金融審議会総会(第8回)議事録

日時: 平成12年8月4日(金)12時19分~14時12分

場所: 合同庁舎4号館(4階)共用第一特別会議室

○ 有吉企画課長

それでは、皆様お食事もお済みのようでございますので、ただいまから、通算では第8回ということになりますけれども、金融庁移管後といたしましては初めての金融審議会の総会を開催させていただきます。

本日、皆様大変御多忙のところをお集まりいただきましてありがとうございます。また、金融審議会委員への御就任、またお引き受けいただきましたこと、重ねて御礼を申し上げます。

本日は、委員改選後の初めての総会ということでございますので、会長、そして会長代理をお決めいただくことになりますが、それまでの間、私、企画課長の有吉、審議会の担当をさせていただいておりますが、当面の議事の進行役を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

まず、お手元に幾つか資料をお配りいたしておると思います。議事次第、それから名簿、そして総会8-1から、番号が振ってある資料が総会資料でございます。それ以下、できたてのやや参考資料という形で二つほどお配りしておると思います。

まず、総会8-1という資料があろうかと思います。「金融庁の発足及び金融審議会の設置について」という資料でございますが、全体の議事に入ります前に簡単に御説明申し上げたいと思います。

御案内のとおり、中央省庁の再編を先取りいたします形で、本年7月1日、金融庁が発足いたしました。1枚おめくりいただきますと、このように従来大蔵省金融企画局におきまして金融制度の企画・立案等を行っておりました。他方、左側でございますが、総理府金融再生委員会のもとに金融監督庁が設置され、民間金融機関等に対する検査・監督を行っていたということでございますが、7月1日におきまして、これが金融制度の企画・立案等に関してもこの金融庁の方に統合されたということでございます。

ただ、御案内のとおり、これは13年1月までの経過的なものでございまして、当面は金融再生委員会がございまして、こちらで金融再生法に基づく破綻処理でありますとか、あるいは早期健全化法に基づく資本増強、金融破綻処理制度及び金融危機管理に関する企画・立案等を行っていくということでございます。

なお、大蔵省におきましては、引き続き、右にございますように、国の財務等に関する国の行政事務及び事業を遂行する観点から行う金融破綻処理制度及び金融危機管理に関する企画・立案等といったものが大蔵省の仕事となります。

13年1月以降は、内閣府のもとに金融庁が置かれまして、そして、いわば左側にありますものが全体として一本化して統合されるという形になっております。

それに伴いまして審議会の方がどうなるのかというのが次のページをおめくりいただきますとございます。金融に関する企画・立案機能が大蔵省に12年6月まであったということで、大蔵省におきまして金融審議会初め、金利調整審議会、公認会計士審査会、企業会計審議会といった審議会が置かれておりました。

7月、企画・立案機能を金融庁に統合されたということでございまして、そういった審議会、従来から自動車損害賠償責任保険審議会、運輸省との共管でございますが、これは金融監督庁に置かれておったわけですけれども、あわせて金融庁に金融関係の審議会がすべて置かれるということになっております。

13年1月、さらに中央省庁の再編、本格的な移行に伴いまして、金融審議会自体の統合というのも行われまして、そこで基本的に企画・立案的な、そういったものの審議会というのは各省庁で一本ということになります。したがって、金融庁におきましては、金融審議会、金利調整審議会、それから公認会計士審査会と自賠責の保険審議会の企画的な機能でございますね、これがあわせて金融審議会という全体の中に統合されると。ただ、もちろんその下に分科会といった形、あるいは部会といった形でこういった従来の金融審議会初め、ほかの4審議会が担っていたものがこうやって置かれるという形になろうかと思います。

なお、引き続き、例えば公認会計士審査会処分、あるいは自賠責の保険審議会における監督的なもの、そういったものが残りますが、それはまた別途やると。企業会計審議会というのは、別物として引き続き分けられております。

あとは御説明申し上げませんが、金融庁の組織、現行及び平成13年1月後の形が載っております。

そして、金融庁の各課の所掌事務が、皆様新しい組織になって、いろいろな新しい名前が大体どこで何をやっているんだろうかというような御疑問あろうかと思いまして、あるいは担当のところに話をといったときに、これを参照していただければと思います。

以上、簡単でございますが、資料8-1について御説明申し上げました。

その背景を経まして、本格的なその意味の審議会の方に移らせていただきたいんですけれども、まず当審議会の委員の皆様を御紹介させていただきたいと存じます。

どうしても御都合がつきませんでしたイシ委員を除きまして、皆様再任ということでお願いいたして、お引き受けいただいております。

全体の名簿、別途お手元にお配りしておると思いますが、適宜御参照いただきたいと思いますが、本日御出席いただいている委員の皆様方、まず御紹介申し上げたいと思います。委員の皆様の方から見まして右側の方から御紹介いたしたいと思います。

まず、江頭憲治郎委員でございます。

大塚宗春委員でございます。

翁百合委員でございます。

貝塚啓明委員でございます。

神田秀樹委員でございます。

倉澤康一郎委員でございます。

杉田亮毅委員でございます。

高橋伸子委員でございます。

田島優子委員でございます。

福間年勝委員でございます。

八木良樹委員でございます。

吉野直行委員でございます。

蝋山昌一委員でございます。

なお、ほかに4方、井上定彦委員、田中直毅委員、原早苗委員、堀内昭義委員につきましては、本日所用で御欠席されております。

以上でございます。どうかよろしくお願いいたします。

引き続きまして、オブザーバーの方々を御紹介いたします。

まず、増渕稔日本銀行理事でございます。

もう一方、金融再生委員会を代表しまして森昭治金融再生委員会事務局長でございますが、国会の関係で、本日は代理の大谷事務局次長に御出席をいただいております。

森事務局長、後ほど国会の合間をぬってお顔をお出しになるというふうに伺っております。

以上でございますが、続きまして、当審議会の事務局のメンバーを御紹介申し上げたいと思います。

皆様から向かいまして左側になりますが、日野金融庁長官でございます。

浜中金融庁次長でございます。

次に、皆様から右手になりますが、乾総務企画部長でございます。

西川検査部長でございます。

高木監督部長でございますが、国会の関係で、本日は代理の浦西監督部担当参事官が出席しております。

事務局は金融庁と大蔵省共同ということになっておりまして、大蔵省より窪野大臣官房参事官でございます。

森本大臣官房信用機構課長でございます。

次に、少し戻りまして、浜中次長の左の方から、渡辺総務企画部審議官でございます。

三國谷東京証券取引所管理官でございます。

河野国際課長でございます。

大藤企業開示参事官でございます。

樋口信用課長でございます。

そして私、先ほども申しましたが、企画課長・有吉でございます。

以上が事務局の方から出席させていただいております。

次に、当審議会の会長の選任をお願いいたしたいと存じます。会長は、金融審議会令第3条の規定によりまして、委員の互選によるということとされておりますが、私ども事務局の方で事前に委員の皆様方にお聞きいたしましたところ、引き続き貝塚委員に会長をお願いしてはどうかという皆様の御意見のようでございましたが、ここで改めて皆様の御意見を伺いたいと思いますが、いかがでございましょうか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ 有吉企画課長

ございませんようですので、貝塚委員の御承諾を待って会長就任をお願いいたしたいと思いますけれども、貝塚先生、いかがでございましょうか。

○ 貝塚委員

謹んでお受けいたしたいと思います。

○ 有吉企画課長

どうもありがとうございました。

それでは、貝塚会長、会長席の方にお移りいただけますでしょうか。

〔貝塚委員、会長席に着く〕

○ 有吉企画課長

それでは、まず貝塚会長よりごあいさつをいただきまして、その後の議事を貝塚会長にお願いしたいと思います。

○ 貝塚会長

一言ごあいさつ申し上げます。

金融審議会は皆さん御存じだと思いますが、一昨年8月に設置されまして、これまで21世紀を見据えた金融ルールの枠組み、証券市場のあり方、預金保険制度、保険会社の基本問題等の検討を行いまして、逐次その成果を公表してまいったわけであります。先般6月、答申、21世紀を支える金融の新しい枠組みについてを取りまとめたところでありまして、先般の国会において5法案が法制化され、制度整備が進められております。

一方、IT革命や金融経済グローバル化の進展など、我が国の金融環境は目まぐるしく変化しておりまして、金融商品サービスの内容の多様化や異業種からの参入というふうな変化が見られております。

今般、金融審議会は金融庁に移管されましたが、今後の金融の将来の姿について比広く議論し、その成果を積極的に世に問うという金融審議会の節目の重要性はいささかも変わることがないと考えております。

このたび、会長職を引き続きお引き受けいたしますことになりまして、責任の重大さを改めて痛感するとともに、委員の皆様の御協力を仰ぎながら、今後の円滑な運営に全力を尽くしたいと思いますので、何分よろしくお願いいたします。

それでは、あとは金融審議会の会長代理を私から指名させていただくことになっておりまして、金融審議会令第3条によりまして、会長代理は会長から指名させていただくということでございますので、蝋山委員に引き続き会長代理をお願いいたしたいと思いますが。

○ 蝋山委員

お引き受けします。しかし、余り代理の役目がないことを(笑)。

○ 貝塚会長

大変な役目はいろいろあるんじゃないでしょうか(笑)。

それでは、日野金融庁長官よりごあいさつをいただきたいと存じます。カメラが入りますので、少々お待ちください。

〔カメラ入室〕

○ 貝塚会長

それでは、長官お願いします。

○ 日野金融庁長官

金融庁長官の日野でございます。金融庁発足後、最初の金融審議会総会の開催に当たりまして、一言ごあいさつ申し上げたいと思います。

委員の先生方御承知のように、去る7月1日に中央省庁等改革の先陣を切って金融監督庁と大蔵省金融企画局とが統合されまして、金融庁が設立されました。振り返りますと、金融監督庁が発足した平成10年6月当時は、大変深刻な金融不安が発生しておりまして、極めて厳しい金融環境のもとにありました。こうした中で、金融監督庁といたしましては、明確なルールに基づく公正で透明な金融監督の確立、またこのような金融監督の基本となる厳正で実効性ある検査の実施とモニタリングの充実等を業務運営の基本として掲げ、我が国金融システムの再生と安定を初めとする諸課題に取り組んでまいりました。

この機会に改めて御説明させていただきますと、平成10年7月から政府与党の金融再生トータルプランを踏まえまして、日本銀行と連携しつつ、都銀等の主要19行に対して集中検査を行い、またその後も地銀、第二地銀等に対して集中検査を行いました。また、この金融再生トータルプランを踏まえまして、金融検査マニュアル等の整備を通じて、検査監督体制の一層の拡充を図るため、平成10年8月から法律家、公認会計士等による検討を進め、平成11年7月には金融検査は自己責任に基づく金融機関経営を保管するものであるとの基本的考え方に立ちまして、従来の当局主導型から自己管理型への転換を進め、リスク管理重視への検査への転換を図ることに重点を置く預金等受け入れ金融機関に係る検査マニュアルを公表いたしております。

平成10年夏から秋にかけてのいわゆる金融国会では、金融システム安定化のための制度整備として、いわゆる金融再生法及び早期健全化法が成立いたしました。この金融再生法に基づきまして、皆様御承知のとおり、平成10年10月に日本長期信用銀行、同年12月に日本債券信用銀行の一時国有化が行われました。さらに同法に基づきまして、国有化以外にも第二地銀5行を初め、共同組織金融機関の破綻処理が数少なくなく行われております。また、早期健全化法に基づきまして、平成11年3月には大手15行に対して総額7兆5,000億円の公的資金による資本増強がなされたほか、平成11年度におきましても、地銀、第二地銀等7行に対して資本増強が行われております。

一方、信用組合につきましては、本年4月1日にその検査監督事務が従来の都道府県から国に移管されましたが、ペイオフの解禁をも視野に入れつつ、資産内容等の実態把握を速やかに行うため、現在平成13年3月末までに検査を一巡させることとしております。

また、さきの通常国会で信用組合等の共同組織金融機関の経営基盤強化を図るため、早期健全化法が改正されまして、公的資金増強が可能となったところでございます。

さらに、保険につきましては、平成10年3月から自己査定の導入による償却引当が実施され、また平成11年4月からは早期是正措置等が導入されており、ソルベーシンマージン比率に基づいて必要な措置が適時に講じられることとなりました。

このような枠組みを踏まえまして、平成11年5月からの財務内容等の実態把握のための検査を順次実施しておりましたが、その中で、状況に応じて保険管理人による管理を命ずる処分等を行ったところでございます。

また、証券につきましては、平成10年12月に施行されました金融システム改革法に基づき、証券業の免許制から登録制への移行、証券会社の専業義務の撤廃、株式売買手数料の完全自由化が行われました。当局といたしましては、一連の自由化、規制緩和が証券会社の経営に与える影響を注視し、適切に対応・対処することとしております。

以上のとおり、金融監督庁といたしましては、この2年間、さまざまな問題に全勢力を傾けて対処してきたところでございます。この間、金融審議会におかれましては、21世紀の金融を見据えた金融の枠組みや金融システムの一層の安定化等について精力的に審議を重ねてこられ、その成果としては昨年末に答申「特例措置終了後の預金保険制度及び金融機関の破綻処理のあり方」を、去る6月に答申「21世紀を支える金融の新しい枠組み」を取りまとめられたのを初め、証券市場を支えるインフラの整備や保険会社にかかわる基本問題等について百数十回に及ぶ総会、部会、作業部会を経て、幾多の答申、報告を公表しておられます。

こうした御検討の成果を踏まえ、さきの通常国会においてセーフティネット関連2法、金融インフラ関連3法の法制化が行われております。

以上のとおり、平成9年秋の山一證券や北海道拓殖銀行等の相次ぐ破綻に加えまして、平成10年以降、長銀、日債銀等が破綻するなど、近年経験したことのない未曾有の深刻な金融不安が発生し、極めて厳しい金融環境のもとにありましたが、我が国金融機関も大変な努力をし、また皆様方の御協力等もありまして、我が国金融システムは一時に比べると格段に安定してきているものと考えております。

しかしながら、将来を見据えますと、平成14年4月からのペイオフの解禁を控え、我が国金融システムの一層の安定化を図り、揺るぎのない強固な金融システムを構築することが喫緊の課題となっており、また、引き続き我が国金融行政に対する内外の信任の維持を図ることが肝要であると存じます。

こうした中で発足した金融庁が制度の企画・立案から検査・監督・監視までを一環して担当することとなりました。この新たな機能、特色も踏まえまして、改めて金融行政の理念を問い直し、これに基づいて行政運営に当たって得るべき基本的考え方を取りまとめ、さきごろ内外に表明したところでございます。

この基本的な考え方について申し上げますと、金融庁におきましては、まず経済活動の基盤を成す金融システムについては、一層の安定性を確立するとともに、活力を確保することが主要課題となるものと考えております。

また、利用者にとって利便性が高く、国際的に見ても重要で安定的な地位を保持し、ニューミレニアム時代をリードする金融インフラを整備するほか、利用者を保護するためのルールの整備と適切な運用や消費者教育の充実を図ることも重要であるというふうに認識しております。

さらに明確なルールに基づく透明かつ公正な金融行政の徹底、金融行政の専門性、先見性の向上と体制整備、外国金融当局との連携の強化といったことにつきましても、引き続きさらに努力をしていく必要があるものと考えております。

また、この金融監督庁の2年間を通じまして、金融行政に対する内外の信任の確立がいかに重要であるかを改めて感じたところでありまして、引き続き政策立案過程及び行政手続の透明性向上を図り、金融行政の各段階におきまして説明責任を果たすように努めてまいりたいと考えております。

金融庁といたしましては、こうした考え方に立って金融行政を進めていくこととしておりますが、金融制度の改善に向けた取り組みに当たりまして、後ほど金融再生委員会委員長から金融再生委員会、大蔵大臣並びに私、金融庁長官を代表して、金融審議会に対して諮問させていただきますが、金融に関して高い識見を有しておられる諸先生方のお力をお借りしたいと考えておりますので、委員の皆様方におかれましては、御熱心な御審議をしていただきますよう格段の御協力をお願い申し上げまして、私のごあいさつとさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

〔カメラ退室〕

○ 貝塚会長

どうもありがとうございました。

次に、金融審議会令第7条に基づきまして、金融審議会議事規則及び当審議会における議事録の扱い等につきまして定めたいと思いますが、それに先立ちまして、企画課長から御説明をお願いしたいと思います。

○ 有吉企画課長

お手元の資料、総会8-2でございます。「金融審議会議事規則(案)」がお手元にあろうかと思います。基本的には従前どおりの議事規則を引き継いでおりますが、2点少し変更点を御提案させていただいております。

一つは、定足数に関する規定が従来ございませんで、これは入れるようにというような政府全体の方針がございまして、議決というところの第3条に「会議は、委員及び議事に関係ある臨時委員の過半数が出席しなければ、これを開き、議決することはできない。議事は、委員及び議事に関係のある臨時委員で会議に出席したものの過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。」と、こういう規定を一つ追加させていただいております。

また、もう一つ、これも5条の関係でございますが、議事録の作成及び公表ということで従来も審議会で御議論いただいて、内容は御了解いたしてあるんですが、ちょっと紙というんですか、こういう議事録の形できっちり定義するということで、「会議の議事録は会議の都度作成し、会長が適当と認める時期に公表するものとする。」という規定を追加させていただきます。

なお、具体的な取り扱いにつきましては、これは前回の金融審議会の発足しましたときの最初に御議論いただきまして、合意されているというふうに承知しております。簡単にもう一度確認いたしますと、議事録の公表等についての現行の整理でございますが、まず第1点といたしまして、会議の公開は行わないと。公開ではないと。2番目といたしまして、議事録の公表については会長が判断し、節目節目、例えば一定の中間報告がまとまったといったようなところに適宜公表すると。これがある意味では第5条ということで落としてあるわけでございます。あとは、やや技術的なことで、議事録公表は発言者名を明記しておく。なお、一方公表に先立って発言者のチェックを経ることということできいております。

また、最後に、このロに従った議事録の公表の範囲、どこまでするかということは、これは基本的に総会と部会ということで整理いたしております。ワーキンググループといったものは非公表ということになっております。

なお、このほか金融審議会におきまして、そういう透明性という観点から会議直後に会長もしくは部会長において記者レクをお願いしておりまして、その際、提出資料などは即日公表、配布いたしております。また、会議後1週間程度をめどに議事要旨を、これはインターネット、金融庁のホームページに掲載して公表いたしております。これは引き続きそういった取り扱いということにさせていただければと思います。

なお、細かい関連する問題で、これも当時確認されているようでございますが、委員の随行者につきましては、事前に登録していただくとともに、委員と同様に審議内容の守秘について約束していただくということになっておるかと思います。

また、意見の受け付け、広く一般とのインターラクションという意味において、2年前、初回の総会におきまして、審議会において答申等取りまとめるに当たっては、国民の側からの意見をできるだけ求めるということで受けまして、金融審議会として、例えば中間整理を行って、これに対して意見を求めるといったことで、そういった形での適宜意見の受け付けを行っておりまして、今後もできるだけこういった形の運営というものをしていってはいかがかというふうに考えております。

以上でございます。

○ 貝塚会長

ただいま御説明がありました件は、従来の金融審議会でほぼ了解がなされたことの大部分だと思いますが、ただ議決で出席者の過半数ということと、最終的にもし意見が分かれたときにということであります。それから、議事録の件も前に金融審議会の冒頭で多分いろいろ議論があったんですが、有吉課長から御説明いただいたような形で運用することは御了解いただいているというふうに思っております。

何か御質問はございませんでしょうか。もし、御質問なければ、ほとんど問題がないと思いますので、このような取り扱いにしてよろしゅうございますでしょうか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ 貝塚会長

それでは、そのようにさせていただきます。

前回の総会でも申し上げましたとおり、前の金融審議会の残りの議事録があるわけですが、これも公表に向けた作業を進めさせていただいております。

これから先は本日の、正式の議事ということになると思いますが、事務局から「これまでの金融審議会における取りまとめ等に関する最近の動き」と「最近の金融を巡る国際的な議論の動向について」、御説明をいただきますが、途中で多分金融再生委員長及び金融再生総括政務次官がお見えになりますので、委員長から当審議会へごあいさつと当審議会への諮問をいただくことになりますので、多少議事が中断することになるかもしれませんが、御了解をいただきたいと思います。

それでは、有吉企画課長と河野国際課長に説明をお願いいたします。質問の方は、最後の方に御説明、あるいは委員長のごあいさつ、その他が終わってから最終的に、20分程度は時間があると思いますので、そのときにまとめて御質問いただくというふうにさせていただきます。どうぞよろしく。

○ 有吉企画課長

お手元の総会資料8-3という資料でございます。おめくりいただきますと、横長の表で2ページほどの簡単な表でございます。これまでの金融審議会におきまして御答申、あるいはお取りまとめいただいたことについて、最近どうなっているかと、最近の状況について御報告いたすものでございます。

昨年、一昨年と金融審議会、先ほど長官からもありましたように、大変精力的な御審議をいただいておりまして、多くのアウトプットをいただいております。

ちなみに、昨事務年度、7月から6月でワーキンググループまで含めて、総会、部会、ワーキンググループで合計98回の会議をいただいたということでございます。その前の1年間も63回ということで、全体制といいますか、金融審議会、昨年、この2年間で委員の皆様方、そういったことで今言った161回の御審議をいただいているという、大変、改めてそういった御協力について感謝申し上げる次第でございます。

前金融審議会において取りまとめられまして、前通常国会において既に法制化、法律となった事項が幾つかございます。これは先ほど長官からも申し上げましたが、金融インフラ関係の3法、証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律ということでございまして、これは取引所の株式会社化については平成12年12月1日の施行と。また、企業内容の開示制度の電子化につきましては平成13年6月1日より順次施行ということになっております。

それから、いわゆるSPCの関係といいますか、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律ということで、これは平成12年11月末をめどに施行ということでございます。

それから、金融商品の販売等に関する法律、平成13年4月1日施行ということでございます。

これは各法律の施行におきまして、当局におきまして政令、そして総理府令を作成中でございます。これは、御案内のとおり、こういったものについてはパブリックコメントという形を経ますので、それを含めての、コメントの期間を含めまして、そういった施行予定日の2カ月前程度には案が出てくるということになろうかと思います。

それから、セーフティネット関係2法、預金保険法等の一部を改正する法律、それから保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律ということでございまして、基本的にこれ、12年6月30日にかなりの部分が施行になっておりまして、恒久的なもの、あるいは下の方で言いますと一定の保険商品の銀行等への販売規定等は13年4月1日の施行になっております。6月30日については、もう既に制定公布済みでございます。13年4月1日につきまして、現在当局におきまして政令、あるいは府令、この場合4月になりますので、総理府ではなくて内閣府令ということになろうかと思いますが、その作成、準備をいたしております。

次の大きなグループで、答申等で取りまとめ、御答申いただいた点が幾つかございます。まず、金融分野における裁判外紛争処理制度についてでございまして、これについていろいろ答申の中で、下にございます答申9ページでございますが、いただいておりまして、「金融当局、消費者行政機関、消費者団体、各種自主規制機関・業界団体、弁護士会等の参加する金融トラブル連絡調整協議会を設置すべきである。」という御提言をいただいております。これにつきましては、現在、事務局の方で早期に開催できるようにいろいろ関係の方々と接触を図っております。ワーキンググループで座長していただいた岩村先生にこの中に入っていただいておるということで、御了解いただいておりまして、そういったことで比較的早目に発足ができるんではないかというふうに考えております。

次の項目でございますが、証券決済システム改革の関係でございまして、答申の中で「金融行政当局においては、立法化に必要な検討を早急に進めるべき」であるということで、加えて、「真に利用者のニーズを満たした証券決済システムの実現のために幅広い市場関係者が主体的かつ積極的に改革の努力を行うことが不可欠である。」というような御提言、御指摘をいただいております。現在、私どもの方で、右にございますが、特に法務省と連携を図りつつ、必要な法制度の整備ということで、具体的な法律という形でどうやっていくのかということで作業を進めております。さらに、こういった市場慣行とか事務処理フローと、そういった制度をいわば実際に回していくオペレーションの方でございますが、これも市場関係者サイドにおいてワーキンググループが設置され、私どもと密接な連携のもとで検討が行われているところでございます。

次の○でございますが、当面の課題として、新たな形態による銀行業への新規参入の対応が求められているとか、保険業についても同様の観点から検討する必要があると。こうした問題に加えて、銀行や保険会社の業務範囲の見直しも求められているという御指摘をいただいております。

新たな形態による銀行業への新規参入への対応につきましては、これは既存の法律に基づく運用の問題ということの観点からは、パブリック、ガイドラインといいますか、対応についての運用上の指針、案というのをパブリックコメントの形で公表いたしまして、その上、コメントを受け付けまして検討し、金融再生委員会・金融庁におきまして、昨日異業種による銀行業参入と新たな形態の銀行業に対する免許審査・監督上の対応(運用上の指針)ということで策定・公表いたしております。これは、資料に入れるには間に合わなかったんですが、別途テーブルの上にこういうものを一つ置いておると思います。お配りいたしております。基本的には5月30日に公表しました案とほぼ同じでございます。内容をより具体的に書いた、あるいは誤解を避けるための表現に修正したり、注書きを加えたと言ったことが若干ございますが、基本的には内容は同じだということでございます。

そのときに際しまして、金融再生委員会・金融庁より異業種による銀行業参入等新たな形態の銀行業に対する基本的な考え方というのを実は別途発表しておりまして、そこも、前回のそうした基本的考え方ともほぼ同じような話なんでございますが、その中でいろいろと、現行法令上は免許付与後、現行の主要株主を変更、事前に把握したり、あるいは銀行の健全性確保に支障をもたらすような不的確のカイフする権限というのは付与されておらないということで、バーゼルコアフレンシプルの要請、あるいはショウセン申告の制度等を踏まえ、そういった銀行の健全性確保の観点から、既存銀行の買収、その他の場合において銀行の健全戦士をもたらすような不的確な主要株主を把握し、これを排除してやる権限を監督当局に付与すること等について、今後金融審議会等において早急に検討してまいりたいということで、そこが一つございます。

したがって、後でも説明しますが、これが一つの審議会におけるテーマ、また銀行業の他業禁止とか、業務範囲の拡大等、参入問題の裏腹にある規制問題についても、これも金融審議会等において偏見等を行っていただきたいということでございますので、これがあわせて御紹介いたします。

次の大きな左側の下から2つ目の○でございますが、個人信用情報保護の関係でございます。消費者保護の観点からは、現在、政府の高度情報通信社会推進本部で行われている一般的な個人情報保護の検討を踏まえて、個人信用情報保護のための望ましい制度を整備することが求められていると。また、持ち株会社や子会社形態による業態間の相互参入を踏まえ、金融グループ内における情報の取り扱われ方についても同様の観点からルールの整備の検討が考えられるということの御指摘をいただいておりまして、右にございますが、一般的な個人情報保護のあり方について、個人情報保護法制化専門委員会におきまして、6月に個人情報保護基本法制に関する大綱案、いわゆる中間整理を公表いたしまして、これに対するパブリックコメントを収集いたしております。現在、このパブリックコメントを踏まえつつ、報告に向け、引き続き検討中でございます。

こうしたいわば基本法の動きに合わせまして、では具体的にそれとの関連で個人の信用情報についてどうするのかというテーマが恐らく挙がってくると思います。これについても、また後で実現させた一つの大きな審議会における御検討を願うテーマになるんではないかなと思っております。

そして、一番最後の○でございますが、保険会社の時価会計の適用等について、第二部会報告を取りまとめていただいております。これにつきましては、現在報告に関する意見というものを収集中でございまして、8月15日めどにそれが期限となっておりますので、またこの意見を収集した後、もちろんその内容等について御報告いたすとともに、必要に応じてまた検討ということになろうかと思います。

以上が私の方からでございます。

○ 貝塚会長

それでは、河野課長。

○ 河野国際課長

それでは、引き続きまして総会8-4という資料がございますが、こちらに沿いまして、「最近の金融をめぐる国際的な議論の動向について」、簡単に申し上げたいと思いますが、お手元に8-5と申します資料集のようなものをお配りしてございますのと、別途参考資料と申します計表類もございまして、この中にも国際比較の資料がございますので、適宜御参照いただければと思います。

まず、最初の3項目ほどでございますけれども、これは国際的に今金融をめぐりまして当庁が関与しております範囲でどういう場でどういう議論が行われておるかということの要約でございますけれども、皆様御承知のとおりのバーゼル委員会、それから証券分野でのIOSCO、さらには最近は保険分野でのIAISと申します組織も非常に活発に活動しておりまして、いろいろ会議もふえております。資料の中では1-1の方でまず全体を概括しておりますけれども、いわば各業態ごとのこういった監督者の国際機関があるということが一つでございます。

また、この金融分野ではこういう業態別の区分というものがだんだんぼやけてきているというか、あるいはマーケットがグローバルになってきているということを意識した上で、横断的に議論をする場としてジョイント・フォーラムというものがございますし、またさらに最近の金融危機の経験、世界的な金融危機の経験を経まして、金融安定化フォーラムというものが設けられまして、これが99年の春から活動しております。

一つの特徴といたしまして、やはりこの5年程度の間に随分とこういった監督者間の議論が活発になり、かつ国際的なコースアンド・スタンダーズと申しますけれども、基準づくりが非常に強化されてきたという面がございます。このあたり、資料1-2の方で金融安定化フォーラムが指定した12の重要な基準というものがございまして、これは健全な金融システムのかぎとなる重要な基準ということで、いわば各国が優先的に実施すべきものとして指定をされたものでございます。

もちろんおなじみのものも多数ございまして、このバーゼル委員会のコアプリンシプルでございますとか、IOSCOの原則、あるいは保険監督者の原則、国際会計基準のようなもの、ちょっと順序が後ろからになってしまって恐縮ですが、そういったおなじみのものもございますけれども、現在かなりまだ作業途上のものもございまして、例えば破産法制の部分などは世銀で現在作業中というような扱いになっております。いずれにしましてもこういった基準づくりというものが非常に活発に進んでいるという状況がございます。

次に、その他の国際的な場における議論といたしましては、これは最初にIMF、世銀を挙げておりますけれども、もともとこういった機関はそれぞれ御承知のとおりマクロ政策でございますとか、開発政策といったようなものから出発をしておるわけでございますけれども、やはり近年の金融危機の経験なども経て、金融セクターの強化といったことを各国とも特にエマージングマーケットでは図っていかなければならないということがございますので、そういう観点から金融行政、あるいは金融監督行政に非常に強い関心を持ち、かつその面でも作業を進めてきておるということで、この資料の2-1のところでは、IMFの金融セクターアセスメントプログラム、いわゆるFSAPというものにつきまして御紹介をしております。

ここまでが一応金融システムのいわば健全性、安定性に関する議論でございますけれども、他方で金融システムの効率性ないしは競争の促進といったような観点からWTOの金融サービス交渉などのように、いわば金融サービスの取引を貿易の流れの一種ととらえまして、自由化を図っていくというような作業が行われております。これは資料8-5の2-2の方で御紹介しております。さらに、OECDは、これはもともと御承知のとおりいろいろ分析や情報交換を主体とするいわばシンクタンクのような存在でございましたけれども、近年やはりIMF、世銀などの作業や、あるいはWTOなどへもいろいろOECDからインプットがなされまして、いわばこういった国際的な作業の一つの頭脳集団の役割を果たしております。

次に、二国間協議等の動向としておりますけれども、これは二国間でこれまでも御承知のとおり日米、日英等々、金融当局間でいろいろ監督上の問題につきまして議論をしてまいりましたけれども、監督上の問題だけではありませんで、自由化、規制緩和等の問題についてもこういった場で取り上げられてきているというようなものがございます。それから、情報交換覚書と書かせていただきましたが、こういった二国間の協議の延長上でもございますけれども、監督上の要請、あるいは証券市場の監視の上での要請などから監督当局間で情報交換をするためのこういった覚書を結んでいくという動きが各国とも非常に活発化しております。

さらに、資料8-5の3-2でございますけれども、ここではあえて日・シンガポール自由貿易協定というものを御紹介しておりますが、これは先ほどのWTOは多国間の貿易の議論でございますけれども、二国間でもこういった自由貿易という観点から、金融を含むサービス貿易というものを見ていこうというような動きがございますので、おつけしてございます。

ここまでがいわばこういった国際的な場での議論の動向でございますけれども、この後、少し最近の金融をめぐる情勢につきましての特徴的な点とか、あるいはまだ不十分ではございますけれども、手元にあります資料などを御参考までにおつけしてございます。資料4の方では最近の金融をめぐる情勢変化ということで、いろいろな面でややキャッチフレーズ的に「あらゆる面でのボーダーレス化の進展」といったようなことを述べております。申すまでもなく、ITの進展あるいは国境を超えたメガ金融機関の登場、あるいはマーケットのグローバル化というようなことを、事例を挙げてちょっと挙げさせていただきました。

そして、計数の上でとれるものをとにかく拾ってみましたけれども、このところで、まず最初やはり個人金融資産の構成比から出発しておりますけれども、日本の間接金融の優位というものは依然明らかではございますけれども、最近これには変化の兆しが見られますので、こういった変化がどういう方向に向かっていくのか、あるいはどういう要因に基づくのかといった点がいろいろ議論のあるところかと思います。

また、金融機関についてのいろいろな比較をしたものがその次の資料8-5の5-2以下でございますけれども、例えばROE、ROAなど国際比較いたしますと、一般的にもちろん凸凹はございますけれども、日本のものは欧米のものに比べて低いといったようなことは見てとれますけれども、他方で欧米の水準というものも果たしてこれは長期サステイナブルであるかどうかといった点については、いろいろ、議論のあることも御承知のとおりでございます。そのために5-4では、例えば80年代の米国の数字などもごらんいただくようにしてございます。つまり、やはりこれは景気循環の中でいろいろ考えていかなければならないという面もあろうかと思います。

自己資本比率でございますけれども、これは全体的な水準はともかくといたしまして、やはり日本の金融機関の場合、ティア1が総体的に薄いといった点は出ております。

コストにつきましては、総資産の対比で見ますと、これは資料8-5の5-3になりますけれども、やはり効率的だという見方も成り立つわけでございますが、今度はインカムと対比しますと、これはやはり国際水準と比べて低いと言わざるを得ない。

このあたりは過去の量的拡大志向のようなもののなごりであるのか、あるいはもうちょっと構造的な問題であるのかといったような議論があろうかと思います。この辺は5-3と5-5、5-6あたりを比較していただきますとかなり顕著にあらわれていると思います。

その後、格付機関による格付も集めてみましたが、資料8-5の5-7でございますけれども、ここはいろいろ宣伝されておりますので、改めて申し上げるまでもございませんけれども、日本の金融機関については数年来の深刻な問題の中で、なかなか格付が上がらないといったような問題がありました。なお参考までに長期国債の格付なども下に参考までにおつけしてございます。

ここまでがいわば金融機関というくくりになります。次に資料8-4の2枚目に入りますが、その前にちょっと中断をさせていただきます。

〔カメラ入室〕

○ 貝塚会長

ここで相沢金融再生委員長及び宮本金融再生総括政務次官がおいでになりましたので、相沢委員長からごあいさつと当審議会への諮問、それから宮本金融再生総括政務次官からごあいさつをいただくことになります。

相沢再生委員長、宮本金融再生総括政務次官、よろしくお願いします。

○ 相沢金融再生委員長

このたび金融再生委員会委員長を拝命いたしました相沢でございます。我が国の金融システムの安定と再生を図るという重要な任務を引き受けることになりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

金融庁発足後、最初の金融審議会総会の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。皆様方におかれましては、御多忙の中、委員への御就任を快くお引き受けいただきまして、まずもって厚く御礼を申し上げます。最近の我が国金融システムの状況を見ますと、これまでその再生と安定のために多大な努力が払われてきた結果、一時期に比べ安定をしてまいりましたが、平成14年3月末に予定されている預金等全額保護の特例措置の終了を控え、より強固な金融システムを構築しなければなりません。同時に、経済活動の基盤を成す金融システムは、国民経済の活性化に資するように競争を促進し、活力ある金融システムの構築を目指す必要がございます。

また、IT革命や金融経済のグローバル化の進展など、金融を取り巻く環境は急激に変化をいたしております。その中で、金融技術は日々高度化、複雑化し、大量の資金がより利便性の高い金融市場を目指して国境を越えて移動していると言っても過言ではございません。

このような状況を踏まえまして、我が国金融市場を安全かつ効率的で利便性の高いものにすることによって、その国際競争力をさらに高める必要がございます。

他方、多様な金融商品・サービスが普及する中で、利用者の自己責任原則を確立するためには、利用者を保護するためのルールの整備や消費者教育の充実を図っていかなければなりません。

このような環境の変化を見据えまして、安定的で活力ある金融システムの構築と金融市場の効率性・公正性の確保に向け、金融に関する制度の改善につきまして行政としても真摯な検討を重ね、不断の努力を続けていくことが必要でございます。

このために、こうした取り組みに当たり、この分野につき高い見識を有しておられます金融審議会の委員の皆様方のお力をお借りいたしたいと考えております。

以上、申し上げた点を踏まえまして、金融再生委員会、金融庁長官及び大蔵大臣を代表して金融審議会に対し、次のとおり諮問させていただきます。

経済・金融を取り巻く環境の変化を見据え、安定的で活力ある金融システムの構築及び金融市場の効率性・公正性の確保に向けて、金融に関する制度の改善に関する事項について審議を求める。

以上でございます。

最後になりましたが、皆様方の格段の御協力をお願いいたしまして、私のあいさつといたします。ありがとうございました。

〔諮問文手交〕

○ 貝塚会長

次に、宮本金融再生総括政務次官からごあいさつをいただきたいと思います。どうぞ。

○ 宮本金融再生総括政務次官

金融再生総括政務次官の宮本でございます。

これまでも自民党の財政部会長として金融行政にかかわってまいりましたが、先般の森第2次内閣の発足に当たりまして、村井前次官の後任として就任をし、主に金融庁の所管事項を担当することになりました。

皆様方御承知のとおり、金融庁はこの7月に中央省庁等改革の先陣を切りまして、金融監督庁と大蔵省金融企画局が統合されて設立されました。これにより、制度の企画・立案から検査・監督・監視まで一貫して担当することとなり、銀行、保険、証券等の業界を横断的に所管することになりました。このため、金融行政の実施に当たっては、この特色を最大限に生かして、時代の変化に的確に対応し、機動的かつ整合的な政策の遂行に努めていく必要があり、私としても金融行政の責任者の一人として精いっぱい取り組んでまいりたいと考えております。

今後に金融審議会の委員の皆様方におかれましては、活発な御審議をいただきますよう私からもお願いを申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

○ 貝塚会長

金融再生委員長と金融再生総括政務次官は公務御多忙のため、ここで退席されます。どうもありがとうございました。

○ 相沢金融再生委員長

どうもありがとうございました。

○ 宮本金融再生総括政務次官

どうもありがとうございました。

〔カメラ退室〕

○ 貝塚会長

それでは、先ほどの御説明の続きでありますが、5-8かな、多分三大金融センターの、この辺からだと思うんですが、国会の大蔵委員会が開かれるんで、それが1時までありまして、それからお見えになったということで、御了解いただければ。

それでは、説明の続きをお願いいたします。

○ 河野国際課長

恐れ入ります。それでは、あと少々御辛抱いただきたいと思いますが、総会8-4の2ページ目でございますけれども、ここで挙げましたものは頭にIT投資、デリバティブ等の開発力、顧客データの蓄積、総合金融サービス、グローバルネットワーク、あるいはアンバンドリングといったようなグローバルネットワーク構築とはまた逆方向のような動き、そしてe-commerce戦略の展開、こういったいわば定量化しにくい項目を挙げてございますけれども、こういった面についてもいろいろ国際的な比較の議論というものは当然可能でございますし、例えばIT投資でございますと、よく言われますのは、邦銀は勘定系への投資がまだ半分ぐらいは占めておるけれども、米銀では情報系への投資が8割以上であるというようなことも言われております。あるいは、デリバティブにつきましても、技術的な水準は決して劣るものではないという声もある一方で、やはり世界のデリバティブディーラーの番付などを見ますと、本邦系は入っておらなかったりというようなこともございますし、またその下の何項目かにつきましては、先ほど申し上げましたがメガバンク化のような動きの一方で、アンバンドリングによりますます専門化された、より小振りの会社への分社化のような動きもあるということになります。

e-commerce戦略につきましても、これはまさに今展開をされておるということで、まだ勝負はついておらないということでないかと思いますが、そのような議論がございます。

金融市場のところでは、先ほどこの資料の中で、5-8以下のところに幾つか比較のできるものを三大市場等でとっております。ここでいろいろやはり先ほども申し上げましたような景気循環的な影響もございますけれども、かなり三大市場の中では水をあけられているように見える部分もございます。しかし、他方で最近の回復といったような機運もございますし、また5-11あたりではアジアの主要取引所との比較などもしておりまして、この辺でどこがアジアの中心になっていくのかといったような競争もあろうかと思います。

なお、この計数の上で若干為替がいたずらをしておるといけませんので、5-11の後に参考といたしまして東京市場につきましての円建ての数字などをおつけしてございます。

資料8-5の方の6-1以下につきましては、これは最近の各国の制度改正動向のうちでメジャーなものを拾ってまいったということになりますが、米国の金融サービス近代化法、英国の金融サービス市場法、それから6-3の方で金融監督行政の一元化につきましての動きをまとめてございます。

このほか、カナダ、韓国、香港、オーストラリア、枚挙にいとまのないほど、各国でここ数年非常に大きな金融改革といったようなものが進んでおることは御承知のとおりでございます。

一番最後、電子金融への対応ということで、これも資料8-5の方で最終ページに電子金融取引への各国の対応の現状につきまして簡単にまとめております。これはあくまで概括的なものでございまして、もっと細部に至りますと、それぞれ各国ともいろいろな今制度改正を検討中であったり、ガイドライン、規則などの整備を進めておるところでございます。

以上でございます。

○ 貝塚会長

ただいま御説明いただきましたのは、最近の金融をめぐる国際的な議論、その前には、これまで金融審議会でやってきたことのフォローアップの説明がありました。さらに、もう一つ、説明と違った話になりますが、今後の審議会の運営方針についても有吉企画課長から御説明いただきまして、その後で先ほどの御説明に対する質問、あるいは今後の審議会運営についての御意見、あるいは御質問を承りたいと思います。

それでは、有吉課長お願いします。

○ 有吉企画課長

総会8-6という資料、「今後の審議会の運営方針について」ということでございます。

おめくりいただきますと、本文、まず冒頭、先ほど相沢大臣からございました諮問の文がそこに書いてございます。「経済・金融を取り巻く環境の変化を見据え、安定的で活力ある金融システムの構築及び金融市場の効率性・公正性の確保に向けて、金融に関する制度の改善に関する事項について審議を求める」ということでございます。こういった諮問、かなり包括的な諮問から従来なっておりまして、これに言う幅広い諮問の中で、あとは具体的な審議項目については個々にお願いないし審議会の中で御議論いただいて決めていただくということになろうかと思います。

では、具体的にこの審議会、先ほど御説明申し上げましたように、ちょうど審議会、また12月で一たん切れるという形になります。

また、先ほどの金融審議会等での取りまとめ等に関する動向の中で御説明申し上げましたように、既に幾つかテーマとして、もうこういうことは金融審議会でやって議論してほしいということが既に明示されておりまして、そういった中で、まず次期通常国会での法制化等を目指しました事項を中心とする審議をお願いしなければならないのかなと思っております。

そこで、先ほど御紹介いたしましたように、かなりもう既に明確なテーマといいますか、課題として挙がってございます異業種参入に伴う銀行法等の整備、あるいは他業禁止の緩和等といった項目、また個人信用情報保護・利用に関する制度整備といったものがございます。これにつきましては、従来との連携、継続もございますので、引き続き第一部会及び第二部会を設置し、以下のとおりのような配分で御審議を行ってもらってはどうかというふうに考えております。

2番目が先ほど国際課長の方から御説明申し上げましたように、国際的にさまざまな動きがありまして、金融自体が非常に変わってきておるという状況にございます。そこで今後の我が国の金融システムの方向性を展望するための新たな取り組みということで、金融の基本問題に関するスタディグループといったものを新たに設置し、まず今後の我が国の金融システムの方向性を展望するための論点整理といったものにつき、ブレーンストーミングを行いつつ、考えていってはどうかというふうに考えてございます。これはまた別紙がございますので、御説明申し上げてあります。

そういうことで考えますと、次のページ、部会、中身の説明の前でやや前後して申しわけございませんが、第一部会、第二部会と従前からの中で、ワーキンググループについては従来どおり実務的な検討の必要性に応じて設置していってはどうかと。ただ、既に御案内のように、個人信用情報保護・利用のあり方に関する作業部会というのは、一時期やや休止状況みたいになっておりますが、これは従来から第二部会の下に通産省の産構審と割賦販売審議会の下といわば共通で、下で一つのワーキンググループができておりますので、これはこのまま引き続き設置していただければというふうに考えております。

では、この金融の基本問題に関するスタディグループというのは何ぞやということになりますが、次の2ページほどにこういう考え方、背景といいますか、こういうことで考えてやってはどうかという案が書いてございます。

設置の趣旨ということで、まず一つは、近年我が国におきまして過去2年間、あるいはもうちょっと前から金融のシステム改革、あるいは金融危機の管理といった、破綻処理まで含めましてそういった制度面での対応といったものを喫緊の課題として取り組んでまいりまして、それは相当な成果なり枠組みは出てきたというふうに考えております。

ただ、こうした中で、先ほど国際課長の方からいろいろと背景、資料御説明を申し上げましたが、もう少しグローバルに見てみますと、あらゆる面でのボーダーレス化というキャッチフレーズのもとにグルーピングしておりますけれども、非常にIT、金融テクノロジーの進展による商品・業態の区別の消失、あるいは最近話題になっております異業種による銀行参入といっても一種のほかの流通なり、ほかのものと金融というものの、あるいはボーダーが失せていることも一つかと。あるいは、国境とか業態といった従来のボーダーを越えたメガ、非常に巨大な金融機関、あるいは巨大なコングロマリットが登場してくる。また、市場の方を見ましても、取引所の、世界的に見ますと取引所が合併したり、あるいはクロスボーダーの投資の拡大といったことに市場が本当にグローバルなものになってきているんではないだろうか。こういったものが一つと、他方、最近の動向を見ますと、97・98年の国際的な金融危機、またその安定化の過程を契機に非常に金融システムの安定化に関する方策が、議論が進められている、これも先ほど国際課長からいわゆる12のコアスタンダード的なものの説明がございましたけれども、フィナンシャル・スタビリティ・フォーラム等におきまして、果たしてこういう、まさにIT化、その他含めて、非常に複雑で、かつ流動的なシステムになったときに、じゃどういう形でシステムの安定化を図っていくのかということで活発な議論がされております。そういった経済・金融をめぐる情勢の中で、非常に変化していると。インターネットにおけるドッグイヤーがまさに金融の方にも来ているのかなという感じがいたします。

こうしたような情勢変化を踏まえまして、今般新たに発足しました金融庁においては、もちろんこの緊急性の高い政策課題に積極的に対応していくほか、より中長期的な展望のもと、時代のニーズを先取りした制度整備に取り組んでいくということが期待されておりまして、このため、今後の我が国の金融システムの方向性について、利用者保護を含め内外の利用者ニーズへの対応、金融システムの安定を初めとした幅広い視点に立って、基本的な考え方の整理が進められる必要があるのではないかと考えております。

こうした観点から、今般、これは案でございますが、金融審議会として造形の深い有識者をメンバーとした金融の基本問題に関するスタディグループといったものを設置し、今後の我が国の金融システムの方向性を展望するため、まずはどのような事項をどのような視点で検討したらいいのだろうかという、やや直前にこういう課題があるからということではなしに、むしろ問題発掘型で論点整理に向けた重要なブレーンストーミングを行っていただいてはどうかというふうに考えております。

この2番で「議論の切り口(例)」とございますが、そこはさまざまなことが考えられようかと思います。スタディグループにおいては、基本的に何でもありというか、どのようなことを御議論して、自由な御議論の中から問題点を摘出していただいていってはいいんではないかと思いますが、一つは私どもの、先ほどの例えばいろいろな資料、またあと別途お手元に参考資料ということで、むしろ国内のマクロ的なもの、あるいは国内の金融構造を中心とした資料も別途お配りしておりますけれども、例えば我が国の金融セクターの競争力向上と金融機関経営等のあり方といったもの、あるいはこういう金融システムの安定性の確保、例えばバーゼルの最近ではそういった監督とリスク管理、市場規律という三つの柱といったものも出ておりますけれども、そういった中で、上の金融機関の経営のあり方、金融セクターの枠組み自体が変わっていく中で、安定性の確保のためにどういったことが考えられるのかといった柱、こういったものも考えられるのではないかなというふうに思っております。

スタディグループ、具体的には運営ということになれば、やはり中長的展望に立って御自由に議論していただくということで、余り当初は時期的なめどをつけずに、検討の経過の成果を余り取りまとめるということを前提としない柔軟な運営にした方がいかがかなというふうには考えております。もちろん、グループの成果につきましては、議論の状況について適宜総会に報告すると。もちろん、総会の下の機関でありますので報告するほか、議論の進展に応じ、論点を整理・公表といった形で、そういった論点から具体化、どのような形になるかわかりませんけれども、将来の部会なり何なりの審議につなげていくといったような考え方をとってはいかがかなというふうに考えております。

以上でございます。

○ 貝塚会長

ただいまの事務局の御説明、一つは最近の金融立法といいますか、過去の金融審議会でやられたことの状況は今どういうふうになっているかということ、それから海外における金融情勢の変化といいますか、国際的な議論の動向、それから最後に今御説明になりました今後の審議会の運営方針につきまして、簡単に言えば第一部会と第二部会は従来と同じような形で設置されるということ、それからさらに、スタディグループですね、金融基本問題に関するスタディグループを設置すると、そういうことで金融審議会の運営を行いたいということで、ちょっといろいろな種類の説明があるわけですが、どうぞ御自由に御意見、あるいは御質問がありましたら、どなたからでもお願いします。

蝋山委員。

○ 蝋山委員

時間がもったいないので、まず事実の確認をさせていただきたいんですが、河野さんが説明なされたさまざまな国際機関での金融をめぐる協議の中で、日本のプレゼンスというのはどういうふうにやっていますか。

二つ目は、組織の紹介を一番初めにちょうだいしたんですが、金融庁の。大蔵省には財政金融研究所というのがあったんですね。貝塚さんがずっと……。

○ 貝塚会長

名前が変わったんです。

○ 蝋山委員

いや、もちろん。そういうリサーチをベースにする、非常にうまくリサーチとポリシーとが結びついていたかどうか、それはともかくとして、少なくとも組織としてはあったわけですが、そういう金融庁としてのリサーチの機能というのはどういうふうになっていくんでしょうか。最近の金融の分野でのリサーチの比重は極めて重いと思うんですね。ある面では大変、全部をカバーしているわけじゃないですけれども、私なんかはとても追いつかないほど進んでいる部分もたくさんあると。しかも、それが必ずしも学会ではなくて、日本銀行のようなところでも非常に進んだリサーチをされているんではないかと思うし、財政金融研究所でも一部そういうところがあると。金融庁ではどういうふうになるのかという点を、まず事実の確認として、意見はともかくとして教えていただきたいというふうに思います。

○ 河野国際課長

前段の方につきまして、私の方から一言申し上げたいと思いますが、まず自己評価というのは大変難しい問題でございますので、御容赦いただきたいと思いますけれども、率直に申し上げまして、特に監督庁誕生のころの国際的なこういった場合に対する対応、体制というのはやはりそのときの制約が多々ございまして、貧弱でございましたけれども、その後、非常に強化をしてまいりまして、今般、金融庁への移行に当たりましては、20人強の国際課というセクションもでき上がりましたので、いわば一たんいろいろな困難の中で若干、ひょっとしますとビジビリティが下がった部分につきましては今取り戻しつつあるということで、あとは私どもの行い次第でございますけれども、積極的に提言をし、また取り組んでまいりたいと思っております。

○ 乾総務企画部長

今の蝋山先生の御質問のうち、2番目の点につきまして、今考えておりますところをお話申し上げたいと思いますけれども、私ども金融の仕事を金融庁でやっておりまして、非常に先ほどから御議論出ておりますように、金融というものは流れが最近早うなってきておりまして、いろいろな最先端の動きも出ているということでございます。そうしたことから、金融庁の発足に当たりまして、日野長官が発表いたしました基本方針の中で、金融大学校の設立をも視野に入れて、いろいろなことを考えていきたいということを申しているわけでございます。

その金融大学校の目的として考えているものは二つございまして、一つはまず金融庁の職員のブラッシュアップといいますか、非常に多くの職員がおりまして、かつそうした職員がとりわけ検査部、あるいは監督部を中心にいたしまして、金融機関と日々接触し、あるいは検査監督権限を行使するわけでございますけれども、そうした職員が最先端の動きについていっておりませんならば、適切な検査監督ということができないということでございまして、その職員の資質を時代の流れに合わせまして維持、向上していくための機関としての金融大学校の機能というのを一つ考えているわけでございます。

それとあわせまして、もう一つの目的がこの金融大学校におきまして、どういう陣容、人材でということはすべてこれからの話でございますけれども、いわば最先端の金融の動きを常にフォローしながら、いろいろな理論、実務面での分析、検討を行い、でき得れば、日本の金融分野へのフィードバックも考えたいというふうな、どこまでそういう野心的なことが成功するかどうかわかりませんけれども、そうした問題意識を持っているわけでございまして、そうした観点から、今年の概算要求におきまして、金融大学校の開設の準備のようなものを要求していきたいというふうに思っているわけでございますけれども、何して財政とか、定員の事情が厳しいときでございますので、先生方の応援、御支援をいただきながらそういう要求をしてまいりたいというふうに思っております。

先ほど大蔵省の財政金融研究所、今度名前が変わって財務総合政策研究所ということになったわけでございますけれども、大蔵省の方はやはり伝統のある大きな組織でございまして、非常に立派な充実した組織ということになっているわけでございますけれども、私どももそうしたレベルにまで、そうした大きなものをつくることというのは到底、現時点では困難なわけでございますけれども、小さなところから産んで、できる限り質の高いものを目指していきたいというふうに考えているわけでございます。

○ 蝋山委員

ついでというか、今の点でぜひお願いしたい点は、私個人の感覚ですけれども、学会が随分政策的な問題、特に金融に関して離れつつあるような感じがするんですね。要するに、ペーパーのために論文を書くし、私もこう言うけれども、吉野君どういうふうに見ているか知らないけれども、吉野さんは違いますよ、全体としての流れがこれだけおもしろい問題がいろいろあるんだけれども、なかなかチャレンジするという人が少ない。しかし、もう少し学会以外もいろいろと考えると、いろいろな優秀な、霞が関の外にたくさんいるわけでして、ぜひそういう若い優秀な金融の研究者を金融庁の今言われたような中に取り込んで、活用されて、最近は大学も開放的になっておりますから、二、三年金融庁に勤めるというふうなことも、国立大学でも不可能ではなくなってきていますので、ぜひそういう点で発想をやわらかくして、いい基礎体力を金融庁自身がおつけになることを私は希望したいというふうに思います。

○ 貝塚会長

吉野委員。

○ 吉野委員

今、蝋山先生の意見を受けまして、研究の部分が私は必要だと思いますので、そういう場合には外からの研究者を例えば研究会に招くとか、そういう形でいろいろそれぞれのトピックに従ってひとつやっていただくのがあると思います。

それから、この案のところで一つ欠けているように思いますのは、やはりマクロ経済とそれぞれの金融システムの安定がどう関係してくるかというのも、ぜひ皆さんやっぱり頭に置いていただければと思います。例えば金融システムの安定ですと、7兆5,000億ぐらいの国債が発行されるわけですが、そうすると、それが金融機関も保有することによって金融機関のクレディッドが減ると。それがマクロに影響するというふうなところがあると思います。アメリカの場合ですと、そういうのを国際的にいけばIMFとか世銀とか、そういうところが研究しているわけですから、ぜひマクロでの視点、それから金融システムの安定化の場合には為替政策とかそのほかのマクロ経済遺作も発注してくれるように思います。

それから、3番目でございますけれども、今後、いろいろ公務員の倫理規定が日本にできまして、実務とのコーディネということが今後金融庁できちんとできるかどうか。余りですと、公務員の倫理規定はあるんですが、人がすごく動きますので、民間の人は行政にいき、行政におられた方は左側にいきますので自然に情報が流れるんですが、今後実務とやはり行政とのいい意味での情報の購入というのを心がけていただければと思います。

それから、3番目ですけれども、もう一つ、ここで視点として間違っているかもしれませんが中小企業金融とか地場金融とか、そういうここでは国際的な面が非常に多かったんですが、やはり地道な審査というのがもう一つ必要な気がいたしまして、それをやはりアジアでもその部分が抜けておりますので、いかにそういうこれまでの日本でよかった、あるいは欠けていた部分が海外にうまく持って行けるかどうかと。それによって、2枚目のところの一番上にありますけれども、日本の金融機関の国際競争力の強化にもつながるような気がいたします。

最後は異業種の参入ということが非常にアノモですが、経済学でいくと参入と退出の自由でありまして、退出のところでも随分進んでいると思いますが、入札価格とかコンペ方式とかいろいろ出てくる中で、退出をいかにうまく促すかということと、この2ページにあるマネジメントのいわゆる金融機関の経営がよくないような金融機関に対して早く退出を促せるような、そういう参入と退出の両面からの議論が必要なような気がします。

○ 貝塚会長

ほかにどうぞ御自由に。杉田委員。

○ 杉田委員

ちょっと二つほど申し上げたいんですが、一つは今吉野先生がおっしゃった、真ん中におっしゃった民間実務家との意見の交流というのは、これは単に金融庁とか大蔵省だけじゃなくて、本当に各省にとってすごくこれから大きな問題になってくるんじゃないか。つまり、いろいろな経緯があって、ああいう倫理法ができたわけなんですけれども、その結果、役所の方が役所の中だけで議論する危険性がやっぱり非常に出てきているんではないか。特に若い官僚の皆さんが民間の実務家との対話の中からこれかなという、今まで幹部の皆さんはそういうやり方でずっと育ってこられたと思うんですけれども、これからの若い官僚の皆さんが自分たちの論理だけで考え出していくというふうになると、私は非常にまた危険な面もあるんではないかと思います。だから、それを倫理法という非常に難しい法律ができましたけれども、その全体の中でどういうふうに民間のそういう意見なんかを踏まえていくのか、あるいは吸収していくのかというふうなことも行政の中に、一つのシステムの中に新しい工夫をされるということが私もマスコミの立場にいて、非常に大事になってきているんじゃないかという、これはもう各省共通の問題だと思いますね。それが一つ。

それから、金融についての先ほどのスタディグループをおつくりになるということで、ぜひやっていただきたいと思うんですが、先ほどの河野課長ですか、ずっといってみますと、金融センター三つを比べますと、金融危機後の株価の若干の回復で、時価総額等については大分また少し上昇してきているようですけれども、まだまだやはり上場とか取引金額等で見ると、まだサイバン金融センターの中では東京がまだまだ改善しなきゃいけない点たくさんあると思うんですね。やっぱり私は金融システムの安定とか、いろいろなことを考える場合に、どうしても一種の危機管理とか、これも非常に大事、これからまたさらに留意していかなきゃいけないと思うんですが、どうしても市場の育成というところがどこでおやりになるのかなと。大蔵省の一つの規模の中に、私はやっぱり市場の育成というのはかなり大きなウエートを占めていたと思うんでありますが、そうやって金融庁の方に全部、政策立案から監督検査というふうに並んだ場合に、健全な市場の育成というところが一応機構としてはそろっているようでございますけれども、どういう視点でおやりになるんだろうかと。やっぱりこれからの日本にとって、私が見るところ、今までどうしても間接金融に偏重でやってきた日本の金融システムをもっと直接金融とバランスをとった形でつくっていく、育成していくということがまた将来の金融システムの安定にもつながってくるんではないかな。そういう点では、この間接金融と直接金融をバランスをとっていくというところが制度の体系として、私、日本まだ足りないんじゃないかと。

例えば、私が長年属しておりました政府税調の議論なんか見ましても、まだまだ銀行金利に偏重した議論を皆さんされているわけですね。これを少なくともイーブンに直したらどうですかという意見も随分申し上げたんだけれども、これに対しては否定的な意見が非常に多い。ですから、やっぱりそういうような問題も含めまして、問題提起をするところというのは多分金融審議会とか、あるいは金融庁ぐらいしか多分ないんだろうと思いますので、そういうことも含めた市場のバランスのとれた育成ということも、規制とか危機管理とかということのほかに、やっぱりぜひ金融庁の皆さんの頭に置いて、ぜひやっていただきたいというのが私の気持ちであります。

以上です。

○ 貝塚会長

ただいまの杉田委員、あるいは吉野委員の御質問と関係しますが、やっぱり役所と民間との交流というのは極めて、ある点で難しい問題になっているんですが、私は非常に簡単なアイデアとしては、この審議会にやっぱりたくさんワーキンググループというのを今までありまして、例えばやっぱりそういう機能を十分に活用されて、実務家の方と、もちろん金融審議会のあるいは委員の方がもちろん入っておられるわけですけれども、実的にはやっぱりそこは実務家と役所の方の議論の会合なんですね。ですから、そういうのをうんと活用されて、それはある意味では金融審議会のオーソライズしたお役所と民間の人の会合であるし、そういうのをいろいろな形で活用されれば、やり方はないわけでもないという気もします。ちょっとだけ申し上げておきます。

あと、どうぞ、ほかに。

翁委員どうぞ。

○ 翁委員

2点ほど申し上げたいんですが、先ほど御説明がありました金融の基本問題に関するスタディグループにつきましては、大変結構だと思うんですが、ここで先ほどのお話を伺っていますと、我が国の金融機関経営のあり方などについても議論をするというようなことでございましたが、ここでの研究成果とか、こういったことを銀行法の改正、第一部会での銀行法の改正にその成果を有機的に生かすということが何か必要なんではないかなという印象を持ったんですが、例えば第一部会で他業禁止の緩和といったことを一つ大きなテーマとして掲げておられて、これ大変重要なことだと思うんですけれども、やはり銀行業の収益源の多様化とか、例えばこういったことに対して海外ではどういった監督当局としての対応がとられているかといったことに関しては、非常に大きな21世紀の銀行業ということをながめてこういった銀行法の改正というのをしていく必要があると思いまして、ちょっとさっきの御説明では割とタイムスパンが随分ずれていて、有機的な関係がちょっと図られるかというのが心配な感じがいたしましたので、その点ちょっとその感じをお伺いしたいというのが一つでございます。

それからもう一つは、これから、特にスタディグループなどで考えることとして我が国の金融システム全体の効率性とか安定性ということを考えていくという中で、大蔵省の金融審議会では郵政公社、郵便貯金の点をいつも議論の外にして議論をしてきたわけでございますけれども、これから郵便貯金というのは全額自主運用ということで来年から踏み出しますし、それから民間とどんどん金融機関、ミクロ的にネットワークを結ぶという形で、金融システムの中で本当に無視し得ないいろいろな影響を及ぶ存在になっていくと思います。この点で郵政公社の金融システムの中の位置づけという議論はどうしても避けて通れないものではないかというように思っておるんですけれども、この点についてどういうふうにお考えなのかということをお伺いしたいと思います。

○ 有吉企画課長

まず最初の点でございますけれども、おっしゃるように基本的なロングランの話と当面のテーマと大変関連している部分ございます。ただ、若干先ほど説明したんですが、やっぱり12月という一種のデッドラインがある中ですると。そうすると、片やもう少し幅広いところからスタディグループはいっていますので、スタディグループからのものを第一部会のより当面のもの、もちろん背景としてはあるんですけれども、明確な形でフィードバックというか、フィードにしていくことというのはちょっと技術的に少し難しいかなと。

他方、恐らく第一部会の方でさまざまな御議論がなされて、その中でもう少し基本的にストラクチャとしてもうちょっと考えなきゃいけないという問題が必ず出てくると思いますんで、そこはむしろ方向としてスタディグループの方にそれはいわば、言ってみれば連携していくというような形で、当面はちょっとならざるを得ないのかなと。もちろん本来たっぷり時間があれば、基本的に全部しっかり議論を整理してということがありますが、他方、やはり当面のといいますか、必要性というのもあるんで、できるものを全部答えが出ないというんですか、限りはそういう当面やっていいとわかっていてできるものまでやらないということではないと思いますので、そこは議論を整理しながら、もちろんキャッチボールできるところはしていきながらということになろうかなと思います。

2点目は……。

○ 貝塚会長

郵政省と金融庁との関係はどうなるかということ。

○ 有吉企画課長

難しい問題になるとつい健忘症を……(笑)。失礼しました。もちろんそういった別にここの部分はオフリミットですというふうなことでは全く考えてございません。それで幅広く御議論いただければよろしいかと思います。ただ、そこはもちろん議論の仕方がいろいろとあると思いますので、全体は今のストラクチャの中でそういった公的部門というのがどういう役割を果たしていて、それがある意味ではどういう民間部門に対してどのような、あるいは制約ないしを検討して煮詰まっているかとかですね、そこは非常に幅広く、我々としてもまだ全く何をどうこうというのを逆に議論すべきということで思っておりますので、そこは広く議論していただいて、その中でもちろん幾つか論点が出てきますでしょうから、その中で将来的にどういうふうにさらにそれは精査していくかというように考えております。

○ 貝塚会長

ただいまの点、私の質問は行政機構として金融庁というのは郵政省の仕事に対してかかわりが全然ないんですか。それとも何らかの、どこかでかかわりがあるというふうに、その辺は一体仕切りはどういうふうになっているか、ちょっとそれを伺いたいんですが。

○ 乾総務企画部長

郵政省、郵貯とか簡保の問題は、これは言うまでもなく郵政省の担当の仕事でございまして、これが来年1月になりますと総務省ということになって、総務省の中に郵政事業に関する企画をする郵政企画局だったですかね、それから郵政事業庁というのができるわけであります。

他方、来年1月になりますと、金融庁の方はどうなるかと言いますと、現在は再生委員会の下にぶら下がっておりますけれども、直接内閣府の下にぶら下がる金融庁ということになるわけでございます。金融庁の使命、ミッションというのは現在と変わらないんでありますけれども、金融庁に現在は上に金融再生委員長、相沢大臣がいらっしゃるわけですけれども、金融再生委員会の位置に当たるのが実は内閣総理大臣ということになるわけでありますけれども、ただ、金融のミッションの重さ、あるいは多忙さ、広範さにかんがみまして、総理大臣の下にといいますか、下なんだと思いますが、金融担当大臣というのが置かれることになっているわけでありまして、金融担当大臣は金融庁の業務に関することも行うんですけれども、そのほかに、ちょっと正確な表現を忘れましたけれども、金融全体の円滑化に関することも行うということに、金融担当大臣のいわばミッションはそうなっているわけでございます。それは内閣府に置かれている金融担当大臣の職務としてそういうことがいわば領域に入っていると。専ら郵便貯金とか、今度は総務省の大臣になるんですが、専らそれに関することは除かれるんですが、大きな金融という流れの中で、横断的な切り口の中ではできることにはなっておるわけでございます。しからば、金融担当大臣はそういうことができるわけでありますけれども、その実務をどこがするのかといったときには、それは形式上は内閣府ということになっているわけでありますけれども、内閣府にそれほど人員がいるわけではありませんので、事実上金融庁がそれをお手伝い、サポートするのかなというふうに思っておりますけれども、今、貝塚先生の御質問の法的にはそういうふうになっているわけであります。

先ほどの有吉課長が申しました翁委員の質問に対するお答えを補足いたしますと、このスタディグループでは金融に関する基本的な中長期問題のブレーンストーミング、フリーディスカッションをお願いしたいと思っているわけでございまして、そうした中で日本の金融を考える中で、郵貯、簡保の問題が出てくることを排除はいたしませんけれども、その問題を専ら審議するということではなくて、いろいろな幅広い問題を考えていく中で、それは出てくることはあるだろうとは思っておりますけれども、今申しましたように、先ほど説明しましたような観点からしますと、いろいろな課題もございますので、そうした課題の整理も含めて論点整理を行うところから始めていただきたいなというふうに考えているわけでございます。

○ 貝塚会長

時間が大分経過いたしましたが、ぜひともこの点だけということで御質問、あるいは御意見、ごく手短にお願いいたします。

高橋委員。

○ 高橋委員

1点御質問申し上げます。金融監督庁、大蔵省から金融庁の発足になりまして、業者の監督だけではなく、消費者の方を向いた政策をしてくださるということを期待しております。先ほど、長官及び金融再生委員長の方から消費者保護の観点から、消費者教育の充実を図るというごあいさつもお伺いいたしました。金融分野に関する消費者教育の取り組みにつきましては、金融庁のどこの課が御担当なさるのか、先ほどお配りいただきました金融庁の各課の所掌の方の、8-1の資料でしょうか、これに沿う形でお教えいただきたいと思います。また、この審議会は、消費者教育にどのような形でタッチしていくかについてもお伺いします。

あわせまして、早期に開催ということが目指されています金融トラブルの調整協議会の方なんですが、これの担当の部署についても教えてください。

以上です。

○ 貝塚会長

ただいまの御質問で、消費者金融はどのセクションですか。

○ 有吉企画課長

消費者教育といいますか、幅広く広報、その他含めて政策課という窓口がありまして、広報含めて考えていきたいということでございます。そして、同じ金融トラブルの連絡協議会というのを立ち上げまして、その中でも消費者教育というところもひとつポイントになってくるんであろうかなと思います。さらに、広くはこれ自体をどういうぐあいに進めていっていいのかについても、私どももそういう形でとりあえずスタートしたところで、今後いろいろと考えてものにしなければいけないと思っておりますので、審議会でどういう御審議をいただくかということも含めまして、今後勉強させていただきたいと思いますので、いろいろと御指導といいますか、アイデアをぜ寄せていただればと思います。よろしくお願いします。

○ 貝塚会長

時間がもう過ぎましたので、大変……、どうぞ。

○ 八木委員

昨年12月の答申でいろいろな課題が残ったと思うんであります、これから検討しなきゃならない。その中で、やっぱり事業会社としては決済の問題をぜひ基本問題部会のところでもぜひ議論をしていただきたい。一つはテクニカルな面で即時決済のようなスピードアップという問題が一つあろうかと思います。もう一つはやはり、例えば銀行の中で決済の関係の機能をその他の機能と分離しながら、例えば一つの会社の中で仕事ができないかとか、それから預金の種類の問題とか、いろいろな切り口があろうと思うんですが、まだこの辺がいろいろな選択肢が残ったままになっていると思うんで、ぜひ議論はしていただきたいと、こういうことでございます。

○ 貝塚会長

それでは、時間がまいりましたので……。

○ 蝋山委員

最後に一言だけ、短く。印象としては、大蔵省のときの金融審議会と金融庁の金融審議会とは、大分、印象ですよ、スタンスが違う感じがします。その点だけ、突っ込まれますから、私は逃げますけれども(笑)、要するに金融サービス法的な発想がないわけですね。金融サービス法的な機能別横断的に全体の金融システムを見直そうというのは、ワーキンググループのところに押し込められているんでしょうが、しかし、相当に、少なくとも大蔵省自体は法制化まで含めて現実的に歩み始めていたと思うんですが、ややそれが難しい課題しか残っていないというか、難しい課題が山積しているので、13年からにゆだねたのかもしれない。しかし、ともかくこれからの半年強、余りそっちの方向への動きがここで中断されたという印象を与えないように、世の中にですね、いろいろな形でのPRをお願いしたいというふうに思います。有吉さん初め、皆さんそういう気はないと思いますので、中断したという気はないと思いますけれども、この紙だけ見ると、そういう印象をぬぐい切れませんので、その点十分御注意いただきたいというふうに思います。

○ 貝塚会長

どうぞ。

○ 福間委員

スタディグループの問題でございますけれども、今まではどちらかというと金融システムの安定化とか、あるいは金融措置とか、あるいは預金保険機構の改正とか、どちらかというとリスクマネジメント中心だと思うんですね。やっぱりこの次の基本問題に関するスタディグループは、私の勝手に理解しているところでは、そういう制度もあったと。むしろ攻めとキャッチアップといいますか、やはりここでギャップが出ていると、グローバルに見ますといろいろなところで。そのグローバルに見た場合におくれている部分のキャッチアップと。やはり、この第一の議題に入っています競争力向上ということになると、これはやっぱり攻めのマインドがないといかんのだろうと思います。それとスピードと、この三つが非常に大きな問題だろうなと了解しております。

○ 貝塚会長

どうもありがとうございます。

それでは、時間がまいりましたので、ここで一応、本日、先ほどの個々の運営方針につきまして、いろいろな御意見をいただきまして、その点は十分考慮させていただいて、今後の部会及びスタディグループの運営をさせていただきたいと思います。

いずれにいたしましても、部会とスタディグループの人選といいますか、委員の方の人選、その他は私の方で事務局と相談いたしました上、具体的な事務を始めさせていただきたいと考えますので、私に御一任いただければと思いますが、よろしいお願いいたします。

それでは、部会等の細目につきましては、今後事務局から追って連絡させていただきたいと思います。本日の審議会の議事は以上をもちまして終了させていただきたいと思います。次回の日程につきましては、事務局とも相談いたしまして、後日御連絡いたしたいと思います。

本日は、どうもお忙しい中御出席いただきまして、ありがとうございました。

以上

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