金融審議会「投資信託・投資法人法制の見直しに関するワーキング・グループ」(第12回)議事録

1.日時:

平成24年11月9日(金曜日)13時30分~15時30分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 共用第1特別会議室

○横尾企画官

お忙しいところをご参集いただき、ありがとうございます。開催に先立ちまして、資料の確認をさせていただきます。本日は事務局説明資料、それから参考資料をお配りしております。ご確認をお願いいたします。

○神田座長

それでは、始めさせていただきます。本日は、投資信託・投資法人法制の見直しに関するワーキング・グループの第12回目の会合ということになります。皆様方には、いつも大変お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。

議事次第にありますように、本日は、まず事務局から資料について40分程度の説明をしていただきます。その後、その説明にある論点につきまして、ご審議をいただくという流れで議事を進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

なお、本日取り上げる事項は、中間論点整理におきまして、方向は出していただいており、事務局で検討していただき、その結果をここのワーキング・グループにご報告いただき、皆様方にさらにご意見等をいただくという事柄であります。若干、技術的な事柄が多いのですけれども、全体をまず事務局から説明いただくことにしたいと思います。

それでは、事務局からの説明をお願いします。

○横尾企画官

よろしくお願いいたします。

お手元の事務局説明資料に沿って、ご説明さしあげたいと思います。1ページおめくりいただきまして、資料2ページ、本日ご説明申し上げる事項でございます。今、座長の神田先生からもありましたように、中間論点整理で事務局検討事項として整理していただいたものでございます。

早速、投資信託制度に関する事項から始めさせていただきます。資料4ページ、まず「書面決議を要する約款変更範囲の見直し」でございます。中間論点整理の記述にありますように、現在、書面決議を要する約款の重大な内容の変更として、商品としての同一性を失わせることが規定されております。この規定に関しまして、実務上、形式的な変更でない限り商品としての同一性が失われるものと慎重に解釈され、書面決議を要する範囲が広く捉えられていることから、この見直しを検討するものでございます。

中間論点整理を踏まえた検討の方向性でございますが、重大な内容の変更に該当するか否かの基準を、商品としての基本的な性格の変更等として、書面決議を要しない実質的な約款変更があり得ることを法文上も明確化し、その上で下記の実質的変更については、書面決議を要しないものとすることとしてはどうかと考えております。その範囲として考えられるのは、マル1からマル3にありますように、受益者の利益に資する約款変更、それから受益者の利益には中立な事務的事項に係る約款変更、そして法令改正に伴い法令適合性を維持するために機械的に行わざるを得ない約款変更でございます。

そうしたものの例として、資料5ページに例を掲げております。列の一番左側が「約款記載事項のうち、重大な変更に関しては書面決議が必要となる事項」でございます。その横には「書面決議を要する必要が乏しいと考えられる約款変更の例」として、受益者の利益に資する変更、受益者の利益には中立的な事務的事項の変更を掲げております。欄外の注にございますように、上記のほか、法令改正に伴い、法令適合性を維持するための機械的な約款変更といったことも、書面決議を不要とすることが考えられます。

さらに加えて、資料4ページにお戻りいただきまして、真ん中の箱の最後の矢羽根、受益者利益には中立的な事務的に行う約款変更をもう少し拡大する余地がないかと考えております。例えば、A格以上の新興国債券に直接投資していた投資信託を、同様のA格以上の新興国債券に投資することを目的とするファミリーファンド形式にストラクチャー変更する場合、こうしたことも書面決議を不要とする余地がないのかと考えております。こうした検討の方向性で進めさせていただければと思っております。

次に資料6ページでございます。書面決議を要する併合手続の見直しでございます。中間論点整理の記述にございますように、現在、投資信託間の併合に当たっては、常に双方の投資信託において書面決議を要することとされております。ここに簡易併合のような手続を導入できないかということを現在考えております。方向性といたしましては、下の箱にございますように、併合する投資信託ごとに下記(1)から(3)の要件を充足するか判断し、そのいずれも充足する投資信託については、併合の前後で商品としての基本的性格の変更がないものとして、書面決議を不要とするということでどうかと考えております。

その要件でございますけれども、まず、(1)併合前の投資信託約款に規定された投資方針に基づいても、併合後の投資信託財産に属することになる資産に対して投資可能であること。これは、各投資信託の約款上の投資方針と併合後の投資信託財産の包摂関係に着目した要件でございます。次に、(2)当該投資信託の純資産規模が併合対象であるほかの投資信託の純資産規模に比べ一定倍率以上大きいこと。すなわち、約款と信託財産の包摂関係だけではなく、実態として、ある程度併合のインパクトが限られる場合であることを要件としてと考えてはどうかと思っております。ただし、括弧書きにございますように、各投資信託の信託財産の内容が実質的に同一である場合には、こうした要件を課す必要がないのではないかと考えております。それから(3)は、先ほどの約款変更時の書面決議を不要とする要件と同じでございまして、受益者の利益に資する相違等の重大ではない相違に限るという要件です。これら(1)から(3)の要件を全て充足する投資信託においては、併合に関する書面決議を不要としてはどうかと考えております。なお、矢羽根にございますように、ファミリーファンド形式あるいはファンド・オブ・ファンズ形式の投資信託の併合については、(1)について、受益者が直接投資する投資信託の約款だけではなく、実際に運用を行っている投資先のファンドの約款の内容も加味して判断する必要があるのではないかと思っております。

資料7ページは、今申し上げましたことを図示したものでございます。時間の制約もございますので、後ほどご覧いただければと思います。

次に資料9ページ、「受益者数要件の撤廃」でございます。中間論点整理の記述にありますように、現在、書面決議においては、信託法の規定を踏まえまして、議決権を行使することができる受益者の半数以上という、受益者数要件がかかっております。それに加えて当該受益者の議決権の3分の2以上の賛成を要することと規定されているわけでございます。この人数要件を緩和できないかということが、中間論点整理における整理でございました。

この受益者数要件を撤廃した場合に問題が生じるとすれば、多数の議決権を有する少人数の大口投資家の利益が、その他大多数の小口投資家の利益と相反する場合になりますけれども、現在1つの投資信託において均等ではない受益権は認められておりません。したがいまして、受益者の取扱いは基本的には異なっていないということかと思います。そういたしますと、利益の多寡・大小の違いはあっても、大口投資家と小口投資家の利益が相反することは、基本的には考えにくいのではないかと考えております。この点、次のポチ、それから3つ目のポチにありますように、信託法ではこうした投信法と異なる議決権に関する前提がございまして、もう少し弾力的に受益権の内容を決定することができますから、こうしたことも踏まえて信託法では受益者数要件が規定されているのではないかと考えられます。

こうした投信法と信託法の受益権に関する規定の違いを踏まえまして、最後の四角ですけれども、投資信託の受益権の内容の均等性が担保されるのであれば、約款変更、併合手続の見直しの観点からも、受益者数要件を撤廃してはどうかと考えております。

次の論点は、資料11ページ、「反対受益者の受益権買取請求制度の見直し」でございます。現行制度は、中間論点整理で記述していただきましたように、書面決議に反対した受益者は、受託者に対し自己の受益権の買取請求ができると規定されております。

検討の方向性としては、1つ目の黒ポチにありますように、まず受益権買取請求制度の性格を考えますと、多数決原理によって成立した書面決議の結果に拘束される少数受益者に対して、書面決議がなかった場合の価格で投下資本を回収する機会を保障するという意義を有していると考えられます。しかしながらオープンエンド型投資信託におきましては、受益者は随時解約請求を行うことが可能でありますので、書面決議に際しまして、改めてこのような投下資本の回収機会を追加する必要性は乏しいのではないかと考えております。また、現行制度下におきましては、書面決議に反対した受益者は、自己の受益権を「公正な価格」で買い取ることを請求できるものでございます。実態的にも、この場合の「公正な価格」とは、書面決議により成立した約款変更等が効力を発生して、これに基づき実際の運用が変更になり、その変更に基づく信託財産の変更が生じる前に買取請求が行われた場合であれば、請求を行った時点の基準価額に等しいと考えられます。現在、オープンエンド型投資信託におきましては、受益者買取請求権を行使しない場合、販売会社に対して通常の解約請求を行ったとすれば、当該請求日の基準価額に基づく解約金額が計算されることになってございます。したがいまして、経済的にもこうした2つの制度では同等の資本回収ということになっているのではないかと考えられます。

そういたしますと、結論的には、オープンエンド型投資信託の場合には、こうした反対受益者や買取請求制度を適用除外とすることが考えられるのではないかと、現在考えております。

続きまして、資料12ページ、「同一投資信託における複数の報酬体系等の容認」でございます。現行制度におきましては、中間論点整理の記述にありますように、投資信託の受益権は均等に分割されていなければならず、運用方針だけでなく信託報酬体系等も受益権間で同一である必要がございます。こうした同一性を、局面を限って多様化し、均等でない受益権の設定を認めることとしてはどうかということが、中間論点整理でございました。

今現在の検討の方向性でございますけれども、まず1つ目のポチに書いてありますように、複数のクラスの受益権の設定を行う場合、幾つかのルールを定めれば、利益相反防止の観点から問題が生じる局面は限定的ではないかと考えております。しかしながら、そうした場合におきましても、受益者保護を担保する観点から、利益相反管理の仕組み、例えば種類受益者ごとの書面決議制度等の導入を考える必要があると思われます。また、1つの投資信託において複数の信託報酬体系、あるいは為替ヘッジの有無といった、ある程度の相違がある運用を行うためには、クラス化された信託財産の計算方法について新たに制度化し、また内部管理や計理に関して抜本的なシステム改編が必要になってくるようでございます。こうしたことを考えますと、現在のマザー・ベビー・ファンド方式での運営と実は大差ないのではないかという意見もいただいております。3つ目のポチですけれども、運用方針を同一とするが、信託報酬体系、為替ヘッジの有無といったことについての相違のある投資信託であれば、現在活用されているマザー・ベビー・ファンド方式によっても構築することが可能であって、したがいまして、こうした要望を一部実務家からいただいておったのですが、あえて本改正による新たな投資信託制度を採用して導入する場合に前提とすべき具体的な商品設計のイメージが、まだ未確立の状況かと思っております。

結論としては、制度化の検討に当たって必要となる具体的な商品設計に応じた論点の抽出が、今現在、十分にし尽くしていないことから、直ちに制度化するということではなく、引き続き実務者と具体的な論点について議論を継続することとしたいと考えております。

続きまして、資料13ページ、「運用財産相互間取引の容認範囲の明確化」でございます。真ん中のポチの1つ目にありますように、現在の金商法上、運用財産相互間において取引を行うことを内容とした運用は、原則として禁じられてございます。ただし、適用対象として取引対象が上場有価証券である場合、また公正な価格により取引される場合、そうした条件のもとで、例外的に幾つかのケース、マル1マル2にあるようなケースを適用除外としております。

4つ目のポチにありますように、これに関して実務家からの要望といたしましては、取引対象に関して、我が国金融商品取引所の上場有価証券は適用除外の対象となってございますけれども、外国の金融商品取引所に上場されている有価証券が対象にされていないため、ここの部分の緩和を求める声がございます。それから投資信託運営上、やむを得ない取引類型として、投資信託約款等に定める投資制限を超えることを避けるために行う取引、投資制限をオーバーしてしまいそうなので、それを避けるために行う取引については例外となっておりますけれども、約款に記載がない場合、リスク管理の観点からより保守的なことを内規で定めている場合等についても、適用除外としてはどうかというご意見をいただいておりました。

こうしたことを検討いたしまして、結論としては、マル1我が国の金融商品取引所に上場されている有価証券について、既に容認されているということ、またその範囲も決まっているということから、一定の外国金融商品市場に上場されている有価証券についても、運用財産相互間取引を容認してはどうかと考えております。それから、マル2必要かつ合理的と認められる取引に関する事項といたしましては、先ほど述べましたような投資制限の話、約款上は規定されていないけれども、社内のリスク管理の観点から投資制限を内規として設定している場合、これを超過することを避けるために行う取引なども、追加の例示として掲げてはどうかと考えております。

次の論点ですけれども、資料16ページでございます。中間論点整理では「その他の施策」として、ここにある3つの論点についても事務的検討を進めるべきということで、整理していただきました。まずその第1点目は、価格調査制度の見直しでございます。現在、一定範囲の特定資産の取得・譲渡に際して、一律に第三者による価格調査が必要となってございます。この点を緩和できないかということでございます。現在、適用除外となっている特定資産として、2つ目の丸にございます、取引所上場有価証券、店頭売買有価証券、コールローン、市場デリバティブと商品取引所上場商品等がございます。緩和要望が高いのは店頭デリバティブ、これについても適用除外としてはどうかというご意見をいただいております。

この点をいろいろ検討しまして、3つ目の丸に書いておりますけれども、結論的には最後の四角のところですが、金融商品取引所や金融商品取引清算機関のルール、あるいはその他の商慣行などに基づき、取引条件及び経済的価値の算出方法が一定程度標準化され、価格調査によらずとも価格の公正性を確保することが可能と考えられる類型の店頭デリバティブ取引について、価格調査制度の適用を除外するための要件の検討、これを実務家とさらに詰めさせていただければと思っております。

資料17ページでございます。次の論点といたしましては、利益相反のおそれがある場合の受益者等への書面交付の時期・手法の見直しでございます。現行法令では、利益相反のおそれのある行為を行うたびに、事後的に運用会社が全ての受益者に対して遅滞なく当該取引の内容・理由等を記載した書面を交付する必要がございます。ただし不特定多数の受益者が存在します公募投信では、逐次の通知がなかなか難しいというご指摘をいただいておりました。結論といたしましては、利益相反のおそれがある行為を行うたびに、まず電子的な公告を行うことに加え、運用報告書に記載することをもって受益者に報告することで足りると考えてはどうかと思っております。

投資信託についての最後、MRF等の安定的な運営に資する措置でございます。MRF、MMFといった日々決算型の投資信託につきましては、上がった収益を当日中に分配または再投資することで、現在基準価額を1口1円に固定しており、それを前提にシステムも組まれているようでございます。こうした中、保有債券の突発的な価値の低下により、基準価額が1口1円を割り込んだ場合、システムを通じた追加設定や一部解約が行えず、全て手作業により基準価額を算出・償還することが必要になるようでございます。2つ目にありますように、MRFは証券決済口座用のファンドでございますし、そういった意味では、個人投資家の証券投資の決済資金を運用するという、重要な役割を担っているものと考えております。また国際的な規制改革の議論の中でも、MMFやMRFにつきましては適切な規制を及ぼしていくべきという議論が、現在行われております。こうした国際的な規制の動向も踏まえつつ、受益者の円滑な解約手続等を目的とした運用会社による価値の下落といいますか、毀損というか、劣化した運用資産の買い取りを損失補填禁止の規定の適用除外としてはどうかということも含めまして、安定的な運営に資する措置についての検討を進めさせていただければと思っております。

以上が投資信託に関する事務局検討事項でございます。次に投資法人制度でございます。資料19ページ、「海外不動産取得促進のための過半議決権保有制限の見直し」でございます。現在の制度では、中間論点整理の記述にありますように、海外不動産の取得自体は禁止されてございません。他方、事業支配を制限する趣旨から、投資対象会社の株式の議決権の過半保有が禁止されてございます。こうしたことから、事実上海外不動産の取得が困難になっている場合がございます。

これを受けました検討の方向性ですけれども、そうした投資法人の性質、あるいは事業支配を制限するという現行の規制の趣旨を踏まえつつ、実質的に投資法人が海外不動産を取得するのと同視できるような場合については、過半議決権保有制限の対象外としてはどうかと考えております。具体的には、矢羽根の2つで書いてありますような要件が必要かと思っております。REITが株式を取得する海外SPCにつきましては、海外不動産の取得、譲渡、賃貸及び管理の委託等のみを目的とし、現にこれらの業務を行っているという条件が必要かと思っておりますし、また当該海外SPCが得た収益のうち配当可能な部分について、投資法人への配当を留保しないといった条件も必要かと思っております。こういったことが確保できるようなSPCにつきましては、過半議決権の保有制限の適用除外として海外不動産の取得を進めてはどうかと思っております。

続きまして、資料20ページ、投資法人に関する「その他検討事項」でございます。まず1点目は、役員任期についてでございます。現行法における執行役員の任期は、旧商法の規定を踏まえて、2年を超えることができないと規定されてございます。このため、例えば毎回一定の曜日に開催しようといたしますと、役員選任の投資主総会を経るたびに、徐々に役員任期の末日が前倒しされ、さらには投資主総会の開催日がどんどん前倒しされていくことになって、やがて実務上の支障を来すというご指摘をいただいております。これを踏まえまして、こういった現状を見直すため、役員任期につきまして、あらかじめ投資主総会の開催時期を投資法人の規約で定めた場合、例えば2年ごとの決算期末から一定の期間内に開催するというような規約の定めがある場合には、投資主総会の終結のときまでとすることでどうかと考えております。

それから投資主総会開催日の2カ月前までに公告を要するという規制につきまして、現在、投資法人の迅速な意思決定を阻害しているという指摘もございます。これに関しましては、投資主総会の開催時期に関する投資法人の規約の定め、先ほど申し上げたような規約の定めがあれば、2カ月前の公告を省略することにしてはどうかと考えてございます。

資料21ページ、最後でございます。現在、投資法人が一般事務委託契約を締結して、その一定の内容に変更が生じた場合、これは投資主への通知事項となってございます。けれども、随時通知を行うことは多大なコストを要し、かえって投資主の利益にならないとの指摘がございます。こうしたことも踏まえまして、法改正に伴う形式的変更など、軽微な変更につきましては随時の通知ではなく、計算期間ごとにまとめて、例えば資産運用報告に記載するということで代えてはどうかと思っております。

以上、現在、事務局で検討いたしております事項の方向性について、ご報告させていただきました。ありがとうございました。

○神田座長

どうもありがとうございました。

技術的な項目が多いのですけれども、今の事務局からの説明を踏まえまして、皆様方にご質問、ご意見をお出しいただきたいと思います。1つずつというわけにもいかないので、若干アンバランスなのですけれども、大きく言うと2つのパートに分かれていると思いますので、その2つのパートに区切ってご意見等をいただければと思います。第1は投資信託制度でありまして、資料の17ページまでです。第2が最後のほうの投資法人制度、資料の18ページ以降となります。それぞれに区切って、まずは委員の皆様方からご質問、ご意見等をお出しいただき、その後でオブザーバーの方々にご発言の機会を設けたいと思います。

それでは、まず投資信託制度、17ページまでのところで、委員の皆様方からどの点でも結構ですので、ご質問、ご意見をお願いします。

大崎委員。

○大崎委員

1点、確認なのですが、私が大変大きな勘違いをしている可能性もあるのですけれども、あるいは記憶違いを。金銭以外を使った設定・償還の範囲は、どうなったのでしょうか。

○横尾企画官

その点につきましても、現在検討を進めております。また税当局とも議論を行っているところでございます。

○神田座長

それでは石黒委員、どうぞ。

○石黒委員

ありがとうございます。

まず資料の4ページでございますが、「書面決議を要する約款変更範囲の見直し」ということで、今ご説明にもありましたけれども、真ん中の四角の矢羽根で「例えば」というあたりは、マル1マル2マル3に必ずしも該当しないが、こういうことも検討課題になるのではないかというご説明があったかと思います。ただ上のほうの書き方を見ますと、マル1マル2マル3が限定列挙的にも読めるものですから、せっかくこの「受益者保護の見地も踏まえ、さらに実務家による議論を経た上で具体化することとしてはどうか」というご方針のもとで、マル1マル2マル3以外にも何かないかということも含めて検討していただくようにお願いしたいと思っております。例えばちょっと1つ思いつくことで申し上げますと、マル2は2つの要件があって、「受益者の利益には中立的なもの」であり、「事務的事項に係る」ということでございますが、特に外国投信で海外の設定で、海外で運用されているものについて、まま投資方針の規定の細かい文言修正などが入ることもございまして、中身は全然変わらないが事務的事項ではないということもあります。あるいは「事務的事項」を外して「中立的な事項」とだけ言ってしまってもいいのかもしれませんが、せっかく実務的見地でご検討いただくのであれば、マル1マル2マル3以外のところもご検討いただくという方向でよろしいのではないか、つまり限定列挙でなく例示列挙であるということだと思います。

それから5ページの約款変更の例も、これも「例」とお書きいただいておりますので、ほかに実務的見地から追加があれば、適宜追加していただくという趣旨で承れればと思います。

これはご質問でございますけれども、6ページの簡易併合のところですが、この中で(1)(2)(3)の要件がありまして、(2)のところで、一方が片方に比べて一定倍率以上大きい場合には、ちょっとそういうわけにいかないのではないかということですが、これはポートフォリオの中身が全然変わってしまうという、上位何十が全然違ってしまうとか、そういった場合はさすがに簡易ではできないというご趣旨かと推察いたしますが、そういう趣旨であるとして、大体イメージ的には一定倍率とはどのくらいをお考えか、もし今、数字的なアイデアがあれば、大づかみなところで結構ですが、教えていただければと思います。

○横尾企画官

まだ具体的なイメージを形成するまでには至ってございませんけれども、実務上のニーズに基づいてどの程度の差異があるかを見ながら、会社法等の規定も参考にしつつ、考えたいと思っております。

○石黒委員

趣旨としては私の推察どおりでよろしいですか。

○横尾企画官

その通りでございます。(2)の趣旨といたしましては、併合前の約款に従っても投資できるような投資信託財産になっているという包摂関係があっても、実際の運用の結果投資信託財産同士が異なるポートフォリオになっているケースもあるので、一定程度規模に相違がない限り、それは書面決議をしていただく必要があるのではないかと考えた次第でございます。

○石黒委員

ありがとうございます。

あと私は17ページまで飛びますけれども、利益相反のおそれの場合の書面交付ですが、これは制度のもともとの意義が必ずしも明確でないような感じもいたしまして、方向性に異論はございません。

それからMRF、MMFですが、これも多分ご説明していただいたところかと思うのですけれども、一番下の枠の中で、解約手続「等」を目的とした運用会社「等」による、買い取り「等」「を含め」と、非常に広く書いていただいて、これは要するに例示であって、MMF、MRFの基準価額維持のための柔軟な措置を認めていくというご趣旨と理解してよろしいでしょうか。

○横尾企画官

はい。そういう趣旨でございます。ただし、どんな柔軟な措置でも認めるということが、果たして法令的に受け入れられるかどうかということは、詰めて検討しなければいけないと思っております。まだ具体的な買取りのイメージなどを形成しているわけではございませんけれども、一定の場合には適用除外としていいのではないかという趣旨でございます。

○石黒委員

はい。当然、検討するということを前提として、前段の部分は例示であるということですね。

○横尾企画官

はい。

○石黒委員

わかりました。ありがとうございます。以上でございます。

○神田座長

よろしいでしょうか。ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

どうぞ、永沢委員。

○永沢委員

ありがとうございます。

ページに従いまして、質問が主になりますけれども、お話しさせていただきたいと思います。まず6ページ目の「書面決議を要する併合手続の見直し」のところですけれども、商品としての基本的な性格の変更がないものということは理解できるのですが、誰が判断をするのか、どうその判断が開示されるのかについて、お伺いしたいと思います。

2点目の質問としては、当局、金融庁や投信協会はこのようなことが行われたときに、こうした事実をどのように把握されているのか、把握できるようなシステムがあるのかどうか、何かが起きたときに調べるのではなくて、常にこうしたことが行われた事実がどこかに記録されている、そういうシステムがあるのかどうかを、確認のためにお聞きしたいと思います。

これに関係して、例えば下の紫色の四角の中の(1)の説明のときに、包摂関係というお話があったのですが、一般的には大きい円の中に小さな円があって、狭まるのはよいように思うのですが、果たして狭まるのがいいのか、どうなのだろうかと、疑問に思ったりしました。要するに投資対象が狭まることがよいのか、広がるのがいいのか。一般には狭まるほうがよいように理解すると思うのですが、いかがなものかと、疑問に思っただけで、これは別に問題意識という程度でございますが、気になりましたので意見として述べさせていただきたいと思います。

それから、論点から外れますが、(3)の併合前後の説明のところで、マル1の受益者の利益に資する例として、次のページで信託報酬などについて挙げていただいていて、このとおりでよいと思うのですが、逆に言いますと、きちんと手続きさえ踏めば値上げをしていいのかという疑問もございます。そもそも信託報酬や費用の値上げは、どの投資家にも不利益ですが、決議に参加するような受益者がそういるとは思えない。投信の投資家とはそういう投資家が多いのが事実です。反対の意思表示をしなければ賛成と見なされ、受益者自治のようなことが言われること自体がどうなのでしょうか。論点とはなっておりませんが、気になりましたので、問題意識としてお伝えしておきたいと思います。

9ページで、「受益者数要件の撤廃」のところですけれども、確かに株式と違い、何か支配しようと思って投資信託をたくさん持ったりするような投資家はいません。2分の1というバーと、3分の2のバーとを比べますと、3分の2のほうが高いので、2分の1は要らないだろうと思っております。ただ、この人数要件を撤廃して、起こりえないことと思いますが、例えばあるファンドをどうしても繰り上げ償還させたいという販売会社がそのファンドを買い占めて一時的に大口受益者になって、強制的に繰り上げ償還なんてことは起きませんよねということを、この場をかりて確認といいますか、そういうことはないですよねということを業界の方々にお願いしたいと思います。

最近、繰り上げ償還が多く行われております。そうせざるをえない事業者側の事情もわかるのですけれども、例えば投資家は信託期間は10年と思って手数料3%か何がしかを払っているのに、5年で償還されたりすることもあったりすると、ちょっとそれは投資家の利益を損ねることでもありますので、そういうことはやらないでくださいねということをお願いしたいと思います。ただ、ここでも結論としては、基本的には2分の1という人数要件は廃止し3分の2の要件だけ残すことで足りるとは思っております。

それから、12ページになります。ささいなことですけれども、中間論点整理の点線の枠の中の最後の「例えば」という例示のところで、最後に分配頻度について挙げてあります。私はこの点は、自動累積投資ならともかく、現金払い出し型の場合、私の理解が違わなければポートフォリオを共有しているときに、現金払い出しを一方で頻繁にして、一方は1年に1回しかしないとか、全くしないというようなことへの対応が、運用の現場においてできるのだろうかと疑問に感じております。運用会社にお伺いして、問題ないならば残していいと思うのですが。

最後になりますけれども、17ページ、利益相反のおそれがある場合の受益者の云々のところでございますが、現行のルールでは難しいのだということも理解いたしております。逆に言えば、先ほどもお尋ねしましたけれども、モニタリングという点では、受益者によるモニタリングは実質的には不可能なことでございまして、例えば当局や投信協会に届け出るような義務が課されているのか、このようなことを行ったら届け出が行われているのかどうか、現実に起こっていることを当局なり投信協会が把握されているような状況にあるのかどうか、お伺いしたいと思いますし、ないならばそういうものは用意していただく必要があると考えます。

以上でございます。

○神田座長

どうもありがとうございました。

幾つか、ご質問があったと思います。

○横尾企画官

いただきました質問の1点目、まず資料6ページでございます。商品としての基本的性格の変更がないものとして、併合の際に書面決議を不要とするという、その決定判断を誰がするかという点でございます。基本的には、それは委託者が判断されるということだと思います。また、その結果をどう開示するのか、質問の2点目として、当局が把握できているのかということでございますが、少なくとも約款の変更は当局に届け出なければなりません。併合の場合につきましては、これは会社と違いまして、既存の2つの投資信託は一旦消滅して、新たな投資信託が生まれて新規の約款ができるということになりますので、それも当局に届ける必要がございます。

それから包摂関係につきましてですけれども、併合前の約款の投資方針に基づいても、併合後の投資信託財産に投資できるという包摂関係がある場合も、併合する投資信託のうち小さい規模の方の投資信託では決議していただく必要があると思っております。併合前の投資方針に基づき併合後の投資信託財産に投資できるという要件を充足しているのであれば、大きな規模の投資信託のほうは、現行の投資方針と変わらない、しかも規模の小さいファンドを吸収することで実態的な影響も限られるということで、書面決議を不要としてはどうかと考えてございます。

○永沢委員

すみません。ちょっとそこでよろしいでしょうか。

そうすると、委託者が判断したことに対して、基本的な性格の変更があるかないかという判断の妥当性は、どなたがするのでしょう。変更の理由を、当局なり協会に約款等を事業者が届け出るときに開示することが義務づけられたりしているのでしょうか。もう少し具体的に、例えばこうこうこうこういう理由でというような説明が当局なり投信協会に対して行われているのですか。心配なのは、ほんとうは受益者自身がチェックをしていかなくてはいけないのですけれども、誰かがやはりチェックする仕組みが、この投資信託という仕組みには必要なのではないかなと思っておりまして、最後に拠るべきところは金融庁といったら申しわけないのですが、そういう監視の目が欲しいなという気持ちが投資家としてはございまして、単に約款変更の届け出だけではなく、合理的な理由などを届け出時に確認してほしいというのが、投資家としての希望ではございます。すみません。余計なことですけれども。

○横尾企画官

ありがとうございます。

基本的には金商業者としての検査・監督が日常的にかかってございますので、そうした不適切な事例があるということになりますと、そういった局面で対応することになろうかと思います。

そのほかのご質問の中で、資料9ページの「受益者数要件の撤廃」につきましても、基本的には、悪質事例、不適切事例に対しては、個別のケースに監督・検査で対応していくということかなと思います。今日、投信協会もいらっしゃっていますので、委員のご意見をよく聞いていただいていると思います。

それから資料12ページの分配頻度につきましては、確かに中間論点整理で信託報酬体系、為替ヘッジなどの分配頻度についての差異ということで、大きく種類受益化してはどうかとご提案申し上げたわけですけれども、「中間論点整理を踏まえた検討の方向性」の1つ目の丸にございますように、信託報酬体系・為替ヘッジの有無については、クラスを細かく管理していけば利益相反が起きにくいのではないかと思っておりまして、ここから分配頻度という言葉を落としたという趣旨は、まさに永沢委員ご指摘のとおりでございます。

○永沢委員

すみません。見落としておりました。ちゃんとそうなっております。

○横尾企画官

それから資料13ページでよろしいでしょうか。

○永沢委員

13ページはないです。17ページですね。

○横尾企画官

利益相反のところでございます。これは届け出ではなく事後通知ということで、受益者の方々にお知らせするという趣旨だったと理解しておりまして、ご指摘のとおり、なかなかモニタリングを受益者に求めるのは厳しいということかと思います。けれども、逆にそうやって運用報告書に記載することで、法定書類として記録が残りますので、その後の我々の検査・監督等の書類としても活用できるという効果はあろうかと思います。

○永沢委員

ありがとうございます。

○神田座長

よろしいでしょうか。

○永沢委員

はい。

○横尾企画官

失礼いたしました。

先ほどの補足ですが、法律ではなく府令におきまして、約款変更の内容及び理由は、所管金融庁長官等に提出して行わなければならないという規定もございます。

○神田座長

ありがとうございました。

それでは、ほかの委員の皆様方、いかがでしょうか。

どうぞ、清水委員。

○清水委員

6ページの合併手続の要件のところですが、(1)(2)(3)のいずれも充足する場合ということですが、そもそもの目的は、非常に本数が多い投資信託の現状を解決するための1つの手段として、今回こういった提案がされていると理解しています。したがって実効性を上げるために、要件をあまり厳しくすると、実際、現実には合併はなかなか行われないのではないかと危惧しています。海外の同僚等と話をすると、ファンド同士の合併は実際に行われているようですので、そうしますと、全くの私見ですが、7ページで、日経225連動、全く同じ指数であればできるわけですが、投資方針等が同一であっても、規模がかなり違わなければ、結局手続が必要になるということで、あまり要件を厳しくすると現実的に合併は起きてこないのではないかと心配しますので、2段階ぐらいの要件にすべきと考えます。

それから、今回の論点とは少しずれますし、永沢委員と反対の意見になるかもしれないですが、ファンドの合併手続きが可能となってもあまり本数が減らないようであれば、次のステップとしては、ファンドの償還について何か手続が行われないような方策を考えていく必要があるのではないかと考えています。それも欧米のファンドの専門家等と意見交換していると、小さなファンドにつきましては、海外の場合はコストを原則としてファンドにチャージしますので、そうしますとあまりに小規模なファンドは赤字ファンドということになりまして、運用会社としてはフィデューシャリー・デューティーの観点、すなわちマイナスのファンドを残しておくというのも投資家のためにならないということで償還にすると、米国の同僚からは聞いていますので、次のステップとして、そういうことも考えていく必要があるのではないかと思っています。

以上です。

○神田座長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

小沼委員、どうぞ。

○小沼委員

ありがとうございます。

こちらの分野は全般的に賛成でございまして、細かい内容も含めまして、いろいろ方向性を詰めていただいております、事務局を含めた関係者の皆様に、改めて御礼したいと思います。せっかくの見直しでございますので、それの効果があって、運用に移るように、具体的な運用の明確化みたいなものが今後出てくると思いますので、そういうことがよりはっきりして保守的な運用にならないように、実効性が高いものになるといいなと思っております。

1点、ご質問というか、現段階で、ある程度のイメージがあればということでお聞きできればと思いましたのは、16ページの「価格調査制度の見直し」のところでございまして、こちらも店頭デリバティブ、スワップをベースにしたものを対象にしていくという方向性について、ぜひよろしくお願いしたいと思っておりますが、こちらの、一定程度、標準化が進んでいる、商慣行などである程度標準化が進んでおるという部分のイメージでございますが、よくヨーロッパなどの商品で、相対のスワップを運用資産に入れているようなもので、そのスワップの契約が、国際スワップデリバティブ協会でしょうか、ISDAとよくお聞きしますが、こういった協会的な公な機関がマスター契約というか契約のひな形を作って、それに基づいていろいろな民間機関がスワップ契約を結ばれていると聞いておりますが、こういったある程度認知されたひな形に基づく契約で、その上で明確に経済価値が図られていくようなものも、ある程度対象となっていくようなイメージで考えていってよろしいのでしょうか。今後、いろいろな個別のケースを実務家の方々を交えて確認していくことが、これからあるということだと思いますが、現在どんな、その辺のところのイメージをお持ちかを、もしよろしければお聞かせいただければと思います。

○横尾企画官

ありがとうございます。

その点、我々も今検討を進めているところではございます。逆に、もしご存じであれば教えていただければと思いますが、我々が見たところ、ISDAの契約ですと、価格を決定するカリキュレーターは決めることになっていると思うのですが、価格決定の方法までISDAのマスター契約で決まっているかどうかがよくわからなかったものです。今、委員がおっしゃるように、ISDAでそういったところまで決めているということであれば、そこをご紹介していただければと思います。

○小沼委員

わかりました。ポイントは、カリキュレーターだけではなくて、価格がある程度明確に決まっていく仕組みが、ある程度合意されているということですね。私もできる限りのご協力をして、実例を見ていきたいと思います。

○神田座長

よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

上柳委員、どうぞ。

○上柳委員

今のISDAの件ですけれども、小沼委員は、価格形成がきちんとしているかどうかということを、証券取引所の立場からふまえておられると思うので、間違いはないとは思いますけれども、ISDAのマスター契約に基づいているからそれでよいということにはならないと思います。いずれにしても価格形成の問題だと思います。

○神田座長

どうもありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

よろしいでしょうか。それではオブザーバーの皆様方、17ページまでについて、いかがでしょうか。

投信協会、どうぞ。

○投資信託協会(城川オブザーバー)

投信協会です。ありがとうございます。

まず4ページの「書面決議を要する約款変更範囲の見直し」についてでございますけれども、今回の方向性につきましては、受益者の利益に資する約款変更については書面決議不要との明確な方向性をお示しいただいたことで、このような約款変更が行いやすくなると考えられますので、ありがたく考えております。今後、書面決議を必要としない約款変更事項の詳細についての検討の際に、5ページに例示されておりますが、実務家の立場から意見を述べさせていただければと考えております。

次に6ページから7ページの「書面決議を要する併合手続の見直し」についてですけれども、併合等において書面決議を不要とする場合の要件として、商品としての基本的性格に変更がないか否かを判断する際の基準といたしまして、同じ指数連動型の投資信託の場合など、信託財産の内容が実質的に同一である場合と限定されているのですが、インデックスファンド等の場合にはこれでよろしいのでしょうが、インデックスファンドに限らず、基本的に投資対象範囲や運用手法に相違がないファンドについては、ファンド規模にかかわらず書面決議をすることなく併合が認められるようにしていただければと、我々業界としては考えております。例えば運用会社などが合併した場合に、同一社内において、組み入れ銘柄は若干違うのだけれども、基本的に投資対象範囲や運用手法に相違がない同種のファンドが複数存在するケースがありますので、このような場合、簡易な併合が可能となることが想定されますので、ご検討いただければと考えております。

また、投資信託の併合については、これによってファンド数が減るというメリットの面もあるのですけれども、実際併合するに当たっては、書面決議以外にも実務的に処理すべき、さまざまな事項がございますので、前半の議論の場でも申し上げましたが、実際この併合等をするに当たっては、投信の運用会社だけではなくて、顧客の口座を管理している販売会社にもご協力いただく必要がありますので、そうした関係者の方々にもこの趣旨をご理解いただいてご協力いただけるように、今後努力したいと考えております。

あと9ページの「受益者数要件の撤廃」と、11ページの「反対受益者の受益権買取請求制度の見直し」については、効率的な投資信託の運営に資するものと考えておりますので、ぜひこの方向で推進していただきたいと考えております。

12ページのクラス証券ですね、「同一投資信託における複数の報酬体系等の容認」に関しては、クラス受益権の設定については、投資家ニーズに合った多種多様な商品を効率的に提供することができる仕組みでありますので、まだ実務の面から検討する事項は多いと思いますけれども、引き続きこの方向でご議論いただければと考えております。

13ページの「運用財産相互間取引の容認範囲の明確化」についてですけれども、現状、いずれの運用財産の受益者にも不利益が生じない相互間取引であっても、具体的に例示がないと、実際保守的な解釈に基づいて運用会社は運営しておりますので、結果として受益者の利益につながっていない場合もあると考えられます。したがいまして、必要かつ合理的に認められる取引に該当する例示の追加を、ぜひお願いしたいと考えております。

16ページの「その他の施策」であります価格調査制度の見直し、利益相反のある場合の受益者への書面交付の見直し、あとMRF等の安定的な運営に資する措置のいずれも、今後、我々と意見交換をしながら推進していただければと考えております。

長くなりましたけれども、ありがとうございました。

○神田座長

どうもありがとうございました。

ほかにオブザーバーの皆様方、いかがでしょうか。

よろしゅうございますか。そうしましたたら、委員の皆様方。

河野委員、お願いします。

○河野委員

信託協会にお伺いしたいのですけれども、先ほどから受益者のモニタリングが難しいというお話が出ておりましたが、協会で、私はパンフレット等を見たことがないので、もう既にそういうことはされているかもしれませんが、要するに一般顧客からのクレームとか、今後もそうですが、不適切な行動を受け取るフリーダイヤルというものは既に設定されて、いろいろな事例を把握されておられるのでしょうか。これが1点です。

もう1つは、12ページに、「中間論点整理を踏まえた検討の方向性」の黒ポチの3つ目で、1つの信託において、複数の信託報酬体系に基づく云々のところの最後の行で、要するに「計算方法について新たに制度化、内部管理や計理に関して抜本的に新たなシステムの構築も要する」と書いてあるのですけれども、もちろん新たなシステムは要ると思うのですが、例えばこういった新たなシステムを信託協会等である種、みんなが共通で使えるようなシステムを、これはある意味でコスト、もろもろのシステムコストがちょっと高過ぎると私は思っておりますので、そういったことをまとめておやりになるというご検討は、されるようなことがあるのでしょうか。すみません、質問ですが。

○神田座長

投信協会、いかがでしょうか。

○投資信託協会(城川オブザーバー)

クレームについては、FINMACに外部委託しており、そこで処理してもらって、我々、投信協会のほうにもきちっとフィードバックされるようになっております。そこが仲介といいますか、係争等になった場合の仲介をやってもらって、その事実関係を協会に情報が共有されるようになっております。

あと先ほどのシステムの話ですけれども、業界では、実際、こういう制度が入って、商品ができれば、処理をやらなければいけないので、当然、大々的に行うのであれば大規模なシステム構築等も必要になってくるかとは思いますが、今から共同でやるかどうかに関しては、実際、運用会社のほうの計理システムとしては大きなシェアを持っているところがありますので、そこがそういう開発をやってくれれば処理できるでしょうし、個々の信託銀行においては、運用会社が使っているシステムに応じて処理もいろいろ変わってくるので、複数システムが存在しているのも事実ですので、共同でシステムを開発するかどうかは、これからの問題でございますし、実際このシェアクラスの商品をやることが、現状、日本ではベビー・マザー方式もございますので、どちらのほうが経済合理性が投資家のためにあって、かつファンドの運営において支障がないかを確認しながら、今のところ、この制度が適用された場合にも、商品化するに当たっては考えていきたいと考えております。

以上です。

○神田座長

どうもありがとうございます。

おそらくFINMACというか、苦情とか紛争処理は金融ADR制度の1つであるFINMACへ行くのでしょうけれども、その結果が投信協会にいわばフィードバックされて、モニタリングとか、そういう自主規制というのでしょうか、生かされる必要があると思うのですね。今の河野委員のご発言の趣旨は。

永沢委員、どうぞ。

○永沢委員

発言すべきかどうか迷っていたことを、ちょうど河野委員からご指摘いただいたので、その延長上で申し上げたいのですけれども、最近、ファンドの併合や移管がいろいろ行われておりまして、それは仕方がないことだと思うのですが、理由が一応書いてあるのですが、最近インターネット上で投資家がいろいろな意見を言い合っているのですが、その理由に合理性を見出せないという不満の声が投資家の間から出ています。合併なり移管の理由に納得できないというケースについて、それはしようがないのだと言ってしまえばしようがないのですけれども、こういう状況を放置していていいのかどうかという問題意識は持っております。

受益者にとって請求権は限られており、閲覧請求権ぐらいしかないのですか、合理的な説明を求めるような権利などがあってもいいのではと思います。一定人数が集まったら例えば受益者集会を開いていただくとか、何かそういう請求権が手当てされたりする必要があります。また、実際にそういうことが起きているときに、投信協会なり金融庁がどこまで把握されているのだろうか、こういう移管が行われていいのだろうかというケースもありまして、そういうときに誰がそれに対してストップをかけてくれるのだろうという、非常に漠然とした不安を感じております。

これは私だけではなくて、受益者の間で今広がっている不安・不満でございますので、今後の投資信託の将来の発展のためにも、これは金融庁ではないと思うのですが、協会のほうで、何かこういう出来事が起きたときに、受益者からの知りたい不満などに対応していただきたいと思います。FINMAC以前に何かもう1つ、起きている状況を把握されて、そして把握しやすくして、それに答えられるようなシステムをぜひつくっていただきたいと思っております。この場をかりて、ぜひお願いさせていただきたいと思います。

○神田座長

どうもありがとうございました。

今の点は非常に重要な点だと私も思いまして、このワーキングで主として議論するには多少大き過ぎるテーマかもしれませんけれども、もし委員の皆様方からご感触があればぜひお聞かせいただきたいと思います。

一般的な話になってしまうのですが、場合をまず分ける必要があって、ルールは守られているけれども、その中で妥当な判断がなされているかどうかが、不満というかが問題になる場合と、ルール自体が、先ほど永沢委員がご指摘になりましたように、どの例でもいいのですが、例えば前のほうの例でいいますと、基本的な性格の変更に当たっているではないかという、ルール自体の違反があるのではないかと思われるような場合と分ける必要があると思うのです。

いずれにしても、昔話になって恐縮ですが、80年代にアメリカでこういう信託型の投信を導入すべきだという議論が非常にあったのですね。そのときアメリカは基本的に会社型ですので、そうすると受益者というか投資家は永沢委員がおっしゃるように判断できないわけです。投信の場合ですと。では誰がモニタリングするのですかというと、それはアメリカの言葉でいうと社外取締役という、現在の投資法人は過半数が社外になっておりますので、そういうことなのですけれども、しかしその仕組みでは競争力上負けるのではないかという議論が当時アメリカでありました。イギリスがユニット・トラストという信託型ですので、アメリカにもユニット・トラストが導入されるべきではないかという議論でした。SECの非常に分厚い報告書が出されているのですが、結論は、導入はやめましょうということでした。その理由は、まさにおっしゃったことで、会社型であれば社外取締役が受益者にかわって見るけれども、信託型になったら誰もモニタリングしてくれる人がいない。それはSECになると。しかしSECは当時の予算の制約、時間の制約があり、とても無理だと。だからやめましょうということでした。

ですから、信託型の仕組みにおいて誰がモニタリングするのですか、誰が受益者にかわって破断するのですかというと、非常に難しい問題で、それは監督当局がやってくださいとなりがちです。言うは簡単ですけれども、当局も大変で、なかなかそこまでやれますかという話があるし、では協会ではということになって、結局、なかなか行き場がないわけです。イギリスなどでは受託者という、日本では信託銀行になるのですけれども、そのあたりが委託者に法令などのルール違反があったかどうかをチェックする義務があるのではないかというあたりで動いているようですが、アメリカの議論などでも、なかなか受託者は一般投資家であって受動的ですのでチェック機能は果たせない、そこで受託者にその役割を期待するのが適切かどうかということになって、結局おっしゃるように監督当局に行く、あるいは自主規制機関といってもいいかもしれませんが、そのあたりになっているのですよね。

ですから、会社型のほうはうまくモニタリングが働いているのかというと、実態問題としては別かもしれませんけれども、少なくとも仕組みを考える上では、この投資信託という仕組みにおいては、受益者が自分から出ていって全部やらなければいけないのかというのは、仕組みの本来の趣旨に反しますよね。そこで、どういう仕組みを用意したらいいのかということだと思います。

長く発言し過ぎて申しわけありませんでした。委員の皆様方でお知恵があれば……。大崎委員、どうぞ。

○大崎委員

今の点で1点だけ申し上げたいと思いますのは、私はちょっと信託型にあまり重い仕組みをつけていくのは、賛同できないという気持ちを前から持っております。これはむしろ信託型か会社型かということよりも、オープンエンドなのかクローズドエンドなのかというところで区別すべき問題のような気がしていて、やはりオープンエンドであるということは、基本的にいつでも純資産価値で解約、償還が受けられるということですので、その意味で価格に不正があったりした場合はちょっとまた別の話になってくるわけですが、基本的には投資家が不測の損害をこうむるというのは、極めて考えにくいような気がするのですね。例えば、永沢委員がさっきちょっとおっしゃった例で、3%のコミッションを何年ぐらい持てると思って払ったのにという話は、特に無期限というものについて、あまりこれを強調し過ぎると、永遠に償還はできないという、無期限だから永遠にするなという話なのかもしれませんが、ちょっとそこをあまり強調し過ぎると問題かなと思っております。

例えば上場会社についてMBOがいろいろありまして、経営者が株価が下がっているところにいわば乗じて、少数株主に不利になるような買い付けをやっているのではないかという話があるわけですが、こういう問題が出てくるのは、やはり時価と会社の価値が必ずしも連動していないからではないかなと、私は思っております。その意味で、純資産の価値がそのまま時価というか取引価格に直接反映されているオープンエンド型は、投資者の保護という点ではクローズドエンドのものに比べて相当すぐれていると考えられるのではないかなと、私は思っております。

○神田座長

ありがとうございます。

ただアメリカではオープンエンド型でも、やはりボードが責任を負うのですよね。日本では責任を負うボードはない。

どうぞ。

○永沢委員

今の大崎委員の件で、ファンドの繰り上げ償還の件はまた別の話でございまして、私は解決方法があると思っております。90年代の半ばに繰り上げ償還が大量に行われたときには、販売会社が乗りかえの対象ファンドを無償で提供することによって対応した経緯がございますし、あるいは、10年という信託期間が定められているなら返戻すればいいだけのことです。販売会社が責任をもってファンドを提供したのにできなかったならば、その分返せばいいだけのことなのではないでしょうか。あのときは、実際に業界挙げて、繰り上げ償還の場合には無償で乗り換えファンドを提供しました。90年代にやったことを業界の皆さんも覚えていらっしゃると思いますので、それをすればいいだけのことで、神田先生が提起された問題とはちょっと違うと思います。すみません、余計なことでしたが。

○神田座長

ありがとうございました。

本日のテーマからは若干より大きな話になってしまっていますが、ただ重要な話ですので、もしご意見があればお伺いしたいと思います。今後の審議にも参考になると思いますので。

上柳委員、どうぞ。

○上柳委員

受益者以外のコントロール機能やモニタリングの機能をどこに持ってもらうかという問題は、いずれにしてもお金がかかる話で、当局ということであれば国民全体で負担するということでしょうし、協会ということであっても、結局は消費者なり投資者の負担だということではあるのですが、ただやはりそこは充実させなければいけない。まだまだ協会、これは信託協会も含めてですけれども、お願いできるところがあるのではないかなと思います。

ですので、今日の論点の中でも、併合手続について、協会からは、同種のファンドの場合はもう少し広く認めてよいのではないかという問題提起がありました。もちろんこれは同種の定義にもよるわけですが、そういうご提案だけではなくて、ガバナンスなりあるいはモニタリングのところについて、コストなり時間がかかるかもしれないが、このように充実させていきたいという話となるべくセットにして問題提起をしていただけると、聞きやすいといいますか、建設的な議論になるような気がいたします。

○神田座長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

今の点について、どうでしょうか。オブザーバーの皆様方、何か名案、投信協会あたり、どういうご感触ですか。何かありませんか。

○投資信託協会(城川オブザーバー)

ご指摘いただいた点について、例えば約款変更1つにしても、委託会社が勝手にやっているということではなくて、今のたてつけは信託約款に入っていますけれども、約款変更の申請をするに当たっては、受託者の同意を得てやるという仕組みになっておりまして、どこまで牽制が働いているかは実際的にという話はあるかもしれませんが、勝手にこれは申請しているのではなくて、受託者の了解のもとといいますか、同意をもらった上でまずやっているということで、そこでは仕組み上は牽制は効いていると思っております。だからいいというつもりは全然なくて、ご指摘をいただいたように、結構自由化が進んでいる中で、我々の業界としてはガバナンスなりモニタリングを一層、どこまでできるかは別にしても、自主規制機関としてやっていかなければいけないのかなとは考えております。ちょっと具体的にこうしますとは言えませんですが、おっしゃった趣旨は理解させていただきました。ありがとうございます。

○神田座長

ありがとうございます。

信託協会はよろしいですか。もし何かあれば、ご感触でも。

○信託協会(白神オブザーバー)

信託協会でございます。

先ほど、投信協会のご発言のとおり、手続としては受託者の同意という手続がございます。このあたりは今後の受益者の保護という観点から、どういったものができるかという検討の中で、関係者といいアイデアを出し合っていきたいとは考えてございます。

○神田座長

ありがとうございました。

いずれにしても、ガバナンス、モニタリングの重要性は報告書にも書いておいたほうがいいと思いますので、その点、なかなかどうしたらいいのかというと難しい課題かもしれませんけれども、重要な課題ですので、そうさせていただければと感じます。

投資信託、17ページまでの部分につきまして、さらに追加で委員の皆様方、ございましたら、お出しいただけますけれども、いかがでしょうか。

よろしいでしょうか。それでは先に進ませていただきます。

投資法人制度になります。18ページ以降ですが、まず委員の皆様方からご質問、ご意見をお願いします。

大崎委員、お願いします。

○大崎委員

19ページの「海外不動産取得促進のための過半数議決権保有制限の見直し」という項目でありますが、確かに中間論点整理にもこういう文章がありますように、この見直しは、具体的にJ-REITが海外の不動産を買うという文脈で議論されたわけですけれども、しかしそういうケースにだけ限定して考えなければいけないのかどうかと、私は非常に疑問に思っております。つまり、ここに書いていただいている「実質的に投資法人が海外不動産を取得するのと同視できるような場合」を拡張して言えば、「実質的に投資法人が特定資産を取得するのと同視できような場合」ということだと思うのです。確かに、現在の現場のニーズということから言えば、J-REITが海外不動産を取得するということだと思うのですが、例えば太陽光発電施設に投資するメガソーラーファンドとか、そんなものが近い将来に出てきたりするときに、国内のそういう施設が匿名組合形式をとっているというような話があったときに、それはこれではないからだめです、過半数にはなれませんよというのは、果たして合理的な規制と言えるのかどうかと、非常に疑問に思っております。やはりいろいろなケースに使えるような制度にしておくのが、非常に大事なのではないかと思う次第です。

○神田座長

どうもありがとうございました。

石黒委員、どうぞ。

○石黒委員

ありがとうございます。

今の19ページですけれども、下の囲みで「具体的には」ということで矢羽根が2つございまして、1つ目の矢羽根の括弧の中が、「当該海外SPCが他の法人の株式等を取得して複層化することを含め、潜脱的に他の事業を営まないよう」となっております。この文言をそのまま字義どおり読むと、他の法人の株式取得自体が、あるいは複層化自体がもうだめなのだとも読めるのですけれども、実際に海外の実例を見ますと、不動産の所在地、所在国の税制の問題ですとか、訴訟リスク回避の問題ですとか、あるいは不動産取引の許認可の手続上の問題とか、そういったことで複層的に現地に1つ法人を置いて、もう1つSPCで全体的に海外の不動産の投資を統括するとか、そういったスキームが普通に用いられているということでございます。実例としてもそうですし、実際に頭で考えてみても、そういうニーズは正当なニーズとしてあり得るところだと思います。ここはやはり読み方といいますか、ご趣旨としては、実質的に海外不動産取得と同視できるような場合でなければいけない、それを例えば複層化することで潜脱してはいけないのだということだと思いますので、潜脱はだめなのですが、複層化がだめだということではないと、形式的に複層化したらもうだめという意味ではない形で考えるべきであろうと思います。そこにフレキシビリティーをきちんと残しておく必要が、せっかくこの改正をやる以上は、あるのではないかと思います。

それから2つ目の矢羽根でございますけれども、これも配当の留保をしてはいけないのだということになっておりますが、例えばやはり海外での投資ということですので、単純にテクニカルな送金規制等で配当可能利益を配当できない、送金できない場合も想定できますし、あるいはそれは直接投資の場合でもそうですが、さらにSPCを通じて海外不動産投資をする場合に、利益が上がったが、直ちにそれを配当するのではなくて、再投資をしたほうが投資効率が上がって投資家のためになるという場合も考えられますし、それから現地の税制上、配当のタイミングをずらすことによって、投資家に有利になる、配当のタイミングをずらさないと不利になるようなケースも考えられますので、いずれも機械的に配当を行うことが、投資家の利益にならないケースが出てくるおそれがあるのではないかと思います。

それから、海外現地の不動産投資ということですと、現地のそういったノウハウを有する共同出資者とSPCを持つというケースも十分考えられるわけですが、そこでそのノウハウを活用することによって投資効率を上げるという場合に、共同出資者との配当方針のすり合わせの問題があって、このようにオートマチックに配当しなければいけない、留保は一切いけないということだと、それはフレキシビリティーに欠けるということです。さらに共同出資者に投資のアップサイドリターンを還元するような形とし、他方で投資法人には安定的な投資リターンをきちっと確保するために、さまざまなエクイティーの組み合わせで、あるいは配当の方針の組み合わせで、共同保有者・共同出資者にインセンティブを与えるようなケースもあるようでして、そういったときにも、この要件が厳密に配当留保は一切だめということになると、柔軟性に欠けることになるのではないかと思います。

もともと過半数の議決権の保有は、投資法人を通じて企業支配するようなことは、投資法人の制度の趣旨からいって認められないということだと思いますので、配当しなければいけないということは、あまり、そのような趣旨から出てくる話ではないのかなと思っておりますし、国際比較から言いましても、何か日本はすごく特別な規制を持っているよねという形で見られたり、あるいは日本の資本市場が特異なマーケットだと見られるようなことも、できれば回避したいと思っております。そもそもこれは反対というよりも、ご提案の趣旨は、実質的に投資法人が海外不動産を取得するのと同視できる場合ならばいいのではないか、そこに濫用的なものがなければいいのではないかというご趣旨だと思いますので、もう少し、矢羽根2つのところは柔軟性を持った考え方でやっていただいて、ソフトロー対応でもいいと思うのですが、そういった形でお考えいただければありがたいと思います。

それから20ページの下の「2か月前公告規制」でございますけれども、このご提案は、役員との関係で、いわば2年に1度の定時の投資主総会について、規約に定めたときに、役員の選任の問題を解消する、それとの組み合わせで、そういった規約があれば、2カ月前の公告を省略することができることにすると読めますし、そういうご説明だったかと思います。しかし、もともとの目的が、ここでお書きになっているように、「投資法人の意思決定を迅速化するため」ということだとすると、定時の投資主総会の場合には、公告はあまりそういった迅速化の阻害要因にそもそもなっていないと思います。もともと計画的にできますので。むしろ迅速な意思決定が必要になるのは、臨時で総会を開かなければいけないようなことが出てきた場合に、そこでこそ迅速性が要求されるということだと思います。株式会社でも特に公告制度のようなものはございませんので、基準日公告があれば、基本的にそれで足りるという割り切りが、会社法でもとられているわけですので、これについては、定時の投資主総会に限らず、この2カ月前公告は一切省略、廃止していただくのがいいのではないかと思っております。

以上です。

○神田座長

ありがとうございました。

大崎委員、どうぞ。

○大崎委員

確認ですけれども、それこそさっきの議論ではないのですが、過半議決権保有制限の対象外とするものを、どういう場合に対象外とするのかについて、あまり変なものがないよう担保するという意味で、例えば届け出など、モニタリングの仕組みをあわせて入れることはお考えかどうか。ちょっと教えていただければと思います。

○横尾企画官

届け出等の制度をこの局面に限ってというのは、今のところ念頭に置いておりませんでした。いろいろご議論をいただいて大変ありがたく思っております。そういった点も踏まえて、我々も検討を深めていきたいと思っておるのですけれども、1つありますのは、同様の要件が租税特別措置法にも入っておりまして、多分、投信法だけご指摘の趣旨を踏まえただけでは実態的にはだめで、そうすると例えば配当を海外に留保しておくことを、日本の課税権としてどう考えるかという論点ですとか、それから複層化について、例えばケイマンにまずSPCを構えて、それからシンガポールにもう1つ別のSPCをかませて、シンガポールSPCでアジアの海外不動産を統括するといったようなことが、税効率上、非常に効率的であるという主張を、我々が税当局にどこまでしていくかという問題もあろうかと思います。

○石黒委員

日本の課税当局は、あまり気にされないかもしれません。(笑)

○神田座長

よろしいでしょうか。

清水委員、どうぞ。

○清水委員

大崎委員のコメントの趣旨がどちらなのかよくわからなかったのですが、海外不動産だけに特定するよりは、今後はソーラーとか、インフラファンドですとか新しいタイプのファンドが出てくる予定と理解してますので、特定資産ということで幅広く定義して改定した方がいいというコメントであれば、私は大崎委員の意見に賛成です。

それから横尾様から趣旨の説明がございましたが、投信法の趣旨としては、事業支配を制限する趣旨ということがありますので、そのたてつけから言うと、税法のことを考えながら、投信法上の要件とするのはちょっと違和感がありますので、実務的なところは、もしかすると協会等のルールで規定するというような、仕組みにするのがよいかと思います。

それからファンドの複層化につきましては、仕組み上必要な2段階のSPCについては、可能性は残したほうがいいと思います。前半でもありましたが、もともと目的が日本の国民の資産を健全に運営するための今回の改正ですので、やはり日本人がつくったJ-REITを使って投資しやすくしていくことを、まずは考えるべきだと思います。法律上は、現在海外の不動産にも投資できるようになっているわけですが、この規定によって阻害されているということもありますので、今回の提案につきましては、基本的には賛成ですが、実効性があるような形で改定していただいて、海外の不動産にも投資できるようなJ-REITが立ち上がるということが、一番目的にかなうのではないかと思います。

それから、大崎委員からあった、海外不動産だけではなく特定資産もという、もしも提案があるのであれば、私も賛成でありまして、今後、現行の不動産投信以外の商品も検討されていると東証様から聞いていますので、私としては国内のSPC等についても、同時に50%超の規制について改定していただくのが、投信法上はよろしいのではないかと思います。

○神田座長

ありがとうございます。

大崎さん。

○大崎委員

全く清水委員のおっしゃるような趣旨で私は発言したので、意味がわかりにくくて、すみませんでした。私が気にしているのは、法改正、法令改正を伴うものというのは、そんなに年に何回もやることはできないと思いますので、今回、海外不動産ということに限定してしまったら、次の改正のチャンスがないのではないかということを非常に懸念しております。

○神田座長

ありがとうございました。

永沢委員、どうぞ。それから、小沼委員、お願いします。

○永沢委員

私は申しわけありませんが、少し違った意見でございまして、基本的にこういう投資信託とかファンド物というのは、複層化とか多層化というのは極力避けるべきだと思っております。

ただ、今回のご提案に関しては、不動産証券化協会から業界として強い要望と、そして強い必要性というものを前半のワーキングで、私たちにわかりやすく説明いただいたので、それであるならば仕方がないということだったと思いますし、基本的に例外的に認めるということだったのではないかなと思いまして、業界から要望がない前にあえて規制緩和をする必要があるのかどうかと思っております。業界から強い要望が出た時点で再度すればよいことで、そうしなければ、せっかく新聞等で拝見しておりますと、REITに対する信頼度が随分高まってきているようでありますし、その提供されている主体に対する信頼度もせっかく上がってきているところに、またいろいろなものができるようなことになると、どうなるのかなとちょっと思います。基本的に戻りますけれども、多層化、複層化というのは見えにくくしたり、いろいろなわからないことを生じさせてしまうので、そういう意味ではほんとうに必要なとき、そして、それが多くの人に理解されたときというときで、規制緩和は慎重にというのをぜひお願いしたいと思います。

以上でございます。

○神田座長

どうもありがとうございました。

小沼委員、どうぞ。

○小沼委員

ありがとうございます。

19ページの複層化と潜脱の点でございますけれども、上場物件を管理してきている立場で言いますと、もちろん構造は単純なほうが明快であり、ここで実質的に直接海外不動産を取得しているのと同視できるというふうに書いていただいていると思いますが、まさに日本のREITがきちんと運用対象の資産を管理、コントロールできる仕組みが担保されているというのが、一番商品の安全性という面で言うと重要なのだろうなと思っております。そういった面で、原則として複層化等で何か最終的にはREITが物件に対して、影響力がどんどん変わっていってしまうような構造になることにならないように、十分注意をしていくということが重要だと、ベースは思っているところです。

実務の方々のお話をいろいろ聞きますと、特定の国や特定の資産に関して、いろいろな事情で、どうしてもやむを得ない場合があるやにも聞いておりますので、そういうものについて、より詳細に見ていくという余地があったほうがいいと、そういうところは理解をできるところでございますが、商品の管理という点で言うと、自主的にきちんと管理できる商品であるということが原点になるのかと思っている次第でございます。

今回、海外の不動産をベースにしたものということでご議論をいただいていて、ここまで来ていただいて、大変感謝をしております。投信法上の問題だけではなくて、その後ろにいろいろな難しい事情がついてくるということもございますので、あるいは複層化の整理の問題も今後あるかと思いますので、一足飛びにどこまで拡大できるかということがあるのだとは思いますが、前にも申し上げたとおり、国内の資産等も含めて、ここの根っこのところが、もう少し幅広にご検討いただけるようであれば、我々としてもありがたいなと思っています。

それから、20ページの2カ月前の公告規制でございますけれども、石黒委員でしたか、ご指摘いただきました点で、定時投資主総会だけが視野ということではないのだろうなと思っております。臨時総会のことも考えたときに、この投資法人の規約の定めがあればという部分が、そこにどうきいてくるのかがちょっと不明確ではございますが、臨時のことも念頭に入れた対応を進めていっていただけるとありがたいなとは思っております。株券の場合は、私どもの理解が間違っていたら申しわけないのですが、基準日前に2週間公告の義務があって、招集から開催までがまた2週間。逆に、基準日から召集までの間は、関係者がどういう日程を組むかということでございますが、そこが短ければ短いほど全体の日程が縮まる。これは臨時のときも当然そういうことになっていると思いますので、REITはその株券の要件を引っ張っていて、かつ追加的にこの2カ月の要件がかかっていたというような記憶がございますが、もし何か特段の問題がないようであれば、株券と合わせてしまうというようなこともできないのかなと思っている次第でございます。

以上でございます。

○神田座長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。石黒委員、どうぞ。

○石黒委員

今、複層化のことについて、いろいろご議論いただいたところをお聞きしておりまして、その前に出ましたモニタリングとか規制との絡みについて申し上げたいと思うのですが、前半戦の議論でも申し上げたのですけれども、基本的に今、ここでやっていることは投資信託・投資法人制度を使い勝手のよいもの、投資家に魅力のあるもの、投資家にリターンが正当に戻っていくようなものにしていこうという議論だと思っております。そういう意味で、生理現象、病理現象ということで言えば、生理現象が活性化されて、そういった目的が最大限に発揮されるようなことはどういう形でできるかということを議論しているというふうになっておりまして、その場合に、もちろん病理現象というものが起きないような工夫というのは必要で、それは自主規制機関による規制だとか、ソフトローですとか、当局の監督・検査といったようなもの、それらをまた改善していくという議論も両目でにらむ必要があると思います。

ただ、病理現象のほうのことによって、活性化の話を小さくしてしまうのでは、何の議論をしているのかわからなくなってしまう。特に複層化のことは先ほど申し上げましたように、日本の税収を減らそうという話ではございませんし、そもそも租特法と合わせるということが、考え方の枠組みとしてどうなのかというのは、私もよくわからないのですけれども。それから先ほど申し上げましたように現地の不動産取引に関する許認可をとるために現地法人をかませないと動かないというようなときに、ではどうするのかというようなこともありますし、配当の送金規制とか、そういったことはどうするのかということも、やはり角を矯めて牛を殺すようなことになってしまえば、せっかくここまで持ってきていただいたものがワークしないものになってしまうおそれもあるということで申し上げておりまして、ぜひそういう観点でこの議論をできればとお願い申し上げたいと思います。

○神田座長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。それでは、オブザーバーの皆様方からいかがでしょうか。不動産証券化協会、ございますか。

○不動産証券化協会(巻島オブザーバー)

不動産証券化協会でございます。2点お話しさせていただきたいと思います。

まず最初に、本日ご提示いただきました方向性につきまして、いずれも賛成でございます。2点のうち1点目ですけれども、今までの委員の方々の発言で、SPCの複層化、配当留保について議論が出尽くした感があると思っておりますけれども、改めて、投資家保護のための不動産リスクの遮断ですとか、それから国際的な税務の観点等で合理的な理由がある場合には、複層的な海外投資スキームについて、形式的にと言いますか、一律に法律で禁止してしまうことは不適当ではないかと考えます。もちろん潜脱的な行為が行われないように、先ほども自主規制という言葉がありましたけれども、実態を踏まえたきめ細かい自主規制を定める等何か手だてを講じることというのは必要とは思いますけれども、規制のあり方についてご配慮をお願いできればと思います。

2点目は、事務局説明資料20ページの役員任期についてでございます。20ページ上段の「役員任期を投資主総会の終結のときまでとすることができる」という制度ですけれども、あくまで任意で選択可能な制度としていただきたいと思います。役員任期を就任後2年としている投資法人も非常に多いわけですけれども、20ページ下の公告省略のために投資主総会の開催時期を規約で定めた場合であっても、それらの投資法人が役員任期に関する規約とか実務を変更しなければならないということにならないようにしていただきたいと考えます。

以上でございます。

○神田座長

どうもありがとうございました。

ほかにオブザーバーの方々。投信協会、ございますか。

○投資信託協会(城川オブザーバー)

ありがとうございます。投資協会です。

基本的には、今回お示しいただいた方向でお願いしたいと考えております。また1つだけお願いしたい点がございまして、海外不動産取得促進のため、先ほどから議論に出ています議決権の問題ですけれども、これに関しましては、本件にかかわる要件、この制限については諸外国の例などを参考に、我々の希望としては、これらに劣後することがないように整備していただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

以上です。ありがとうございます。

○神田座長

どうもありがとうございました。

ほかにオブザーバーの方々、よろしいでしょうか。今のオブザーバーのご発言も踏まえて、委員の皆様方からさらに追加でありますでしょうか。

よろしいでしょうか。そうしましたら、全体についてさらに追加でご発言があれば、承りたいと思いますけれども、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。吉野先生、いかがでしょうか。

本日は中間論点整理で言えば、事務局検討事項とされた事項について、皆様方にご意見をいただきましたので、本日皆様方から多様な、かつ重要なご指摘を多数いただきましたので、それを踏まえて事務局でさらに先へ進めていくということにさせていただきたいと思います。大変重要な点を多くご指摘いただきまして、活発なご議論をいただきまして、ありがとうございました。なお、またこの後でさらに気がついたということがありましたら、ぜひ事務局までお寄せいただきたいと思います。

最後に事務局から連絡等をお願いいたします。

○横尾企画官

次回のワーキング・グループの日時につきましては、事務局から別途ご連絡させていただければと思っております。

以上でございます。

○神田座長

それでは、以上をもちまして本日のワーキング・グループを終了させていただきます。どうもありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局市場課(内線3621)

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