度理解はできます。ただ、実際の検査・監督が保険会社並みに行われるということでは、比較的小規模で極力経費を抑えて運営している共済会の必要以上の組織強化が必要となり、本来の共済事業運営が図れなくなるというふうに危惧します。ソルベンシーマージン基準についても、多額な資産が必要ということも含めて、その基準を適用し、運用するということは著しく不適合ではないかというふうに考えています。

セーフティーネットについて、これは1年契約の商品などの場合、万一の破綻による損失は小さく、ある程度の財産措置とあわせて考えたら可能ではないかと、セーフティーネットの必要性はないというふうに考えています。

移行の円滑な措置については、これは、当然、十分慎重にやって頂きたいなというところです。

以上です。

○ 堀内部会長

どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、アニコム(動物健康促進クラブ)の小森理事長、お願いいたします。

○ 小森理事長(アニコム動物健康促進クラブ)

では、アニコムの説明をさせて頂きたいと思います。

名称につきましてはアニコムと申しまして、動物健康促進クラブというのが正式名称なのですが、略称のアニコムの方で通させて頂きたいと思います。

事業の設立年月日につきましては、アニコムクラブという動物の愛好者の友の会というようなものが存在しまして、それが2000年4月1日です。

主な事業としましては、ペットを飼っていらっしゃる方はご理解頂けると思うのですが、ペットを飼っていらっしゃる方同士が情報交換をするであるとか、あと、なかなか動物病院に対する評価の部分であるとか不透明な部分がありますので、そういうところは交流会を重ねていい動物病院を議論するといったようなコミュニティーの存在があります。そのコミュニティーの存在を組織したところ、ペットの保険制度があればいいよねということがありまして、クラブの設立から遅れて2000年12月1日に共済事業を発足させることになります。

精神的な定義としては動物愛護という精神を持っているものが会員資格でありまして、経済的な資格としては入会金を3,000円払わないといけないと、あとは弊社の『anicom pafe』という雑誌があるのですが、それを購読するということがミニマムの条件になっています。後の方はアニコムクラブというよりは共済事業の方を、本日のメインテーマだと思いますので、そちらの方を中心にお話をさせて頂きたいと思います。

弊社の場合は、契約者数というか、被共済動物と言うべきかもしれませんが、現状で11万頭の加入を頂いております。アニコムクラブについて募集形態もしくは共済事業の存在を告知する媒体としましては、ホームページ、動物病院、ペットショップといったところで、告知をするといったことで募集をしています。実際の募集内容の手続きとかという部分につきましては、アニコムの従業員が個別に電話で説明をするというような二段構えの募集形態になっています。

共済事業を立ち上げるに至った経緯なのですが、私どもアニコムの創業期のメンバーに東京海上の人間が多いということと、あと、私自身、経済企画庁に出向しておりまして、なかなか人間の健康保険制度がうまいこといかない、もしくは卑近のペットの保険制度というのも日本の保険会社の中ではうまいこといかなかったということで、まず初めに共済事業でアタッチをしたというのが実情であります。

制度の内容につきましてですが、名前は「どうぶつ健康保障共済制度」というのを正式名称としております。

あまりご関心がないかもしれませんが、加入動物の種類は限定されておりまして、犬、猫、鳥、ウサギ、フェレットといった、ペットとして飼われるものの引受けをしています。

加入年齢というのは、ここはもう完全にテクニカルな話なのですが、あまりにも高齢すぎる子を引き受けますと収支のバランスを崩しますので、8歳11カ月までを新規加入年齢としているというところです。

保障内容は、人間の健康保険制度をイメージして頂ければ一番わかりやすくて、ほぼすべての病気・けがに対して治療費の何%をお支払いするという定率保障の割合をとっています。世界中にもペット保険制度はありますし、日本でもたくさんのペット共済がございますが、定率制度をとっているということでアニコムのユニーク性、独自性があるかなと思います。

掛金のオーダーとしましては、月額で言いますと2,000円前後、年額で言いますと2万数千円前後というようなところになっています。

原則、保障のタームは1年間で区切っております。

最大保障限度額は、先ほど定率保障をしますと申し上げましたが、実際には50%保障になっています。簡単に言うと、10万円の治療費が発生すると、病院に行くと5万円になる、そんな形です。ただ、青天井に保障をするとそれこそ異常危険責任準備金の部分とか幾らあっても足りませんので、リミットを切っています。人間の健康保険で言う総額規制のようなものです。入通院については、1日当たり1万円までしかアニコムからは支払いませんよと、かつ、365日べたで払うわけではなくて、年間それぞれ20日しかだめです。これを掛け算しますと、通院について20万円、入院について20万円というふうになります。手術についても年間2回までしかだめですと、1回当たりは10万円までですよ、掛け算をしますと20万円ということになります。

自動更新につきましては、事務の簡素化を促すために、有るというふうにしています。

直近の年間共済掛金、収入掛金でありますが、約25億円ほどになっています。

掛金の運用、責任準備金、再共済の状況について、ご説明申し上げます。掛金の運用方法は、25億円程度でございますので、積極運用はせずに、普通預金で留保をしています。実際には、恐らくどこの共済さんも同じだと思いますけれども、ものすごく出入りの激しい、あまり手元にお金が残らないので、積極運用をしたくてもできないというようなところです。

責任準備金につきましては、この責任準備金は先ほどの総務省さんのお話を聞いていてもなかなか難しいなと思ったのですが、委員の方にもよろしければご理解を頂きたいのですけれども、正確には、異常危険責任準備金、普通支払責任準備金、そしてO/Sと言われるようなものがあって、それぞれ性格が異なりますので、厳密な議論をするためにはその辺の定義をそろえないといけないと思うのですが、弊社の場合は、過去の支払実績は相当安定してまいりましたので、その支払実績に応じて責任準備金の引当を行っております。ただ、ここも今後の議論の足しにして頂きたいのですが、責任準備金の積み立ての話というのは結局は国税との課税の話になるので、税金を無理やり課税されてしまうとどこの共済も責任準備金を積みたくても積めるわけはないでしょうという話になりますので、弊社の場合もちょうど国税とそこはもめております。ただ、姿勢としては責任準備金を積んでいるという形になっています。

そして、異常危険責任準備金、通常支払うような支払ではなくて想定外リスクですね、それに対する異常危険責任準備金は、現状は積極的には積んでいません。その理由は、共済だと完全に課税されてしまうからです。それで、その部分は再共済をすることで責任を回避というかオフバランス化しています。実際にはロンドンに再保障を出していて、異常危険責任準備金相当部分をオフバランス化していると。ここも厳密な話をすると、オフバランス化したところでロンドンもいつつぶれるかわかりませんので、そういう意味では銀行のBIS規制と全く一緒ですけれども、そこのリスク係数というのは本来必要だなというふうに思っています。

弊社の情報開示の状況でありますが、これは弊社の自慢話になりますけれども、今できて4年半でありますが、できてからずっと書き込み自由の掲示板を設けております。それに対してすべての回答を載せております。もちろん、弊社の従業員がうそをついたとか、募集が誤っていたとかということに対しても、削除することなくすべて返答を申し上げております。これは、日本の金融機関、銀行、保険会社、いろいろなところがあると思いますけれども、お役所の方々を含めて完全自由な書き込み掲示板を持っているというところというのは恐らくほとんどないと思うんですよね。そういう意味では情報の透明性を図っているつもりであります。それ以外に、これはもしかしたら人によってはおまじない的に聞こえるかもしれませんけれども、弊社の事務所をウェブカメラでほぼ24時間公開しています。どういう人間がどれだけの人数で動いているかというのがわかるようにしているということであります。それ以外に、預金の状況でありますとか給付金の支払実績については、弊社のホームページで開示をしているというふうになっています。

論点整理に対する意見・要望でございますが、まず初めに、弊社の特に共済の側からかもしれませんけれども、共済が保険業法の免許を取得して保険会社になるプロセスというのをご審議頂けるのであれば、そこの部分はぜひご審議頂きたいなと。もしかしたら私の個人的な見解かもしれませんけれども、日本の共済というのは恐らくそもそも保険会社とイデオロギーが違うので、それを接合するというのはものすごく難しいと思うんですね。民法に規定されている日本の昔の互助組合であるとか、言葉が間違っているかもしれませんけれども、全体主義とか社会主義的なものが共済会のイメージですけれども、それに対して保険会社というのは完全に資本主義のイデオロギーなので、それを円滑に移行するというのは本来はすごく難しいと思います。直近ですと、日本の場合、生命保険会社、相互会社が株式会社転換をしましたけれども、あれよりはさらに一段難しい議論が本来的には必要かなというふうに思っていますので、そこの議論を透明化して頂ければ、それに応じて弊社の場合は保険会社化したいというふうに思っております。

実際の保険業法についての運用というか保険業法のあり方について少し思いを持っておりまして、現在、保険業法上、最低資本金は10億円、ソルベンシーマージン比率は200%以上、それを初年度以降5年間は最低維持しないといけないと。こうすると、責任準備金の積み方の算方にもよりますけれども、当初の収入保険料が極めて少ないか、膨大な資本力を維持しないとなかなか維持しがたいと。恐らく日本の保険業法というのは世界の保険業法と少し違っていて、完全にデパートメント形式の保険会社を想定しているのでここまで壮大な資本金及びソルベンシーマージン比率を要求されているのだと思うのですが、保険で引き受けるリスクというのは相当違うと思うんですね。

例えば自動車保険のように国民経済に多大なる影響を与えるところ、これはやはり相当な覚悟で参入しないといけないでしょうと。そもそも民間でいいのかという議論もあるのかもしれないぐらいに思っています。ただ、例えばゴルファー保険でありますとか、テニス保険とか、弊社が行っているようなペットの保険制度、ここに本来的に、例えば資本金が10億円固定するかといえば、それは日本の資本効率を下げる話になるので、何らかの規制が私は必要だと思います。ただ、海外のように最低資本金は例えば3,000万円でいいですよとか、種目によってはそういう弾力的なあり方がそろそろ必要ではないのかというふうに思っています。

文章の方に戻りまして、また、膨大な資本力を保持するにしても、保険業法の施行規則第10条の3で、生命保険で10年、損害保険で5年以内に単年度利益を生まなければならないと。先ほどの話の繰り返しになりますが、初年度及び2年度の責任準備金負担が極めて重いので、普通に考えると、通常の出資者は、日本の場合は、大体、長くても5年ぐらいの投資リターンを求めていますので、なかなかここに出資をして共済が保険会社成りする過程というのは、事実上、今の日本の資本家の環境を見ると難しいのではないかというふうに思っています。

もしかしたらテクニカルな議論で、ここでの話ではないかもしれませんけれども、実際我々が使えるなと思っているのは保険業法の第113条で、保険会社の成立後の最初の5事業年度については、事業費に係る金額を繰延できると、貸借対照表の資産の部に分割計上できるというのがございますので、この辺のところをもうちょっと長めにして頂くと多くの共済が保険会社成りをするときに割とスムーズではないかなというふうに思っています。

これらの点を十分考慮して頂いた新規参入免許基準を設けて頂けなければ、共済を保険会社に転換させる道は多くの場合拓けないのではないかなというふうに思料しています。ちなみに、私どもが理解している諸外国につきましては、最低資本金を保険種目別、営業地域別に定めている国や全国展開をしている国でも、金額を低く定めている国も多いように認識をしています。単種目の場合ですけれども、単種目と申しますのは、日本の保険会社はすべてほとんどがデパートメント形式で自動車保険から火災保険から全部やっているのですけれども、海外の保険会社というのは、例えば農業保険のみとか、火災保険のみとか、こういうようなやつがあります。こういう単種目の場合でありますと、メキシコやイタリアの場合であれば、現在の日本円換算にして約7,000万円程度、ブラジルで例えばサンパウロ州のみであれば8,500万円程度、ニューヨーク州でも5,000万円の最低資本金で保険会社を設立できると、それに対して日本の場合は、一律、資本金が最低10億円というのはなかなか難しいのではないかなというふうに思っています。

やはり保険種目ごとに国民経済に及ぼす影響度合いを考えた上で、お考え頂いた上で基準づくりをしないと、これは多分大きな政府か小さな政府かという議論になるかと思いますけれども、もともと規制するコストというのは税金から生まれてくると思いますので、その税金の使われ道というのは種目によってバランスをとらないとすごく奇妙なことになるのではないかと思います。

ほかには、これは、私自身、すごく自分が大学教育とか教育課程を生きてきて思ったのですけれども、規制はあるべきだと日本の場合は思いますけれども、それにもまして教育の方、例えば保険会社の責任準備金はこうだよと、そんなに難しい話ではないので、高校教育とか中学教育から教えると、国民が規制より先に選ぶ目を持つ。本来的には、日本の国とか世界のどこの国でも同じなのでしょうけれども、規制をして安全を守るというよりは教育をして安全を守るという方が最も大きいのではないかなというふうに思っています。

先ほど総務庁さんのペーパーのところで少し私ができるところをお話させて頂きたいと思うのですが。掛金総額に対して支払金が少なすぎるのではないかというコメントがありましたけれども、一般的には私もそう思われると思います。ただ、大体これは専門的には損害率60%ぐらいになっているのですけれども、日本の既存の保険会社はこれ以下か、これぐらいで行われているので、日本の既存保険会社のレベルに十分合致していますと。これがおいしいビジネスかと言われると、私は実際にビジネスをやっていて、初年度はこれでもものすごくつらいんですね、ただ、回ってくると確かにおいしいです。なので、日本の保険会社の給料はほかの産業形態に比べて極めて高い、そんな状況になっています。

あとは、再共済をつけているかどうかというのがもしかしたら1つの指標になるかもしれないと思うのですが、そこの部分は先ほど冒頭少しお話をしましたように、再共済先というのは本当に安定状況がばらばらでございますので、再共済をした方がよほど不安定だということもありますので、再共済先のリスクをよく見ないと銀行のBIS規制の当初のリスク逃れみたいなことが起こってしまうのではないかと思っています。

そして、総務庁さんのこの情報開示されたところというのは完全にバイアスがかかっているデータなので、相当難しいなと思います。どういうバイアスかというと、答えたいところというのはほとんどまじめにやっているところなんですよね。本来、お役所の方々が監督すべきところ、セーフティーネットを事前に引くべきところというのは、やばいところですよね。やばいところがわざわざ答えるかいというバイアスがすごくかかっているので、その辺のところは見て頂きたいなと思います。

そして、責任準備金のところは本当に言葉が独り歩きしてすごく危険だなと思うのですけれども、税務上、会計年度を超えるがために単純に繰り越している責任準備金のところと、もしくは倒産リスクとかを抱えているような異常危険責任準備金、そして、もう既に支払いの請求は来ているのだけれども会計年度を繰り越すだけのいわゆる保険会社で言うO/Sの責任準備金とは全く性質が異なるので、その辺の議論を整理して頂かないとここはえらく宙に浮いた議論になっているなというふうに思いました。

そして、もし仮に共済でありますとか保険会社、例えば保険業法2のようなイメージができるとかといった場合に、責任準備金のところについては国税との対応をしっかりしないと、これも有名無実になってしまうなと。日本の保険会社も責任準備金のところで相当国税ともめながらやってきて、今ようやく安定していますけれども、恐らく新しい体系がつくられると、税金のところが一致していないと全然まともに動かないのではないかなというふうに思っています。

長くなりましたけれども、以上であります。

○ 堀内部会長

どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、エーオンアフィニティージャパン株式会社の山中代表取締役社長、お願いします。

○ 山中社長(エーオンアフィニティージャパン)

山中でございます。私どもは、共済会ではなくて、共済会を設立するコンサルタントの仕事をやらせて頂いている会社でございます。今日、なぜこういう会社をつくったかということを私の方で背景をお話しさせて頂き、あとはレジュメに沿って牧田の方で説明をさせて頂きます。

私自身は、前身は保険代理店ということで、五十何人のスタッフで保険代理店をやっていたのですけれども、保険をやっているときに保険屋さんと呼ばれるのに非常に抵抗を感じたのが初めにやっていたころの自分の感想なのですけれども、保険については、相手方のことを一生懸命考え、そして、どうしたらいい保険を提供できるか、そして、事故を起こした場合どうしたら保険をいかに出してあげられるかという、非常に利他主義的なことが保険代理店の仕事だということで、非常に保険代理店業が大好きになり、そして、非常に保険屋さんと言われた抵抗が全然抵抗なく、そして、24時間常に保険のことを考えるぐらい保険代理業に対して天職という気持ちで仕事に従事してきました。

そういう中で、約12年ぐらい保険代理店をやってスタッフも五、六十人になり、あるアメリカの大手の会社に多額の金額で買収に来られたのですけれども、それはお断りしたのですけれども、そういう中で、どのようにしたらお客様に本当のリスクを安く提供できるかということを真剣に考え、それの役に立ち、なおかつそれが社会にどのように還元できるかということを考えた中で、その中にいろいろなアイデアがあったのですけれども、そのアイデアの中の1つに、共済事業を提案してお客様に提供したら、安くてお客様のニーズに合ったものを提供できるのではないかと、こういうような考えの中で約22年前にそういうような考え方になりました。

その中で、そのときには、金融政策としましては、競争を促進して利用者の利便を向上され、さらに金融効率化を図ることが第1の目的というような、これが今の金融政策だと思うのですけれども、その当時は、保護政策の市場機能を効率的に動かすことより、私企業のつぶれることを防いでいればいいという政策であったのではないかというように、22年前はそういう政策だったのではないかと。そういう中で、今は規制緩和になっていますけれども、規制が厳しく、そして、今は自由化になっていますけれども、非常に自由化ではないというような環境の中で、どのように保険をつくったらいいかと。

そうしますと、先ほど保険の概念という中でアニコムの社長の方からお話がありましたけれども、保険と共済とはどういうものなのかと。保険と共済というのは、「一人は万人のため、万人は一人のため」というような理念は同じではないかと、そして、歴史を顧みると、やはり同じように発生してきていると。そういう中で、1つは保険業法という形で保険会社を運営され、あとは農協共済とか全労済とか県民共済とかいろいろな共済会があるのですけれども、これは各監督官庁の根拠法に基づいて共済が成り立っている。そして、もう1つ見ますと、任意団体という形で、その当時、例えば川口市民共済とか電電公社の共済とか大企業の共済とか、そういうような根拠法に基づかない任意団体でできている共済があると。

ここら辺の中で私どもは検討させて頂き、そして、その当時、やはり海外の保険格差が非常にあったと。例えば非常にアバウトな言い方ですけれども、火災保険は、日本の火災保険は1万円で入れるのが、ロンドンの再保険に入れて99%リスクを保障しても2,000円ぐらいで入れると、カバーしてくれると。純保険料はまるきり同じなのですけれども、そのぐらいの保険の格差があったと。これはいろいろな業種によって格差があったのですけれども、こういうような保険料の格差。

それから、その団体のニーズに合った商品を、例えば美容師の団体さんの若い人には、生命保険、傷害保険より、指をけがした場合はどうやったらその保障が出るかとか、こういうようなものとか、美容整形外科医さんは保険会社ではなかなか保険を取れないとか、そういうようないろいろなものがありました。そういうものをどうやって取ったらいいかということの中においては、その当時、ロイズ等は、データベースとモラルリスク、公序良俗に反しないものだったら大体どんな保険でもつくれるというような環境がありまして、それでは任意共済をつくって提供したらどうかと。

その中において保険と共済の違いには何があるかというと、保険業法では、不特定者を相手方にする場合は保険業法に当たる規定としているだけで、他には明確な基準がなかったわけですね。そのような環境の中で、特定性について、法律家、専門家の意見などを参考にして慎重に対応して、つまり、実質を重視し、団体が存在しているとか共通の属性がある場合に特定性があるかということを考えて、こういう共済のお手伝いをいろいろな団体に提案していったと。しかしながら、昨今では共済の特定性に関していろいろな意見が出されていることを踏まえて、コンサルタントに関してはより慎重に特定性を審査し受注するように今心がけていますけれども、そういうような形でこの共済会のコンサルタントをつくって、約20年近くやっています。

しいて自慢を言わせて頂くと、お客様、エンドユーザーの契約者さんに一回もクレームを頂いていないと、それから、共済会が破綻してお客様に迷惑をかけたというような私どもの顧客先は一切ないというのが自慢の1つだと私は思っています。

そういう中で、あとはレジュメによって説明させて頂きます。

○ 牧田マネジャー(エーオンアフィニティージャパン)

非常にお話ししなければならないことがたくさんございますので、かいつまんでお話しさせて頂きます。

まず、レジュメをめくって頂いた II の「ある生命共済の実例」という箇所なのですけれども、これは弊社の代表的な生命共済の実際の例をそこに書いております。

まず、この共済団体なのですけれども、会員資格なのですけれども、著名なコンサルティング会社がございまして、そこのコンサルティング会社の従業員さんですとか、あるいは顧客の企業の従業員さんが中心になっております。

それから、この共済会さんがつくられた経緯としましては、このコンサルティング会社の顧客のほとんどが中小企業であったという関係で、中小企業にも大企業並みの福利厚生をぜひ実現しようと、こういう理念で、「安い掛金で大きな保障を」を合言葉にしてつくったというふうに聞いております。

それから、保障内容なのですけれども、保障 I で、掛金については月2,000円、保障内容については、年齢によってこれはちょっとスライドする形になっておりまして、例えば死亡ですと実は50万円から1,200万円までスライドします。ここには最高額しか書いてありませんけれども、実際の商品は年齢によってスライドしております。それから、入院につきましても同様でして、一番高い年齢帯では日額800円で、年齢が低くなっていきますと日額5,500円になるというようなものです。2番目と3番目の保障については割愛させて頂きます。

続きまして、めくって頂いたところですけれども、運用の方法につきましては、ほとんどが預貯金です。

それから、責任準備金ということですけれども、先ほどアニコムさんの方からもお話がありましたけれども、非常にその概念が難しいとかがございまして、責任準備金というものを基本的に未経過の掛金というふうにとらえますと、これはわずか145万円になっています。これは、月払いの共済のために未経過の部分が非常に少ないというようなことによります。ただし、この共済会さんは未処分剰余金として約8,900万円の資産をお持ちで、しかも現預金で1億1,000万円確保されているということで、基本的に安全性は高いのではないかというふうに考えています。

それから、再共済に関しましては、ここでは死亡・高度障害のみ90%出再しているということです。

情報開示につきましては、年2回、総代会、理事会等を開催して、開示している。

その他といたしましては、会員さんに格安でリゾート会員権の利用を認めていらっしゃるということです。

続きまして、めくって頂いて、 III の「ある火災(家財)共済の実例」というところで、またポイントをお話しさせて頂きます。

この共済の会員資格なのですけれども、南関東地域に展開する、ある住宅管理会社さんの顧客、この顧客の中には入居されている方と、そこの管理会社さんに物件を預けていらっしゃるオーナーの方と両方入っているのですけれども、そういう方々を対象にした共済です。

設立の経緯としましては、もともとここの会社さんはお客さん向けにいろいろなサービスを提供する会員組織をつくって会費を取っていらっしゃったのですけれども、そこに1つサービスを追加する形で共済を導入されました。

保障の内容としましては、大きく3つに分けることができまして、まず入居者向けの家財保障と賠償責任の保障がございまして、これは掛金が2年間で1万9,000円あるいは2万5,000円のコースがあります。それから、保障される額というのは、家財が燃えてしまった損害に対しては、これはコースによって違うのですけれども、最低200万円から最高1,200万円までございます。それから、賠償責任の保障につきましては、1,500万円から2,000万円までの共済金が出ることになっています。

2番目の制度としまして、これは物件のオーナー向けのものなのですけれども、住宅設備保障共済というのがございまして、これは例えば給湯器とか換気扇やエアコンなどの物件に付着している機器の故障を保障しています。掛金が家賃の1%で、保障額はその対象となっている機器によってそれぞれ決められているのですけれども、例えばエアコンについては12万円ということになっています。

最後に、これも物件のオーナー向けなのですけれども、現状回復費用保障というのがございまして、これは、最近、賃貸物件の現状回復費用は厳格にそのオーナーの方が負担すべきであるという行政指導や判例が出ておりまして、それに対応する形で設けられているものでございまして、掛金はやはり家賃の1%、保障額は今のところ修理費用の実費ということになっています。

この団体の責任準備金ですけれども、収入が7,600万円に対して5,300万円、これは直近のものですけれども、というふうになっています。

再共済については、家財保障と設備保障は90%出再、現状回復の方は保留しております。

続きまして、 IV の「共済による保険の制度補完の実例」というところについてご説明申し上げます。

ここで説明しようとしているのは、まず1番の方では、保険にはない保障を弊社の顧客の方では行っている例でございまして、表にまとめてあるわけですけれども、主だったものだけお話しいたします。

まず、表の一番上ですけれども、美容整形に関して事故があった場合に医師が負担する賠償責任を保障する共済をやっていらっしゃるところがございます。これについては、医師の賠償責任保険では、美容は免責になっているということでございます。

それから、その下ですけれども、国家資格制度のない民間手技療法の施術に関する賠償責任共済というのがございます。これも、保険の方では国家資格を取っていらっしゃる方の賠償はされていると思うのですけれども、それ以外の保障がなかなかないもので、こういう事情がございます。

それから、1つ飛ばして4つ目なのですけれども、介護奉仕を相互に提供する市民団体において、会員が傷病により入院して介護奉仕を受けた場合に、その費用を賄うための保障が組み込まれた共済ということで、病気等をされた場合にお互いにボランティアで介護等をし合うという、もともとそういうことをやっていらっしゃるNPO団体さんがあるのですけれども、そこで介護を受けた場合に払う費用というのを共済で賄おうという仕組みでやっていらっしゃいます。

それから、1つ置きましてその下なのですけれども、理美容事業者団体で実施されている、理美容師の福利厚生プランあるいは理美容業経営者向けの休業補償、理美容賠償責任保障等の共済ということで、これは理美容業に必要とされる保障を一括してやっているというところに特殊性があるというふうに考えております。

それから、かなり飛びまして下から2番目なのですけれども、賃貸オーナー向けの賃貸物件リフォーム費用保障共済ということで、これは、保険で厳密に言った場合に、事故かどうか微妙な、建物が劣化したことによるそういうリフォーム費用を共済で賄おうという仕組みでございます。

それから、次のページなのですけれども、次のページの表の下から2番目ですけれども、葬儀費用を賄うことを主たる目的とする少額の生命共済というのがございます。少額というのは、具体的には、例えば30万円とか、多くても50万円ぐらいで、最低限自分の葬儀費用だけは共済に入っておきたいと、そういうニーズにこたえるものになっております。

続きまして、2番目のところなのですけれども、これは共済が保険よりも安く保障を提供できている例をご説明したいと思っておるのですけれども、厳密にどの保障が安いかというのは約款の詳細まで比較しないとわからないことでございますし、また、私どもも全部の保険商品についてよくわかっているわけではございませんので、あくまでこれは私たちがそうではないかと考えているそういうレベルのものというふうにご理解下さい。具体的にこれが安いというふうに申し上げてもちょっと難しいかと思いますので、なぜ安いというふうに思っているか、その理由の方をご説明申し上げます。

まず、A共済につきましては、いわゆる保険代理店のような募集人を使っておりませんので、恐らく事務経費がかなり安く済んでおり、結果的に安い制度になっているのではないかというふうに考えております。

それから、めくって頂いてB共済なのですけれども、これについては、これは先ほども実は出てきたのですけれども、理美容師さんだけを対象にしておりまして、理美容師さんの平均年齢が非常に低いために、加入年齢層が低い、事故が少ない、それから、同業団体内で基本的にその手数料みたいなものを一切払っていないということですので、恐らくこれもかなりいい条件になっているというふうに思います。

それから、C共済というものなのですけれども、これは海外からの留学生向けの保障でございまして、やはり加入される年齢層が低いということで、事故率が低いということと、語学学校単位でご加入頂いておりますので、いわゆるリスクが均一になっておりまして、かつ募集コストもかかっていないので、かなり割安な制度になっているのではないかというふうに思っています。

最後に、弊社の方のパブリックコメントをそこにつけているのですけれども、全体が非常に長いので、本日は要約したものを読ませて頂きたいと思っています。ちょっと時間の方が押しているのですけれども、よろしいですか。

○ 堀内部会長

何分ぐらい必要ですか。

○ 牧田マネジャー(エーオンアフィニティージャパン)

あと5分ぐらいで読めると思います。

○ 堀内部会長

では、お願いします。

○ 牧田マネジャー(エーオンアフィニティージャパン) 1 .基本的な考え方 (1)

根拠法のない共済の有用性

マル1 自らのリスクをヘッジするための保障制度を自らの手で実施することができる。

マル2 オーダーメイドの、真に必要な保障制度を作り上げることが可能である。

マル3 保険より廉価な保障制度をつくり出せる場合もある。

マル4 団体構成員と保障加入者が一致する場合には、保障事業に剰余金が発生すれば、掛金の割戻・構成員に対するサービスの拡充などの方法で構成員に還元することが可能である。

(2) 法規制の必要性

上記のような、根拠法のない共済の有用性を最大限に発揮するためには、基本的には、法規制はない方がよいと考えられる。しかし、他方で、全く法規制がない場合には、悪質な事業者が出現し、消費者を食い物にする危険性も皆無ではないことから、最低限の法規制はやむを得ないと考える。ただし、以下の場合にはそのような最低限の法規制も必要ないと考える。

マル1 共済契約期間が短期間であり、かつ、共済金額が一定額以下の共済。

マル2 事業者が事業リスクを填補するために実施する共済。

2 .規制の具体的な内容について

(1) 参入規制等

マル1 事業開始要件

届出受理に条件等を付さない単純届出制が妥当と考える。理由は、(ア)事業の開始自体を制限する法規制は、保守的に運営された場合に、結局根拠法のない共済を全否定してしまう可能性があること、(イ)契約者の保護は事業方法等を規制することにより十分達成できることなどである。

マル2 法人格の取得

法人格の取得が直ちに契約者の保護に結びつくとは思われないので、法人格の取得を強制することには反対する。ただし、法人登記により団体の存在・代表者などが明確になることにより社会的信用が得やすくなり、また、団体の財産管理も容易になるというメリットがあるので、法人格取得を希望する団体にはその取得を認めるべきである。その場合に問題となるのが、現在、共済事業を実施するのに適した法人制度がないという点であり、今後、共済事業に適した法人制度の創設が必要となると考える。

(2) 行政当局による商品の個別審査

根拠法のない共済で実施されることの多い、単純な掛捨型の保障に関しては、商品審査は必要ないと考える。理由は、マル1根拠法のない共済の有用性である「自ら必要な保障制度を作り出す」という点を損なう可能性があること、マル2単純な掛捨型の保障についてはアクチュアリーなどの専門家が制度設計に関与してれば行政当局による個別審査の必要性は乏しいと考えられることなどである。

(3) 責任準備金の積立等

責任準備金の積み立ては、保障事業の中核をなすものであり、もとより必要である。また、保障制度の設計や責任準備金の算出に関するアクチュアリー等の専門家の関与も必要であると考える。また、責任準備金の積み立てに関して重要なのは、これを可能にする税制である。

(4) 兼業規制、資産運用規制

マル1 他業との区分整理

区分経理は原則として必要であると考える。ただし、共済事業に支障の出るおそれのない支出規模の小さい事業については、区分経理は不要だと考える。

マル2 資産運用

保険に比べて流動性・安全性の高い運用に限定されるという考えには賛成する。ただし、今後、物価の上昇などの経済情勢の変化も予想されるところ、共済に加入している契約者の利益を守ることを考えると、運用方法を預貯金や国債だけに限定することは望ましくなく、一定の制限の下でより収益の見込める運用も認めることが望ましいと考える。

マル3 供託

単純な掛捨型の共済の場合には、長期間分の掛金を前払いするような特殊な場合を除いて、掛金が収入されてからそれが保障期間に充当されるまでの間がないため、掛金収入の不正利用防止策として供託を用いることは理に合わないと考える。

(5) 情報開示

マル1 業務・財務の状況説明書類の事務所への備置

契約者保護の観点から、また、契約者が共済に出資している場合には、出資者に対する報告義務を果たすという観点から、業務・財務状況の契約者に対する説明は必要となります。その場合に、事務所に説明書類を備え置くことは最低限必要であると考える。

マル2 外部監査

開示される書類の適正性確保のために、一定規模以上の団体に対しては、外部監査を義務付けることには賛成する。ただし、監査のコストが非営利事業である共済の財務を圧迫することは好ましくないので、例えば共済専門の公益的な監査機関を設置するなどして比較的廉価な監査制度を用意されることが条件である。

(6) 募集規制

マル1 虚偽表記禁止等の募集規制

これは当然に必要なことであるが、不当景品類及び不当表示防止法とか、特定商取引に関する法律、消費者契約法等の、一般的な取引規制法令ないしは消費者保護法令によってその目的は達せられると考える。したがって、新しくそこの報告書をつくる必要はないというふうに考える。

マル2 募集人登録

共済加入者と直接、接することになる募集人については、一定の資質・教育が必要であることには賛成する。したがって、募集人登録制度には基本的には賛成する。ただし、加入対象・募集人の範囲がいずれも極めて限定的で、保障内容も単純で種類が少ない場合には、募集人登録制度が妥当しないケースもあると考えられる。

(7) 検査・監督

マル1 行政当局の検査・監督

運用上の諸規制の実効性を確保するためには、行政当局による何らかの検査・監督は必要であると考える。ただし、根拠法のない共済の有用性を阻害しないように、事業者の自由な運営を基本として、消費者保護などの観点から必要と認められる最低限の検査・監督に留めるべきであると考える。

マル2 ソルベンシーマージン基準に基づく早期是正措置

比較的規模が小さく、また、保険会社のような積極的な資産運用を基本的に行わない共済事業では、ソルベンシーマージン基準に基づく早期是正措置は、必要ないばかりかその適合性に疑問があると考える。

(8) セーフティーネット

運用上の諸規制を実施するのであれば、セーフティーネットは必要ないと考える。また、共済は保障内容が様々であり、事業者の性格・規模も多様であることから、それらを網羅するようなセーフティーネットを設けることは技術的に困難であると考えられる。

以上でございます。

○ 堀内部会長

どうもありがとうございました。

予定より大分時間を取ってしまいましたけれども、本日のヒアリングの目的は無認可共済に対する規制のあり方等を検討するということで、実態を把握するということが主な目的でございましたので、多少長めにヒアリングを行ったということでございます。それから、実態把握ということが今後の議論の参考になるということでございますので、そういう意図に基づいてこの意見聴取を行ったということでございます。したがいまして、委員の方々にもその趣旨を踏まえてご協力を頂きたいと、ご質問等でご協力を頂きたいと思います。

それでは、ただいまから、時間はちょっと押しておりますけれども、若干延長してもよろしいですか、10分程度延長することを考えていますが、ただいまのご説明に関してご質問等がありましたら。

それでは、原委員からどうぞ。

○ 原委員

最初に恐縮です。最後の、エーオンさんというふうに呼んでよろしいのでしょうか、ちょっとご質問が3点なのですけれども、簡潔にいたします。

1つは、先ほどの総務省の調査を見てもわかるとおり、大変共済の商品が多様化しておりますよね。ですから、非常に小さい掛金で済むものから生命保険で1億円の死亡給付金が出るものまでありまして。大変こんなに多様化している中で、コンサルティングをおやりになる中で、やはりこれは共済ではなくて保険業法の方に行くべきだろうというふうに考えていらっしゃると思うのですけれども、この商品の多様性と共済ということについてどういう整理をしていらっしゃるかというのが1点です。

2点目なのですけれども、不特定と特定についての整理の仕方ですが、大変慎重にやっていらっしゃるということがあって、金融庁の考え方に賛成であるというふうな形で引用されているのですが、金融庁の考え方も非常に抽象的に書かれていて、まだ具体性を持たせていないというところがあります。そこで、私が1つ気になっておりますのが、手数料収入を合わせて取る形でやっております、13団体というふうに先ほどの調査では出ておりましたけれども、私はこの手数料収入を共済と合わせてやっていくということは、この不特定と特定の考え方の中では、どうしても不特定になってしまうということで共済にはならないだろうというふうに考えておりますし、それから、実際にどんどん掛金を払う人が膨らんでいくと、どれだけの掛金を支払って、そして給付をどうしたらいいかという計算も私は成り立っていかないように思っていて、ああいう形のものを共済と認めているというのはやはりちょっとおかしいというふうに考えているのですけれども、その手数料を取る形のものについて、だからマルチ的な手法になっているわけですけれども、そのことについてはどのように整理をなさっていらっしゃるかということをお聞きしたいと思います。

3点目は感想的なことで大変恐縮なのですけれども、今回の総務省の調査をご覧になって、回答をしていないところとか連絡が取れないところというのがかなりの数になっているのですが、こういった事業者というのは一体どういう事業者なのかという、ご存じであればということと、感想的なご意見をお願いしたいと思います。

○ 堀内部会長

エーオンさん、よろしゅうございますでしょうか。

○ 牧田マネジャー(エーオンアフィニティージャパン)

まず最初の点でございますけれども、商品の保障の多様性と規制の関係ということでよろしかったですか。

○ 原委員

共済の場合、例えば死亡した場合に1億円の死亡給付金が出るというようなものとか、その商品特性が様々ですよね。今日お見えになっていらっしゃる方々も非常に多様な商品を、バラエティーに富んでいるというところがありますし、今回お見えになっていない方々が扱っていらっしゃるのも大変多様化しているというふうな印象が一番この共済は強いわけですけれども、共済になじむものとそうではない、やはりきちんと生命の保障というようなところまであるのであれば保険業法の方に行くべきだとか、たくさんのコンサルティングをおやりになっていらっしゃるので、ご自身なりの判断基準のようなものを持っていらっしゃるのかどうかということをお聞きしたかったということです。

○ 牧田マネジャー(エーオンアフィニティージャパン)

弊社の方でも、すべての共済のコンサルティングだけをしているわけではございませんで、グループには保険の代理店等が有る関係で、保険を使ったいろいろな保障の制度スキーム等もコンサルティングしております。したがいまして、おっしゃられているように、規模ですとか、あるいはリスクの質によって共済と保険を、そういう振り分けは行っております。

共済に行かざるを得ない場合というのは、例えば規模が大きいとしても、保険では引き受けないようなリスクというのがございます。例えば十分なデータがないですとか、そういうような理由で引き受けて頂けないものについては、リスクがあることを説明した上で共済をやって頂く場合もございます。大体そのようなことかと思います。

それから、2番目としまして、特定性と不特定性、それから手数料の関係ということですけれども、弊社のお客様でも手数料を取っていらっしゃるところはかなり多くて、手数料という形ではなくて、例えば支部に対して還付金を出すとか、そういう内部でのお金のやり取りみたいなことをやっていらっしゃるところもございますし、やはりお金が動くケースが多いです。というのは、1つは、単純に手間をかけて共済の重要な事務を行うわけですので、それなりの責任を持ってやって頂かないといけませんので、そうするとやはり受け付ける方には何がしかをお支払するのが正当であると、逆にない方が怖いというのが1つございます。

3番目としまして、回答しない、総務省さんの方の調査に協力をしなかった団体ということでございますけれども、これは私の想像するところでございますけれども、やはり今までは法規制が全くないところで事業をされていた事業者さんが、急に法規制ということになって非常に怯えてというかびっくりしていらっしゃるところは多いと思います。それで、例えば十分な保障ができる能力があって、実際そういうふうにやっていらっしゃるところでも、だけど公にといいますか出ていくのはちょっと控えたいとか、あるいは、これは弊社のお客様なんかでもそうですけれども、会社の従業員さんの共済なんかにつきましては、そこまでする必要はないであろうと、調査に協力ぐらいした方がいいという考えもあると思うのですけれども、でも我々にはあまり関係がないというお考えのところもあったかのように思います。

以上です。

○ 原委員

一言意見だけなのですが。

先ほど手数料がない方が怖いというふうにおっしゃられたのですけれども、消費者トラブルの現状からすると、手数料を得るために友人とか顧客を開拓するというところがあって、非常にトラブルの温床になっているということはご理解頂きたいと思います。

○ 堀内部会長

山中さん、特につけ加えるようなことはありますでしょうか。

○ 山中社長(エーオンアフィニティージャパン)

第1の、今、私どもは保険と共済の両方のコンサルタントをやっていまして、保険でよりいいものができるのだったら保険で提案していくと、そして、これは共済でやった方が法的な特定性とかあらゆる部分で合致して、お客様のためになるというものであったら共済でやっていくというような形で提案していますので、共済に固執するということは私どもの会社としては考えていません。

手数料の問題に関しては、今、委員から言われたことに関しては、非常に一理あるところがあるのではないかなと。特にそれは不特定多数というのと特定性の部分で非常にファジーな部分がまだあると、ここら辺はこれからこの審議会等でもまた詰めていかなければいけない議題だと思うのですけれども。そこら辺の中で、ファジーな部分で、友達から友達、知り合いから知り合いと、ここら辺になってくるとやはり非常に特定性は薄れてくるのではないかなと。だけど、その仲間だけで、例えば定年退職した学校の先生方が全国に何十万人といると、その中で共済会をつくって、その方たちがボランティアという形で集めるのもあるのですけれども、そこにはやはりコストがかかっていくと、こういうときの手数料は果たしてどうかなというような問題等もありますので、やはり特定性というものをしっかりとこれから議論して決めていく中においてそこら辺がクリアになっていくのではないかなと。委員の考え方のような心配はなくなってくるのではないかなというように思います。

それと、最後の3番目は、これは私どもは調査をしていませんで、総務省の方とも私どもは会って、できるだけ私どものお客様には全部ディスクロージャーするようにお願いしますということを総務省の方にも私はお話ししましたし、私どものお客さんにはなるべくこれは全部開示して実態を全部わかって頂いた方が、まじめにやっている共済は結果的にはお客さんのためにもなるし、今後その制度が発展していくのではないかというような考え方を持っていますので、私どもとしては全面協力をして開示していきたいと思っていますし、これからの質問等でも私どもの答えられることは全部答えていきたいと思っています。また、こういう会に呼ばれたということは、認められたとは思っていませんけれども、十何年間ずっとあらゆる圧力等でいつつぶされるのではないかというぐらいこの十何年間やってきた中においてこういう会ができたということに関して、非常に私としては、感動という言葉は当てはまらないですけれども、非常に興奮している次第でございますけれども。

出さないというのはやはりかなりいい加減な共済も私はあるのではないかと思っています。この共済を見せたらまずいなというような共済も中にはあるのではないかというのは思いですから、もしかしたら違っているかもしれませんけれども。あとは、今、牧田が言ったようなことがあるのではないかと。ここら辺に分かれるのではないかと思っています。ですから、今後の中においては、共済制度に関しては、やはり何らかの規制を、登録制なり、規制なり、調査権等をもって、徹底的に消費者保護の中においてやっていかれた方が私としてはいいのではないかという考え方を持っております。

○ 堀内部会長

どうもありがとうございました。

それでは、加藤さん、どうぞ。

○ 加藤委員

エーオンさんにお聞きしたい。

エーオンさんが提出された資料に掲載されている生命共済の例では、コンサルティング会社及びその取引先企業の従業員または家族などを対象としていますが、コンサルティングというのは中小企業の福利厚生面もあわせてアドバイスするものであり、保険営業とは紙一重でありますし、企業の取引先も対象となるのであれば、一つ一つは特定であっても、次々に連鎖していけばそれは実質的に不特定になります。また、「家族など」の「など」に友人まで含めるとすれば、それは正に不特定ということになるのではないでしょうか。こういった問題については今後の議論の中で、「1つ1つは特定であっても、連鎖すれば不特定になる」との整理をしていただきたいと思っておりますが、特定性を維持するためのご指導のポイントがあれば教えていただきたい。

○ 山中社長(エーオンアフィニティージャパン)

そこら辺に関しては、昨今、先ほど言わせて頂きましたように、こういう問題が出て、かなり特定性に関しては、今年だけでもコンサルタントをやってくれと言われてオファーが来たのを約10社ぐらいお断りしている次第なのですけれども、今までの私どもの特定性というものを、私どもが考えてきて特定性、それから、これからどのような特定性、法律がなかったわけですので、そこら辺の問題等に関して私どもの考え方の特定性を定義づけて、そこに合った形の特定性をコンサルティングしていくということで、私どもの特定性に関しては、これは私どもの特定性ですので、これからの金融庁さんの考え方とはどこが合っているか、合っていないか、どこがマッチングするかということはまだ非常に私どもとしては興味深いのですけれども、今私どもの特定性に関するものに関しては、ある意味ノウハウだと思っているんです。ですので、ここら辺の、金融庁さんがご質問すればお答えしなければいけないというような考え方を持っていますけれども、ここの席では遠慮させて頂きたいと思います。

○ 堀内部会長

時間がなくてあまり深入りできないのは申し訳ありません。ほかにご質問などありましたらどうぞ。

島上さん、どうぞ。

○ 島上委員

1つだけ大東さんに質問させてください。

総務省の調査によると、ページ7で、任意団体166団体で掛金が494億円、単純に平均すると1団体3億円というところなのですけれども、大東さんの場合には年間共済掛金は129億円が非常に大きい。もしこの総務省の調査に対してご回答なさっているとすると、この494億円の中で大東さんの129億円が入っていると、こういう理解をしてよろしいのでしょうか。

○ 福山事務局次長(大東建託株式会社)

これに含まれています。

○ 島上委員

わかりました。

○ 堀内部会長

それでは、羽田さん、どうぞ。

○ 羽田委員

質問ではなく感想ということなのですが。

今日ここでプレゼンテーションされた共済関係の方、それからコンサルティング会社の方、いろいろな特定な定義というものをそれぞれお持ちで、多分この定義であれば我々は保険業法には違反していないという、そういう確信を持っているから多分こちらでプレゼンテーションをされたのだというふうに私は理解しております。そういう状況であればぼつぼつこれは政府の方、つまり金融庁の方で特定・不特定ということについてさらに具体的な形にして頂くそういう時期ではないのかと思います。前回のこのミーティングでも私は申し上げましたけれども、そもそも保険業法の存在意義の問題になっているという、今はそんな状況になっているのではないかというふうに思います。

以上です。

○ 堀内部会長

どうもありがとうございます。

なかなか難しい問題ですが、大分私たちも参考になりました。本日のご説明を、今後の議論の土台というものにさせて頂きたいと思います。我々の議論の最大の目的は消費者を保護するということでして、決して特定の業界を保護するということではありません。この点をご理解の上で、今後も私たちがわからない点とか何かがありましたらぜひお聞きしたいと思いますので、そのときにはご協力を頂きたいと思います。

それでは、予定した時間も既に回っておりますので、本日はこれまでにしたいと思います。

次回は、本日のヒアリングや一般から意見募集をしておりますので、その結果なども踏まえた上で、より具体的に規制の是非とかそういう問題について議論を進めていきたいと考えております。

それから、この後、事務局の方と私とで記者会見を行いますので、本日の会合の模様につきまして簡単にご紹介する予定でおります。これをご了解頂きたいと思います。

それから、最後でございますけれども、事務局の方からご連絡があると思いますので。

○ 安居保険企画室長

次回の部会の開催につきましては、部会長ともご相談の上、改めてご連絡を差し上げたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○ 堀内部会長

それでは、今日はどうも大変ありがとうございました。

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