金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第3回)議事録

平成28年7月6日

【神田座長】

それでは、定刻になりましたので、始めさせていただきます。市場ワーキング・グループの第3回の会合を開催いたします。皆様方にはいつも大変お忙しい中を、また本日はたくさんの方々にご参加いただきまして、まことにありがとうございます。

本日でございますが、「国民の安定的な資産形成とフィデューシャリー・デューティー」をテーマとしてご議論をお願いしたいと思います。

議論に入ります前に、事務局から委員・オブザーバーの方々をご紹介していただきます。よろしくお願いいたします。

【齋藤市場課長】

総務企画局市場課長の齋藤でございます。

まず、今回から当ワーキング・グループの委員にご就任いただいた方々をご紹介申し上げます。座席順にご紹介させていただきます。委員の皆様の右側から、上田亮子様でいらっしゃいます。

【上田委員】

よろしくお願いいたします。

【齋藤市場課長】

加藤貴仁様でいらっしゃいます。

島田知保様でいらっしゃいます。

竹川美奈子様でいらっしゃいます。

【竹川委員】

よろしくお願いします。

【齋藤市場課長】

佃秀昭様でいらっしゃいます。

【佃委員】

よろしくお願いします。

【齋藤市場課長】

また、本日はご欠席ですが、皆様のほか、上柳敏郎様にも委員にご就任いただいております。

本ワーキング・グループは広範なテーマを扱う予定であることから、テーマに応じてご参加をお願いさせていただく委員の方もいらっしゃいます。本日のテーマを踏まえて、本日は上田委員、鹿毛委員、神戸委員、島田委員、竹川委員、佃委員、横山委員にご参加いただいているところでございます。

次に、今回初めてご出席いただくオブザーバーの皆様をご紹介いたします。委員の皆様の右側から、全国銀行協会より、三井住友銀行の田村常務執行役員でいらっしゃいます。

生命保険協会より、明治安田生命の荒谷常務執行役でいらっしゃいます。

【荒谷オブザーバー】

よろしくお願いいたします。

【齋藤市場課長】

信託協会より、三菱UFJ信託銀行の長島取締役専務執行役員でいらっしゃいます。

【長島オブザーバー】

よろしくお願いします。

【齋藤市場課長】

国際銀行協会より、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントの康代表取締役社長でいらっしゃいます。

【康オブザーバー】

よろしくお願いします。

【齋藤市場課長】

日本投資顧問業協会より、三井住友アセットマネジメントの長尾取締役専務執行役員でいらっしゃいます。

【長尾オブザーバー】

よろしくお願いいたします。

【齋藤市場課長】

投資信託協会より、大和投資信託の重田執行役員でいらっしゃいます。

【重田オブザーバー】

重田でございます。よろしくお願いいたします。

【齋藤市場課長】

日本証券業協会より、野村證券の新井常務でいらっしゃいます。

【新井オブザーバー】

新井でございます。よろしくお願いします。

【齋藤市場課長】

消費者庁からは、消費者政策課の鈴木課長にご参加いただくことになっておりますが、本日は所用のため、吉田企画調整官に代理でご出席いただいております。

【鈴木オブザーバー代理(吉田企画調整官)】

よろしくお願いいたします。

【齋藤市場課長】

また、オブザーバーの方の人事異動に伴いまして、日本銀行金融市場局市場企画課の飯島課長でいらっしゃいます。

【飯島オブザーバー】

よろしくお願いします。

【齋藤市場課長】

それから、財務省大臣官房信用機構課の日置課長でいらっしゃいますが、まだお越しでないようですので、ご紹介だけさせていただいております。

なお、オブザーバーについては、テーマに即してお呼びすることとなりますので、今後、追加・変更があり得ることをご了承いただければと思います。

また、事務局からの出席者につきましては、時間の関係もございまして、お手元の配席表をご覧いただければと存じます。

委員等のご紹介につきましては、以上でございます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

それでは、早速議事に移らせていただきたいと思います。

まず、事務局から「国民の安定的な資産形成とフィデューシャリー・デューティー」についてご説明していただきます。その後で皆様方から質疑応答、意見交換を行うという順番で進めさせていただきたいと思います。

それでは、事務局からの説明をお願いいたします。

【齋藤市場課長】

それでは、お手元の資料2-1、「事務局説明資料(国民の安定的な資産形成とフィデューシャリー・デューティー)」と表題がついた資料に基づいてご説明させていただきます。

1枚おめくりいただきまして、まずこのテーマを議題とする背景についてご説明させていただきます。平成27事務年度の金融行政方針の抜粋がございます。ここで重点施策として「活力ある資本市場と安定的な資産形成の実現」ということで、基本的な考え方が掲げられているところでございます。

ポイントについては、もう1枚おめくりいただきまして、2ページ目をご覧いただければと思います。真ん中の3つグラフが並んでいる左側等をご覧いただければと思いますが、現状、20年近く続いたデフレ経済のもとで、1,700兆円の家計金融資産は、その大半が預金に運用されているところでございます。そこは米英と比べると、大きく違うところでございます。そのような影響もありまして、真ん中のグラフの右側にありますように、米英に比べると、我が国の家計金融資産の伸びは小さいものとなっているところでございます。

このような現状を踏まえた課題と取組みとして、一番下の3行に書いてございますが、デフレからの脱却が最優先課題とされる中、金融行政においても、資金の流れを変えることによりデフレ脱却をサポートすべく、これまで、家計、金融機関等、機関投資家あるいは投資先企業である上場企業、それぞれの主体に対して、一連の施策を実施してきたところでございます。

以下、それぞれの取組みについて簡単にご紹介するとともに、現状認識についてご説明したいと思います。

3ページ目をご覧ください。まず、これまでの取組みのその1として、家計に対する取組みでございます。NISAなどを整備して、家計における保有金融資産のポートフォリオ・リバランスというものを促してきたところでございます。

その現状といたしましては、左側のグラフにありますように、NISAの口座数と投資金額といったものは、2014年の開始以来順調に拡大してきているところでございます。ただ、その中身というか、1,700兆円の家計金融資産全体というもので見てみた場合には、右側のグラフにありますように、依然として現預金が5割を超えるなど、ポートフォリオ・リバランスが本格的に進み始めたとまでは言えないと考えております。

1枚おめくりいただきまして、4ページ目でございます。他方で、アメリカにおける家計の中長期的な資産形成に関してでございますけれども、上の箱にありますように、アメリカでは、70年代から80年代にかけて、IRA(個人向け確定拠出年金制度)や401kなどの施策を講じてきており、真ん中のグラフにもありますように、家計の中長期的な資産形成を促す施策が累次導入されてきたことを踏まえて、株式・投信等への投資割合は、80年代後半から大きく上昇しているところでございます。ここは、日本とは歴史的経緯あるいはその現状といったものが随分違っているところでございまして、このようなことは今後の課題解決の上で参考になるのではないかということでご紹介させていただきました。

1枚おめくりいただきまして、5ページ目でございます。家計への取組みのその2でございますが、金融経済教育ということで、家計のリテラシー向上といったものにもこれまで取り組んできたところでございます。箱の中の真ん中の四角にございますけれども、金融経済教育推進会議といったものも設置して、金融経済教育の多様な実施主体が適切な役割分担を行うことにより、より効率的・効果的に推進する態勢を整備して、さまざまな施策を講じてきているところでございます。他方、左下にあるものが、金融庁が行いました国民のNISA利用状況等に関するアンケート調査の結果でございますけれども、そこでは、投資を行ったことがない者のほとんどが「資産形成のためには証券投資は不要」と考えているなど、金融経済教育なり、家計のリテラシー向上といった点においては、まだまだ取り組むべき点があるのかなというのが現状認識ではないかと考えております。

1枚おめくりいただきまして、6ページ目でございます。金融機関等への取組みとして、金融機関等へのモニタリング等を通じた働きかけというものも行ってきております。そのモニタリングの結果として、「例えば」ということで箱の中に書いてございますが、投資信託や貯蓄性保険の主な販売チャネルである金融機関(販売会社)において、必ずしも顧客本位とは言えない販売実態といったものも見受けられるところでございます。例えば、投資信託であれば、売れ筋は、特定の資産に偏ったテーマ型の商品や手数料が稼ぎやすい商品といったところに寄っているということであるとか、あるいは貯蓄性保険に関して、売れ筋は、運用商品と保険商品を複雑に組み合わせた一時払い保険で、まだその保険料といったものが高水準あるいは不透明といった販売実態も見受けられるところでございます。このような良い事例あるいは他に参考にすべき事例といったものも見られるところですが、一方でこのような販売実態もあるということから、まだ取り組むべき点があるのではないかと考えているところでございます。

1枚おめくりいただきまして、7ページ目でございます。これは、機関投資家に対するこれまでの取組みでございます。例えば、GPIF等の公的年金は、従来の国債中心の運用からポートフォリオをより国内株式や外国株式にシフトさせるといった変更など、その変化は見られてきているところでございます。他方で、3つ目の四角にございますけれども、資産運用会社等については、運用あるいはスチュワードシップ活動の面で、真に顧客のために行動しているのかといったことに関して懸念があるといった指摘もあるところでございまして、このようなところが課題になってくるのかなと考えているところでございます。

1枚おめくりいただきまして、8ページ目でございます。これは、上場企業に対する取組みでございます。コーポレートガバナンス・コードあるいはスチュワードシップ・コートといったものの策定によって、ガバナンス改革といったものは大きく進展してきているところでございます。例えば、左側にありますように、コーポレートガバナンス・コードの「実施」状況というものを見れば、「実施」が90%以上となっているところが大体市場の1部・2部合計で8割以上であるとか、あるいは2名以上の独立社外取締役を選任する上場会社の比率といったものが2015年度で大きく伸びているといったことが挙げられるかと思います。今後は、ガバナンス改革を「形式」から「実質」へと深化させることが課題になってくるかと考えているところでございます。

以上がこれまでの取組みと現状認識ということでございますが、1枚おめくりいただきまして、9ページ目でございます。そのような現状認識を踏まえた今後の課題でございますけれども、上の四角にありますように、これまでの取組みをさらに深化させて、インベストメント・チェーンに含まれる全ての金融機関等が、顧客のベスト・インタレストのために行動するとのプリンシプルを定着させていくことが、家計の安定的な資産形成あるいは経済の持続的成長に資する、より良い資金の流れを実現していく上で課題となってくるのではないかと考えているところでございます。

なお、下の箱にありますように、近年、国際的には、下の「●」にありますように、インベストメント・チェーンに含まれる全ての者が、顧客のベスト・インタレストのために行動することが重要といったことが提言されたり、あるいはルール化されたりといったことが国際的な動向になってきているところでございます。

以下、その国際的な議論の動向について、簡単にご紹介させていただこうと思います。

10ページ目でございますけれども、まずアメリカの動向として、ちょっと古い話でございますが、米国のエリサ法、ご案内のとおり、企業年金の加入者が有する受給権の保護を目的として、1974年に制定された企業年金を包括的に規制する米国連邦法でございます。ここでは、箱の中にありますように、投資アドバイザーや投資マネージャーは、委託者であるアセットオーナーに対してのみならず、最終受益者(年金受給者)に対しても、フィデューシャリーとして、直接フィデューシャリー・デューティーを負うということが規定されたところでございます。

企業型年金であれば、図にありますように、直接の委託・受託関係にある委託者であるアセットオーナーに対して、受託者である投資マネージャーがフィデューシャリー・デューティーを負うということのみならず、アセットオーナーも最終受益者(年金受給者)に対してフィデューシャリー・デューティーを負うとされるとともに、投資マネージャーも最終受益者に対してフィデューシャリー・デューティーを負うとされたところでございます。

また、個人型年金に関しても、定期的に投資アドバイスを行う投資アドバイザーに関しては、年金受給者に対して、直接の委託・受託関係にはないとしても、フィデューシャリーとなり、義務を負うということが規定されたところでございます。

続きまして、11ページでございます。アメリカにおけるエイボン・レターと言われているものでございますが、労働省がエイボン社の企業年金からの質問に対して発出した回答書でございまして、この中で、年金基金が保有する株式の議決権行使も、エリサ法上のフィデューシャリー・デューティーの対象となる行為であるということがこの回答書の中で明確化されております。すなわち、年金基金の運用だけではなくて、その保有する株式の議決権行使もフィデューシャリーとしての義務の対象となるという意味で、その範囲が広がったというところでございます。

さらにもう1枚おめくりいただきまして、12ページでございます。これは最近の話でございますが、米国労働省のフィデューシャリー・ルール案といったものでございまして、問題意識・改正の目的という箱の中に書いてございますが、現状、エリサ法におけるフィデューシャリーに該当する投資アドバイス提供者の範囲が狭く、投資家に対する利益相反行為等からの保護が不十分であるという問題意識に基づきまして、下の改正案の概要に書いてございますが、フィデューシャリーの範囲を見直して、定期的でなくとも、年金受給者に投資に関するアドバイスや推奨を行う者は、原則としてフィデューシャリーに該当する。その結果、ブローカー・ディーラー等にも、フィデューシャリー・デューティーが課されるといったことで、さらにフィデューシャリー・デューティーの対象範囲が広がっているというのが米国の動向になっているところでございます。

一方、欧州の動向についてでございます。1ページおめくりいただきまして、13ページでございます。まず、英国のケイ・レビューというものをご紹介しております。これは、英国政府から要請を受けたジョン・ケイ教授が取りまとめて2012年7月に公表した、英国株式市場の構造的問題等に関する調査・分析レポートでございます。

その中で、原則5というところで、インベストメント・チェーンの全参加者が、顧客との関係においてfiduciary standardsを遵守すべきであるとされ、その中身としては、顧客の利益を最優先すること、利益相反状態を避けるべきことなどが掲げられております。それを踏まえて、提言として、欧州連合及び各国の規制当局は、他人の投資に関する裁量権を持ち、または投資の意思決定に関し助言を行うインベストメント・チェーンの全関係者にfiduciary standardsを適用すべきといった提言がなされているところでございます。

それとは別に、2007年に施行されている欧州のMiFIDでございますけれども、ここでも、箱の中にありますように、欧州連合の各加盟国は、投資会社が顧客に対して投資サービスを提供する際には、顧客のベスト・インタレストに従って、誠実、公平かつ専門家として行動することを求めなければならないといったことが規定されているところでございます。

続きまして、国際機関の動向でございます。1枚おめくりいただきまして、14ページでございます。2011年10月にOECDにおいて「金融消費者保護に関するハイレベル原則」といったものが策定されております。これは、G20ソウルサミットの要請を受けて、金融消費者保護を目的として、既存の国際金融に関する原則やガイドラインを補完するものとして策定されたものでございます。

原則3の箱の下に書いてありますように、このハイレベル原則の対象となるのは、金融サービス提供者、市場において金融商品・サービスを提供する全ての者と、委任代理人として、金融サービス提供者のために、または独立の立場で活動する第三者として、ブローカー、アドバイザー及び仲介者を含むとされておりまして、そういう幅広い金融サービスあるいはインベストメント・チェーンに関与する幅広い金融機関に対して、このような原則を適用するべきというものが策定されているところでございます。詳細は省略いたしますが、例えば原則3であれば、顧客の公平・公正な取扱いということで、全ての金融消費者は、金融サービス提供者との関係の全ての段階において、公平、誠実、公正に取り扱われるべきといった原則が策定されております。また、原則4の情報開示、透明性といったところでは、金融サービス提供者及び委任代理人は、顧客に対して、基本的な利益、リスク及び商品の条件に関する重要な情報を提供すべきといったことが提言されているところでございます。

1枚おめくりいただきまして、原則6におきましては、金融サービス提供者及び委任代理人の責任ある業務活動ということで、金融サービス提供者及び委任代理人は、顧客のベスト・インタレストを図らなければならないといったことが提言されているところでございます。

このようなものがOECDのほうでもハイレベル原則として策定されております。また、G20とOECDのコーポレート・ガバナンス原則においても、同様の議論がなされているところでございます。このような動向も参考にしつつ、このワーキング・グループにおいてご議論をいただきたいと考えております。

最後、もう1枚おめくりいただきまして、16ページ目として、このような課題認識と国際的な動向を踏まえた上で、事務局として考えた、市場ワーキング・グループにおける今回のこのテーマに関する検討課題というものをまとめさせていただきました。

まず、国民の安定的な資産形成ということで、国民の安定的な資産形成や経済の持続的成長に資する、より良い資金の流れを実現していくことの意義は何か、またその実現のためには何が必要かといったことに関して、米英で良い資金の流れが実現してきた背景なり経緯なりといったものを踏まえてご議論いただいてはどうかと考えております。

また、金融商品の販売等に関しては、どのような金融商品・金融サービスがどのように提供されているか、金融商品の製造・販売等の担い手に関する我が国の構造的な特徴についてどのように捉えるか、商品の販売等をめぐる利益相反関係や情報の非対称性等についてどう考えるのか、顧客本位の業務運営のプリンシプルあるいはルールのあり方や、それらを定着させるための取組みについてどう考えるかということに関して、諸外国における実態とか、あるいは諸外国におけるプリンシプルやルール、その適用の状況といったものも参考にしつつご議論いただいてはどうかと考えているところでございます。

それから、機関投資家、これはアセットオーナーとアセットマネージャーの両方の立場があろうかと思いますけれども、それらが最終的な資金の出し手(年金受給者など)のために役割を果たすことの重要性についてどのように考えるか、資産保有者・資産運用者による運用の高度化をどう図っていくか、資産保有者・資産運用者による責任あるスチュワードシップ活動をどう確保していくかといったことについて、海外機関投資家による取組みの状況なども踏まえてご議論いただいてはどうかと考えております。

ただ、最後のスチュワードシップ活動のところに関しては、別途スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議において議論していただいている内容と大きく重複するところがあろうかと思いますので、その会議におけるご議論といったもののインプットも受けながらご議論していただいてはどうかと考えているところでございます。

最後、このような金融関係業者あるいは機関投資家といったところのみならず、最終的な資金の出し手であるところの個人の金融リテラシーの向上といったことも重要かと考えております。そのような観点から、金融経済教育について、より実効性を高めるための方策についてどう考えるか、あるいは職場積立NISAや確定拠出年金の機会等を活用した教育環境整備をどう図っていくべきかといったことについても検討課題かと思っております。ただ、このような点に関しては、別途有識者会議を設置して議論することを検討していきたいと考えておりまして、その検討結果をこのワーキング・グループに報告いただいた上でご議論いただければと考えているところでございます。

このような検討課題の案を考えさせていただきましたが、このようなことも踏まえてご議論いただければと思います。私からは以上でございます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

このテーマについて、本日は初めてのご議論をお願いすることになります。事務局からは、なぜこのテーマについてご議論をお願いするかということについてのご説明が今あったと思います。そこで、本日は第1回ということになりますので、現状の認識、それから最後のページにあります、今、齋藤課長からご説明がありました、今後この会議で検討していくべき課題等について、幅広くお気づきの点を皆様方からご指摘いただければと思います。

それで、あと残りの時間は、皆様方からご質問、ご意見をお出しいただきたいと思いますけれども、本日はご出席いただいている皆様方の数が大変多くなっておりまして、大変恐縮ですけれども、まず手を挙げていただくということで、私は気がつくとは思うのですけれども、もし私が気がつかないようでしたら、名札を立てていただいて、それでご発言が終わったら、また戻していただければと思います。それから、各ご発言は、できれば手短にお願いし、何度ご発言いただいても結構ですが、1回のご発言は手短にお願いし、多くの方に多くの回数ご発言をいただければと思います。

ちょっと余計なことを申し上げましたけれども、どなたからでも、どの点についてでも、ご質問、ご意見あるいはご提言、どういうことでも結構でございますので、お願いいたします。いかがでしょうか。どうぞ、横山委員。

【横山委員】

日本郵便の社長になりたての横山でございまして、先週の月曜日まで三井住友アセットマネジメントの社長をしておりましたので、委員の皆さんの中で、まさに業界に携わっているのは私だけではないかと思っておりますので、ちょっとまず感想から申し上げますけれども、先ほど齋藤課長のご説明の中の5ページのところです。金融・投資知識に対する考えというところで、「投資教育を受けた経験なし」71%、そして「知識を身に付けたいと思わない」67%という数字です。これはまさに、これが今の投資信託マーケットの現状だと思うのです。100兆円にも満たないマーケットになっている。これがずっと変わらない。一方で5割を超える現預金、私の立場からは現貯金と言いたいのですけれども、この900兆円の大きな山がある。その2割は私のところにあるわけですけれども、そこをどう動かしていくかということなのですけれども、やはり、貯蓄から投資というお話ですけれども、投資という言葉がどうもうさん臭いのではないかということなのでございます。これが、この5ページの資料にあるとおり、「知識を身に付けたいと思わない」というところにつながってくるのではないかと思います。ですから、まず商品の説明よりも先に、この教育、自分の将来に向けた資産形成のあり方という教育を受ける機会を業界として提供していかないといけないということは、私は社長をしていた2年余りの経験でつくづく感じたところでございます。そのためにも、運用会社自身が、我々のお客様は、銀行や証券という販売会社ではなくて、その向こうにいる個人投資家の皆さんだということを理解することが必要でありますし、そのために透明性、それからわかりやすい説明ということが必要だと思います。どうしても金融商品というのは、情報の非対称性というものがございますので、わかりやすい言葉でこのリスクの所在等々について説明する、あるいは商品についても、三井住友アセットマネジメントでは始めたところですけれども、ホームページで全ての商品について外部の評価機関のレーティングを出しているといったことで、なるべく多くの情報を提供していくということが必要なのではないかと考えております。

すみません、ちょっと長くなりまして。

【神田座長】

いえいえ。どうもありがとうございました。

それでは、池尾委員、永沢委員、大崎委員の順で、池尾先生、お願いします。

【池尾委員】

ありがとうございます。一般的に言って、金融取引とか金融商品が複雑化して、横山委員もおっしゃった、情報の非対称性等の問題が深刻化するということがあるので、インベストメント・チェーンを担っている人たちには顧客に対する踏み込んだ対応をしていただく必要があるという問題意識自体は、そのとおりだと思います。それでちょっと考えていて思い出したのですけれども、2008年に「金融サービス業におけるプリンシプル」というのを金融庁は発表していますよね。それで、その直後にリーマンショックがあったりして、何かちょっとそのプリンシプルが忘れ去られて、私も忘れていて、思い出したという感じなのですが、既に我が国には金融サービス業におけるプリンシプルというのは存在しているのです。ちょっと調べてみたら、そのプリンシプルの3番目などには、「利用者の合理的な期待に応えるよう必要な注意を払い、誠実かつ職業的な注意深さをもって業務を行う」という内容になっているのです。だから、これを定着させていけばいいだけという感じで、繰り返しになりますが、リーマンショックがあったりして、ちょっとせっかく設定したプリンシプルが実際に生かされてこなかったのかもしれないので、そこをフォローアップして、定着するように、ないしはプリンシプル自体を改定する作業を行っていくということで、今日のテーマは新しいテーマではなくて、もう10年ぐらい、実は取り組んでいるテーマではないかなと思いましたということです。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

それでは、永沢委員、どうぞ。

【永沢委員】

ありがとうございます。私は、資料の他の箇所についてもいろいろと思うところはあるのですが、本日は時間も限られておりますので、6ページについて意見を申し上げたいと思います。

大きく3点なのですけれども、まず第1に、運用業界のほうで顧客の利益を第一に考える姿勢を明確に打ち出されている運用会社さんが増えていることは大変喜ばしいことだと思っております。今回のワーキング・グループでは、組成・運用するところだけではなく、最終的に投資家の手元に金融商品が来て、その効用を投資家なり私たち消費者が享受しているわけですけれども、その製造から販売、サービスの提供というサービス全体をインベストメント・チェーンと呼んで、全体をより良いものにして、真に国民の資産形成に資するにはどうしたらいいかということを長いスパンで考えていこうというお話をしようとされるものだということで、その方向性は高く評価できるということをまず1点申し上げたいと思います。

2点目なのですけれども、私は投資家ですので、その立場から申し上げますと、投資商品を提供してくれている金融機関に支払うコストを差し引いたものが手取りのリターンでございまして、手数料が多ければリターンは減るという関係にございます。一方で、事業者は、金融機関は民間企業ですから、もうけたいと思うのも当然でして、もうけるなとは言えない。しっかりもうけていただいても結構なのですけれども、その利益が顧客を犠牲にしたものであるというのはいかがなものかという議論がずっと続いているのではないかと思っております。投資家のほうに事業者との間に利益相反という問題があるということの認識が希薄であるという、これは金融経済教育の分野での問題になるかもしれませんけれども、その問題があるということはあるのですけれども、それはさておき、今回は事業者のほうでどのような取組みをされたらいいのかというところにフォーカスして、フィデューシャリー・デューティーという視点が出されているのではないかと思います。

このフィデューシャリー・デューティーなどというのはよくわからないし、こんなよくわからない概念を持ち出してどうかという声があることは私自身も聞いております。しかし、ルールを厳しくするということがあまり問題解決になっていないということを最近見聞きした事例を一つ紹介させていただいて、問題解決の近道としては、ルール(法的義務)ではなく、デューティー(プリンシプル)なのだろうということをご紹介させていただきたいと思います。

数年前に複雑な仕組みの投資信託が売られて社会問題になりました。そこで、証券業協会には高齢者ルールをつくっていただいて、ルールでそういった動きを是正するためのご対応をいただいたわけですけれども、実際、そうたくさん起きているわけではありませんけれども、そういう高齢者ルールから外れているレバレッジ型のETFを信用取引で高齢者に売るという動きが起きています。結果的に、短期間でお客様の資産の数分の1が手数料で消える。取引そのものからの損益はほぼとんとん。証券会社の方は、お客様には損をさせていないと事業者は言われるわけですが、結果的に投資家は大きく損をするということが起きているわけです。私がここで申し上げたいのは、個別事例をあれこれ言うつもりはないのですけれども、結局ルールで厳しく定めても、ルールの穴のあいているところを突いてくるという動きは避けられない。ルールで問題をすべて解決するというのは大変難しく、高齢者や判断力の弱い弱者のところに被害が集中するということが起きるということを考えると、ここはルールではなく、顧客の利益とのバランスを考えたもうけを考える姿勢を業界のほうで文化としてつくっていっていただくしかないと、これを時間をかけてお願いするしかないと思っております。

ではこれをどうするかということなのですけれども、品格のあるもうけ方をしていただくための文化をつくるにはどうしたらいいかということを申し上げたいと思います。今回の資料の中でもご提案がありましたけれども、資産形成型の商品、投資信託に限らず、今いろいろなものが資産形成型の商品として組成されて販売されていますけれども、こういったものについて、それに付随したサービスがいろいろあるわけですけれども、どういうサービスを顧客に提供して、どれだけの利益を得ているのかということを見える化していただくことが必要で、おそらく販売金融機関では数字の管理はされていると思うのですけれども、顧客の損益の状況と会社側、販売員側の利益とのバランスを振り返るといったことを文化としてつくっていただく必要があるのではないかと思っておりまして、おそらくそういう体制はできていると思うのですけれども、より一層このあたりを手当てしていただくと、おのずとそのような文化はできていくのではないかということを申し上げたいと思いました。

最後に、長くなりましたが、もう1点、投資信託だけではなくて、特に最近は一時払いの保険で今申しあげたようなことを感じることが多うございまして、投信だけの問題ではないということを最後に申し上げて、終わりにさせていただきたいと思います。以上でございます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

それでは、札の順で、大崎委員、神作委員、福田委員の順で、大崎委員、どうぞ。

【大崎委員】

ありがとうございます。もしかしたら後で別の論点についてまた発言させていただくかもしれませんが、とりあえず16ページの検討課題で挙げていただいた課題のうち、国民の安定的な資産形成につながるような流れがどうして米英で実現して、日本ではいま一つなのかということについて、ちょっとコメントをしたいと思います。

私は昔ちょっと調べましたら、1960年代、投資信託が株式市場で非常に大きな位置を占めて「池の中の鯨」などと言われていたころ、日本の個人金融資産に占める投資信託の割合は、実はアメリカよりも高かったのです。ですから、アメリカ人が昔から投資信託をたくさん持っていて、日本人は全然そういうものに近づかなかったというのは全くの迷信というか誤解でありまして、そういう事実はないのです。ではどうしてアメリカではその後ものすごく投資信託が普及し、日本では40年証券不況というので、そのときに投資信託が大変なことになったりして、いろいろ良くないこともあって、その後信頼を失って云々ということになるわけなのですが、ではアメリカのほうでは何で伸びたのかというのは、もう事務局にご説明いただいたこの401kとか、IRAとか、そういった制度が大きく寄与したことは間違いないと思います。そうすると日本ですぐ出てくる議論が、そうしたら日本でも確定拠出年金制度というのがあるのだから、もっとそれを拡充したらいいではないかという話が出るのですけれども、私は率直に申し上げて、日本の確定拠出年金制度を大幅に拡充するというのはちょっと問題だろうと思っております。それは、アメリカの制度が、基本的には税引き後の所得について、401kは違いますけれども、アメリカの場合は、ただ受け取りのときに課税されるとか、それからIRAなどですと税引き後の所得について拠出が認められるとかになっているのに対して、日本のほうは、税引き前の所得から拠出して、受け取りのときも、年金所得ということになりますと非課税部分が非常に大きくなるという性質がありますので、全く課税されない部分が非常に大きくなるというので、確定拠出年金制度は大幅拡充が難しいのではないかと個人的には思っております。なので、税引き後の所得からの何らかの優遇措置が認められたようなものを思い切った金額で、それこそ生涯でいけば数千万円といった思い切った金額の運用をある程度非課税で可能にするような、課税の繰り延べと言ってもいいと思うのですが、制度が必要だと思っておりまして、一口に言えば、NISAの拠出額を大幅に拡充した上で恒久化するということだと思うのですが、これは非常に重要だろうと思っております。

それからもう一つ、私は毎年アメリカのリテール金融ビジネスの調査と称していろいろなところへ行って、証券会社の営業はどんなことをやっているかとか、そういうのをヒアリングしているのですが、リーマンショックがありまして、そのとき私どもは一番関心があったのは、それまでアメリカでファイナンシャルプランニングだ、アセットアロケーションだとすごく教科書どおりの話をいっぱい聞かされていて、でもリーマンショックで暴落してしまって、みんながっくりして、そんなことは忘れたのではないか、もう恐慌状態になって口座を解約しているのではないかと思って聞きに行きましたら、向こうの人が言うには、みんな、要するにアセットアロケーションをがっちり基本を決めてやっていて、株が大幅に下がったので、株を買い増ししているという説明だったのです。「長期投資だから、去年のリターンがマイナス20%になったというようなことでそんなに動揺しているお客さんは多くない。我々としては、ショックはショックだけれども、何年かすればリカバーするということを一生懸命説明している」といった、これまた非常に教科書的な話を聞かされまして、ただ、うそではないと思うのです。顧客のリテラシーがかなり向上していて、かつ証券会社や金融機関との信頼関係も深いために、そういう一時的な上がり下がりに一喜一憂しないという基盤があるのかなと思いました。

日本では逆に、今回株価が非常に下がっておりますけれども、そうすると、公的年金の含み損が出ているから、株式への投資を減らしたほうがいいのではないかという議論が、かなり有識者と言ってよいような方からも出てくるという非常に情けない状況でありまして、ここを国を挙げて変えていかないといけないなということを思っております。その観点からは、これは私は前にもいろいろな場で言っているのですけれども、まずはこの部屋におられるような金融に関心があり、ある程度リテラシーが高そうな皆さんが、まずは自分が積極的に投資信託とか株式に投資するということ、これが非常に重要だと思っております。ところが、各種役所とか企業などは、投資に関するややこしいルールがいっぱいあるのです。例えば、私の会社でも、上場株の投資をする場合は事前に届出をするということになっておりまして、私からしますと、何で上司に自分がどの会社に興味があるか言わなければいけないのだ、全くプライベートなことではないかという思いがありまして、こういうことをやめていかないと、何か投資というのは後ろめたいことで、本当はやらないほうがいいのだといった思いをみんなが持ち続けるのではないかなと思います。

すみません。以上でございます。

【神田座長】

ありがとうございました。

それでは、神作委員、福田委員、鹿毛委員、横山委員の順でお願いしたいと思います。神作委員、どうぞ。

【神作委員】

ありがとうございます。本日のテーマである「国民の安定的な資産形成とフィデューシャリー・デューティー」、この両者の関係ですけれども、英米の発展等を見ても、国民の安定的な資産形成にとって、フィデューシャリーという考え方が少なくともプリンシプルのベースとして確立しているということが望ましく、後者が前者の基礎となり得ると考えております。

フィデューシャリーの考え方が特にプリンシプルとして重要な理由としましては、本日の資料の9ページ目にございますけれども、資産保有者と資産運用者の間にはインベストメント・チェーンに様々なプレーヤーが介在することになります。さらに、資料の図における資産運用者の後ろには最終投資家、最終受益者が存在することになると思いますけれども、日本にはフィデューシャリーに似た観念として、例えば信義則がありますし、契約上フィデューシャリー・デューティーと同様の善管注意義務や忠実義務が認められる場合もございますけれども、インベストメント・チェーンが長く複雑化していく中で、現在、フィデューシャリーについて改めて議論するに当たっては、フィデューシャリー・デューティーによって最終的な保護されるべき者というのが、顧客ないしは直接の契約相手というのではなくて、最終投資家にあるという点を認識して議論し直すということが重要であると思います。

フィデューシャリーについては、これまでも日本でもいろいろな議論があったということは先ほど池尾先生がご指摘されたとおりでありますし、資料の中にもフィデューシャリーの中身についてはほぼ尽くされているのではないかと思います。大きく2つあると言われておりまして、注意義務と忠実義務と言われるものです。注意義務は、各フィデューシャリーが専門性を発揮するとともにプルーデントに行動することが中核となります。プルーデントというのは、昔は「慎重な」と訳されることもあったかと思いますけれども、最近は「思慮深い」、まさに専門家の知識をフルに活用して思慮深く行動するということだと理解されています。これに対し、忠実義務のほうは、利益相反の問題に気をつけて行動することが中心となります。利益相反をできるだけ回避し、利益相反の状況に至ったときには開示する。こちらのほうは場合によってはルールベースないしは法令の措置が必要となる場面が生じるかもしれませんけれども、基本的には、プリンシプルの考え方、すなわち最終の投資家に対して、注意義務と忠実義務を――義務と申しますとちょっと法的になってしまいますけれども、少なくともプロフェッショナルである金融機関の行動規範としての注意義務、忠実義務に従って行動することがポイントになります。そのような行動規範をプリンシプルという観点からまずは議論をしていくことが望ましいと考えます。そして、必要に応じてルールとして見直すべきところが出てくるかもしれませんけれども、まずはプリンシプルベースでフィデューシャリーの考え方について議論していただければと思います。具体的に、ではこのプリンシプルの定着についてどのような問題があるかということについては、もしまた後ほど機会があったら、少し考えを述べさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

それでは、福田先生、どうぞ。

【福田委員】

ありがとうございます。私は、事務局に提示していただいた論点というのは、おおむね適切なものばかりだと思っております。ただ、池尾先生からご指摘があったように、こういう議論をかなり昔からそれなりにはやっていて、全く成果が上がっていないとは私は思っておりません。一定の成果は上がっているとは思います。しかしながら、大きく見ると、貯蓄から投資という言葉が適切かどうかは別として、進んでいないという問題があるという意識を持つことは大事だと思います。

そういう意味では、例えば5ページのように、知識の考え方に関するアンケートも、16年分だけではなくて、過去のものと比較して、どう変化しているのか、変化していないとすれば何が問題なのかということを時系列的なチェックも重要なのではないかとは思います。過去に個々のいろいろな取組みをやったのだけれども、成果が上がっているものもあれば、ないものもあるとは思うのですけれども、そういうことをチェックも重要なのではないかとは思います。

それからもう1点だけ。現在でも非常に広いテーマなので、さらにテーマを広げるような発言はあまり好ましくないかもしれないのですけれども、資産選択といった場合に、金融資産だけの資産選択という概念でいいのかということは重要な問題です。経済学でも、CAPMのようなものに対する最大の批判というのは、金融資産だけを選択しているわけではなくて、いろいろな形での資産選択を個人はやっているのだという批判です。特に日本の多くの家計の場合、一番大きい資産というのは、実は金融資産ではなくて、不動産のようなものというのは資産の中では非常に大きなウエートを占めていて、これが非常に特異な資産、すなわち非流動的な資産だということです。普通の株などよりも、分割して売ることもできないし、そこに住んで常に利用していなければいけないということがあるとは思います。他方で、そういう不動産が相続されたりはしているのですけれども、実際的には有効活用されないで中古住宅のような形で大量に残っている。あるいは、ご老人とかで、金融資産は少ないのだけれども、実物資産はたくさん持っており、それがなかなか流動化できなくて困られている方もいらっしゃるということが実情としてはあります。

アメリカなどのリーマンショックの後でも、最近の研究では、金融資産の暴落よりも不動産の暴落のほうが影響は大きかったことが指摘されています。これは「House of Debt」というベストセラーになった本もありますので、もう少し幅広に資産選択を考えて、狭い意味での金融資産にあまり限定し過ぎないで考えるという視点もそれなりに大事なのではないかなとは思います。

以上でございます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

それでは、鹿毛委員、どうぞ。

【鹿毛委員】

ありがとうございます。私は、企業年金連合会も含めて、年金サイドと資産運用の仕事に長年携わってまいりましたので、そういう現場で悩んだり考えたりしてきたことを少しご紹介したいと思います。そういう意味で、念のためですが、これは現在とか過去のいろいろな職場でのものではなく、個人的な意見であるということを最初にお断りしておきたいと思います。

今回のこの委員会のテーマは、おそらく今の日本の金融ビジネスのあり方、それを今後どういう形で改善していくか、あるいは国際競争力を持たせていくかといった観点に関係のある非常に重要なテーマで、またタイムリーなものだと思いますので、ぜひ何らかの形で意味ある成果が出るように大いに期待しています。

そういう意味で、ここで非常によく整理された問題提起がありましたが、私なりに、特にフィデューシャリー・デューティーの観点から整理してみたいと思います。英米でフィデューシャリー・デューティーの問題を議論する場合、3つの段階を経てきていると思います。私は、法律は素人ですが、英米法の世界では、トラストという制度があります。委託者から受託者に資金を委託して、それが第三の受益者のために、例えば大学の運営に使われるとか、孤児の授業料になっていくとか、広く社会一般の、生活に根差したトラストという制度がまずあって、それが国民の文化といいましょうか、生活の中にかなり定着してきた歴史がまず第1段階としてあるのではないか。その次に、それを踏まえた、いわゆるエンフォースメントといいますか、法規制、特にエリサ法に示されるような、かなり強力な法規制があります。しかもこれは、年金のような長期の資産形成に関する政府の税優遇など政策と結びついた形で法規制があるというのが、第2段階です。それから、先ほど事務局からもご説明がありましたような、直近に至って、むしろそうした狭い意味での年金等の法規制から、もっとそれを広げていこうということになってきたのが、第3段階です。

翻って日本のことを考えますと、トラストとかフィデューシャリーとかという概念そのものが歴史的にもかなり希薄と思います。トラストについては信託という言葉がありますが、海外で行われている実態とはかなり差があるようです。第1段階のトラストとかフィデューシャリーという社会通念の確立という面で、かなりの差があるのではないかと思います。つまり、第1段階の基本理念がまだ必ずしも十分社会に定着していなくて、したがって、今回のキーワードであるフィデューシャリー・デューティーというのは、もちろん一部で受託者責任といった日本語があることはあるのですが人によって理解がかなり違っていると思います。

今回、事務局がご説明された通り、最終的にはこの第3段階も含めた方向性を出していくということが本WGの目的と思いますが、この第1段階、第2段階の議論を土台として、第3段階の有効な議論が出来るのではないかと思います。日本においてこの第3段階まで含めて意味のある施策が定着していくためには、文化を変えていくぐらいのかなりの大事業で、多分5年とか10年とかはかかるものと思います。一方では、現時点で第1段階、第2段階、第3段階について、それぞれ有効な施策が必要かと思われます。言いかえますと、この3段階全体を含めた時間軸をどう考えて、その中で当WGがどこまで方向を出すか、といった点も実は大事だと思います。

この点に関して、第1段階の社会におけるトラストとかフィデューシャリーといった、日本では歴史的にはあまりなかったような概念が、非常に国際化された今日の証券・金融市場の中ではかなり大事なことになってきて、それが今後の資産運用業等については決定的な成功要因になってくると思われますので、当WGにおいてまず最初に、トラストとかフィデューシャリーという概念を現時点の我が国においてどう考えて、それを日本の社会の中でどうやって定着させていくかという点についてしっかり議論して頂くとよいのではないのかと思います。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

それでは、横山委員、上田委員、加藤委員、竹川委員の順で、横山委員、どうぞ。

【横山委員】

2回目でございますので、短くお話を申し上げます。先ほど永沢委員から大変心を打つお話がございまして、品格のあるもうけ方、そして資産形成にふさわしい商品の提供といったお話があったかと思いますけれども、これを考えるときにいつも私は思うことがあります。総務省の携帯電話の手数料に関する審議会で3つほど問題が提起されて、一つは手数料体系がわかりにくい、もう一つは長期の保有者に対するメリットが少ない、それから3つ目は少額利用者に対するメニューが少ない、たしかそういう3つの論点だったと思いますけれども、我々の商売に当てはまるような論点だなと思いました。携帯電話という国民に広く普及したような商品でそういう議論が起きた。ところが、我々はまだこれから、鹿毛さんの言葉をかりれば、定着させるための段階のものだと思いますけれども、ここを我々は大事にしていかなければいけないと思います。品格のあるもうけ方について申し上げますと、先ほども若干触れましたとおり、私は、若年初心者に対する資産形成、長期の資産形成、長期保有者に対するビジネスモデルというものをどうつくり上げていくのかということが非常に重要であって、そこでNISA、DCについては、制度の拡大を金融庁としてもおやりいただいたので、我々としては利用してまいりますけれども、この恒久化等についてはさらにお願いしたいのと、こういう中で資産形成を普及させていく上で、先ほど言いましたとおり、情報の非対称性があるのと同時に、言葉が難しいのです。業界用語、法律用語、そしてこのような言葉を目論見書に入れていく必要があるのですが、そもそも目論見書という言葉自体が誰も読めないですよね。ですから、こういう言葉も平易な言葉にかえていく必要がある。そういうことによって国民への定着を図っていく。フィデューシャリー・デューティーの中で、私は、わかりやすさというのは基本だと思うのですけれども、こういったものをこの場でもご議論いただくとありがたいと思います。

【神田座長】

ありがとうございました。

上田委員、どうぞ。

【上田委員】

ありがとうございます。ちょっと全般的なところで何点か申し上げさせていただければと思うのですが、この会議は、16ページの検討課題の一番上の「国民の安定的な資産形成や経済の持続的成長に資する、より良い資金の流れ」、これが大きなお題目であろうかと理解しております。こういった、特に経済の持続的成長というところになりますと、多分、長期的な投資資金というものがGDPを稼いでくれる主体のところに回っていくということをいかに環境整備するかということだと思っています。それが株式投資なのか、債券の投資なのか、あるいは融資等なのかはわかりませんが、そういう流れであろうと思っております。ただ、他方で、この会議のおそらくもう一つの主眼である個人投資家と言っていいのでしょうか、その観点から見ますと、もちろん個人の投資家さんは、年齢とか、それぞれの状況に応じて、長期、短期、中期、それぞれの資金または株式投資以外も含めて、いろいろな商品は必要なのだと思っています。そういうバランスをいかにとるかという話なのかなと思っています。

そういった中で、特にインベストメント・チェーンということで、特に株式投資あるいは金融商品の投資といったところから見ると、2ページ目にあるのですが、インベストメント・チェーン全体を使って、チェーンの資金の出し手である個人の長・中・短の短期をいかに長期的資金として経済を伸ばしてくれる主体のところに投資していくかという話だと思われます。ところが、このインベストメント・チェーンというものが、実はこの絵を拝見して私自身が混乱したところがあるのですが、従来は、いわゆるフィデューシャリー・デューティー、人の資産を預かる者の責任、義務といったところのつながりだと理解しておりました。典型的に言うと、受益者、アセットオーナー、アセットマネージャーの流れかと思います。ただ、今般フィデューシャリー・デューティーの結びつきあるいはインベストメント・チェーンの理解というのは相当拡大しておりまして、その各要素、アセットマネージャーとかアセットオーナーの間をつなぐ仲介機関、例えば商品の販売会社とかブローカーとかを含めて、そういったものの一連の流れを見ていく必要があるのだろうと思っています。

なぜ私がこのようなことを言うかというと、別途出させていただいているフォローアップ会議のほうでは、この仲介業者の議論というのはほとんどなくて、あれはスチュワードシップの責任ということなのですが、スチュワードシップの責任というのは、かなり限定的に機関投資家にフォーカスした議論になっているわけです。仲介業者の議論というのは、多分一部コンサルタント等を含めて、ほとんど出てこない。ところが、本件個人投資家の話になると、この金融仲介機関の話、販売会社、投資信託あるいは保険等の設計業者、あるいはブローカーを含めて、そういったところは相当意味を持ってくるといったところで、正直申し上げて、同じ役所で出されている議論や源流にある日本再興戦略の文脈中で、一つのインベストメント・チェーンの捉え方が微妙に違うような気がしております。したがって、このあたりでは、金融仲介業者は大変重要であるというのはごもっともなので、それをぜひ共有のものとしていただければいいのかなと思います。そうしませんと、ちょっと理解できないところが出てきて、ある議論をしていましたら、では販売会社はスチュワードシップ・コードと関係するのですかと、関係しないと私は思うのですけれども、そういうことすら出てくるのではないかと思うので、ここを少し整理していただければいいのかなと思った次第です。

ありがとうございました。

【神田座長】

どうもありがとうございました。先ほど事務局からご説明がありましたけれども、フォローアップ会議とも連携させていただいて進めたいと思います。

それでは、加藤委員、竹川委員、神戸委員の順で、加藤委員、どうぞ。

【加藤委員】

ありがとうございます。私も、今日いただいた資料の2ページについて、2点ほどコメントをさせていただきます。

1点目は、株式投資などの投資割合が我が国はアメリカやイギリスに比べて低いということで、この割合をもう少し高くするにはどうしたらよいかということなのですけれども、その際の視点として、投資家の年齢というか、要は世代というものも考えなければいけないのではないかと思います。つまり、ある程度の高齢者の方を想定した場合に、現在のリスク資産に対する投資の量というものは実はさほど少ないとも言えないのではないかという気がいたしております。ですから、これは可能かどうかわかりませんけれども、若い世代が比較的早期からこういった金融投資に対してなじめるような仕組みというものをつくっておくことがおそらく重要なのだろうと思います。

2点目は、インベストメント・チェーンの話であります。これは先ほど上田委員がおっしゃったこととも関連するのですけれども、フィデューシャリー・デューティーというのは、永沢委員もおっしゃった通り、実はわかりにくい概念なのだと思います。ただ、わかりにくい、もしくは曖昧であるということが実はフィデューシャリー・デューティーの一番いいところでありまして、つまり、個別具体的な事情において、フィデューシャリーとされた者はどういった行動をすべきであったかということを司法判断や行政措置などによって具体的に決めていくことができるということ、これがフィデューシャリー・デューティーのいいところだと思うのです。ですから、重要なのは、インベストメント・チェーンに位置づけられている個々の金融業者の果たしている役割に応じて、フィデューシャリー・デューティーというものが命じる中身というものは当然異なってくるわけで、それはインベストメント・チェーン全体として議論するというよりは、個々に位置づけられている業者の方に一体どういう行動をとってもらうことが社会全体にとって望ましいかということを個別の業者の役割ごとに論じていくということが非常に必要なのではないかと思います。

以上です。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

それでは、竹川委員、神戸委員、黒沼委員、島田委員から名札を立てていただいておりますので、竹川委員、どうぞ。

【竹川委員】

私は、(この中では)個人投資家さんとおつき合いが一番あると思いますので、個人投資家の立場から意見を述べたいと思います。

まず、フィデューシャリー・デューティーですが、用語がわかりにくいし、まず言えないし、意味がわからないということで、前提としてまだ浸透していないのかなとは感じます。

ただ、先ほどご意見が出ましたけれども、基本的にフィデューシャリー・デューティーというのは概念なので、それぞれの金融機関がそれぞれの役割に沿って、どういう立場で最終投資家のために何をしたらいいのかを考えて、アクションプランを立てて行動していくというのが、本来の姿だと思っています。フィデューシャリー宣言をかなりの金融機関がなさっていますが、一部を除いて、アクションプラン、また実行する期限等を開示している会社がまだ少ないので、具体的に何を考えてどういう行動をとっていきたいのか、いつまでにどういうことをしていくのかを開示していただいたほうが、投資家サイドから見ると、この金融機関が取り組もうとしていることがはっきり具体的にわかるのではないかと思います。

また、例えば投資信託をとってみると、運用会社が販売会社の100%子会社だったりするケースもあるわけで、その場合に、最終的に受益者や顧客を見るのか、あるいは親会社のほうを見てしまうのかという問題もあるわけです。どうしても利益相反の関係が生まれてきてしまう背景もあるので、そのときに、役職員全員がどこに立ち戻ってどう行動するべきか、というところの指針としてフィデューシャリー・デューティーがあるべきだと思いますし、そこをはっきりさせないことには具体的な行動に結びつかないのではないかと思っています。

個人投資家さんがある運用会社さんに、情報開示資料のアドバイスを下さいということで面会したことがあるようですが、その情報開示資料を誰に向けてつくっているのかと質問したところ「販売会社です」と答えられてしまった事例もあります。運用会社としては当然販売会社経由で売ってはもらっているのでしょうが、誰のために投信を設定・運用しているのか、ということは考えないといけないのではないかと思いました。

また、例えば、運用会社であれば、トップの経歴や役員構成なども含めて、積極的に開示をしていただきたいと思います。投信協会のホームページでも、投信のメリットとして、「専門家により運用されます」と記載しているわけなので、誰に対してお金を託して運用してもらうのか知りたいところだと思います。各社のホームページを見ても、ミッションやビジョン、投資哲学などが具体的に記載されていないケースも多いので、そこは記載していただいたほうが、投資家にとってもわかりやすいのではないかと思います。定量情報については記載している部分がありますが、定性情報についてもこれからはより具体的に記載していっていただけるとありがたいです。

あともう1点だけ、販売会社についてですが、いろいろな商品を取り扱ってはいる中で、例えば同じアセットクラスについては、取り扱っている商品の一部だけではなく、全ての商品を提示した上で、複数の商品を提示する際には、商品の内容やコスト、特徴、リスク・リターンの特性などをきちんと説明してはどうかと思います。もっと言うと、取り扱っている投信の選定基準の明確化なども知りたいところです。例えば、同じような商品を取り扱っているにもかかわらず、新規に設定された投信を新たに販売するのはいいのかどうかということも含めて、ちょっと疑問に感じるところもあります。そうした点も踏まえて、最終的な投資家に向けて、どういう方針でどう行動していくのかというのをより明確に提示していただけるとありがたいです。

以上です。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

それでは、神戸委員、お願いします。

【神戸委員】

ありがとうございます。私は銀行と証券会社勤務を経てFPとして独立して17年という経歴ですので、16ページの検討課題の中では、金融商品販売等の部分と個人の部分の課題を中心にお話をさせていただけたらと思っております。

まず最初に個人の課題に関しましては、5ページの家計についての取り組みのところに書かれている金融リテラシーの話になりますが、私は鹿毛委員や永沢委員と同じく金融経済教育研究会のメンバーでもありましたので、そちらの議論も踏まえて話させていただきます。日本人にはどちらかというと、投機的な行為を投資だと考えておられる方が多く、投資では相場観が最重要で、当てものに近いものと見られているケースも多いということです。この考え方を何とか変えていくためには、相場観の前に投資観とでもいいますか、投資の本質を理解してもらう必要があると思っています。私自身は投資の本質は成長と分散にあり、投資対象の成長を待つためにも長期投資が王道といわれるのだと考えています。現状では、なぜ長期投資や分散投資が優れているのかというところが理解されていません。また、積み立て形式で資産を形成するという習慣が身についていないために、年収1,000万円以上の方でも2割が無貯蓄層という状況になっていると思いますので、資産運用や資産形成において一番根本的ともいえるところをしっかりと教える、あるいは教わる機会が必要なのだと考えています。

一般個人が金融や投資の知識を得たい、身につけたいと考えるのは、必要に迫られた場面でしょう。例えば就職の時に普通預金の口座やクレジットカードをつくるとか、401kが導入されて加入しなければならない、あるいは住宅ローンを借りる、そういう場面を捉えて教育を行う仕組みをつくっていかないと効果が上がりにくいと思います。来年から、主婦の方の401kへの加入が可能になる中では、主婦の方は勉強する気になる可能性が高いと考えられます。そういう機会を捉えて、先ほどお話ししたように、投資観こそが重要だということを伝えるべきだということをご提示しておきたいと思います。

次に、NISA制度の拡充についてのお話がありましたが、すでに投資を行っている方が、非課税制度ができた、あるいは拡充したのでさらに投資を行うという展開は考えられるのですが、これまで投資をしていない人が、非課税制度ができた、拡充したからといって投資を行うとは考えにくいでしょう。なぜなら、彼らは税金を取られるのが嫌で投資をしなかったわけではなくて、損するのが嫌だから投資をしなかったわけです。投資未経験者に投資を始めてもらいたいということで税制を変えるとすれば、損をした投資家に対して優しい税制に変えていただいたほうが効果があると思います。損をした場合にはそれこそ労働所得と通算してあげるといった税制の方が、再度チャレンジしようという気にもさせるはずです。今のNISAですと、思い切って投資をしてみても、一度損をしたら二度とやりたくないとなりがちでしょう。投資をしていない人に投資をしてもらうということを考えると、非課税制度だけではなかなか難しいと思います。

次に金融商品販売等の検討課題についてですが、私がまず指摘させて頂きたいのは、日本の場合は、金融商品の販売は歴史的にメーカー直販が圧倒的に主流だったということが問題の原因となっているのではないかということです。銀行でも、証券会社でも、保険会社でも、従来はほとんどの場合メーカー=販売チャネルでありましたので、金融商品についてのチェック機能が働きにくかったわけです。通常、エージェント、エージェンシーと呼ばれる存在とディストリビューターと呼ばれる存在では、販売代理と購買代理という立場の違いがあると思います。ディストリビューターには商品のチェックを行う機能が期待されています。これは消費者にとって重要な存在で、自分では判断しにくい、良いものか悪いものかのチェックを代わりにしてもらえるところを通して購入することができるようになるわけですが、残念ながら日本の場合は、国土が狭かったということもあるとは思うのですが、ほとんど直販で売られてきたためにこの機能を果たすところがなかったというのが歴史だと思います。

ただ、現状は銀行が投資信託や保険などの販売チャネルとなったことによって直販の比率が下がってきておりまして、銀行にはディストリビューターとしてのチェック機能が期待できる状況になっています。そういった流れの中でフィデューシャリー・デューティーについては販売者も含めて対象とするということになっていると思うのですが、この場合、販売チャネルを顧客本位のあり方に変えていくためには、顧客が支払っている手数料は何の対価なのかを明らかにする必要があると思っています。たとえば、投資信託の販売手数料にしても、普通に考えて、商品内容の説明に対する対価として2%~3%というのは明らかに高いでしょう。だからこそ、これは一体何の対価なのだろうかということを売る側も買う側も認識する必要があると思います。販売手数料が内枠方式の投資信託や貯蓄性の保険商品の場合が典型的ですが、販売担当者は手数料をお客さんから頂いているという認識が希薄になりがちです。メーカーから得ている、あるいは自分が勤めている会社から得ていると思っている人も少なくないようで、どうしても顧客本位となりにくいわけです。手数料の負担者を認識しやすくした上で、それは何の対価なのかを明らかにしていかないと、金融商品の販売チャネルが顧客本位になるというのはなかなか難しいだろうと考えています。

少し長くなってしまいましたが、今回はここまでとさせていただきます。ありがとうございました。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

それでは、黒沼委員、島田委員、佃委員、大崎委員の順でお願いしたいと思います。黒沼委員、どうぞ。

【黒沼委員】

ありがとうございます。私は、今回のワーキング・グループのこのテーマで何をやろうとしているのか、よく理解できなかったので、発言は控えようと思ったのですけれども、わからないなりにも、私のほうからフィデューシャリー・デューティーについて理解しているところを話して皆さんの参考に供したいと思います。

フィデューシャリー・デューティーは、受託者責任と訳されることもありますが、私は一般には信認義務と訳しておりまして、委任契約の受任者の義務だと理解しています。これをどういう形で確認し、あるいはそれをどういう形で導入していくかというときに、法的にはルールかプリンシプルかという問題の立て方がされることが多いと思います。しかし、おそらく、ヨーロッパは知りませんけれども、アメリカでフィデューシャリー・デューティーを課すとかというときには、それはルールとしてのフィデューシャリー・デューティーということが考えられていると思います。日本でも、投資運用業や投資助言代理業を行う金融商品取引業者は、一定の権利の保有者に対して忠実義務や善管注意義務を負うという規定が置かれています。これはルールですけれども、しかし内容はプリンシプルです。具体的に、これをしてはいけないとか、これをしていいということを定めているものではないわけです。証券会社、第一種金融商品取引業を行うものについてはそういった特則はありませんけれども、IOSCOの行為原則に由来する誠実義務の規定が置かれている。今そういう規定がある中で、今回フィデューシャリー・デューティーについて議論して何をすることを目的としているのかということをまず明確にする必要があるのではないかと思いました。

アメリカでフィデューシャリー・デューティーがあるといったときに、これまでも議論の中で出てきましたけれども、すぐに出てくる話は開示義務なんです。例えば、ある者が顧客に対してフィデューシャリー・デューティーを負うというときには、顧客に不利で自分に有利な利益相反の関係があるときには、その利益相反の元となる事実を開示しなければならないという義務が生じて、それを開示せずに商品を勧誘した場合には、詐欺に当たるということが解釈上出てくるということです。アメリカの最近の動きについては、そういった私法上の義務まで想定した議論がなされているかどうかははっきりはわかりませんけれども、フィデューシャリー・デューティーを課すということになると、そのような私法上の義務で、それに基づく損害賠償責任、私人が業者を訴えることができるような権利ということが当然裁判上は出てくる可能性があります。ですから、そういうことをしたいのかどうかということも含めて慎重に検討する必要があると思います。

ちょっと長くなりますけれども、フィデューシャリー・デューティーに基づく開示義務という点で言いますと、例えば投資顧問が自分の有する有価証券を顧客に勧めて、顧客が大量に買うことによって値段が高くなったところで売り抜けるような行為――スキャルピングと言いますけれども、そういった慣行を行いながら顧客に有価証券を勧めるときには、そういった慣行について開示しなければならない、なぜなら投資顧問はフィデューシャリーだからといったアメリカの判例があります。

日本では同じことをどうしたかというと、投資顧問業法をつくったときに、行為規制として入れたわけです。その行為規制は今でもありますし、罰則もついています。同時に開示ルールも入れまして、投資顧問が顧客に勧めた有価証券について売買をしたときには、それを顧客に開示しなければならないというルールを入れたのですが、その後その開示ルールというのは、あまりにもコストがかかり過ぎるということで、無くなってしまった。もし私の理解が間違っていたら訂正していただきたいのですけれども、そういった経緯があります。これがもしフィデューシャリー・デューティーの原則が確立していたら、そういう細かいルールを入れなくてもうまくいくという面は、そのメリットとして考えられると思うんです。ただ、フィデューシャリー・デューティーを入れることによって、明文の細かい行為規制がないところでも、そういった一種の行為ルールあるいは開示ルールが実質的に導入されることになる場合もあるだろうということも十分自覚して議論する必要があると感じております。

以上です。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

お隣の島田委員、どうぞ。

【島田委員】

フィデューシャリー・デューティーがどこまでかかってくるかということで、サプライチェーン全てにかかるという考え方が非常に重要だと思っております。一方で、金融商品を販売している方たちは、自分たちは資金を顧客から受託していないということで、受託者責任という意味においては自分たちはフィデューシャリーではないという考え方がいまだに若干あるようにも思われます。ところが、何百万、何千万円というお金を動かすときに、自分が知り合いの担当の方にアドバイスを受けて、ぽんとお金を動かして投資をする方がいらっしゃる。これほどの大きなお買い物といいますか、資金を動かすということはめったにないことで、車や家を買うとき以外にはあまりないと思いますけれども、そういった意味で金融商品を販売していらっしゃる方というのはお客様からものすごく信認されているとも言えると思います。ここを真剣に考えていただきたいというのが一つです。

日本の投資信託は、投資家のために良いことをしましょうといった議論は何度も何度も行われてきた中で、なかなか変われませんでした。ところが、ここ数年を見てみますと、非常に大きく流れが変わっており、本当に今度こそ変われるかもしれないという明るい兆しがいろいろ見えてきていると思います。

ただ、一方で、大きな金融機関がフィデューシャリー・デューティー宣言を高らかになさって、これから真剣に取り組んでいきましょうということはおっしゃっているわけですけれども、現場で起こっていることというのは、やっぱり変わっていない。例えば、そろそろ運用から卒業したいとお年寄りがおっしゃったときに、現在、投資信託についてはいろいろ議論もされていて、うるさくなってきているので、運用商品で保険の機能がついたものに最後に乗り換えていただいて、これが最後のご奉公という形で販売される。投資家としては外貨建ての元本確保型であるといった説明は受けているはずなのですけれども、元本確保だから大丈夫、保険だから大丈夫という理解をして多くの方たちが最終的にそういった保険商品に乗り換えているということも見受けられます。これが保険商品の販売が伸びているという一つの大きな理由でもあるのではないかと思います。こうした状況に鑑みますと、タブーを排して、これからどういったところにこの変われない原因があるのかということを考えていかなければならないと思います。それによって投資家も増えてくるのではないでしょうか。大きな枠組みで言いますと、現状、さまざまな制度が拡充される中で、金融機関は顧客の囲い込みに真剣に走っています。NISAあるいは個人型のDC等について、囲い込みに走っている。けれども、実際にはまだまだブルーオーシャンの部分の方たちに投資をしていただかなければならないという意味では、囲いを取り払って、わかりやすく、皆さんが近づきやすい世界にしていくということに取り組んでいかなければいけないのではないか。投資家層拡大のためにできてきたたくさんの仏様であるものの一つとしての制度について、魂を入れていく利便性の向上というのも必要ではないかと思います。

もう一つ、細かい話にも及ぶかと思いますが、タブーを排して、なぜ変われなかったか、根本にある原因を直視して考える必要があります。たとえば、利益相反はどこにあるのか、運用会社にはどのようなガバナンスが必要なのか、親会社との関係はどうなっているのか。あるいは投資信託においては、コストは何のために支払っているのかということを考えると、同じ商品を買っても、保有中に受けるサービスというのは個人によってかなり違うと思います。インターネットで自分で判断して買って、そのまま持っている、売却も自分で判断するという方と、さまざまなアドバイスをしてもらいながら保有している方たちも、販売会社に対して支払うコストというのは全く同じである。これは果たして公平なのか、合理的なのかといったことにまで踏み込んで話をしていく必要があるのではないかと思います。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

それでは、佃委員、大崎委員、永沢委員の順でお願いします。佃委員、どうぞ。

【佃委員】

ありがとうございます。私はもともと銀行勤務でございまして、現在は企業統治・経営人材のコンサルティングファームに勤めております関係と、今般のスチュワートシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議のメンバーでもございますので、そういった観点も含めて、3点ほど、印象、それからコメントということにさせていただければと思います。

その前に、そもそも齋藤課長からご説明がございましたこの全体の方向性というのはもうこのとおりだなと思っておりまして、全く異論はございません。

それを踏まえまして、まず1点目に、フォローアップ会議におけるコーポレートガバナンスの議論とのアナロジーを感じました。日本企業のバランスシートを見ると、現預金がいっぱいたまっている。それが成長のために回っていない。そこをどうするかという、攻めのガバナンスという話がテーマなのですが、今回のフィデューシャリー・デューティーの話も、そもそも論の目的というのは何かといったときに、16ページにございますように、この現預金から投資のほうにいかに還流していくか、このような大きい目的のためにフィデューシャリー・デューティーの議論もあると私は理解しておりますといった点がまず1点目でございます。

それから2点目に、9ページにございますインベストメント・チェーンの図を見ながら先ほどもちょっとずっと考えていたのですけれども、インベストメント・チェーンが本当に最適化されているのかといった意味で言うと、最終受益者の立場からすると、コストとリターンの関係が見えないというのが非常に大きい懸念点かなと感じております。ではそれを取り除くためにはどうしたらいいのかを考えると、先ほど来皆さん委員の方々がおっしゃっておられますように、投資家教育とか、あるいはそもそも論としてのアセットマネージャーとしての運用力とか、あるいは日本の場合、金融グループ傘下でアセットマネージャーがある場合がありますから、そうすると利益相反の問題とか、多様な課題があって、それらを全体として解決していかないとインベストメント・チェーンを最適化できないと考えております。

ただ、それを考える上で、幾つかキーワードをきっちり持った上で考えていったほうがいいかなと思います。これもフォローアップ会議での議論と重なる部分だと思いますけれども、キーワードは幾つかあると思います。1つは透明性ということだと思います。見える化するというのが非常に大事だと思います。見えないのでよくわからない。要は、リターンが低いわりにコストがすごくかかってしまっているといった部分というのは、最終受益者として、どうしても勘ぐってしまう。それが先ほど来の投資というものに対する不信感につながっている部分というのはあるのかなと思います。

あともう一つキーワードをつけ加えるべきだとすると、説明責任――アカウンタビリティーです。フィデューシャリー・デューティーを負う人たちは、積極的に説明していくというのを従来以上にやっていくことが、全体のフレームワークを機能させていく上で重要になるのではないかなと考えます。

最後に3点目、この資料の中にも出てきております、顧客の利益を第一に考える、顧客の利益が一番大事であるという点ですが、どうしてもゼロサムゲーム的に捉えがちなところがあると思うのです。顧客の利益になるということは、逆に言うと、金融機関の取り分が減ってしまうのではないかと捉えがちなところがあると思いますが、実は、我々も含めて、欧米のプロフェッショナルファームと言われるところでも、クライアント・ファーストというのはものすごく言われています。どこのプロフェッショナルファームでもクライアント・ファーストと言われているのですけれども、これは実はその続きがありまして、“Client first, Money follows.”とあって、顧客の利益に徹すれば栄えますよという話であります。これは実は資産運用業に関しては非常に大事なポイントだと思うのです。トレーディングなどと違って、ゼロサムでない。例えばクライアント・ファーストの観点で、従来だったら投資信託を売っていました。でも、それを、より換金性が高くて、よりコストの安い、例えばETFを推奨する。そのようなことをすることによって、中期的にはETFのマーケットも大きくなっていくということが予想される。そのときに、金融機関の経営者としては、投資信託とETFのカニバリゼーションを気にされるかもしれないけれども、実はそうではないと。目的は、51.9%ある現預金をよりリスク・リターンが最適化されるようなアセットに持っていくのだという観点でやれば、クライアント・ファーストを徹底することによって、“Money follows.”となり、業界全体も発展していくのではないかということで、そのような観点でアプローチしていけば、皆さんがプラスサムになるのではないかなと考えます。

以上3点でございます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

それでは、大崎委員、どうぞ。

【大崎委員】

ありがとうございます。ほかの委員の方々のご発言に触発されて、ちょっと2点だけ申し上げたいと思います。

一つは、神戸委員がお話しになった、損をしたときに面倒を見てくれる税制の重要性でございます。私はさっきNISAのことを申し上げたのですが、私も、もうかったときだけではなく損をしたときも面倒を見てくれる税制が大事というのは大賛成でございます。先ほど福田委員から、投資というときに現物資産、不動産なども含めて考えるべきではないかというお話があって、私もそれは全くそのとおりだと思っておりまして、国際比較のちゃんとした統計は持っておりませんが、何か肌感覚で考えて、例えばワンルームマンション投資のようなことを資産運用として行っておられる方の比率というのは、日本は国際的に見ても高いのではないかなということを素朴に感じておりまして、その背景の一つには不動産の評価額など税制の問題もあるのかなと思っております。

もう1点ですが、資産運用会社といわゆる販売会社との関係についてちょっと申し上げたいんですけれども、私が主査というのを仰せつかりまして、証券業協会と投資顧問業協会と投信協会の3つの協会に事務局をやっていただきまして、資産運用ワーキング・グループというのをやりまして、金融庁からもオブザーバーで出ていただきまして、そこでいろいろな議論をした中に、この運用会社と販売会社の関係というのが出てまいりまして、いろいろなお話が出ました。例えば、いわゆる系列の販売会社、運用会社となっているときに、系列の商品ばかり売っているのではないかとかという指摘があるけれども、そうでもなくて、いわゆるオープンアーキテクチャ化ということで、どんどんいろいろなものを売るようになっているのですよといったご紹介があったり、さらにそういう取組みを業界全体に広げていこうといった報告書をまとめたりしております。そういうことを実践していく中で、先ほど竹川委員からご指摘のあったような具体的なポイントというのは非常に参考になると思います。

そこでちょっと1点だけ、今後の議論で注意していただきたいなと思うのは、例えば竹川さんがおっしゃったことはもっともだと思いつつ、それをマニュアル化、ルール化すると、これまた大変なことになると思っております。例えば、同種のアセットクラスを取り扱っている商品を全部説明しなければいけないというのを機械的にルールにしてしまうとどういうことが起きるだろうかと考えますと、例えばそれが20個ある。今、日本の投信は何しろ5,000以上ありますから、20個あるということを発見したときに、20個を全部説明するのは面倒くさいから、それまではオープンアーキテクチャでやっていたのに、やっぱり系列のところ1社にしてしまおうという、逆の、何かむしろ顧客のためにならないような行動を誘発するおそれが出てきますので、考え方としては私も非常に賛同するのですけれども、先ほど神作先生からもルールというよりプリンシプルというお話がありましたが、行動原理として尊重しつつも、あまり画一的な適用をしないということをやっていかないといかんなと思っております。おそらくこれを実践に移すときには、監督当局に強くお願いしなければいけないところで、幾らここでいろいろ大所高所と言われるような議論をしても、検査・監督の現場で、これをこのときに売ったのはおかしいではないかということをあまりぎりぎりやられてしまいますと、結局説明がつくような逃げ口上のための行動を誘発してしまうという、その点は気をつけてやっていく必要があると思っております。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

それでは、永沢委員、鹿毛委員、竹川委員の順で、永沢委員、どうぞ。

【永沢委員】

ありがとうございます。2度目になりますが、先ほどの最後の発言、3点目についてもう少しお話しさせていただきたいと思いました。

今回のワーキング・グループでは全体に、個人の投資に関しては投資信託という言葉がよく出てきております。私も投資信託は自分のフィールドだと思っておりますので、いろいろと申し上げたいのは山々なのですけれども、私は日ごろ金融商品に特化した消費者紛争の解決にも携わらせていただいておりまして、銀行等を通じて販売されている場合に、一般の消費者は、資産形成の一環として金融商品を購入する場合には、投信なのか保険なのかの区別がつかないままお買いになっていることも多いように感じております。本日の議論では投信ばかりに話が集中しておりますが、保険商品の開示の問題というのも、ほかのところで議論され対応が図られていると伺ってはいますけれども、そことはやや違う観点から、投資家から見て最終的に自分の資産がどのように回っていくのかというところが見えるような形の情報開示の工夫も必要なのではないかと思うという点を付け加えさせていただきたいと思います。

また、この6ページの表を拝見しますと、一時払いの生命保険のほうがウエートとして少しずつ高まっているような傾向も見えます。意地悪なことを申しますけれども、投信の場合よりも手数料が高めだということもありますが、販売金融機関でお売りになった場合、販売金融機関が顧客にサービスするのは販売のときだけで、後のケアはほとんど保険会社さんがなさっているわけです。先ほど神戸委員からもお話がありましたけれども、どのようなサービスに対していくらのコストなのかというところが(消費者の選択には重要かつ必要な情報となっており)、どの商品だからということではなくて同じような商品は横断的に、できる限り比較可能なように情報開示が工夫されることが必要なのではないかと思います。そういった情報開示の姿勢もフィデューシャリー・デューティーを醸成していく素地になるのではないだろうかということをもう1点つけ加えさせていただきたいと思います。

以上でございます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

鹿毛委員、どうぞ。

【鹿毛委員】

今日のフィデューシャリー・デューティーの議論の中で、顧客のベスト・インタレストにいかに対応していくかというところが一つの重要な課題になってきていると思いますが、実は顧客のベスト・インタレストという概念は必ずしも明確ではなく曖昧な部分があります。今日何人かの先生もおっしゃっていた通り、フィデューシャリー・デューティーを狭く考えて、いわゆる同じテーブルの側に座った立場で、特に利益相反がある状況での取引をどう考えていくかと、そういう状況でのベスト・インタレストに限定していくのか。あるいは最近出てきております第三段階、直近の議論は、フィデユーシャリー・デユーテイを幅広くとらえています。このどちらでいくのかということです。特に法規制ということで考えますと、私の理解では、かなり狭い議論だと思います。いわゆるエリサ法に代表されるような、あるいは今度のDepartment of Laborの規制にあるような、退職給付関連で政府の優遇措置がある分野について規制強化の議論があります。これからこの場で議論を深めていく場合に、一体、狭い意味でのフィデューシャリー・デューティーにフォーカスしてやっていくか、あるいはそれを広い立場でやっていくかということは、かなり重要な点だと思われますし、ある段階では少し整理して議論して頂ければ有難いと思います。

それともう一点、顧客のベスト・インタレストというときに、顧客自身が本当にベスト・インタレストを認識して行動しているかという議論が別にあります。これはいわゆる投資家教育の問題でもあります。日本に限らず、特に証券市場の参加者は、基本的には集団心理に基づいて行動し、相場が高くなったら買いに出るし、安くなったら売りに出るというような見方です。つまり顧客自身が自分の意志で、ベスト・インタレストと無関係に行動するような世界もかなりあるわけです。この辺をどのように考えるかと。おそらくは、最終的・長期的にはもちろん投資家教育の問題だとは思いますが、一方では、そうはいっても、いろいろリスクの高いものをとにかく投資したいという人もたくさんいるわけです。様々な顧客のリスク・リターン選好、リテラシーに応じて、ベスト・インタレストを定義していく必要があると思います。

別の言い方をしますと、先ほどどなたかがおっしゃったような、一方では自由な資本主義の世界で金融機関が利益を求めて行動するというのもある意味では当然であり、ある意味では株主から見れば、金融機関が利益を極大にしていくことが期待されているわけです。その部分と今の顧客のベスト・インタレスト実現との適切な兼ね合いが、この会議においても大きなテーマになるのではないかと思います。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

それでは、竹川委員、どうぞ。

【竹川委員】

16ページの最後の今後の課題ということで、個人のところに、職場積立NISAや確定拠出年金の機会等を活用した教育環境整備についてということで書いてあります。別途有識者会議を設置するということですが、2点ほど申し上げたいと思います。

まず、個人型の確定拠出年金は来年の1月から対象者が拡大して現役世代のほぼ全員が入れるようになります。企業型の確定拠出年金については、今回の法改正で継続的な投資教育に関しても努力義務になるなど、導入時だけでなく、継続的な投資教育も行われるようになっていくと思われます。一方で、個人型の確定拠出年金に関しては、個人が任意で入るという形になっていますので、投資教育の場については現状では全ありませんし、商品選定に関しても運営管理機関に委ねられています。ガバナンスという面で企業型に比べてかなり脆弱であると感じます。その点を含めて議論していただきたいと思います。

もう一つ、職場積立NISAに関しても、個人が金融機関を選択してNISAの口座をつくるというのとは違い、事業主が金融機関を選定するという形になるため、会社と金融機関の関係によって金融機関が決まる可能性もあります。選定した理由をはっきり説明する、あるいは金融機関を複数入れるということも含めて、ご検討いただければと思います。

それから、先ほど大崎委員のお話ですが、ご指摘ありがとうございます。確かに、ルール化は難しく面もあるかと思いますが、現状、一番問題なのは、販売会社の販売員が説明するときに取り扱う同じアセットクラスの商品をすべて提示して説明するのが大変なくらい、投信の本数が多過ぎることだと私は思っております。それについて、本数を絞ると系列に戻るのではないかというご懸念があるようですが、私は、販売会社が本当にフィデューシャリー・デューティーに則って、顧客のために正しい商品を選択しようと思うのであれば、系列に関係なく、顧客にとって良い商品を選定してくださるのではないかと思っております。本数の問題ではなく、販売員がきちんと説明できる範囲で商品を選定すれば、逆行するようなことはないと考えています。

以上です。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

上田委員、どうぞ。

【上田委員】

よろしいでしょうか。ありがとうございます。ちょっと今までお話を伺っていますと、そもそもの根本的なものとして、金融商品を提供する金融機関側の収益性という問題があります。金融機関は上場会社がほとんど全てですから、収益性は重要かと思いますし、健全な金融サービスの提供と、フィデューシャリー・デューティーといいますか、顧客重視ですか、顧客本位の業務運営、このバランスというのがすごく大事なのかなと思っています。特に、銀行について言えば、アセットビジネスからフィービジネスへの転換とはもう長年言われてきたところでございまして、これは企業・個人向けの金融コンサルの部分と金融商品等の販売といったものになろうかと思うのですが、これは果たしてプリンシプルベースだけのアプローチで対応できるのでしょうか。おそらく検査・監督の中でいろいろご覧になっていただいてのことだとは思うのですけれども、そのバランスです。そして、金融機関によっていろいろ違うとは思うのですが、当局としてこの辺をどう見るのかといったところが実は一番肝のところ、実際に金融機関に動いてもらうにはそういったところかなと思いました。

それともう一つ、金融機関グループ内にアセットマネージャーが多いという現状を踏まえると、子会社のアセットマネージャー、子運用会社のガバナンスの問題及びインセンティブの問題です。つまり、どんなにいい商品を使って手数料を稼いでも、親銀行の業績が悪いとボーナスが減りますというものであるのか。あるいは、社長が親銀行から来る、これはグループとしての金融サービス提供という観点からは是としても、例えばそこに全く社外の目が入らずに、完全に親銀行の一部門として、親銀行のための商品設計だけをしている。独立採算制でたまには外の地銀にも投信を売っていらっしゃいという程度の独立性なのかということです。アセットマネジメントに対するガバナンス・コード的なものと言うと変なのですが、これがあればいいのかなと思っていたところに、池尾先生から「金融サービス業におけるプリンシプル」というのがもう平成20年に出ていましたというお話で、あらまあと思ったところでございます。

それとまたちょっと視点は違うのですが、最終的な受益者というのは、いかなる投資形態であれ個人に帰するものが多いかと思うのですけれども、個人の金融リテラシーの向上、これは大変重要だと思っています。ところが、重要だ、重要だと言いながらなかなか定着しない理由というのがどこにあるのかなということを考えておりました。ちょっと変な例なのですが、例えば経済雑誌などを見ていますと、老後資金をどう確保するかなどという記事がよく書いてあるわけです。あるいは例えば昼間のテレビで、特にケーブルテレビ等を見ていると、リバースモーゲージの金融商品の提供などというのがCMで流れていたりする。多分昼間テレビを見ている人は年配の方が多いのかなと思ったりすると、老後資金確保というのはすごく重大な必要性が感じられているのだと思っております。という中で、ではそもそも個人の財産におけるアセットアロケーション、不動産、家などか預貯金であるか、それ以外の金融商品、株等であるかといったところは本当に大事で、ここのあたりの教育と言うと言い過ぎなのですが、認識の向上が一つ大事なのかと思われます。

あと、我々自ら投資をしていなくても、我々の年金はGPIFなどを通じて運用されているわけです。そのGPIFの運用というのは我々全員に関わることなのに、GPIFの運用を評価する意味でも、例えば5兆円損失を出しましたと、金額では巨額な損失なのですが、120兆円における5兆円なのです。おそらく過去、アベノミクスの過程で株式投資を増やしているので、相当株式からのリターンを得ている。これとのバランスで、例えば政府が保証する100年安心年金みたいなGPIFの存在を評価するときに、果たして我々国民としてこの評価は本当にできているのでしょうか。これがセンセーショナルな新聞記事であったり、あるいは政治論争において5兆円という金額がひとり歩きしているというところに対して国民が評価できているのかというと、多分、ここの席におられるような金融専門家の皆様はともかく、なかなかそうではないのではないかなと思います。そういう意味では、金融教育というのでしょうか、金融リテラシーの向上というのはちょっと違う文脈でもう少しアピールしていく必要があるのかなと思いました。

すみません、長くなりました。ありがとうございました。

【神田座長】

ありがとうございました。

横山委員、どうぞ。

【横山委員】

先ほど来、運用会社のガバナンスにつきまして何人かの方からお話がございましたので、若干申し上げますと、系列に起因するということからこのガバナンスの話が出てきているわけでありますけれども、だからこそ、何人かの方がおっしゃいましたけれども、第三者の目が入るということが私は大変重要だと思っております。よって、運用会社自身が独立社外取締役とか、あるいは商品の組成や、どういう販売会社に向けるかという観点でのその商品のチェックにおいての第三者の目、あるいはフィデューシャリー・デューティーを推進する上での第三者委員会等、そういう社内の仕組みや仕掛けをつくることが大変重要だと考えております。

そして、一方でGPIFのお話をお伺いしますと、運用会社がエクイティ・ガバナンスの観点からガバナンスの強化を投資先企業に求めるわけですが、ではアセットマネジメント会社自身のガバナンスはどうかという意見がものすごくよく出てくるという話を聞いております。そういうことも受けて、GPIFでは運用会社に委託する際に、ガバナンスあるいはフィデューシャリー・デューティー、この辺についてのチェックを審査の足切りのようなもので考えていきたいといったご意見も聞いております。ですから、こうした運用会社のガバナンスの強化というのは、こうしたところからも広がっていくのではないかと私としては期待しているところでございます。ただ、これはもう本当に自社として仕組み・仕掛けを自分でつくっていくということが大変必要だと思います。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

たくさんのご意見、非常に重要なご指摘をたくさんいただきまして、次回以降進めていく上で、多少リクエスト的なというか、こういう点を資料とまでいうのかどうかはわからないのですけれども、多少整理してお示ししてご議論いただいたらいいのではないかといった示唆を含む点が幾つかあったように思います。事務局とご相談させていただきたいと思いますけれども、もし可能であれば、皆様方にいい議論をしていただくために、そういう資料というのでしょうか、何か材料を提供していただければと思います。

それで幾つか申し上げますと、順不同で恐縮ですが、池尾先生のご指摘の例えばプリンシプルベースというのは、たしか当時は金融行政の指針としても使おうという問題意識があったと思うのですけれども、10年前までは遡りませんけれども、おっしゃるとおり、リーマンショックの直前にまとめられたものがあります。それから、池尾先生と私もご一緒したと記憶しますが、20年ぐらい前に遡って、大変昔の話ですが、20年前にはビッグバンという宣言があって、ビッグバン後の世界を「新しい金融の流れ」と称して、その後どうなるのかということについての懇談会というものが開催されて、そのレポートが出ております。新しい金融の流れになったのかどうかという点については、本当は検証しないといけないのだと思いますけれども、そういったこれまで行われてきた議論のポイントとか、今の時代とどうなのかといったことで一つ資料をつくっていただけるように思います。

それから、福田先生その他からご指摘のあった、家計資産という場合に、金融資産以外の資産、それから何と言うのですか、私もうまく言えませんけれども、消費とセービングというか、その全体像です。幾ら消費して、幾らセーブするのか。そのセーブのほうも、狭い意味での金融資産、そうでない資産という、そういう中で物事を一遍全体像を見て議論していく必要があると思いますので、何らかの材料を提供できるのかなと思います。

それから、鹿毛委員が何度もおっしゃった、概念整理というのはなかなか難しいところなのですけれども、トラストであれ、フィデューシャリーであれ、日本語でいうと、何人かの方からご指摘のあった投資という概念、昔から評判が悪いと言われているようですけれども、ちょっとそういう概念について、どのような概念なのかということについて、いろいろな文献がありますし、歴史的に、鹿毛さんの言葉で言うと「3つの時代」とおっしゃいましたけれども、その概念に変化があるのか、社会の概念に対する認識とか、評判とかというものがあるのかといったことも一つあるかなと。

それから、加藤委員がおっしゃった、金融資産といった場合、その年齢構成は諸外国と日本でどうかと、これもよく指摘はされているところです。

それから、島田委員が何度かおっしゃった、タブーを排してということは、何がタブーなのかを一遍リストアップしてみてはどうかと感じたりします。

それから、大崎委員と竹川委員の間での議論になったところで、結局、細かなルールがある部分というのが、それが杓子定規的にどうしても実務はなるし、これは監督との関係もあるのかということです。こういうあたりはどうなのでしょうか。竹川委員がおっしゃった、数が多過ぎるというのは、もう投信では昔から言われていて、昔のころの投信もやたら数が多いということが言われていたのですけれども、言葉を変えて言えば、最後に上田委員がおっしゃった、プリンシプルベースの監督というのがどのように実際に行われているのかという話を一度お伺いできれば、その中で形式的なルールを定めるとうまくいかないものなのか、逆にプリンシプルベースだけでは監督ができないということなのかというあたりが一つあると思います。

そのほかにもいろいろあると思います。横山委員が最後におっしゃったことでいうと、系列自体が悪いのか、系列であることは別に問題なくて、顧客本位であれば系列でもいいのか、系列であること自体をもう少し考える必要があるのかという問題もあり得ると思います。

運用会社のガバナンスというご指摘もありましたので、運用会社のガバナンスが今どうなっているかです。一般に、フォローアップ会議のほうで議論しているような事業法人のガバナンスと比べて、何か運用会社のガバナンスの実務に特徴があるのかということについても、多少話を伺うとか、わかることがあればと思います。

以上、全部申し上げられたわけではないのですけれども、皆様方の幾つかのご指摘を受けて、今後議論を進めていく上で何らかの材料なり資料を整えられればいいかなと感じましたので、また事務局とご相談させていただきたいと思います。

まだ時間がございますけれども、オブザーバーの方々、本日は総論ですけれども、もし何かございましたら、いかがでしょうか。それから、委員の皆様方も、さらに時間がございますので…。神作委員、どうぞ。

【神作委員】

先ほど、もし時間があったら述べさせていただきたいと申し上げた点について発言させていただきます。上田委員が述べられたことと共通する点もあると思いますけれども、金融リテラシーの問題のさらに奥に何か問題があるのではないかという点でございます。例えば、高齢者が資産を運用する際にいろいろな問題が生じているということなのですけれども、蓄えのある高齢者が本当は考えることとは、次の世代にそれをどのように承継していくかということで、老後の生活の資金というのは若い人が考えておくべきことではないかと思うわけです。要するに、今後の人生の設計あるいは自分が死んだ後の資産をどうするかということについて、自分で決めていくという考えが一番もしかしたら、これは自分も含めてなのですけれども、足りないように思うのです。ですから、おそらく金融リテラシーといってもなかなか定着しないというのは、もしかしたらそのようなところにより根本的な原因があるのではないかと考えております。

あともう1点、投資家とか消費者の側のリテラシーのことは言われていたのですけれども、業者の側でプリンシプルを実際に運用するときに、業者の側が実際に金融商品を組成したり販売したりする際に特に重要な役割を果たす従業員等に対するフィデューシャリーの考え方についての教育とか、研修がなされるとともに、場合によっては業界レベルあるいは個社レベルで、重畳的にということもあるのかもしれませんけれども、プリンシプルというだけでは中身が非常にぼやけておりますので、実践の中で具体化していかなければならないと思います。それについて、業者のほうも、きちんと業界ないし各社それぞれのフィデューシャリーの考え方を理解し、それについての方針を立て、それを研修なりの形で従業員に徹底していくという観点がやや足りないように思いましたので、最後に恐縮ですけれども、つけ加えさせていただきます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。新井さん、お願いします。

【新井オブザーバー】

オブザーバーとして参加させていただいております野村證券の新井でございます。ご発言の機会をいただき、誠にありがとうございます。委員の先生方のお話を伺いまして、大変参考になりました。

販売会社の立場で申し上げますと、様々な問題点が指摘されていると認識しており、足りない部分もあると感じております。一方で、評価は外部の方がするものなので、自身で申し上げる話ではないかもしれませんが、一部の委員の方からのお話にもございました通り、販売会社も少しずつ変化してきており、変化し続ける努力を継続しています。証券会社は、数多くある販売会社の中では一業態ですが、さらに幅広いお客様のお役に立っていくために、自ら変化し続けないと、生き残っていけないと考えております。

今回のフィデューシャリー・デューティーの議論は、ルールベースではなくてプリンシプルベースというお話が本日もございましたが、私もそれに賛同させていただきたいと思います。販売会社においては、会社としてフィデューシャリー・デューティーに取り組んでいくだけでなく、販売員を含めた全社員が各々でしっかり意識を高めて取り組んでいかなければならないと考えております。委員の先生から投資家教育のお話もございましたが、私どもも販売員を含めた全社員の教育も確りと進めて参りたいと考えております。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。

それでは、池田局長、お願いします。

【池田総務企画局長】

本日は多岐にわたるご意見を頂戴いたしまして、ありがとうございます。先ほど神田座長のほうで整理していただきましたけれども、大変数多くの宿題もいただいたと認識しています。それらについて我々としてもできる限りの対応をしていきたいと思っています。

途中の議論の中で鹿毛委員のほうからこのフィデューシャリー・デューティーの概念に関してのご意見があって、一つは、3段階の整理をしておられましたけれども、今日、市場課長からの説明にもあったように、少なくとも国際的には、足元、フィデューシャリー・デューティーという言葉を使いながら、大変広い概念で捉えるという流れになっている。それが、今日、事務局からお伝えしたかったメッセージの一つではあるのですけれども、もう一つ、鹿毛委員がおっしゃった中で、アメリカの歴史などを見ると、確かに年金当局である労働省が足元も含めて大変重要な役割を果たしてきたということが言えると思うのです。これをどう捉えるかなのですけれども、いろいろな見方もあると思いますが、一部には、米国において証券当局で、しっかりとした対応がとられているかどうかということに対しての年金当局のほうの問題意識の中で、年金当局自身がいろいろなルールをつくったし、今つくろうとしているという動きがあるとの見方もあると理解しています。

私どもとしては、当然に、我が国の年金当局、あるいは今日は消費者庁からも参加をいただいていますが、そういう関係当局の方とは適切に連携していきながら考えていきたいと思っていますが、やはり一義的には、私ども証券金融規制当局も含めて、金融証券の関係者が自らにおいて自立的に解を見出していくと。年金当局のお世話にならずとも、金融証券当局を含めた金融証券関係者が自ら解を見出していくということになっていくべきではないかという問題意識を持っています。

そういったことで、今日は、最後のページにあるように、大変意欲的なテーマを自ら掲げたつもりなのですけれども、さらに意欲的な宿題もいっぱいいただきましたので、足らざるところもあると思いますけれども、そういう意気込みを持って臨みたいと思いますので、どうか委員の方には次回以降もぜひ建設的なご助言をいただければと思います。

どうもありがとうございました。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

本日は多様な観点から幅広いご意見を多数いただきまして、ありがとうございました。そろそろ時間ですので、このあたりとさせていただきたいと思います。

本日いただきましたご説明やご意見等を踏まえて、今後、具体的な検討について計画を立てていきたいと思います。

次回のワーキング・グループの日程及びテーマ等につきましては、後日事務局からご案内させていただきます。

それでは、以上をもちまして本日の会議を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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