金融審議会「投資運用等に関するワーキング・グループ」(第6回) 議事録

  • 1.日時:

    平成27年1月19日(月曜日)17時00分~17時35分

  • 2.場所:

    中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

【神田座長】

それでは、予定の時刻よりも一、二分早いのですけれども、委員の皆様方、全員おそろいでございますので、始めさせていただきたいと思います。

ただいまから投資運用等に関するワーキング・グループの第6回目の会合を開催させていただきます。皆様方には、いつも大変お忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

早速ですが、本日の議事に移らせていただきます。

皆様方のお手元には、前回の会合における論点の整理についての皆様方の討議、ご審議を踏まえまして、事務局において作成していただきました本ワーキング・グループとしての報告の案をお配りしております。本日ですけれども、まず、この報告の案を事務局に説明していただきまして、その後、委員の皆様方にご議論をお願いしたいと思います。

それでは、事務局から報告(案)の説明をお願いいたします。

【田原市場課長】

それでは、お手元の「金融審議会 投資運用等に関するワーキング・グループ報告(案)」に沿いまして、ご説明をさせていただきます。

2ページおめくりいただきまして、構成でございますけれども、「はじめに」から入りまして、第1章、第2章という構成になってございます。

まず、「はじめに」のところでございますけれども、下の2段落ほどにございますけれども、平成26年9月に金融担当大臣から諮問させていただきまして、この諮問を受けて、金融審議会に当ワーキング・グループが設置されまして、議論をされるに至った経緯と、その議論の推移、それから本報告書の趣旨を踏まえまして、適切な制度整備、また運用が行われていくことを期待するという形で、まず、「はじめに」を整理させていただいております。

続きまして、次のページ、2ページ目の第1章でございますけれども、こちらのほうでは現状認識につきましてのこれまでの議論をまとめさせていただいておりまして、基本的な内容は、前回の討議資料を踏まえた形にさせていただいておりますが、3部構成からなっておりまして、1におきまして、ファンド、なかんずくベンチャー・キャピタル・ファンドの役割について記載させていただいた上で、「プロ向けファンド」制度を巡る投資家被害の状況について書かせていただきまして、投資家の保護を図るという観点、また、ファンドへの信頼を確保することによって、成長資金を円滑に供給していくという観点から、投資家被害を適切に防止していくことが必要であるということでございまして、その上で、2で海外におけるファンド運用・販売業者における規制の状況、3におきまして、本邦におけます適格機関投資家等特例業務を巡る被害の態様等などについて整理をさせていただいているところでございます。

これを踏まえまして、3ページのほうで、第2章ということで、今後の適格機関投資家等特例業務制度のあり方について5部構成で整理をさせていただいておりまして、まず柱書きといたしまして、以上に記載されましたような適格機関投資家等特例業務制度を巡ります被害の態様、それから海外におけるファンド運用・販売業者における規制の状況などを踏まえますと、成長資金の円滑な供給を確保しながら投資家の保護を図っていくためには、出資者の範囲の見直しにとどまらず、以下に掲げるような総合的な対応というものを行っていくことが求められることから、法律改正も含めた措置が必要というふうに整理をさせていただいております。

1点目でございますけれども、まず適格機関投資家等特例業務届出者であります運用者について講じるべき措置ということで、4ページの上、マル1及びマル2で拒否要件・欠格事由などについて記載をさせていただいております。

4ページ目の2点目でございますけれども、適格機関投資家の位置付けということで、適格機関投資家に問題が多いという被害の実態に鑑みまして、適格機関投資家の範囲や要件について、マル1マル2の措置を講じることが適当ということ。

それから、3点目といたしまして、届出者である運用者に対する行為規制ということで、次のページにありますような規定を設けることが適当ということで、マル1からマル4について整理をさせていただいているところでございます。

また、4点目といたしまして、問題のある届出者への対応ということでございまして、問題がある場合には、行政として実効のある対応を行うことができるようにする必要があるということから、以下のような措置を講じることが適当ということで、マル1の業務の改善や停止・廃止命令が打てるようにするというようなことから始めまして、罰則の引上げなどの措置について書かせていただいております。

最後に6ページ目でございますけれども、6ページ目の5の上にありますが、また、エンフォースメントの体制についても拡充していくことが必要だということでございました。

それから、6ページ目でございますが、最後に適格機関投資家等特例業務の出資者の範囲ということでございまして、一番議論をいただいたところでございますけれども、その範囲につきましては、投資判断能力を有する一定の投資家及び特例業務届出者と密接に関連する者とすることが適当ということ、それから1から4までの措置を講じられることとあわせて考えますと、昨年5月にパブリック・コメントに付された改正案に対しまして、以下のような出資者の範囲の拡大をするような修正を加えることが適当ということで、マル1からマル4まで書かせていただいておりまして、特にマル4につきましては、ベンチャー・ファンドの役割というものに鑑みまして、ここに書かれておりますような相応の体制が整備されることを前提に、さらに下に掲げられているような者を含めることが適当という議論であったということであろうかと思います。

それから、最後8ページ目、「その他」とございますけれども、この場で議論となりました、地方において成功した起業家の方々がエンジェルとなって、後輩起業家の支援のために地元のベンチャー企業などに出資を行うファンド、いわゆる「旦那ファンド」の取扱い、それから一般の個人の投資家の方から広く、太陽光発電などの事業を行うためにお金を集めるファンドについての取扱いについて、議論の内容を踏まえた整理をさせていただいているところでございます。

簡単でございますけれども、以上、事務局からの説明とさせていただきます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

それでは、ただいま事務局からご説明いただきました報告の案につきまして、委員の皆様方から、どなたからでも、どの部分についてでも結構でございますので、ご質問、ご意見をお出しいただきたいと思います。いかがでしょうか。

【坂委員】

では、よろしいでしょうか。

【神田座長】

どうぞ、坂委員。

【坂委員】

報告書をおまとめいただきまして、全体として取りまとめの段階に入っているかと思いますけれども、3点ほど、意見を述べさせていただければと思います。

1つは、適切な規制の重要性ということを、ぜひここで再度確認をしておきたいと思います。現在、プロ向けファンドを悪用する問題業者が多いことから、一般投資家にとって、ファンドへの投資環境というのは必ずしも安心できる状況にありません。今回の適切な規制が整備されることによって、一般の投資家にとって安心してファンドへの投資ができる環境が実現することが期待されているところと思います。

この点に関して、過去の経験として思い出しておきたいのが外国為替証拠金取引に関する規制です。この外国為替証拠金取引は、2000年代の初めに、業法の規制がない中で、悪質な業者が電話訪問勧誘によって、高齢者を中心にかなりの被害を出しました。これに対して、当時の金融先物取引法の改正によって登録制が導入され、かつ電話訪問勧誘の禁止、不招請勧誘の禁止が行われました。こうした規制を契機として、業者の交替と、それからインターネット取引による普及というある種のイノベーションのようなものが起こって市場が拡大したという経過があります。適切な規制が前提となってこそ投資家は安心して投資ができ、市場も拡大するということを、いま一度確認しておきたいと思います。

2つ目ですけれども、エンフォースメントの重要性ということを確認しておきたいと思います。

今回の制度整備によって、一般の個人に対するファンドの販売は、基本的には登録制によるべきところとされます。今回の制度整備で、問題業者よるプロ向けファンドの悪用が劇的に減ることが目指されているところと思います。そのような投資環境を実現するためには、報告書に基づく制度整備とともに、新しい制度に基づくエンフォースメントをしっかり機能させるということが必要だと思います。

この点に関して重要と思われるのが、プロ向けファンドの出資者として認められる個人の投資家の範囲の明確性ということで、これは今回、注のところに記載していただいていますけれども、ぜひ制度の具体化に当たっては、できる限りこの点についての配慮を得たいと考えております。

それから3点目ですけれども、できる限り早期の施行を得たいと考えます。現行法のもとで、現在も問題業者によってプロ向けファンドによる投資被害が生まれ続けているという状況にあります。今回の制度整備は法改正が必要になりますので、なお若干の時間は必要ですけれども、可能な限り早期の施行を目指したいと考えております。この点、ぜひ関係各機関にお願いできればと思います。

以上です。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。どうぞ、永沢委員。

【永沢委員】

ありがとうございます。

このたびは報告書のほう、多様な意見、対立する意見がある中、事務局の皆様、大変なご尽力によりまとめていただき、ありがとうございました。そういった意味では、私はこの報告書に示された内容に反対というわけではないんですけれども、一抹、やはりこれでいいのかなという思いが残っておりまして、やはり3年ぐらいという期間でしょうか。1年、3年、5年、やはりこれでほんとうに詐欺的な行為をする悪質な事業者が、この器を利用することがないようになれるのかどうかというところは、当局のほうにご負担かけて申し訳ありませんけれども、どこかの時点を決めて、これでよかったのかという検証は行っていただきたいと思っておりまして、そのようなことをしていただいて、できましたら公表といいますか、結果公表のような形をしていただき、もし必要ならば、また次の見直しということへ進んでいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。大崎委員、どうぞ。

【大崎委員】

ありがとうございます。

この報告案の内容については、私は投資家被害の防止という観点、それからベンチャー・キャピタル等の資金調達を円滑に行えるようにするという観点、両方あわせて考えると、大変バランスのとれた内容になっているんじゃないかなと思います。

ただ、ちょっと今回のワーキング・グループでの審議を振り返ってみて、若干感想めいたことを申し上げたいなと思うんですが。今後のためにということでですね。

1つ、私、感じましたのは、今回、例えば、ベンチャー・ファンドということが随分議論の焦点になったにもかかわらず、そのベンチャー・ファンドのあるべき姿ということがあまり語られることがなかったなという感想を持っております。つまり、現在のベンチャー・ファンドがどういうふうになっていて、どういう人からお金を集めているので、例えば、こういう要件をきっちり入れておかないと、今までどおりの活動ができないというようなご指摘は多々いただいたわけですけれども、それでは現在のベンチャー・キャピタル・ファンドの活動というのが、ほんとうにいわば望ましい姿、理想的な姿になっているのかどうかという観点からの議論というのはほとんどなかったように思うんです。その点については、例えば、去年のリスクマネーのワーキング・グループの報告書の中でも、いろんな意見があったわけですけれども、現在のベンチャー・キャピタルというのが十分にリスクマネー供給という社会的使命を果たしているんであろうかという若干の疑問の提起なども行われておるわけでありまして、先ほど坂委員からも、規制を適切に行うことで、むしろ投資家が積極的に利用するようになるというお話ございましたが、今回も規制を強化するとお金の流れが流れにくくなるというご懸念は多々出たんですけれども、規制を変えることで、むしろお金の流れをスムーズにしていくという観点からは、あまり議論を深めることはできなかったという感想を持っております。私も個々具体的に何をどう変えろというようなことを、今、全然思いつくわけではないのですが、今後、ベンチャー・キャピタルを通じたリスクマネー供給を一層拡大していくという観点から、何らかの検討をする必要があるのではないかと思う次第です。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。どうぞ、磯崎委員。

【磯崎委員】

私からも重ねて、この取りまとめにご尽力いただいたことに感謝を申し上げたいと思います。

ご確認ですが、6ページ目の一番下の注10に、「法人格を持たない海外機関投資家等による出資についても妨げられないよう配慮すべきと考えられる。」とあるのは、海外ですと、リミテッド・パートナーシップですとか、信託ですとか、そういった形態でファンドに出資をするということがよくあるということで、そういったものとか、あとは年金というのがどういうエンティティーになっているのか、海外の場合よく存じないのですけれども、そういうものを反映していただいたという理解でよろしいか、ご確認させていただきたいと思います。

【神田座長】

ありがとうございます。

【田原市場課長】

当該記述につきましては、本ワーキング・グループで磯崎委員からご指摘をいただいたことも踏まえまして、こういう記載にさせていただいたということでございます。

【磯崎委員】

ありがとうございます。

【神田座長】

よろしいですか。

【磯崎委員】

結構です。はい。

あともう一点、今さら気づいて気がかりになってしまったところなんですけれども、4ページ目の2のマル2のところに、「適格機関投資家等特例業務を行う運用者が支配する適格機関投資家のみが適格機関投資家として投資を行う場合には、特例業務としては認めないこと。」ということで、これは今まで運用者自身が、残高が1円とかの、例えばLPSなどをつくって、そこは出資していますよということで潜脱をしていたということを除くという趣旨だと思います。例えば、銀行系ベンチャー・キャピタルなんかですと、適格機関投資家である銀行の子会社が運営者になって、そこが銀行からLP出資等を受けて、それで運営しているということで、これは運用者が支配するというよりは、運用者が支配される親会社の適格機関投資家から出資を受けるということで、この場合には、この文言には該当しないというふうに読めますが、運用者と銀行は事実上一体です。そうしたケースについては問題無いと考えればよろしいか、というところを伺わせていただければと思います。

【田原市場課長】

その点については、基本的には、この場で行われてきた議論を踏まえたものですので、記述自体は、この場の議論として表現を修正すべきと言うことであれば、例えば、「適切な業務が期待されない」という修正をすることも考えられると思うのですが、実際に銀行のみが出資者となっているようなケースで、届出制でないとできないようなケースがあるかどうかといいますと、この場ですぐに議論できないのではないかと思うので、もし、どうしてもその点、こういう実例があって困るということであれば、また議論させていただくというようなことも考えられるかと思うのですが。

【磯崎委員】

おそらくこうした、実態のある適格機関投資家と事実上一体の者が出資し、運用者にもなって運用しているような場合もあるかと思います。ここで言わんとする趣旨としては、おそらく適格機関投資家等特例業務を行う運用者が支配する実態に乏しい適格機関投資家のみが適格機関投資家として投資を行う場合にはというような、この場の議論だった気がするので、例えば、実体がある適格機関投資家が出資をしている場合には、これは認められてしかるべきかなということを思いました。今さらで恐縮でございますが。

【神田座長】

ありがとうございました。

太田委員、どうぞ。

【太田委員】

いろいろと事務局の皆様のほうでも大変なご苦労されて、報告を取りまとめいただいたことに敬意を表したいと思います。

私のほうから3点ございます。

今のこの磯崎委員のご発言のところは、私の理解では、少なくともそういうことではなかったと理解をしております。これはもともと運用者がいて、運用者がみずから適格機関投資家を支配して、それでそこから出資を受けているということで、適格機関投資家特例業務ということで緩い規制になるということになりますと、いろいろと投資家保護の観点から問題が生じるということから、ある意味で運用者と適格機関投資家との分離ということで、こういうふうになっていると思いますので、私はこの記述は修正すべきではないと考えております。

それから、2点目でございますけれども、先ほどもご指摘あったかと思いますけれども、投資家保護の観点、非常に重要なところもございますので、今後、法制化に際して、法制上、難しいところもあるかと思いますが、例えば、公布即施行みたいなのができる部分については公布即施行みたいな手当てをして頂きたいと存じます。例えば、典型的には届出者に対する行為規制の部分ですとか、それから問題のある届出者への対応の箇所では、適格機関投資家特例業務届出者に対する検査権ですね。こういったあたりは公布即施行にしても、周知期間との関係でも、それほど問題ないのではないかと思われます。これは今後、内閣法制局等との法制上のすり合わせ等あるかと思いますが、なるべく投資家保護の観点から、公布後速やかに施行できるところは施行するという形で御対応を御検討いただければと思っております。

それから3点目は、この報告書の中における意見ということではないんですけれども、今回、ベンチャー・ファンドの皆様方からいろいろとご意見をいただいて、そういう意味ではベンチャー・ファンドの投資に支障がないような形で、それと投資家保護を両立させるような形で規制の枠組みがつくられる方向になっているかと思いますけれども、この話で終わりではなくて、これはむしろベンチャー・ファンドの皆様方に対するお願いということなのかもしれませんけれども、こういう投資の裾野が拡大するに当たっては、ベンチャー・ファンドの皆様による、ある種の自主規制といいますか、このワーキング・グループの議論の中でも、どくろマークをつけるとか、そういういろいろなアイデア等出ましたけれども、こういう取組みに力を入れて頂きたいと思います。即ち、優良なベンチャー・ファンドの皆様方が、投資家保護のためにこういうふうにするといった、ある種のベストプラクティスを、自主規制のような形で、それこそベンチャー・キャピタル協会さんですとか、そういうところが主導して取り組んで頂きたい。この自主規制が満たされているようなところであれば、投資家のほうも安心して投資ができるというような形の取り組みをしていただくことを、ぜひお願いしたいというのが、これ感想かもしれませんけれども、私からのご意見でございます。

以上でございます。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

どうぞ、お隣の尾崎委員。

【尾崎委員】

太田委員、ありがとうございました。それから、本件につきまして、深い議論いただきまして、ありがとうございました。本当によい取りまとめができたのではないかと思います。

しかしながら、大崎委員からの今後のモニタリングの状況や、ベンチャー・キャピタル・ファンドの情報が、うまく伝わっていないんじゃないかと。また、今、太田委員からも、そのようなご指摘がございました。今後のベンチャー・キャピタル業界としての対応についてのご要請があったものと受けとめて、簡単に私どもが今考えていることをご説明させていただければと思います。

確かに今ワーキンググループの論点のひとつに、リスクマネーの円滑な供給による起業家の育成ということがございました。一方で、新しくベンチャー・キャピタルを起こす、若いベンチャー・キャピタリストの数を、いかにふやしていくかという課題があります。彼らの1号ファンドをいかに救うかというところに論点が一部あったかと思います。

一方で、看過できない詐欺犯罪被害に遭っていらっしゃる個人が多数いるというのも事実でございます。このような悪質な業者とのはっきりとした区別をしていく必要があります。協会といたしまして、ベンチャー・キャピタル・ファンド、またはベンチャー・キャピタルの活動の状況について、今日ご議論の中でわかりましたことは、やはり皆様方に情報が十分行き渡っていないということでした。我々としては反省すべき点でございます。協会活動といたしましても、ベンチャー・キャピタルの活動状況についてはホームページ、またはその他ツールを通じまして、なるべく多くの皆様方に正しくご理解いただけるよう努力をしてまいりたいと思います。

そもそもまっとうなベンチャー・キャピタルが主宰するファンドは、全て監査法人の厳しいチェックが入っております。また、通常優良なファンドであれば、必ず年1回の出資者総会という形で、出資者への運用報告等連絡を密にしております。ここで語られました犯罪的な悪徳ファンドの驚くべき運用形態は、我々からすると想像できない状況でございます。基本的にはベンチャー・キャピタル協会会員を多く増やす中で、会員に対して正しいファンドの運用、または投資に関する教育、またはガイダンスを深めていきたいと思います。今回、ご議論いただきました、いろな問題をしっかりと重く受けとめ、自主規制という形まで高めるかどうかなど、いろいろ検討させていただきたいと思います。少なくともこれからは、これ以上被害者を出さないために必要であると指摘された項目については、協会の啓蒙活動の中で、しっかりと、具体的に示していきたい。また、今後も新しくベンチャー・キャピタリストとして船出をする若い人たちの活躍ぶりについて、こういう人たちが、こういう出資をいただいて、こういう投資ができた結果、これだけの企業、雇用が生まれ、また富が創生されましたというような統計的なデータなども、こうした重要な会議や別の機会にご報告できるような広報活動にも力を入れていきたいと考えております。今回ご議論いただきました各委員の先生方からご支援、またご理解賜る努力、一部不足ございましたけれども、それを補って余りあるような活動を今後していきたいと思います。

ご質問いただきました太田委員、それから大崎委員のお問いかけに対して、以上、お答えとさせていただければと思います。ありがとうございました。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。どうぞ、増田委員。

【増田委員】

いろいろありがとうございました。坂先生はじめ、永沢委員からもご発言があったと思いますけれども、私のほうからは、現状の届出者の移行措置に関して、今回の報告書に基づいて、適切で、かつ速やかな対応をしていただきたいということと、それから問題のある届出者に対する対応というのも、厳格に実行していただきたいというお願いがあります。そのための人員確保というのは、ぜひともやっていただきたいということと、それから永沢委員のほうからもお話ありましたが、見直しの時期というのも、見直しというよりは、調査をしていただいて、こういう結果だったということを、ぜひご報告いただければいいなと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。

【神田座長】

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。どうぞ、磯崎委員。

【磯崎委員】

先ほどの4ページ目の2のマル2のところでございますが、ちょっと頭を整理させていただきまして、先ほど太田委員がおっしゃった、事実上、運用者と適格機関投資家が一体である場合はだめという趣旨で解させていただくと、やはり銀行が親会社で、その子会社がベンチャー・キャピタル業を営むような、いわゆる銀行系ベンチャー・キャピタルというのは、大抵、銀行が主な出資者になっておりまして、運用者が子会社のベンチャー・キャピタルであるということで、これは子会社が支配されているので、この文言とは逆のパターンですけれども、事実上一体のところが運営していると。要は、太田委員のご意見ですと、適格機関投資家はGPを運営するのと別に、もう一人、独立した適格機関投資家を持ってくる必要があるんじゃないかというふうに解させていただくと、銀行系ベンチャー・キャピタルの場合にも、これは適格機関投資家等特例業務にならないという話になっちゃいますし、もう一人独立した適格機関投資家を連れてこいという意味に解してしまうと、運営ができなくなってしまう可能性があるのではないかと。

逆に、この文言を、きっちりこのまま「運用者の支配する、いわゆる子会社的な適格機関投資家はだめよ」という意味で理解させていただくのであれば、そういったケースに当てはまる例は少ないのかなと。そうした例は悪徳業者以外は少ないと思いますんで、その場合には、この文言で、このままでいいのかなという頭の整理をさせていただいたんですが、ということで、「もう一人、運用者から独立した適格機関投資家を連れてこい」という意味かどうかというところだけ、ちょっと確認をさせていただいたほうがいいかなと思いました。

【神田座長】

どうもありがとうございます。

【田原市場課長】

今、磯崎委員のおっしゃったケースの場合は、運用者が支配する適格機関投資家のみが適格機関投資家として投資を行う場合ではないということですか。

【磯崎委員】

運用者が支配している適格機関投資家ではなくて、適格機関投資家に支配される運用者が運用する場合は、このマル2の文言では読めませんので、そういう素直な理解でよろしければ、このままの表現でいいんじゃないかなというふうに理解したんですが、太田委員のおっしゃっていることが、もし、「事実上、適格機関投資家と運用者が一体である場合には、もう一人別の適格機関投資家を連れてこないとだめだよ」という意味だとすると、この文言では、やはりまずいということになります。私は結論としては、この文言のままでいいんではないかなというふうに理解したんですが、そこを太田委員にご確認をさせていただければということで。

【神田座長】

どうぞ、太田委員。

【太田委員】

私は、この文言どおりで、それ以上でもそれ以下でもないということだと思っております。

【磯崎委員】

ありがとうございます。

【神田座長】

よろしゅうございますか。問題がある場合を排除する趣旨で書いているので、さらにそれを広げて逆転している場合までもカバーする趣旨ではないということだと思います。磯崎委員のおっしゃるような理解でよいと思いますけれども、よろしゅうございますかね。

ほかにいかがでしょうか。特によろしゅうございますでしょうか。

そうしましたら、時間は十分あるのではありますけれども、皆様方には事前にもいろいろご相談をさせていただきまして、本日配付させていただきました報告の案につきましては、ご賛同をいただいているというふうに理解いたしました。ただ、本日、非常に貴重な課題ですとか、ご意見ですとか、感想ですとかをいただきましたので、一応、本日のいただきましたご指摘も踏まえて、後日、また事務局と私のほうで見直して、もし修正等が必要になれば、その修正をさせていただきまして、それを後日、皆様方にご確認をいただくということで取りまとめとさせていただいてはどうかと思います。

言葉をかえて申し上げますと、もう一度、確認とかご議論をいただくためにお集まりいただくところまでの必要はないかなというふうに思いますので、そういうことで、後日、再度ご確認はいただきますけれども、本日のところは、お配りした報告の案についてご承認をいただけたということにさせていただいてよろしゅうございますでしょうか。

どうもありがとうございます。それではそういうこととさせていただきます。どうもありがとうございました。

なお、最終的な、てにをはとかの表現ぶりの問題もあると思いますので、この点は事務局と私とで確認をさせていただきたいと思いますので、この点は大変恐縮ですけれども、事務局と私に一任をしていただければと思います。

それから、もう一点、このワーキング・グループでの取りまとめの結果について、親会であります金融審議会に報告をするということになりますけれども、その辺につきましても、大変恐縮ですけれども、私のほうにご一任をいただければありがたく存じます。よろしゅうございますでしょうか。

ありがとうございます。

このワーキング・グループは、昨年の10月10日以来、6回の会合を重ねてまいりました。メンバーの皆様方には、大変お忙しいところを非常に精力的なご議論、いろいろな角度からの非常に厳しいご意見、ご指摘を多数いただきまして、まことにありがとうございました。おかげさまで、本日、取りまとめをすることができました。この場を借りまして、厚く御礼申し上げます。

なお、このワーキング・グループでございますけれども、ワーキング・グループの皆様方には、また今後、必要に応じまして、ご意見、ご指導をいただくということもあると思いますので、その場合には快く応じていただきますよう、引き続きよろしくお願い申し上げます。

それでは、本日はこれにて散会いたします。どうもありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局市場課
(内線2644、2639)

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