第3回金融トラブル連絡調整協議会議事要旨

1. 日時:

平成13年1月16日(火)16時00分~18時00分

2. 場所:

中央合同庁舎4号館 共用第1特別会議室

3. 議題:

苦情・紛争処理手続の透明化について

4. 議事内容

  • 事務局より、苦情・紛争処理手続の透明化に関するアンケートの結果の概要について説明があったのち、質疑応答を行った。主な議論は以下の通り。

[苦情処理規則等の内容のあり方について]

  • アンケートは、各業界団体・自主規制機関のルールを最大公約数的なルールに一本化しようという趣旨で行ったのか。

    • 各業界団体・自主規制機関の実情を把握し、改善のための方策を検討する上での材料とするために行った。

  • 個人の参加が活発な商品先物取引と比較すると、金融先物取引は主に銀行、証券会社といったプロが行っており、個人の参加が少ないことから、苦情もほとんど発生しない。前回協議会では、金融先物取引についての苦情が取り上げられていたが、これは無免許業者による取引についてのものであり、警察で対応すべきものである。

  • 業界毎にルールが違うことから、各業界に横断的なルールを適用するのは難しいが、共通して改善に取り組める事項はあると思う。どの業界においても苦情・紛争は生じ得ることから、最低限、苦情・紛争処理の規則を定めることは当然のことである。また、規則を策定したらそれを公開することも必要である。ワーキンググループ報告で求められていることは、共通のルールとなるのではないか。

    さらに、処理した苦情・紛争の件数や処理結果等の情報を公開することも重要である。

  • 個人顧客がいるにも関わらず苦情処理手続を設けていない業界団体・自主規制機関には、それがどういう理由によるものなのか教えていただきたい。

    • 投資信託協会では98年12月より法律に基づき苦情処理を行っているが、苦情処理規則は設けていない。昨年に受けた相談は30件、苦情も30件という程度であるが、大部分は時間をかけて事情を聞くことにより解決できる。また、場合によっては投資信託商品の運用会社(投資信託委託会社)、販売会社(証券会社)に事情を聞く等しており、この処理の仕方について顧客から問題を指摘されたこともないため、この程度の件数が続くのであれば、あえて苦情処理規則を設ける必要はないと考えている。また、紛争に至る事案については、日本証券業協会の苦情相談室を紹介し、同協会と連携をとって対応している。

  • 投資信託商品の販売の方法に問題があれば、それは販売した証券会社の問題として日本証券業協会が対応すべきであろうが、商品の運用の方法に苦情がある場合は運用する投資信託委託会社の問題となってくる。このような場合でも日本証券業協会で対応することとなっているのか。

      投資信託商品の運用のあり方に対する苦情に対しては、目論見書の交付が法律で定められているほか、投資信託制度や商品購入にあたっての注意点を記載した投信ガイドブックを、一般投資家や販売会社に配布して対応している。投信ガイドブックは投資信託協会から配布するだけでなく、消費生活センターの相談員に活用してもらうほか、センターの訪問者にも配布してもらっている。

  • 投資信託商品に関する苦情の処理については、商品を選定して販売した証券会社に責任を特化させるのか、それとも、商品を設計した証券投資信託委託会社まで責任を波及させるのか。

  • 投資信託が銀行の窓口で販売されるなど、販売方法も多様化している。苦情には、商品の販売方法を原因とするものと、商品自体やその運用方法を原因とするものがある。商品自体やその運用方法を原因とする苦情について、金融商品の運用会社と販売会社が異なっている場合、どちらが苦情の処理を担当すべきか、あるいはまた、双方の連携をどうとっていくべきか検討していかなければならない。

  • 業界団体・自主規制機関の規則においては、会員に対し、「苦情処理を求める」、「迅速な解決を求める」、あるいは、「速やかに連絡する」といった規定がおかれているが、この3つがどのように違うのか不明確。国民生活センターから、その規則で会員に対し「苦情処理を求める」、あるいは「迅速な解決を求める」と規定している業界団体・自主規制機関に対し事案の相談を行ったとき、その会員へ苦情処理を求めてもらったり、迅速な解決を求めてもらったことはなく、速やかに連絡してもらったにとどまっているのが実態であると認識している。苦情処理規則中の内容と表現は各業界団体・自主規制機関の間である程度統一すべき。

  • 苦情処理規則中に「事情調査を行う」と定められている場合があるが、事情調査を行った後、協会の判断を会員に対して示すべき。

  • 国民生活センターでは、金融分野の苦情・相談は専門性が高いことから、業界団体・自主規制機関に助力を求めることがあるが、そのときには、迅速な事案解決の観点から、当該苦情に対する業界団体・自主規制機関自体の見解を示してほしいと考えている。現場の相談員からも、商品の説明は受けられるが、見解は引き出せないとの声が多い。そこで、業界団体・自主規制機関には、見解を示さず、ただ会員に対し「速やかに連絡する」にとどまるのであれば、そういった実情を明らかにしてほしい。また、消費者が申し出た苦情内容に、勧誘上、契約上の何らかの問題が見つかるのであれば、事実確認は別として、それを専門的な見地から明らかにしていただきたい。

  • 「苦情」の定義が各業界団体・自主規制機関によって異なっており、「苦情」とは何かということについての共通認識が必要。

    • 日本損害保険協会では「苦情」の定義について議論した。まず、現場で最終的に円満解決したものは苦情ではないと考えている。一方、適切な処理ができずに、損害保険会社、消費者行政機関、消費者団体などに持ちこまれたものは苦情とした。さらに、苦情は宝の山という認識の下、苦情の再発防止、業務改善、商品開発に役立つものも苦情として捉える等苦情の範囲を広げてきており、多くのデータをとることができるようになってきている。単に処理上の観点からだけでなく、苦情の改善・防止につなげるという観点も含めて「苦情」の定義を行うべき。

  • 苦情をビジネスチャンスと捉え、商品等の改善につなげればそれだけ消費者から当該商品等を選択してもらえることもあり、各業界団体・自主規制機関とも、日本損害保険協会のような取組みを行ってほしい。

[紛争処理規則等の内容のあり方について]

  • 業界団体・自主規制機関が会員に対する関係でどのようなことを規則で規定しておかなければならないかという問題と、消費者としてはどのようなことが規則に規定されていれば安心かという問題に分けて議論してはどうか。

  • 各業界団体・自主規制機関の規則を1つ1つどう改善していくか検証するよりも、共通のルールを作り、各業界団体・自主規制機関の規則がこれに適合しているかどうかを判断する方法で改善を進めていくべき。業界毎に事情は異なっていることから、各自主規制団体に横断的なルールを作るのは困難であるとは思うが、これを行わないと本協議会を設けた意味がないのではないか。

  • いくつか建設的なご提案があったが、法規制としてではなく、苦情・紛争処理を改善していくため、各業界団体・自主規制機関が目標とすべき良いモデル又は各団体がそこからどの程度離れているかということを比較するためのベンチマークのようなものを協議会として作っていくということでよろしいか。

    モデルあるいはベンチマークを作成することでよろしいということであれば、これだけの大人数で検討するのは困難であることから、まずは一部の委員で具体的な案を作成してもらう方法を検討してみてはどうか。

  • ベンチマーク作成にあたっては、昨年、日本工業規格(JIS)で策定された、苦情対応マネージメントシステムガイドラインが参考になるのではないか。

    • JISのガイドラインは個別会社を対象としており、この場で議論となっている業界団体の苦情・紛争処理制度とは若干位置付けが異なるかと思う。現在、苦情・紛争処理の規則を一通り揃えている業界団体の間で議論して案を作成する方法も考えられる。

  • 小人数によるワーキンググループでモデルを検討することに賛成する。苦情・紛争処理の機関、手続、基準についてそれぞれモデルを作成すべきである。機関については業界団体・自主規制機関、手続については行政型ADR機関、消費者団体、基準については法律学者によるワーキンググループを作ってはどうか。

  • 座長が事務局と相談の上、一部の委員によるワーキンググループのようなものをを作り、参考となるモデルを検討するという方法を検討させていただきたいがどうか。

    • 特に異論なし。

  • 各業界毎で、苦情の件数や苦情処理の担当者の数が異なる等、実態に差があるので、ベンチマークを作るのは実際には難しいと思う。

  • 紛争処理手続を担当する者を選任する権利が当事者に与えられている例が少ない。ベンチマークを作る際は、当事者による紛争処理人の選任権を定めるべき。

  • 業界型ADR機関間、業界型ADR機関と公的なADR機関との連携について工夫すべき。ベンチマークを作成する際は、このような連携について検討していただきたい。

  • 全国銀行協会では消費者行政機関や消費者団体にパンフレットを送付しているが、そのパンフレットはどのような取扱いとなっているのか。

    • 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会においては、金融分野の事案は専門性が高く難しいという印象を持っている。最近では新しい商品が次々に出てくることもあり、相談員がいくら勉強しても追い付かない。したがって、金融商品に関する相談については、それぞれの業界団体・自主規制機関に依頼することも多い。各業界団体・自主規制機関から送付してもらったパンフレットについてはそれが相談員に役立つものであれば活用させてもらっている。

    • 東京都消費生活総合センターでは、役立つ資料であれば区市町村などに対して積極的に提供していく方針であり、業界のADR機関からもパンフレット等、役立つものがあればいただきたい。

  • 東京都消費生活総合センターでは、必要に応じて業界団体・自主規制機関のADR機関を紹介しているが、各業界団体・自主規制機関には取組みに積極的なところとそうでないところがあり、当方として紹介できる機関と紹介できない機関がある。このため、各ADR機関のサービスを評価する必要があるのではないかと考えている。各業界団体・自主規制機関には、サービス評価にも耐えられるような取組みを前向きに行っていただきたい。

  • 国民生活センターでは、金融関係の苦情処理は非常に難しい分野だと位置付けており、いろいろな方面からアドバイスを受けて事案の処理を行っている。ただ、アドバイスを求めても適切な助言がもらえないことが往々にしてあり、各業界団体・自主規制機関には適切な助言をお願いしたい。

  • 業界団体・自主規制機関の中には、紛争解決について弁護士会の仲裁センターと提携しているところがあるが、その際は、金融分野を専門としている弁護士が紛争処理を担当するようにしていただきたい。

    • 東京銀行協会では東京の三弁護士会仲裁センターと提携するにあたっては、仲裁人リストを申立人に見せてもよいとしていただいており、申立人に対しては、希望する仲裁人が所属する弁護士会を指定することができるということを説明している。最終的に、どの弁護士会仲裁センターに申し立てるかということについては銀行の同意が条件であるが、銀行に対しては申立人の希望に沿うようお願いしており、その弁護士会に行けば、事務局の方で希望を踏まえて仲裁人を選任してもらっていると聞いている。

    • 弁護士会では仲裁人候補者の得意分野等につきアンケートをとり、今の段階ではまだ公表していないが、プロフィールを作成している。また、専門家を仲裁人補助者あるいは助言者として利用する制度を設けている。

[苦情・紛争処理規則の公表・配布等のあり方について]

  • 銀行協会では、実態として苦情・紛争処理の統計の公表を機関誌やホームページ等で公開しているが、規則に統計を公表するということを規定することまでは整理できなかった。また、具体的な公表手段についても悩んだところ。公表のあり方を検討するに当たっては、何を公表すべきかだけでなく、公表の手段がどうあるべきかについても検討すべき。

  • 日本損害保険協会では、苦情・紛争処理の改善に役立てる観点から、同種のトラブルが多い事例につき、要約を行ったものを公表している。しかし、プライバシーの問題もあることから事例の詳細については公表していない。

  • 各弁護士会では研究会を研修のために行っており、実際に解決した事例につき、当事者等が特定できないような形にした上で、研究会に報告し、議論を行っている。第二東京弁護士会の場合は、年間10件程度を解決事例集として公刊している。また、会員向けニュースに、解決事例を平易な形にして掲載している。

  • 弁護士会においては、職場の同僚の喧嘩を仲裁で解決した事例や、愛人との関係の清算等、解決事例が新聞や雑誌に掲載されると、同様の事例についての申立てが増える傾向が顕著になっている。ごく最近では、岡山でいじめの事件が解決され、これが新聞で報道されたが、これも1件公表されると同様のケースについて申立てが増えている。

    紛争当事者は、このADR機関ではどのようなことが解決に至ったかということに関心を持っており、このことがわからなければ、そのADR機関を利用しない傾向がある。業界団体・自主規制機関においても、当事者のプライバシーに配慮しつつも、公表はむしろ広報として捉え、自分のところではこういった事例を扱えるということを積極的に示し、ADR機関に対する需要を喚起するといった工夫が必要ではないか。

  • 非会員に対する苦情への対応のあり方を検討すべき。

    • 日本商品投資販売業協会では、苦情処理規則において、無許可業者等、非会員への苦情について定めているが、そこでは他機関への移送等の具体的手続きを定めているわけではなく、非会員が行う業務に関する苦情の申出があった場合は「その内容を聴取し、必要に応じて関係当局等に連絡するとともに、当該苦情の解決に協力するものとする」と規定するにとどまっている。

    • 非会員に対応する措置をとるのは、業界団体・自主規制機関には困難である。業界団体・自主規制機関は会員との契約に基づいて活動しており、契約のない先に苦情処理規則等の効力を及ぼすのは難しい。全国銀行協会では準会員制度を採るなど、会員を増やすという方法で対応している。

    • 非会員への対応は、行政機関等が課題として考えていくべきではないか。

    • 非会員に関する苦情への対応と会員に関する苦情への対応は異なっていても構わないのではないか。消費者は国民生活センターや消費生活センターよりも、まず業界団体・自主規制機関の方に相談する傾向があるように思われる。被害防止の観点から、非会員に対する苦情に関しては警察に通報する等、関係機関に情報提供する等の対応をすべき。

    • 日本証券投資顧問業協会には、投資顧問業者の大半は、その規模が中小零細であるため、年会費等が負担になるところは加入していない。また、活動を休止している業者もあるため、全業者の約4分の1くらいしか会員となっていない。非会員に関する苦情については、申出人から事情を聞き、アドバイスをすることで大部分は納得してもらえる。それで納得してもらえないものについては、管轄の財務局に相談してもらうようにしている。

    • 苦情が会員に対するものか非会員に対するものかを問わず、消費者に対して、消費者自身がどのような権利を持っているかということを知らせることはできるのではないか。自分がどのような権利を持っているかということを知らせるだけで納得してもらえるケースは多いはずである。

  • 日本証券業協会は、証券会社及び登録金融機関を会員としており、どのような業種の会社の子会社等であれ、証券業登録を行っている業者は全て会員となっている。

  • 消費者にとって、どの業者がADR機関を設けている業界団体・自主規制機関の会員であるか明確化されていることが重要。商品販売時に、業者にその会員である旨表示させている業界団体・自主規制機関があれば教えていただきたい。

  • 投資顧問業者のうち助言専業業者の多くは規模が小さいこともあり、どの業者が会員であるかはほとんど知られていない。このため、ホームページ上に会員一覧を掲載したり、業界紙に、財務局長の登録番号や、協会の会員番号を持っている業者と取引するようにとの広告を行っている。ただ、一般の投資家への周知は不十分なようであり、より努力が必要であると考えている。

  • BISのE-BANKING(電子バンキング)作業部会では、非対面取引の際に苦情オンブズマン等、消費者保護機構に関する情報を提供することも提言されている。非対面取引では、苦情をどこに申し出るべきか判断することは難しいことから、一定の対策が必要である。

  • 消費者から、業界団体・自主規制機関に属しているのは優良な業者だと判断されるような慣行を作っていくことが重要。

  • 続いて、資料の公表及び次回の協議会の進め方について議論が行われた。主な内容は以下の通り。

    • 次回は「苦情・紛争処理事案のフォローアップ体制の充実について」が議題となるが、これは誰の誰に対するフォローアップなのか。

      • 個々の案件、個別の業者、消費者など、いろいろなものに対するフォローアップが考えられる。要は、苦情・紛争処理事案が出てきても処理されずに、いつのまにかそのまま消えてしまうということを防ぐためにはどうすればよいかということである。

  • 最後に、裁判外紛争処理制度の改善に向けた取り組みについて、信託協会、全国貸金業協会連合会、生命保険協会、全国銀行協会、日本証券業協会、日本損害保険協会、農漁協系統金融機関から報告があった。

問い合わせ先

総務企画部企画課
電話 03-3506-6000 (内線 3517)
本議事要旨は暫定版であるため、今後修正がありえます。

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