金融審議会金融分科会第二部会(第1回)議事要旨

1. 日時:

平成13年3月13日(火)15時00分~17時00分

2. 場所:

中央合同庁舎第4号館10階 共用第1特別会議室

3. 議題:

  • 部会委員の紹介

  • 部会運営について

  • 事務局説明

  • 自由討議

4. 議事内容

  • 委員等の紹介が行われた。

  • 福井 俊彦(ふくい としひこ)部会長の指名により、岩原 紳作(いわはら しんさく)委員が部会長代理に就任した。

  • 事務局より、部会の運営についての説明があった。

  • 事務局より、「銀行法等の一部を改正する法律案」についての紹介があった。

  • 部会長より、保険をめぐる総合的な検討についての審議を開始する旨の発言があり、事務局より「保険会社に対する監督上の措置の見直し」、「最近の保険業法等の改正」及び「生命保険会社に関する主な検討事項(案)」についての説明があった。

  • 部会に保険に関するワーキング・グループを設置することが了承された。また、部会長より、座長に山下 友信(やました とものぶ)委員が指名された。

  • 次回以降の審議については、ワーキング・グループでの議論を行った上で、4月末を目途に部会を開催し、ワーキング・グループの検討状況等の報告を受けて、議論を深めていくこととされた。

    (質疑応答及び自由討議での主な意見)

    • ディスクロージャーについては分かりやすいものが必要だ。保険会社が一部の指標を取り出し、有利に表示するようなことはなかったのか。

    • 今回のソルベンシー・マージン基準の見直しの中には、予定利率リスク(責任準備金の算出の基礎となる予定利率を確保できなくなる危険)の見直しが入っていないが、それでは逆ざや問題に対応できないのではないか。分母の有価証券を時価ベースにすると、株価が上がるとソルベンシーマージン比率が下がっておかしなことになるのではないか。株式、債券のリスク計数はこれでよいのか。

    • 新指標(基礎利益)について、項目それぞれについては今までもディスクローズされていたのか。されていたら、このような新しい概念をわざわざ作っても意味がないのではないか。

    • 検討事項(案)について、やや技術的な項目にかたよっているのではないか。21世紀のあるべき生保制度のビジョンが見えない。例えば、相互会社制度をどこまで維持していくつもりなのか。株式会社化すれば、ここにあげられる問題はクリアされる。相互会社にこだわった上で、資本充実を考えることは21世紀においても意義があるのか。

      話の方向性を合意しておかないと、例えば基金制度をどうするかという話にしても、意見の言いようがないのではないか。もう少し大きな観点、「生命保険制度」のあり方に係る審議が必要なのではないか。

    • 保険会社は適正な規模なのか。大きすぎるのではないか。40年体制を引き継いでいるのではないか。手取り足取り金融庁に頼っていて、経営者の顔が見えない。全体から見ると大きすぎるのではないか。スリムにしてピリリと辛い、良いサービスを提供する会社ならよい。

    • ▼検討事項(案)の中では、「財務基盤の充実」が1番目にあり、「信頼の向上」は3番目であるが、むしろ「信頼の向上」が1番にくるべきではないか。

      契約条件の変更は、契約者にとっては不安である。契約条件の変更に関する条項は、平成8年に削除となっており、4年しかたっていない。この時の議論があったのに、すぐ変えるのはいかがなものか。しっかりした議論が必要。

      商品の届出制への移行については、反対はしないが、投信の複雑な仕組み債と同様、保険商品も複雑化しているので、届出制といってもチェックはしっかりやるべき。

    • 「生命保険会社への信頼の向上」は、「生命保険制度への信頼の向上」というべきではないか。

      今回の論点から、セーフティネットの問題が抜けている。国の財政措置が平成15年3月までしかなく、業界の拠出分も枯渇している、国の補助も現実には出しにくいと思われるが、これをどうするのか。生命保険の将来像の議論の必要性もわかるが、生命保険は既に90%以上が加入しており、大部分が貯蓄性のある商品であり、現に加入している人のことを考えるのが大切ではないか。

    • 今回は生命保険会社に関する検討事項ということであるが、損保のセーフティネットについても検討項目に入れてほしい。損保の保護機構は、生保の保護機構にならっているが、生保は病気や高齢を理由に同じ契約に再契約できないという事情がある一方、損保は、自動車等の物保険は同じ契約に入り直せる。保険会社が仮に破綻した場合、4月1日からは保険金は100%補償されない。例えば1億円の賠償契約であれば、10%(1,000万円)は、自分で支払えということになるが、これでいいのか。

    • 検討事項については、保険契約者の自己責任が前提となってもよいのではないか。「生命保険会社の新しい機能」については、企業が生き残りをかけて考えるものではないか。民間保険会社に審議会がどこまで口を出すべきか。むしろ、全体の環境整備について考える方がよいのではないか。経営戦略に関するものについてやるのは護送船団方式ではないのか。保険会社は日銀との取引もなく、金融システムとは切り離して考える必要があるのではないか。

      契約条件の変更については、保険会社と契約者間の互いの自己責任がぶつかり合う問題だ。

    • 活力のある自助努力社会の中で、生命保険は公的保険との2本柱の一つとしての重責を十分に果たしていくためには、経営努力がこれまで以上に求められている。その努力を支えるためには、何らかの手だてが必要であるが、これについて検討していただきたい。生保を取り巻く環境は厳しく、逆ざやの状態がこのまま続いていくと、個社の努力では対応できないので、制度の検討をお願いしたい。平成8年の保険業法改正後5年経過した現在、理念、理想などもう一度いろいろな角度から検討する必要があると思っている。例えば資産運用、標準責任準備金制度について、業界の立場からも議論をしてほしい。

問い合わせ先

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
総務企画局信用課(内線3564,3571)
本議事要旨は暫定版であるため、今後修正がありえます。


(資料)

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