第34回金融トラブル連絡調整協議会議事要旨

1. 日時:

平成19年12月7日(金)10時00分~12時00分

2. 場所:

中央合同庁舎4号館9階 金融庁特別会議室AB

3. 議題:

  • (1)「国民生活センターの在り方等に関する検討会」最終報告について

  • (2)業界団体からの報告

    • 生命保険協会の認定投資者保護団体(金商法)認定取得の報告
    • 金融取引5団体「金融商品取引苦情相談窓口」設置の報告
  • (3)業界団体の苦情・紛争解決支援手続規則の用語について

  • (4)紛争解決支援手続の弁護士会仲裁センター委託方式における問題点について

  • (5)業界団体の紛争解決支援手続の利用促進について

4. 議事内容:

「国民生活センターの在り方等に関する検討会」最終報告について

内閣府国民生活局消費者企画課企画官の内畠委員代理(高田委員の代理)から資料1の「『国民生活センターの在り方等に関する検討会』最終報告について」に基づき説明が行われた。

  • 高橋委員 国民生活センターでは、直接相談を廃止する方向とのことだが、被害を直接受け付けないでADR(裁判外紛争解決手続)が有効に機能するのか疑問である。

  • 内畠委員代理 今年の8月末に本府から提出した独立行政法人の整理合理化案では、直接相談を廃止し、経由相談に特化していく方向だったが、直接相談を廃止してADRを行うのではセンサー機能が失われて適切な解決が図れないのではないかという意見もある。近く閣議決定される整理合理化計画はそういった声を反映して検討していきたい。

  • 高橋委員 内閣府は、直接相談を廃止してADRをやっていくほうが望ましいと考えているわけではないと解釈してよいか。

  • 内畠委員代理 もともとADRをやるから直接相談を廃止するというわけではなかったが、直接相談を継続してほしいという声が大きいことを十分に踏まえた整理合理化計画にしていきたいということ。

  • 高橋委員 国民生活センターは、PIO-NETで地方消費者行政から色々な相談を受け付けているが、地方消費者行政の現場ではPIO-NETの件数をたくさんあげなければならず、実際の相談業務に支障が出ているという話を各地から聞く。本来的には地方消費者行政の窓口は、住民の相談の紛争解決にあたることに一義的な意味がある。センサー機能を働かせるため、国民生活センターにPIO-NETの情報をあげることに相当な時間が使われ、相談がじっくりできないことについて、内閣府としてどのように考えるか。

  • 内畠委員代理 確かにPIO-NETのカードを作成するのが非常に負担になっているという声もある。どういう方策を講ずればより迅速にPIO-NETに打ち込んでもらえるのかを考えていかなくてはいけない。現在相談を受けてPIO-NETの情報としてのぼってくるのに、50日くらいかかるという実態があり、国民生活センターとして適切な消費者被害の状況を把握できないので、相談員にはたいへんな負担をかけているとは思うが、できる限り早い時期に入力をしてもらいたいとお願いしている。

  • 土田委員代理(青山委員の代理) 国民生活センターの調査権とあっせんに法律的な担保がされることは、業界にとってかなりの意味合いがあると思っているが、民間の各事業者の金融ADRとはかなり趣きが違う。ある意味では強権と言っていいような調査権や、あっせん機能の法律的な担保には、事業者からの反対があると思われるが、どう考えているか。

  • 内畠委員代理 出席を求めて意見を聞くとか、資料を提出してもらうことに関して経済界から強い懸念が示されたことは事実。資料1の18ページの一番下のパラグラフにもあるように、当事者の自発的な協力を基礎とするということであり、ADRの手続に応じない場合に過料を科すことによって強制力を持たせるといったことは適当でないと考えており、権能として定めるだけで、それに対するサンクションは法律上措置しない方向で考えている。

  • 土田委員代理 独立行政法人の国民生活センターが調査権を持ち、あっせんも法律的に担保するとなると、民間のADRとは方向性が違うのではないかと懸念している。

  • 内畠委員代理 あくまでもそういった権能を持つということであり、ペナルティーはない。今のあっせんの限界として、業者から、どういう権限があって出席を求めているのか、どういう権限があって資料の提出を求めているのかと言われることがあり、手続に応じてもらえず、なかなかあっせんがうまくいかないといった現実もある。そういった障害を除去するひとつの方法として考えている。

生命保険協会の認定投資者保護団体(金商法)認定取得の報告

生命保険協会の竹中委員から説明が行われた。

金融取引5団体「金融商品取引苦情相談窓口」設置の報告

日本証券業協会の白石委員から資料2の「『金融商品取引苦情相談窓口』の設置について」に基づき説明が行われた。

  • 高橋委員 費用負担の項目のところ、協会ごとの応分負担というのは何か。

  • 白石委員 NTTのフリーダイヤルの導入費用として数万円、おそらく1団体当たり5万円ぐらい。あとは通話料。また、日本証券業協会でも夏からフリーダイヤルを導入しているが、問題として出てきたのは、フリーダイヤルで自動案内しても、操作できない人、番号を押せない人、どこに連絡したらよいかわからない人が多かったこと。今回の5団体の電話では、わからない人、操作できない場合は、自動的に日本証券業協会につながるようにしてある。日本証券業協会の相談員が、その話を聞いて、該当する相談先の電話番号を案内するという方法をとる。

業界団体の苦情・紛争解決支援手続規則の用語について

事務局から資料3の「業界団体の苦情・紛争解決支援手続規則の用語について」に基づき説明が行われた。

  • 蓮澤委員 全国銀行協会が、「考えられる論点」のところで、このように主張しているのはなぜか。

  • 辻委員 全国銀行協会では、今回、モデルの定義に合わせ苦情等の定義の見直しをしたが、その際、消費者団体、弁護士、学識経験者の方々にも意見を伺ったところ、モデルの苦情の定義に合せてもその意味がよくわからないという話があった。そこで調べてみたところ、ISOの10002に、「不満足の表現で、その対応又は解決が、明示的又は暗示的に期待されているもの」という記載があった。資料3の5ページ目にある日本損害保険協会やJFマリンバンク相談所の苦情の定義が、ISO10002に非常に近いと考えている。

  • 土田委員代理 苦情と紛争の分類だが、各業界の温度差があるのではないか。各業界の定義を常に側に置いて、各業界の苦情はこういうことかと見ないといけないのはいかがなものか。

  • 岩原座長 モデル策定から5年経過したが、もっとわかりやすい定義に見直すように検討してみる価値はあると思う。

  • 坂本委員 日本損害保険協会では、苦情の定義をモデルよりも広く定義している。損害保険に関わる苦情の多くが保険会社の担当者の対応態度・言動に対するものであり、不利益が生じているとか対応を求めているのではなく、嫌な思いをしたという苦情も多い。そういうものも業界ベースで顧客や事故の被害者への対応の改善につなげるため、広く吸い上げて各保険会社にフィードバックしていく必要があると考えて、苦情の定義を広く捉えるようにしている。業界ベースでは、今年の5月に、各社揃ってこういう定義の中で苦情を捉えていきましょうということで、義務化という訳にはいかないが、標準的な考え方ということで取りまとめを進めている。また、いくつかの損害保険会社においては、ISO10002への適合化が進められている。

  • 竹中委員 生命保険協会では、不満があるものを苦情と捉えるということで、本部では17年度から、地方では18年度から苦情の定義を広げている。今までは、説明すれば解決しているものは相談に振り分けていたが、不満があるということが申し出の内容から読み取れるものは全て苦情とした。今では、何故不満があるのかという原因を分析するには極めて大切な考え方であると思っている。生命保険協会では9月末から各社の苦情件数を協会のホームページに掲載したが、そこで、各社の苦情の定義がバラバラであると、比較感が揃わないということもあり、20年度には全社が、生命保険協会が使っている不満の表明があるものを苦情に捉えるということで動いている。協会で受けたものと各社個別に受けたものの比較感ができるベースを作ることが大切ではないか。

  • 蓮澤委員 前回問題となったのは、これまで苦情の定義のモデルを守ってこなかった団体のことだった。定義を広げることに異論はないが、広げたとして、その業界団体ができるのか、さらには業界の中で各社が揃ってできるのか疑問に思う。

  • 辻委員 前回6月に指摘をいただき、まずはモデルの規定に合わせなければいけないと考え、苦情の定義をモデルに合わせたが、実務の場では、顧客の不満足の表明と苦情の差が相談員にはわかりにくいという部分がある。ISOの定義が一番広いものであるが、定義をこの部分まで持ってくるのもひとつの方法ではないか。

  • 岩原座長 それでは、当協議会としても、そういう問題意識が表明されたので、事務局にモデルについての事務的な検討をお願いしたい。

紛争解決支援手続の弁護士会仲裁センター委託方式における問題点について

事務局から資料4-1の「紛争解決支援手続の弁護士会仲裁センター委託方式における問題点について」に基づき説明が行われた。

仲裁センター委託方式について

東京三弁護士会仲裁センター連絡協議会委員の中村弁護士から資料4-2の「仲裁センター委託方式について」に基づき説明が行われた。

  • 森委員 私は日弁連のADRセンターの事務次長である関係から意見を述べたい。資料4-1の1ページ目のマルの3つ目、センター委託方式について、紛争解決機能と苦情解決手続の運用改善機能、再発防止機能のうち、紛争解決機能しか果たせないのではないか、という点は、弁護士会にアウトソースされた時点で必然的にそうなるのであろう。センター委託方式は、一方でノウハウを持つところの活用という面、利用者の側から見て中立的な第三者であるという面がある。デメリットとして、フィードバックがされるのか、また、自前の場合のように責任の所在が明確にされて対応いただけるか、という問題がある。例えば、愛知県弁護士会では、センター委託方式での利用件数が少ないことについて、周知がきちんと図られているのか銀行協会に申し出をしたが反応がよくなかったと聞いており、利用者と会員企業に制度の周知が図られて理念が説明されているのかを把握させていただきたい。苦情の申立て等をしてきた方に、どのようにして、弁護士会仲裁センターの利用ができることが周知されているのか。また、手続の応諾義務・証拠の提出について、全銀協では手続に出席しなかったという実例があったが、手続応諾義務や、解決案が仲裁センターから提示された場合にはそれを尊重することを会員企業に周知しているか、利用者や会員企業にどのような形で周知を図っているかなど、件数の低迷について問題点を把握され検証されているのか、ということを委託を受けている仲裁センターの立場から、指摘させていただきたい。

  • 土田委員代理 弁護士会の仲裁センターに持ち込まれる案件というのは、こじれた問題が持ち込まれているのか。中村参考人のお話からは、こじれる前から関与できたらよいとの印象を受けた。

  • 中村参考人 最近の傾向としては、こじれたものが持ち込まれている印象を受ける。例えば、北海道に在住している申立人の場合に、電話で調停を行い、最後の成立の段階だけ上京して和解をするものもあった。手続上の工夫により対応可能な事例もあるので、どのような事案が持ち込まれているか、定型的・類型的には言いにくい。単発的に様々な事案が申し立てられており、苦情対応とADRのリンクが上手く機能していないと思う。説明義務違反とか勧誘書に問題があったなどの定型的な事案はADRにあがってきやすく、これはADR向きだと現場の職員も分かりやすいと思うが、そうでないものはADRに紹介したほうがよいのかどうか分かりにくい。周知といっても、ADRを使ってください、という単純なアピールではなかなか利用に結びつかない。自前であろうが委託であろうが、ADRに対する理解を現場の方々に持ってもらう流れを作っていくことが大事ではないか。

  • 蓮澤委員 各県においても、消費生活相談センターで解決しにくい問題を苦情処理委員会に送るという仕組みはあるが、苦情処理委員会に付託される案件が少ないという現状が全国的にある。どういうものを苦情処理委員会に持っていくのかという基準が出来ていないことが、原因の一つと言われている。そういう意味では、センター委託方式がどうという問題以前に、自前で紛争解決支援を行っている団体は、紛争解決支援を行う場合の定義・基準というものがあるのか、また、センター委託方式をとっている団体は、センターへの付託要件が決まっているのか伺いたい。

  • 白石委員 日本証券業協会のあっせん制度は、手続きが簡便である上、相談の段階で対応した相談員が、当該苦情の相手方証券会社への仲介もしている。それでも解決しないものがあっせんになるわけだが、その場合も、同一の相談員が事務局として最後まで対応しており、申出者から見ると安心して利用しやすいのではないか。

  • 浜地委員 日本商品先物取引協会では、あっせんと調停という形で紛争処理を2段階の方式で行っている。裁判中であるとか受け入れられない条件はいくつかあるが、そのようなもの以外は全て受け入れている。利用者が申し出た段階で説明し、苦情として取り扱うのか、第三者のあっせん・調停委員の方々を間に立てるのかということを本人に確認し、受け付けている。苦情からあっせんに行く場合もあるし、直接あっせんから入って行く場合もある。

  • 竹中委員 生命保険協会でも、苦情として協会が受け付けた時点で、お客様に苦情の内容について細かく噛み砕いて説明をすることにより解決する場合もあるし、お客様に納得いただけない場合や会社に対応をもう少しがんばってほしい場合は、お客様の要望に基づき会社に取り次いでいる。具体的には、当事者間で解決して頂くことを前提としているため、お客様には色々アドバイスし、こういうところに申し出なさい、こういうことで話をもう一度聞いてください、ということを伝える場合もあり、その結果については、再度電話が入ってくる。そして、原則一ヶ月以上、これ以上もう歩み寄りの余地がないという状況になった時点で、お客様に裁定審査会へ申し立てる権利が発生する。お客様の苦情を受け付けた時点で裁定審査会の手続に移るという申し出があれば、相談員から会社に、そういう申し出になっているがよいか確認する。その時に確認する理由は、保険会社側が更に回答する準備があり、解決が図られる可能性があるのかという状況の確認をするためである。会社の方としてもお客様の理解が得られないならやむをえない、これ以上歩み寄りの余地がないとの返事があった時点で、裁定審査会へあげていく。件数の多少について話題になることがあるが、紛争にならないに越したことはない。苦情の段階で会社が一生懸命対応することが大切。結果として、裁定審査会に上げられる件数は、年によって波がある。17年度は33件、18年度は20件と減って、今年度は11月末で既に28件、申立書を送って返送待ちが11件という状況にある。受付を拒絶するようなことはしておらず、苦情段階での解決に全力を注ぎたいのはどこの団体も同じと思う。

  • 坂本委員 日本損害保険協会では、基本的に生命保険協会と同じような運用を行っている。現場で苦情を受ける相談部門と紛争局面での自前のADRである損害保険調停委員会とのつなぎの部分は、規定に損害保険調停委員会で受理できる案件はこういうものですと明示している。このため、相談員は、苦情を受け付けた段階で、調停委員会の対象となりうるものかどうかを見極め、状況に応じて、解決が出来なければこういうところがありますと損害保険調停委員会を案内している。損保関係には、損害保険調停委員会以外に、交通事故紛争処理センターと自賠責共済紛争処理機構というADR機関があり、これらのADR機関の対象にならない事案について損害保険調停委員会が受け付けている。申立件数自体は、最近は対前年比1.5倍ペースで増え続けており、今後とも引き続き、周知と利用者利便に資するような使い勝手のよい仕組みを追求していく。

  • 原田委員 金融先物取引業協会は、金融商品取引法が9月に施行になり、法律上、金融商品取引業協会の一つという位置づけで、あっせん業務が規定されている。資料5の3ページでは、当協会の処理件数は、2件と非常に少ない。当協会は、金融先物取引法が17年7月に改正され、あっせん業務が規定された時からあっせん業務を行っている。実際のところは、外国為替証拠金取引業者が当協会の所管になったことで苦情が多くなったが、外国証拠金取引業者が入会してきたのは実質的には18年度からであり、あっせんに至ったのが2件だったということ。大体、年度で50~60件の苦情がある。外国為替証拠金取引業者への指導はかなり厳しくやっている。苦情は大きく分けて、完全に業者に違法性があるものと単にゴネ得を期待してくるものと2つがある。前者については、当方で糾弾・指導し、苦情の段階でかなり解決できてきた。その2つのいずれとも判定できないものをあっせんにあげ、2件処理した。19年度はやや増えており、残りは4ヶ月弱あるが、年度で8~10件はあっせんにあがることになろう。なお、当協会の会員200社中130社弱が外国為替証拠金取引を取り扱っており、業者としての行儀の良し悪しも問題であるが、財政基盤の問題が非常に懸念される。当協会ホームページのトップページで業者の選定が重要になると注意喚起しており、社員の資質以前に財政基盤が非常に脆弱というところもかなりある。

業界団体の紛争解決支援手続の利用促進について

事務局から資料5の「業界団体の紛争解決支援手続の利用促進について」に基づき説明が行われた。

  • 石戸谷委員 センター委託方式での紛争解決支援件数が大変少ないという問題は、弁護士会仲裁センター自体の問題というより、その前の苦情段階の問題が大変大きい。例えば、銀行の規則を見ると、苦情解決の申し出があったときには、当該銀行に対して苦情の迅速な解決を求めるとなっており、利用者は結局またその銀行と直接交渉しなければならない。2か月以上にわたって苦情の解決が得られず、どうしてもうまくいかない場合に、更に利用の申し出があったときは弁護士会仲裁センターを紹介するとなっている。例えば、同じように消費生活センターなどが運用し、センターのほうで2か月頑張って直接交渉しなさい、どうしても解決しないときはまた連絡よこしなさいとなったら、たいがいの人は、もういいですわとなると思う。そういうことが問題であり、そこを抜きに弁護士会仲裁センターの問題を議論しても、実態に合わない。苦情の段階で、やる気もなくなるし、信頼感を失っていると思う。紛争解決支援を申し立てない利用者に不満がないのかと言うとそうではない。例えば銀行の預金過誤払いの案件で、当初弁護士会のあっせんの取扱案件が何件かあり、そのパターンでいくのかなと思ったら、そのままばたっとなくなり、色々報道された被害者の声を聞くと、銀行は許せないと非常に怒っており、裁判を次々と起こす。判決が集積して、預金者保護法につながる、こういう対応になっている。苦情の段階で、本来果たすべき苦情解決の役割を果たしていないから、そこで破綻してる。そういうことをよくお考えいただきたい。

    あっせん仲裁の段階は、色々役割があるため、色々なところが色々な役割をというのは全くそのとおり。私は金融先物取引協会のADRのあっせん委員を2年間務めたが、金融先物取引協会の外国為替証拠金取引については、不招請勧誘が禁止されているため、やっている人が爆発的に増えている割に苦情が少ない。その中で適合性原則違反が問題になる件については、あっせん委員としてどういうあっせん案を出すか、よく考える必要がある。というのは、適合性原則はかなり抽象的であるため、自主規制機関としてどういうふうに運用するのかの判断を示す役割が大きいからである。そのことに相当の神経を使って案を出す。色々なADRがあってもかまわないが、法律に基づく自主規制機関が設定されて、そこでADRを運用することが大変重要。

  • 土田委員代理 センター委託方式の紛争解決支援数の各業界団体の少なさについは、石戸谷先生と全く同じ意見。自前で設置している団体のフットワークの軽さは際立っている。苦情からADRに行くプロセスがひとつのネックになっている。苦情受付からADRまでのプロセスにおいて、受付から相談員が通してADR機関に移行するまでお手伝いするとか、センター委託方式をとる業界団体には、弁護士会ともうちょっとコンタクトをとって密接に話し合い、情報交換を密にして頂きたい。こんなに低い利用率では、各社のホームページに書かれていることが、飾りに過ぎない。

  • 井上委員 紛争解決支援の数が少ないことがいいことかは、少ないことの理由による。苦情について、個別企業と利用者との間で解決するのが望ましいという説明が先ほど業界団体の側からあったが、確かに適切な場合もある。しかし、解決できたと思う人もいれば解決させられたと思う人もいるため、いったいどの程度の満足を得ているのかについての検証がないといけない。苦情段階での処理が上手くいっているのか、それとも本来紛争解決支援が行われるべきものであるにもかかわらず封じられてしまっているのか、どの程度利用者の満足の出来る形で苦情が処理されているかについて事実を把握する必要がある。このため、個別企業が対応しているという部分がどの程度のものなのか、逆にいえば、利用者が不満でありながらこれでは通りませんよと言われて渋々引き下がっている例がどの程度あるのかについては、苦情処理を、その後、個別企業に任せてしまうのではなく、苦情処理・紛争処理それぞれにおいて、その後のフォローを通じて満足度を確認するフォローアップが必要。そういったことをどれくらいやっているのか、幾つかの団体からお聞きしたい。

  • 竹中委員 生命保険協会の場合は、会社に取り次いだものについて、必ず報告徴求している。月をまたがるときは進捗が無い場合でも、その状況について報告をもらっており、解決の段階に至るまで、書面での報告をもらっている。昨年度は、協会から解決依頼をした総件数が607件、そのうち解決件数が350件と60%ちょっと切っている。その350件の内訳は、お客さんの申し出内容による解決が99件、約16%、保険会社が説明をすることによって納得されたものが238件、約39%、相談所の段階で歩み寄りによる和解が成立しているものが13件、2.1%となる。そして、残りの40%が、裁定審査会の申立書送付に至っている。次のADRにあげるステップが踏めなくなるので、会社にまかせっきりで手放すということでなく、取り次いだものはその結果報告をもらい確認している。

  • 辻委員 苦情の案件については、全くそのまま右から左ということではなくて、銀行とりひき相談所で苦情として受け付けて、対応できるものは対応している。例えば、最近件数が多くなっている多重債務案件等については、専門のクレジット関係のカウンセラーに来ていただき、銀行とりひき相談所の苦情処理の中で解決に向けた方策をとっている。

    資料5の7ページにある期日に欠席して手続を拒否した事例は、当該銀行に話を聞いてみたところ、仲裁センターのあっせん人からその顧客に対して銀行側の回答文書の内容を説明するので銀行側の弁護士は出席する必要がないと言われたとのこと。また、当該銀行の弁護士が仲裁センター事務局には連絡をしたが、あっせん人である弁護士には連絡しなかったという手違いがあったようだ。なお、あっせん期日に欠席するということはあってはいけないので、当協会の規則を改正し、規則の不遵守だと判断されるものについては、銀行とりひき相談所から報告してもらい役員会に報告するとともに、それが正当な理由が無いと判断された場合には、銀行に改善の措置を求め、かつ改善の措置を公表することができると規則を改正した。

    次に、仲裁センターへの移送案件数が少ないことについて分析したところ、以前は、偽造カード・盗難カード・盗難通帳といったものが多く、仲裁センターに持ち込んでいた。その後、盗難カード・偽造カードについては、預金者保護法ができ、損失ルールができて銀行も法律に基づいて対応しているということで件数は無くなっている。それから、盗難通帳についても、2年後の見直しが予定されている預金者保護法の付帯決議の中で特段の配慮が求められている。また、全国銀行協会自体の特色として、証券・保険の紛争事案は日本証券業協会・生命保険協会にお願いしており、そういった所が抜けているため、件数が少ない。ただし、件数が少ないことについては、強く認識しており、このまま外出し方式だけでよいのかについては内部でも真剣に考えている。

  • 蓮澤委員 資料5の「考えられる論点」にある「訴訟等を提起するという理由で手続の拒否ができるとする規則は合理的か」というのは、消費者にとっては脅しと受け取られかねないので、合理的でないと思っている。また、「消費者から、金融ADRが企業側に偏って思われていないか」にPRというのがあるが、PRのなかに、公表ということも位置付けていただきたい。苦情が多いことや、紛争解決に移送がたくさんあったからといって、決して各業界団体へのマイナスのイメージになるとは思っていない。そういったものがきちんと公表される、透明性が確保されることにより、逆に信頼を寄せることができ、それがCSR(企業の社会的責任)のイメージとつながるのではないか。

  • 高橋委員 紛争解決支援手続の件数について、逃腰の業界ときちんと対応してきた業界があり、やる気の問題と感じている。少なくとも資料4-1の4ページにあるように、「自前の紛争処理機関を持たないならせめて解決案提示をしてください」との趣旨で定めた「項目3-14解決案提示及び尊重義務」の規則を定めていない機関については、猛反省してすぐにこの規則をつくることから始めて対応していただきたい。形だけのADRで許される時代ではない。苦情の対応を規則化して実効性を高めることが第一歩。販売時や苦情対応時の欠陥対応が金融業への信頼を揺るがせる。金商法施行による商品説明の承諾書・捺印や、保険の契約概要などの書類を求めることだけで、苦情を受けた際に説明済であると一方的に説得してしまうような処理はしないでいただきたい。それは欠陥対応である。苦情の定義については、損保協は既にISO基準に広げており、全銀協も同様の意向があるのであれば、協議会としても共通ルールとして考えていくほうがよいのではないか。苦情は、泣き寝入りさせるのではなく、掘り起こすぐらいの態度で業界団体には対応してもらいたい。私は、金トラ協以前の金融審で、生命保険協会及び日本損害保険協会が1960年代に調停委員会等を作りながら、生保が通算3件、損保は1件の取扱いもないという状態であったのを問題であると指摘した。そのような状態を、これまで関係者の皆様が大変苦労してきちんと機能するような努力をしていただいたと思っている。だから、自前の紛争解決機関を設置していない他業界は、まず苦情解決支援段階での解決案提示を規則化する。それと同時に、自前の紛争解決機関を設置する努力をこの7年間してきたはずなので実現していただきたい。ひとつの機関でできないのであれば、投資商品等の共同のADRの機関を作ることも可能だと思う。

  • 竹中委員 蓮澤委員の指摘された「訴訟等を提起するという理由で手続の拒否ができるとする規則」は合理的でないとの点について、当時のホールセール・リーテイルに関するワーキンググループ報告にあるように、ADR紛争解決を尊重するような手続・工夫をしなければいけないが、企業の裁判を受ける権利は憲法上保障されており禁止できないと考えており、業界側の提訴理由が正当なケースについては認めていただきたい。生命保険協会の相談所においては、裁判をむやみに提起してADRでの紛争解決を避けるということを防ぐため、生保会社が裁判を起こしたい場合は、その理由を裁定審査会に説明し、相当な理由があると裁定審査会が認めた場合のみ3か月以内に提訴することと定めている。特に保険の場合は、社会的にモラルリスクも内在しており、戦わなければいけない場合もある。そのため、調査権がない中では自ずと審査の限界もあり、医学的に高度な判断を要するケースや、裁判で審理した方がお客様のためにも適切なケースなど、裁定審査会の中でいくつか要件を設けている。ちなみに18年度に規定強化してからは、18年度から今まで紛争から訴訟に移行したものは0件である。

以上

お問い合わせ先

金融庁総務企画局企画課内 金融トラブル連絡調整協議会事務局
Tel 03-3506-6000(内線3682、3516)

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