第19回金融トラブル連絡調整協議会議事要旨

1. 日時:

平成15年2月5日(水)14時00分~16時00分

2. 場所:

中央合同庁舎4号館 金融庁特別会議室AB

3. 議題:

機関間連携(続き)及び実務者ネットワーク等について

4. 議事内容

(機関間連携のあり方について(続き))

  • 機関間連携のあり方について資料1を用いて事務局より説明があった。

    • 三点申し上げたい。一つは、本日は具体的な資料で提示されており、移送を是とする形でモデルができている。当初モデルを策定する時には、移送は念頭に置かずに紛争解決支援規則を作ってしまった。提示されたような形になると、二つのルートがあることを協議会で是認することになるが、移送をどのように扱うかについて、協議会でもっと議論すべきと考える。二点目は、個別に出されている具体的なモデルの追加項目とも絡むが、苦情とか紛争を解決する主体は、何処が担っているのかという議論が不十分である。例えば、ある業界では、基本的には個別の企業の責任であるとすると、苦情を金融機関に渡して解決するという単なる橋渡し的なことしかしないことになる。それは、外部の紛争解決支援機関に出すにしても同じことである。このモデルでは、そこは認めていなくて、次のステップとしてどういう解決結果になったかの結果報告はもらうことになっている。もう一つの考え方としては、業界団体が主体的に苦情とか紛争解決をするという立場があると思う。移送のルールを定めるときに立ち止まってしまうのは、主体性の議論が不足しているからである。実際には、個別金融機関の責任ということで、私どもが橋渡しになってしまうと、こういうモデルを作っても遵守できるような体制が組めるかという意味では大変心もとない。このモデルを作った意義は、主体者としての業界団体を念頭に置いているわけで、そこの整理ができないと個別の項目に入っていっても、その調査、勧告等をするとかというところに落着いていかないと思う。その辺りが業界団体ごとに温度差があると感じている。三点目は、追加する項目というところで、私は1と2の議論が終わらないとそこの議論はしたくない。項目3-16(具体的内容)の3のところの「当該機関に紛争解決支援手続きがない場合には、他の機関を紹介することを考慮する」という書き方だけになっているが、移送する先の選定についても、信頼性の確保や色々な条件が付されるべきだと思うので、単純に外部に出すという話にはならないと思う。

    • 各論に入る前に移送制度の位置付けとモデルの関係はきちんと話し合っておくべきと考える。二点申し上げるが、一点目は、苦情解決支援規則について、資料1で苦情解決支援規則との接合とか一貫性への配慮が書かれているが、原委員がおっしゃったようにモデルは、もともと苦情解決と紛争解決の両者を自前で持つということが大前提になっているので、外部機関と提携することで自前の紛争処理機関に代える場合には、そのモデルにおける位置付けというものが非常に重要だと思う。コストが安いということによる逃げ場的なものになり易いということがあるので、あくまでも暫定的な位置付けにすべきであり、モデルに沿うようにすべきである。二点目は、移送ルールという言葉で案が練られているが、移送という概念に幅がありすぎると考えられるので何らかのきちんとした定義付けが必要と考える。従来の規則では、苦情から紛争手続への移行という言葉と他機関の紹介という言葉がモデルの中で非常に幅広い概念で使われている。本日の検討議題は、提携機関への移送だが、提携していないものへの移送というものが有り得るのか、その辺の契約関係をどのように捉えていくかについても議論が必要である。

    • 原委員は、三つの論点の最初のところで移送を是とすべきかという、そもそも論を議論する必要があるという考えだが、原委員自身はどのようにお考えか。

      • ここで出されているような移送のイメージではない。もっと事業者団体が主体的に解決をしていかなければならないと考えており、移送のあり方自体について根本的に考え直していくべきではないかと考える。あくまでも暫定的にそういう形にするが、将来的には、事業者団体が主体的にやっていく紛争処理機関を目指されるべきではないかと考える。

    • 原委員も高橋委員も逆に言えば将来的に自前のものを持つような条件が整えば、当面は他の機関への移送はやむを得ないということか。

      • 私は、もう既に契約済のところと現在契約手続き中のところがあるという状況において、現実的な対応としては、移送について何らかのルールを作ることは必要だと考える。しかし、先ほども申し上げたとおりモデルの本来の趣旨とは違うものであるから、あくまでも暫定的な位置付けとすべきである。その先どうするかは、協議会なり金融審議会で議論すべきテーマだと考えており、自前の方に行くということを促していくべきなのか、金融が非常に横断的になってきているので、個別に持つということが合理的でないということであれば、もともと金融審議会であった議論のように金融業界の中で横断的なADRという方向に向かっていくべきではないかと思う。消費者に対する苦情紛争を解決しなければならないので、移送はあくまでも現実的な対応という位置付けである。

      • 今の移送のあり方では、あまりにも事業者団体の主体性が見えてこないので大変危惧している。暫定的にやむを得ずこのルールを利用しているということであれば納得するが、そうではなくて主体的な解決ということの意思がないままおやりになることに対して、大変疑問と懸念を持っている。本日、移送についてのルールを定めるのであれば、そのことについてきちんとした説明が必要だと考える。

    • 私どもは、この協議会の議論を踏まえて、苦情・紛争の規則の改正を考えており、既に弁護士会からは了解を得ている。後は、内部的な意思決定のプロセスを経て、最終的に規則の改正をしたいと考えている。私どもとしては、外部機関である仲裁センターを今後も利用させていただきたいと思う。今の話の中で二つのポイントがあったと思うが、一つは、事業者団体の主体性の話であり、私どもの率直な気持ちを言わせてもらうと、決して主体性が無いということはない。そこは是非ご理解を頂きたい。全く限界がないとは言えないが、実際にやっている現場としては、顧客の色々な話を何回も何回も聞いてやっているので、顧客のために解決をぜひしていきたいというような案件については、それこそメンバー銀行を説得しながら解決をはかっている。もう一つのポイントは、仲裁センターが専門性に欠けるという話だが、この協議会の中でも大川委員から仲裁センターの実態についてお話があったと思うが、私どもから見る限りにおいては、専門性について何か問題があるという状況には全くないと理解している。前回、大川委員もおっしゃっていたが、案件によって得意な先生を集めることもされているようなので、そういう点からも、専門性に欠けることはないと思う。

    • 紛争解決支援規則の問題を考えると、機能としては三つくらいある。一つは、個別紛争の解決をどうやって促進するかということ。ここの部分については、ある程度同じような規定を持ってくるなり、持ち込む側と受け入れADRとの間の契約でもって、対処可能な部分があるということで、これを整理していただいたと思う。もう一つは、その紛争解決段階を置くことによって、その前段としてある苦情解決段階の手続きがうまくいっているかどうかのチェックをして、運用改善が必要なものについては、運用改善をするというチェック機能の役割があるということ。もう一つとしては、この紛争解決支援規則を置くことによって、再発防止のための勧告であるとか、被害防止のための措置を講ずることができるが、紛争解決段階がないと、果たしてそうい事がどうやってできるのかという問題が出てくる。先ほどから出ている話は、紛争解決、運用改善、再発防止等の問題の三つの論点のうちの紛争解決に偏りすぎている。極端な言い方をすると、例えば、うちでは相対交渉でまとまらなければ終わりですという話になったときに、それは果たして裁判外処理機関と言えるのかという話になる。その三つの機能をきちっと果たすことを目的としてモデル等をやってきたわけだし、逆にこのモデル等に即してやっていけば、いろんな会議などを持たなくても、自動的に運用改善もされて行くように作ってあるわけだから、当面はつないでいって、将来的にあっせん段階をもつということではなくて、基本的にすぐに移行できないのであれば、そのためには何もないのは困るからというくらいの位置付けで検討されるのであればしょうがないと思う。私は、中・長期的にこの移行ルールを作るという意味であれば、それは話が違うのではないかと言いたい。

    • 将来的には金融審議会での議論にもあったように横断的なADRを目指すというところまで書くのか分からないが、そこのところをはっきり確認をして、ルールがないよりはあった方が良いので、そこのところを進めて行こうという確認をとってはいかがか。

    • 暫定で置くにしても、外部の機関に移送された時にやられていることは紛争解決だけなので、もともと議論していた再発防止とか、改善に結びつけるところまで持って行こうというところが抜け落ちてしまうことになる。紛争解決のためであれば、本日出されたような案で暫定で置くということは有り得るが、紛争解決だけではない部分をどう生かしていくか、個別の金融機関なり金融行政にどう生かしていくのかというところがすっぽり抜け落ちてしまうので、戻ってくるルートを付けないといけないと考える。

    • 紛争解決支援機関を独自に持つことと、再発防止がセットであるということだが、私ども業界団体の役割を考えてみると、仮に外部の機関を使ったとしても、事務改善であるとか顧客の要望というのは、常に個別の会員や我々の協会にも来ている。そういうものを踏まえた業務改善や事務改善等の議論は業界団体の中でやっている。それでどういうことができるのかということは、まさに業界団体の一つの大きな役割であるので、自前で持つかということとは全く別の話ではないかと考えている。

    • 三つの機能だが、一つ目は、紛争解決。二つ目は、苦情解決手続きがうまくいっているかのチェック機能。三つ目は、紛争解決で明らかになったことを会員レベルに還元していくという機能。後二者については、本日お配りした資料の案だけでは十分に答えていないという指摘だが、それに対して橋本委員は少なくとも全国銀行協会のように、現在仲裁センターを利用されているところは、後二者についても還元するよう努力しているとの回答であった。仮に仲裁センターを暫定的なものとして位置付けるにしても、その後二者についても配慮したものでなければならないというのが、石戸谷委員や原委員のご意見である。原委員や石戸谷委員のご意見を取り入れるとなれば、今後の検討課題として出てくるところかと思う。

    • 私どもは、暫定的とは全く考えていない。私どもがやっている仕組みに何か問題があるとは考えていない。これはこれで一つのやり方ではないか。

    • 大きく論点を分けると二つあって、第一の論点は、紛争解決支援の基本的な位置付けについてのいわば哲学というか、思想をどうとるかというものである。もう一つは、石戸谷委が具体的な問題として挙げられた三つのうちの後二者の機能が、現在案として出ているものでは十分反映されたものではないという指摘である。後者の指摘は、それなりの具体的な議論をしていけば、ある程度の了解は得られるのではないかと思う。前者について、高橋委員は、暫定的ではなく逆に各団体が紛争解決支援手続きを持たずに他に移送するというところから、以前、金融審議会で議論したような業界横断的なADRの方に移っていくきっかけになるのかもしれないということをおっしゃった。そうするとまた違った位置付けがあるのかもしれないということになる。

    • 私自身は、仲裁センターとの提携が良いという考え方の中に、コストの問題がかなり入ってるように思える。現在、提携を探っているところも多いようなので、なぜ自前でなくて外部機関なのかということに関してもっと話し合いを深めないと、どういう位置付けにするのかが決まってこないと思う。業界の方々がどうして自前のものが持てないのか、経済的な事情なのか、その中立公正さの問題なのか、あるいは、横断的なものがどんどん進んでいく中で、自前のものを持つということが不経済と考えているので持たないのか、その辺の意見をもう少し伺いたい。

    • 全国銀行協会の場合は、コストというよりは、むしろ仲裁センターに依頼することに積極的な意義があるということで、利用されていると思うがいかがか。

      • 仲裁センターを利用するかどうかという議論の時に、当時の国民生活審議会の答申に仲裁センターが立派な機能を果たしており、将来的にはそれが拡大するという報告があり、相当高い評価を得ていた。私どもは、その前は全くその存在を知らなかったが、公正性、中立性から仲裁センターを利用した方がよいのではないかと考えた。また、その当時の議論の中では、消費者代表の方から業界団体で持つと何か色が付くのではないかという議論もあったので、むしろ外部の中立的なところにお任せした方がよいのではないかといういきさつで始めた。それは、基本的に今も変わっていない。

    • 事前規制から事後チェック型へ転換していく中で、紛争解決の役割が高くなってきている。そこに力を入れなければならないという認識は共通しているはず。弁護士会の仲裁センターが中立公正で、業界団体が作っているのが業者よりだから、弁護士会の方にというのはちょっとまずいのではないかと思う。全くうちは紛争がないからあっせんを作る意味がないということは、それはそれなりにまた議論としてあるが、大きく銀行、証券、保険とに分けると、保険も証券もきちっと持っており、銀行業界だけがない。銀行で扱っている金融商品が多様化して行く中で、いったん苦情は受付けて、銀行以外の部分であれば、これは証券業協会、これは生保協会の方にというふうに振り分けて純銀行の部分については、弁護士会へ振り分けだけするというのは納得がいかない。弁護士会の方が中立で、業界団体は顧客の信頼を得られないと当事者が認識していることが信じられない。

    • 私は金融審議会で議論していたころに各業界団体に取材しに行ったことがあった。銀行協会にもお話を伺いに行ったが、当時内部で検討されていて、私の記憶に間違いがなければ、やはり証券業のように法定化されるのは非常に大変であるし、生損保のように自前で持つには人的なコストとか諸々考えると大変だというところに、仲裁センターの話があって、そちらにさっと行ってしまったという印象をもっている。仲裁センターが最初から一番良くて始まっとは認識していない。

    • 私どもの判断としては、コストの面等も含め総合的に考慮した結果、やはり仲裁センターの利用が良いということになったのは事実である。

    • 日本のADR全体のあり方を考えた時に、あまり業界や業界団体ごとにADRが乱立するということが、必ずしも望ましくないのではないかと思っている。そういう形で色々なADRができると必然的に個々の取り扱い件数が少なくなってしまい、必ずしもADRの発展にとって望ましいことではないのではないかと思っている。弁護士会の仲裁センターが、信頼できる機関であってそれなりの取り扱い件数を持っているということと、中立性に対する利用者の信頼ということを考えた時に、弁護士会の仲裁センターというものはやはりそれなりの意義があると思う。むしろ、問題点は利用者の視点というか、利用者がADR機関を信頼することができるかどうかが一番重要なことではないかと思う。先ほどから必ずしも弁護士会の仲裁センターによる処理が望ましいとは思えないと、少なくとも暫定的なものであるという意見をお伺いしたが、弁護士会の仲裁センターを利用された利用者の側から仲裁センターの処理に対する不満というものがかなりあるのかどうかを是非お伺いしたい。この紛争処理の点について、それ程問題がないとすれば、あとは石戸谷委員がご指摘になったチェック機能の問題とか再発防止の問題について措置するよう様々な規則とか運用を定めていくということは十分考えられるだろうと思う。現在のあり方に対する利用者の不満が、他の自前の機関を持っているところに比べて大きいと認識すべきなのかを、何方か詳しい委員の方から教示願いたい。

    • 山本委員がおっしゃるように、どう見えるかということも重要だと思う。その点では業界団体のADRよりも外部の第三者的機関の方が、より信頼感が得られるという可能性が高いのだろうと思う。むしろ、それ以外に何か問題があるかどうかの事実調査が必要と思う。弁護士会の仲裁センターが、どういう点で良くて若しくは悪くてというところが検証できれば比較しやすいのではないか。小さな業界団体についてはコストという面は避けては通れない問題だと思う。自前で持つことについて超えなければならないハードルが相当高いと思うので、そこが自前で持って今の体制でできることとの相対的な比較で第三者的な機関の利用というものを考えていかなければならないと思う。

    • 仲裁センターなどを利用する団体から見た問題として二つのタイプに分かれる。紛争の件数も少なくて、業界としてのサイズも小さく、コスト的に自前のものを持てないところが仲裁センターを利用する場合と、もう一つは、全国銀行協会のように、コストの面もあるが、むしろ積極的に仲裁センターというものを評価してそれを利用するという両方があると思う。前者については、仮に自前のADR機関を全部の業界が持つことが理想だとしても、実際に持てないところとしては、ゼロと比較するとどちらが良いかという視点も必要なのではないかと思う。それからもう一つのコスト的には、自前の機関を持つこともできるかもしれないが、むしろ積極的に利用したいというところをどう考えるかという問題もある。これについては先ほどから、議論が分かれているが、ただ石戸谷委員が仲裁センターの方が中立的だから使うということになると、業界団体が自らの紛争解決処理機関を持つということを否定することになるのではないかというのは、裸で仲裁センターだけを使うとしたらそういうことになると思うが、業界団体が苦情解決支援組織や機関等をお持ちで、かつこのモデルのルールの中で仲裁センターを利用するとき、三つの面全てについてそれなりのルールを設けた上で、仲裁センターを利用するということであれば、単に仲裁センターを利用するだけのものとは違う意味があるのではないかという気もする。

    • ユーザー側からの実績という点から申し上げると、現在、紛争解決段階を持っている4団体で、生保と損保はまだ実績がなく、証券業協会は損失補填の禁止問題から弁護士会は使えないので比較できない。結局、商品先物取引協会でやっておられるあっせん・調停と弁護士会の仲裁センターとの比較ということになる。被害者側の代理人の弁護士が先物取引協会のあっせん・調停の方に持ち込まずに弁護士会の仲裁センターに持ち込むことは極めて異例のことだと思う。専門分野としてこの事案について、何処にどのような問題があるのかを吟味した上で紛争解決を行い、問題があれば、連動して制裁規定の方に移って再発防止を図るということになっており、我々の見方としては、弁護士会の仲裁センターで先物取引というのは全く考えていないし、先物取引協会のやっておられることは、それなりに評価している。

    • 日本商品先物取引協会の浜地です。私どもでは、苦情や紛争の中で出てきた問題行為については、その相談を受ける部署でも指導しているが、本格的にそれを取上げて改善を求めたり、場合によっては制裁をするというような措置は別の規定で別の部署がやっている。そこで、今の再発防止等の問題で考えると、苦情や紛争というものの解決に取り組んでいる団体が、指導だとか改善を求めたり、改善しなければ制裁だというものまですることができるのかという疑問がある。つまり、そういうことをするならそういうことをする機関でなければならないと思う。それには、単にADRという問題を超えて、例えば、自主規制によってそういう苦情や紛争を一つの材料にしながら業界の事業の適正化を図っていくという議論が必要ではないか。

    • 今のご指摘は、紛争解決支援機関とは別に自主規制としての機能を持った主体がある方が、むしろ第二第三のチェックや再発防止というところをきちんとやっていけるのではないかということだが、そうすると、紛争解決支援機関とその結果を受けた再発防止やチェック機能は、必ずしも同じ組織でない方が良いのかもしれないということだが、そう考えると、工夫の仕方によっては全国銀行協会のように紛争解決の部分だけは仲裁センターに出したとしても、それを受けて自主規制の役割を果たすところは業界団体でやるということも一つのありうる形かなという感じはする。一つのある形しかないと考える必要はないという気もする。

    • ADRの最大の目的が、山本委員のご指摘されたように消費者保護にあるというのは恐らくコンセンサスになるところだと思う。その消費者保護の具体的な中身は、結局、迅速かつ安いコストで公正な解決がなされるということだと思うが、その実質が確保されていれば、そのための組織がどうなのかということは、唯一の決め手ではないと思う。それは、本日の議論をお聞きしても色々な考え方があり得て、どれもこれがベストの組織だといういうことは言えない。そういう意味では、答えがない問題ではないかと思うので、むしろその低コスト、迅速、公正な解決を図るため、手続きの公正性、公開性、仲裁等の判断を行う者の独立性、専門性の確保、といった実質的な論点ごとにつめることが大切ではないかという印象を受ける。それを補強する議論としてこのADRは消費者の保護の他に業界側の利益というものもあって、業界のイメージの向上、業界が信頼性をどう確保するのかという業界側のインセンティブというものも非常に強いのではないかと思う。そうすると、各業界ごとに創意工夫をもって自分たちのイメージあるいは信頼性をどのように高め確保していくかということについて、それぞれ創意工夫するというのは、それは一つの合理的な考え方ではないかと思う。ただこの業界的なイメージとか信頼性の向上というのは、結局は消費者の方にかかってくる問題であるが、その点において消費者保護の問題と非常にリンクする話ではあるが、紛争解決の機関を内部的に持っているか、それとも外に出すかというのは、全く影響がないとは言わないが、あまり本質的な論点ではないのではないか。

    • 先ほど、山本委員が発言されたところで、弁護士の仲裁センターの処理に対する不満とか、どうゆう評価を消費者はしているのかというお話があったが、実際のところ仲裁センターが扱っている案件には、あまり消費者トラブルが入っていないので評価のしようがない。神作委員がおっしゃったように、迅速、低廉、公正さというところが果たされているかどうかを見るべきではないかという点では、いずれもまだ評価できるという状況にない。全国銀行協会もそうだが、弁護士会の仲裁センターが中立性が担保できているということで、仲裁センターをご利用になっているが、私としては、仲裁センターが、消費者トラブルの解決のためにどれだけの能力や役割を果たせるかという意味では、まだ非常に不安定であると思う。

    • 全国銀行協会から仲裁センターに移送された事例というのが、オープンになってないので、どれくらいの金額でどのように解決したかというのが見えてこない。それが、ADRとしての仲裁センターの良さと言えばそうだが、私が聞いた話によると、決して通帳盗難の解決金額がそれ程多くなく解決しているようだ。一般の消費者にその解決結果を話すとそれは、非常に少ない金額で納得せざるを得なかったか、もしくは納得させられたのではないかとの感想であった。弁護士会の仲裁センターがどのように解決したのかをオープンにしていただかねば具体的な話が論じられない。なかなかそれらの情報がオープンになっていないということで、果たして弁護士会の仲裁センターが万全かどうかには一抹の不安はある。それと先ほど、山本委員からADRがあちこちに乱立するのはいかがなものかというお話があったが、消費者側から見ると解決方法は、いくつあっても良いと思う。それが、消費者にとってベストな解決で双方納得いく解決であれば、それが一番良いのではないかと思う。それが結局情報がオープンになっているかどうかという問題は残るが、消費者事業者双方が非常に納得していれば、そこで解決をみたと思ってよいのではないか。

    • 確かに仲裁センターの仕組みとして、中身についてはプライバシーの問題もあり、公表されないというのが大原則であるので、そこは私どもも全く存じ上げていない。当然、当事者同士は承知しているが、実際どのくらいディスクローズすることがどういう意味があるかというのは、よく分からない。

      たぶん弁護士会の方では、事例としては相当出していると思うが、個別の案件についての結果までは必要ないという判断ではないかと思う。ただ、業界よりではないかという話もあったが、メンバーである銀行から聞いている限りでは、決してそういうことはなくむしろ厳しいと聞いている。

    • 私は、弁護士会の仲裁センターを個人的に利用したことがある。弁護士会の仲裁センターを利用した実感は、まさにケースバイケースだと思うが、例えば、私が経験したお話をすると、こちらから持ち込んで応じていただいた案件だが、仲裁人から、2回で解決すると最初に宣言され、まずあなたは何を要求するかということをきちんと整理していただきたいと言われた。まずそこの整理のところに、銀行とか金融の場合には、どれだけ論点整理に協会が付き合えるかということは以前から申し上げているところで、それは非常に重要なポイントである。また、事実確認が必要であれば自分でして下さいと言われた。解決金額については、足して2で割るというような解決であった。こういうものを持って行った時に、先ほど岩原座長がおっしゃったような、再発防止等に役立つかどうかについては、個人的な経験で言うと、とりあえずトラブルは解決したことになったが、その発生の原因究明や相手の業者が再発防止策をとったかというと全く個人的な解決であったという印象を持っている。協議会でも利用者からの声を聞くとか、銀行協会の方もアンケートをとるとかしないとなかなか水掛け論になってしまって、仲裁センターが利用者にとって良いものなのかというところまで進んでいかないのではないか。

    • 弁護士会の仲裁センターは、私も何回か使っているが、うまくいっている例もあれば、そうでない例もある。やってみた限りでは、個別紛争解決に特化しているから、運用改善の部分や再発防止の部分とかは非常に難しいと思う。一番重要なことは、金融機関側と利用者側との間である程度の信頼関係がないと、金融取引というのは絶対うまく回らないと思う。ところが、残念ながらそこのところがはかばかしくいかない。例えば、銀行の分野で、相対で交渉して解決しないという場合、裁判しかないということで全面対決になってしまう。弁護士会の仲裁センターで解決した分野で、印影の偽造事件についても、その後、弁護団が結成され裁判を起こし、旧来型の弁護団結成全面対決という図式になった。みすみす絶好の信頼構築の機会を逃してしまった感がある。

    • 外部に移送した場合に、その結果がプライバシーだからといって報告を受けないのは非常に問題である。これは移送の概念をどう捉えるかということと関係してくると思うが、やはり先ほど申し上げたADRの意義の一つとして、業界の信頼性、イメージの向上ということにあるのであれば、その結果を踏まえて少なくとも、会員を通じてどういう解決がなされたかという情報収集は必要ではないかと考える。協会の共有財産として情報を蓄積し、問題があれば解決策についても議論していくことが必要。出したらそれで終わりというのはADRの意義が非常に薄れてしまうので、事務でもしそういう扱いがあるのであれば、改善していただきたい。

(「実務者ネットワーク」の論点整理と検討方法について)

  • 「実務者ネットワーク」の論点整理と検討方法について資料2を用いて事務局より説明があった。

    • 実務者ネットワークについては、有用なものであると一般的に考えられているが、アンケートの回答を見ると実施するには色々問題があるようだ。そこで、今すぐにとりかからなければならないということが無ければ、実務者ネットワークが取扱うべき事柄やその位置付けは、機関間連携の各テーマとも絡んでくるのでそちらの議論が進んでから再度検討したい。

(金融商品の販売等に関する法律の施行状況の調査、点検の結果について)

  • 金融商品の販売等に関する法律の施行状況の調査、点検の結果について資料3を用いて事務局より説明があった。

    • なぜ、金融オンブズネットが調査をしたかというと、金融商品販売法を作るときの制定過程で消費者側の意見を色々申し上げたが、盛込まれなかった事項もあるので、フォローアップは是非したいということからである。銀行編、証券編、保険編が終わって、次回損害保険の調査を考えている。大きな分類だけ紹介されているが、全体で34項目あり、非常に辛口の評価になっている。今回の金融庁の調査では、非常に高い回答率になっているが、私どもの調査では、小数点が一桁ずれるというような感じの評価になっている。何が欠けているかというと、具体性が無いということ、それからその具体性を図るための体制作りについての視点が欠けていることである。非常に抽象的な文言が並んでおり、実際どれほど実効性があるかという点を大変懸念している。協議会の関連で言うと、窓口の設置、処理方法、フィードバックについて小さい項目を立てているが、窓口の設置すら明示していないところが、調査に入った当初はあった。その辺りは、きちんと対応していただきたい。適合性の原則についても、ほとんど書かれていなくて、勧誘方針の策定公表を決めているときに、重要事項の説明義務と適合性の原則が二つの大きな柱で、適合性の原則がなかなかつめられなかったので、勧誘方針の策定公表という自主的な取り組みを求めたわけだが、それにしても、適合性の原則についてほとんど具体的なことが書かれていないというのは、法律の趣旨を全く無視しているのではないか。また、不招請勧誘がかなり金融トラブルの原因になっており、これも業界によっては、業界全体で一社も書かれていないところもあり、私どもとしては非常に問題であると感じている。私自身としては、金融庁でこのような状況にあるということを受け止め、是非対応を検討していただきたい。

    • この調査を踏まえて、金融庁は具体的に個別の金融機関に対して、何かなさるのか、或いはなさったのかお伺いしたい。

    • 対応については、事務局が説明したとおりである。まず、各業界に自主的な取り組みを要請しているところである。必要に応じてそれをフォローアップして適宜対応していきたい。

    • 業界を通じて各金融機関へということが、私としては実効性があるのかどうか非常に疑問を持っている。他の対応を考えていただけないものかと思って意見を申し上げている。金融商品販売法の勧誘ルールに関して、各業界がガイドラインを作っているが、そのバーをもっと上げて、詳しく書き込むよう、業界に対して具体的な指示をしているような話もきくが、それはおかしいのではないか。個別会社が自主的に取り組むには限界があるということか。

    • 基本的に自主的な取り組みの中で、何処までやっていただけるかということだと思っており、ご指摘のような指示はしていない。

  • 議事資料の公表について了承された。

  • 裁判外紛争処理制度の改善に向けた取組みについて、全国信用組合中央協会から報告があった。

(以上)

問い合わせ先

総務企画局企画課
電話03-3506-6000(内線3517)
本議事要旨は暫定版であるため、今後修正がありえます。

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