第62回金融トラブル連絡調整協議会 議事録

1.日時:

令和4年6月13日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館9階 905B会議室(オンライン会議)

○神作座長 
 おはようございます。所定の時間になりましたので、ただいまから第62回金融トラブル連絡調整協議会を開催いたします。

 皆様方におかれましては、御多用のところ御参加いただきまして、誠にありがとうございます。

 冒頭、事務局より、本協議会の新規委員の御紹介と、本日の会合に当たっての御連絡がございます。よろしくお願いいたします。

○相澤室長 
 まず、新規委員でございますが、金融サービス提供法の施行に伴いまして、昨年11月に日本金融サービス仲介業協会が自主規制機関となりました。今回から委員として小柳様に御参加いただいております。

 次に、本日の会合でございますが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、オンラインによる開催とさせていただいております。オンライン開催のため、一般傍聴はなしとさせていただき、メディア等の方々は金融庁内の別室にて傍聴していただいております。

 また、本日の会議中はビデオ映像機能をオンにしたまま、マイク機能は御自身が発言されるとき以外はミュートでお願いいたします。

 この後議事に入ってから御質問、御意見等の発言を希望される際には、会議システムのチャット機能により、お名前と所属組織を入力の上、全員宛てにお送りください。座長がチャットを確認しまして御指名させていただきますので、御指名のあった委員は、マイクのミュートを解除し、御自身のお名前をおっしゃっていただいた後に御発言いただければと存じます。

 事務局からは以上でございます。

○神作座長 
 どうもありがとうございました。

 それでは、早速、議事に入りたいと思います。

 本日は、まず、各指定紛争解決機関の業務実施状況につきまして、事務局から御説明をいただきたいと思います。その次に、本協議会のメンバーである業界団体、自主規制機関等に、指定紛争解決機関がない業態の苦情・紛争解決の対応・課題について資料を御用意いただいておりますので、この資料を基に御説明をお願いしたいと思います。

 これらの説明が終わったところで、一度、御質問、御意見を頂戴したいと思います。

 その後、金融サービス利用者相談室における相談等の受付状況、また金融ADR連絡協議会の概要につきまして、金融庁金融サービス利用者相談室及び事務局から御説明をいただき、御意見、御質問をいただきたいと存じます。

 それでは、事務局から御説明をお願いいたします。

○相澤室長 
 指定機関における令和3年度の業務実施状況について御説明いたします。

 皆様にお送りさせていただいています資料1-1、苦情処理手続実施状況及び資料1-2、紛争解決手続実施状況は、各指定機関からの報告を基にまとめた表でございます。その件数等につきまして、資料1-3、指定紛争解決機関の紛争解決等業務実施状況にグラフ化しております。本日は、資料1-3、電子媒体番号では03番の資料になると思いますが、これに従って説明をさせていただきたいと思います。

 それでは、資料1-3の目次の下のページ、右下にページ番号がございますが、1ページ目の棒グラフを御覧ください。苦情処理受付件数の推移でございます。右側の令和3年度の受付件数は、8機関合計で6,071件と、前年度の6,499件と比べて7%ほど減少している状況にございます。ほとんどの指定機関で減少となっておりまして、全銀協からは、投資信託や外貨建保険等の窓販業務といったものも減少している、損害保険協会からは、自動車保険に関する苦情が減少しているという話を聞いております。

 次に、1ページ飛びまして、3ページ目の円グラフを御覧ください。苦情処理手続における結果の比較でございます。右側の3年度の手続件数は、8機関合計で6,344件と、前年度6,613件と比べて4%ほど減少しております。このうち解決に至ったものは79%となっておりまして、前年度同様、おおむね8割で推移しているということでございます。

 また、4ページ目の円グラフ、苦情処理手続の終結に要した期間を御覧ください。円グラフ右側、3か月未満で終結したものがおおむね全体の7割ということで推移しております。

 続きまして、5ページ目以降は紛争解決手続の状況となります。5ページ目の棒グラフ、右側の令和3年度の手続件数は、8機関合計で1,075件、前年度の1,148件と比べて6%ほど減少しております。ほとんどの指定機関で減少となっておりますが、損保協会だけ、過去の大規模風水災、台風とか地震、これが過去に起こったものが、持込みが若干多かったという報告を聞いております。

 続きまして、また1ページ飛んでいただきまして、7ページ目の円グラフを御覧ください。紛争解決手続における結果の比較でございますが、3年度の手続終結件数は、8機関合計で1,116件、前年度1,152件と比べて3%ほど減少しております。このうち和解成立については39%となっており、若干、前年度に比べて低下しております。

 また、8ページの円グラフを御覧ください。紛争解決手続の終結に要した期間でございますが、6か月未満で終結したものがおおむね全体の7割ということで推移しております。

 最後、9ページ目に各指定機関の和解割合を示しておりますので、後ほど御覧ください。

 業務実施状況についての説明は以上でございます。

○神作座長 
 どうもありがとうございました。

 続きまして、資料2の指定紛争解決機関がない業態の苦情・紛争解決の対応・課題につきまして、御説明をお願いいたします。

 本日は時間の関係もございますので、全国信用金庫協会、日本商品先物取引協会、日本資金決済業協会、日本暗号資産取引業協会の4協会と、金融ADR(代替措置)実施機関としての業務の委託を受けていらっしゃいますFINMAC(証券・金融商品あっせん相談センター)から御説明をいただきたいと存じます。なお、大変恐縮ではございますけれども、時間の関係上、それぞれ10分以内を目安として御報告、御説明をいただければとお願い申し上げます。

 それでは、早速でございますけれども、初めに、全国信用金庫協会の関谷委員。関谷委員は今回から新たに御参加となります。関谷委員、御説明、どうぞよろしくお願いいたします。

○関谷委員 
 全国信用金庫協会の関谷でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、資料2の1ページ目を御覧ください。まず、会員信用金庫数でございますが、現在254金庫でございます。

 続きまして、業務態勢でございます。相談・苦情につきましては、本会に設置しております全国しんきん相談所が1か所、このほか全国11の地区協会がありまして、それぞれに地区しんきん相談所がございます。全国しんきん相談所には専任の相談員が2名、そして地区しんきん相談所には兼任の相談員が18名、合計20名で対応しております。

 信用金庫は、信用金庫業務における苦情・紛争解決促進等に関する規則等によりまして、苦情等の解決の依頼に応じて、迅速かつ誠実に対応するものとしており、具体的には、手続応諾、資料提出、結果報告などの義務を負っております。

 その下の紛争でございます。紛争につきましては、私どもには指定紛争解決機関がございませんので、代替措置といたしまして、紛争解決機関として東京三弁護士会様との間で協定を締結しております。このほかに、地元弁護士会と地区協会との間で協定を締結しているような信用金庫もございますし、地元の弁護士会と個別に信用金庫単独で協定を締結している信用金庫もございます。

 信用金庫は、顧客からの弁護士会の仲裁センター等の利用の求めに応じておりまして、具体的には、手続応諾、資料提出、和解案の尊重、特別調停案受託等の義務を負っております。

 続いて、苦情・紛争解決対応の周知状況でございます。信用金庫では、ディスクロージャー誌、ホームページ、商品概要説明書、店頭に備え置いたリーフレット等によりまして周知を図っております。

 本会では、ホームページの公表による周知や、顧客向けの広報誌「楽しいわが家」におきまして、全国しんきん相談所の連絡先を掲載するなどして周知を図っております。

 続いて相談件数でございます。表のところを御覧いただきますと、平成30年度に急に相談件数が減少しているのに対しまして、苦情件数が増加しております。この理由は、平成30年から相談と苦情の基準を変更いたしまして、苦情の概念をより広げて数えることにしたことによるものでございます。具体的には、1回でも不満足の表明があれば、内容としては相談的なものであっても、苦情として捉えることにいたしました。

 基準変更後の平成30年度以降で見ますと、790件、724件、988件、直近は606件となっております。また、苦情件数につきましては、平成30年度が425件、続いて577件、775件、直近は632件となっております。令和2年度の件数、特に相談の件数が多くなってございますが、それは、特に4月から6月にかけまして新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、新型コロナに関する相談が増えたことによるものでございます。具体的には制度融資であります実質無利子・無担保融資に関するお問合せ、資金繰りの御相談、また、あまり本来信用金庫とは関係がないのですけれども、いわゆる10万円の特別定額給付金に関するお問合せなども多数寄せられたことによるものとなっております。なお、令和2年度の下期以降は、受付状況はかなり落ち着いてきておりまして、例年どおりぐらいの件数に落ち着いております。

 紛争の受付件数につきましては、東京三弁護士会で受け付けていただいた件数となっておりますが、7件、2件、9件、10件、12件、そして直近は13件という状況になっております。

 では、次のページに移らせていただきます。最近のトラブルの傾向・特徴でございますが、相談、苦情、紛争ともに、預金業務と貸出業務が全体の半数以上を占めております。

 相談・苦情等の傾向といたしましては、預金業務では特に高齢者の預金口座の解約とか預金払戻しの関係、預金の相続関係の案件、このようなものが増加傾向にあります。また、貸出業務では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もありまして、プロパー融資の借入要件とか貸出の条件変更等に関する案件が増えております。

 最近のトラブルの主な事例のところでございますが、こちらには苦情の具体的な事例として、今申し上げた高齢者の預金口座の解約とか預金払戻しの関係、そして預金の相続関係の案件、条件変更などの手続に関する案件、そして職員の説明不足による苦情案件などを記載させていただいております。

 続いて、再発防止に向けた取組でございます。全国しんきん相談所で受け付けた苦情や相談につきましては、半期ごとに、傾向と主な事例を取りまとめて、会員信用金庫に案内しております。その中で苦情・相談の傾向を示すことで、会員信用金庫に再発防止に向けた取組を促しております。また、有識者との懇談会を年1回開催しておりまして、そこで相談・苦情事例に対して御意見を伺うなどして、相談所運営の向上に努めております。また、各地区のしんきん相談所との間で定期的に会議を開催して、苦情事例を共有の上、意見交換を行っているほか、東京三弁護士会様との情報交換会や、協同組織金融機関団体間で情報連携を図りまして、対応力の向上に努めているところでございます。

 最後に、今後の課題等でございますが、高齢者の預金取引や相続に関する案件が増加してきておりますので、こうした案件には引き続き対応できるようにしていくことが課題と考えております。

 私からは以上でございます。

○神作座長 
 どうもありがとうございました。

 続きまして、日本商品先物取引協会の関口委員、御説明、よろしくお願いいたします。

○関口委員 

 日本商品先物取引協会相談センターの関口と申します。それでは、御説明させていただきます。

 日本商品先物取引協会は、商品先物取引法に基づく自主規制機関として、農林水産大臣と経済産業大臣の認可を受けて事業をしております。

 対象金融機関等といたしましては、会員は商品先物取引業者が32社、非会員の商品先物取引仲介業者が2社となっております。

 続いて相談・苦情の業務態勢ですが、相談センター1か所で、相談員は3人となっております。金融機関側の義務といたしましては、本会の定款及び苦情処理規則に基づき、会員は、苦情の処理を求められたときには、申出人と速やかに連絡を取り、誠意をもってこれに対応し、苦情の早期解決に努めるものとされており、その上で会員企業に手続応諾、資料提出、結果報告を課しております。

 次に、紛争の業務態勢ですが、外部委託状況といたしまして、私どもは外部に委託せずに自ら紛争解決手続を実施しております。開催場所は東京都中央区(あっせん・調停委員8名)、大阪市(あっせん・調停委員4名)でございます。

 金融機関側の義務でございますけれども、本会の定款及び紛争処理規程に基づき、紛争仲介の申出のあった紛争の当事者は、紛争の迅速な解決を図るため、本会の行う紛争仲介に協力しなければならないとされております。その上で、会員に手続応諾、資料提出の義務を課しております。

 調停につきましては、会員等が調停案の受諾の勧告を受けたときに、訴訟の提起など、一定の手続を経ずに受諾の勧告を拒否したときには、本会は調停案の受諾について必要な指示を行って、この指示に従わないときは制裁規程により制裁することとなっております。

 次の苦情・紛争解決対応の周知状況につきましては、4点記載がございます。商品取引契約の締結時に会員企業が相談センターの案内のチラシを顧客に配付。本会のウェブサイトに相談センターの案内や苦情・相談または紛争仲介の申出についての留意事項などを掲載。同じく、本会のウェブサイトに月次、年次統計資料を掲載。国民生活センター等へ商品先物取引の情報提供。これは、今年の3月にも国民生活センター様のほうに御報告させていただいております。

 それから、資料に掲載しておりませんでしたけれども、これらに加えまして、業者は普通、自社のホームページに顧客相談窓口の電話番号と当協会相談センターの電話番号または本会のウェブサイトのURLを掲載することになっております。こちらのほうも御覧いただけるかと思っております。

 次に、受付件数の推移でございますが、令和3年度はいずれの受付件数も過去最少という結果になっております。

 まず、相談の件数ですが、平成28年度から325件、順に271件、199件、238件、217件、そして143件ということで過去最少となっております。

 苦情の受付件数でございますが、受付件数は平成28年度が6件、続いて順に7件、7件、3件、4件、そしてゼロ件ということでございます。

 紛争につきましては、平成28年度が、受付件数8件、順に11件、11件、12件、17件、5件ということになっております。

 紛争仲介の和解件数でございますが、特に令和2年度、令和3年度でございますけれども、和解件数とその比率はそれ以前より高めになっている。特に令和3年度は受付件数5件で和解件数6件ということになっておりますのは、新型コロナウイルス感染症対策の観点で、紛争仲介の期日を延期いたしました。その関係で、持越案件の解決が令和3年度もしくは令和2年度に繰り延べられたということでこのような数字になっております。

 次のページ、8ページ目でございますが、次に最近のトラブルの傾向・特徴についてでございます。相談につきましては、1つ目として、受付件数のピークであった2001年の8,221件から大幅に減少いたしまして、令和3年度は143件でピーク時の1.7%ということになっております。

 2つ目といたしまして、過去には国内市場取引に係る損害請求に関する相談や苦情・紛争の制度の利用に関する相談が多く見られましたが、近年は店頭デリバティブ取引に関する相談が見られるようになってきました。

 3つ目といたしまして、令和3年度の受付件数が前年度の217件から143件へ34%減少したことの理由として考えられますのは、会員のコンプライアンス水準が向上したことのほか、令和2年度に東京商品取引所の貴金属市場等が大阪取引所に移管されたことに伴いまして、これら移管商品の相談窓口が証券・金融商品あっせん相談センター様(FINMAC様)のほうに変更になったことなどが挙げられるかと存じております。

 次に、苦情につきましては、1つ目として、令和3年度には、相談センターが発足後初めて受付件数がゼロ件ということで御紹介したとおりでございます。

 2つ目といたしましては、これまで「必ず値上がりする」、「絶対にもうかる」とか、契約時にリスクの説明がないといった勧誘に関する苦情が多く見られましたが、近年はインターネット取引のシステムに関する苦情が散見されるようになっております。

 紛争につきましては、1つ目として、平成28年度までは70歳以上の申出人が全体の2~3割程度になる年もございましたけれども、令和3年度はそういった高齢者の申出は皆無ということでございました。

 2つ目として、令和元年度までは苦情と同様に「必ず値上がりする」とか「絶対もうかる」、契約時にリスクの説明がないなど、勧誘に関する申出が全体の8割程度を占めていたところなのですが、直近2か年度、令和3年度、令和2年度につきましては、4割程度まで減少してきております。その一方で、過去にそれほど多く見られなかった決済に関する申出(決済しようとしたのに決済しないように誘導)とか、インターネット取引に関する申出がそれぞれ2割程度まで増加してきているというところがございます。

 次に、最近のトラブルの主な事例です。苦情につきましては、事例として御紹介するのはインターネット取引に関するものを掲載させていただいておりますけれども、令和2年度に外国商品市場でWTI原油価格がマイナスということがございました。この相場の変動によって、お客様が損失が拡大しないように決済注文を出そうとしましたけれども、システムの不備によりマイナス価格の注文が出せなかったというところがございました。

 紛争につきましては、決済に関するものとして、損失が発生したために取引をやめようとしたのですけれども、「ここでやめると損を取り戻せなくなる」と言われたといったところを紹介させていただきたいと思っております。

 次に、トラブル再発防止に向けた取組です。①会員に対する指導の1つ目として、商品取引契約締結前の勧誘に関する苦情は、発生の都度、会員に対して事情を調査させ、改善を求めているというところに関しましては、不招請勧誘の原則禁止というのが商品先物取引では導入されたところではございますけれども、この徹底をするために、私どもの協会のほうで自主規制として制度化したものでございます。この点、会員の意識が徹底されてきておりまして、ここ数年は実施した実績はないということでございます。

 2つ目といたしまして、苦情・紛争の発生件数や内容を本会が精査して、その結果、悪質であると判断した場合に、会員に対して社内調査の報告を求めるとともに、必要に応じて改善を求めてきております。

 ②未然防止のための情報提供といたしましては、1つ目として、毎半期、相談の対象となった会員に対して受付件数と相談内容を個別に通知しております。それとともに、全会員に対して相談の傾向などを周知しております。

 2つ目として、毎年度、苦情・紛争の申出内容及び処理結果等の事例を全会員に周知しております。

 最後に、今後の課題等ですけれども、相談、苦情、紛争件数が減少してきておりますので、そういった中で会員企業への効果的な情報提供の在り方とさせていただいております。具体的には、私どもの協会といたしましては、会員への周知、情報提供をトラブル再発防止の重要なツールとして考えております。数年前までは相談・紛争件数もそれなりにあったのですけれども、統計的な傾向を分析して、具体的な事例とともに周知してきたところではございますけれども、この数年は件数が少なくなってきて、徐々にその相談とか紛争の傾向がつかみにくくなってきたという現状がございます。そのため、一案件を掘り下げるなどして、受け手である会員企業にとって有用なものとなるように考えてまいりたいなと思っているところでございます。

 簡単ではございますが、以上、御説明とさせていただきます。

○神作座長 
 どうもありがとうございました。

 続きまして、日本資金決済業協会の橋本委員、御説明をお願いいたします。

○橋本委員 
 日本資金決済業協会の事務局長をしております橋本でございます。よろしくお願いいたします。

 資料の15ページと16ページでございます。当協会は、商品券、電子マネーなどを発行いたしております前払式支払手段発行者と国内・国外の送金を行う資金移動業者を会員としております、資金決済法に基づく自主規制機関です。

 会員は、令和4年4月現在で、一種会員として登録・届出等を受けた事業者261社と、二種会員として今後登録を行い事業に参入を予定している事業者等80社の合計341社。その内訳は、前払式支払手段発行者が205社で、資金移動業者が80社です。

 なお、当協会の年度は毎年7月から翌年の6月を設定しておりますので、資料を御覧いただく際は御留意をお願いいたします。

 業務態勢の説明に入る前に、当協会及び当協会で受けた相談・苦情等に関しまして特徴的なことを3点ほど申し上げます。

 1つ目は、前払式支払手段発行者は、全国に約2,000者が登録・届出を行っておりますけれども、当協会の会員数はその1割程度でございます。加えて、使用期限が6月内の前払式支払手段は資金決済法の対象除外とされていることもありまして、当協会では、会員だけでなく、会員以外の事業者に関する相談・苦情等を受けることが多いということです。なお、当協会の前払式支払手段発行者は、会員数こそ少ないのですが、発行残高ベースでは全体の8割を超えておりまして、規模の大きい事業者はおおむね会員になっていただいていると考えております。

 2つ目は、前払式支払手段発行者及び資金移動業者は、他業を営む中でこれらのサービスを行う場合が多いということでございます。例えば、町の小売店の商品券やスーパーマーケットの電子マネー、海外との商品取引に付随した送金業務などを想定していただければ分かりやすいかと思います。このほかにも、百貨店、旅行業、クレジット会社等、いろいろな業種の方々が前払式支払手段を発行されております。また、これらのサービスは、例えばネット取引、カタログギフト、コンビニ決済など、各種の決済手段として利用されることも多いと思います。このように、当協会で受ける相談・苦情には、いろいろな業種での取引における決済や、各種の決済手法に伴うサービスの利用などに関するものがございます。

 3つ目でございます。広く資金決済の分野におきましては、キャッシュレス化が進展している中で、デジタルを利用したサービス内容の多様化や利便性の向上が進んでいることでございます。また、これに伴いまして、各事業者における厳格な不正防止対策等が必要になっております。

 例えば、近年スマホ決済が浸透しておりまして、前払式支払手段や資金移動のサービスの仕組みがこれに組み込まれることがありますが、こうしたサービスにおいて、悪意の第三者による不正行為等を防ぐために、事業者には認証機能や不正行為の検知機能の向上などが要請されております。後で御紹介する事例の中にも、不正防止対策を強化する中で利用者のサービスに影響して、相談・苦情につながるといったものがございます。

 表に戻っていただきまして、業務態勢です。相談員は9名で、一般業務と兼務で対応しております。拠点は1か所です。利用者からの相談には、お客様相談室を設置し、専用の電話を配置しております。利用者から相談・苦情の申出等があればこれに応じ、会員に伝達するとともに、その対応及び報告を求めております。

 紛争につきましては、法令で資金移動業者が紛争解決措置を行うこととされております。当協会は、会員の紛争解決措置として、東京三弁護士会のあっせん・仲裁センターを利用しております。

 苦情・紛争解決対応の周知状況です。協会のホームページにおいて、相談・苦情を受け付けている旨及び金融ADRを利用してトラブルを解決できる旨を周知しております。また、個別の苦情において、利用者が事業者の対応に納得しない場合には、金融ADRの利用について説明しております。

 相談、苦情、紛争の件数は表に記載しているとおりでございます。令和元年度、2年度の件数が多いのは、キャッシュレス決済の浸透が背景にあるものと考えております。

 最近のトラブルの傾向・特徴です。令和2年度を例にして御説明いたします。相談については、前払式支払手段に関するものが77%、資金移動に関するものが16%です。その他7%は、例えばネット市場での取引そのものやクレジット、後払い決済等に関することで、当協会の所管外のもの、所掌外のものでございます。令和2年度の相談案件のおおむね8割は事業者からのものです。会員からの登録及び届出等の各種手続等に関する相談などのほか、会員以外の事業者からも、「これから資金決済により参入したいのだけれども、どのような手続が必要か。」などの相談が数多く寄せられております。

 表には記載しておりませんが、令和2年度の相談、苦情、紛争の合計の申出人別では、会員が45%、利用者を含むその他、非会員と利用者の合計ですけれども、これが55%とほぼ半々です。なお、その中には、消費生活センターの相談員の方などから寄せられた法令上の問題やサービスの仕組みなどに関する質問や相談が5%ほど含まれております。

 令和3年度から、事業者と利用者を区分して集計しております。上半期の状況を見ますと、前払式支払手段では、有効期間や払戻しに関する相談が多く、資金移動業では、アカウントの凍結に関する相談が多くなっております。

 苦情についてですが、令和2年度では、前払式支払手段に関する苦情が全体の36%で、資金移動業が64%です。前払式支払手段の苦情の要因では、説明不足や払戻しに関するもの等、資金移動業では、返金や説明不足等が多くなっております。

 令和3年度上期について見ると、特定の事業者について、不正利用等の検知基準を強化したことに起因して、アカウントの凍結に関する苦情が多く発生したという特殊な要因がございます。

 紛争案件は、規約違反によるアカウントの停止等に関する事案ですが、特徴的なものは見られません。

 最近のトラブルの主な事例といたしまして、前払式支払手段によく見受けられる有効期限や払戻しに関する苦情を例示いたしました。誤ってチャージしたとか、利用できる店舗が閉店したということから、前払式支払手段の返金を求める苦情、有効期限の終了により利用できなくなったという苦情でございます。これらは、事業者からサービスに関する十分な情報提供が必要であるとともに、利用者に対し、法令により前払式支払手段には払戻しに制限があるということや、有効期限を十分に確認しておくことの必要性を周知することが重要と考えております。

 資金移動業に関しては、着金に関する苦情のほか、連絡がなかなか取れない、アカウントの凍結に関する苦情を例示いたしました。連絡が取れないといいますのは、事業者が主にメールの手段で利用者から照会を受けることもありまして、「その回答が遅い」とか、あるいは「期待した回答ではなかった」ことなどを原因として苦情になることが多いようでございます。また、アカウントの凍結については、先ほど申し上げたとおりです。

 トラブルの再発防止に向けた取組ですが、まず「相談・苦情等の受付状況」として、定期的に内容の集計・分析を行い、理事会等に報告した後、会員に還元しております。これにより、会員に同様の苦情の発生防止を促しています。

 また、苦情件数が多い事業者に対しては、個別にヒアリング、メール等により事情を聴取し、改善を促しています。

 さらに、前払式支払手段及び資金移動業のサービスに伴う規制等について、ホームページやパンフレットにより周知しております。

 今後の課題等につきましては、現在行っている苦情・紛争案件の分析を一層深度あるものにして会員に情報提供することです。

 以上でございます。

〇神作座長 
 どうもありがとうございました。

 続きまして、日本暗号資産取引業協会の小松崎委員、御説明をよろしくお願いいたします。

〇小松崎委員 
 本日はよろしくお願いします。日本暗号資産取引業協会管理部の小松崎と申します。よろしくお願いいたします。

 まず、対象の金融機関等でございますが、暗号資産関連デリバティブ取引及び暗号資産現物取引の業者、合わせて35社で構成されております。

 業務態勢ですが、相談・苦情に関しましては、相談員3名、拠点数1か所で行っております。

 暗号資産交換業者の義務としましては、苦情処理及び紛争解決に関する規則に基づきまして、手続の応諾、資料の提出、結果の報告等の義務がございます。

 協会は、利用者から会員が行う資金決済業に関して苦情等の申出があった場合には、その相談に応じるとともに、必要に応じて、該当する会員に対して苦情の処理を求め、迅速に解決するように努めております。また、会員に対して資料の提出を求めることができるほか、会員は、当該苦情の処理結果について協会に報告することとしております。

 紛争の外部への依頼の状況でございます。金融商品取引法に基づく暗号資産関連デリバティブ取引に関しましては、FINMAC様のほうに業務を委託しております。

 資金決済法に基づきます暗号資産の現物取引に関しましては、こちら三弁護士会様と協定を締結し、お願いしている状況でございます。

 苦情・紛争解決対応の周知状況としましては、協会のホームページにて苦情・相談をメール及び電話で受け付けている旨を周知させていただいております。

 相談の件数でございます。私ども協会は平成30年からスタートしております。直近の令和3年度につきましては、相談が190件、苦情についての受付は203件、解決件数193件、紛争につきましては1件という状況になっております。紛争につきましては、FINMAC様に対応いただいている部分は含んでおりません。

 最近のトラブルの傾向・特徴としましては、傾向的なところは大きく見られませんが、取引約定、出金、口座へのログインなどという御相談、トラブルが寄せられている状況です。例えば、口座にログインできない、取引停止というところのトラブル、相談が比較的目立つ状況でございます。

 最近のトラブルの主な事例としましては、会員外となりますが、相談としましては、マッチングアプリによる投資勧誘があって、海外の取引所を紹介されたり、出金できない事例がございました。

 会員に対する苦情としましては、久しぶりにログインしようとしたところ、ログインができないという状況が見られたということが、主な事例になります。恐らくこちらは、相場活発化に伴って取引を再開されたお客様が増え、それに伴うものだと推測されております。

 トラブル再発防止に向けた取組ですが、協会のホームページ並びに会員へ文書を通知することでトラブル事例の周知を適宜行っております。また、月次で会員に苦情の取扱状況、傾向の共有を行っているところでございます。

 今後の課題としましては、会員への苦情の分析結果、これについては行っているものの、より蓄積を進めて深度あるものを行いたいと考えております。

 御報告は以上でございます。

〇神作座長 
 どうもありがとうございました。

 続きまして、証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)の丸野委員、御説明、よろしくお願いいたします。

〇丸野委員 
 FINMACでございます。資料の21ページから御説明させていただきます。

 私どもは、冒頭のところに書いてございますけれども、金融ADR代替措置実施機関としての業務として、2つ目の項目にございます対象金融機関等というところですが、登録金融機関200社、投資運用業者202社、投資助言・代理業者828社を対象としておりまして、認定投資者保護団体としては、第二種金融商品取引業者1,043社、全て合わせますと、2,273社を対象に実施しております。

 相談・苦情の実施態勢でございますけれども、東京と大阪の2拠点でございまして、相談員は13名おります。ここは、本日御説明する内容に限ったものではなくて、私どもが別途行っております指定紛争解決機関としての業務と合わせての人数あるいは拠点数ということになりますので、そこは勘違いなさらないようにしていただければと思います。

 金融機関側に関しましては、要は手続の応諾義務、我々の苦情解決などに協力しなければいけないといったことを定めております。また、資料を我々が求めたときは、それをちゃんと出してくださいと、出さなければいけないといった義務を課しているといったところでございます。

 なお、紛争解決のほうですが、こちらも紛争解決委員が、全国を9地区に分けているのですけれども、全体で38名いらっしゃいます。こちらも先ほど申し上げましたように、指定紛争解決機関としての業務と同じ方にお願いしているということで、全国50か所で一応実施するという態勢になっておりますが、ここはお客様の御都合などに応じて、基本的には都道府県庁所在地で行うということになっているのですが、お客様の状況に応じて柔軟に対応させていただいているところでございます。

 こちらのほうも、手続応諾義務とか資料提出義務を苦情解決などと同様に課しているというところでございます。あと、和解案の提示を行うということと、特別調停案の提示も行うことができる形になっておりますが、特別調停案につきましては、今まで本日御説明する内容に係るもので出したものはございません。

 続きまして、22ページでございます。周知状況でございます。こちらも、指定紛争解決機関としての業務と併せて行っているところでございます。私どもの対外的な情報の提供手段としましては、比較的コストもかけずにできるということもあり、ウェブサイトを利用しているところなのですが、ホームページによって、相談とか苦情を受け付けているということを周知しておりますし、それ以外にリーフレットなどを作成して、対象業者の店頭に置いていただく、あるいは金融機関が直接お客様から苦情を受けたときには、我々のリーフレットをお渡しいただいて、私どもの機関を御紹介いただくといった形を取っております。

 また、実際の活動状況などを、これもホームページ上ではございますけれども、機関誌を年2回作っておりまして、そちらのほうで周知を行っているということでございます。

 また、私どもも各地の消費生活センターなどから御依頼を受けまして、このような金融関連の商品の相談に応じていますよといったこと、あるいは消費生活センターの相談員の方がお客様から一義的に金融商品に係る苦情なり相談なりを受けたときは、このような対応をしていただければよろしいのではないでしょうかといったことで、情報交換なども行っているということでございます。

 昨今の相談、苦情、紛争解決の受付件数などでございますが、表に記載のとおりでございます。相談のところが異様に大きくなっているのですけれども、そこはちょっと説明させていただきます。22ページの一番下の枠のところで、上から相談、苦情、紛争と分かれておりますが、相談の中のその他の業務というのがございまして、その中で制度に関する相談なのか、売買取引に関する相談なのかといったことを書いてございますが、最後にその他というところが1,196件と非常に多くなってございます。実はここは、簡単に申し上げますと、間違い電話の数とかもちょっと入っておりますので、そういった状況でここが異様に増えている。相談の中にもそれらが増えているので、相談の数が多くなっているということでございます。

 苦情に関しましても、二種業に関する苦情が昨年度ですと16件、投資運用業のところが19件、投資助言のところが12件、登録金融機関が21件という状況で推移してございます。

 続きまして、23ページを御覧いただければと思います。最近のトラブルの主な事例でございますが、まず苦情として冒頭御紹介させていただくのは、第二種金融商品取引業者が組成したファンドに出資しているのだけれども、法令に規定する事故により、分配済みの額を差し引いて償還すると、業者から通知が来たのだけれども、納得できないから全部返してほしいといったものでございます。あとは、原油のWTI先物に連動しているETFの価格が要は原指標の動きに連動していないのはなぜなのかといった苦情を受けているところでございます。

 また、紛争でございますけれども、こちらも冒頭は第二種金融商品取引業に関するものでございますけれども、申立人と被申立人の間で締結した匿名組合契約において、取得勧誘に際して虚偽の表示または誤解を生ぜしめるべき表示があったのだといったことに関し、債務を発して紛争に結びついたといったもの。また、投資助言の部分ですけれども、助言契約を締結したのですけれども、それが不当な勧誘であったということ、また結果的に損失を被ったのだということで、損害賠償を求めるといった事例がございました。

 再発防止に向けた取組でございますけれども、まず登録金融機関に関しましては、全て日本証券業協会の特別会員になってございますので、私どもが日本証券業協会に情報をフィードバックするといった中で、日本証券業協会から協会員通知という形で証券会社と併せて登録金融機関の方々にもフィードバックさせているということで、基本的には、毎月、あっせんの事例をピックアップしたものをお配りしたりとか、四半期ごとに苦情・相談の事例などをフィードバックさせていただいているといったこと。あるいは紛争解決の事例として、全件、全て載せまして、本日御紹介する業務以外のものも含めますけれども、それらを全件含めたものをフィードバックさせていただいたりしているということでございます。

 また、ほかの業態に関しましても、我々が業務委託を受けている自主規制団体に対して、苦情事例や紛争解決事例の概要などを情報提供などさせていただいているというところでございます。

 今後の課題といたしましては、引き続き情報開示などをしっかり行っていきたいということと、関係機関、事業者へのフィードバックを十分に行っていきたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

〇神作座長 
 どうもありがとうございました。

 それでは、ここまでの御説明につきまして、御意見、御質問をお願いしたいと思います。

 まずは、多くの業界団体等において紛争解決を弁護士会に業務委託しているということでございましたので、東京弁護士会に所属しておられます斎藤委員から、補足的な御説明も含めて御発言いただければ幸いに存じます。斎藤委員、よろしくお願いいたします。

〇斎藤委員 
 神作座長、ありがとうございます。弁護士会の斎藤です。

 今回は、指定紛争解決機関がない業態がテーマということですが、今御紹介があったように、弁護士会ADRが多くの自主規制団体および事業会社から、代替手段としての紛争解決手続を受託しております。そこで、ほかの委員の方の御参考に、弁護士会ADRの態勢について補足説明させていただきます。私は、特に弁護士会紛争解決センターの代表として委員となっているわけではないのですが、長年弁護士会のADRに関与してきましたので、事実上の説明とさせていただければと思います。

 現在、今日御出席の協会のうち、日本商品先物取引協会さんは先ほど自分のところでADR紛争を担当されているということでしたが、それ以外の9団体と東京三弁護士会とで協定を結ばせていただいております。

 弁護士会には日弁連ADRセンターという全国の単位弁護士会の紛争解決センターのサポートをするための委員会がありますけれども、そこで把握している統計で申し上げると去年の7月時点の全国の弁護士会で金融ADRの協定数は640の事業会社(個社)と締結、及び59団体と締結しています。一団体が複数の弁護士会と協定を結んでいる場合もありますので、いずれも延数です。団体との協定の場合は、その団体に加盟している事業会社から、同協定に則って紛争解決をしますという受託書を出していただいておりますので、その受託者数が1,400を超えています。

 その中でも東京三会と協定している団体数と事業会社数が圧倒的に多いので、東京三会の運用について少しお話をしたいと思います。

 東京三会では、今年の6月1日現在で522事業会社と協定を結び、団体については先ほど御紹介したように9団体と協定を結んでおります。9団体の中の受託書を提出いただいている事業会社が782社ありますので、約1,300から1,400社ぐらいが現在、東京三会の金融ADR対象会社ということになります。

 東京三会、すなわち東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会の3弁護士会では、あっせん自体はそれぞれ単位会ごとのセンターで行っておりますが、体制整備や重要な運営方針などは三会一体となって、頻繁に協議をしながら動いております。

 態勢としましては、現在、金融側あっせん人と顧客側あっせん人、それぞれ1名の2名態勢が多く、一部、センターのあっせん人が加わって3名態勢で対応する場合もあります。三会共通のあっせん人候補者として、現在、金融取引に詳しい弁護士が、金融側で約45人、顧客側で約45人をリスト化しております。

 弁護士会ADRの特徴としましては、一つには、金融ADR制度の趣旨に沿って、協定上で金融機関側の片面的義務を定めていること。また、東京三会のあっせんといっても、申立人が遠隔地に住んでいる場合もありますので、それについては現地調停制度というものを採用しました。東京三会と他の単位弁護士会、現在40の弁護士会と現地調停の協定を結び運営しています。申立人居住地の近くの単位会で弁護士を推薦してもらって、それを東京三会の特別あっせん人として任命した上で、テレビ会議等のオンラインを利用して行うというという制度です。また、そもそも申立人も相手方も現地のほうがいいということであれば、いわゆる移管調停と呼んでおりますけれども、東京三会から手を離して現地の単位会の紛争解決センターに言わば移送するという扱いをしている移管調停という制度もあります。

 前回のテーマとなった情報開示やフィードバックについては、日弁連ADRセンターで年に1回、大体9月ぐらいの発行になりますけれども、仲裁ADR統計年報というものを発行しております。これは4月から3月分の年度のADR事案を集計し統計化したものですが、その中で、一般ADRは数字だけなのですが、金融ADRについては事案を基本的には全件御紹介すると、もちろん当事者の特定を避ける形で、事案の概要を全件開示するということで情報開示を図っております。

 また、先ほど団体からの御紹介もありましたように、5団体、つまり信用金庫協会、信用組合協会、労働金庫協会と、JAバンク、JFマリンバンク、この5団体とは半年に1回、東京三会と協議会を設けて、お互い情報交換等をしております。

 以上、簡単ですけれども、弁護士会のADRの御紹介をいたしました。また、何か御質問があればお受けいたしますので、よろしくお願いいたします。

 斎藤からは以上です。

〇神作座長 
 斎藤委員、御説明どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの斎藤委員からの御説明も含めまして、先ほど御報告いただきました指定紛争解決機関がない業態の苦情・紛争解決の対応・課題につきまして、御発言をいただければと思います。御質問、御意見がある方は、チャット機能でお知らせいただければ大変幸いでございます。

 坂先生、御発言、よろしくお願いいたします。

〇坂委員 
 よろしくお願いします。御報告等ありがとうございました。

 今、斎藤委員からも御発言いただきましたとおり、弁護士会のほうでADRをやっておりますけれども、私も消費者側の仲介委員として、幾つかの事案に関わらせていただいたことがあります。そこでの感想的なところでありますけれども、実態把握が重要であるということは、そこでも実感するところです。事業者の皆様には、いろいろな資料提出をお願いするようなこともありますけれども、そういったところについてはぜひ御協力いただきたいと思いますし、団体等のほうからも、そういったことについては周知をいただけるとありがたいかなと思っております。

 ということで、次に、指定紛争解決機関に関する御報告については、冒頭の資料に基づいたものがございましたが、これについては、和解の成立の割合といいますか、和解率の向上を図るということが課題なのではないかと感じました。

 指定紛争解決機関がない業態の皆様の御報告について、何点かちょっと申し上げたいと思うのですけれども、指定紛争解決機関がない業態であっても、相談窓口において早期に課題を把握して、適切な助言、解決を図るとともに、事業改善や制度改善につなげていくことは、業務やサービスの高度化の観点からもますます重要になってきているかと思います。特に技術や制度において新規の事業展開が行われているという業態は、こうした回路を強化することが重要と感じています。

 こうした観点から、現状、指定紛争解決機関がない業態においても、こういった機関の設立の社会的必要性は高まっていると感じております。個別の業態に関しては、一つは、まず資金決済業協会さんの関係ですけれども、決済分野では制度が複雑化し、資金決済法と割賦販売法に制度が分かれるほか、業法による規制が及んでいないサービスもあると思います。また、決済代行業者が入ってきたり、あるいは情報伝達を行う事業者等、分業が進んでいるというところもあります。サービス提供がシームレスになる他方で、適用されるルールや対応すべき主体等が分かりにくくなっていて、相談対応の苦労があるものと拝察しております。

 この点に関して3点御質問なのですけれども、1点は、協会は基本的には前払式支払手段発行者、資金移動業者のサービスに関するものを対象とするものと思いますけれども、会員以外の事業者に関する相談・苦情ということの御指摘がございます。

 先ほど少し御指摘がありましたけれども、適用除外となっている業者さんのお話がありましたが、資金決済関係ではこのほかにも、例えば、クレジットは別なのかもしれませんが、規制対象外になる収納代行や、最近ではBNPLですか、Buy Now Pay Laterというサービスも広がっていて、こういった業態についての相談が入ってきたりしてはいないかという辺りとか、そういった相談があった場合にどういった対応をしているのかについて教えていただけるとありがたいと思います。

 次に、2点目ですけれども、決済分野ではセキュリティについての利用者の関心も高く、またサービス提供上も重要と思います。セキュリティや不正利用についての相談傾向や特徴的事例があれば教えていただければと思います。

 相談事例の中には、不正利用か、あるいは本人または関係者による利用かが争いとなるような事例もあるのではないかと思います。こういった事例について、何か相談対応に工夫があれば、教えていただければありがたいです。

 それから3点目ですけれども、相談・苦情等の受付状況について、委員会あるいは理事会への報告と、会員への還元が行われているという御報告がございました。これらの情報については、何らかの形で一般に公開されているのかどうかについて教えていただければと思います。

 次に、暗号資産取引業協会さんの関係ですけれども、暗号資産取引は、技術的にも制度的にも発展途上にあり、課題把握と解決の対策の必要性が特に高いものと感じております。消費者センターでは、昨年度は12月末までで4,662件の相談が入っているということが報告されておりまして、利用者の相談ニーズも比較的高いと思います。

 御報告の中では、口座へのログインや取引の停止等の相談があるとございましたけれども、これは交換業者における取引システムに関する問題ではなかろうかと思われますが、事業者側で適切な説明、情報提供、対応が必要であって、専門的知見を活用した相談対応や紛争解決が期待されるところなのではないかと思います。ここら辺りの対応について、もう少し教えていただけるとありがたいと思います。すみません、これが暗号資産取引業協会さんへの質問の1点目。

 あと2点ですけれども、2点目は、マッチングアプリによる投資機会が拡大し、社会的な問題になっていると思います。最終的には海外の交換業者等に誘導される場合が多いのですけれども、多くの事例で国内の交換業者を通過してそちらに至るというケースがかなり多いと感じております。先ほども少し御指摘がありましたけれども、こういった問題について、個別の相談対応についてどのような相談対応をされているのか、可能な範囲で教えていただけるとありがたいと思います。

 また、個別の事案では、明らかに詐欺と見られる事例が多いと思いますけれども、捜査機関との連携はどうなっているのか、もしお話しできることがあればお聞かせいただければと思います。

 それから、業務や制度改善の点において、相談内容に基づいて関係機関と連携して被害防止や被害回復に貢献していただく期待というのが、現在この分野では非常に大きいのではないかと思います。こういった観点から協会として取組がもしございましたら、御教示いただければありがたいと思います。

 それからもう1点、暗号資産取引業協会さんのほうでも、会員への苦情や苦情分析の結果の還元がされているとありますけれども、こういった会員さんへの還元のほかに、公表されているものがどういった形であるのかないのかということについても教えていただければと思います。

 最後にFINMACさんに対する御質問なのですけれども、長くなって申し訳ありません。FINMACさんの相談の件数の御説明等の中で、その他業務ということで他業界というのが出てきたのですが、他業界というのがどこの業界のことなのかということをもし教えていただければありがたいと思います。

 長くなってすみませんが、よろしくお願いいたします。

〇神作座長 
 坂先生、御発言をどうもありがとうございました。御質問をいただきましたので、それぞれお答えをいただければと思いますけれども、まず初めに日本資金決済業協会の橋本委員、大きく3つほどの御質問があったかと思いますが、お答えいただけますでしょうか。

〇橋本委員 
 分かりました。3つほど言われたと思います。最初の前払いと資金移動以外あるいは会員以外の方の相談・苦情があった場合どうするかです。今お話がありましたように、クレジットカードとか、あるいは収納代行、あるいはポイントとか、そういったほかの業態に関するような相談を受けることがございます。この場合、基本的には協会の所掌外として、対応はできません。ただ、相談者に対して、関係する団体とか省庁等が分かれば、お伝えしているケースが多いと認識しております。なお、その中でも、ポイントサービスのように、所管省庁とか関係団体がよく分からないようなサービスもございまして、新しいサービスがつくられている中で、全ての案件等について的確に関係団体に誘導するということはちょっと難しいというのが、実情としてございます。それが1点目です。

 2点目はセキュリティの関係でございますが、苦情・相談の中で、本人以外なのか、あるいは本人なのかといったことが論点としてもし争われたような場合には、まずは苦情の対象になっています事業者に御相談くださいということです。

 なお、令和2年頃にスマホ決済等の関係で、第三者によるアカウントのなりすましといった不正事例が起こったことがございました。それで、協会としては、それに対応するためのガイドラインを作成しておりますので、会員は、それを踏まえて対応しております。

 3番目の苦情・相談の受付について一般公開しているかということなのですけれども、これは現状、しておりません。特にそれは理由があるわけではなくて、会員のほうの了解等も必要になってくるかと思いますので、今後の課題と思っております。

 以上でございます。

〇神作座長 
 ありがとうございました。

 ただいまの橋本委員の御説明につきまして、坂委員から追加の御発言はございますか。

〇坂委員 
 ありがとうございました。1点目に関するところかと思いますけれども、決済については制度やサービスが複雑化しておりまして、利用者にとっては、全ての決済に関して専門性を持って対応していただけるワンストップの相談窓口が望まれるところかなと感じております。これは一朝一夕にはちょっと難しいかと思いますけれども、そういう感想を持っております。よろしくお願いします。

〇神作座長 
 どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして、日本暗号資産取引業協会の小松崎委員、坂先生から幾つか御質問があったかと思います。お答えいただけますでしょうか。

〇小松崎委員 
 承知しました。1点目で、非常に消費者センターのほうにも御相談がたくさんあるというところで、相談の中でも、協会のほうに、会社のほうにも相談が行き、そこでもうまく連携が取れないというところを主に協会のほうに相談をいただいているという認識でございます。その中で十分会員さんが対応できていないところに関しまして、個別、具体的に会員さんと連携を取り、お伝えをしているということを繰り返しさせていただいているのが1点目になります。

 2点目で、マッチングアプリでのお話でございます。海外の業者というところですが、国内の暗号資産交換業者を通過して海外の交換業者へお金を払っているというところについても、相談の中では来てございます。こちらについても、各業者に注意喚起と、あと併せてしっかりした対応するような指導を、個別になりますが、しているような状況です。併せてホームページでマッチングアプリ、事前の予防という観点でも周知しているところと、あとの個別の相談につきましては、各会員についてもしっかり対応するような注意喚起をしているような状況でございます。

 3点目につきましては、捜査機関との連携というところです。警察等から個別に照会が来たり、仕組みについての相談というのは来ている状況です。これについても適宜御案内させていただいたり、具体的な会員名が上がったところでの相談ないし協力というところに関しては、協会のほうでできるところはさせていただき、会員について対応するところは会員におつなぎして、協力の依頼をしていただいているところでございます。

 あと、4点目については、すみません、4点目の御質問をもう一度、申し訳ありません、お願いしてよろしいでしょうか。

〇坂委員 
 すみません。会員さんへの苦情・相談の分析結果の還元とありますけれども、一般へはどういう情報提供をされているのかというのが質問です。それから、すみません、1点目の質問なのですけれども、取引システムに関する問題が生じたときの相談対応について、もしお話しできるところがあれば、教えていただけるとありがたいかと。

〇小松崎委員 
 大変失礼いたしました。では、1点目のところから、申し訳ありません。取引システムに関して、いわゆる取引ができないとか、ドメインが凍結されているというところについての取引システムについて、システム面でのというよりは、どちらかといえば、例えばマネロンの関係とか、お客様がパスワードを完全に忘れてしまっているというところとか、あと本人確認、過去の法令がないところで口座を開いた方が本人確認をお願いしたところ、本人確認の書類を提出は拒否しつつログインをしたいとか、そういった内容が多く来ているところでございます。つきましては、取引システムの不備というところにつながるようなところは直接は聞いていない状況でございます。失礼いたしました。

 4点目のいわゆる苦情の分析結果の公表というところに関しましては、協会の中での理事会にも御報告をさせていただいています。あと、会員さんにも状況について毎月お伝えしているところですが、一般のお客様に関して、具体的に通知の公表は現在のところはしていない状況でございます。

 以上でございます。

〇神作座長 
 坂委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

〇坂委員 
 ありがとうございました。暗号資産については、犯罪利用への対応というのが喫緊の課題であると感じております。特に、マッチングアプリから暗号資産に誘導される詐欺事案はこれ以上放置できないのではないかなとも感じておりまして、ぜひ相談現場の情報を生かしつつ、専門的知見に基づいた対策が求められると思っております。よろしくお願いいたします。

〇小松崎委員 
 承知いたしました。

〇神作座長 
 御指摘ありがとうございました。

 それでは、坂委員からの3つ目の御質問について、FINMACの丸野委員にお答えいただきたいと思います。FINMACの丸野委員、お願いできますでしょうか。

〇丸野委員 
 回答させていただきます。御質問の内容は、資料の22ページの例えば相談のところ、「その他の業務(他業界)」と書いてある、この他業界とは何ぞやということかと思いますが、端的にお答えしますと、いわゆる我々が指定紛争解決機関としてやっている一種業務に係る部分、あとここに書きました二種業務から登録金融機関業務に係る部分、これを除いた業界ということになります。

 もうちょっと細かく言うと、比較的数が多いのが、投資顧問会社として金融庁さんに登録は受けているけれども、投資顧問業協会に加入していない会社さんにかかるものとかというのもここに入ってくるのですけれども、そういうものとか、あるいは預金に関するお問合せ、保険に関するお問合せが我々のところに来る部分もございますし、それこそスーパーに対してちょっと文句を言いたいといったようなものもお電話いただきますし、あとは金融系ですと、先ほど来から出ていますけれども、海外が絡んだ外為証拠金取引系のものなどが私どものところにも寄せられてくるということがございます。それらの雑多なものがここに入っていると思っていただければと思います。

 以上でございます。

〇神作座長 
 ありがとうございます。坂委員、よろしいでしょうか。

〇坂委員 
 ありがとうございました。

〇神作座長 
 それでは、続きまして、全国消費者団体連絡会の大出委員、御発言をお願いいたします。

〇大出委員 
 大出です。よろしくお願いします。御説明ありがとうございました。私からは、全国信用金庫協会様にちょっと御質問がございます。

 ここの表の苦情の受付件数と解決件数の乖離というか、結構、半数以下しか解決していない状況なのですけれども、これは不調に終わったとかということなのかなと思います。紛争に至っていないところの考え方というのはどのように考えたらいいのかなというのが一つ。

 それからもう一つ、その今後の課題のところに、高齢者の対応ということで、多分どこの協会さんも高齢者の対応に大変腐心されているのではないかなと思うのですけれども、「引き続き適切に対応していくことが課題となっている」とあるのですけれども、具体的には丁寧に説明するとかということがあるかと思うのですけれども、そのほかに何か具体的に対応がありましたら、教えていただきたいと思います。

 以上です。

〇神作座長 
 御質問ありがとうございました。

 それでは、全国信用金庫協会の関谷委員、御回答をお願いできますでしょうか。2つ御質問があったかと思います。

〇関谷委員 
 1点目の苦情の受付件数と解決件数の相違でございますが、苦情の受付件数につきましては、先ほども簡単に申し上げたのですが、相談に近いような苦情でございましたり、我々がお話を聞いてある程度吐き出せたといいますか、聞いたことによって御理解いただいたケースもあったりします。解決件数には至らないものはカウントしない形にしておりまして、何かしら解決したのだろうと我々が確認できたものについてのみ解決件数に入れておりますので、どうしても5割以上が解決にはなっていないという状況でございます。1点目はそういう形でございます。

 2点目の今後の課題のところでございますが、非常に難しいのですけれども、同じような御照会をいただくことがあれば、どういうふうに御回答していくことで御相談いただいた方にとっても分かりやすい御説明をできるのかとか、そういうところも分析とかしていければと今の段階では思っております。具体的な方針というものはないのですが、そのように考えているところでございます。

 以上でございます。

〇神作座長 
 大出委員、いかがでしょうか。

〇大出委員 
 ありがとうございました。解決には至らないけれども、理解はしているという解決の方法だっだということが分かりましたので、ありがとうございました。

〇神作座長 
 どうもありがとうございました。

 それでは続きまして、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会の唯根委員、御発言ください。

〇唯根委員 
 唯根です。ありがとうございます。皆様からの新しい情報をいただきまして、ありがとうございました。各業界は今、大出さんがおっしゃっているように、信金協会さんのほうでは高齢者の相談内容が多いということを伺ったのですけれども、ほかの業界団体さんでは、今日の資料では年代別の相談、どういう世代にどんな相談・苦情が多いのかというところまでは、御説明がなかったのでお尋ねします。高齢者への対応と、それから成年年齢引下げに伴って、これからは若い方々が、こういう新しい資産運用なども含めまして業界団体さんへの御相談が増える可能性もありますので、年代別の統計などを取っていらっしゃるか、傾向が分かるかどうか、もし、今後もぜひその辺も見ていただきたいというところで、また教えていただければと思いました。

 それから、ここのところ、事件報道等で高額の誤送金によって、またそれから海外カジノなどへの送金というようなことで、マスコミが、いろいろ資金決済に関しての情報とか、金融機関のIoT対応やセキュリティ面というか、要は事故や事件が起きた時のATMから始まってのインターネットの関係で、原因が通信関係なのか、金融関係のシステムなのか、とにかく不具合が起きたときに消費者がどこへどのように相談していいかということで迷うことが増えてきていたり、分からないことが多いなと感じております。FINMACさんの先ほどの回答にありましたように、他業界の相談もたくさん入っていらっしゃるということも踏まえまして、これは業界団体さんだけではなくて金融庁さんのほうへのお願いにもなりますが、消費者からの相談受付というか、窓口のたらい回しにされないで、的確な相談窓口が分かるような広報というか、御案内もぜひ多方面でしていただきたいというお願いです。

 以上です。

〇神作座長 
 どうもありがとうございました。1点目は、各団体さんに対する御質問も含まれていたと思いますけれども、苦情・相談について、年代別といいますか、世代別に統計を取っているようなところがありますでしょうか。もしございましたら、何らかの特徴を御指摘いただければと思いますが、御発言いただけますか。丸野委員、お願いいたします。

〇丸野委員 
 FINMACでございます。先ほど御紹介いただいたその年代別の件でございますけれども、私ども、苦情と紛争の部分は比較的年齢の判明率が高いので、ちょっと相談を除きまして、ここの部分について御説明させていただきますと、ボリュームゾーンという言い方がいいかどうか分からないのですけれども、苦情とか紛争解決の事案で申出をされるお客様の年代としましては、50代後半から80代前半、こういったところが非常に多くなっているということでございます。それは、紛争であろうが、苦情であろうが、同じような傾向になっているということです。

 ただ、ここでちょっと面白いのが、商品別で見ていきますと、あまり件数がないものは統計的にも意味がないのかもしれませんが、外為証拠金取引などの金融先物デリバティブについての苦情を見ますと、40代の方とかが多くなって、他の商品と取引される方の中心がちょっと違うのかなといった傾向は見てとれる状況にございます。

 以上でございます。

〇神作座長 
 貴重な情報提供をありがとうございました。

 今、手を挙げていただいております。どうぞ御発言ください。関口さん、よろしくお願いいたします。

〇関口委員 
 では、日本商品先物取引協会から、関口でございます。商品先物取引業界の年齢層ということでお答えさせていただければと思っておりますが、私どもの業界では、監督官庁、経済産業省を中心といたしまして、委託者の調査を毎年行っております。こちらは経済産業省のホームページに掲載されているデータなのですが、主に取引をしている方、苦情・相談でなく、取引されている方の主体が40代、50代、60代となっております。したがいまして、当然、苦情・紛争もしくは御相談いただくのもその年代が多くなっているという傾向はございます。先ほど資料でも掲載させていただきましたけれども、そういった観点から、70代以上の苦情・紛争ということが皆無になってきているというところが、商品先物取引業界の傾向となっております。

 御説明は以上でございます。

〇神作座長 
 どうもありがとうございました。

 ほかに、世代ごとの紛争、苦情の状況について、何かデータ等がございましたら御発言いただければと思いますが、よろしいでしょうか。

 唯根委員、追加の御質問等ございますか。

〇唯根委員 
 いいえ。今後とも各世代ごとの情報で、また特徴があれば教えていただけるとありがたいです。ありがとうございました。

〇神作座長 
 どうもありがとうございました。

 続きまして、森下先生、御発言をお願いいたします。

〇森下委員 
 ありがとうございました。いろいろ取り組まれているということはよく分かりました。ありがとうございます。

 2点ございまして、今回、指定紛争解決機関がないということで御説明をいただいたと思うのですけれども、その特徴は、弁護士会さんの紛争解決制度を使っているというところだと思うのですね。先ほど弁護士会のほうから要望として、例えば資料の提出などに協力してほしいというような御意見があったと思いますけれども、自前の紛争解決機関を持っているのと同じように機能していくためには、逆に、例えば各団体のほうから弁護士会の紛争解決制度への期待とか要望とか、そのようなものがあるのであれば、そこのコミュニケーションがうまくいくことが大切だと思います。東京弁護士会さんはもう本当に十分いろいろな態勢が整っておられるということはあるのかもしれませんけれども、そうでなかったとしても、弁護士会さんとの関係が非常にうまくいくと。あとは、例えば紛争の内容に関するフィードバック、次の予防につながるようなコミュニケーションが適切に取れるというようなことがすごく重要なのかなと感じました。この場で何か弁護士会の方に具体的な要望をおっしゃってくださいという趣旨ではありませんけれども、弁護士会に任せっきりということではなくて、そこのコミュニケーションのクオリティーの高さが今後重要になるのかなというような感想を持っております。

 あともう1点ですけれども、今日いただいた資料の中で触れられている紛争とか苦情の具体例というのが、例えば預金の払戻しに関する、あるいは相続手続に関する要望というか苦情とか、あるいは本人確認とか、そのようなことに関する苦情とか、あるいは前払式支払手段の払戻しに関する苦情とか、そのようなものがあったと思うのですね。これらは、法律上今こうなっているので、これ以上できませんというのは一つの回答の仕方だと思うのですけれども、恐らくそういったやり取りの中に、今後のあるべき法改正とか、ガイドラインとか、利用者利便を高めつつ、うまくバランスを取っていくということを考えていく上でのいいヒントというものがたくさんあるのかなと拝見しましたので、今度、これは金融庁さんとのコミュニケーションかもしれませんけれども、そういったところにもつなげていっていただけると、よりいいのかなと感じております。

 以上です。ありがとうございました。

〇神作座長 
 貴重な御指摘をどうもありがとうございました。

 それでは続きまして、メディエーターズの田中委員、御発言ください。

〇田中委員 
 本日は御報告、どうもありがとうございました。各機関の取組がよく分かり、とても安心しています。各機関への御質問は既にほかの委員から出ておりましたので、指定機関以外の機関のみではなくて、指定機関を含めての御懸念ということで御意見させていただければと思います。

 本日は詳しく詳細を出していただきました指定機関以外の資料では、和解件数のみの表示でしたので、和解以外のところがどうなっているのかというのが、指定機関のところと同様には見えないところというのは懸念として残るところでした。

 その意味で、御提出していただいているのが、指定機関のところでは詳細が出ていたので、これを見ますと、和解率が安定しているというところに関しましては、各機関の御尽力のたまものと思いまして、金融ADRを初期から見ている者としては、安心いたしましたし、皆様方に感謝申し上げます。ありがとうございます。

 一方で、この金融トラブル連絡調整協議会でも以前から話題になっておりますけれども、見込みなしというところが同じような割合でずっと推移しているというところ、さらに、一方離脱というところが一定数であるというところが気になるところです。金融ADRとして、各情報開示の中で和解率というのは重要な指標であることは間違いないのですけれども、この見込みなしというのがどういった理由で一定推移しているのかは、いま一度各機関とも御検討いただければと思います。

 ほかの委員からもお話が出ていましたように、金融ADRというのは、個別ごとにケースの解決をしていることは間違いありませんが、単にADRとして紛争解決すればよいというのではなくて、各業界、ひいては業界横断的な金融業界全般の発展を目指している制度であるということを再度思い出していただければと思います。

 一般への情報提供というのがポジティブな点のみならずネガティブな情報も提供するというのは、金融サービスの販売としての原点だと思います。利用者にとって、和解率とともに、この見込みなしの数字がインパクトがあるものであることは間違いないですし、そこがあることで利用しようと思わなくなってしまうという懸念があるのであれば、詳細な分析と情報提供について、各機関、御検討をよろしくいたします。

 再発防止について、大きく関連するところと思われますので、個別会社のフィードバックというのが今日の御報告の中ではすごく多かったのですけれども、個別会社のフィードバックのみならず、業界としてどのように対応するかというところを情報提供並びに各業界、そして金融市場全体へのフィードバックとして、どのように再発防止をしていくかというところの御検討をお願いしたいというところで、意見を言わせていただきました。ありがとうございます。

〇神作座長 
 どうもありがとうございました。

 それでは続きまして、弁護士会の斎藤先生、御発言をお願いいたします。

〇斎藤委員 
 今日はいろいろ御説明いただきまして、ありがとうございました。先ほど唯根委員から、相談者の最近の年代別の傾向についての御質問がありましたけれども、私は弁護士会のほうのADRで対応していてちょっと感じるのが、これまでのいわゆる伝統的金融取引をメインとする信金さん、信組さん、労金さん、JAさん、JFさん、この辺りに比べて、資金決済業とか日本暗号資産取引業の業者は、かなりフィンテックを使った企業が増えてきているという中で、その取引内容の性質は大分違うと。その中でその紛争当事者を見ていると、伝統的な金融取引では先ほどおっしゃったように中高年の方が多いのですけれども、フィンテックを使ったような取引、例えば暗号資産の紛争ですと、申立人にITリテラシーが高く若い方が散見されます。そういう方は非常にADRに対してクオリティーの高さを求めるといいますか、例えば自分たちで判例を調べて資料を持ってきたりとか、非常にいろいろな意味で、当然ITリテラシーも高いし、リーガルリテラシーも高いとの印象があります

 先ほどどこかの団体がおっしゃったように、例えば事務局とのメールの返信も遅いと文句を言ったりとか、伝統的な金融取引の紛争と比較して、そういったスピードに対する感覚の違いもあるかなという気がしています。また、資金決済業、特に最近の資金移動業は、フィンテックを使った外国送金の会社も日本に進出してきています。その中で、外国からの留学生とか外国から働きに来ている方が自国へお金を送金する際にこういったフィンテック企業を使うという中でトラブルが生じるというようなことも、実際に申立てのあった案件もありますし、案件までいかなくても、事務局のほうに問合せが来たりしています。

 という中で、質問なのですけれども、資金決済業協会さんと日本暗号資産取引業協会さんに対する質問なのですが、こういったITリテラシーの高い方とか、または日本語がしゃべれない外国の方、こういった方の苦情・相談などについて、特に何か対策を考えておられるのかどうか、あるいはその最近の状況等についてシェアいただけるとありがたいなと思っています。

〇神作座長 
 どうも御発言ありがとうございました。

 それでは、ただいま斎藤委員から、日本資金決済業協会と日本暗号資産取引業協会に同じ内容の御質問が出されたと思います。まず、日本資金決済業協会の橋本委員から御回答いただけますでしょうか。

〇橋本委員 
 今御質問にありましたITリテラシーの高い方ということなのですけれども、相談・苦情の申出の中にそういう方がいらっしゃれば、まずは事業者に御相談いただいて、その上で解決していくことになるものと思います。

 あと外国の方でございますが、外国の方を含めた相談者から、事業者の連絡先が分からないというような照会がよくまいります。その場合には、外国の方に対して事業者の連絡先の電話番号を伝えております。今年度からこうした事例を集計しておりますが、半年間で200件を超えてございます。外国の方といっても、事業者と十分にお話合いになるというのが大切と思っております。

 以上です。

〇神作座長
 どうもありがとうございました。

 続きまして、日本暗号資産取引業協会の小松崎委員、御回答いただけますでしょうか。

〇小松崎委員 
 御質問ありがとうございます。ITのリテラシーという点に関しましては、御相談や苦情が多いのは、比較的ITリテラシーが必ずしも高くない方が圧倒的に多いのかなという印象をまずは受けております。操作方法、いわゆる一般の証券とか、これまで金融商品を取引した方が暗号資産のお取引を開始するに当たって、分からないことがあり、それに対して、うまくいかないというところの質問が比較的多いと受け止めております。

 もう1点は、海外のお客様に関しましては、お電話やメールでもほとんど来ていない状況でございます。

 以上でございます。

〇神作座長 
 ありがとうございました。

 斎藤先生、追加の御質問やコメントはございますか。

〇斎藤委員 
 ありがとうございます。そうですね。では、まだ外国の方がそこまで目立ってということではないということだと思います。ただ、今後増えるという可能性は十分あると思いますので、一義的には事業会社のほうで対応されると思いますし、事業会社のほうはそういったフィンテックをやられている企業は、担当者も英語が堪能な方が多いと思うので、その辺でまずは対応していただくということかなと理解しました。

 また、日本資金決済業協会の方が、事業会社の連絡先がわからないという問合せが多いというお話がありましたが、これは弁護士会のほうにも同じような問合せが来ている状況が見られますので、そういったところは事業会社のほうで連絡先をわかりやすくするなどの対応をしていただくように、御指導をよろしくお願いいたします。

 どうもありがとうございました。

〇神作座長 
 ありがとうございました。

 それでは、山田先生、御発言ください。

〇山田委員 
 機会を与えてくださいまして、ありがとうございます。本日は大変興味深いお話をありがとうございました。もう既にお話のあったことと若干重複するところがございますが、3点御質問と、それから1点コメントを申し上げたいと思います。

 質問のほうですけれども、全国信用金庫協会様からのお話で、幅広に苦情の内容を取っておられるということはよく分かりました。ただ、その場合でも、この苦情件数と、紛争の受付件数にかなりの乖離があるように思われます。これはどこもそうなのですけれども、相談者がまだ未解決だと仮に認識しているとした場合に、ADRへのスムーズな移行というのが一つの大きな選択肢だと思いますけれども、御担当者の認識として、ADRに行くべき事案というのはスムーズに移行していると認識しておられるか、あるいはスムーズな移行のために何か工夫を弁護士会との間でしておられることがあるかを教えていただければと存じます。

 それからあと2点の質問は全体に向けてということなのですけれども、2点目は、先ほど森下委員や田中委員からもお話がありましたとおり、金融ADRの機能としては、訴訟等を経ないでトラブルの実相を見極める、それに対応するための一種のソフトローを形成していくという非常に重要な側面があろうかと存じます。そこで問題となるのは、個別の事業者の改善状況について報告を得るということと、それから業界全体として、問題となっている情報を集めて、改善を促していく。特に後者のほうは、皆様のような団体でないとなかなかできない仕事ではないかと思っております。この辺りの実例がございましたら、とりわけ業界全体としてこういうところの改善の兆しがあるというような実例がありましたら、教えていただければと存じます。

 質問の3点目ですけれども、苦情や紛争が、手続実施者側から見ると解決したように見えても、それは単なるサイレントであるという場合もあり得ます。そこで、苦情はその身元が分からない場合もあるかと思いますけれども、紛争解決手続等を利用した人に対して、手続の満足度や公正と考えたかを尋ねる調査あるいはアンケートが有益と思われます。そういったことをしておられるのかというのをお伺いしたいと思います。

 最後に1点コメントですけれども、金融ADRにおいても具体的な解決事例を開示することが利用者や社会の信頼醸成につながると思います。先ほど斎藤委員から冒頭御報告がありましたように、金融関係の解決事例については、仲裁ADR統計年報、これは日弁連のウェブサイトで公開されておりますけれども、こちらに匿名化の上で御紹介がございます。ただ、各金融機関に御相談なさる方が日弁連を思いつくとはちょっと思えないところがございまして、しかし、例えば指定紛争解決機関は、機関自体のウェブサイトで解決事例を公表しているところもございます。せっかく弁護士会でこのようにまとめてくださっているので、各機関のウェブサイトあるいはパンフレット等で、「事例はこうなっています。だから安心して御相談ください」ということをぜひアピールしていただく、そういう御調整をいただけると大変ありがたいかなと存じます。

 長くなりまして失礼いたしました。以上でございます。

〇神作座長 
 どうもありがとうございました。

 それでは、まず全国信用金庫協会の関谷委員、1番目の御質問に対して御回答いただけますでしょうか。

〇関谷委員 
 全国信用金庫協会の関谷でございます。苦情の受付件数、解決件数ですけれども、受付につきましては、先ほども申し上げましたとおり、相談に近いようなものですとか、あるいは信用金庫のほうに、まだ苦情・相談窓口とかに連絡をしていなかった、知らなかったという方もいたりして、こういうところもありますよということで、一旦、分かりましたという形でお電話を終わられる方とかもいます。そういう意味ではこの解決件数の解決という定義が少し難しいところもあるのですけれども、そしてまた今後、この解決というのは何なのだろうという辺りもさらに考えていかなくてはとは思っているのですが、現時点におきましてはある程度大枠でしか把握できないところもありまして、これは解決件数に入れても大丈夫だろうというものだけ入れさせていただいているという状況でございます。実際には、お客様に応じてやりとりしているので、非常に微妙なところもありますが、そういう形になっております。これからも対応検討が必要かなと考えているところでございます。

 2点目でございますが、東京三弁護士会様と御相談のことですが、必要に応じて、協同組織金融団体様の皆様と集まる場で意見交換とかをさせていただく機会等もございますので、そういう場で御質問をさせていただいたりしながら、今後ますます考えていければなと考えてございます。

 それと、紛争プロセスの中でのお客様に対する調査というお話のことですが、我々としますと、お客様自身とやり取りするというスキームになっておりません。公表されているものでどこの信用金庫が対象なのかというのは把握はできるので、信用金庫から一方的に聞く話ではあるのですけれども、そういうところで把握しているところでございまして、お客様に直接調査するところには今のところ至っていないということでございます。この点につきましては御理解いただければと思います。

 私からは以上です。

〇神作座長 
 ありがとうございます。

 山田先生、特に第1点について、何か追加の御質問やコメントはございますか。

〇山田委員 
 ありがとうございます。統計の取り方については、先ほどのお話で理解をしたつもりでしたが、いずれにしても、一般の方にとってはADRはなじみがないですし、まして外部の弁護士会がやっているということで、一体何だろうというところで止まってしまう方もおられると思います。今お話のあった、不満なのか、不満でないのかよく分からないという方にも、こういう非常に分かりやすい制度があって、公平にお話を聞きますというようなことを奨めて、ぜひスムーズに話が進むような工夫をいただければ大変ありがたいかなと存じます。

 それから、最後の点ですけれども、確かに協会さんから直接顧客にというのはなかなか難しいと思いますが、ADRを実施している弁護士会の方にお願いをして、こういうアンケート調査を配っていただけませんかというような連携というのも考えられなくはないかなと存じました。

 以上です。

〇神作座長 
 どうもありがとうございました。

 全体に向けての御質問もいただいております。紛争解決事例についての体系化とフィードバック、あるいは利用者に対するアンケートなど、利用者の満足度の調査等について、各団体から、取組実例等がございましたら御発言いただけますでしょうか。

 FINMACの丸野委員、お願いいたします。

〇丸野委員 
 御説明いたします。実際の紛争解決事案などにつきましてのフィードバックあるいはその後の何らかの形での自主ルールとしての業界を挙げての規則化という点については、本日のテーマではないのですけれども、私ども、証券会社関係の事案が非常に多うございますので、日本証券業協会さんに対しまして、いろいろフィードバックしていく中において、高齢者からの苦情あるいは高齢者が抱えるトラブルが非常に多かったといったことも含めまして、複雑な商品を高齢顧客に販売する際の自主ルールというのを証券業協会さんのほうでは設けられているといった形で実際の現場にフィードバックして、それが業界全体の規則に結びついているという事例もございます。

 また、最近、高齢化の影響なのかどうか分かりませんけれども、お客様本人ではない方、要は証券会社と取引されているお客様の御子息の方などが私どもに「うちの親が証券会社といろいろ取引しているようなのだけれども、ちょっと心配だ」といったもの、あるいはもうちょっと進んだ不満というのが寄せられるケースがあるのですけれども、それについては、従前は、お客様本人からの申出ではなかったので、証券会社にフィードバックするということは原則やっていなかったのですが、一部の苦情が多いような会社につきましては、それをフィードバックするといった運用をここ数年始めていますし、日本証券業協会においてはその取組自体を非常に評価してくれて、もうちょっと広げたらどうだといった話も出ているところでございます。

 また、紛争解決の部分でございますけれども、私どもは、紛争解決が終わった段階で、申立人である投資家の方、あとは被申立人である金融機関の方、両方に対してアンケート調査を行っております。この結果を実際に紛争解決に当たられた弁護士の方、あっせん委員の方にフィードバックするといった形で、全体で共有する部分もございますし、個別の事案については御担当された先生に御希望に応じてフィードバックしておりますので、そういった形で、和解率とかには表面的には出てこない満足度というのを図るような努力をしております。

 以上でございます。

〇神作座長 
 非常に参考になります。情報提供をありがとうございました。

 山田先生、追加の御発言等はございますか。

〇山田委員 
 いいえ、結構です。ありがとうございます。感想だけですが、個別の会社にこのようなフィードバックをなさっていることが、やんわりした形でほかの社も分かるとすると、各社が良いフィードバックを得ようと、よい意味での競争にもなるかなと思いますので、また御検討いただければと思います。

〇神作座長 
 どうもありがとうございました。

 それでは続きまして、全国消費生活相談員協会の渡邊委員、御発言ください。

〇渡邊委員 
 渡邊です。情報提供、ありがとうございました。今日、私は少しお願いとして発言させていただきたいと思います。

 資金決済業とか、あるいは暗号資産の問題について、私どもも相談現場でたくさんの相談を受けております。いわゆる紛争解決の場での問題に行かないところでのいわゆる苦情レベルの相談がたくさん入っていらっしゃると思います。私どももたくさんの相談を受けておりますけれども、その中で特に詐欺的な商法に対しての相談というのは本当にどうもできないところではありますけれども、連絡先が分からないとか、そういう点で本当にそこまでで終わってしまう案件が非常に多くて、悩ましいところなのですけれども、できる限りお持ちである情報をその段階で消費者の方に提供していただくこと、それから、警察とか、いろいろ広く関係各者と連携をしていただいて、できるだけ紛争に至らない段階あるいは苦情の段階で解決できるものについては連携をしていただきたいと思います。先ほど御発言もありましたように、ワンストップの何か解決をできる場というものを別途持っていていただけると、非常にありがたいと思います。紛争解決の場まで行くような相談になっていないレベルのものがたくさんあって、この場で適切な発言かどうか分かりませんけれども、紛争・苦情をなくすという意味でも、ぜひ検討していただければと思います。

 失礼いたしました。

〇神作座長 
 どうも御意見をありがとうございました。

 それでは、指定8機関の皆様も含めまして、参考になる取組など、御発言をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

 よろしゅうございますか。

 それでは、次の議題に移らせていただきたいと思います。金融サービス利用者相談室における相談等の受付状況等について、金融庁金融サービス利用者相談室の今西委員から御説明をいただき、続いて金融ADR連絡協議会第30回及び第31回の概要につきまして、事務局からの御報告をお願いいたします。

〇今西委員 
 相談室より御説明をいたします。お手元の資料3-2、電子媒体の番号では06番を御覧ください。

 金融庁金融サービス利用者相談室におきまして受け付けました相談件数の推移を四半期ごとの折れ線グラフにてお示ししております。資料の一番上、太線のグラフ、ピンク色ですが、このグラフが相談室で受け付けた件数の合計となっております。御覧いただきますと、中ほどの少し右側、令和2年の4月から6月の四半期のところに高めの山がございます。これは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者等から多くの相談が寄せられたものでございます。その後、各四半期の状況は足元、御覧のとおりとなっております。おおむね1万件前後で推移いたしております。

 業態別の状況につきましては、その下のグラフを御覧ください。

 なお、相談等の受付状況につきましては、四半期ごとに金融庁ウェブサイトにて公表いたしております。

 資料3-1、電子媒体の番号では05番におきまして、直近の2つの四半期、本年1月から3月期及び昨年の10月から12月期の公表資料をお付けしておりますので、後ほど御覧いただければと思います。

 私からは以上でございます。

〇神作座長 
 どうもありがとうございます。

 それでは、相澤室長から御説明をお願いいたします。

〇相澤室長 
 それでは、私のほうからは、資料4の金融ADR連絡協議会の概要について簡単に御説明させていただきます。

 このADR連絡協議会は、金融ADR機関で連携を強化すべく、定期的かつ実効性のある情報交換や意見交換を行うために、金融庁を事務局として指定8機関の実務責任者が参加しまして、大体四半期ごとに開催しております。

 直近では、資料4にありますとおり、3月23日に開催いたしておりまして、そのときの議事としましては、前回の金トラ協において委員の方からのお話にあった御意見等を整理して、今後の対応にどうつなげていこうかということと、前回座長からもお話がありましたが、苦情・紛争に関する情報における利活用の工夫、これで重要情報シートをどう活用できるかなどといった意見交換をさせていただいております。

 2回目としまして、第31回、5月19日に開催いたしておりまして、近年の相談・苦情事案の傾向と対応、本日の課題と似たような内容について意見交換などを行ってございます。

 簡単ではございますが、私からは以上でございます。

○神作座長 
 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの御説明、御報告につきまして、御意見や御質問などございますでしょうか。

 よろしゅうございますか。

 どうもありがとうございました。

 最後に、本日の御議論に関連いたしまして、私から一言だけ申し上げさせていただきたいと思います。

 本日は、指定紛争解決機関がない業態の苦情・紛争解決の対応・課題について御報告いただき、様々な御質問や御要望と御意見を出していただきました。このような試みは、金融トラブル連絡調整協議会で以前にも行ったことはございましたけれども、新しい問題や課題なども生じてきておりますので、今日の御議論を参考に、他の団体の取組等で参考になる点や本日委員の皆様からいただきました貴重な御意見等を参考にして、さらにブラッシュアップしていただくとともに、またしばらく時間を置いて、このような対応課題について定期的に見直していければと考えております。

 一言、感想を述べさせていただきました。

 それでは、いつも延長ばかりしておりますけれども、本日の協議会はほぼ定刻でございますので、この辺りで終了したいと思います。

 なお、次回、第63回の協議会につきましては、追って事務局から御連絡をしていただきます。

 皆様、大変お忙しい中、誠にありがとうございました。どうもお疲れさまでした。
 

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