金融審議会「金融システム安定等に資する銀行規制等の在り方に関するワーキング・グループ」(第3回)議事録

1.日時:

平成24年7月17日(火)10時00分~12時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 共用第一特別会議室

○藤本信用制度参事官

ワーキング・グループの開催に先立ちまして、資料の確認をさせていただきます。今回は事務局資料を1つ配付させていただいております。ご確認をお願いいたします。

○岩原座長

それでは時間でございますので、ただいまより、金融システム安定等に資する銀行規制等の在り方に関するワーキング・グループの第3回会合を開催いたします。皆様、お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

本日は、金融審議会会長兼金融分科会会長でいらっしゃいます吉野直行先生にもご出席いただいております。ありがとうございます。なお、前回ご欠席でいらっしゃいました委員の方々のご紹介を事務局からさせていただきます。よろしくお願いします。

○藤本信用制度参事官

ワーキング・グループの開催に先立ちまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。

資料といたしましては、本日は事務局説明資料を1つ配付させていただいております。ご確認をお願いいたします。

○岩原座長

よろしいでしょうか。

それでは、ただいまより、金融システム安定等に資する銀行規制等の在り方に関するワーキング・グループ第3回会合を開催いたします。皆様、ご多忙かつ暑い中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

議事に先立ちまして、事務局に異動がございましたので、紹介をさせていただきます。

○藤本信用制度参事官

事務局に一部異動がございました。紹介させていただきます。

長谷川企画課長でございます。

○長谷川企画課長

企画課長を拝命いたしました長谷川でございます。よろしくお願いいたします。

○岩原座長

どうもありがとうございます。こちらのほうこそ、よろしくお願いいたします。

それでは、本日の議事に移らせていただきたいと思います。

本日、第3回は、外国銀行支店に対する規制につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○藤本信用制度参事官

資料の表紙を、まずおめくりいただきます。

1ページ目は、第1回のワーキング・グループでいただいた意見等をまとめたものでございます。

銀行法には、外国銀行支店に関する規定があるわけでございますが、それがどのように適用されるか不明確な場合もあり、合理化、整備する必要があるということでございます。考え方として、外国銀行支店に対する規制の見直しが規制強化につながり、我が国への参入を阻害することがないよう配慮する必要がある。情報の開示強化といった取り組みが国際的になされているところでございまして、そういう観点からの議論をすべきである。本店と支店をどこまで同一の法人としてとらえるのかというところにも注意を払う必要がある。我が国の支店に対する規制ということになりますと、外国の、母国当局の規制で、二重ということになるのではないかということでございます。

次の2ページ目でございます。預金者保護という観点からは、預金保険制度において外国銀行支店を区別する必要はないのではないか。一方、預金保険制度には破綻金融機関の処理、あるいは金融システムの安定といった役割もあるわけでございますが、この点についてどう考えるかということです。外銀支店の国内シェアというのはわずかでございますので、どれほど、ことさら注意を払う必要があるのか。一番最初の意見と同じ方向かと思いますが、規制について十分規定されておらず、金融庁の裁量が大きく、予見可能性に欠けるのではないかということです。支店というのは、なかなか我が国のコントロールがききづらいということで、預金保険の対象とすることが有効なのか。外国でも同様の疑問というものがあるということでございます。外銀支店の円預金というのはどの程度あるのかというようなご質問がございました。

そこで、1ページおめくりいただきまして3ページでございます。外国銀行支店の現況ということでございます。

まず、預金は約5兆円、国内のシェアでいいますと0.8%、貸出金は4.7兆円で、シェアは1.1%ということでございます。

資金調達をどうしているかといいますと、本支店勘定、本店から引っ張ってきている、あるいはインターバンクで調達しているというのが6割を占めております。これは、近年ほぼ同様に推移しております。預金による資金調達も2割程度で推移しております。そのうち円預金というのは増加している傾向にございます。

資産運用のほうでございますけれども、貸出金が最近、相当程度減少しているという状況にございます。一方、預け金、あるいは有価証券による運用残高は増加している。外銀支店によっては外国から国内への持ち込みというものがあり、一部の外国銀行支店においては国内から海外への持ち出しといったようなものがあるということでございます。

外国銀行支店にはいろいろなタイプがございます。顧客層面では、法人中心、マスリテール、個人向け、プライベートバンキングと呼ばれています富裕者層型、あるいは在日・在留外国人中心ということで、主に母国への送金というのを行っているタイプがございます。調達・運用面では、本店から調達して国内運用、国内調達して国内運用、国内調達して海外に回金、海外送金中心といったようなタイプがございます。

4ページ目は、今申し上げたものを表にしたものでございまして、第1回の会合でもご説明したものでございます。上の表の右下は外国銀行支店の国内シェアということで、総資産は3.6%、預金0.8%、貸出金1.1%。預金は、「50」とありますが、5兆円ぐらいのものがあるということです。

下のほうは、銀行によって、下の18行、14行、11行といいますのは、本店から支店へ、海外から国内にお金が流れているものでございまして、上の2行、1行、12行というのは支店から本店にお金が流れているものです。本支店勘定の「▲19,483」あるいは「▲45,884」と書いてあります。第1回目の資料では、ちょっと若干足し算を間違っていたところがございまして、こちらのほうが正しゅうございますので、ご訂正いただければと思います。

次に、5ページ目でございます。これも表にしたものでございまして、先ほど言ったものを数字面でごらんいただくということです。上が資金調達の状況ということで、預金は2割ぐらいを上下しているということです。コールマネーが最近減ってきている、本支店勘定というのが相当な部分を占めてきているという状況でございます。

資金運用の状況を見ますと、預け金というのが相当最近増えてきているということと、貸出金が相当減少しているということでございます。本支店勘定を見ますと、大体2割ぐらいのところで上下しているということでございます。

6ページ目でございます。1回目にご質問いただきましたが、円預金についてでございます。

上のほうに傾向を書いておりまして、シティバンク銀行が現地法人化したということで、統計上ごっそり抜けた。あるいはリーマン・ショック等の影響があったということで、減少傾向にあったものの、平成22年3月以降、増加に転じております。24年と11年を比べてみますと、個人・法人等の円預金は2.2倍に増加している。それから、外国銀行支店における円預金の割合というのは61.4%というふうに、かなりを占めている。外貨預金ばかりではないということでございます。

下の表でございますが、(5)の現行制度下の被保険預金というのは何かといいますと、我が国の銀行、信金、信組ですとかそういうものを全部足し合わせた被保険預金というもの、要は円預金ということでございまして、そういうもので仮想的に比率を出してみますと、外銀支店の円預金は0.3%といった状態であるということでございます。

7ページでございますが、各国の銀行の資金調達、預貸率あるいは不良債権比率というのを参考までにあらわしたものでございます。欧州の一部の国の銀行は預貸率が100%を上回っておりまして、市場からの調達に相当依存しているのではないかということでございます。また、不良債権比率というのも一部の国において高い状況にあります。ここでいう不良債権比率といいますと、基本的には90日延滞といったようなものを基本として、各国当局の規制を踏まえた数字になっているということでございます。

8ページ目でございます。以上が数字面の話でございました。ここから、規制についての話でございます。基本的な考え方でございます。

我が国への外国銀行の参入は、免許制のもとで、現地法人形態でも、支店形態の、いずれの形態でも認められております。免許に際しては、国内銀行と同様に条件を付し、変更することは可能となっています。また、内国民待遇という規律が基本的な考え方でございまして、また、最恵国待遇という基本的な考え方もとられているところでございます。

注のところでレシプロシティというのがございますが、これは現地法人、支店双方に関連するものでございます。免許の審査におきまして、外国銀行の母国において、我が国の銀行法の取り扱いと実質的に同等な取り扱いが行われているかどうかの審査が求められております。ただし、条約ですとか国際約束の誠実な履行を妨げることとなる場合は、この限りではないということにされております。

9ページでございます。参入形態と業務範囲ということで、繰り返しになりますが現地法人形態、支店形態、いずれも認められています。それから、どちらの形態で参入してきても、特別な業務範囲規制は課していない。同じ業務範囲であるということです。それから、外銀支店は預金保険制度の対象外となっています。また、いわゆる持込資本金規制というのも課されていないということでございます。

注のところは、外国銀行代理業務というものがあるということを紹介しているところでございます。

一方、主要国における外国銀行の参入は、例えば現地法人に限定している国があります。それから、支店形態を認めるんだけれども、預金の受け入れを制限しているものがあります。例えばリテール預金を受け入れてはならないといったようなものがございます。それから、支店形態でも預金保険制度の対象となっているなど、外国銀行に対する規制は厳格だと言えるのではないかと思います。

そこで、「主要国においては、外国銀行支店の参入形態や業務範囲を制限せず、また預金保険の対象となっていない国はないところ」と、ちょっと否定文で描写しております。我が国の参入形態と業務範囲規制についてどのように考えるか。その際、先ほど申し上げたように、外国銀行支店が受け入れている円預金が増加していることについてどう考えるかということがございます。

※のところですが、先ほど国際約束の話をちょっと申し上げましたが、WTOの金融サービス貿易に関する一般協定というのがございます。10ページをめくっていただきますと、最恵国待遇、内国民待遇、市場アクセス等について規定をしております。我が国はこれらについて約束をしています。

内国民待遇で1つだけ留保しているのでございます。これは支店形態での預金保険制度の加入といったことのみを留保しているということでございます。また、WTOの協定の性格上、一旦約束しますと、それ以上の制限を新たに行うことはできないというような考え方がとられています。ただし、協定の附属書、金融サービスに関する附属書によりますと、加盟国は、信用秩序の維持のための措置をとることを妨げられないというふうにされているところでございます。

11ページに参ります。自己資本比率規制・早期是正措置についてでございます。

銀行法、また政令、銀行法施行令を読みますと、銀行、外国銀行支店に対しても自己資本比率規制を定めて、それを基準として早期是正措置を求めることができるというふうにされております。しかし現在、その自己資本比率基準というのが外国銀行支店については定められておらず、こういったものが未適用になっているということでございます。

そこで、外国銀行支店の業務の健全な運営に資するため、外国保険会社や外国証券会社に対する規制も参考に、こういった自己資本比率規制の在り方についてどう考えるのかという論点がございます。

参考でございますが、保険の場合は、支店形態として出てきているものに対しても、ソルベンシーマージン比率と同様の規制が課されているということでございます。その基本になっているのは持込資本金といったようなものになっているということです。外国証券会社の支店についても、自己資本規制比率についてですが、同様な仕組みになっているということでございます。

12ページに行きます。

まず、資産の国内保有規制というのがございまして、これは現地法人形態であろうが、外国銀行支店だろうが、いわゆる国内の銀行に対してでもございますが、銀行法29条というのがございまして、資産のうち一定部分を国内において保有するよう命ずることができるとされております。

一方、保険業法や金融商品取引法では、恒常的に次のような規制があるということでございます。保険業法でございますけれども、国内の資産の保有を恒常的に義務付けております。どういうものについてかといいますと、国内における保険契約上の義務の履行に必要な額に相当する資産というものの国内保有を義務付けております。また、金融商品取引法におきましては、外国証券会社に対しては、国内の債権者に対する支払いに必要な額に相当する資産の国内保有を義務付けているというような状況にあります。

矢印のところですが、外国銀行支店に対して資産の国内保有命令を発出することは可能となっていますが、資産の国内保有を常に求める仕組みとはなっていないということです。外国銀行支店の業務内容というのがございますが、保険業法、金融商品取引法の資産の保全と同様の仕組みを導入することは適当かどうか、あるいは、どのような仕組みが考えられるかということでございます。

13ページは、国内保有命令、銀行法第29条の沿革でございまして、これは昭和56年の銀行法で新設されたものでございます。ただし当時は、しばらく使わないだろうということで、政令が空振りになっていたということはあったようでございます。しかし、平成10年の金融システム改革法の整備政令で整備をしておりまして、今はいつでも使うことができることになっている、命令を発することができることになっております。この背景としましては、後で出てきますがBCCI事件といったものの経験というのを踏まえた、あるいはアジア経済危機といったものを踏まえたということでございます。

14ページに行きます。

もう1つ、参考で、外国銀行支店の利益準備金に関する規律がございます。当期純利益の10分の1を利益準備金として計上することを義務付けております。ただ、20億円に達すれば、それ以上は計上しなくてもいいですよということになっています。現在、総残高は約600億円というふうにはなっています。ただ、預金の残高は、たしか5兆円とかでしたよね、ということです。

それから、注2の考え方です。株式会社である銀行は、会社法の規律がかかっておりまして、剰余金を配当する場合に、その配当の額の10分の1というのを資本準備金または利益準備金として計上することを義務付けております。これを銀行法上、健全性の観点から、2倍に高くしておりまして、5分の1を計上することを義務付けているということを、参考までに書いております。

注3ですけれども、外銀支店が計上した利益準備金というのは、損失の補填といったもののほか使用してはならないということにされております。

こういう利益準備金は、帳簿上、積み立てるだけではなくて、それに対応する資産を安全資産として国内保有を義務付けているということでございます。

15ページに行きます。

第1回の会合で、情報開示ですとか情報提供というのも重要ではないかというような御意見もございました。銀行法第12条の2は、これは銀行、外銀支店問わずでございますけれども、預金者の保護に資するために、預金者等に参考となるべき情報の提供を義務付けております。具体的には、金利の店頭表示、手数料関係、あるいは預金保険の対象であるものの明示といったものを義務付けております。一方、対象であるのものの明示でございますので、外貨預金とか、外国銀行支店の預金などは対象ではありませんよという旨の明示を義務付けているわけではございません。

それから、さらに外国銀行支店についてということでございますけれども、外国銀行支店の母体、本店といいますか、母体の財務情報の開示はディスクロージャー誌で求められているということでございますが、次の事項の開示は求められていないということです。例えば、ということで列挙しておりますけれども、外国銀行支店の支払い能力、プルーデンスといったものの第一義的責任は母国監督当局であること。我が国の監督は、ある程度母国の監督を前提としたものとならざるを得ないこと。それから、ロでございますが、倒産処理法制に係る重要な情報ということで、破綻した場合には、預金者自ら本国の倒産処理手続に参加する必要があるといったようなこと。こうした事項は開示されていないということでございます。

こうしたことを踏まえて、外国銀行支店の預金者等に対する情報提供のあり方について、どのように考えるかということがございます。

16ページに参ります。流動性規制でございます。

現在、我が国では、法令上、定量的な流動性規制は課しておりません。ただし、行政上の予防的措置としてオフサイトモニタリングを実施しているところでございます。深度あるヒアリングを行いまして、必要な場合には報告徴求命令などを通じて、着実な改善を促しているところでございます。

バーゼルIIIでは、銀行全体を対象とした定量的な流動性規制を導入することとされています。これは2015年を予定しております。

それから、前述のとおり、外国銀行支店を見てみますと、資金調達を本店からの資金に頼っているものが多い。一方で、資産運用で海外に持ち出しているというものもある。こうした中で、国内で主として負債、資本の調達及び運用を行う銀行と異なり、国境を超えた本支店間の流動性の管理を行っている外国銀行支店に対する流動性の規制・監督のあり方について、どのように考えるかということがございます。

英国では、既に流動性規制の強化のための新規制を導入しております。まず、自分で、自己評価しなさい。それから、緊急時にどうするのかという計画を策定しなさい。そうしたときに、流動性を、どこからとってくるかというものを考えなさいといったことを求めております。ただし一定の場合、グループとしてそういうことを見ていればよい場合がある。英国に出ている支店独自でやらなければいけないという規制が緩和できる措置もございます。その前提として、母国当局の流動性規制の枠組みが英国と同等であるといったことを求めているようでございます。

17ページでございます。外国銀行支店の特別清算ということで、外国銀行が銀行業の免許を取り消されました、または免許が失効しました。こうした状況で、銀行業ができなくなっているわけですが、そういう状況をほうっておきますと、資産が自由に国外に持ち出されることが可能となる。そうすると我が国の預金者等の利益が損なわれるということで、一定の場合に、外国銀行支店は、日本にある財産の全部について清算をしなければならないという規律がかかっています。

どういう場合かといいますと、我が国の支店に対する免許が取り消されたとき。銀行業の免許が失効したときということで、外国銀行支店が銀行業を全部廃止したとき。それから、母国といいますか、本店が次のようなことになったということで、本店の業務がなくなってしまったとか、解散をしたとか、本店について外国で免許が取り消されたとか破産手続開始の決定があったときという場合を挙げております。こういったときには、日本にある財産の全部について清算をしなければならないとされております。

18ページに参ります。

今言ったような国内にある財産について、すべての清算をしなければならないという規律のほか、監督当局が会社法上の特別清算を申し立てることが可能となっております。旧商法には監督庁が特別清算通告権を行使することができるというふうにされていました。こうしたものを会社法に規定するのが適当かどうかということがありまして、会社法からはそういうものがなくなりました。ただ、後で申し上げますが、BCCIの破綻処理の経験などを踏まえますと、やはり銀行については、そういった当局による申立権、通告権といったものがあったほうがいいのではないかということです。会社法の整備で銀行法を改正しまして、銀行法に移しました。監督当局が申し立てられるように会社法を読み替えているというような規定でございます。

17ページ、18ページを通じて、特別清算あるいは清算ということですけれども、それについての論点です。日本国内に十分な資産がなければ、特別清算手続というのが発動された場合でも、我が国の預金者が十分な弁済を受けることができないということについて、どう考えるかというのがございます。それから、我が国の外国銀行支店の預金者が、個々に外国銀行本店の倒産手続に参加することは相当困難と考えられるが、預金者のためにどのような方策が考えられるかということがございます。

注1は、清算人というのを裁判所が選任するときに、内閣総理大臣の請求を受けてすることがあるということです。

注2では、承認援助法といったものもあるということに言及しております。

注3ですけれども、普通の銀行には、当局に、更生手続、再生手続、破産手続の開始の申立権がございます。これは更生特例法という法律に書かれております。ところが、外国銀行支店にはこういったものが規定されていないということを紹介しております。

参考のところですが、今までは国内の預金者をいかに守るか、あるいは国内にある資産をいかに保全するかということでございました。一方、第1回目で申し上げたように、「主要な特性」というFSBの合意文書によりますと、破綻処理を行う当局は、外国銀行支店の破綻処理権限を有するとともに、当該支店に対する母国当局による破綻処理をも支援する権限を有するべきであるということで、各国協調というのも重要であるということが書かれております。

19ページですが、何回も出てきましたBCCI事件についてでございます。最初は、BCCIグループというのはどういうものであったかというのを書いております。

次の○です。損を発生させたわけでございますが、それをいろいろな手法で、架空貸し出しなどで粉飾をしてきて、それが発覚して、各国で清算等の手続がとられたということでございます。

※のところで、森下委員の論文を引用しております。この回収で特徴的だったのは、母国の当局があったルクセンブルクに資産を集中して、平等に配当がなされるというプーリング・システムがとられた。他方で、米国はこのシステムには参加しておりませんで、満額配当を得ている。米国はこの事件に限らず得てきているようであるということです。

注でございますけれども、米国では、支店を独立の主体として扱いまして、支店が払わなければいけないものは支店が負っている債務ということなんですが、支店の債権者が得られるのは米国にある全ての、BCCIでしたらBCCIの資産ということです。若干そこで不整合になっているところもあって全額配当を受けているというようなことができるようでもあります。

20ページに参ります。日本においてはどのような対応がとられたのでしょうということです。ルクセンブルクで営業停止になりました。東京でも休業しました。旧商法の規定に従いまして、東京地裁に対して債務超過の疑いがある旨を通知しまして、東京地裁で特別清算の開始が決定されたということでございます。

四角の外でございますが、破綻当時、約600億円の負債を抱えていましたが、大半が海外に送金されており、日本には約40億円ほどしか残っていなかった模様ということでございます。

今のがBCCIです。21ページでございまして、アイスセーブ事件という、比較的最近の事件でございます。これはアイスランドのインターネットバンキングの銀行でございます。

次の○というのは、ちょっと飛ばしていただきます。アイスランドの預金保険制度による保護上限は1万6,000ポンドとなる。ここでは、イギリス通貨建てで計算した資料になっています。一方、英国の預金保険制度の上限金額は5万ポンドとなっていました。差額については、英国の預金保険制度に加入していました。こういうことができるというのが、今飛ばして読んだところの、トップアップと呼ばれている制度でございます。そして、この金融機関は破綻しました。

本来であれば、次の、アイスランドの預金保険制度が1万6,000ポンドまでを払って、英国の預金保険制度が1万6,000から5万ポンドまでの金額を払う。あと、ノーザンロックの破綻とかがありまして、英国は全額保護ということにしたので、5万ポンド超というのも国庫から払われることになっていました。ところが、同じアイスセーブという銀行ですので、アイスランドが払うべき1万6,000ポンドも英国の財務省が立て替えて、実際には英国の預金保険制度を通じて払われたということがございました。

その後、これはイギリスにしてみると、自分が払うべきではないものまで払ったので、アイスランドが払うべきだというふうな求償をしているわけですが、アイスランドでは国民投票も行われて、否決されて、今協議中というような状況でございます。

22ページで、これもアイスランドのインターネットバンキングなんですけれども、ドイツで生じた話でございます。銀行がちょっと違っていまして、カウプシング銀行ドイツ支店でございます。ドイツで顧客が3万人ぐらいおりまして、3億ユーロぐらいを集めていたということです。

この場合、アイスランドは欧州経済領域の支店であります。普通の銀行は、あるいは銀行の支店というのは、ドイツに拠点を設けている場合はドイツの預金保険制度に強制加入なんです。ところが、これは経済領域圏の銀行だということで、欧州経済領域の取り決めに基づき、ドイツの制度には入っておりませんでした。ドイツの場合は任意の預金保護の仕組みというのも手厚いものがあるんですが、それにも入っていませんでした。

そういった中で、アイスランド政府が非常な危機に瀕しているというような警告がなされました。カウプシング銀行のドイツ支店から大量に預金が、インターネットバンキングですので、すぐ引き出されました。ドイツの当局が、そういう預金引き出しに対する流動性をちゃんと確保するようにというような要求を行いました。その間、アイスランド当局が業務停止をかけまして、ドイツの当局は、最終的にはドイツにおいても支払いの禁止の命令を発しております。

その後、カウプシング銀行からドイツの顧客に対して預金の払い戻しを開始しまして、払い戻しを完了した模様だということでございます。これは、ドイツの預金保険制度というのは使われていないなかで、結果的にドイツの預金者にはお金が返ってきたといったような事案でございます。

23ページに行きます。クロスボーダー銀行業務の監督の基本的な考え方でございます。ヘルシュタット銀行事件というのがございまして、バーゼル委員会といったものができました。基本的な考え方は、支店の支払い能力については母国当局に第一義的責任、支店の流動性については現地当局に第一義的責任というものがあるということでございます。また、BCCIの破綻の経験から、各国当局が留意すべき最低基準というのを定めているところでございます。

24ページに参ります。預金保険制度についてです。

金融審議会の平成11年の答申で、次のような言及がなされております。「外国銀行在日支店については、管轄権の問題があるため、破綻処理に当たって迅速かつ適切な対応をとることが困難であること等から預金保険の対象になっていないが、預金者保護の観点や、主要国の預金保険制度において基本的に強制加入となっていること等を考慮すると、将来的な制度のあり方としては、預金保険の対象とすることが望ましい」「外国銀行在日支店の預金保険制度上の具体的な取り扱いについては、引き続き、外国銀行在日支店に対する規制、検査・監督、破綻処理のあり方等につき検討を進めた上で、結論を得ることが適当」とされております。

同じ答申で、注のところでございますが、一体どういうものを預金保険の対象商品とすべきかということについてです。基本的な貯蓄手段として国民の間に定着していること、元本保証がなされていること、債権者が特定されて転々流通していないことというものとして、整理されております。

従来より、一部の外国銀行は預金保険制度への加入を希望しております。一方、他の一部の外国銀行では、低い保険料、例えばゼロであるべきとして、加入に難色を示していたという経緯もございます。

25ページでございますが、預金保険制度について、外国銀行支店の預金を付保対象とすることについて、次のような点にもかんがみ、どのように考えるかということです。諸外国においては、進出してくる形態もちょっと関係があると、支店形態なのか、現地法人形態なのか。それから、支店形態のときにリテールの預金なども受け入れさせるかどうかということもちょっと関係がある。そういった全体のパッケージの中で、支店形態での預金保険加入義務付け等の措置というものがある。全体としてそういう仕組みとなっているということです。

それから、我が国の外国銀行支店の預金の受け入れ状況、これは比率とすると非常に小さいんだけれども、どれだけリスクはあるのでしょうかということです。それから、円預金というのも増えてきていますというのをどう考えるかといったことでございます。

それから、例えば経営悪化時に、高金利で付保預金を受け入れて海外に資金を持ち出すといったモラルハザードの問題がないかどうか。先ほどのカウプシングだったかアイスセーブだったか、少し高い金利を付してお金を集めていたということもあったように聞いております。

現行の外国銀行支店に対する健全性の観点からの検査・監督の状況ということで、母国中心主義ということで、外国銀行支店に対する健全性の観点からの検査・監督というのは、一定のできる水準というのはあるということをどう考えるかということでございます。

次の矢印ですが、仮に外銀支店の預金を付保対象とした場合に、例えば資産の国内保有義務等の規制の必要性が高まると考えるべきなのか、そうではないのかといった論点がございます。国内保有を義務付ければ、もうそれで守られるのだから預金保険なんか要らないじゃないかという議論もあるかもしれません。一方、預金保険の対象にするからには、きちんと国内に資産がないと困るじゃないかといった、両論あるかもしれません。

次の矢印ですが、また、各国の預金保険制度との保険料・付保範囲等に関する調整についてどのように考えるかということです。欧州の国では、例えば欧州の銀行の日本の支店といったものについても、欧州の母国の預金保険制度がかかっている、付保されているというものがございます。そうすると、仮に我が国でも付保すると二重に付保されることになりますので、そうしたときに保険料とか、あるいは保険金の支払いですとか、そうしたものについての調整についてどう考えるかというものがございます。

以上でございます。

○岩原座長

どうもありがとうございました。

それでは、議論に移りたいと思います。ただいまの事務局からのご説明に関しましてのご質問、ご意見をいただきたいと思います。どなたからでも結構でございますので、ご発言をお願いいたします。

松井委員、どうぞ。

○松井委員

全体にかかることだと思いますので、まず最初に確認だけなんですけれども、10ページ目のWTOの一般協定でございます。

「それ以上の制限を新たに行うことはできないとされている」というふうにお書きになっておられますけれども、例えば、本日の論点の第2の自己資本比率基準などは、銀行法14の2などがあって空振り状態。国内には規制があるわけでありますが、こういうものについては、内国民といいますか、内国法人と同等のことはやるというのは、「それ以上の制限」というのには当たらないということになるのでしょうか。

それから、ほかの点の規制については、信用秩序の維持のための措置として可能であるというふうに考えてよいのかということを、最初にちょっと聞いておきたいかなというふうに思います。

○岩原座長

それでは、藤本さん、お願いします。

○藤本信用制度参事官

自己資本比率規制に関しましては、これを外国銀行支店に対しても導入することは、WTOとの関係では特段問題になるものではないというふうに考えております。それは我が国の銀行と同等だということもあるでしょうし、信用秩序維持の観点からの規制だということもあるのではないかというふうに思っております。

それから、それ以外の規制についてですけれども、資料で書きましたのは、基本的には、WTOというのは、例えば関税率のようなものがイメージしやすいかと思います。日本ですと、例えばある農産品の関税率というのは非常に高い、ある国の関税率は、ある農産品については低いとします。これは不平等ではないかと思ったその国が、日本と同等でないので、同じようにするように引き上げたいと思っても、そういうことはできない。方向性とすると下げる方向にしか行けませんよというのが基本的な考え方です。

一方、WTOのサービス協定の附属書で、信用秩序維持の観点からの規制というのは妨げられないというふうに書いております。ただし、これがどこまで、どういう場合に、どうできるのかというのは個別の話になってくるので、一概にどうこう言えるわけではないということです。また、サービス貿易協定に係る約束に関する了解、アンダースタンディングというものがあります。当時ウルグアイ・ラウンドを主導していた日本を含め主要国の金融当局がつくって、それが今は、協定の一部になっているものです。そうしたものの中で、日本は、支店形態だろうが現地法人形態だろうが、どういう形態であろうが、進出することを認めるということにコミットしているところではあります。

したがって、そこを今から支店形態は認めないというところまで言えるかというと、そこはどうかなということはあると思います。ただ、そうしたときに、また信用秩序の維持の観点からどういうことができるのかとか、あるいは日本の約束表の中でも、業務上の拠点の法的な形態に対する差別的でない制限等の措置をとることは妨げられないという、ディスクレーマーみたいなものも付しているところもありまして、こういった中でどこまで可能なのかどうかということはあるかと思います。ちょっと一律に、ここまではできるといったことを、この場でお示しすることは難しいということでございます。

○岩原座長

ほかに。

大崎委員、どうぞ。

○大崎委員

まず質問なんですが、現状、外国銀行支店について持込資本規制が一切ないというのは、やや不思議な感じもするんですけれども、当時どういう考え方からこういう規制になったのかということについて、少し教えていただければと思うんですが。

○岩原座長

藤本さん。

○藤本信用制度参事官

1つには、きちんと残された資料があるわけではございませんが、銀行監督というのは世界的に連結規制が基本だというのが、どうも考え方としてあるようでございます。一方、保険とか証券に関して、保険については個々の保険契約をいかに守るのかといった保険契約中心主義、あるいは証券の場合は、顧客財産をいかにちゃんと返すのかという顧客財産主義みたいなものがあって、やや単体、あるいは単体の中をまた分けて、支店形態についてもというような考え方があるようではあります。

では、国際的にその区分がすべて貫かれているかといいますと、どうも欧州の国は、外国から来ている、支店形態で出てきているものについても持込資本というのを求めて、1つ1つ監督するというような思想だったようでございます。そこは以前、欧州の国が、今のように統合が進んでいないころは、欧州各国当局にそういうことを言われて、例えば日本から進出するときには、日本において同等性の監督があるかどうかといったようなことが言われていたようでございます。

そこが、今、EU域内全体のシングルライセンスということになりましたので、EUとして域外国の規制・監督にそういう同等性があるかどうかというのが問題にされてきました。これまで、個別当局と、そしてEU当局と我が国の当局との間でいろいろやりとりがあって、別にそういうところまで求めなくていいでしょうということになっております。我が国の銀行が欧州に進出するに当たっては、持込資本というものを求められているわけでは今はないというような経緯ということでございます。

○大崎委員

すみません、今のご説明を踏まえてちょっと意見を申し上げたいんですけれども、私は、現在の規制の考え方のもとで、伝統的な持込資本金規制を、国内における最低資本金規制のような形で設ける必要があるとは思わないんですが、今ご紹介あったとおり、欧州なんかは、もともと持込資本金規制と、いわゆる法人の場合の最低資本金規制を統一するというところから、たしかスタートしていたと思うんですけれども、現状では、そういう金額で固定的に規制するのではなくて、おそらく自己資本比率規制で、それと実際上は同じといいますか、より効果的な効果を発揮するという考え方になっているのではないかと思うんですね。その意味で、私は、自己資本比率規制が外銀支店に全くかからないというのは、ちょっと問題ではないかなと思いまして、その点と、預金保険を預金者保護の観点から強制加入にするというのが、やはり今、必要なのではないかなという感じがいたします。

預金保険の加入対象にした場合に考えられる問題点として、25ページでモラルハザードの問題というのを指摘されているんですけれども、これに関しては、結局、別に外銀に限らず、国内の銀行についても当てはまると言えば当てはまる話なので、むしろ経営の健全性監督をしっかりやっていれば、こういう問題はあまり深刻にならない状態で防げるのではないかと思うわけで、したがって、また自己資本比率規制と、それに基づく検査・監督というのがおそらくセットになってこないと、預金保険だけ先行させるというのは変な話だということになるんだという気がいたします。

それから、国内の資産の保有義務という話が何度も出てくるんですけれども、例えば現状の利益準備金を20億まで積み立てて、それは実質国内保有ですよというのは、20億円という金額の是非も含めて、あまり実効的な規制になっていないのではないかというのが率直な感じでして、むしろそういう国内に絶対的にあるかどうかということ以上に、よりも、自己資本比率規制でしっかり押さえた上で預金保険で預金者保護をするというふうにすれば、実効的な規制になるのではないのかなと思った次第です。

○岩原座長

小野委員、どうぞ。

○小野委員

事務局のご説明を伺って、現行制度上は外国銀行支店には預金保険の網も掛かっていないし、資産の国内保有義務も課されていないので、その預金者は、非常にソフィスティケートされた預金者であって、すべて自己責任で、万が一破綻したときには海外の破綻処理手続に参加して回収することを想定している、ということなのかなと理解しました。

その上で、まず実態として、ほんとうにソフィスティケートされた預金者なのでしょうか。先ほど円預金が増えているというお話がありましたけれども、では、例えば、現在、外国銀行支店が日本の預金保険制度に加入していると仮定した場合、預金保険でカバーされている預金者と、そうではない預金者がどれぐらいいるのかを教えてください。

次に、実態を踏まえて、では制度対応としてどうするかということなんですけれども、現行の日本の預金保険制度も、すべての預金者をカバーするというたてつけにはなってはいないので、そこは多分、分けていいのではないのかと思っています。その際、預金保険でカバーされる小口預金者と、自己責任に基づき預金でカバーされない預金者との差は、基本的には今の日本の国内金融機関と足並みをそろえるのが望ましいのではないのかなという気がします。

ただ、そのときに問題になるのは、今回何回もお話が出てきた、流動性に関する規制もないし、国内で資産を保有する義務もない中で、リスクをとっているような預金者が、どれだけ破綻したときに実態として回収できるかだと思います。その点について、先ほどBCCIですとか幾つかの事例をご紹介いただきましたけれども、例えばBCCIのときは最終的にはどれぐらい回収できたのかという追加的な情報があれば教えてください、これが、2点目の質問です。

それから最後に、先ほど大崎委員がおっしゃっていたモラルハザードの点については、私も同じ意見を持っています。要は、固定料率の預金保険制度そのものが抱えている問題であり、国内金融機関であっても、高金利で付保預金を受け入れて何かリスキーな投資をするということは十分考えられる話ですので、預金保険制度自体の問題として議論するのが適切なのではないのかなという印象を持ちました。

以上です。

○岩原座長

今のご質問について、藤本さん。

○藤本信用制度参事官

まず、円預金がどのぐらいあるかという質問をいただきました。資料の6ページ下にその表がございます。(4)が個人・法人等の円預金ということです。外貨預金とか金融機関預金とかといった、仮に預金保険制度に入っても付保されないようなものを引いた数字が(4)のところでございます。24年3月末で3兆1,000億円というものでありまして、これをどう考えるかとなります。

ただ、もちろん1人あたり1,000万円ということを考えると、このうちどれぐらいがほんとうに預金保険制度によって支払うべきものなのかどうかというのはあります。そこは名寄せとかをしているわけでもございませんので、その数字というのはなかなか把握できないという状況でございます。

それから、BCCIで回収できたのが幾らかというのは、私どもも一生懸命調べました。20ページでございます。この事件の経緯ですとか、途中の状況ですとか、そういうものについてはいろいろな文献があったわけです。しかし、最終的に債権者に、しかも国内にある債権者にどのぐらい支払われたかについてというのは、どうも特別清算手続の中で行われたものでありまして、公表されているわけではないようでございます。

ただ、どうにかいろいろな文献でぶち当たった数字というのが、600億円の負債に対して、日本には40億円しかなかったということです。多分そのぐらいしか回収できていないのではないかというのがございます。一方、ルクセンブルクで、プーリング・システムのもと分配が行われようとしたというのもありますが、そこで申し上げたように、アメリカにおいては別の手続が進んでいまして、この資産の相当部分がアメリカにあったということもあったようでございます。日本ではやはり20ページに書いております40億円といったものから大きく出ることはできなかったのではないかなというような感触ではございます。

それから、ご意見としていただいているものですが、25ページの、大崎委員からも小野委員からもいただいているモラルハザードの問題です。ちょっとモラルハザードというのが世の中で最も誤用されている言葉の1つなので、あれなんですけれども。何と申しましょうか、この場合、外国銀行支店の資金運用の仕方として、本国といいますか、本店といいますか、グループ内でといいますか、そういったところに送金するといった割合が高い、そこがちょっと日本の銀行とは違うと思います。それから、そういうところに送金しても、それは多分、自己資本規制上は、グループ内の預け金であったり、あるいは金融機関間の預け金といったことであって、どれだけリスクとしてカウントされているかというのはあるかと思うんです。そういうことも考えた上でその論点を挙げているところでございます。

あとは、自己資本規制というのが、支店単位でどれだけ可能なのか。今言った預け金の話とも関係するんですが、金融機関に対する預け金をしています。これは健全な銀行です。ただ、外国に出てしまうと、そこの部分の監督がどこまでできるのかという問題はありますので、どうしても支店形態でのものに対する自己資本規制のかけかたというのは、ある程度限界があるのではないかなという気もしているところです。

○岩原座長

BCCIについて、山本委員、ご存じですか。最終的な回収額。

○山本委員

いや、これ自体、何と言ったらいいんでしょうか。

○小野委員

BCCIについて、これは雑誌か何かで読んだだけなので、どの程度確かな情報か知らないんですけれども、最終的にはアブダビ政府か何かが株主責任をとる形で資金を拠出し、それなりに回収があったというのを目にした記憶があります。もし可能であれば補足していただけると。

○藤本信用制度参事官

私もその話を読みました。私の読んだ文脈は、そもそもそういうプーリング・システムというもの自体が普通は成り立たなかったでしょうというものです。ただ、そこにアブダビ政府という方があらわれて、幾らかのお金を入れてくれたので、そういうプーリング・システムというやり方も成り立つことにはなりました。ただし、その債権者がほんとうに全て回収できたかどうかという疑義はあります。一方、アメリカのほうを見てみると、それとは全然違う世界で回収がされていたということでもあります。そういうのをどういう教訓としてとらえるべきかという話だというふうに受けとめております。

したがって、アブダビ政府はいつもあらわれるとは限らない(笑)ことも念頭に置いていただきたいと思います。

○岩原座長

確かにBCCIは極めて特殊な事件で、非常に政治性も持った事件で、そのためにアブダビ政府が出てくるということもあったわけです。そういう意味では非常に特殊な事件だと理解していただくべきではないかと思っています。資産が海外に送られていて、BCCIの場合はほとんどの資産がアメリカに実際にはあった。そのためにアメリカだけは国内の債権者が全額回収できたわけですけれども、それ以外の多くの国の債権者は、ほとんど債権を回収できなかったということが起きたわけでありまして、そういうことを踏まえてどう考えるのか。確かにモラルハザードは、制度的には国内の金融機関と同じではないかと言えるかもしれません。資産の国内保有義務等の規定は、別に日本の国内の金融機関と変わりません。ただ事実上、仮に破綻が起きたときに、その破綻を起こした金融機関から債権を回収したりすることができる可能性は、やはり大きい違いがあり得るわけで、また、そもそも資産の国内保有というのを一体どうやって実現できるのかということもあり、外銀支店については、よりいろいろ考えることが多い。そこをここで検討していただきたいということだと思います。

先ほどの自己資本比率についても、制度的には御指摘の通りですけれども、自己資本比率をどのように守らせ、かつ守らせることによって、実際上どれだけ日本の預金者を守ることができるのかということを、外銀の場合につき精査してみるというのが、このワーキングの役割ではないかと思います。

ほかに、いかがでしょうか。

和仁委員、どうぞ。

○和仁委員

ちょっと教えていただきたいというか、よくわからなかったところがございまして、18ページのところの注2で「外国倒産処理手続の承認援助に関する法律に基づく手続も存在」というのが書いてありますけれども、この法律は、要するに日本の裁判所が外国の手続を適用することを認めるという、管財人の権限を認めるというだけで、そこから先、何をするかと何も書いていないわけで、これだけでは何も意味がないというか、例えばBCCIで、BCCIの東京支店の資産がBCCIの本店の管財人の権限に服するというところまではわかるんですけれども、そこから先どうなるかが何もわからないということで、この注の趣旨がよくわからないというのが1点。

それから2点目は、19ページのところなんですけれども、やはり注のところで書いていらっしゃって、米国がBCCIのときにうまく立回ったと。これはデポジター・プレファレンスの話をしておられるんでしょうか。在米国の銀行の本支店に対する在米の預金者の権利は在外の債権者の権利に優先しますよというシステムの話をしておられるのかどうなのか、ちょっとそこのところがよく理解できなかったんですね。もう1つ言えば、こういう立法の方向だって考えたっていいんじゃないですか。リングフェンスをしてしまうということはどうですかという考えも、1つトライしてみてもいいと。

そういう立法は国際的には非常にまずいだろうということなんでしょう。そこから言うと、預金保険というのを考えるときに、預金者保護というのを考えるばかりでなく、もう1つ、金融システムの保護ということを考えるべきなのでしょう。それを考えるとどうなるかというと、これはリビングウィルとかRRPなんかにも絡んでくるのかもしれないですけれども、本店で倒産等の事故が起こったときに、どうやって日本の中にある金融システムが影響を受けないようにするかということを考えれば、一番理想は25ページのご提案の中に書いてあるように、預金の受け入れは現地法人形態のみで可能、支店形態でのリテール預金は禁止というところが、論理的には理想になるのではないか。

ただ現実問題として、支店を子会社化するってものすごく大変ですので、結構厳しいだろうなと。そうすると、中途半端だけれども支店でいいから預金保険に入れということに持っていくのが、せいぜいベストかなというのが私の意見です。

○岩原座長

藤本さん、お願いします。

○藤本信用制度参事官

まず、18ページの注2です。承認援助法についてです。これは海外の倒産処理手続を我が国において承認するという話なんですが、その際に、我が国の、例えば管財人でしたり、連携をするというような規律がまた別途、各倒産手続法などにございます。ところが、そこの注3とも関係するんですけれども、特別清算についてはそのような規律というのが必ずしも規定されていないというものがあります。しかも、この特別清算というのは、普通の株式会社の特別清算ではなくて、外国会社として、国内にある資産を清算するに当たって特別清算の規律を準用しようというような意味の規律であります。

そういう二重の意味で他の倒産処理手続と異なっています。特別清算というのは簡易で柔軟な手続だというのもあるのかもしれませんが、そういうぎちぎちしたことになっていないということもございます。

それからもう1つは、論点として、17ページの、ちょっとあいまいになっていますのは、一定の場合に、日本にある財産の全部について清算をしなければならないという規律があるもとにおいて、18ページの承認援助を認めるかどうかについては、学界においてもいろいろな意見があるというふうに聞いております。多分、森下委員にご紹介いただいたほうがいいかもしれませんが、そこら辺、ちょっと18ページはあいまいにしているところであります。

19ページ注のアメリカはどうやったかということなんですけれども、これは、どうもニューヨーク州とか、州法において、金融機関には倒産をする権能がないみたいな規律があって、別途銀行法に定められているようなのであります。そこでどういうふうに定められているかといいますと、支店というのを独立の主体として扱って、多分アメリカ国内にある資産から優先的に弁済を受けたんだろうと思われます。そういうことを言っているにすぎないといいますか、それ以上のことを申し上げているつもりではありません。もしかすると、優先弁済権というものが実体法上もある、あるいは倒産手続法上もあるのかもしれません。

それから、理想としてリングフェンスがいいかどうかということなんですけれども、和仁委員がいろいろ言及されていた、リーマン・ショックを受けての各監督当局の考え方というのは、必ずしもそういうリングフェンスという考え方とは違うというふうに我々は思っております。18ページの参考のところに書いているわけですが、これは一部しか書いていないのです。各国が自分の国の預金者を保護しようとするばかりに、各国当局の連携が悪いばかりに、かえって危機が拡大しないようにする必要もあるのではないかとか、外国において破綻処理手続が進められた場合に、我が国において自動的にリングフェンスをするというようなものはよろしくないのではないかとか、そういうような考え方もあります。我々のとらえ方とすると、どちらかと言えば最近の国際的な流れというのは、自分の国だけがいい思いをするのではなくて、各国協調して、危機が拡大しないようにするというような方向にあるのではないかなというふうに感じ取っていたところなんですが、また違うとり方があるのかもしれません。

以上です。

○岩原座長

今の点について、山本委員、では。

○山本委員

必ずしも今の点に直接ということではないのですが、1点は質問なんですけれども、先ほどのようなお話で、現在のシステムは、外国銀行支店については、特別清算について監督官庁に申立権を認め、破産その他の手続については申立権がないと。そうすると、基本的には特別清算を主として処理をするという枠組みになっていると思うんですが、そういう枠組みというのは、歴史的な事情はいろいろあるかと思いますが、そういう歴史的な事情だけなのか、何か合理的な理由があるのかいうことについての、事務当局。

○岩原座長

藤本さん。

○藤本信用制度参事官

18ページに注3というのがありまして、そもそもBCCIのころというのは我が国の倒産処理手続は属地主義でした。というのを山本委員に申し上げるのも変ですけれども、属地主義でした。その中でどうするのかというのがあって、特別清算に類似したもので行く、しかも外国会社のものについては国内にある財産で終わらせるんだということだったのだと思います。その後、破産処理法制の大改革が行われて、より国際的に協調していくにはどうするのかというような話が出てきたんだと思います。あるいは民事再生手続といったようなものも整ってきました。私どもも金融機関の破綻処理をするときに、民事再生手続というのも利用しているところであります。

ところが、18ページの注3になりますと、更生特例法において、既に外国銀行支店に対しては更生手続、再生手続、破産手続の開始の申立権がないということになっています。これはどうしてなのかというのは、庁内でもいろいろな説があります。1つの説は、これは預金保険機構に入っていないからだというような説があります。何が卵で何が鶏かわからないようなことを言っているという気もします。ただし、担当者もそう思い込んでいたふしがあります。しかし、預金保険機構は必ずしも付保されている預金に限って、更生特例法で活躍しているわけではありません。例えば外貨預金など付保されていない預金であっても、預金保険機構が預金者になりかわっていろいろなことをするようになっています。預金保険機構に対し通知すれば個々の預金者に通知しなくてよくなっていたり、預金保険機構が個々の預金者に代わって預金者表を作って債権者届出と同じ効果を与えるのというようなことが行われています。必ず預金保険機構の付保と結びついているわけではありません。したがって、預金保険機構に加入していないことから、もうひと越えして、当局に申立権がないというところまでいくというのは、思考が飛びすぎているような気もするところではあります。

ただ、おっしゃるように、今はこういうような制度の状況でありますので、これを前提とすると、確かに、特別清算中心主義なのではないのかと考えられることもあるのではないかと思います。ただ、承認援助法、あるいは倒産処理手続法の大整備、あるいは国際協調の考え方を踏まえる一方で、17ページのような、一定の場合には日本にある財産を清算しなければいけないなという考え方との調整というか、関係をどう考えるかというのはいろいろな考え方があると思います。私から当てるのも変ですが、森下委員お願いします。

○岩原座長

森下委員、ご指名ですのでお願いします。

○森下委員

発言を求められた趣旨に合致するようなお話ができるかどうか、全く自信がないのですけれども、今までのお話を伺っていまして少し感じましたことは、外国銀行支店といっても、かなりビジネスモデルが違うというようなところがあるのではないかという点です。リテール預金を受け入れているようなところもあれば、法人取引主体のところもある。BCCIもリテール預金を受け入れていたかどうか、ちょっと記憶が定かではないのですが。

○藤本信用制度参事官

幾つかの法人、あるいは中小の金融機関から預金を受け入れて、それを外国に送金しているというビジネスモデルであったというふうに、いろいろな文献には書いてあります。

○森下委員

ありがとうございます。いろいろなビジネスモデルの違いがあると思いますので、その違いによって、預金保険や自己資本比率規制といった規制手法が効果的なビジネスモデルもあると思いますし、あまりアセットを持たないでアドバイス等を中心とするようなビジネスモデルであれば、効果的な規制の仕方も違うのかなというような気がいたします。ビジネスモデルが国内の金融機関よりも多様だとしますと、そういった違いを規制にどう反映していくか。あまり一律に枠組みをつくるというと、うまくいかない部分もあるのではないかという気がいたします。

あと、預金保険に関してなのですけれども、預金者への保険金の支払いは大事な機能ですが、預金保険機構が預金者に代わって倒産手続に参加をする等、保険金支払い以外の役割を果たすこともあります。また、もし外銀支店の預金を預金保険の対象とすると、預金保険機構が預金者に対して保険金を払った後、預金保険機構が取得した債権の回収をどうするのかというような点も重要な観点になってくるかと思います。

たしかBCCIのときは、イギリスの預金保険機関が、預金保険金を支払った後の債権回収のために、一定の在英資産をプーリングに渡さないようにするといったことが問題となったように記憶しております。また、アイスランドとの関係でも、イギリスの預金保険機関がとりあえず払った後、その額をアイスランドが負担するかどうかということが問題になっていると思います。このようなことを考えますと、預金保険の問題は、外国金融機関の破綻処理システムとの関係をどう考えるのかいうような点も重要なのではないかという気がいたします。

あと、破綻処理に関しまして、私自身は、日本に支店を有する外国銀行が破綻した場合には、当然日本においても何らかの破綻処理手続が開始すると思いますし、そうした場合には、例えば外国銀行の本店所在地において倒産手続が開始され、その本店所在地の倒産手続の管財人が日本において外国倒産手続の承認を求め、例えば日本国内にある財産を渡してくださいというような申し出をしてきたとしても、たしか承認援助法の中には、日本において債権者の利益が不当に害される場合には承認できないといった規定があったかと思いますので、一たん我が国で外国銀行支店についての倒産手続が開始している場合には、日本の財産を引き渡すことまではなかなか難しいのではないかと感じています。いずれにせよ、外国と日本で並行して倒産手続が進行するという状態になるわけですが、そういった状態にどう対応していくかということについての法的な手当ては必ずしも十分にはなされていないように思われます。

結局、外国銀行の規制や破綻処理に関しては、色々なものが密接に関連していると思いますので、日本に拠点を有する外国金融機関が破綻したときに、どう処理をしていくのかについて、総合的なケーススタディーのようなものをしてみて、その中で、それぞれ破綻処理手続ですとか、預金保険ですとか、あるいは事前の資本規制ですとか、そういったようなものの役割を位置付けていかないと、結果的にうまく機能しないこともでてきてしまうのではないかと感じております。

○岩原座長

山本委員、どうぞ。

○山本委員

2点、コメントですが、まず18ページの下のほうで、我が国の預金者が個々に外国銀行本店の倒産手続に参加することは相当困難ということで、これは先ほどご指摘があったように、ソフィスティケートされていない預金者ということであれば、当然そうなんだろうと思います。考えられる方法としては、1つは預金保険を義務付けることを前提にすれば、現在の更生特例法のように、預金保険機構が外国の倒産手続においても預金者の手続代理権を行使するという仕組みをつくるということは、1つ考えられるのかなというふうに思います。

もし、そうでないとすれば、これは先ほど藤本さんが言われたように、破産や民事再生や会社更生では既に存在するわけですが、国内の倒産手続機関、管財人等が、外国倒産手続に、国内手続の参加債権者を代理して外国手続に参加する、債権届出、あるいは議決権の行使等を行うという、いわゆるクロスファイリングのシステムということが考えられるんだろうと思います。

これは現在、ご指摘のとおり、特別清算には入らなかったわけですけれども、これもご指摘のとおり、そのときの議論では、特別清算のような簡易な手続で、そこまで大々的なものを設ける必要性まではないのではないかというような、必要性についての話が中心で、原理的にそれができないということでは、私の記憶ではなかったのではないかというふうに思っておりまして、この局面においてはそれが必要であるということであれば、それはあり得るのかなというふうに思っております。

第2点は、より基本的な、先ほどの特別清算中心主義というような考え方を今後も維持していくかどうかということです。私自身、特別清算のメリットとして考えられるのは、やはり手続が非常に柔軟であって、最終的には協定について債権者多数決で決められるということですので、先ほど来ご議論のあるプーリング・システムその他の、比較的柔軟な倒産処理の枠組みに乗りやすい、少なくとも破産なんかよりは乗りやすいというところが1つ利点としてあるのかなと思います。

ただ他方では、特別清算というのは簡易、迅速な手続であると。かなり手続としては不十分というか、弱い手続につくってあって、その弱いときに問題があれば、最後は破産に行けばいいじゃないかという基本的な思想でつくっている部分があります。例えば、特別清算には否認権の制度というのは存在しませんが、これは否認のような、債権者平等がどうしても必要とするような事態が発生するのであれば、それはもう特別清算には向かないんだと、その場合にはやはり破産に行かざるを得ないと。

幾つかのところで、そういう思想でつくってある手続なものですから、ただ、ここが、必ずしも破産に行けばいいじゃないかということがなかなか言えないとすると、果たして特別清算で処理を完結させるということが相当かどうかということは考えてみる必要があるかなと思います。

その際、考えられる問題としては、今ご指摘があった更生特例法において、監督当局に破産等の開始申立権がないということです。先ほどのご議論、お話を伺って、私が思ったのは、庁内にある意見ということで、預金保険機構との連動性というのが、私も、藤本さんが言われるように、必然的な連動性はないと思うんですが、ただ、先ほどの手続代理権の話を考えると、もちろん預金保険に乗せないで、しかし預金保険機構が手続代理権を行使できるという仕組みがつくれれば、それはいいと思うんですけれども、仮にそれがつくられないとすると、当局の申立権だけを認めて、あとは全部裁判所に投げてしまうと。そうすると、何万人、何十万人の預金者が債権届出をどっとしてきて、それを一々、債権調査をしていかなければならないというような事態がもし発生するとすれば、やはりそれは倒産手続として、あまりワーカブルなものにはならないような気がします。

ですから、そういう意味では申立権と預金保険というのがある種セットとしてとらえられるというのは、理解できないことはないような感じがしますので、監督当局の申立権を認める場合には、そこの手当てを考えなければいけないだろうというふうに思います。

それから最後に、やはりこういう国際協調主義をとれば、国際倒産全体については、やはりこの何十年間かの歩みというのは、基本的には並行倒産を各国で認めながら、並行倒産手続間の手続共助、手続間の協力を認めていくというのが、プーリング・システムを含めて基本的な考え方としてあったと思いますので、金融機関の処理もその延長線上で考えていくのだとすれば、私も、先ほど森下委員が言われたように、全体的な倒産手続間の協力の枠組みみたいものを考えていく。それは一部、先ほどもご指摘あったような破産、民事再生、会社更生の中には、既に管財人間の協力とか情報提供とか、幾つかの規定が設けられているわけでありますが、金融機関の場合、それで十分なのか、あるいはもう少し先まで行くのか、そういったことも含めて考えてみる必要があるのかなというふうに思いました。

以上です。

○岩原座長

和仁委員。

○和仁委員

今の山本委員のおっしゃったことを補う話なんですけれども、リーマン・ブラザーズのときに何が起こったかというのは、もう当局はよくご存じだと思います。これは別に支店ではなくて、本社と子会社の関係だったんですけれども、両方が倒産手続に入ってしまうと、両方とも利益相反ということで情報が全然流れてこなくなってしまって、裁判所としても何が何だかわからなくなってしまう。結局、日本の子会社に資産を預けていた人たちの資産は、実はロンドンのほうに行っていたんですけれども、一体どこにどうなったのかよくわからないという状況が1年半ぐらい続いたわけです。

ですから、確かに、だれが特別清算の申立権を持つか。特別清算は、最後の最後に使うには非常にいい手続なんですけれども、それ以外にいい手続がないのかというのは、検討したほうがいいと思うんですね。特別清算の先に、山本先生がおっしゃったように、その先には破産があるといいますか、破産がうまくいかないのも、これははっきりしているところでありまして、そこのところを一体どういうふうにさばくのかということについて、やはり当局同士で連携をして、債権者をさばいていく手続を考えたほうがいいのではないかと思います。

先ほどのお話でも、リングフェンスはやらないというのが今回の金融庁のお考えだというふうに承りましたので、では、その方針で進むということであれば、自分自身だけではなくて、海外の母国のほう、本店のほうの金融当局と、一体何ができるのかということをきちんと詰めた上での倒産手続の構築ということが必要になってくる、殊に情報の共有、これが必要になってくるというように思っております。

以上です。

○岩原座長

川口委員。その後、井上先生。

○川口委員

先ほど森下委員から、フレキシブルな制度のほうがいいのではないかというご指摘があったんですが、外国銀行支店の預金保険についても、強制加入と、全く加入させないという両極端ではなくて、選択を認めるというようなことは考えられないでしょうか。

諸外国におきましても、任意加入という制度をとっている国があります。アメリカでは、州法銀行の一部はFDICに任意加入です。「FDICに加入しています」という看板を掲げさせて、あとは顧客に選択させるというようなことをしています。また、かつてヨーロッパでも、任意加入を採用していた国がいくつかあったと思います。事務局からの説明で、外国銀行にもいろいろな立場があるとご紹介ありましたし、一律に決めるのではなくて、選択に任せるという方法は考えられないだろうか。

強制加入の意味は確かにありまして、預金者保護だけでなくて、倒産処理法制にまで預金保険というのはかかわってきます。日本の金融システムを守るんだという点で日本の銀行は全部強制加入だというのはあり得ると思うんですが、外国銀行については、システミックリスクを含め、日本の金融システムという観点からは、日本の銀行よりは影響は少ないのではないかと思っております。

他方で、これまで預金保険の対象にしてこなかった1つの大きな理由は、外国銀行の本体に日本の監督当局の規制が及ばないということにあります。ちょっと言葉は悪いですけれども、ずさんな監督をやって銀行が破綻し、それが日本の支店に及んで、日本の預金保険でそれを払うことに抵抗感があったということかと思います。究極的には日本国民の税金を使うことになるのですから。

外国銀行支店の預金について預金保険の対象にするということは、日本の預金者のために、外国銀行規制のリスクをもう認めるということにならざるを得ないだろうと思います。そして、外国銀行の支店について預金保険への加入を認める場合は、リスクの分、保険料を引き上げるという話になるかもしれません。また、日本の国民の税金が使われる可能性もあるということで、例えば資産の国内の保有を義務付けるとかの議論も必要になるように思います。

そうすると、負担が重たいのではないかという話になるかと思いますけれども、預金保険は、競争上のアドバンテージになるわけですから、その分はそれで補うことができるわけです。その上で、預金保険の加入は、各外国銀行の選択に委ねてはどうかというように思っております。

以上です。

○岩原座長

井上委員、お願いします。

○井上委員

既にもう事務局からご説明いただいたり、他の委員からコメントがあったりした点なんですけれども、外国銀行支店に対して現時点で実施されているものとしては、預金保険もなければ持込資本金規制もないし、流動性規制もないし、自己資本比率規制もないということですと、とりわけリテールの預金を受け入れているという業務との関係では、不安があると言わざるを得ないような気がいたします。

ただ、森下委員がおっしゃっていましたが、今日ご説明にもありましたように、外国銀行のビジネスモデルはほんとうに多様なものであって、リテールの預金を受け入れている以外にも、ホールセール業務に特化していたり、本国への送金を中心にやっていたりしますから、リテールの預金を受け入れている外国銀行支店を主として想定して、どのような規制が必要であるかを議論すると、場合によってはいろいろなビジネスモデルを殺す結果になってしまうことも、あわせて気になるところです。

そのように考えると、規制をあまり複雑にすること自体も問題ではありますけれども、リテールで預金を受け入れている場合と、そうでない場合ぐらいに大まかに分けて議論しないと、なかなか適切で、必要かつ十分な規制というのが議論できないのかなと感じます。

あともう1点、特にクロスボーダーで破綻が起こった場合のお話が先ほどありまして、それについては、国際倒産のルールがそもそもよく分からない点が多いわけですが、外国倒産手続の承認手続だけではやはり不十分なところがあって、先ほどお話がありましたように、各国で協調することが必要になってくると思います。その際に、当局間あるいは裁判所間の協力というよりも、リーマンのときなどは各国の管財人の間でプロトコルと言われる協定書が結ばれて、その協定書に基づいて一定の限度で協調した倒産処理がなされたと聞いております。

日本は、このプロトコルに参加していなかったと聞いていますが、確か、いくつかの主要な地域――10ぐらいの管財人間でプロトコルが締結されたと理解しています。これは、法的には拘束力の弱いもので得失もあろうと思いますから、クロスボーダーで協調した倒産処理がなされるために、そういう国際的な管財人間の自主的なプロトコルによる処理の長所を伸ばし短所を補うような観点から、当局としてどのように関与していくのかも、あわせて考えていく必要があると思います。

その場合、プロトコルのような自主的な処理についても、あるいは当局間の協調についても同じことだと思いますけれども、バーゲニングパワーを確保するという意味では、実際にはどのぐらい国内に資産があるのかが、事実上、結構大きな意味を持つように思います。その点では、いざというときに国内の資産がなくなっているという状況は、いざ破綻という場面において、弱い立場になってしまう点が気になるところです。

以上です。

○岩原座長

翁委員、どうぞ。

○翁委員

2点ございまして、1つは、やはり何度も皆さんおっしゃっていますけれども、外銀の支店というのはビジネスモデルが多様でありますので、一律に規制を、例えば自己資本比率規制などで縛っていくということは適切ではないというように思います。

それよりも、むしろやはり外銀支店について、本国の状況も見ながらモニタリングをし、破綻時にできるだけ早期対応して、資産を海外に流出させないということも目標にして、そういった視点での監督強化をしていくということが必要なのではないかというように思います。ですから、預金者保護という視点では、やや今の状況は不十分でございますので、そういった視点で監督をより強化し、早期対応ができるような体制を準備していくということがまず必要ではないか思います。

もう1点は、やはり預金保険の役割というのは、預金者保護ということと、あと金融システム全体の安定ということがあると思うんですが、先ほども、幾つかに外銀支店を分けて考えたらいいのではないかという指摘がございました。1つは、そういう2つの分け方で考えますと、G-SIFIsのような国際的な金融システムにおいて重要な金融機関について、やはり預金保険の対象として考えていく。そうでないところについては任意にしていくというような考え方もあるのかなというように思います。

破綻処理のときに清算手続をとるというのは今までやってきておりますけれども、例えば業務継続型でやっていくというのは、またこれからいろいろな環境整備が必要だと思っておりますが、そういう中で、我が国がどの程度、国際的に協調しながら、そういった業務継続型の処理をしていけるのかということは、今後いろいろ法制上も整備していかなければならない点だと思うんですけれども、一方で、やはりそういったG-SIFIsについては、先ほど和仁先生もおっしゃっておられましたけれども、やはりシステム全体として、本体がおかしくなったときに日本もきちんと金融システムを守っていくという視点で、やはり預金保険の対象として考えていくという視点があるのではないかというように思いました。

以上でございます。

○岩原座長

どうも。

大崎委員。

○大崎委員

私、ちょっと外銀の業務形態がいろいろ違うからということは非常によくわかる一方で、それによって規制のあり方をそもそも変えるというところまで話が行くと、ちょっと違和感を感じまして、とりわけ預金保険に関して言えば、そもそも付保対象はかなり限定されているわけですね。円建てで、しかも1,000万までということですから、ある意味では、リテールについての規制を特別にするというのの1つが預金保険を適用するということ自体なのではないかなという気がいたしまして、ちょっと繰り返しになりますが、やはり私は、少なくとも日本の国内銀行が付保対象になっているものについては、同じ商品については、外国銀行支店であっても付保対象にすべきではないかという気がいたしまして、その場合は強制加入ということだろうと思います。

それから、破綻の処理との関係で、国内に資産があることの重要性、いろいろな方が指摘しておられるんですが、私は、こっちはちょっと気をつけないと、まさに外銀のビジネスモデルの多様性ということを阻害する規制になりかねないというふうに懸念しまして、確かに破綻という局面においては、おっしゃることもわからんではないのですが、日本国内にそれ相応の資産を強制的に置かせるという形にすると、結局日本国内で貸し出しなり何なりをするということ以外はできないというのに等しいのではないかという気がしまして、これはやはりグローバル化している今日の、何でわざわざ東京に、あるいは日本に外国銀行が進出してくるのかという動機を考えたときにも、あまり、むしろ参入障壁とでもいいますか、になってしまうし、国内にいる人たちが希望している外銀に期待している金融サービスニーズにもこたえられなくなってしまうのではないかと懸念する次第でございます。

○岩原座長

いかがでしょうか。

和仁委員、それから森下委員。

○和仁委員

済みません、今の大崎さんのコメントで、1つだけ、申し上げたいのは、預金保険って、今、我々が議論しているのは、多分個人の預金者が預金を預け入れるという状況なんですけれども、決済性預金というタイトルの預金だと、何でも入れられるんですね、実は。預金保険法の趣旨には反するかもしれないのですけれども、この預金は実は使い勝手が非常にいい。リスクフリーのお金にできると。金融庁には、検査で、それは正しい使い方ではないのではないかということをおっしゃっている方もいるようですが、条文を見る限りは、別に用途制限がない。

○岩原座長

決済性預金の全額保護というのは大変大きい問題で、今後検討が必要だと、私個人は思っております。

それでは、森下さん。

○森下委員

国内に資産を置くというふうな話があったのですけれども、ちょっと細かいかもしれませんが、たとえば、日本には支店しかないという場合であっても、日本国内の資産、たとえば、邦銀に預けてある預金や日本法人に対する債権などには、支店名義の資産と、本店あるいは他の営業店名義の資産があると思います。国内で支店について破綻処理をするとしたときに、本店や他の営業店名義の資産、さらには、グループ会社名義の資産を、どこまで日本国内の手続に取り込むか、あるいは外国に対する持ち出しを禁止するかという点は、実務的には重要な点なのかなと思います。

アメリカの外国銀行の破綻処理手続で高い配当が得られている理由の一つは、資産については広く全世界ベースで考え、米国や州内に支店さえあれば、外国にある本店や他の営業店の名義の資産であってもすべて米国での支店の破綻処理手続に取り込んでしまうというようにしつつ、手続に参加できる債権者のほうは、あくまで支店単位の清算手続なのだから、米国の支店の債権者しか参加できませんよという仕組みをとっている点にあると理解しています。日本においても資産を国内に保有させますといったときに、偶然、例えば本店名義の資産を日本の金融機関が預かっていたというときに、それを動かせないようにするのか、国内での支店の債権者のための破綻処理に優先的に充てていくとするのかという点も、ちょっと細かい点かもしれませんが、具体的に詰めていくときには重要な論点の1つになってくるように思います。

あと、先ほど翁先生から、業務継続型というお話がありましたが、これは私も以前、研究をしようとして難し過ぎて手が出せなかったのですけれども、やはり金融機関の破綻処理においては業務継続型の手続が重要であると思いますので、清算するのではなくて、継続するといったパターンを、国際的な金融機関の破綻のときにどのように考えるかという点についても、一緒に検討していくべきなのかなと思っております。

○岩原座長

山手委員、どうぞ。

○山手委員

現状、外国銀行の支店のビジネスというものも単一ではなくて、幾つかタイプがあるということが大前提になっているわけですけれども、基本、預金者の保護を図るべき状況にありながら図られていないとすれば、それはしっかり担保しなければいけないということ。それができないのであれば、支店形態でのそういったタイプの預金受け入れは認めないとか、そういった明確な方向性で検討すべきであろうというふうに思います。

一方、顧客がみずからのリスクをとって利益を得る等の目的で取り引きを行うというものが、一般的に多々行われているわけですけれども、そういうものに対しては、やはりリスクに係る情報の開示というものを、より徹底していくという必要があるのではないかというふうに思っております。

この資料の15ページに、現状の預金者等に対する情報提供義務というところがあります。顧客の観点から見ると、どういうものが担保されているかという情報も大事ですけれども、どこにエクスポージャーがあって、抜けているかという情報はもっと大事であるわけですけれども、現状の規定を見ておりますと、例えば預金保険の対象であるものの明示はされているけれども、されていないものについての開示は義務付けられていないとか、要するに、リスク情報の網羅的な開示というものが一段検討されるべきではないか。

一番最初の会合のときに、世界ベースでの金融安定理事会のレベルでも、リスク情報の開示の強化という取り組みがなされているというお話をさせていただいたと思いますけれども、これにつきましても、金融機関の開示の歴史を見ていきますと、90年代の半ばくらいから、それこそリスク管理体制に関する情報の開示、それからバリュー・アット・リスクとか、そういったリスクの定量的な情報の開示等も含めて、リスク情報の開示の徹底ということが図られてきてはずであったんですが、リーマン・ショックのときにどういったことが起きたのか。あれだけ膨大な情報開示がされているにもかかわらず、なぜああいうことが起こったのかということの反省のもとに、今、金融安定理事会等ではそういう検討がされているんだろうと思います。

リスクをとって金融取引をやっていくということを支えるインフラの1つとして、このリスク情報の開示って極めて大事なので、ここは、1つハイライトを当てて検討していくべきではないかというふうに思います。

○岩原座長

小出委員、どうぞ。

○小出委員

先ほど、外国銀行はビジネスモデルが多様であるということを前提として、例えばリテール預金に限って預金保険をつけるですとか、あるいは任意加入にするとか、ないしは銀行のビジネスモデルに応じて預金保険の義務付けをするというような提案が出ておりましたけれども、そういった方向性もあり得るだろうというふうに思いますけれども、一方で、もしそういう方向性を認めるのであれば、外国銀行に限らず邦銀であっても、そういった扱い、すなわちそれぞれのビジネスモデルに応じて、例えば預金保険の任意加入とか、ないしはリテール預金に限って預金保険を義務付けるということも認めていかないと、整合性がとれなくなってくるんだろうという感じがいたします。

他方で、これは質問といいますか、いずれ情報がわかればなんですけれども、諸外国でそういったようなことをしているような、つまり、外国銀行支店について、さまざまなビジネスモデルがあるという理由によって預金保険の義務付けの対象を変えているような国があるのかどうかといったことについても、お教えいただければというふうに思います。

以上です。

○岩原座長

その点、藤本さん。

○藤本信用制度参事官

外国の預金保険制度の状況につきましては、できれば調査をしてまとめたいというふうに思っております。

○岩原座長

家森委員。

○家森委員

少し教えてほしいんですけれども、5ページで、外国銀行支店における資金調達・運用の現況の説明がありますが、例えば、リーマン・ショック前の平成20年3月には、コールマネーが11兆円、預金が11.6兆円である一方で、資産の方の本支店勘定を見ると15.9兆円出ていっているとなっています。これは、預金以上に海外に資金が出ていっているというふうに読めるように思うんです。今、問題になっている預金者保護というところではないのですが、金融システムという観点で、インターバンクのお金も流れているというようなことを意味しているのかというのが1つ目の質問です。2つ目は、リーマン・ショック以降になると、急激にコールマネーが下がったり、預金も減っているというのは、市場規律が働いているというように見ていいのかという点を教えていただきたいです。それから、今日出ていました議論との関連で、開示の強化というのは、仮にほかの制度が変わらないとしても、ぜひ必要であろうと思いますし、個人預金者を守るというときに、富裕者層の外貨預金をどうするかという部分は議論としてあり得ると思うんですけれども、破産処理に一般の人が、幾らソフィスティケートされていても、実際に参加できるかというのを考えると、コスト的に不可能だと思うので、そういう部分については国として対応するのというのが、最低限必要ではないのかなというふうに思いました。

以上です。

○岩原座長

最初の質問のところは、いかがですか。

○藤本信用制度参事官

資料の5ページの図の見方なんですけれども、これは、先ほどからビジネスモデルという言葉が出ているんですが、いろいろなものを1つの表にしております。例えば外国から、本支店勘定、あるいはそういうものでお金を引っ張ってきて、日本で何か運用しているというものと、それから日本で預金などで調達をして、外国に送っているもの、あるいは日本国内で運用しているというものが、すべて足し合わせたものになっております。平成20年と、その後というのを比べて、何か個別の金融機関で行動が変わったのかどうかというところまで指し示すことができないということになっています。ほんとうであれば、ビジネスモデルごとにこういうことができればいいのですが、なかなかそこまで計数がとれないということであります。

全体的に見ますと、平成20年と平成23年を比べますと、資金調達においても資金運用においても、下落といいますか、量としたら下がってきている状況にあるというのは言えると思います。

それからコールマネーについては、もしかすると、これは、リスクをどうとらえたかというよりも、コール市場全体のお話というのがあるのかもしれないというふうに我々は思っております。全体的にそういう市場の規模が小さくなっているというのがあるのかもしれません。

預金については、1つは、シティバンク銀行が以前はこれに含まれていたんですが、その後、この統計から、現地法人化したので抜けているという特殊事情もあります。額としては減っているけれども、大体割合とすると2割ぐらいを占めているという程度のことが言えることかなというふうに思っております。

○岩原座長

よろしいでしょうか。

川口委員。

○川口委員

預金者保護をする意味は、確かに、弱者保護というのはもちろんあると思うんですが、もし預金を保護しないと、預金が集まらないということも重要かと思います。零細な預金者は銀行を判断することができないものですから、すべて自己責任とすると、預金が集まらずに、日本の金融が回っていかないというようなことになります。この点で、日本の銀行に対する預金保険の適用と、外国銀行の預金の保険の適用は、違うのかなと思い、同じ日本人の預金だからといって、一緒に考えてよいのかどうかというのは少し疑問が残るところです。

情報提供のところの説明でもあったんですけれども、確かに預金保険の対象になっていないということを全く明示しないということは、問題のように思いまして、それを明示した上で、しかも、それでもいいというふうな預金者をそれ以上保護する必要があるのでしょうかね。そういう預金者は自己責任でも良いように思います。

以上です。

○岩原座長

和仁委員。

○和仁委員

これもまた情報提供ですけれども、外銀はみんな、自分のところの預金は、預金保険の付保はありませんと自発的に書いているはずだと思います。やはり彼らも訴訟リスクが怖いですから、だから別に開示を義務付けることで守られるべき人が守られるということはないと思います。大切なことは、やはり、そんなのとは関係なくて、もうけたいという方であろうが、そうでなかろうが、開示してもだれも読まないですから、それをどう考えるか。その問題だと思います。

○岩原座長

よろしいでしょうか。

どうもありがとうございました。

今日も大変有益な多くのご指摘を賜りまして、まことにありがとうございます。非常に重要な、今後考えるべきたくさんの視点を今日はご指摘いただいたかと思います。その中には、ある意味でトレードオフ的な意味のあるご意見もございましたけれども、そういうことも含めて、今後制度の見直しを考えていく必要があると思います。外国銀行支店に関する規制に問題があるということは、少なくとも今日のご議論でかなり明らかになったと思っておりますので、そういう点を今後、審議を進めていきたいと思っております。

時間が参りましたので、本日の審議は終了させていただきます。

本日、外国銀行支店に関する規制のあり方に関してさまざまなご議論をいただいたことを踏まえまして、次回、第4回は、本日ご指摘いただいた論点を含め、外国銀行支店に対する規制のあり方や、これに関連する事項につきまして、引き続きご議論をいただく予定でございます。

それでは、事務局のほうから連絡等がございましたら、お願いいたします。

○藤本信用制度参事官

次回の日程につきましては、皆様のご都合を踏まえながら、座長と相談の上、別途ご案内させていただきます。

事務局からは、以上でございます。

○岩原座長

どうもありがとうございました。

それでは、以上をもちまして本日の会議を終了させていただきます。

どうもありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企画課信用制度参事官室(内線3566)

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