金融審議会「我が国金融業の中長期的な在り方に関するワーキング・グループ」(第13回)議事要旨

1.日時:

平成24年4月18日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 共用第一特別会議室

3.議題:

開催挨拶

事務局説明

自由討議

4.議事内容:

  • 事務局より報告書第1章と第2章の「第二次案」および第3章と第4章の「素案」について説明を受けた後、自由討議がなされた。

  • 自由討議の概要は以下の通り。

【報告書第2章(金融機関の在り方)<第二次案>】

  • 第2章<第二次案>(修正履歴付き)p.16の修正箇所に、「金融商品・サービスの販売において、顧客が負担する手数料等の費用について、理解しやすい工夫等を行うよう金融機関自身が努めていく」とあるが、こうすることの目的を書いて欲しい。次の文章に「費用対効果を踏まえた判断が行えなくなる」とあるように、目的は個人顧客による合理的な商品選択を可能にすることだと思う。

【第3章(政府の役割)<素案>】

  • 第3章冒頭の「金融業が顧客目線重視へと展開するに伴い、金融行政にも転換が求められていく。」という文章は、金融行政がこれまで顧客目線を軽視してきたかのような誤解を与えるおそれがある。パンチラインであることも踏まえると、修正が必要。
  • 第3章の冒頭にて、政府の役割とは何か、考え方や位置付けについて、付言してもよいのではないか。例えば、「確かに、金融機能の安定性や市場の公正性を確保し、金融サービスの利用者を保護することが、金融行政の第一義的な目的であることは論を待たない。」という文を、「確かに、・・・(中略)・・・は論を待たず、政府ならではの役割がある」としてはどうか。
  • 第3章p.3にて、「『成熟した債権国』としてより大きな投資収益を享受していくためにも、政府・中央銀行による健全なマクロ経済運営を通じた為替レートの安定化が望まれる。」とあるが、頭に入りづらい。「長期的には」といった文言を挿入してはどうか。
  • 第3章p.6に、個人顧客は「自己のニーズを十分に認識できていない場合も多い。」とあるが、実際は、自己のニーズ自体は認識できるものの、それと合致する金融商品・サービスを選び出せないということではないか。
  • 第3章p.7にて、独立系投信会社について、「その商品が経営戦略や企業努力に照らして正当な販路を得ているか・・・(中略)・・・必要がある。」とある。これは、独立系投信会社が、大手販売会社から、独禁法違反になるような行為を受けているかのような書きぶりである。独立系投信会社の魅力的な商品が大手販売会社によって販売されていないケースは、あくまで、両者の交渉の結果、販売手数料や信託報酬の条件面で、折り合いがつかなかった、ということではないか。大手販売会社としては、独立系投信会社の商品を取り扱わせてもらえなかったと感じ、独立系投信会社としては、大手販売会社が条件設定の柔軟性を向上すべきと不満に思うことは理解できるところ。一方、両者の間で交渉がまとまり、大手販売会社が独立系投信会社の商品を取り扱っているケースも多々あるのが実態だ。これらには、外資系はもとより、小規模あるいはかなり新興の投信会社の商品も含まれる。
  • 中立的な金融アドバイザーの機能向上の必要性には賛同する。しかし、第3章p.7に「フィナンシャル・プランナーは特定の金融機関に所属していることが太宗であり、・・・(中略)・・・偏りがちなメニューを顧客に提示せざるを得ない傾向がある。」との記述については、当たり前に過ぎる印象をもつ。
  • 第3章p.8にて、節のタイトルが「個人資金のリスクマネーへの転換」となっている。ここに限らず、「リスクマネー」という言葉は一般消費者に正しく伝わるのか疑問。相場が下がったらその損失を受け入れましょう、といった誤ったメッセージを送りかねないことを危惧する。
  • 金融リテラシーに関する記述がもう少し欲しい。国民の金融リテラシーが底上げされていくことが重要だ。店頭での販売時における説明や情報提供は必要なことであり、業界や金融広報中央委員会がいろいろやっているようだが、消費者教育を含め政府関与の拡充も必要だ。
  • 金融教育は重要だ。その実施にあたって、金融を切り口にすると、「お金、お金、お金、・・・」という人間を育てかねない。「主権者意識」を涵養することの一環として、金融教育を実施すべきだ。
  • 投信制度改革から10余年。当初は、新しい投信会社がうまれ、そうした先による直販が広がっていく姿が念頭にあったはず。しかし、現実には、そうなっていない。なぜそうなっているのか、検証が必要である。
  • 海外規制の改革を官民連携して求めていくべきという点に賛同。これに加えて、海外の規制や制度に関する現地情報の収集を政府が行うことも重要である。情報収集コストを政府が代表して負担する形である。

【第4章(今後の展望)<素案>】

  • 官民ラウンドテーブルの構成について、もう少し具体化してはどうか。金融リテラシーの底上げについては、金融業界と金融当局だけが議論しても不十分であり、消費者団体や文部科学省などにも参加してもらう必要がある。
  • 官民ラウンドテーブルにて検討事項をもう少し具体的に書いてもよいのではないか。
  • 少子高齢化、ISバランスの悪化が今後も続くとすると、個人の金融資産1,400兆円もいつまでも存在し得るものではない。「おわりに」の冒頭のパラグラフにて、「長期的なマクロ経済環境に不透明要素が多い」といった文言を入れてはどうか。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企画課(内線3645、3520)
本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。

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