第4回
金融審議会・公認会計士制度部会
監査制度・試験制度ワーキンググループ合同会合
議事録



平成15年3月20日
金 融 庁 総 務 企 画 局




片田部会長 ただいまから、金融審議会公認会計士制度部会の第4回会合を監査制度・試験制度のワーキンググループと合同会合ということで開催いたします。
 本日は、ご多用のところ、また、急なご案内にもかかわらず、ご参集いただきまして、ありがとうございます。
 初めに、大久保審議官から一言ご挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いします。


大久保審議官 審議官の大久保でございます。本来であれば藤原からご挨拶申し上げるべきところでございますが、イラク問題等の関係で、対策本部との会合を開いておりまして、代理でご挨拶させていただきます。
 金融審議会、公認会計士制度部会、監査制度・試験制度ワーキンググループの委員の皆様方には、大変お忙しいところをご参集いただきまして、まことにありがとうございます。改めてお礼申し上げます。
 昨年、非常に精力的にご審議をいただき、とりまとめていただきました公認会計士制度部会の報告を踏まえまして、当庁といたしましては具体化の作業を行い、去る14日に公認会計士法の一部を改正すべく、法律案として国会に提出いたしました。ここにご報告申し上げます。
 金融庁といたしましては、昨年8月の証券市場の改革促進プログラムを公表いたしまして、だれもが投資しやすい市場の整備、投資家の信頼が得られる市場の確立、効率的で競争力のある市場の構築という3つの柱に沿って取り組みを進めてまいりました。
 特に、投資家にとって魅力ある市場にするためのインフラといたしましては、公認会計士監査の充実強化は不可欠でございまして、その基本認識のもとに、公認会計士監査制度の改革に取り組んでまいりました。
 法案の概要につきましては、後ほどご説明させていただきたいと思いますが、今国会での法案審議をお願いしてありまして、円滑な審議を期待するとともに、法案の成立に向けまして、また改正に伴う整備などにつきまして、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 委員の皆様方におかれましては、引き続き具体的なご意見をお伺いすることもあろうかとも思いますが、今後ともご支援、ご協力をお願いをいたしまして、簡単でございますが、ご挨拶とさせていただきます。


藤原総務企画局長 総務企画課長の藤原でございます。遅くなりまして申しわけございません。
 ただいま大久保審議官の方から、ご報告、あるいはご挨拶申し上げたとおりでございます。今般、ひさかたぶりの大改正になりますこの公認会計士法を出させていただきました。これもひとえに委員の皆様方のご支援、ご協力の賜物と感謝する次第であります。今後とも、ぜひ成立に向けて、また、後の改革に向けてご協力をお願いしたいと思っております。どうもありがとうございました。


片田部会長 ありがとうございました。
 ただいまのご挨拶にもございましたが、当部会は平成13年10月以降、公認会計士監査制度の見直しについて審議を行い、昨年12月に、公認会計士制度部会報告「公認会計士監査制度の充実・強化」を公表いたしました。
 その後、金融庁等で部会報告を踏まえて具体化に向けた検討を行っていただき、このうち、法律事項については、先週の金曜日、14日でございますけれども、「公認会計法の一部を改正する法律案」として国会に提出されたとのことでございますので、本日は、法案の概要等を中心に事務局から説明をしていただきます。
 それでは、事務局からお願いをいたします。


羽藤参事官 それでは、お手元に、冊子として、右側をホチキスで綴じてあるものがございますが、ちょっと分厚うございますけれども、そちらの方を参照していただければと思います。これは、私ども、通常5点セットというふうに呼んでおるものでございまして、これを国会に提出をしておるというものでございます。
 最初に、頭のところとしましては、法律案の要綱のところでございまして、それぞれの内容にしたがって条文の番号が書いてあります。
 ずっと中をめくっていただきますと、この途中から、色が変わった紙としてございますところが、いわば法律の条文案そのものでございます。「公認会計士法の一部を改正する法律」というふうにございますけれども、第一条、公認会計士法の一部を次のように改正するというところから始まっておりまして、それをずっとめくっていただきますと、実はこの法律改正というものについては、31ページでございますけれども、31ページをめくっていただきますと、突然、後ろから5行目ぐらいに、第二条とございます。公認会計士法の一部を次のように改正すると。
 つまり、今回の一部を改正する法律は、2つの条文から成り立っておりまして、第一条の部分と、この第二条の部分と。どうしてこういうふうになっているのかという点については、テクニカルなことがございますけれども、施行の期日を異なるものとして位置づけておるからです。
 つまり、第二条のところは試験制度にかかわることを1つにまとめています。これについては、施行の時期というものを遅らせていると。
 そして、第一条のところは、独立性の強化であるとか、それから、1ページ戻っていただきますと、「公認会計士審査会」を「公認会計士・監査審査会」に改めるとありますけれども、そういったいろいろな手当をしております。こういったものをまず取りまとめ、大きく2つの条文からなるものとして、テクニカルではございますけれども、条文をつくっています。
 それから、中をずっと見ていただきますと、新旧の対照表ということで、ご覧いただきますと、どこが変わったのかというところが、横に線を引っ張っておりますので、比べていただくことができようかと思います。
 それから、その次には、参考の条文等々がついていると、そういった形で用意をいたしているものでございます。
 そして、先ほどもご紹介がございましたように、先週の金曜日に、内閣としての提出法案ということで衆議院に提出をしております。
 ここに至るまでにはいろいろございました。昨年の12月17日に、この部会で取りまとめていただきまして、私ども作業を進めたわけでございます。その作業をしていくという過程においては、国会の先生方を初め、いろいろな方々の意見を引き続き伺ったわけでもございます。
 私どもとしては基本的に、部会の報告書を条文化していくという作業で臨んだわけでございます。
 お手元には、冊子として、この部会でまとめていただきました報告を1つの冊子にしております。これをご覧いただきますと、審議の経過、目次、そして、総論というところと、それから各論という点については、昨年皆様方にご覧をいただいたとおりでございます。
 具体的に、監査及び会計の専門家としてということで、この要綱をご覧いただければと思いますけれども、独立した立場において、財務処理、その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もって国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする旨の使命規定、及び公認会計士は、常に品位を保持し、その知識及び技能の習得に努め、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない旨の職責規定を設けることとすると、そのような条文を新しく設けさせていただこうというところでございます。
 この点につきましては、実は当初、率直に申しまして私どもの原案には、「会社等の公正な事業活動」という文言は、予定をしておりませんでした。ところが、公認会計士は、もちろん会社ということを通じながらも、株主から、コーポレート・ガバナンスの付託を受けた一環として機能するということがあるのではないか。特に大会社においては、監査人による監査が法律上も義務づけられているのではないかと、これは監査特例法の議論でございますが、また、投資者、それから債権者とございますけれども、もちろん会社にとっての資金調達の円滑化、事業活動を公正にしていくというふうな使命があるのではないかといった意見がかなり強く寄せられました。
 結果的に、このような形で、会社等の公正な事業活動と、別に会社の利益を図るとかそういうことではなく、会社の事業活動をいわば公正にしていくという使命が、監査の立場からあるのではないかといった形で挿入をさせていただいているというところが、この点で、部会でご報告をいただいた点には、明確にそういう形での文言ということではなかったわけでありますけれども、そういった形で提案をさせていただいているという点が、まず第1点でございます。
 それから、公認会計士の試験の制度でございますけれども、これにつきましては、別の1枚の紙を用意させていただいておりますので、そちらの方をご覧もいただければと思います。この部会のご提言で、まず、人数をふやしていくということが重要であるという点と、それから、そのためには、合格の水準を切り下げていくのではなく、多様な受験者というものをどうやって取り込んでいくのかという観点が非常に重要であるということ。
 それから、一定の資質を有する方が、単に外部監査に携わるだけではなく、企業などの内部監査に携わること、あるいは自ら事業活動を行うということで、社会的にも資質を持っておられる方々の厚みをましていくことが重要ではないかと、そのようなご指摘がこの部会での議論としていただいたわけであります。
 そういう中で、1つには、この中にもございますように、専門的職業人材養成教育課程の修了者といった方について、短答式試験について、一部の試験科目の免除というところがございます。それから、左側には、実務経験者というところがございます。一部の試験の科目の免除というところがございます。
 こういった方々に科目免除の道をつくるという形で、短答式試験、それから論文式試験に臨んでいただくと。
 それから、それぞれの科目をどのように整理をさせていただいたかという点は、ここに書いてございますとおり、財務会計論、これは簿記、財務諸表論、それから管理会計論、原価計算などを中心とした議論でございますが、それから、監査論、そして、商法を初めとする企業法といった形で短答式試験をまとめさせていただく。
 それから、論文式試験についても、財務会計論と管理会計論から成る会計学、そして監査論、企業法、租税法といった形でまとめさせていただいています。
 選択科目には、そこに書いてあるような形でまとめさせていただいたというふうな形で、短答式試験と論文式試験、1段階の2回の試験というふうに、新しい試験制度を導入をさせていただいてはいかがかと、このように考えたわけでございます。
 お手元の要綱の方へ戻っていただきまして、1ページめくっていただきますと、2ページ目でありますけれども、実務経験者や、それから、専門的な職業人材の養成教育課程の修了者、こういった方々に広く道を開いていこうという発想で、まず短答式試験科目の一部の免除でありますが、(1)に書いてありますことは、いわば専門的な職業人材養成教育課程を修了した方に、政令で定める科目を免除するということでございます。
 この点については、いわゆる専門職大学院と呼ばれておりますような構想がどのような形で具体化していくのかということを、この法案はこれから国会で審議をいただくわけでありますけれども、それを待つことなく、私どもなりに情報収集もしながら、できますれば、これまで公認会計士制度部会の試験制度ワーキンググループで座長を務めていただきました加古座長のもとでの懇談会というものをつくっていただきまして、その場で、こういったアカウンティングスクール、あるいは一部でビジネススクールというふうに呼ばれておりますような課程が一体どのようなカリキュラムを目指し、そして、どのようなものであれば、公認会計士の試験制度の中にそれを取り込んでいくことができるのか、あるいは我々としては望ましいのかというふうなことを、公認会計士協会を初めとする関係者の方々にも参画をいただいて、共通の、ある意味ではスペックというふうなものも、議論をさせていただくということが、必要ではないかというふうに考えております。
 そういった形で、この教育課程の専門職大学院と呼ばれておりますようなものについての具体的な構想、具体化について、あわせて議論をさせていただこうというふうに思っております。
 今回の法律では、そのでき上がりの中身に即して、政令で定める科目を免除するというものであります。
 それから、(2)でありますけれども、税理士試験に合格した方、あるいは税理士の資格を有しておられる方、そういう方に対して、財務会計論を短答式において免除をすること。
 それから、実務経験者として、通算して、関連する実務に従事した期間が、7年以上である方について、政令で定める科目をそれぞれ免除するということで、やはり新しく道を開いていこうということを用意をさせていただいているわけであります。
 それから、4.論文式試験科目の一部免除でありますけれども、この点についても、税理士試験の合格者、あるいは税理士の資格を有しておられる方については、租税法の科目を免除するという道を設けさせていただいた。
 科目合格制を採用するといったような形で、新しい試験制度を導入をさせていただいてはどうかということであります。
 あわせて、非常に重要な点が、その後のプロセスでございます。この点につきましても、この部会の場でいろいろご議論がございました。試験に合格をした方が企業に就職をされ、事業活動をするということで、社会的に広がりを持つ形になっていくといったような方向で、私ども、制度設計を考えたわけですけれども、この点については、資格と、それからいわば就職というのでしょうか、そういったものを分離をしていくという発想については、その後、かなり幅広い支持をいただいたというふうに理解をしておりますけれども、一方、実際に監査に携わる公認会計士として登録をする場合には、業務補助や実務補習に従事をしていただいて、そして公認会計士協会が最終的な統一考査ということでこれをしっかり見ていただくと。
 もちろん、この点については、その内容や要件というものを、金融庁でしっかり見させていただくということでありますけれども、そういったものを経た方に、修了を確認した上で、公認会計士としての登録をすることで、公認会計士として、その名称をもって業務に従事をすると、そのようなことを含めて、新しい公認会計士試験制度を提案させていただいているというものでございます。
 それから、お手元の要綱の2ページの三でございますけれども、ここと、それから四、左側のページになりますが、そちらをご覧いただきますと、いわゆる独立性の強化というものを中心としたことでございまして、まず、2ページの三の1.の(1)、これは、いわゆる同時提供を禁止するというものでございます。具体的にここにも書いてございますとおり、非監査証明業務を行っていることによって、継続的な報酬を受けている、そういう場合には、監査証明を行ってはならないということを定めている。
 それから、(2)ですけれども、ローテーションという点については、七会計期間以内の政令で定める期間継続して監査を行ったときに、政令で定める期間は、その後、監査を行ってはならないというふうに導入をさせていただいたわけでございます。
 この点については、メディアを通じましてもいろいろと報じられたところでもございます。7年やって2年休むということが、果たして適切であるかどうかというふうに、その期間それ自体についてのご議論がございました。
 他方、そもそもフレッシュアイで見るということにおいて、交替することで、ローテーションの意味は達せられるといったご議論もありましたし、また、長く従事すれば、それだけ外形的にも癒着をしたという意味では、その影響力を排除するためには、その分相応なる期間をあけるべきであるといった観点でのご意見もございました。
 数字の議論になるものですから、わかりやすい形で、7年がいいのか、あるいは5年がいいのか。2年がいいのか、あるいは5年がいいのかといったような議論になりまして、私どもも、この点については、この部会でご議論をいただいたときにも、ローテーションの期間として、7年であるのか5年であるのかという点については、両論の併記という形で取りまとめをいただいたわけではあります。
 また、そもそも監査法人自身のローテーションが必要ではないかと、いろいろなご議論があったわけでありますけれども、そういった点をいろいろな方々にも説明を申し上げました結果、最終的には、ここに書いてございますように、七会計期間以内の政令で定める期間、という形で代わっていただく。その後、政令で定める期間、休んでいただくということで、国会でご審議をいただくわけであります。
 引き続き実情をよく踏まえた形で、政令で、どのように具体的に決定をしていくのかということは、ここに至るまでのいろいろな議論の積み重ねも踏まえて決めていくということになろうかと思っております。
 それから、同時提供の禁止も、このローテーションと言われている問題についても、一体どういった監査の場合にこれらを適用するのかという議論がございました。ここに書いてございますように、大会社等ということで、単に証取法における有価証券報告書を提出していただいている会社のみならず、商法監査特例法の大会社にも適用すべきではないかといった議論が強い指摘としてございました。
 この点については、むしろ諸外国においても、上場企業を中心として、有価証券報告書で資金を調達するというところを軸に考えるので、それで十分ではないかといったご議論もございましたし、また、現に商法監査特例法上の大会社には監査を法律上義務づけており、そして債権者保護という観点がその背景にもありますし、また、株主から委託を受けたコーポレート・ガバナンスの一端を担うといった観点から、監査人に対しては、同時提供を禁止したり、あるいはローテーションを求めたりという、独立性の強化を求めるのも適切ではないのかと、そういった議論もございました。ここでは、そういう形で議論が行われたことも踏まえまして、商法監査特例法上の大企業にまで対象を広げております。
 この点につきましては、恐らくアメリカよりも非常に広い意味で網をかけたと、対象にしているということでございます。
 それから、(3)は、単独で監査をやってはいけないという点でございます。
 それから、3ページになりますけれども、研修の受講について、条文を設けさせていただくということになったわけでありますけれども、この点につきましても、部会でのご報告をいただいた後、いろいろなご議論がございました。
 そもそも部会報告では、登録制度を導入をする。そして、その登録制度の1つの要件として、継続的な研修制度というものを位置づけるといったことでご議論をいただいて、我々、立法作業に携わったわけでございますけれども、その後、結論的には、登録制度という形でそれぞれ律していくということになりますと、これは法制上、新しい試験をそのたびごとにやり直して資格を付与すると。あるいは、登録の期間が失効した場合には、それはそもそも試験によってクオリファイをしたということを、一度また白紙に戻すといった点で、試験をまた改めてその当該同一人物に対して行わなければならないというようなことも含めて、登録制度の導入というものを考えなければならないと、法制的にはそのような課題もございました。
 一方、研修を受講するということを法律上義務づけるという点については、プロフェッションとしてふさわしくないといった、職業人としてのあり方としていかがなものかといったご指摘もございました。
 この法律の中では、しっかり研修を受けていただくということを義務づける。ただし、この研修の主体は公認会計士協会が行うというものでございます。したがって、これから公認会計士協会が、その自主性を大いに発揮をしていただくとともに、こういう研修をしっかり受けていただくということによって、監査に携わられる公認会計士の方々の資質については、しっかり磨いていただくと、そのようなことを、研修の受講ということを法律化するという中で、私ども、位置づけをさせていただいたわけでございます。
 それから、就職の制限、いわゆるクーリングオフと言われているものでございますけれども、盛り込みをさせていただきました。
 4.につきましては、後ほど品質管理レビューとの関係で触れさせていただこうと思います。
 四でありますけれども、監査法人制度でございます。
 この点につきましては、審議会の場でもいろいろご議論がございましたところではございますけれども、最終的にご了解をいただきたいと思いますのは、認可制から届出制へということで、規制緩和をさせていただくというふうに踏み切らせていただいたわけでございます。
 これは、設立だけではなく、解散、合併、定款変更の手続きということでございまして、こういった形で、実は審議会の部会の報告の中では、規制緩和については確かにそのようなことの必要性といった議論もございました。この届出制への変更について、十分に議論した上での結論となっておったかどうかという点については、審議会の部会報告の中では、必ずしもこの点についてはこのような届出制への変更というご提言はなかったということではあるわけでございますけれども、その後、特に行政改革といった観点からの非常に強い指摘も、各界からもいただきましたことも踏まえまして、踏み切らせていただいたということを、事後的ではございますけれどもご了解をいただければというふうに思っております。
 それから、指定社員制度の導入でありますけれども、この点につきましては、審議会のご提言に則した形で、関与した社員について、その方々について、無限連帯責任制度というのを維持しながらも、そうでない方については、有限責任制度という形を導入するということでございます。
 ただ、これは現行の弁護士法人制度にならったものでもございまして、完全なる第三者との関係においても有限責任ということではないという点もございます。したがって、その点については、引き続きの検討課題として議論をしていかなければならないという認識を持っております。この点につきましては、部会のご報告に沿ったものでもございます。
 それから、3.4.とありますけれども、この点については、独立性の強化ということで、個人の公認会計士にかかる義務とほぼ同様のものでございます。
 次の4ページの5.につきましても、就職の制限、クーリングオフという点での導入は同様のものでございます。
 規制緩和、この6.については、審議会のご提言に則した内容のものを具体化をさせていただいたというものであります。
 7.につきましては、先ほどの公認会計士に対する、4.にございましたところと同じものでございまして、品質管理レビュー、モニタリングとのかかわりにおいて、後ほど触れさせていただきます。
 五でございますけれども、公認会計士・監査審査会とあります。
 これは、今般、品質管理レビューを協会がやっておられることについて、モニタリングをするということを公認会計士審査会が行うというふうにさせていただいたわけでありますけれども、公認会計士審査会は、これまで大きく2つの機能を担っていただいたわけであります。
 1つは、公認会計士についての懲戒処分、これについての調査をするということと、もう1つは、公認会計士についての試験制度の実施であります。
 つまり、公認会計士の身分を律するといった機能を担っていただいたわけでありますけれども、モニタリングをするということにおいて、個々の監査法人の審議体制も含めて、品質の管理、監査の質といったものをどのように担保するのかといった観点で、モニタリングをしていただくということになりますと、公認会計士の身分と、それから、監査法人の監査そのものということで、2つの大きく異なる、場合によっては利益相反が起こり得るような、そういった職務を担うことになるのではないかと、そういった指摘が強くございました。
 そこで、名前も「・監査審査会」というふうにさせていただき、そして、委員の独立性、常勤性というものもあわせて導入をさせていただき、そして、事務局を設置してサポート体制を整え、そういう中で身分に携わる、それから、監査の質を担保するという、大きく2つの権能について、それぞれ相互間での干渉というものを可能な限り避けるようにすると、そういった組織構成を、これから具体的化していきたいと考えているわけでありますけれども、そういう意味で、「公認会計士審査会」の名前も、「公認会計士・監査審査会」に改めていただいたというものであります。
 このために、4ページの4.のところでありますけれども、モニタリングを行いまして、その結果に基づいて、監査証明業務や、公認会計士協会などの事務の適正な運営を確保するために、行うべき行政処分を、内閣総理大臣に勧告できるというふうにしております。
 勧告をいただいたということにおいて、先ほど、後で触れさせていただきますと申し上げましたけれども、公認会計士に対する指示や処分、それから、監査法人に対する指示や処分、それぞれ三の4.それから、四の7.でありますけれども、そういった権能と相まって、モニタリングの実効性を担保させていただくというものでございます。
 それから、5ページでございますが、公認会計士協会でありますけれども、公認会計士協会の自主性を重んじる。あるいは、監査法人については届出制といったことへ転換をしていくというふうな中で、公認会計士協会にはしっかりとその自主性を発揮していただく。
 そして、その結果として、いろいろな状況の調査を行っていただき、調査結果を定期的に、必要に応じて内閣総理大臣に報告していただくという、そういう位置づけを、この5ページの六の1.に書かせていただいたわけでございます。
 それから、自主性を重んじるという中でも、監督上の命令というものを位置づけさせていただいております。
 それから、3.役員の解任命令の廃止という点については、規制緩和の一環として、こういったものについては廃止をするといったことを盛り込んでいるわけでございます。
 それから、雑則とございますけれども、1つには、報告及び検査とございます。審議会の部会報告の中では、一般的調査権というふうな言葉で位置づけられたものであります。つまり、今までは、懲戒処分を前提として検査をするということがございましたけれども、ここに書いてございますように、公益又は投資者保護のため必要かつ適当と認めるときは、監査証明業務に関し、立入検査ができることとするということでございます。
 例えば具体的には、品質管理レビューという形でモニタリングをするというふうなことで、監査法人の審理体制などが形骸化しているのではないかといったようなケースについては、そのことをもってしては、現行の制度上、懲戒処分にならないわけでございますけれども、その点を検査したりすることによって、そして、勧告をするといったようなことができるようにしておくと、こういうふうな形で、この検査権というものを入れさせていただいたというものであります。この検査の権限は、2.にございますように、公認会計士・監査審査会に委任されているというものであります。
 それから、罰則でございますけれども、本来、公認会計士の罰則ということになりますと、例えば虚偽証明に加担をしたといったようなことになりますと、証取法上、経営者に対する虚偽証明に対する罰則というものが設けられているわけでありまして、それに対する共同正犯あるいは幇助といった形で、監査人が刑事上の責めを負うということになるわけでありますけれども、専門職業資格士の身分法の中では、基本的に行政による懲戒処分というふうな形で律せられている、これが基本ではございます。
 しかし、例えば、公認会計士の方に今般、就職の制限というものが措置として設けられました。これは、具体的には今まで監査に携わった、その監査先に就職をしようとするといった場合には、この当該人物はもう既に公認会計士ではないケースが想定されますので、そういった方が就職をするようなことについて、罰則でこれを担保するという形が必要になってくるという点が1つ。
 それから、もう1つは、監査法人自身の会計書類の適正性というものを確保するという観点から、罰則を新たに設けさせていただいたというものがございます。これは、従来は、監査法人が、内閣総理大臣に会計上の書類を提出するというものが位置づけられているわけでありますけれども、それを怠った場合には、その怠ったということ、つまり、内閣総理大臣との関係において、これは罰則の対象となっておったということでありますけれども、今般の罰則の新設においては、監査法人の会計書類の不実記載それ自体、あるいは記載が不備であるといったことそれ自体について、罰則を新たに設けさせていただいたというものであります。会計書類の適正性を確保するという観点から、罰則を新設させていただいたというものがございます。
 このほかにも、公認会計士ではない方が、「これは監査証明を受けたものである」というふうに勝手に公表をしたりしたといったケースは、これは全体として監査に対する信頼性というものを損なうことになりますので、そういったものに対する罰則を強化したというものでございます。
 施行期日については、冒頭申しましたとおりでございまして、基本的に来年の4月1日かから、試験制度にかかわるものについては、平成18年からというふうに考えております。
 経過措置については、会計士補の方々の位置づけを含めまして、所要の経過措置を規定をさせていただこうというふうに考えております。
 以上、ご説明を申し上げましたけれども、繰り返し、この場をお借りしまして、部会でのいろいろなご議論を集中的に行っていただきましたこと、改めて御礼を申し上げます。
 それから、その後、いろいろと私どもなりに、限られた時間ではございましたけれども、立法案の作業に参画をいたしました。その過程においては、メディアの中ではいろいろな報道がございましたけれども、公認会計士の当事者としての公認会計士協会、本日も奥山会長には委員としてご参画をいただいておりますけれども、また、関連するいろいろな方々にいろいろな意見をいただきました。
 基本的には部会の報告をとりまとめていただいたラインというものがございましたし、そこに立ち返りながら説明をさせていただきまして、各関係方面の方々のご理解をいただいて、法案にするというところにたどり着いたということでございます。
 これから、国会で議論をいただくわけでございます。したがって、まだまだいろいろな形でご議論もあろうかと思います。
 また、厳しい方から、「骨抜きになっているのではないか」といったようなことを言われることもございますけれども、確かに、何をもって骨であって、何がないと抜けているのかという点は、いろいろと見方があろうかとは思いますけれども、これまでいただきました部会の報告をベースにしながら、法律化していく、法案化していくという過程において、現実的に導入が可能な形で議論を、具体的な法律の形にしていくといったことも必要でございまして、私どもとしましては、政治的な圧力の中で骨抜きになったというふうなことであるとは、全く考えてはおりません。基本的に、繰り返しですけれども、部会の報告を踏まえた形で、その線で立法をさせていただいたということでございます。
 今日のこの場を初めとしまして、また個別にもいろいろとこれからの国会における審議なども通じまして、しっかりとご説明をしながら、各界の皆様方の引き続きのサポートなど、ご理解を深めていただくよう努力してまいりたいと思っております。
 まずは、ご報告を含めまして、改めて、重ね重ねながらではございますけれども、御礼を申し上げる次第であります。
 以上でございます。


片田部会長 ありがとうございました。
 ただいまの、事務局から説明のありました公認会計士法改正案の概要等につきまして、委員の方からのご質問、ご意見をいただきたいと存じます。
 ご自由にご発言をいただきたいのですが、挙手をしていただくとありがたく思います。よろしくお願いいたします。どうぞ。


伊藤委員 住友電工の伊藤でございます。
 大変結構な、いろいろあるいは苦心をされた中で、私どももこの会合の結論を十分に踏まえてやっていただいたことに感謝申し上げたいと思います。
 1点だけですけれども、公認会計士試験制度についてのこの図表でございますけれども、当然のことなのでございますけれども、実務経験者、大学生、専門的職業人材の養成教育課程修了者ということになっておりますが、これは3つがそれぞれ別に流れていくのではなくて、例えば実務経験者が、右の方の専門的職業人材養成云々にも入ってくるしというように考えてよろしいのですね。そういうふうに、これはもう柔軟に考えるということでよろしいのだと。確認だけでございます。


羽藤参事官 もちろん、そういうことでございまして、例えばそういう方については、実務の経験というふうな意味で、一部の試験科目が免除されるということもありましたし、また、一定の修了をしたという意味で、専門職大学院を初めとする教育課程の修了という意味での資格はあろうと思います。


片田部会長 ほかにご発言がございましたら、お願いいたします。どうぞ。


上柳委員 ちょっとこの場にはふさわしくないのかもわかりませんけれども、1つだけ、法案で言いますと四十九条の三の2項ということで追加になっている、いわゆる懲戒処分等を前提としないでも、立入調査そのほかができるという点です。
 私自身は、弁護士としても、あるいは会計士さんに仕事をお願いする立場、そういう意味での事業会社の立場としても、この条文について危惧を抱いております。
 1つは、どのようなときに発動がされるのかということで、ちょっと要件が緩いのではないかということと、それから、対象とされる場所について、その他、その業務に関係のある場所ということで、これが拡大解釈されますと、会計士さんにお願いしている事業会社そのほかにも立ち入ることができるというふうにも読めるかもしれないということで、その範囲が広がる可能性があるという点で不安に思っております。
 もちろん、会計士業務の適正を確保することは必要なわけですけれども、会計士さんに私ども、いろいろお願いしている書類の中には、事業にかかわるもの、あるいはそのほか、余りお見せしたくないもの、あるいは秘密事項もあるわけですし、それについて行政が、かなりフリーな形でタッチできるとなるとまずいのではないかと思います。
 これは、意見ですけれども、申し上げたいと思います。
 以上です。


片田部会長 何かお答えはありますか。


羽藤参事官 もとより、これからもいろいろな場面で、具体的にこの趣旨がどういうものであるのかということについては説明を申し上げていかなければいけないと思っておりますけれども、ここに至るまでも、同様のご指摘がございました。
 決して、ある意味での濫用というのでしょうか、そういうふうなことを考えているわけでは毛頭ないと。この位置づけは、先ほども触れましたように、品質管理レビューのモニタリングを行うと。そして、しかも監査証明業務についての立ち入りの検査というふうなことがここにも書いてございますとおり、第2項のところですけれども、第二条第1項の業務に関しというふうになっておりますので、あくまでもそういう目的に沿って、その必要な限度においてというところは自ずとわきまえているつもりでございますし、その点についても誤解のないような形で運営をしていかなければいけないと。
 いずれにしましても、これからの国会での審議の課程などにおいても、そういうことをきちんと申し述べて、ご理解をいただくよう努力しなければならないと思っています。


片田部会長 ほかにご質問ございますか。どうぞ。


山浦委員 短い時間でこれだけおまとめになったというのは、非常に大変な努力が要ったことだと思っております。
 その上で、幾つか、1つは確認ですけれども、もう1つは質問であります。
 1つは、例のアカウンティングスクールなりビジネススクールなりの、専門職大学院についての、これはカリキュラム等についてはこれから詰めるという、そういう確認でよろしいですか。それが1つです。
 それから、監査法人の有限責任制については、長い間随分と議論しまして、ここで、一番最初の要約のところの四の監査法人の2.の(3)ですか、指定証明に関し被監査会社等に対して負担することとなった監査法人の債務をその監査法人の云々という、ここで、監査法人の財産をもって完済することができないとき云々ということと、指定社員のみが無限連帯責任を負うこととなるというのですけれども、例えば、監査法人の財産充実の原則とか何かそういう類いのものは別個に設けられるのかどうかということですね。
 というのは、大体パートナーシップ制というのは、昔から、パートナー間での利益の分配の形式については、各監査法人によってルールが決められておりまして、それは監査法人によって随分違うんですね、やり方が。
 したがって、極端に言ってしまいますと、利益をすべて分配するタイプの監査法人と、それから、ある程度充実を図っていくという監査法人でかなり差があるように思います。
 したがって、そのあたりは、何かの形で、ガイドラインというかそういったものが必要ではないかという気がするのですけれども、このあたり、どのようにお考えかということ。
 それから、もう1点なのですけれども、ここで言う公認会計士・監査審査会という、これはもう大変結構なことだと思うのですけれども、これは、例えば現行のこの種の組織としては、大体似たようなものがあるとするとどういったものなのか、ちょっとイメージ的に疎いものですから、もしそういったこれに相当するものがあって、こういうイメージですということがあれば、ちょっとお教えいただきたいと。
 この3点でございます。


片田部会長 事務局、お願いいたします。


羽藤参事官 まず、最初の第1点ですけれども、これは、先ほども触れましたように、一方で、我々としてはできる限りいろいろな道を、公認会計士への道を広げていきたい、多様化していきたいという思いがございます。それから、一方で、大学の関係者を中心とした方々に、アカウンティングスクールであるとかビジネススクールであるとか、そういった動きがあるのも承知をしているわけであります。
 公認会計士として一体どのような像が望ましいのか、あるいはどのようなことを履修していただくことが望ましいのかといったことは、ロースクールの議論として、それに向けたいろいろな制度の設計がそれぞれ今、ある意味では私立大学のいわゆる自由な発想の中でいろいろあるわけですので、そういったところに対して、私どもなりの考え方を、例えばこれだけ多様化して国際化しているという経済活動があるわけですから、単に座学の、机上のことだけではなくて、実践的なカリキュラムをつくっていただくということが適切ではないかとか、あるいはそのカリキュラムにあたっては、相当実務に近いところをやっていただくということが重要ではないかとかいったようなことは、公認会計士協会の現場の方々とか、あるいは産業界や経済界の方々のお話なども一方お伺いをしながら、場合によってはそういう方々に集まっていただいて、大学のサイドで具体化していただくというふうなところに、対話をしながら一緒に組み立てていただけると、あるいはそういう方向で我々も心づもりをしながら、この試験制度に備えるといったことが必要なのだと思います。
 したがって、これから、そういう意味では、このカリキュラムなど、どういう像を求めるのかという点を議論する場というものを作らせていただきたいというふうに思っています。
 そのためには、これまでこの部会で試験制度ワーキンググループの座長として、加古先生にお取りまとめをいただいたので、加古先生を座長として懇談の場を作らせていただくと。タイミングなどを図りながら、この部会の場にも報告をさせていただくと、そういったようなことが1つ考えられるのではないかなというふうに考えております。
 それから、ガイドラインの調整ということで、監査法人の財務状況等々、多様性に応じてというふうなご指摘がございました。
 この点については、そもそも、監査法人に対するディスクロージャーの問題と表裏一体で、責任をどういうふうに考えていくかという、そういうご指摘かと思っていますし、その点については、今回の法案の策定の課程においては、なかなかそこまでの制度設計ができなかったと。部会の報告の中でも、むしろ引き続きの検討課題であると、そういう位置づけでもございました。
 この点については、これも一体どういう形でどのようにまとめていくか、議論をしていくのかということを考えなければいけないというふうには思っております。
 まず、この法案を国会でご審議いただくということ。それから、監査法人が設立制から届出制になったというその背景には、監査法人の組織的監査の定着というものも、昭和41年以来、恐らくこれからは監査法人の活動自体も、ある意味では多様化していくということが、望ましい形ではないかとも思いますし、届出制という中では、一方で非常に競争状況が厳しい中でも、多様な形での活動というものもまた出てくるのではないかというふうに思います。
 したがって、現時点において何か一定のガイドラインだとかそういうふうなものを考えながら議論をリードしていくということよりは、まず1つには、監査法人の責任とディスクロージャーの問題という制度論、そちらの方の議論を詰めながら、そういう中で、今ご指摘があったようなガイドラインというのは、果たして本当に必要なのかどうかと、そういう議論としてやっていくのが適切ではないかというふうに思いますので、余り最初から、その充実度合いについてのガイドラインということよりは、もう少し広く、ディスクロージャー、責任とか、そういうふうなこととの関係で何が必要なのかといった議論を、していただくことが必要ではないかと思います。
 それから、「公認会計士・監査審査会」ということで、確かにどういう例があるのかというのは、例えば、行政が持っておるいわゆる審議会というのでしょうか、委員会というのでしょうか、そういう、私どもの言葉で言いますと8条委員会、8条機関というような言葉がございますけれども、そういう位置づけで動いているような機関というのは、これはたくさんございます。
 既に金融庁との関係でも、証券取引等監視委員会というのがございます。それぞれ一定のミッションを帯びて、そして、委員の独立性と、あとここに書いてありますように事務局を持って、権能を行使すると。あるいは、そこに付託された権能を行使するというのもございます。
 そこは、例えば今回、農水省の関係の食肉の安全性というふうなことについて、これをどう考えていくかということの委員会が新しくできましたし、あるいは、運輸省などでは航空機の事故などでの調査会というふうなこともございます。それぞれその目的に応じていろいろなタイプの委員会がございますけれども、そういう意味では、どこかに何かある一定のアクションをモニタリングというふうな形でやっているところがあってというよりは、目的に応じて今回は、公認会計士の試験制度などに携わるのと、それから、監査の質を担保するという、そういう権能をここの委員会の場にあてる。それがこの審査会であります。
 なお、併せて申し上げますと、こういう名称の中に、中ポツと言って我々は呼んでいますが、ポツを打って、監査審査会とこんなふうに名前をつけるのは珍しいのではないかとか、そういう点でまた申しますと、それも前例があるとか、いろいろなことがございます。あるいは、政治活動の禁止というのは、これは前例があるとか、また、常勤制かどうか、これもいろいろありますけれども、そういう意味では、幾つかいろいろな形態がございます。
 もう一度繰り返しになりますけれども、ここで目的としているものは何かという点では、身分と、それから監査の質を担保するというものを独立させ、しっかり見ていただくというものを作らせていただいたということであります。


片田部会長 どうぞ。


伊藤委員 それに関連もするのでございますが、ちょっとこれは質問なのでございますけれども、この委員会と申しますか、この審議会は、確かに公認会計士の監査制度なのでございますが、一方で、企業会計審議会で監査論、監査の基準について見直しが、この前行われたわけでございますけれども、こういうものについての、例えば具体的な実務指針は今、公認会計士協会でつくっておりますと。一方、会計理念の方は、基本的には企業会計審議会から企業会計基準委員会の方に移って、実務指針も企業会計基準委員会で作っていると。
 そのあたりとの関連において、今後例えばこの監査審査会というところは、単にそういう制度の批判とか、あるいは公認会計士業界のモニタリングということに留めるのか、監査理論、あるいは監査の具体的な実務指針のところまで目を光らせるのか、あるいは、それはその審議会という形で、やはり金融庁が所管していくのか、このあたりについてはどういうふうにお考えになっておられるか、ご意見というか、現段階のご意見があれば教えていただきたい。


片田部会長 簡単に答えてください。


羽藤参事官 ここは、むしろ皆様方のご意見も伺いたいと思います。現状では、この審査会は、あくまでも、モニタリングをする、記述関連上のモニタリングをして、監査の質を担保していこうといったところからの制度設計でございます。
 今の課題は、非常に大きな課題だと思いますし、いろいろなご意見もまたお伺いしながら、将来のことも考えていかなければいけないというふうに思っております。


伊藤委員 わかりました。


片田部会長 閉会の時間が迫ってまいりました。いろいろとご意見等をいただき、ありがとうございました。
 事務局におきましては、改正法案の成立に努めていただくとともに、ただいまの委員の皆さんのご意見等も念頭に置いていただきながら、法案の成立後に向けた具体的準備にも取り組んでいただくことをお願いしておきたいと思います。
 事務局から、最後に何かございませんか。よろしいですか。
 それでは、以上をもちまして、本日の会議を終了させていただきます。ありがとうございました。