第126回自動車損害賠償責任保険審議会議事録

1. 日時 平成21年1月23日(金)14時00分~16時00分

2. 場所 中央合同庁舎第7号館西館13階 共用第一特別会議室

【山下会長】

それでは、定刻でございますので、ただいまより第126回自動車損害賠償責任保険審議会を開催したいと思います。本日はご多用のところお集まりいただきまして、改めて御礼申し上げます。

まず、今回より就任されることになりました委員、特別委員の皆様方をご紹介させていただきます。

こちらのほうから、今尾特別委員でいらっしゃいます。

【今尾委員】

全共連の理事長の今尾でございます。よろしくお願いいたします。

【山下会長】

続きまして、佐野委員でいらっしゃいます。

【佐野委員】

自動車会議所の佐野でございます。よろしくお願いします。

【山下会長】

続きまして、西原委員でいらっしゃいます。

【西原委員】

自動車総連の西原でございます。よろしくお願いします。

【山下会長】

続きまして、湯目委員でいらっしゃいます。

【湯目委員】

損保協会の湯目でございます。よろしくお願いいたします。

【山下会長】

ありがとうございました。どうかよろしくお願いいたします。

本日は高橋委員が所用のため欠席されております。

さて、本日の議題といたしましては、お手元の議事次第にございますように、自動車損害賠償保障法第33条第1項の規定に基づく諮問事項に対する審議となっているほか、報告事項が幾つかございます。

それでは、まず事務局より配付資料の確認をお願いいたします。

【長谷川保険課長】

金融庁の保険課長の長谷川でございます。よろしくお願いいたします。

まず、資料のご確認をさせていただきたいと思いますけれども、お手元に議事次第、それからその後ろに1枚紙で諮問と答申の文案、それから、横長の資料で右肩に資料の番号が振ってありますが、資料1から資料7まで。その後ろにカラーの1枚紙。これは戸川委員からの配付資料ということでございます。それからもう1枚、1枚紙で、これは北原委員からの配付資料でございます。

議事次第と照らし合わせまして資料をご確認いただきたいと思いますけれども、まず議事次第をごらんいただきまして、議題1でございますけれども、これは当審議会の公開ルールについてお諮りさせていただくものでございまして、それに対応します資料が、資料番号の1でございます。

次の議題2が諮問事項でございまして、自賠責保険事業にかかる認可についての諮問でございます。これに関します資料は、先ほどの1枚紙諮問と答申案、それと資料の2がこれに対応いたします。それから議題の3ですけれども、こちらは自賠責保険の基準料率についての検証結果をご報告させていただくものでございまして、これに対応します資料が資料3でございます。

それから、議題4は報告事項ということで(1)から(4)までございますが、資料はそれぞれ資料4から資料7まででございます。

そのほかに、先ほど冒頭に申し上げた1枚紙、戸川委員からの配付資料と北原委員からの配付資料がございます。

ご不足が何かございましたら、お知らせいただきたいと思います。

【山下会長】

ありがとうございました。よろしゅうございましょうか。

それでは、本日最初の議事であります当審議会の公開ルールについてお諮りさせていただきます。

まず、事務局からご説明をお願いいたします。

【長谷川保険課長】

それでは、資料1をごらんいただきたいと思いますけれども、これまで当審議会の公開に関しましては、議事録と議事要旨、これにつきましては原則として金融庁のホームページで公開をしております。他方、会議自体につきましては今までは非公開としてございました。

そこで、今般、審議会のさらなる透明性を確保する観点から、会議自体についても原則公開することとしてはいかがかというふうに事務局としては考えておりまして、このような文案で考えております。

ちょっと読ませていただきますと、

「自動車損害賠償責任保険審議会の会議、議事録及び議事要旨の取り扱いについて(案)。

1、自動車損害賠償責任保険審議会は会議を原則公開する。ただし会長が必要と認めるときは会議の一部又は全部を公開しないものとすることができる。

2、会議の議事録及び議事要旨は会議の都度作成し、公表するものとする。ただし、会長が必要と認めるときは、議事録及び議事要旨の一部又は全部を公表しないものとすることができる。

3、この取り扱いについては、平成21年1月23日―本日でございますけれども―から実施する」

ということでございます。

この但し書きのところでございますけれども、原則会議の公開をするわけでございますが、議事の内容によっては当事者または第三者の権利、利益、あるいは公共の利益を害するおそれがあるような場合も想定されますことから、そのような場合には会議、議事録、議事要旨の全部又は一部を非公開とすることができることとしてはいかがかということでつけております。

どのような場合に非公開とするかは会長のご判断でございますが、例えば本日も予定しておりますけれども、個別会社に対する自賠責保険の取り扱い免許等の行政処分にかかる審議は、審議の中で法人等の権利、利益等にかかる個別情報を取り扱うことなどがございますことから、非公開ということが適当ではないかというふうに思っております。

委員の皆様のご理解が得られるのであれば、本日の会議からこのルールを適用することとしたいというふうに考えております。

【山下会長】

ありがとうございました。

それではただいまのご説明につきまして、ご質問、ご意見等ございませんでしょうか。

田中委員、どうぞ。

【田中委員】

1番の会議を原則公開するという趣旨は、透明性を高めるという説明がありましたけれども、これは一般に自由な傍聴を認めるという趣旨と解してよろしいんですか。

【長谷川保険課長】

そのとおりでございます。

【山下会長】

島田委員。

【島田委員】

この公開というのは、映像、画像で録画、録音して、それをホームページで流すというようなことも考えていらっしゃるんですか。

【宮原課長補佐】

事務局の宮原でございます。

原則、カメラ撮りにつきましては限定的にさせていただきたいと思っていますし、録音についても原則として認めないということで考えております。

【山下会長】

よろしいでしょうか。ほかに。

それでは、この資料1の案のような原則に従いまして、今後公開していくということでご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【山下会長】

それでは、そのように了承したということで進めさせていただきます。

それでは、これに基づいて早速、本日この後の議題2の諮問事項に移りたいと思いますが、これにつきましては審議の中で、個別会社の権利・利益等にかかる個別情報を取り扱うおそれがあるため非公開とさせていただきまして、諮問事項のご審議を行った後に会議を公開するということにさせていただきたいと思います。

それでは、この諮問事項につきまして、まず事務局よりご説明いただいて、その上でご議論いただきたいと思います。

では、よろしくお願いいたします。

【長谷川保険課長】

それでは、諮問文と答申案、それから資料2をあわせてごらんいただきたいというふうに思います。

まず、本日、金融庁長官より当審議会に対して諮問させていただいております諮問文でございますけれども、これにつきまして、ここにございますように、

「自動車損害賠償保障法第33条第1項の規定に基づき、下記の事項について諮問する。

記。保険業法第123条第1項の規定に基づき、アドリック損害保険株式会社に対し、自動車損害賠償責任保険事業を営むことについて認可すること」

ということでございます。

資料2のほうをごらんいただきたいと思いますけれども、資料2の表紙をめくって1枚目の最初の3行のところにありますけれども、アドリック損害保険株式会社につきましては、平成20年―昨年3月21日に保険業法に基づく損害保険事業の免許を取得したところでございます。今般、さらに自動車損害賠償責任保険事業に参入したいということで、保険業法の規定に基づきます基礎書類(事業方法書、普通保険約款、保険料及び責任準備金算出方法書)の変更認可申請があったものでございます。

このアドリック損害保険会社でございますけれども、次のページに概要が載ってございますけれども、ここは大阪に本店がございます損害保険会社でございまして、これはアドバンスクリエイトという保険の比較サイトなどを運営している事業を行っている会社と、それからあいおい損保の合弁で設立された会社でございまして、冒頭申しましたように、平成20年3月に免許を取得して事業を行っているところでございます。

自動車損害賠償責任保険事業に参入する場合には当審議会の答申を受けて認可を行うことになっておりますけれども、認可の基準は1枚目の1ページの参考のところにマル1マル2マル3というふうに書いておりますけれども、保険業法あるいは自動車損害賠償法におきまして、ここにいろいろ書いておりますような審査の基準が書いてございます。例えばマル1の事業方法書・普通保険約款の審査基準におきましては、最初の黒ポツにありますように、保険契約の内容が保険契約者等々の保護にかけるおそれがないとか、その下のところにありますように、特定の者に対して不当な差別的取り扱いをするものではないとか、あるいはマル2のほうの保険料等の審査基準によりますと、保険料等の算出方法が保険数理に基づき、合理的かつ妥当なものであること等々のいろいろな基準がございますけれども、ここの損保会社の今回の申請内容は、実は既にこの自賠責保険事業を行っている他の保険会社と同一のものでございまして、同じことをやるということでございますので、ここに示しました審査基準を満たしているというふうに事務局としては考えております。

したがって、私どもとしては認可を行いたいというふうには考えておりますけれども、そういうことで当審議会にお諮りするということでございます。

【山下会長】

それでは、ただいまのご説明に関しましてご質問、ご意見ございませんでしょうか。特段ございませんでしょうか。

それでは、あらかじめ席上に答申案を配付させていただいておりますが、金融庁長官からの諮問を受けた事項につきまして、審議会として異議はないということでお認めいただきたいと存じますが、よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

【山下会長】

ありがとうございました。

それでは、ご異議がないということでございますので、そのように進めさせていただきたいと存じます。

それでは、先ほど申しましたとおり、これより会議を公開することになります。

事務局は傍聴者を会場へご案内願います。委員の皆様方は少しお待ちいただきたいと思います。

(傍聴者入室)

【山下会長】

それでは、そろそろ審議を再開させていただいてよろしいでしょうか。

それでは、次の議題へ進みまして、3の料率検証結果についてというところへ移ります。まず、事務局よりご報告をいただきまして、ご議論いただきたいと思います。

それではお願いいたします。

【長谷川保険課長】

それでは、資料3に沿いましてご説明させていただきたいと思います。

自賠責保険にかかります基準料率につきましては、損害保険料率算出機構が毎年その妥当性の検証を行いまして、その結果を金融庁長官あてにご報告いただくことになっております。

20年度の検証結果につきましては、昨年末に料率機構より金融庁長官あてに報告されておりますので、その内容につきまして、この資料に基づきましてご報告させていただきたいと思います。

資料3の表紙と目次をめくっていただきまして、1ページをお開きいただきたいと思います。表題が自賠責保険・共済収支表というふうになっております。この表でございますけれども、自賠責の事業を行っております全事業者につきまして、収入純保険料、支払保険金、収支残、損害率などについての過去の推移と、平成20及び21年度の予測値を整理したものでございます。

今回の検証におきましては一番下の20年度と21年度が対象になっております。20年度のところで、一番左側の収入純保険料から見ていただきますと、収入純保険料の予測値、20年度が6,658億円、その下の21年度が6,063億円となっておりまして、19年度の8,635億円に比べますと減収になっております。

これは昨年のこの審議会で答申いただきましたけれども、20年4月から基準料率を引き下げました。全車種平均で約24.1%になりますが、その引き下げによって大幅な減収になったということでございます。

これに対しまして、その右の支払保険金のほうでございますけれども、近年は交通事故死傷者数の減少とともに、全体として減少傾向にございますけれども、支払保険金の予測値で言いますと、20年度、9,323億円、21年度、8,499億円ということで、19年度の7,698億円に対しましては増加傾向に転じております。

この2つの差の結果、次の収支残でございますけれども、これの当年度収支残のところですが、20年度、2,665億円の赤字、21年度が2,436億円の赤字となっております。

この結果、一番右側の欄の損害率、すなわち支払保険金を収入純保険料で割った率ですけれども、20年度が140.0%、21年度が140.2%となっております。支払保険金のほうが多いということでございます。

これはちなみに、下の注の3にありますけれども、前回、昨年の審議会のときに想定しておりました20年4月の基準料率改定の際に想定していました予定損害率では133.8%となっておりまして、それを若干上回った形になっております。これが今回の検証の結果ということでございますが、以下、順次、その背景、要因等についてご説明させていただきたいと思います。

2ページをごらんいただきたいと思います。

まず、交通事故の発生状況でございますが、これは警察庁の交通事故統計によるものでございまして、交通事故の傾向を把握するために参考として添付させていただいているものでございます。

まず、左側の発生件数を見ますと、平成16年あたりがピークでありまして、952,191と書いてあります。約95万2,000件。これをピークに近年減少しておりまして、平成20年、見込みですけれども、76万5,000件強ということになっております。また死者数、負傷者数につきましても同様に近年は減少傾向ということになっております。

続いて3ページでございますが、料率検証における主な予測要因としまして、まず、収入純保険料のほうでございますけれども、(1)収入純保険料の前提となります保有車両数でございますが、国土交通省の推定値が使用されております。これによりますと、保有車両数は、20年度は+0.4%、若干増加でございますが、21年度のほうは△0.0%、小数第2位まで入れますと△0.01%ということで、若干の減少というふうになっております。

他方、(2)の支払保険金のほうでございますけれども、支払保険金の前提となります事故率及び平均支払保険金を記載しております。

まず、マル1の事故率でございますけれども、事故率は自賠責保険に加入している車両台数の総数を分母に、保険金支払いのあった事故件数を分子にした割合でございます。これの予測値がここに表になっておりますが、その前提となります資料が、その次の4ページをごらんいただきたいと思います。

これは事故率の過去の実績と今後の見直しを示したものでございます。まず死亡事故率でございますけれども、グラフのところ、あるいは右下が実数でございますが、どちらも見ていただければわかりますように、過去の実績が減少傾向でございますので、20年度、21年度も減少傾向で推移するという予測になっております。右下の実数で言いますと、20年度が0.00678%、21年度が0.00660%ということになっております。これに対しまして、後遺障害や傷害でございますが、後遺障害につきましては、16年度を底に、17年度以降、少し増加傾向になっております。また、傷害につきましても、18年度を底に、19年度は増加傾向になっております。この点は先ほど2ページでご説明しました交通事故発生件数が近年一貫して減少しているのとはやや異なる動きとなってございますけれども、これは19年度に特に傷害や軽微な後遺障害にかかる保険金の請求支払い件数が増加したためというふうに見ております。

では、19年度に傷害や軽微な後遺障害の保険金請求支払いがなぜ増加したのかというところにつきましては、必ずしも十分な検証ができているわけではございませんし、また今後、さらなる動向の見極めや分析が必要と考えてはおりますものの、現時点で申しますと、例えば近年の保険金支払い漏れ、不払い問題を受けまして、被害者の方の請求意識が高まってきているといったことや、保険会社のほうが請求案内をより充実させてきていることなどが背景にはあるのではないかというふうに考えております。

こうした状況を考慮いたしまして、後遺障害と傷害の事故率につきましては、今後は19年度と同水準で推移するという予測になっております。具体的な数字は右下の数字に記載しているところでございます。

この数字をもって、前のページに戻っていただきまして、3ページのマル1の事故率のところは、先ほどの4ページの数字を置いて、さらに死亡事故率は今後も減少。他方、後遺障害事故率と傷害事故率は一応19年度と同水準ということで予測を立てております。

次に、マル2の平均支払保険金、単価でございますけれども、この予測に当たっての要因としましては、賃金上昇率ですとか治療費上昇率、それから支払基準の改定による影響が大きな要素になってくるかと思いますけれども、このうち賃金上昇率と治療費上昇率につきましては、過去5年の平均の賃金上昇率、それから治療費上昇率がほぼ横ばいとなっております。したがいまして、20年度以降もそれぞれ横ばいで推移するというふうに予測しております。他方、支払基準改定のほうでございますが、治療関係費、休業損害、あるいは慰謝料等の単価、そして上限額等を定めたものでございますけれども、この支払基準改定による上昇につきましては、過去の改定実績を踏まえた上昇を予測しております。ただ、過去の改定実績を見ますと、14年度以降は改定はございませんけれども、保守的に見まして、仮に21年度に改定があったと仮定いたしまして、その改定幅は過去の実績と同程度という前提を置きまして、そのように記載をしているものでございます。

続きまして、5ページのほうをごらんいただきたいと思います。5としまして、自賠責保険・共済の支払件数及び平均支払保険金の推移ということで、契約年度と書いております。この表は、先ほどの3ページの前提を置いた上で、自賠責保険・共済の支払件数、平均支払保険金を算出して、その推移を整理したものでございます。

表のところに(契約年度)と書いておりますけれども、これは下の注の2のところにございますように、当該年度において契約を締結した車両が惹起した事故による支払件数と平均支払保険金ということでございまして、事故が発生して保険金を請求するのが契約した年度の翌年以降ということもあろうかと思いますけれども、その場合でも、その契約に基づく請求である場合には、契約を締結した年度の計数として整理したものでございます。例えば18年度の支払件数5,732件というのは、仮に19年度以降の支払いであっても、18年度に締結した契約に基づく場合には18年度の計数として整理したものということでございます。

ここで1点ご留意いただきたいのは、20年4月に料率が引き下げられたわけですけれども、その直前の昨年2月とか3月に締結された契約の中には、20年3月末までの短い期間、1カ月とか2カ月の期間、高い改定前の旧料率で契約をされて、その後の4月以降は残りの期間、安い新料率で契約をされるというような形態をとられた方がいらっしゃるようでございまして、これを割と継ぎ足し契約というような言い方もしているようでございますけれども、そういう契約形態があったということもありまして、先ほど申しましたように契約年度ベースでございますので、19年度中に契約した契約の中にはそのように短い期間の契約もあるものでございますので、19年度の数字が通常よりかは減少し、逆に20年度のほうが増加する傾向にございます。実際にごらんいただきますと、死亡の支払件数のところを見ていただきますと、18年度は5,732件でございまして、その後、19年度が5,096件とがたんと減って、その次の20年度は5,933件とまたふえていて、21年度は5,304とまた減るというように、でこぼこがございますけれども、それは今言ったような継ぎ足し契約の影響によるものだというふうに考えております。

したがいまして、全体の傾向を見ていただく場合には、特殊要因のあります19年度、20年度を捨象して、18年度と21年度とを比較していただくとよろしいのかと思います。そこで、18年度と21年度を比較いたしますと、死亡については5,732件が5,304件というふうに減少傾向になっております。これに対しまして、後遺障害のほうは18年度が5万9,925件に対して、21年度が6万1,319件ということで、これは先ほど申しましたように、19年度に後遺障害の請求が増加したということもありまして、それを反映したものとなっております。同様に傷害につきましても、18年度と21年度を比較しますと、21年度のほうが若干増加しているという形になっております。これに対しまして、平均支払保険金、単価のほうでございますが、こちらはいずれもほぼ横ばいというふうになっております。

続いて6ページをごらんいただきたいと思いますけれども、6としまして自賠責保険・共済の支払保険金の推移ということでございます。こちらは前の5ページのところの支払件数と平均支払保険金の単価とを掛け合わせて支払保険金としての推移を整理したものでございます。

ここも継ぎ足し契約の影響を受けていない21年度と18年度を比較いたしますと、死亡保険金につきましては、18年度に対しまして21年度は若干減少しております。他方、後遺障害と傷害については若干21年度のほうが増加をしております。足し合わせた合計が一番右の欄ですが、ここで見ていただきますと、全体でも21年度は18年度に対して若干増加した形になっております。

こうした推計によりまして、20年度と21年度で見ていただきますと、合計の欄ですが、合計で20年度が9,320億円強、それから21年度が8,498億円ということになっておりまして、この数字が先ほど一番最初にご説明いたしました1ページの20年度の欄の支払保険金の数字、20年度9,323億円、21年度8,499億円に相当するものでございます。

続きまして7ページをごらんいただきたいと思いますが、参考としまして、重度後遺障害の支払件数の推移ということで、これは労働能力喪失率が100%になります重度の後遺障害の支払件数についてまとめたものでございます。注の1にもありますように、現行の後遺障害等級表の別表第1に該当します介護を要する後遺障害と、別表第2のうちの1級から3級までに該当する後遺障害、これがいずれも労働能力喪失率100%とされておりますが、これらをまとめたものでございます。

現行の等級表は14年度からでございまして、13年度以前は別表1、別表2というふうに分かれておりませんので、その点は別表2にまとめて書いてございます。それぞれ合わせました合計が一番右の欄でございまして、それでごらんいただきますと、重度の後遺障害の件数は、特に近年はほぼ横ばいという形になっております。

続きまして8ページでございますが、自賠責保険・自賠責共済運用益の発生と積立状況ということでございまして、これも自賠責保険・自賠責共済の積立金の運用益の状況について、参考に添付させていただいたものでございます。

詳細説明は省略いたしますけれども、例えば損保会社のところで見ますと、一番右に積立金残高がございますが、19年度末で言いますと2,223億円。さらに税の軽減効果を考慮しまして、それを合わせたところでは、括弧のところですけれども、3,480億円強というふうになっております。その下のJA共済で言いますと、19年度末370億円、税の軽減効果を考慮しますと539億円というふうになっております。

それから、9ページでございますが、自賠責保険の社費・共済経費の収支表ということでございます。これは全事業者の社費の収支について参考までに過去の実績を示したものでございます。自賠責保険の社費につきましても、ノーロス・ノープロフィットの原則によりまして、累計収支残も考慮して、収支が均衡するように料率が算出されております。

なお、注の5にいろいろ記載しておりますが、書いている趣旨は、自賠責保険法に基づきます指定紛争処理機関であります自賠責保険・共済紛争処理機構の運営経費といいますのはこの社費のうちの一部が充てられているわけですけれども、この紛争処理機構の近年の紛争処理件数が増加しておりまして、紛争処理機構に収支不足が今後生じる見込みがあるということから、同機構への社費から拠出額が増額されるという予定になっておりまして、その旨が記載されているものでございます。

最後でございますけれども、10ページでございますが、今までご説明いたしました料率検証の考え方を改めてまとめたものでございます。今般の基準料率の検証におけます損害率は、20年度は140.0%。21年度は140.2%となっております。これは20年4月の基準料率改定時における予定損害率133.8%と比べますと悪化してはいますけれども、乖離幅は小さいというふうに考えております。

乖離の主な要因ですけれども、先ほど来ご説明しましたように、19年度に傷害及び軽微な後遺障害にかかる保険金の請求支払い件数が増加したためというふうに見ております。他方、交通事故の件数自体は減少傾向に引き続きありますものですから、さらに今後も注視していく必要があるのではないかというふうに考えております。

以上の点を踏まえますと、昨年引き下げたばかりということもございますので、今回は料率改定の必要はないのではないかというふうに事務局としては考えております。

以上でございます。

【山下会長】

ありがとうございました。

それでは、ただいまのご説明に関しまして、ご質問、ご意見をいただきたいと思います。どの点からでも結構でございますが、いかがでしょうか。

【石井委員】

昨年の改定のときも、医師会の立場で見ますと、切り下げは反対はしませんけれども、必要な経費というところはしっかり見ていく必要があるのではないでしょうかというご指摘だけはさせていただきました。

ご承知のとおり、救急医療の現場を見ても、救急全部をうまくマッチングして必要な医療を早急に行うというところは、なかなか大変な状況になってきているということはご承知のとおりです。当然これは今まで医療保険の充実の中で地域の体制もつくってきたわけですけれども、それがなかなか大変な状況にあるとすれば、いろいろな知恵をやはりいただかなければいけないし、それに準拠している労災自賠責、この自賠責のあり方もまたご一緒に考えなければいけないところがあるのではないかと引き続き考えています。

また、重症の被害者の方がふえるかどうか、こういうことも注視していく必要がありますし、ことし据え置きというお話は、取り立てて今ここで反対をするものではありませんけれども、改めてやはり慎重に見ていかなければいけないのではないかということだけは懸念を表明させていただきます。

以上です。

【山下会長】

奥宮委員。

【奥宮委員】

私も料率については維持ということで、結論は反対しませんが、予測の中で、3ページの事故率の点でございますが、保有台数の見込みというのがどうなるか。と言いますのは、昨年、ガソリン高、原油高及び9月以降の金融危機及び不況ということで、車の購入台数が減っているのではないか。ニュースの言葉で言うと、若者の車離れというようなことを耳にしております。そういう点を考えて、保有台数の見込みがどうなるか。そうすると22年度以降、同率の予測ということでよろしいのかどうか。その点についてお伺いしたいと思います。

【山下会長】

これは事務局、お願いします。

【宮原課長補佐】

ただいま奥宮委員からご指摘がございましたように、確かに、特に19年度とかを見ますと、景気悪化の影響等もありまして、特に新車の需要台数は減少傾向にあるというふうに理解をしております。

一方で、新車を買わないんですけれども、従来の車を長く使い続けるという方もまたいらっしゃると思いますので、保有台数という意味で言うと、なかなか見直ししにくい部分がありますし、確かに下減りのリスクはあるんですけれども、現時点ではそれほど大幅に減少するものではないかなというふうに思っておりますけれども、ただ、いずれにせよ、引き続き状況はきっちり見ていかなければいけないというふうに考えております。

【山下会長】

よろしいでしょうか。

【奥宮委員】

ありがとうございました。

【山下会長】

西原委員、どうぞ。

【西原委員】

料率改定の必要なしと、この結論については全く異議ございませんが、この関係の、ここで言っていいのかどうかよくわからないんですが、ちょっと確認をお願いしたいのは、平成13年の政府再保険の廃止によりまして、それまでたまっておりました、いわゆる累積運用益のうちの、いわゆる国交省管轄の自賠責特別会計に移管しました8,700億、このうちの5,600億が現在、財務省の一般会計に繰り入れられていると。この取り扱いについては、平成23年までに返却、こういった覚書が両省の間で確認をされているというふうに認識しておりますけれども、率直に申し上げて、今の国家財政上の事態等を考えたときに、非常にこの覚書の中身が履行されること等について極めて危惧を持っておりまして、そういった観点で、この1年間、特に国交省のほうで、財務当局との関係で、何らかの確認あるいは話し合い等が行われたのかどうか。それと現状における取り扱いの認識についてちょっとお伺いできればと思います。

【山下会長】

国交省、山上課長のほうでよろしゅうございますか。

【山上保障課長】

国土交通省保障課長の山上でございます。

西原委員のご質問にお答えしたいと思いますが、ご指摘のとおり、現在、自動車事故対策勘定に積立金として2,500億ほどございます。もともとは、8,700億円ですね、累積運用益が当時、約2兆円ございましたが、そのうちの20分の11を自動車ユーザーに還元し、20分の9、これが8,700億という数字ですが、これを被害者救済対策に充て、その実施については、基金として運用して、安定的に被害者の救済を図っていくというようにされたわけであります。

しかしながら、今、一般会計に19年度末の元利合計で5,173億円、繰り入れを行っております。この場合の繰り入れというのは貸しているということでありまして、返していただくお金です。これは法律に基づいて、予算の定めるところにより繰り戻すということが法定されており、時期については財務大臣と国土交通大臣間で覚書を結んで、平成23年度までの間に分割して繰り戻しを行うということになっているわけでありますが、21年度におきましては残念ながら、一般会計の財政状況が例年にも増して厳しいということで、繰り戻しは叶いませんでした。私どもとしましては、財務省に対して強く要請をしてきたところでありまして、財務省も真摯に対応していただいたわけですが、何分、一般会計の状況がそういう状況でしたので、困難であったということであります。私どもとしては、引き続き、23年度までに繰り戻しをしていただくということで、財務省に対して協議を行っていきたいと思っております。

以上です。

【山下会長】

よろしゅうございますか。西原委員。

【西原委員】

いずれにしても、運用益の活用事業自体、財源的な部分が枯渇の方向に行くわけでありますし、当然今回の現状のその財源というのは一人一人のユーザーからの負担によるものでありますので、その辺についてはぜひ引き続きしっかりとフォローしていっていただきたいというふうに思っております。

以上です。

【山下会長】

石井委員、どうぞ。

【石井委員】

総論は先ほど申し上げたとおりですが、3ページの治療費上昇据置きとの記載に関しまして、医療費の改定は2年に一度なものですから、ことしが次年度の改定の作業の年になります。十分な医療の維持ということを求めている国民の声をバックにして、これがこういうふうになるかどうかというのはまだ全然決まっていない話だということだけは指摘させていただきます。国民の合意の上に考えていかなければいけない問題だと思いますので、ここは全く了承しておりませんので、よろしくお願いします。

【山下会長】

ほかにいかがでございましょうか。堀田委員、どうぞ。

【堀田委員】

一つだけ確認をさせていただきたいんですけれども、やはり損害率が140%というのは非常に目立つ数字なんですね。このまま推移するということになると、料率の問題にも当然かかわってくるんですけれども、今後の損害率の将来予測みたいなものを立てた上で据え置きという結論を出されたと、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。

【宮原課長補佐】

現時点で正確に数字を見積もったのは20年度、21年度までということでございます。確かに損害率、数字がかなり大きいということなんですけれども、そもそも昨年4月に引き下げたときの想定が133.8と。ここ自体がかなり大きい数字になっているということでございます。原因としては、過去の累積の収支残なり運用益を5年程度かけて取り崩しをするというのが昨年、審議会で出た結論かと思いますので、その前提で、そこからの取り崩し分を補てんするという前提で高めの損害率になっていると。逆に言うと、収入のほうが低いということでございます。その前提から比べると乖離は余り大きくないということですので、いずれは累積の収支残なり運用益の残高ということを見ながら、また次の料率をどの時期にどう考えていくかということを判断しなければいけないかと思いますけれども、現時点ではあくまで21年度までの数字という前提で今年度の改定ということの検証を行っているところでございます。

【山下会長】

よろしいでしょうか。ほかにいかがでございましょうか。

佐野委員、どうぞ。

【佐野委員】

先ほど西原委員から出た財務省と国交省との繰り入れの関係ですけれども、西原委員と同意見ですので、ぜひ協議をきちっとして、23年度までに返還を願うと。これをよろしくお願いしたいと思います。

【山下会長】

ほかにございませんか。

それでは、只今いろいろとご意見をいただきましたけれども、昨年の審議会で議論していただいた際の予定損害率と比べて大きく違っていると見るか、それほどまだ、急にどうにかしなくちゃいけないというほどの大きな乖離と見るか、そこはいろいろな意見があろうかと思いますけれども、19年度に傷害と軽微な後遺障害にかかる保険金請求支払件数が増加したという、この原因というのは必ずしも何かよくわかっていないようなところもありますし、一方で交通事故のほうは減少傾向にあるということから、この先どうなのかというのは、なかなか予測は難しいということがございます。

自賠責保険の保険料というのもやはり支払いに応じて決まっていくとことが必要ですが、同時に中期的な安定というのも求められておりますし、昨年、一応改定を行ったばかりということでございますので、全体として累積収支残、運用益残高の水準などもあわせて勘案しますと、本年度においては直ちに料率を改定する必要はないというふうなことで、委員の皆様方の結論的なご意見はそういうことではないかなというふうに拝察いたしましたが、そういうことでよろしゅうございましょうか。

それでは、今回は基準料率を据え置くということが適当であるということで、これを了承したということにさせていただきます。

それでは、次の議題へ移りまして、議題4の報告事項でございますが、まず最初に自賠責診療報酬基準案につきまして、これは湯目委員よりご報告をいただきたいと思います。

【湯目委員】

損保協会の湯目でございます。自賠責保険の診療報酬基準案につきましてご報告申し上げます。

損保協会といたしましては、昭和59年の自賠責保険審議会答申に基づきまして、診療報酬基準案の実施普及に努めてきているところでございます。診療報酬基準案の実施状況につきましては、お手元の資料4にございますとおり、現時点で全国45の都道府県で実施されている状況にございます。残る山梨、岡山の2県につきまして、業界としての取り組み状況についてご説明させていただきます。

この両県につきましては、当協会から日本医師会あてに基準案普及にかかるお願いを行いました。これを受け、日本医師会からは両県医師会長あてに基準案の検討への協力を依頼するレターが出状されました。これを機に両県医師会との積極的な検討の場を持たせていただきまして、本年度は一定の成果があらわれたということをご報告いたします。

まず山梨県ですが、山梨県におきましては、今月行われました県医師会内の委員会におきまして基準案の導入に向けた検討をしていただいており、今後、医師会内のコンセスが得られた後、合意に向けた手続を進めていくと、そういうことで承っております。

また、岡山県におきましては、既に県医師会内では理事会で了承は得られていると伺っておりまして、今後、基準案の合意実施にかかる詳細な点を詰めるということになるかと存じます。

いずれにいたしましても、業界としましては、日本医師会を初め関係各位のご協力を得まして引き続き協議を行い、診療報酬基準案の実施を進めていきたいと考えております。

なお、既に実施しております45の都道府県におきましても地区医師会との協議の場を継続し、良好な関係を維持しながら医療機関のご納得のもとに基準案の普及に努めておりますが、現時点で約6割の医療機関に対応していただいているという状況にとどまっております。損保協会といたしましては、地区の医師会との協議会や一般の医師や事務職員の方にご参加いただいている自賠責保険研修会におきまして自賠責制度等のご理解を得つつ、基準案の普及に向け引き続き努力してまいりたいと思っております。

以上、ご報告申し上げます。

【山下会長】

ありがとうございました。

ただいまのご報告につきましてご意見、ご質問ございませんでしょうか。

石井委員、どうぞ。

【石井委員】

一言追加させていただきます。今のご報告のとおりの内容を承っておりまして、ご承知のとおり、都道府県医師会と各郡市区医師会というのは別法人として運営されていますので、一カ所一カ所、丁寧にご理解をいただくということで運用していくことが必要です。年度内、もしくは年度が変わるところでは、実施の方向に、我々としてもぜひ協力しながらいきたいものだと思っております。

ただ、これが確定しますと、すべてトップダウンで決まるかというと、そういうことではないということで、患者さんのニーズにどうこたえるかということを考えながら、新基準―と我々は呼んでいますが、―についての理解と普及はご一緒に進めていく必要があると考えておりますので、よろしくお願いします。

【山下会長】

福田委員、どうぞ。

【福田委員】

福田でございます。

山梨、岡山の両県が基準案導入に向けて前進しているのは大変に結構なことだと思います。ただ、今、湯目さんのお話がありましたけれども、実際のところ、県の医師会と協定が結ばれても必ずしも、今のお話で40%でしょうか、それが守られていない、遵守しない医師も存在するということがあるということですので、基準遵守に向けての努力をぜひ続けていただきたいというふうに思います。

ただ、それはそれとしまして、若干気になっているのが、自賠責保険として医療機関以外の治療関係費、いわゆる医療類似行為の適正化に向けた取り組みが果たして行われているか。行われているとすれば、それはどのように進んでいるかという点でございます。

自動車事故による治療といたしましては、被害者の方が病院等の医療機関に通われるだけではなくて、例えば接骨院、整骨院などに通院されているケースもそれなりに多いのではないかというふうに考えております。私の住んでいる近所にも整骨院がありまして、自賠責保険適用可能などという表示がされているわけなんですが、先ごろテレビで見ましたところ、ある大学の野球部の監督が選手の名前を勝手に利用して保険金請求をして、それが親からの問い合わせによって明らかにされたというのがございましたですね。

また、新聞社の名前は失念したんですけれども、柔道整復師による健康保険への不正請求が横行しているというような記事があったような気がいたします。これは極めて例外的な事象でございまして、自賠責保険ではきちんと守られているのであれば問題はないのですが、果たしてその辺はどうなのか、非常に気になるところでございます。

せっかく医師会を中心に医療機関に対する取り組みがこれだけ前進してきているのでございますから、保険料を負担するユーザー側の視点に立って、医療類似行為、柔道整復師等の施術費用などについても同様に適正化を図る取り組みを推進していくべきではないかと思いますが、自賠責の支払いを監督する立場にある、これは国交省、山上さんのほうになるんでしょうか。この点についてどのように考えておられるか、あるいは何らかの進行状況があれば教えていただきたいと思います。

【山下会長】

山上課長、よろしいですか。

【山上保障課長】

保険金の支払いについては、各損害保険会社あるいは共済組合などで受け付けをし、しっかりと医学的な、医証といいますか、そういうものに基づいて保険金の支払いを行うこととしています。それが守られている限りにおいては適正な支払いが行われているということだと考えておりますが、不適正な支払いが発生した場合については厳しく指導監督をしていきたいと思っております。

【福田委員】

わかりました。現状の支払い自体がどうなっているのかなと思いますので、ちょっとチェック等をしていただく機会があればというふうに思いますし、自賠責保険の支払基準の趣旨から言っても、治療関係費については、これは医療機関のものだけではなくて、柔道整復などの施術費用も含めた全体の取り組みがやはり必要だというふうに考えますので、ぜひ検討を進めていただければと思います。

【山下会長】

ほかにいかがでございましょうか。

古笛委員、どうぞ。

【古笛委員】

私も福田先生のご意見に関連してなんですけれども、自賠責診療報酬基準案が前向きに全国、これであと2つ残したところがうまくいくのかなというところで、これは本当に関係諸先生方のご尽力に大変敬意を表するんですけれども、やはり交通事故の特に軽微の受傷者の方の治療に関しましては、お医者さんとともに柔道整復師の先生方も大変ご活躍されているところではあるんですけれども、極端な例と言ってしまえばそれまでなんですけれども、実際に東京地裁、東京高裁では720万円の請求があったものを裁判所が50万円に減額したというふうな裁判例も出ていまして、お医者さんの診療報酬のようにある程度の基準案があれば目安というものがあるんですけれども、柔道整復師さんの施術費については、目安というか、基準というものが今はないような状況ですので、お医者様の診療報酬基準案だけではなくて、そちらのほうもやはりある程度の目安なり基準なりというものをご検討されているという動きがあるのかどうか、それを教えていただきたいと思いますが。

【山下会長】

山上課長、よろしいですか。

【山上保障課長】

柔道整復師のほうも団体を持っていて、適正化のための取り組みを進めているというように存じておりますが、今の裁判のケースは存じ上げませんけれども、仮に保険金の支払いの詐取ということであれば、これはかねてよりあるテーマでありまして、柔道整復師だけに限ったことではないわけです。したがって、支払いの適正化というのは被害者救済という観点が第一ですが、保険金を詐取されずに適正に支払うということもまた必要でありますので、私どもも損保協会さんとともに協力して、必要な取り組みを進めていきたいというように思っております。なお、不適正な保険金支払いについては私ども、厳しく指導監督していきたいと思っています。

【山下会長】

島田委員。

【島田委員】

ちょっと教えていただきたいんですけれども、先ほど保険診療費が全国で6割の医療機関が参加しているというふうにおっしゃったんですけれども、残りの4割が参加していなかったり、約束を守られてなかったりするわけですけれども、その4割に何か特別に指導をしたりとか、強く言ったりとか、そういうことはしているんでしょうか。どういうふうな指導をしていらっしゃるのかということを教えていただきたいんですけど。

【湯目委員】

私のほうから、十分かどうかわからないんですが。

なかなか県別に合意がされた県におきましても、非常に実施率というのが90%を超えるところが何県もある一方で、非常に低率になっているところもございます。それはもう各県のいろいろな医療状況等々もございますでしょうが、比較的、自賠責の基準、これは労災に準拠しているんですが、こういった労災、自賠の扱いというのを健保と別にやるというのが非常にわずらわしいとか、そういったもの、あるいはそもそも何でそういったもので縛られなきゃならないのかという、そもそもの抵抗感みたいなところがかなり多い地域等もございます。そういったところを一つ一つ、地道に協議会等を開きながら、研修等でご理解を願ってきているというのが現状ですが、力及ばず、6割あたりでちょっと低迷しているというような状況です。

【島田委員】

そうすると、例えば事故に遭って運ばれた医療機関の属する県によっては、もしかしたら参加しているところが少なかったりとかするわけですね。

【湯目委員】

はい。

【山下会長】

この問題は長い歴史があって、基準を改定するように努力してきたんですが。

石井委員、どうぞ。

【石井委員】

ご承知だと思うんですけれども、国民皆保険というもの、要するに国保、社保でカバーするというのが1961年、日本で成立したわけです。ですから、その上に準拠する労災保険、自賠責、こういうものは自由診療枠なわけです。また、この自賠責というのは強制と任意と2階建ての保険という運用でここまで来ているわけです。ですから、そういうものをどういうふうに運用していくのが妥当かということを、もう20年前にこういう協定をしながら、平準化しながらやっていきましょうという努力をしているわけで、だから、入ってなければ野放図かという、その議論は、もともとがそういうベースから始まっているものですから、そうではないような努力を重ねているということです。

そしてまた、オーバーシュートしたものはどうなるかというと当然各地にそれの審査の委員がいまして、委員会が運営されて、そういうところでテーブルの上に乗って審査されている。医療費に関してはそういう状況にあるということです。それだけはご理解いただいて、その上で、この基準案の妥当性について、ますます普及、徹底を図っていくというのが今の歴史的な流れだということでご理解ください。

【島田委員】

ありがとうございます。

【山下会長】

田中委員。

【田中委員】

この問題は、例えば岡山と山梨はもうずっとこのまま続いているわけでありますけれども、これは医師会の問題なのか、あるいは最終的に個別の医療機関の問題なのかということもあると思いますけれども、というのは医師会と協定を結んでいても、やっぱり個別の医療機関が納得いかないとできないということになりますと、これは国土交通省だけではなかなかできない、あるいは損保協会だけではなかなかできない。厚生労働省の力もおかりしなければいけない問題なんだと思いますけれども、そういう点では厚生労働省なんかのご意見と考えはいかがなんですか。

【山上保障課長】

もともと、石井委員がおっしゃったように、保険の適用は自由診療ですが、基本ベースは過剰診療をなくそうということで、この診療報酬基準というものをできるだけ適用するようにということで始まっていると思っています。医師会、そして損保協会のリードのもと進んできて、残りは山梨と岡山ということだと思っています。もちろん医師会にも大変協力をいただいていますので、厚生労働省もそういう認識を持っていると思っていますけれども、ベースは先ほど石井委員ご指摘のとおりですので、これを地道に取り組んでいくということだと私は思っております。

【山下会長】

まだご意見があろうかと思いますが、あと重要な報告事項もございますので、この件については、ただいまご報告を伺い、かつさまざまなご意見を伺ったということにして次へ進めさせていただきたいと思います。本日のご意見は各方面でいろいろご参考にしていただければと思います。

それでは、続きまして、平成21年度民間保険会社の運用益の使途につきまして、湯目委員よりご報告をお願いいたします。

【湯目委員】

損害保険会社分の2009年度運用益拠出事業案についてご報告させていただきます。

お手元の資料5、平成21年度民間保険会社の運用益の使途についてというタイトルの資料、この中の2009年度自賠責運用益拠出事業(案)という資料をごらんください。この拠出事業案は、業界で検討いたしました内容を、学識経験者を中心としました委員で構成されております自賠責保険運用益使途選定委員会にお諮りし、ご了承いただいているものでございます。なお、本拠出事業案につきましては、今後、2月19日開催の損保協会の理事会で最終了承を得る予定としております。

それでは、この案のポイントにつきまして、簡単にご説明させていただきます。

まず、2009年度拠出事業案の作成に当たりまして、これまでの自賠責審議会答申、自賠責審議会におけるご意見、それから2001年度自賠法改正時の国会附帯決議、これらなどを踏まえまして、自動車事故の被害者対策を中心に充実させていくということを基本方針としております。

さらに既存事業におきましては、事業報告等を検証し、事業の見直しを行い、必要な事業を充実させる一方で、それ以外の事業は縮減するということにしております。また、2009年度はこの基本方針に加えまして、救急医療体制の整備に資する事業にも重点を置き、検討を行いました。

総額といたしましては、この資料の5ページの一番下に合計欄というのがございますが、この合計欄にございますとおり、21億7,761万円。2008年度支出予定額と比較いたしますと、額にして約1億6,100万円、率にして8.0%の増額となっております。個々の内容につきましては項目が多いため説明は割愛させていただきますが、資料の1ページから4ページにわたり記載されております。

新規の事業といたしましては、ジャンルがA、B、C、D、Eというふうに分かれているんですが、Aの自動車事故防止対策ではマル5マル6の事業、これが1,212万円。それからBの救急医療体制の整備という領域ではマル8マル9で1億812万円。それからCの自動車事故被害者対策では、マル11マル12マル13で1,971万円。新規事業合計で7件、約1億4,000万円を拠出する予定としております。一方、前年度で終了した事業につきましては3件、850万円でございます。このほか、既存の事業の増額案件と減額案件がございます。増額、減額を相殺いたしますと約3,000万円のプラスとなっております。内訳に関しましては資料の増減額に金額を記載しております。

以上によりまして、合計をいたしますと、先ほど申し上げましたとおり、総額として増額になったということでございます。業界といたしましては、今後とも運用益の有効かつ適正な使途のあり方につきまして、さまざまな観点から検討を深めてまいりたいと存じております。

最後に、直近5年間の拠出事業支援額の推移表、それから2007年度の運用益拠出事業の報告書、これらを添付させていただきますので、ご参考としていただければと存じます。

簡単でございますが、以上で2009年度の事業の内容説明とさせていただきます。

【山下会長】

ありがとうございました。

それでは、ただいまのご報告につきましてご意見、ご質問ございますでしょうか。

戸川委員、どうぞ。

【戸川委員】

遺族の会の戸川でございます。

昨年のこの席でも、私は、この運用益の拠出金が年々漸減してきておりまして、それについて、数字というのは非常に我々にイメージとして悪い印象を与えているので何とかしてほしいということで窮状を訴えた記憶がありますけれども、それが今の湯目委員のご報告のとおり、ようやく底を打ったといいますか、上昇したことについては私たちの願いが聞き届けられたのかなというふうに好印象で今受けとめています。

ただ、いずれにしましても、2006年の水準にまではまだ届いていないということで、こういう財政の厳しい時代ではありますけれども、何とかもう一息、頑張っていただきたいなというふうに思います。

それから、個別の問題ですけれども、報告書のほうの一番先にあります警察庁に対する拠出ですね。特にタイトルが自動車事故防止対策ということになっていまして、私は、全体の中で非常に大きなウエートを占めるんですけれども、警察庁の持っている予算から見れば大したことないということで、何となくお殿様に下々の者がまんじゅうか何かをおごったような、上から見ても下から見ても、どうも居心地の悪いような話じゃないかなというふうに受け取っているんですけれども、特に本来こういった交通事故防止対策にかかわるものは税でやるべきものであって、私は、いっそのこと、こんなことはやめて、先ほど医師会の方の委員からありましたように、救急救命のほうの充実とかそういったところにかかるべきではないかなと。もっと目を入れてみますと、この中に、事故防止とありながら、事故が終わった後の事故捜査の実況見分ですとか、鑑識関係とか、こういったふうなものも含まれていますので、この内容をもうちょっと見直す必要があるのかなというふうに思います。

ただ、私は1点、大変期待したいと思っているのは、最近の事故というのは半分くらいが交差点で起きるわけですけれども、交通信号ですね。信号を寄贈されているわけですけれども、これを、ノーマルなものを寄贈されているのが現状だと思うんですけれども、日本の交通信号というのは非常に進んでいるように見えながら、私はそうじゃないと実は思っているんですね。例えば一番近いところで韓国なんかへ行きますと、道路をずっと走ってみますと、前にこういう大きな横長の信号があるんです。丸くないんです。四角いんです。短冊のように。青で走っていますと、青いこういう帯が見える。これがどんどん走っていくと、左側からずっと消えていくんです、時間がたってくると。すなわち、走っている最中に、あとどのぐらいで信号が変わるかということが非常に見やすくなっている。こんなようなものとか、日本でも一部ありますけれども、最近、老人が横断歩道を渡り切れなくて途中で中に閉じ込められた例なんかよくありますけれども、今こういうふうに、横断歩道があとどのぐらいで信号が変わりますよというふうに、三角形のところに矢印でデジタルでありますけれども、これを秒数表示にするというのがあるんですね。日本にもあるそうですけれども、この秒数表示があれば、そういったお年寄りが取り残されるようなことも非常に減るんじゃないかということで、標準的な信号を寄贈するのではなくて、ぜひ私は、損保協会なら損保協会寄贈と柱に書いても結構です。新しい最新の、これはというようなものを寄附していただけるとありがたいなと思います。

それから、報告書のほうの5ページのところです。上から3行目のNPO全国被害者支援ネットワークに対する寄贈というのがあります。額は大したことないんですが、一番右のほうのコメントに書いてありますように、最近、交通事故被害者への支援ウエートは少なくなっているというふうに書いてあります。これは犯罪被害者基本法というのができて以来、内閣府を中心に被害者支援ネットワークに対して金銭的にもさまざまな面で支援をして充実させているわけですけれども、交通事故も犯罪被害者の一部で、一部という言い方はおかしいんですけれども、交通事故の被害者であるというふうに認定されていながら、実際にはこの支援ネットワークというのは、いわゆる刑事犯の被害者の方のウエートが非常に高くなっているのが現状です。現にこの傘下に都民センターというのがありますけれども、そこなどに電話相談に来た者は、私どもでも電話の受付をやっているんですけれども、そちらのほうに回されてくるケースがあるんです。聞いていますと、都民センターから遺族の会にかけてくださいというふうな話があったというような話もあります。それはそれで私たちの会としては大変結構なことだと思っていますけれども、やはり自賠責のお金を使うわけですので、交通事故に対して適正に使われるようにしなきゃいけないと思います。

「2007年度以下のとおり実施した」という中に、2007年の11月25日、犯罪被害者週間全国大会というのがありました。これは毎年、内閣府が定めた全国的な犯罪被害者の週間なんですけれども、これは、7年までは支援ネットワークがお金を出して、それから人的にもサポートして全国大会をやったんですけれども、去年からぱっと手を引かれちゃったんですね。今、先ほど言ったように、この被害者支援ネットワークには一般の刑事犯の人たちが多いんですけれども、唯一この全国大会だけは全国の交通事故の団体がほとんど参加していたんですよ。それが支援を去年で打ち切られて、ことしは本当に手前でもって、素人ながらの運営でやったんですけれども、本当に大変だったというふうに聞いています。私は、もしも自賠責の名前で今後とも拠出されるのであれば、やはり交通事故に対して一番ウエートの高い被害者支援全国大会というものを外していただきたくないなというふうに思います。そんなことで、今ひとつ、これからも拠出金につきましてはよろしくお願いしたいと思います。

先ほど、学識経験者等で委員会をつくって内容を検討されているというふうにお聞きしましたけれども、私でなくてもいいんですけれども、やはりそこの場に、被害者が何を望んでいるかというのを聞く、いわゆる聴聞とか、できれば本当はそのメンバーに加えていただくのが一番いいんでしょうけれども、そのような形にして、生に被害者の声を受けとめるような制度にしていただけるとありがたいなと思います。

以上です。

【山下会長】

北原委員。

【北原委員】

今の戸川さんの話を引き継ぐような形なんですけれども、このお金の使途については学識の委員会で了解を得ているというふうに書いてありますが、まさにその被害者の声というのがそこに入っているかどうかわからない。そうすると、形だけなのか。形だけじゃないかもしれないけれども、その辺、何かお墨つきをもらったよというようなふうに聞こえて、非常に素直に聞き取れないところがあるんです。

それから、ここに出しているのが、運用益の全体像というのを見ると、大体前年に比べてどうなっているというような書き方で、一つの枠の中で同じことの繰り返しになっている。若干どうなりましたということなんですね。

これを見ますと、例えば被害者対策にお金を使いましたと言うけれども、非常に多額なお金が紛争処理センターですか、そういうところに行っていて、本当の被害者のために行っている割合は少ない。被害者のためにと言うけれども、そのお金は講習会のために使った。その講習会のために使ったというのは、そこに集まってくる障害者の方々は、交通事故以外の病気が原因、あるいは不慮の事故が原因、そういう方々の障害者の団体なんですね。そういう方のためにお金を使うこと自身は、私は反対じゃないんです。だけども、自賠責のお金をそこに使うということについてはおかしいと思います。自賠責のお金は交通事故の被害者のために使うということになっているわけですから、そうすると、私たちが納税者としてみんなが負担しているお金、そのお金からこういう今の講習会などは負担すべきであって、何か被害者のために使ったよと言葉で、見せかけの努力をしているように見えるだけ。

だから、私たちが求めているのは、障害者、特に障害者の中でも重度障害者、その方々が非常に介護というものに大変な苦労をしている。この実態を知ってほしいんです。そして、そういう人たちを助けるために、具体的に言えば、例えば療護センターにあるショートステイの枠が非常にない。そういうものをふやすことによって、具体的にこのお金を使って多くの人を救っていただきたい。

それは私のほうで質問という形で、文章がちょっとおかしいかもしれないんですけれども、書いてありますけれども、要するに病気原因、あるいは不慮の事故原因、あるいは交通事故原因の人たちを等しく平等に救うお金はこちらのお金じゃなくて、福祉のお金で使っていただきたい。私たちは税金を納めた上に、自賠責保険も別口で払っているんですから、そのお金は交通事故の被害者のために使っていただきたい。だから、この表を見ると、その指針が反映してないと思うんです。

それから、救急医療体制の整備、それは結構なことだと思いますよ。だけども、この救急医療体制の中で、交通事故の人だけを救うわけじゃないないんですから、交通事故以外の人たちもたくさん救うわけですから、こういうお金もやはり私たちが払った税金のほうから、福祉のお金から見ていただくという考え方を持っていただきたい。

だから、ここに掲げた、例えば交通事故の被害者の家族が、親亡き後どうするのか、その被害者がどうなるんだ。こういう問題は福祉の世界でも言われているんです。だけども、福祉の世界では言われて、それは税金でそういう世界を検討していただきたい。だけれども、そういうところに、例えば私たちが加害者から自賠責のほかにも任意保険を含めて賠償金を取っています。だけども、取っているけれども、本人のために有効に使うことが難しい。親亡き後なんかはそのお金がどうなるか見たら、恐ろしいものがあるんです。

そういうときに、どういうふうにしたら被害者が救われるか、そういうことを考えていただきたい。要はこういう枠の中で、ああだこうだということでなくて、ちょっと枠を広げて考えていただきたい。そして、例えばNASVAの領域と、こちらの領域はすみ分けになっているんですか。よくわからない。NASVAのほうで必要とするようなほうでもこういうお金を使ってもいいのではないかと思います。

よくわからないから教えてほしいんですけれども、資料3の8ページに発生運用益が663億とありますよね。これ税金引いて、当期支出が幾らとなっていますが、こういうところで使うお金との関係がいまいちよくわからん。例えば今の表の資料5の5ページの一番下にまとめた数字が書いてありますけれども、この関係。そしてその割合がどうなっているのか、よくわからん。

そういうことなどを私が質問という形で書いたのに、一応まとめた形で表現しておりますので即答はできないと思うので、私たちが理解できるようにこういうものに答えをいただきたいと思うんです。

要は、もう一度言いますけれども、この枠の中で、ああだこうだ、こういう障害対策がふえたというだけでは足りないんです。講習会にお金をふやして、本来福祉で見るようなジャンルのお金をふやして、それで被害者対策と言ったって、ここは普通の交通事故以外の人もたくさん入っているところのためのお金じゃないですか。自賠責のお金をそれらしく使う方向に知恵を使っていただきたいと思うんです。

【山下会長】

今お二人の委員から、ご質問を含むご意見をいただきましたが、どういうご説明をいただきましょうか。

まず、湯目委員から。

【湯目委員】

私だけで全部答えられるものではないんですが、戸川先生と北原先生の何点かについて、とりあえずお答えしたいと思います。

まず警察等の出捐なんですが、国費によって賄うべきというご意見なんですが、こういったご意見がかつてこの審議会でも一部の先生から出ているということ、そういうご意見があるということは十分我々も承知しております。ただ、実際の国の予算というふうな状況等々から考えますと、大変厳しい状況にあるという中で、やはり実質予算がつく・つかないにかかわらず、被害者救済とか事故防止という観点から考えたらどうなのかというようなところで、一定、今まで拠出したことによってこれらの目的に貢献してきたのではないかと、こういった自負もございまして、続けさせていただいているわけですが、先ほど申しましたご意見等も踏まえて、この何年間かは平均で10%程度ずつ減らしてきております。こういったところでご了解いただきたいなと思っております。

それからもう一つ、交通事故被害者に限定したような支援等々にすべきではないかと、こういったご指摘なんですが、確かに多くの拠出事業等につきましては、必ずしも交通被害者だけを対象としたものばかりではないということで、できるだけそういった方たちのセミナーとか支援等に留意すべきだとは我々思っているんですが、ただ、そういったものに限定してしまう、100%交通事故被害者の方だけの事業に拠出してしまうということに限ってしまいますと、かえって交通事故被害者の方が数多く参加されている事業への支援というものを逆に狭めてしまうというおそれもございます。そういった意味で、我々、ほかの交通事故被害者じゃない方も含めたような事業ですが、その関連が、あえて言えば高い事業というんでしょうか、そういったものに主として拠出させていただいているというふうにご理解いただきたいと思います。

それから、その中で、戸川先生のほうから、被害者ネットワークでしたか、最近は交通事故被害関係の部分が少なくなっているんじゃないかというご指摘なんですが、確かに我々もその辺のところはある程度つかんでおりまして、昨今の被害者支援の中心が交通事故以外の事例になっているということ、その点を考慮しまして、実は7年度、8年度にかけまして、支援額を下げたという経緯がございます。その辺もまた今後とも慎重に実態を見ながら、支援額等、あるいは支援の可否を判断させていただきたいと思っております。

その他ちょっと多々いろいろございましたが、文書でいただいた分につきましては、また文書でお答えするとか、別途回答させていただけたらと思っております。

【山下会長】

戸川委員。

【戸川委員】

今、湯目委員のお答えですけど、1点だけちょっと申し上げたいんですけど、私は被害者支援ネットワークに対する拠出金を切れというふうに言っているわけじゃないんです。むしろそれを残して、交通事故は犯罪の一部なんですから、すべての刑事犯のうちの約8割から9割が交通事故なんですから、交通事故がここから外れることを望んではいないんですよ。むしろ金額を逆にふやしても、交通事故に対する支援をもっとやれというふうなご指導をいただきたいわけです。そこのところ、ちょっとお間違えないようにしていただきたいんですけど。

【山下会長】

よろしいでしょうか。

【湯目委員】

指導ができるかどうかわからないんですが、わかりました。ご意見、参考にさせていただきます。

【山下会長】

北原委員。

【北原委員】

私たちは交通事故の被害者の団体をつくって、NPOをつくって活動しておりますけれども、被害者救済では重度後遺障害者の場合はどうしても民事的な解決ということをせざるを得ないわけですね。そういうときに、例えば福祉で介護料の一部を給付を受けたりしておりますと、損保会社のほうではその分は控除して、足りない分だけを足せばいいじゃないかという論理にもなりがちなんですね。

そうしますと、損保会社のほうでは福祉のほうにお金をどんどん出す。そういう流れというのは、福祉のほうで交通事故の被害者のほうを手厚く、ある程度面倒を見てあげる。そうすると損保会社の負担がその分減る。そういうことにも現実になるんです。それは全部じゃないけれども、部分にそういう部分も出てくるわけなんです。

そういうことを考えたときに、やはり損保会社の立場から言って、余り福祉的なほうに一生懸命やるよりは、もう少し被害者のために使うというふうにこだわってほしいんです。それがないと、だらだらと安易な方向に流れて、何が何だかわからないお金の使い方になると思うんですね。

だから、そういう面で、やはり犯罪被害者、そういう立場、あるいは交通事故の被害者のグループが自助努力で自分たちの生活を取り戻そうとしている。そして、その活動について国に頼らない、税金に頼らないで、自分たちのお金を出し合って活動して、お互いの助け合いで人生を取り戻そうとしている。そういうことに対して、こういう自賠責のお金が目的に合うわけですから、何か使うことができないのか、そういうことも考えていただきたい。紛争処理センターなどには金がいっぱい出されております。そことの違い、その辺も説明いただきたいと思います。

よろしくお願いします。

【山下会長】

湯目委員、どうですか。

【湯目委員】

前段の、自助努力で、しかも交通事故被害者だけの活動を行っているというふうな、そういった団体、私どもとしましても、そういった団体が一定の事業を行っているということで、もしそういった事業への支援ができるか、できないかということであれば、これは当然可能性があるわけで、そういった事業をご推薦いただければ、他の事業と同様に選定を行い、適切であれば対応できるというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。

それから、紛争処理センターにつきましては、先ほどの文書の中にも、質問の中に入っていたと思いますので、そこでまた違いというものは説明させていただきたいと思いますが、1点だけあえて申し上げますと、紛争処理センターへの運用益拠出につきましては、平成12年、2000年6月のこの自賠責保険審議会答申におきまして、やはり運用益のここに対する支出を充実すべきだというご指摘も踏まえてこうなっておりますので、私どもとしては適切な拠出であるというふうに考えております。

以上です。

【山下会長】

福田委員。

【福田委員】

私、この審議会、何回か出席させていただいているんですが、この運用益の使途につきまして、どうも統一した見解というか、それぞれの方々の視点が随分違うように思われまして、北原委員は被害者だけにというようなことを強調されますが、戸川委員のほうは犯罪被害者の中で、やはりそちらのほうでもある程度の許容を認めているように感じがします。これ、どこかで事務局としての統一的な見解なり、あるいは法律根拠ないしは、これをこのような形で活用するということになった経緯等、ざっとまとめていただかない限りは、毎回毎回同じような問題が出てくるのではないかというふうに危惧しますので、どこかで何らかの方法はとれないものでしょうか。

【山下会長】

広重委員。

【広重委員】

それにつきましてですけれども、後遺障害者の方々、交通事故に遭われた方々、それからご遺族の方々、こういう方々が事故の後、非常に大変な思いをなさって、ご苦労なさっているということは察するに余りありますことで、この方々を重視するということは、多分、委員の方、皆様どなたもご反対はなさらないと思うんですね。

ですが、私は日本消費者協会の者でして、消費者の代表として発言させていただきますと、私も出席させていただいている審議会のたびに申し上げていますことですけれども、こういった、真摯に被害者の方ですとか、交通事故の撲滅ですとか、そういうことに全力投球していらっしゃるこういう事業があるということを、事故に遭われる前に国民はみんな知っておくべきではないかなというふうに思うんです。

というのは、私ども消費者相談のところにも交通事故に関するご相談がたびたび寄せられることがございまして、そういった中で、こういうシステムをご存じない方が非常に多いなということが実感ですし、例えば、私事ではございますが、私どもでは30年ぐらい自賠責保険の保険料を拠出させていただいていますが、一度も、ありがたいことかもしれませんけれども、特典にあずかったことはない、恩恵にあずかったことはないような、こういうユーザーの方も多いと思うんですね。

そして、その自賠責保険のことを国民みんなが知らなきゃいけないと思います理由には、例えば自動車を持っている方にとっては自賠責保険は当然のことですし、自動車保険に関心を持っているような方、この方々も自賠責保険のことはよくご存じかと思いますが、この事業の対象になる可能性があるというのは、交通事故の被害に遭われる方全員ですから、自動車にも関心はないし、自動車保険にも関心がない方も対象になり得るわけですね。ですので、その方たちが事前の知識を持つ機会を与えていただくということも消費者にとって、全国民にとって非常に有用なことだと思いますので、そういったところにも力を入れていただきたいという意味では、被害者の方々を軽視するということではなく、この事業にかなった内容だと思いますので、そういった方面でも今のお話の検討に加えていただきたいとぜひ思います。どうぞよろしくお願いします。

【山下会長】

ご意見が非常に多様でございまして、毎年そうなんですけれども、いただいているご意見を少しずつ次の年度の拠出の案に反映していっているという状況ではないかと思います。それぞれのご意見の立場からすれば、まだ不十分な点はいろいろあろうかと思いますが、そういうことで、今年もきょういただきましたご意見をまたご参考にしていただきまして、また損保協会のほうでは次年度以降、いろいろなご検討をしていただければと思います。

なお、個別の事項については損保協会のほうで個別に、あと後日、ご説明はいただけるそうでございますので、もしございましたら損保協会のほうへご連絡いただければと思います。

それでは、先へ進ませていただきまして、今度は平成21年度JA共済の運用益の使途につきまして、今尾特別委員よりご報告をお願いいたします。

【今尾委員】

それでは、資料ナンバー6に基づきましてご報告させていただきます。

この拠出事業につきましては、損保協会さんと同様でありますが、私どもも地域の代表者、それから学識経験者からなる使途選定委員会を設けて、お諮りし、了承されておりますが、今後2月の本会の全共連の理事会で最終決定をしてまいりたいということであります。

私どもの拠出事業は若干特性がありまして、JA共済は、ご案内のとおり、自動車事故被害者対策や事故防止、この2つにつきまして、農村部や山村部を区域とした地帯が非常に広うございますので、こういうところの被害者対策と事故防止対策を重点にこれまで取り組んでまいっておりますし、これまでの自賠審におけるここでのご意見や答申等を踏まえて、有効な手だてを講じてまいりたいということで取り組んでおります。取り組みに当たりましては、被害者のための対策や事故防止対策の充実を図って、さらに既存事業についてもその効果性を、効果が上がるのかどうかといったような調査も踏まえて、順次、軌道修正を図りながらやってきているということであります。

まず、1ページから3ページに、その概要についてのみご説明させていただきたいと思います。

まず、Aの自動車事故防止対策でありますが、2009年の計画額は総額4億2,480万円で、2008年と同額としております。特に近年増加傾向にある高齢者の事故防止、そして幼児向けの交通安全教室、この2つを中心に前年度の取り組みを継続してまいりたいと。

続きまして、Bの救急医療体制の整備でありますが、地域の救急医療を担う病院等への救急医療機器購入費用補助事業につきまして、引き続き2009年度も同額を計画しております。

次に、Cの自動車事故被害者対策でありますが、計画額は2億1,720万円で、今年度の実績や支援先からの要請等を踏まえて設定しました。2008年度から若干減少しておりますが、減少している理由の一つは、自賠責制度の周知活動の実施というのがCのマル1にありますが、このポスターの関係でありますので、活動内容そのものから減少しているというふうには考えておりません。さらに被害者救済に資することを目的といたしました交通事故に関する有効な医療研究の支援事業について助成件数をふやし、計画額を増額しております。2009年度の合計額は17億4,150万円となっております。若干前年度よりも70万円減少しておりますけれども、これは先ほど申し上げましたとおり、ポスターの関係でありますので、実質の活動には支障はないというふうに、前年度と比べて活動量を減少するのではないというふうに考えております。

なお、その次のページに、ページ数が振ってありませんが、自賠責共済運用益拠出額の過去の推移、さらに参考として2007年度の活動実績のご報告の資料を掲載しておりますので、後ほどごらんいただければというふうに思います。

以上です。

【山下会長】

ありがとうございました。ただいまのご報告につきまして、ご質問、ご意見ございませんでしょうか。よろしゅうございましょうか。

それでは、ご報告を承ったということで先に進めさせていただきたいと思います。

それでは、続きまして、平成21年度自動車安全特別会計の運用益の使途につきまして、国土交通省山上保障課長よりご報告をお願いいたします。

【山上保障課長】

それでは、旧自賠責特会―現在は自動車安全特別会計という名前に変わりましたが―の運用益活用事業についてご報告をさせていただきます。

まず、1ページ目でございますが、独立行政法人自動車事故対策機構に対する助成をまとめてございます。19年度予算額、決算額、そして20年度予算額、21年度の予算案、増減額、増減率ということで整理をしています。

まず、1つ目ですが、自動車事故対策費補助金ということでまとめております。主なものは重度後遺障害者に対する介護料の支給でございます。30億余で計上してございます。

それから、次の柱としては、自動車事故対策機構の施設整備費補助金というのが真ん中のほうに書いてございます。これは自動車事故対策機構が運営している療護センター、全国に4つございますが、遷延性意識障害を負われた方の治療を行う療護センターでありますが、その療護センターにおける医療機器の整備に充てる費用として、21年度予算としては4億5,500万余を計上してございます。

最後に、独立行政法人自動車事故対策機構運営費交付金でございまして、21年度の予算案として78億余を計上しております。これは自動車事故対策機構の業務経費を計上しております。例えば療護センターの運営経費ですとか、運行管理者の指導講習等々に充てる費用です。

以上、合計いたしまして、21年度の予算案としては113億9,000万ほど計上してございます。

続きまして、2ページ目をご覧いただきたいのですが、2ページ目からは自動車事故対策費補助金ということで、各種団体に対する補助事業を掲載してございます。

まず被害者保護増進対策という柱でくくっております事業でございますが、1つ目が自動車事故医療体制整備事業ということで、救急医療機器の整備事業に2億2,900万計上してございます。

それから、重度後遺障害者を受け入れる短期入院協力病院という制度を今やっておりますが、その協力病院の受け入れ体制の整備に必要な費用として7,300万計上してございます。

次に、高等学校の交通遺児授業料減免事業、6,000万。

自動車事故救急法の普及事業、これはAEDとか事故に遭われた方の救急法を指導教育するという事業ですが、1,000万。

そして、紛争処理機関が行う紛争処理業務、これは、保険金の支払いについて裁判外での紛争処理手段としてこの機構を設けてございますが、その業務経費として1億5,000万計上しています。

それから、財団法人日弁連交通事故相談センター。このセンターでは、事故に遭われた方が無料の法律相談を受けることができます。あるいは無料で示談のあっ旋を受けることができます。その業務経費として5億7,000万計上してございます。

また、交通遺児育成基金事業ということで、遺児の方に対する育成資金の給付に必要な費用として1億4,550万計上してございます。

1枚めくっていただきまして、被害者保護増進対策の最後になりますが、無保険車防止対策事業ということで、3,750万計上してございます。自賠責保険は強制保険でございますが、たまに、ついうっかりして忘れたという方がいらっしゃったりします。無保険車による事故が起きれば、政府保障事業ということで、政府が保障金の支払いを行うことで被害者救済に当たり、後ほど無保険で運転しておられた方から債権回収を行うということをやっているわけですが、そもそも無保険という事態が違法な状態ですから、無保険車を少しでも無くすというための提案を広く募って、必要な経費を提案者に助成するということで計上してございます。

以上、被害者保護増進対策にかかる補助金として12億7,500万計上してございます。

4ページ、5ページ目が自動車事故発生防止対策の柱として立ててございます。1つ目の星印ですが、自動車運送事業の安全・円滑化等総合対策事業ということで計上してございますが、1つはバスの走行環境の整備に必要な補助金として13億。そして大型トラックの衝突被害軽減ブレーキに必要な補助金として3億6,600万ほど計上してございます。

それから、次の自動車事故防止事業ですが、昨年度20年度予算額として1億6,600万ほど計上していましたが、真ん中のほうに書いてございます安全運転研修事業以下、7事業に分けて細分化して事業を行っていましたが、これを立て直しまして、組み替えて、大くくりにして提案を募る形に補助事業を組み替えてございます。下の3つが組み替え後の姿でございます。

まず、自動車事故分析事業ということで3,000万。

それから、安全運転推進事業ということで、自動車の運転をされる方、高齢者とか若年層がやはり事故が多いものですから、そうした方を念頭に置いておりますが、そういった方に対する安全運転の研修、そうした事業の補助として6,500万計上してございます。

それから、交通安全教育普及事業ということで、実際に自動車を運転されない方に対する教育、そういうことが必要ではないかと、先ほど委員からもご指摘ありましたが、地方自治体が生徒さんに交通安全教育を施す場合の助成を行うことが、少しでも被害者の数を減らし、救済に資するのではないかということで、大くくりにして2,000万、補助事業経費として計上してございます。

それから、1ページおめくりいただきまして、5ページですが、中小トラック事業者に対する支援ということで、20年度にトラック事業の安全対策リーディングモデル創出事業ということで3,000万計上してございました。ここで中小トラックの利用者が安全対策で先進的な取り組みを行っておられる場合、実証実験として、モデルケースとしてとらえ、それを広く中小のトラック事業さんにも普及させようという事業でありまして、今実施中ですが、モデル事業ですので、これを今年度で組み替えて、来年度は3,200万、実際に安全対策事業を中小トラック事業者さんが共同で行ったりする場合の事業費の補助ということで計上してございます。

最後は、安全運転指導事業ということで、タクシーの客待ちによる交通事故を減らすための指導事業ということで4,000万計上してございます。

以上、事故発生防止対策で18億余でありまして、合計が一番下の145億3,000万であります。対前年度比2.8%減ということになっていますが、減少の理由としては、1つは自動車事故対策機構の運営費交付金、これが2億ほど減ってございますが、その減った分については自己収入比率を高めることによって対応しています。また、交通遺児関係の経費がやはり減少になっていますが、これは交通事故の減少に伴って遺児の数も減ってございますので、それに伴う減少ということが中心になってございます。

駆け足でございますが、以上が来年度の姿でございます。

最後に、予算だけでは説明できない取り組みもございますので、一番最後に参考として添付してございますが、自動車損害賠償保障制度に係る最近の主な取組状況ということでございます。これは政府再保険廃止に伴う自賠法改正のときに、5年後にしっかり見直しを行うようにということで、平成18年に有識者の懇談会を国交省の中に設けまして、被害者救済対策についてご提言をいただいたわけでありますが、その後、順次実施してまいりました最近の主な取り組みについてご紹介するものでございます。

まず、一番最初、一般病院への療護センター機能の委託ということで、療護センターは全国に4つございますが、北海道と九州地区については空白地域ではないかという問題意識のもと、北海道と九州地区について、地元の非常に高い医療水準を誇る病院に対して委託を行うことによって、療護センターで受けられるような専門的な治療・看護の受診機会を拡充しました。20年度から北海道で6床が12床に増床、九州では10床が20床に増床をしております。

2番目に、短期入院協力病院の拡充ということでございますが、北原委員からご指摘がありましたが、療護センター機能でも実は短期入院を1床認めておりますが、それを増床してくれないかという要請が、北原さんのところをはじめとして、被害者団体の方からございます。しかし、療護センターについては遷延性意識障害者の治療をすることが本来の目的でありますので、これを増床するということはその治療の機会を奪うことになりますので、そういうことではなく、短期入院協力病院という指定を増やすことによって対応をしようとしています。

ご提言では各都道府県に1以上、協力病院を指定すべきということでありましたが、平成13年度以降取り組んでまいりまして、現在、全国で67病院を指定してございます。20年度も追加指定の予定でございまして、おそらく80近い病院を指定できると思います。

3番目でありますが、広重委員の指摘にも関連すると思いますが、交通事故被害者への情報提供体制の整備、あるいは運転されている方、事故に遭われるかもしれない方に対するいわゆる情報提供でありますが、まず交通事故被害者に対する情報提供として、平成19年10月に自動車事故対策機構にホットラインを設けまして、以後、ご相談に応じてまいりました。事故件数が減っている中で相談件数は増えてございまして、認知度が高まってきたということかと思います。警察のご協力などもいただいて、事故証明書を郵送する場合の、これは自動車安全運転センターにやっていただいていますが、その封筒にこのNASVAのホットラインを印刷していただいたりして、そういうところで徐々に認知度が高まってまいりました。

また、昨年のこの審議会の場でもご指摘がありました、国交省、金融庁のホームページはどうなのかというご指摘があり、20年度から国交省のホームページのトップページに自賠責保険のポータルサイトを立ち上げました。FAQも相当充実させたので、ぜひご覧いただいて、またご意見をいただければと思います。

それから、4番目ですが、被害者保護企画官の設置ということです。被害者団体との連絡の強化、そして関係省庁、厚労省さんとか警察庁、自治体との連携の強化ということで、20年7月から保障課に設置をしております。私の隣に座っている高木が企画官として20年7月から任務に当たっております。

それと5番目、親亡き後問題への対応ということで、北原委員からもご指摘がありましたが、まず実態把握を20年度からすべきということでやっておりまして、関係者による検討会において現在検討中でございます。

それから、自賠責保険金の支払適正化措置ということで、これは保険会社さんにもご協力いただき、紛争処理機構さんにもご尽力いただいて、被害者の理解、信頼を得る、そういう保険金の支払いを行うということで、取り組みを進めていただいてございます。

7番目が、衝突被害軽減ブレーキほか、中小トラック事業者に対する助成。

その他として、自賠責保険の時効を2年から3年に延長してございます。

以上でございます。

【山下会長】

ありがとうございました。

それではただいまのご報告について、ご質問は。

西原委員、どうぞ。

【西原委員】

今回、審議会に初めて出まして、これは自動車安全特別会計だけの問題ではなくて、今ずっとお聞きしました民間保険会社、それからJA共済、それから特別会計の関係、全体を見まして、非常にこの資料自体が、いわゆる支出額の増減が中心で、過年度の分の活動実態というのは出ているんですけれども、いわゆる定性的な部分も含めた政策評価というか、そういったところをもうちょっと強化すべきではないのかなと。要するに、今後重点的にこういったところにもっと力を入れる、あるいは活動の見直しが必要になってくる、あるいは時代的な背景の中でこんな視点で今後検討する、今どういう課題があるんだと。

ちょっと仕事をふやしちゃって申しわけないんですけれども、そういったところで、やはりこれからの活動につなげるための、いわゆるそれぞれの事業自体の透明性をある面高める部分というものと、いわゆるPDCAを確実に回すためにも、そういった視点でちょっと今後の中でこの資料自体の、ご説明の中でいろいろあるんですけれども、トータル的に理解するためにも、そういった観点でのご検討をお願いできないかなというのが1点。

もう一つは、それぞれのその団体ごとの、当然、活動上、ある面、目的の部分でちょっと共通する部分と、それぞれの得意とする分野があると思うんですけれども、そういった中で、3者の考え方のすり合わせとか、例えばある面、時代の変化の中で機動的あるいは重点的に、活動をトータルでどう効果的に進めるのかというような協力体制というか、すり合わせというか、そういったものをちょっと検討すべき状況に来ているのではないかなと。

例えば道交法改正に伴って、いわゆる飲酒運転の関係の予防的な部分を少し強化するということであれば、それぞれの得意分野の中でどこにどういった分野をそれぞれがカバーし合っていくというところでやるとか、そういったところも含めて、トータルとして一番効果が出るような活動にするためにはどういう努力が必要かという観点で、今後の中でちょっとご検討いただけないかなというふうに思います。

それと、一つ印象なんですけど、冒頭も出たんですけれども、私もやはり印象として、国の予算と、いわゆる自賠責の運用益の中での活動の部分との仕分けなり考え方なりというところをもうちょっと整理していくべきではないかなということをつくづく実感しましたので、これはちょっとこの自賠審の中ではないのかもしれませんが、別途どこかの中でこれは検討すべき課題ではないかなということをご意見として申し上げておきたいと思います。

【山下会長】

一応の考え方というのは過去の経緯の中からあるとは思うんですが、だんだんそれを積み重ねて少しずつ変わっていっているような状況かと思います。どこかで整理する、それは意味があることかもしれないというふうに、私個人は思いますね。

山上課長。

【山上保障課長】

なかなかお答えする機会がなくて、北原さんや皆さんからご質問をいただいていたと思うのですが、まず、私ども、旧自賠特会の運用益の活用事業については法律でしっかりと枠組みが決まっていて、法律に基づいて自動車事故対策計画というものをつくっておりまして、それを告示して、その計画に則って事業を進めております。

事業のすみ分けというお話が出ておりますけれども、基本的に私ども特会の事業は、国の一般の社会保障でありますとか、交通安全対策、警察庁さんが進めておられるような対策で十分対応できないような分野について、自動車損害賠償保障制度という観点から対応を図るものでありまして、公的な支援を行うということだと思っております。

他方、損保協会さんとJAさんの事業については、これは民間の視点で、かつ公的支援と矛盾がないように進めていく、そういう事業だと思っています。例えば介護料の支給というのは30億行っておりますが、福祉の世界では65歳以上になりますと介護保険ということで介護に対する給付があるわけですが、交通事故の特有な事情として、やはり若い人の重度後遺障害者という方が多いんです。そういった方の介護の支援を行うという意味で介護料の支給を行っている。今のは一例ですが、そういうことで、我々は福祉施策とも重複がないように厚労省さんとも調整をしながら進めていっているわけであります。

また、ちょっと細かい話ですが、救急医療機器の整備がございました。交通事故の被害者だけに使うようにというお話がありましたが、それを限定すると本当に医療の現場でうまくいくかどうかという問題があると思うのと、私ども実際、補助を交付するに当たっては、実際にこれまで交通事故の被害者の方にどれだけ使ったか等の実績をとりまして、申請に実績あるいは見込みを書いていただいて、その上で、より利用が望めそうな病院に対して救急医療機器の整備の補助を行っているところでございます。

ですので、私どもの有識者懇談会でメンバーになっておられる方もおられますが、日々、私や被害者保護企画官を含めて、被害者の団体の方の意見、声には耳をなるべく傾けて、言いたいことを言っていただく。我々もできないことはできないというように申し上げて、そういう信頼関係をつくっていきたいと思っております。

【山下会長】

ほかにいかがですか。

戸川委員。

【戸川委員】

きょうお手元に「世界道路交通被害者の日」というチラシを1枚添付させていただきましたけれども、昨年のこの委員会で、私は「世界交通事故犠牲者の日」という、実は同じ名前のものなんですけれども、それの趣旨をちょっと説明させていただきました。

当時は、先ほど言ったように、「世界交通事故犠牲者の日」と呼んでいたんですが、イギリスでつくった元の名前は「World Day of Remembrance for Road Traffic Victims」、日本語に訳しますと、むしろこちらの言葉のほうが近いのではないかということで「世界道路交通被害者の日」という名前に改めました。

それで、昨年お願いしたのは、こういう催し物を、何とか国あるいは地方の行政というようなところで主導を持ってやっていただけないかということをお願いしたわけですが、私たちの力及ばず、残念ながらそういった話にならなかったわけです。ということで、私たちは、仕方ないというとちょっと語弊があるんですけれども、昨年11月16日に私どもの会だけで、独自にこの「世界道路交通被害者の日」というのを実施しました。一般の会員の方たち、私たちの会員のほかに、一般の交通事故の犠牲者の方や、あるいは市民の方も含めまして、約200人ぐらい、虎ノ門の日本財団ビルでやったわけですけれども、例のタレントの風見しんごさんなんかもここに参加していただいて、それはそれなりに内容的にはかなり密度の濃い立派な会ができたんじゃないかと思います。それから、同じような趣旨の記念日を大阪とか札幌でも行っておりまして、徐々にこういった運動に民間が取り組み始めているということを申し上げおきたいと思います。

ただ、私たちは、こういった行事はうちの会だけでやっても全く意味のないことですし、すべての交通事故犠牲者が仮に全部集まったとしても意味のないことなんです。世界から交通事故をなくしていこうということについては、交通事故に遭ったことのない一般の市民の方たちが参加するようなものがあって初めてこういった趣旨が貫徹できるんじゃないかというふうに思っているわけで、去年お願いしたように、やはりこういった行事というのは、政府や、あるいは地方の行政庁といったところが、資金面あるいはさまざまな技術の面、そういった面、会場の面、こういったもので支援して指導してやっていただきたいというのを改めてお願いしておきたいと思います。

去年も言いましたけれども、これは国連総会で議決された記念日です。既に世界各国で実行されているわけですけれども、今、日本では、残念ながら政府も地方行政も一切これについてはタッチされていないわけですけれども、国連で議決されたこういった大きなイベントを全く何もしないで放置しておくということは、やはり交通事故に対する日本の取り組みという姿勢が世界的にはまだまだ足りないというふうに見られることになってしまうんじゃないかと思います。

ここにいらっしゃる方はもちろん、これを実行できる方ばかりとは限りませんけれども、ぜひこういったものをご理解いただいて、関係方面とか、それから先ほどの運用益の拠出金なんかもありますけれども、こういったところにもぜひ目を向けていただきたいなということでお願いしたいと思います。

以上です。

【山下会長】

それでは定刻としていたところを少し回りましたので、本日の議事はこれで終わりたいと思います。全体につきまして、特にございませんでしょうか。

河野審議官、どうぞ。

【河野審議官】

本日は、改めまして、委員の皆様には活発なご議論、大変ありがとうございました。

今日伺っていまして、なかなか皆さん全て満足していただけるような結論というのは、この分野では難しいということも痛感いたしましたけれども、それだけにやはり政策決定プロセスの透明性というのは非常に重要であると思いますし、そういう意味で本日、この議事の公開につきまして、当審議会としましても一歩踏み出していただきましたので、ぜひ今後ともますます活発なご議論と、この審議会としての発信という面でもご理解、ご協力とともに、ご指導もいただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【山下会長】

それでは、本日はこれで終了したいと思います。

どうもありがとうございました。

以上

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金融庁Tel 03-3506-6000(代表)
監督局保険課
(内線3772)

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