金融審議会「インサイダー取引規制に関するワーキング・グループ」(第4回)議事要旨

1.日時:

平成24年11月7日(水曜日)16時02分~17時11分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 共用第1特別会議室

3.議題:

  • 1.開会

  • 2.事務局説明

  • 3.討議

  • 4.閉会

4.議事内容:

  • 事務局からの説明後、討議が行われた。

  • 討議における主な意見は以下のとおり。

  • 資産運用業者の特性・実態として、運用委託契約が締結されれば、相当の期間、運用報酬を「継続的」に得るとされているが、パフォーマンスによってはすぐに解約ということになるし、長期継続とはいかないのが実態であり、「継続的」という表現は違和感がある。

    また、アクティブな運用を行う資産運用業者は、管理報酬のほか成功報酬を得ることが一般的とされているが、成功報酬を得られるのは一部のヘッジファンドの運用業者に限られている。

  • 計算方法を拡充するに当たって、対象銘柄を掛けたのでは少ないということであれば、報酬額全体を何らかの基準に従って区切り方を変えるのであればともかく、期間を今の1ヶ月から、1年、2年にするという話は違和感がある。

  • 違反をする動機が継続的に運用報酬を得ることにあるのだとすると、ある銘柄にとらわれるのはおかしいだろうというのは、そのとおりだと思う。他方、運用委託契約が1年続くとか3年続くというのが安定的でないということだとすると、月額報酬に見合ったところが妥当ではないか。

  • 報酬額に連動して課徴金額の計算方法を考えることについては、納得感がある考え方だと思う。資産運用業者は、運用成績を上げて特定の顧客から長期間報酬をもらうことが一番の目的であり、そこにフォーカスしたほうが、課徴金の計算方法としては合理的ではないか。また、私の知る限り、簡単に1年で運用業者を変えるといった事例がどれくらいあるか疑問。

  • 事務局案は1つのよい工夫ではないかと思う。顧客との関係を大事にしていて、その関係を維持したいというところが動機だろうと思うので、対象銘柄に限らず、顧客との関係での取引全体を対象範囲とすることについては大きな納得感がある。一方で期間については、将来の話だけでなく過去の実績もあり、顧客の期待に応えなければいけないという動機になるのであって、将来だけでなく、過去のほうにも戻れるのではないか。何らかの期間を定めなければいけないが、そこは抑止効果や立法事実を踏まえなければいけないと思う。

  • 基本的な考え方には賛同。ただ、課徴金額のベースとなる対象期間を考えていく場合に、既存の顧客だけでなく、新たな顧客を呼び込むインセンティブやその運用成績を上げることをどう考えるかについても、少し検討する必要があるのではないか。

  • 基本的な考え方は事務局の案でいいのだろうと思う。課徴金は抑止効果を持たせるためにあるわけなので、違反行為のある程度の蓋然性がある行為すべてに関し、抑止力を持たせるような形で作るしかないのだろうと思う。また、課徴金を高くすると、日頃の営業活動に支障がでるのではないかという意見もあるが、それは、間違って課徴金がかかる可能性を前提にしたものであり、課徴金がかからないという前提で営業活動をすれば、そこにはゆがみは生じないはずなので、そういう話はあまり持ち込むべきではないのではないか。

  • 課徴金が利得の吐き出しにとどまっていると、抑止効果が効かないというのが従来からかかえる悩ましい問題。利得に限らず課徴金の額を拡大していくべきだと思っているが、他の課徴金制度も直さなければいけなくなるため、現実的には、利得の範囲に留めておき、その範囲でなるべく効果が出るように拡大するという事務局の案は合理的なものだと思う。

  • 事務局案の総論には賛成。ファンドの利益が数千万円であるにもかかわらず課徴金が数万円というのがおかしいということは、マーケット関係者や投資家の意見のベーシックなものとしてあるので、課徴金の抑止効果が実効性をもつような形にしなければいけない。

  • 抑止効果を生み出すためには、利得の剥奪にとどまらず、将来的にはそれに制裁を加えるような形での課徴金のあり方を検討していただきたいと思う。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局市場課市場機能強化室(内線2644、3943)

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