金融審議会「新規・成長企業へのリスクマネーの供給のあり方等に関するワーキング・グループ」(第1回) 議事要旨

1.日時:

平成25年6月26日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

3.議題:

  • (1)開会、メンバー等の紹介

  • (2)事務局説明

  • (3)ヒアリング

  • (4)閉会

4.議事内容:

  • 冒頭、神田座長からワーキング・グループの設立経緯について説明があり、続いて、事務局からメンバーの紹介があった。

  • 事務局説明の後、質疑応答が行われた。概要は以下のとおり。

    • 成長マネーが供給できていない理由には、構造的な問題もあり、制度だけが原因ではない。制度の問題に取り組むと同時に、もう少し構造的な問題についても考えていただきたい。
    • クラウド・ファンディングは定義が固まっておらず、第二種金商業者もいれば、そうでないところもいる。小口投資のスキームであれば、定義を明確にしてから議論を進めることも必要ではないか。
    • リスクマネーの供給については、マグニチュードが大きいもの小さいものを含めて、できることは全部やるべきである。
    • 新グリーンシートについて、地方における新規上場がなくなってきている中で、地方という概念を法律的な仕組みの中でどのように整理するのか。
    • クラウド・ファンディングのような比較的新しい企業に対する資金供給を考えると、個人投資家の資金供給が重点となる。規制緩和してやりやすくすることには賛成だが、一方で、現在、未公開株詐欺が大きな社会問題となっており、その辺の視点も入れながら議論していただきたい。
  • 前川委員及び長谷川参考人からヒアリングの後、自由討議が行われた。

    • この国では、創業時から合理的にビジネスを組み立てていくことが脆弱である。特に、大学の中に基礎技術があると言われているのに、それを事業化するための仕組みが脆弱である。その理由の1つに、CFOの不足がある。そこを、証券会社や会計事務所、国、ベンチャーキャピタルが入り、ビジネスプランを立てていく仕組みがあれば、かなり多くの会社が立ち上がってくる。
    • 創業者に対する尊敬を醸成することや、独立や創業がハイリスク・ハイリターンであるというイメージを覆すべき。
    • リスクがとれる人にリスクマネーを出してもらうべきである。その際、相続に係る措置についても検討すべきではないか。
    • リスクマネーの供給に即効性があるものとして、例えば、ベンチャーキャピタルのような資金をハンドルするところに資金を入れる方策があるのではないか。
    • 銀行の役割については、グローバルなお金の流れの中で、国境を越えたリスクマネーの提供を紹介するという役割や、大企業にベンチャー企業を売却する仲介業務としてグローバルなExit先を探す役割があるのではないか。
    • ベンチャー企業との連携時における大企業側の意識に問題がある。自分の研究所でやっていないことについて、外部から知恵を受けることに対する拒否感の問題や、大企業とベンチャー企業との契約における両者の温度差の問題がある。
    • ベンチャーキャピタルによる年間投資額を1兆円ぐらいの規模にしたいが、そのためには、規制緩和だけでは達しないことがたくさんあり、それをこの場で議論してもらいたい。
    • 日本経済全体としてお金はあるのにリスクマネーには回っていないことが大きな問題だが、そのお金が高齢者にかなり偏っていることが日本のお金の流れの構造的な問題である。
    • 規制改革については、クロスボーダーのリスクマネーを供給するという観点も非常に重要であり、その点についても考慮していきたい。
    • 種類株を活用してリスクを取っていくことは欧米では当然だと思われているが、種類株のまま上場するのかという問題や、種類株の構成比、上場時における普通株への転換の条件など、改善すべきポイントがたくさんあると思っている。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局市場課・企業開示課(内線2638、3665、3802)

サイトマップ

ページの先頭に戻る