金融審議会公認会計士制度部会(第2回)議事要旨

1.  日時:平成14年9月27日(金)10時00分~11時50分

2.  場所:中央合同庁舎第4号館9階 金融庁特別会議室

3.  議題:○ 事務局説明

○ 自由討議

○ 部会・ワーキンググループの運営について

4.  議事内容

○ 金融庁側を代表して村田金融担当副大臣から挨拶があった。

○ 事務局より、これまでの審議等の状況及び公認会計士制度を取り巻く状況についての説明、部会・ワーキンググループの今後の運営についての説明があった。

(自由討議での主な発言の概要は以下のとおり。)

  • 監査制度については、監査法人等の経営者からの独立性の確保であり、それは2面あると思っている。1つの面は、監査法人等が発行体との力関係において対等またはそれ以上なのに癒着している、投資家との関係では利益相反の関係にあるという状態。アメリカで問題となっているのはそういう面が主ではないか。もう一つの面は、日本の場合だが、経営者との力関係において相対的に弱く、報酬も安すぎる。そういう面で独立性が欠けており、これは根深い問題。日本の場合は、例えば法ができたから制度も作らなければならないなど、上から与えられた制度が多い。重要なのは、発行体との関係。独立性の確保については、制度としては現在でも相当あるが、問題はその運用。

  • 試験制度については、これから一層の審議が必要。各国に比べて会計士の人数が少なすぎ、外形的にも充分な監査ができないのではないかという不信感がある。これを払拭するために人数を増やすべきではないかという課題がある。内部統制の一層の充実のためにも、監査を受ける企業側の責任、発行体の責任を大項目の一つとして重要な検討課題とすべきではないか。

  • ディスクロージャーを高める観点から公認会計士制度の課題をとらえるべき。取引所はどういう見解をもっているか聞きたい。

  • 監査法人は弱いという指摘について、近年、内部の品質管理、リスク管理を強化してきており、現在は組織全体で動いているので、監査法人はそんなに弱い立場ではない。

  • 公認会計士を増やすためには、受験生を増やす必要があるが、あまりきついことばかり言うと受験生が増えないのではないかと危惧している。

  • 平成14年5月に商法が改正され、商法と証取法の会計を統一しようという動きがある。監査について現在では、証券取引法と商法の監査を二重に行わなければならないが、その調整をどうするか。抜本改正であるなら、証取法監査と商法監査の統一化を図ったらどうか。

  • 会計大学院という声がある。大学においては、法学部の位置づけと、経済学部、経営学部、商学部の中での会計学の位置づけは異なっている。ただ、公認会計士の養成について、専門職大学院を作ることは必要だと思う。それを評価するために会計専門職教育評価機構といったものを設置して、大学が設置している課程が的確なものか判定する。判定を受けた養成の修了者については、例えば二次試験修了者とみなすとか、補習期間を短縮するという形で三次試験に合流させる。そういう教育課程での会計士の養成という方向を探るのも一つではないか。

  • 会計大学院、専門職大学院のプロセスを経て公認会計士を育てていくことには大賛成。国際会計士連盟が6月に公認会計士の資格取得者のプログラムに関する国際基準を公表している。これは単に会計の知識、技術だけではなく、コミュニケーション能力、倫理、経営管理一般など幅広いカリキュラムを求めている。公認会計士が監査をし、高度の会計判断をするにはそういった資質が非常に重要。諸外国においての公認会計士の資格試験の制度改革は急であり、試験とのリンクの考え方を取り入れて検討してほしい。

  • 監査制度を変えていかなければならないことについて、社会的にどこまで認知されているかが重要。企業体でフィナンシャルディスクロージャーの重要性、IRの重要性についてわからないCEOはいないが、その前提になっている財務諸表の質の問題についてまで、CEOが考えているかどうか。日本の監査報酬はアメリカの10分の1と言われるが、どうするのか。経済界のこれらの問題に対する認知度、支援体制を強化する手立てをしないと、ごくクローズドの中でディスカッションが進んでいくことになる。企業体、経済界の認知度を上げていくための能動的なアクションを考える必要がある。

  • 企業会計をめぐる環境が変わってきて、公認会計士に求められる期待も変わってきている。公認会計士にどういう質と知識が求められているかという議論をしないといけない。

  • アメリカでは多民族が集まっており、自己が正しいと言っても認められない。他人である専門家に見てもらって説明責任を果たしていることを確認してもらうという制度が根付いている。日本は、公認会計士は必要悪との認識も一部で見られるが、そうではなく、経営者のアカウンタビリティの遂行に公認会計士が必要という考えが重要である。公認会計士の質とか量とかの要求は、発行体から出てくるのではないか。

  • 発行体との関係の議論は大項目として独立して検討すべき。

    監査、ディスクロージャーについて、行政の監督をもっと強化すべき。

    アメリカ等諸外国では、取引所が大きな役割を持っており、自己の取引所の企業が不祥事を起こした場合、その企業に対して大きな影響力を持っている。日本の取引所は力が見えない。登録している企業の監査、ディスクロージャーについて、積極的な提言をすべきではないか。

問い合わせ先

金融庁総務企画局企業開示参事官室
TEL 03(3506)6000(内線3670,3654)
本議事要旨は暫定版であるため、今後修正があり得ます。

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