金融審議会「インサイダー取引規制に関するワーキング・グループ」(第6回)議事要旨
1.日時:
平成24年12月11日(火曜日)14時00分~14時50分
2.場所:
中央合同庁舎第7号館13階 共用第1特別会議室
3.議題:
1.開会
2.事務局説明
3.討議
4.閉会
4.議事内容:
○事務局からの説明後、討議が行われた。
○討議における主な意見は以下のとおり。
1.市場仲介業務を担う者の情報伝達・取引推奨行為に関する規制
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正当な行為と不正な情報提供あるいは推奨行為との峻別が難しいと、現場の実務に支障が生じる懸念があるので、これらの解釈や判断については、例えば法令やQ&Aにおいて明確にしていただけるとありがたい。また、プレヒアリングのような後から取引推奨行為に見えてしまうような行為に関し、例えば適用除外の規定を法令に盛り込むことについても、今後考えていただきたい。
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市場仲介業務を担う者についても、主観的要件と取引要件を付け加える方向性については賛成。情報提供行為だけを取り上げて処罰対象とすると、今まで可とされてきたものを萎縮させる懸念がぬぐえないため、取引要件を加えることは、現段階ではバランスのとれたものである。また、欧州においても、取引行為がなければエンフォースメントされない体制がとられていると理解しており、我が国の法制が一段見劣るというようなことにはならないのではないか。
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課徴金については、仲介業者がどのような利得を得ているのかきちんと分析する必要があると思う。その点で、引受手数料について検討の対象にする、あるいは法制の対象にすることは極めて妥当。
また、氏名の公表については、ぜひこの機会に明確化することが必要。もっとも、悪質性の高い者について公表するという比例原則が前提であり、濫用がないように手続保障も必要だと思う。
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2.情報伝達・取引推奨行為の規制対象
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客観的処罰条件について、情報伝達・取引推奨と取引行為の因果関係を要求するか否かで条文化するときに重要な差異としてあらわれると思う。客観的処罰条件については、結果は因果関係までは必要ないという判例があり、実際上は、そんなに違いはないのかとは思うが。
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「取引を行わせる目的」等の主観的要件を設ければ、実務的には立証が大変になることが予想されるので、法制面での工夫が必要だと思う。また、客観的処罰条件については、因果関係は不要と整理されるものではないか。
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以上
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