金融審議会総会(第23回)・金融分科会(第11回)議事要旨

1.日時:

平成21年3月12日(木)15時00分~17時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 共用第一特別会議室

3.議題:

  • 委員等の紹介、会長の互選、金融分科会長の互選等

  • 最近における金融審議会の活動状況等について

  • 京都議定書・環境自主行動計画のフォローアップについて

4.議事内容:

  • 宇野大臣政務官より挨拶。
  • 最近の金融審議会の活動状況等として、金融商品取引法等の一部を改正する法律案及び資金決済に関する法律案の概要、我が国金融を巡る制度整備の動向等について事務局から説明を行った。
  • 京都議定書・環境自主行動計画フォローアップ等について、事務局からの説明及び各業界団体からの状況報告を行った。
  • 自由討議における主な意見は以下のとおり。

    • 金融審議会を、現在の課題に粛々と応えるだけではなく、金融庁の政策課題とは必ずしも合致しない意見も積極的に発言していく場として、そのステータスを高めていって欲しい。
    • 金融ビッグバンの一つの柱として、「貯蓄から投資へ」の流れを進め、市場型間接金融を育てていく政策を行ってきたが、現在機能不全に陥っている直接資本市場を今後どのように育てていくのかが引き続き重要な課題。
    • 今後、財務諸表の信頼性がより一層厳しく問われていく中で、今後本格的に施行される内部統制報告制度や公認会計士制度について、実効あらしめるような運用が重要。
    • 具体的な制度整備の基礎として、「中期的に展望した我が国金融システムの将来ビジョン」について、再点検するべき。
    • これまでの制度改革は、大枠として間違っていなかったと思うが、反省・点検すべき点もあるのではないか。
    • 制度整備は進んだが、制度の運営面ではもっと経験や知恵を重ねていくことが課題。
    • これまではミクロ的な観点で個々の銀行等の健全性を確保することで金融システム全体の安定性が保たれると考えられてきたが、現状起きている実態を踏まえれば、金融システムの安定のためにはよりマクロ的な視点が重要になってきているのではないか。
    • 中長期的な視野で行う日本企業の経営方法について、このような時だからこそ評価を見直し、コーポレートガバナンスのあるべき姿を検討してもよいのではないか。
    • 日本の規制の多さに対してこれまで随分批判されてきたが、結果的には規制が残っていたために日本の金融機関は世界的な金融危機において壊滅状態にならなかったのであり、日本の金融制度はもっと評価されるべき。
    • マクロの資金の流れで見ると日本では財政赤字を抱える政府部門に資金が流れており、民間部門に資金が流れていないことに対処できるような方策を検討していくべき。
    • 日本がこれほど疲弊していく中で、地域経済を活性化していくために必要な地域金融のあり方を考える必要がある。
    • 改正貸金業法について、施行後の個人、中小企業への影響についてのフォローアップ等を行う必要がある。
    • 米国では金融規制が今回の金融危機ではうまく機能しなかった理由をきちんと検証していくべき。
    • 規制当局や公認会計士、弁護士、コンプライアンス部門等のゲートキーパーの役割についてもう一度検討するべき。
    • 金融庁と金融業界で意思疎通が十分できていないので、人事交流も含めて共通理解ができることが重要。
    • 過去に作った法律のフォローアップを定期的に行うべき。
    • 日本ではホールセール市場とリテール市場の区別をしないで規制をかけるために弊害がでており、ホールセール市場での取引を活性させるためにもっと工夫していくべき。
    • 現在の心理的にネガティブに陥っている状況における短期的な施策に影響されて、中長期的な施策がブレることのないようにして欲しい。
    • 日本の金融市場において、個々のプレーヤーの競争力は重要であり、規制と監督がどのような影響を与えているのか検証していくべき。
    • 日本の銀行や保険セクターが株式相場で非常に不安定になるといったように、今回の金融危機の影響により明らかになった構造的な問題を検討するべき。
    • 今回の金融危機に対して、日本は失敗例も含め過去の経験に基づいて、もっと世界に伝えることができることがたくさんあるのではないか。
    • 集団投資スキームについては、金融機関等において運営にかかるコストを削減できる余地があるのではないか。
    • 制度はあるが魂が入っていないものがある。例えば、投信の監査については、コストは投資者が負担するが、ガバナンスの効用が投資者にわからないと支持が得られないのではないか。
    • 情報技術革新が進む中で、高齢者等のようにインターネット取引から取り残される投資者を考慮した制度のあり方を検討すべき。
    • 欧米の金融制度に追随してきた日本の金融制度について、今回の金融危機を契機に、市場を強化していくことが「強欲資本主義」と誤解されないため、方向性や理念をもっと明確にアナウンスすべき。
    • 貯蓄・投資のインバランスや長期間の低金利といったマクロ経済が金融システムに与える影響や、報酬等のミクロのインセンティブメカニズムがプレーヤーに与える影響といったことについてもよく検討すべき。
    • 会計基準をはじめ、国際化への対応にあたっては、個々のルールの中身を十分議論していく必要がある。それを踏まえて国際化の議論をするスタンスを持って欲しい。
    • 法制度を検討するにあたっては、諸外国のものも含めた経済学の分野での実証研究の成果も利用していくことを強化していって欲しい。
    • 国際競争力の強化を目的として欧米の制度を導入してきたが、今回の金融危機が欧米の金融制度の失敗によるものであることを踏まえて検討し直すべき。
    • 法整備後、実体において欠けている部分があれば追加的な法整備を行うことを考えるべき。
    • 欧米の金融危機への対応は解決策を持たないまま行っているように見えることから、更にもう一段悪化するような最悪な状況に至ることも想定して議論をしていくべき。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企画課(内線3513)
本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。

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