第128回自動車損害賠償責任保険審議会議事録

1.日時:平成23年1月14日(金)10時00分~12時00分

2.場所:中央合同庁舎第7号館西館13階 共用第1特別会議室

【山下会長】

それでは、時間がまいりましたので、ただいまより第128回自動車損害賠償責任保険審議会を開催いたします。本日はご多用のところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

お手元に、当審議会の公開ルールについてお配りしておりますが、これにのっとりまして、本日の審議はすべて公開ということで進めさせていただきます。

また、新たに就任されました委員の方をご紹介申し上げたいと思います。

まず、落合委員でいらっしゃいます。

【落合委員】

落合でございます。どうかよろしくお願いいたします。

【山下会長】

小野委員でいらっしゃいます。

【小野委員】

小野でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【山下会長】

鈴木委員でいらっしゃいます。

【鈴木委員】

鈴木でございます。よろしくお願いいたします。

【山下会長】

中村委員でいらっしゃいます。

【中村委員】

中村でございます。よろしくお願いいたします。

【山下会長】

藤川委員でいらっしゃいます。

【藤川委員】

藤川でございます。よろしくお願いいたします。

【山下会長】

ありがとうございました。どうかよろしくお願いいたします。

なお、萩尾委員、広重委員、堀田委員におかれましては所用のため欠席されております。高橋委員は後ほど来られると思います。

ここでカメラ撮りの方はご退室いただきますようお願いいたします。

(カメラ退室)

【山下会長】

それでは議事に移りますが、本日の議題としては、お手元の議事次第にありますように、自賠責保険料率の検証結果に関する報告のほか、幾つかの報告事項がございます。

それでは、まず事務局より事務資料の確認をお願いいたします。

【白川保険課長】

ありがとうございます。保険課長の白川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

私のほうから議事の次第に従いましてご説明申し上げます。

まず、議題1は、自賠責保険の基準料率について検証結果をご報告してもらうものでございまして、これについては資料1と右の上に付されている資料が対応いたします。

議題2は報告事項となっておりまして、議事次第に書いてあります5点が議題になります。これにつきましては、それぞれに対応しまして資料2から資料6までございますので、ご確認いただきたいと思います。

その他、今、会長からもお話がありました当審議会の公開ルールの紙、それから、本日やむを得ず欠席しておられます萩尾委員から資料の提出をいただいておりますので、これをお配りいたしております。

もし資料の不足がございましたら、お知らせ願います。

【山下会長】

よろしゅうございましょうか。

それでは、まず議題1の料率検証結果についてご報告をいただき、ご議論いただきたいと思います。実際に料率検証の作業を行われました損害保険料率算出機構から鈴木委員に概要をご説明いただき、その後、事務局から補足していただきたいと思います。

それでは、鈴木委員、よろしくお願いいたします。

【鈴木委員】

損害保険料率算出機構の鈴木でございます。よろしくお願いいたします。

それでは、22年度の検証結果につきまして、資料1に沿ってご説明させていただきます。

まず、1ページの自賠責保険・共済収支表をごらんください。この表では、自賠責事業を行っております全事業者の収入純保険料、支払保険金、収支残、損害率につきまして、過年度の推移及び今回の検証の対象年度であります22契約年度及び23契約年度の予測値を載せております。

表の一番左側の収入純保険料をごらんいただきますと、平成14年度以降、19年度まではおおむね9,000億円台で推移しておりましたが、平成20年4月に純保険料率を36.3%引き下げたことによりまして、平成20年度以降、6,000億円台での推移となっております。また、今回の検証の対象であります22年度、23年度でごらんいただきますと、収入純保険料は22年度が6,001億円、その下の23年度は5,979億円、また、その右側の支払保険金につきましては、22年度が8,357億円、23年度が8,366億円と見込んでおります。

以上の収入純保険料と支払保険金との差額が次の収支残高の欄でございますが、22年度が2,356億円の赤字、23年度が2,386億円の赤字となっております。また、一番右側に損害率の欄がございます。支払保険金を収入純保険料で割った値でございますが、これが22年度では139.3%、23年度では139.9%となっております。

したがいまして、下の欄外の注3にございますように、平成20年4月の基準料率改定の際の予定損害率は133.8%でございましたが、これより若干損害率が悪化する見込みとなっております。

このように、前回改定時の見込みとの比較で収支が若干悪化しております状況につきましては、既に昨年及び一昨年の検証結果でも同様の傾向となっておりましたけれども、今年度の検証結果によって、こうした状況がより明らかになってきたというふうに考えております。

以上が今年度の検証結果でございます。

続きまして、今年度検証結果の背景及び要因等についてご説明をさせていただきます。

2ページをごらんいただきたいと思います。このページの交通事故の発生状況は、警察庁の交通事故統計によるものでございます。初めに、左側の発生件数をごらんいただきますと、平成16年あたりが約95万2,000件とピークでございまして、その後は減少傾向となっておりましたが、21年以降、その減少率がやや鈍化しております。なお、平成22年の発生件数の見込みといたしましては72万4,000件強となっております。死者数、負傷者数の推移につきましても同様に、近年減少傾向が続いておりますが、21年以降はその減少傾向にやや鈍化の兆しが見られている状況にございます。

次に、3ページをごらんいただきたいと思います。3ページでは、料率検証における主な予測要因についてご説明しております。まず、(1)の収入純保険料に関する予測要因としましては、過年度の保有車両数の動向を参考に将来年度の保有車両数を推計しておりまして、22年度、23年度ともにマイナス0.1%と若干の減少と見込んでおります。次に、(2)の支払保険金の予測に当たり、前提となりますのがマル1の事故率とマル2の平均支払保険金でございます。なお、ここでの事故率と申しますのは、あくまでも事故統計そのものではなくて、自賠責保険・共済金の支払いの対象になる事故率という数字を意味しております。まず、マル1の事故率でございますが、こちらにつきましては、過年度の事故率の動向及び先ほどご説明いたしました交通事故発生状況などを参考として算出しております。

3ページの表には、死亡、後遺障害、傷害別の予測値を記載しておりますが、申しわけありません、先に4ページをごらんいただきたいと思います。この4ページでは、死亡、後遺障害、傷害の事故率の過去の実績値と今後の見込みを、グラフと表でお示ししております。

まず、左端の死亡の事故率をごらんいただきますと、過年度の動向といたしましては、17年度以降一貫して減少傾向となっております。一方、先ほど交通事故の動向についてごらんいただきましたけれども、交通事故死者数の減少率は、21年以降鈍化している状況にございます。このため、22年度以降の死亡事故率は21年度と同率の0.00629%で推移するものと予測してございます。

次に、表の右端の傷害の事故率をご説明させていただきます。17年度以降、おおむね減少傾向での推移でございますが、交通事故負傷者数の動向も、21年以降は減少率に鈍化が見られる状況にございますことから、死亡と同様、22年度以降の傷害事故率につきましては、21年度と同率の1.35804%で予測をしております。

最後は、表の中央の後遺障害の事故率でございます。こちらにつきましては、17年度以降増加傾向で推移しておりますが、20年度以降、対前年度比ではその増加割合に縮小傾向が見られております。また、今年度に入ってからの直近の動向といたしましても、私ども損保料率機構の調査事務所での後遺障害事故の受付件数が、対前年同期比でほぼ横ばいとなっております。

以上の点を勘案いたしまして、ここ数年続いておりました後遺障害事故率の増加傾向も今後は落ちつくものと見込み、22年度以降につきましては、21年度と同率の0.08369%で推移するものと予測してございます。

ここで、過年度における後遺障害の事故率の増加傾向について若干補足してご説明いたしますと、ここ数年顕著な増加傾向が見られましたのは、後遺障害の14級でございますが、その内訳は、受傷部位では頸部、症状では局部の神経症状ということで、いわゆるむち打ち症の事案がその多くを占めております。ただし、これらの認定実務におきましては、医師の後遺障害診断書の提出を必須としており、加えて、個々の事案につきまして事故との因果関係などの面も含め、確認を行っております。また、後遺障害に限らず個別事案の損害調査、支払いに当たりましては、損保業界、当機構ともに不正、不当請求が混入することのないよう精査を行っておりまして、不正請求事案につきましては、警察ご当局からの要請に基づき可能な限り情報提供や連携に努めているところでございます。

したがいまして、認定件数が増加した理由といたしましては、やはり保険金請求に関する丁寧なご案内などの取り組みが浸透した結果、請求件数自体が増加したといったことがその背景となっているものと考えております。

なお、5ページをごらんいただきますと、以上ご説明しました今年度の検証結果における死亡、傷害、後遺障害それぞれの事故率につきまして、平成20年4月の基準料率改定時に見込んだ事故率と比較しております。

まず、左の死亡についてですが、20年4月の改定時には、18年度までの実績データに基づきまして20年度の事故率を0.00731%と見込んでおりましたが、その後、交通事故死者数が減少いたしました結果、今年度検証では20年度の事故率は0.00658%と見込んでおります。

次に、傷害の事故率につきましては、20年4月の基準料率改定時に、20年度の事故率を1.34253%と見込んでおりましたが、今年度検証の20年度の事故率の見込みは1.32992%と、ほぼ改定時の見込みどおりとなっております。

最後に、真ん中の後遺障害の事故率でございますが、20年4月の基準料率改定時には、20年度の見込みを0.06276%としておりましたが、先ほどご説明しましたとおり、近年請求件数自体の増加に伴って認定件数が増加しました結果、今年度検証では、20年度の事故率を0.08196%と見込んでおりまして、改定時の見込みとの比較では大幅な上昇ということになっております。

以上が事故率に関する説明でございます。

続きまして、申しわけございませんが、資料3ページに戻っていただきまして、(2)の平均支払保険金についてご説明させていただきます。支払保険金に影響を与える要因としましては、賃金、治療費の上昇率及び支払基準の改定の影響による上昇率が主な要素となっております。

このうち、賃金上昇率につきましては、ここ3年ほど賃金指数の減少が続いておりましたが、22年度に入りましてから、わずかながらではありますが、むしろ上昇傾向となっております。しかしながら、景気の動向等、引き続き予断を許さない状況の中、賃金指数の反転を見込める状況にはございませんので、22年度以降据え置きということで予測をしております。

また、治療費上昇率につきましては、過去5カ年の治療費日額の動向がほぼ横ばいとなっておりますことから、こちらにつきましても22年度以降据え置きで見込んでおります。

なお、治療費につきましては、柔道整復関係の施術料の動向にも影響されるところではございますが、支払い全体に占める柔道整復関連の件数構成比はいまだ約7%程度と小さく、また直近年度では施術料単価もほぼ横ばいの推移となっております。さらに、この点に関しましては、平成21年11月の行政刷新会議や昨年10月末の会計検査院から厚生労働大臣あての意見表明において、多部位請求、あるいは施術期間の長期化に関する問題が指摘されたところでございますので、今後、その影響も見られてくるものと思います。したがいまして、本件につきましては引き続きその動向を注視していく必要があると考えております。

続きまして、治療費、休業損害及び慰謝料の単価等を定めております支払基準の改定による影響でございますが、22年4月に最新の生命表に基づいて、支払基準における就労可能年数、平均余命の見直しが行われましたことから、22年度の影響として死亡、傷害、後遺障害、合計で0.42%の上昇を見込んでおります。23年度につきましては、過去の支払基準改定における実績を踏まえた保守的な見積もりを行いまして、0.14%の上昇を見込んでおります。

続きまして、6ページをごらんいただきたいと思います。6ページは、自賠責保険・共済の支払件数及び平均支払保険金の推移の表でございます。この表は3ページ及び4ページに基づきまして、自賠責保険・共済の支払件数、平均支払保険金を算出いたしまして、その推移を一覧表にしたものでございます。表のタイトルに契約年度とありますが、当該年度において契約を締結した車両が引き起こした事故による、保険期間が長期の場合でも、その年度の通算した支払件数と平均支払保険金を集計したものとなっております。

なお、19年度と20年度につきましては、例年と比べ、支払件数の推移がやや不規則となっておりますが、これは20年4月に基準料率の大幅な引き下げを実施したため、いわゆる継ぎ足し契約が行われたことによる影響となっております。この継ぎ足し契約と申しますのは、具体的には、19年度末の20年2月、3月など、料率引き下げの直前に満期を迎えた契約者の方が、4月の料率引き下げまでの1カ月、2カ月といった期間についてだけ、改定前の高い保険料で短期契約を締結してつないでおいて、残りの保険期間については引き下げとなった安い保険料で契約を締結するというパターンの契約でございます。

したがいまして、19年度と20年度の支払い件数の動向がやや不規則となっております点は、異常値と見られますので、直近の全体傾向としては、この影響がない18年度とその影響が抜けた21年度以降を対比してごらんいただければよろしいかと思います。

これで見ますと、死亡につきましては、18年度が5,651件であったのに対しまして、21年度以降は5,100件台にまで減少した後、横ばいで推移するものとなっております。これに対して後遺障害につきましては、18年度が6万2,647件であったのに対しまして、21年度以降は6万8,000件台で高どまりでの推移となり、傷害につきましても、18年度の108万4,625件に対しまして、21年度以降は111万件程度まで増加した後、ほぼ横ばいでの推移というふうになっております。

他方、平均支払保険金をごらんいただきますと、死亡、後遺障害、傷害のいずれも近年は小幅な変動での推移となっております。

次に、7ページをごらんいただきたいと思います。7ページは自賠責保険・共済の支払保険金の総額の推移でございまして、前の6ページの支払件数と平均支払保険金を掛け合わせて求めております。こちらにつきましても、先ほど同様、18年度と、21年度以降の比較でごらんいただきますと、主に支払件数の変動の影響により、死亡につきましては、18年度対比で21年度以降のほうが減少しておりますけれども、後遺障害及び傷害につきましては、18年度時点より21年度以降のほうが増加しております。また、一番右の欄が合計になっておりまして、死亡、後遺障害、傷害の全体でも、21年度以降は18年度に比較して若干の増加となっております。この合計欄の22年度の8,357億円、23年度8,366億円という値が、冒頭の1ページの収支表でご説明いたしました支払保険金の22年度、23年度の値となっております。

続きまして、8ページをごらんいただきたいと思います。8ページはご参考として、重度後遺障害の支払件数の推移をまとめてございます。集計の対象は、注1にございますように、現行の後遺障害等級表の別表第一に該当する介護を要する後遺障害、それと別表第二の1級から3級までに該当いたします後遺障害でございまして、これらが労働能力喪失率100%とされる後遺障害でございます。なお、現行の等級表は14年度から実施されたものでございまして、13年度以前は別表第一と第二に分かれておりませんでしたので、この表の上では、13年度以前のものは別表第二ということで集計してございます。それぞれの等級の支払件数の合計が一番右の欄にございますが、重度後遺障害の支払件数としては、依然として2,100人を超える方が被害に遭われている状況となっております。

なお、平成18年6月に、国土交通省のいわゆる「自賠責のあり方懇」において、別表に該当する高次脳機能障害の認定システムに関するフォローアップ強化のご指摘が行われたことを受けて、高次脳機能障害が見過ごされることのないよう、調査様式の改善等の取り組みを進めておりますが、こうした認定態勢の整備による補償の充実といった点も、前回改定時との対比で、内のりとして、後遺障害保険金の支払いが増加した一つの要因となっているものと思われます。

続きまして、9ページをごらんいただきたいと思います。9ページは自賠責保険、自賠責共済の運用益の発生と積立状況を参考として添付しているものでございます。詳細は割愛させていただきますが、例えば損害保険会社の例でごらんいただきますと、一番右に積立金残高がございます。これが21年度末で2,674億円、これに税の軽減効果を勘案いたしますと、その下の括弧書きの4,187億円ということになっております。

なお、表の下の注3をごらんいただきますと、運用益の積み立てに対する法人税等の取り扱いを記載してございますが、21年度末における法人税等を加算した後の積立金残高は、損保会社、共済事業者合計で4,772億円ということになっております。この累積運用益は、保険料の引き下げなど自賠責保険の収支調整の財源として活用されるものでございます。

続きまして、10ページをごらんいただきたいと思います。10ページは自賠責保険の社費・共済経費の収支表でございまして、全事業者の社費の収支につきまして、ご参考までに過去の実績を示したものでございます。自賠責保険では、社費につきましてもノーロス・ノープロフィットの原則によって、その累計収支残を考慮して収支が均衡するように料率が設定されております。このため、具体的に申しますと、平成20年4月改定の社費算出に当たりましては、19年度までの社費の収支の累計黒字を5年間で契約者に還元するということとしておりまして、現行の社費の料率水準は24年度末に過去の累計収支の黒字がゼロになるという設定となっております。

最後に、11ページでございますが、こちらは今までにご説明させていただきました内容のポイントをまとめたものとなっております。(1)にございますように、20年4月の基準料率改定における予定損害率は133.8%でございましたが、(2)の表の本年度検証結果である22年度、23年度の損害率は、この予定損害率と比較して悪化しているという状況になっております。

この予定損害率との比較での損害率の悪化につきまして、その要因でございますが、まず損害率の分母となります収入純保険料は保有車両数の減少によって減少しております。これに対しまして、損害率の分子となります保険金の支払いは、先ほどご説明いたしましたように、死亡事故につきましては交通事故死者数の減少の結果、改定時の見込みより支出の減少が見込まれ、また傷害事故についてはほぼ改定時の見込みどおりの推移となっておりますが、他方、後遺障害につきましては支出の増加が見込まれるという状況になっております。この結果、死亡、傷害、後遺障害を合計いたしました全体の支出は、純保険料収入の減少ほどには減らないものと見込まれ、このため、今年度の検証結果としての損害率が、予定損害率133.8%との対比で悪化した要因となっているところでございます。

私からのご説明は以上でございます。

【白川保険課長】

それでは、事務局のほうから若干補足説明をさせていただきます。資料としては、今の11ページに沿う形にいたします。

まず、平成20年4月から適用されております現在の料率は、19年度末時点にありました約1兆円の財源、これは過去の黒字の累積と運用益とを足し合わせた合計としての1兆円でございました。これを24年度までの5年間でユーザーに還元する。つまり保険料割引のために均等に使って減らしていこうという前提で、現在の大幅な赤字料率が決められていたということでございます。

その際に、るる説明しておりますけれども、予定しておりました損害率は133.8%でございました。しかしながら、この損害率の見込みにつきましては、先ほどご説明がありましたとおり、22年度の損害率の見通しは予定した損害率を5%ポイントほど上回る139.3%と見込まれ、23年度では139.9%と見込まれており、支払額が想定より多くなっている状況でございます。こうした損害率の上振れの結果、還元財源の減少が想定以上に進んでおります。

具体的に申しますと、今年度22年度末の時点では、還元財源は4,000億円程度あるだろうと想定しておったところでございますけれども、実際には今年度末には2,700億円程度ということで下振れております。来年度末、23年度末には600億円程度まで減少する見込みでございまして、再来年度、24年度には還元財源が早々に底をつくことが見込まれております。その結果、24年度末には赤字が1,700億円程度に達する状況でございます。

私、事務局からの説明は以上でございます。

【山下会長】

ありがとうございました。

それでは、ただいまの料率検証結果のご報告と補足説明に関しまして、ご質問、ご意見をいただきたいと思います。お願いいたします。

落合委員。

【落合委員】

私、自賠責保険・共済紛争処理機構の理事長を務めております関係で、ただいまの料率算出機構からのご説明に付加する情報として、紛争処理事案のほうが一体どうなっているだろうかということにつきましてご報告をさせていただきたいと思います。

3点にわたってお話ししたいと思いますけれども、その第1点は、自賠責保険・共済紛争処理機構の紛争処理申請の受付件数がどのように推移しているかということであります。21年度は953件ございまして、これは前年度と対比いたしますと17.5%増であります。そして本年度はどうかといいますと、これは4月から12月までの段階ではありますが、726件、前年同期比では10.0%増となっておりまして、これも相当顕著な増加傾向にございます。

第2点は紛争処理件数の内訳でありますが、21年度は後遺障害が全体の84.5%を占める651件で、前年度比7.2%増でありましたが、本年度も同じように、4月から12月までの後遺障害の件数ですが、全体の87.4%を占めておりまして、609件ございました。そして、これは前年同期比でありますと30.1%増でありまして、紛争処理件数の内訳でも後遺障害の伸びは大変著しいものがございます。

それから最後の第3点ですが、紛争処理の調停につきまして、機構がどのような体制で行っているかということでありますけれども、弁護士38名、専門医50名、それから学識経験者17名、全体で105名の体制で、連日東京と大阪の事務所におきまして紛争処理委員会を開催し、鋭意審査を行っております。その結果、審査の大半を占める後遺障害についての調停の結果は、21年度につきましては651件の審査の結果、80件変更を行っている。これは変更率が12.3%ということであります。本年度も4月から12月までの期間でありますけれども、609件の審査をいたしました結果、そのうち85件を変更しております。変更率は14.0%。

これが紛争処理事案という面から見ました自賠責保険・共済紛争処理機構の状況であるということで、ご報告させていただきました。

【山下会長】

ありがとうございました。

福田委員。

【福田委員】

この検証結果によりますと、24年で今までの累積が底をつくという話ですから、自賠責のノーロス・ノープロフィットの趣旨からいくと、損害率に従って保険料を上げていかなければならないということになってしまうわけですけれども、これについてはどういうふうな状況なんですか。どなたに聞いたらよろしいでしょうか。そういうふうな見方でよろしいんでしょうか。この累計収支残と当年度収支残から損害率の推移を見た場合に、このように読んでよろしいかということですが。

【山下会長】

ご報告のインプリケーションがどういうことかというご質問ですが、これは鈴木委員にお願いできますか。

【鈴木委員】

私どもは料率検証をミッションとして行って、結果は先ほどご説明したとおりですが、お話に出ておりますとおり、ノーロス・ノープロフィットの原則で考えれば、どこかで必ず調整が必要なレベルだと思っておりますので、これをどういうやり方でやっていくかというのは、まさしくこの場でのご論議のテーマになると思います。

【山下会長】

ご意見をいただければと思いますが。藤川委員。

【藤川委員】

現在の経済状況からすると、今後、消費税の増税の件もありますが、さまざまな税収が減っているということで、増税をしていくということは、現在の経済危機において追い詰められている消費者、国民、ユーザーにとって非常に負担が大きいだろうと思います。

問題は収入純保険料ですが、保険料全体としてどの程度あるのか、いわゆる純保険料とする場合、事務管理費を引いたりしますが、その辺の額を情報公開していただきたい。

それから、支払保険金に関しては、平成20年は9,000億いっておりますが、大体治療費に関しては平均16万円、治療期間に関しては51日、治療実日数は13日と、ほとんど5年、10年変わっていません。治療に関して自動車保険の概況を見ても、そういうデータが出ております。

平成14年に再保険制度がなくなって、損保側が自賠責を取り扱うようになって、一括の支払い関係が9割近くになっておりますが、事務管理費が損保と自賠責でも相当融通できるようになってきています。損保関係は物損がメーンですが、物損に関しても、自賠責の人身傷害に関しても、調査をするときには同一にできるわけです。だから事務管理費の節約をすると、純保険料というものも8,000億、6,000億、5,000億と減ってきていますが、事務管理費がさらに有効的に活用されれば、この純保険料を維持できるのではないか。

一つ、収入保険料、いわゆるユーザーから取る保険料が少なくなっている原因は、車の小型化、乗用車から小型や、軽自動車を持っている方がバイクに変えたり、経済状況が苦しくなって一般国民が節約しているからです。そういうことで保険料が下がったというならば、やはり業界のタクシー、バス、トラック等、任意保険に入っていないところがあり、我々一般の国民は民間保険料も払いながら、今度、自賠責保険料をまた上げられるとなると、新聞によりますと損保側の一般の任意保険関係も上がってくるという情報が入ってきていますので、国民にとって自動車社会の中で非常に不安感を抱いていると思います。その辺に関して、純粋に足らなくなったから、ノーロス・ノープロフィットで上げていいということではなくて、さらなる支出の面での努力はできないのだろうかということを期待しております。

【山下会長】

西原委員。

【西原委員】

私も今の藤川委員とほぼ同様の認識を持っているんですが、それを論議するためにも、まず、本日の進め方の観点で、報告事項すべて、要するに今回の内容についてすべてご説明いただいた上で、特に料率の関係も含めまして、かなり重大な状況であるというふうに認識していますので、その上で各委員からの意見を集約されるというのが進め方としてよろしいのではないかということで、提案させていただきます。

【山下会長】

要するに、議題の報告事項に上がっていることを先にというご提案でございますか。そのようなことも考えられるとは思うのですが、これはかなり詳細なものにもなりますので、詳細なご報告は後ほどお願いするということにしてありますので、今ご関心を持たれておりますような経費の支出等の効率化であるとか内容の合理化というあたりについて、概括的に、それぞれの報告をご予定されている方々に、この時点で少し先取りして要点をご説明するということではいかがでございましょうか。よろしゅうございましょうか。

それでは、国土交通省八木課長のほうからお願いいたします。

【八木保障課長】

国土交通省の自動車交通局保障課長をしております八木でございます。よろしくお願いいたします。

要点だけをということですので、実は資料5と6で詳しい資料を用意してございますが、いわゆる国の運用益事業につきましては、昨年の事業仕分けの結果などを踏まえまして、ごく概括的に申し上げれば、予算全体としては対前年度3%カットいたしました。その中身につきましては、事業仕分けで、交通事故の発生防止対策から、直接被害者の救済に資するような事業にシフトしていくべきではないかということを含む趣旨のご指摘をいただきました。そういった趣旨を踏まえて、かなりの程度内容に関しても見直しをさせていただいて、より自賠責制度の趣旨にダイレクトに沿うような形で見直しをさせていただいたということが一つでございます。

また、今のご指摘に沿うものといたしまして、報告事項の資料6の中で、関連事項としてちょっと触れさせていただきたいと思っておりますのが、一般会計からの繰り戻しの問題も関係するかと思います。かつて私どもの特別会計から一般会計に繰り入れをした、貸し出しをしたお金が、23年度末現在で6,000億円強という金額に上っております。これを昨年何とか少しでも繰り戻してもらえないかという交渉をして、これは毎年やっているわけですが、努力してまいりました。が、結論といたしましては、ご承知のとおりの非常に厳しい財政状況という中で、どうしても繰り戻しを実現することはかなわなかったという結論でございます。

これまでの繰り戻しの期限が23年度ということですので、23年度予算が決着する段階で、今後どうするかということに関しましては、基本的に合意のレベルを落とさないような形で、平成24年度から平成30年度までの7年間を新たな期限と設定いたしまして、それまでの間にこのお金を繰り戻すということで、財務省との間では約束をさせていただいたという決着となってございます。

私からは以上2点でございます。

【山下会長】

同じく、ご質問があった事項に関連して、日本損害保険協会や全共連からも何か補足的にご説明をいただけるとありがたいと思います。

【中村委員】

損保協会の中村です。先ほど無駄があるのではないかというご指摘だったと思いますので、損保業界でやっております拠出事業の効率的な運営について少し補足させていただければと思います。

資料は3でございまして、後ほど報告する予定でございましたけれども、そちらをあけていただきますと、一番最初のページに、Aの欄ですけれども、自動車事故防止対策というのがございます。その一番下のマル6に「交通事故防止用機器の寄贈」ということで、警視庁となっておりますけれども、この辺の問題については、内容については記載のとおり、被害者保護に資するものと考えておりますけれども、この事業そのものは国がやるのではないかという観点から、ここ数年、毎年10%程度削減を図っております。また、同時に、これは代表的な一つの事例ですけれども、これ以外にも、その他事業につきましても基本的に3カ年を一区切りに区切りまして、事業が効果的か、さらに効率的に運営されているかという観点で検証を行った上で、継続の是非等について判断させていただくということで、極力無駄を省くことでやっております。

以上です。

【山下会長】

社費のあたりについても若干ご質問があったかと思いますが。

【中村委員】

社費のことにつきましては、民間会社として社費の経営努力というのは当然のことでございますけれども、一つの具体的事例ということでございますので、参考でございますけれども、基本的な社費の考え方は、経営努力ということですけれども、損保料率機構による検証を通じて、保険料に反映する仕組みとなっております。具体的に申し上げますと、平成14年4月から平成20年4月の間で、1件当たり6.7%、約300円の社費の減少を見ております。これも人件費等の企業努力でやった次第でございます。

以上です。

【白川保険課長】

今の社費の部分について、事務局として、金融庁として、付加保険料の額・幅がユーザー様がご負担される保険料の一部をなしているものですから、私どもも非常に関心を持ってございます。現在のところ、社費の計算方法について定められている基準があって、それに基づいて計算いたしますと、報告のございましたとおり、ノーロス・ノープロフィットであるわけでございますけれども、社費の計算方法が、現在のIT化・合理化が進んでいる状況のもとで本当に適正かどうかということについては、今回、純保険料の部分を見直さざるを得ない客観情勢にあるということにかんがみまして、社費の部分、場合によっては代理店に支払っております手数料の部分も含めまして、もう一度見直し作業をする必要があるというふうに我々としては考えておりまして、ここについては損保業界、損保料率機構と作業を始めていきたいと思っております。

【山下会長】

小野委員、何か共済の関係で補足していただくことはございますか。

【小野委員】

特にございませんけれども、後ほど運用益の使途についてはご報告申し上げます。

【山下会長】

では、高橋委員。

【高橋委員】

今の社費の点ですけれども、付加保険料率というのは、社費と代理店手数料の2本立てだと思うので、代理店手数料の変化についても伺いたいのと、今見直し作業を始めるということだったのですけれども、19年度、20年度の引き下げの前に、自家用自動車2年契約が3万円を超える保険料率のときに7,000円近い付加保険料だったと思うんです。それが現在どのように変化しているのか、それを数字で見せていただかないと、努力がどうなのかということが理解できません。そのあたりはいつ、どのような形で示していただけるのか。きょうもし保険料を決めなければいけないとすれば、それがないと議論にならないのではないかと感じます。

【白川保険課長】

現在の保険料率2万2,470円は、普通の自家用自動車の2年契約の場合ですが、そのうち純保険料部分が1万5,571円で、社費の部分が損害調査費と営業費に分かれるんですけれども、それぞれ1,780円、3,469円になっております。それに加えまして、高橋委員ご指摘のとおり、付加保険料の中には代理店手数料も入っておりまして、これにつきましては1件当たり1,600円というふうに今決まっております。この内容が現在の現状に照らして適正かどうかということを見直そうということでございまして、この見直し作業につきましては、非常に細かい作業をしてこの社費の計算方法を決めておりますので、少しお時間をいただく必要がございまして、現在、先ほども申しましたけれども、損保協会、料率機構様と作業を開始したいという意向を当局としては伝えておりまして、今後の作業の進め方については、もし補足説明していただけると助かります。

【中村委員】

損保業界としましても、先ほど申し上げましたとおり、かなり経営努力をずっと行ってきました。しかし、いろいろなご意見、また当局のご意見もちょうだいしまして、さらには当局の指導のもとに、さらなる合理化という視点でこの付加率の見直しについて前向きに協会としても考えていきたいと考えております。

【山下会長】

西原委員。

【西原委員】

ただいまの社費の関係については、私どもは大変重大な関心を持っております。ある面ノーロス・ノープロフィットを担保するベースになる部分でもありまして、そういう面では今いろいろ努力されるということですが、どういう体制で、いつまでにやられるのか。きちんとした検証等々については、当然関係者間なりにはあるんですが、そのことの是非について、その中身自体、あるいは努力については、少なくとも今の段階では透明性が持たれていないというふうに私どもは判断していまして、その検討についてはぜひユーザー代表も含めて入れていただきたい。削減努力というものが本当にステークホルダー全体の納得性のあるものかどうか、そのこと自体を検証させていただきたいと思っております。

【山下会長】

高橋委員。

【高橋委員】

先ほど金融庁さんからご紹介いただいた内容と私が持っております19年度の数字を比較しますと、代理店手数料は1,600円のまま変わらない。そして損害調査費のほうは1,934円が1,780円に下がっていると思うんですが、営業費のほうが3,355円が3,469円に上がっているんです。この辺は何が原因なのか、値上がりの部分について質問させていただきます。

【山下会長】

鈴木委員。

【鈴木委員】

申しわけありません。私ども業界からいただいた数字をベースに集計はしているんですけれども、具体的な中身が、どういう要因になっているかというところまではフォローしておりませんものでしたから、中村さんのほうでもしわかれば……。

【白川保険課長】

すみません。では、私が理解しているところを申しますと、社費については計算基準というのが設けられていまして、それにつきましては、保険契約をするのにどういう手順がかかるかというのをアンケート調査をとりまして、平均的な事務量を定めております。それについては金融庁も関与した形で設定しておるわけですけれども、それに基づきまして、各社の平均的なそういう業務に携わる職員の給与水準を掛け算いたしまして、損害調査費、営業費を計算しているというのが大まかな骨格でございまして、それは各社の給与の状況等も踏まえて、若干微妙な毎年の変化はあるかもしれませんけれども、計算の仕方自体はここ数年一貫しているというのが私の理解でございます。

【山下会長】

藤川委員。

【藤川委員】

20年度、21年度の収入保険料は、自賠責保険に関しては、過去において大体1兆円前後で推移していたと思います。それが今どの程度になって、そしてこのデータとしての純保険料として、6,000億、7,000億という数字がある。自賠責保険の収入保険料が現在どのくらいあるのか。

以前、10年以上前に、任意保険と自賠責保険を合わせて、損害率61%という数字が厳然と出ているわけです。それがこの10年間、情報が公開されていませんからわかりませんが、現実には、任意保険が経営努力をされて黒字なのは当然―民間企業ですから黒字じゃないと倒産するわけですから、企業努力は当然されていると思いますが、自賠責保険に関しては、本来ノーロス・ノープロフィットでいくならば、61%という損害率がどういう根拠によって出てきているのかというのは非常に興味があります。やはり自賠責の収入保険料ということは、この純保険料と共に収入保険料を情報公開しなければ、国民にはやはり理解できないと思います。

【白川保険課長】

私がちょっと差し出がましいんですけれども、先ほど鈴木委員から説明のありました資料1の1ページの左側に自賠責保険・共済の収支表がございますが、一番左側に収入純保険料とございまして、22年度で6,001億円、それに対して支払保険金が8,357億円ということが出ております。それから、付加保険料、社費の部分でございますけれども、それにつきましては10ページ、自賠責保険社費・共済経費収支表というのがございますが、収入社費が一番左側の欄で、21年度2,170億円に対して、支出した社費が2,258億円ということで、若干の赤字になっているということでございます。

【山下会長】

状況は以上のようです。

【藤川委員】

この2つの表を見て加算せよというわけですね。

【白川保険課長】

はい、そうです。

【藤川委員】

そういう表現ではなくて、収入保険料としてきちんと横に数字を出してくださいとお願いしているわけです。そういうことをしないと、足す作業をしないといけないという手続は、やはり非常に不親切ではないかなと思います。

【鈴木委員】

すみません。そういう意味では私どものほうがデータをとっておりますので、基本的に、こういう場では純保険料を中心にお話をさせていただいて、分析的にデータを用意しましたけれども、それは今後きちんとトータルで出すように。それから、今の資料の中にはそれが載っていないんですけれども、先ほど白川課長からご説明がありました純保険料と社費、実はこれにさらに代理店手数料を加えないとトータルの数字にならないんですが、その数字は、もし必要であれば、また追って正確に出せるようにします。

【山下会長】

これまで料率検証結果についてはいろいろなご質問をいただいております。それぞれ重要なご質問で、今後の検討を要する事項もあろうかと思いますが、本日の審議会といたしましては、料率検証結果を踏まえて、今後どう考えていくかということもご意見をいただかないといけないわけでございます。現在の料率水準は、先ほどもご報告にございましたとおり、平成19年度末時点の累積運用益等の約1兆円を自動車ユーザーへ還元する財源として使うということで、平成20年度から続けているものでございます。損害率が悪化し、この財源が予定より早く減少し、残り少なくなってきたということでございますから、今後、料率をどうすべきかという点について、審議会としての考え方を示すべきではなかろうかと思っております。

料率について幾つか考え方があろうかと思いますが、例えばということでございますが、1つ目の考え方としては、財源がぎりぎり残る23年度までは現行料率で据え置いて、財源が枯渇する24年度から一気に適正な料率水準に戻すという考え方があろうかと思います。また、2つ目の考え方は、今の時点で損害率の上振れが明らかになっておりますので、23年度から、まずは損害率の上振れに応じた料率の引き上げを行っておく。その上で、自動車ユーザーへ還元する財源が枯渇する2年後の25年度に本来の料率水準に戻す。そういう意味での2段階での引き上げという考え方もあろうかと思います。これは例えばということで申し上げておりますが、そうした考え方を含めまして、引き続きこの問題についての皆様方からのご意見をいただければと思います。

西原委員。

【西原委員】

基本的認識と、先ほどの社費の関係で申し上げたこととも重なる部分がありますけれども、何点か申し上げたいと思います。

一つは、自賠責保険制度自体が、ある面日本特有と言ってもいいと思うんですが、自動車ユーザーによる共助のシステムだと。したがって、このシステムを持続的に運営していくためには、当然自動車ユーザーにとっても納得性のある安定的な保険料であることが不可欠だというのがまず基本だろうと思います。

もう一つは、自動車自体が既に社会インフラの一部となっておりまして、特に地方においてはまさに生活の足として生活必需品、いわゆる自動車がなくては生活自体が成り立たないという状況がございます。現状の日本経済の停滞の中において、ここで保険料率を引き上げるというのは、特に複数保有の多い地方、疲弊している地方の家計に重大な影響を与えるということで、ここは極めて慎重な判断が求められるだろうというふうに考えております。

いずれにしても、先ほどご説明の状況を見たときに、積立金をユーザーに還元しているという状況がかなり危機的な状況に来ていることは認識いたしますし、いずれ保険料率のところで調節せざるを得ないということは認識いたしますが、その前提となる部分をしっかりと認識を合わせて検証していく必要があるだろうなと思います。

先ほどご説明があった中も含めて何点か申し上げますと、いわゆる事業仕分けの関係はいい意味の効果もあって、ユーザーからも保険料率のあり方については今大変高い関心を持たれている。これは制度自体のあり方についても関心が高まっていると思っています。先ほどもありましたが、自動車安全特会から一般会計への6,000億円の繰入金の問題、あるいは事故対策事業をはじめとした制度にかかわるさまざまな、社費の話も出ましたが、それぞれの運用益の使途の関係についても、不透明な部分といいますか、我々としてはまだまだ見えない部分が多々ございます。こういった部分をどういう形でクリアにしていくか、その道筋がなければ、保険料率の引き上げについては、ユーザー感情としてはとても納得できないだろうというのが率直なところだと思います。

何点か具体的に申し上げますと、一つは、一般会計からの繰り戻しの関係であります。先ほど国交省のほうからもお話がありました。ユーザーの保険料、このことの繰り戻しという観点については、これまでも審議会において、そのための努力を強く国交省に求めてきた経過がございます。その中で、今回改めて延長したという判断、その根拠というものをもう少しクリアにしていく必要があるだろう。その際に、国交省と財務省とどのようなやりとりがなされたのか。そして、この7年という根拠は一体何なのか。そもそもこの覚書自体を少なくともこの審議会でオープンにすべきだというふうに思います。

それから、これは後ほど詳しくご説明があろうかと思いますが、民間保険会社、国、あるいはJA共済等々の事業の中身自体の精査という部分がございます。これはそれぞれの事業主体の役割分担の問題、これは一般会計の関係もありますし、特別会計からの国の事業との関係、それから民間事業の役割、先ほど来委員の皆さんからも何点か、その観点での話がございました。いわゆるノーロス・ノープロフィットの事業運用益で拠出する必然性というもの、あるいは事業にかかわる効果的な使途のあり方について、透明性も含めて、そのあり方自体をしっかりと論議する必要があるだろうと思っています。

ちょっと具体例を申し上げますと、例えば国、民間保険会社、JA共済、それぞれでさまざまな事業を行っております。その一つ一つの事業自体は極めて有益なものだろうとは思います。ただ、政策効率というものをいかに高めていくのか、かつ効率的にやるのかといったときに、事業主体のあり方自体はもう一度きちんと検証すべきだと思います。例えば医療機器の購入補助。これはこれまでも審議会の中で私も申し上げてきましたが、支出先は異なるけれども、やっている内容は同じという事業は幾つもございます。これが本当にトータルとしての効果的な事業なのかどうか。あと緊急ヘリの普及推進事業等々についても同じようなことが言えるのではないか。

2点目として申し上げるのは、ノーロス・ノープロフィットの事業運用益で対応する必然性ということであります。これも前に一度申し上げたことがあるかもしれませんが、交通事故無料相談事業支援という事業があります。これはある面、任意保険の支払いにもかかわる事業を自賠責保険の運用益を拠出する必然性、ここはやはりもう一度検証すべきではないか。先ほど任意保険と自賠責保険との関係の部分での区分けといいますか、そこの区分というのはどうかという話がございました。

それから、寄附・寄贈という形で、救急医療機器とか、さまざまな機材の寄贈というのが、損保協会さん、あるいはJA共済さんのほうでやられていますけれども、そもそも寄贈とか寄附という行為は、これは任意保険の事業自体の中で、本来、企業のCSRの観点でやるのであれば、ユーザーから集めたお金の中から拠出するのはいかがなものかと、正直そういうふうに思います。そういった部分での検証もやはり必要ではないかと思います。

それから、先ほどの部分でまだお答えいただいていないんですが、社費の関係についても、先ほど来出ておりますとおり、調査費、営業費、手数料等々についての一つの基準。ただ、どうもベースはそれぞれの企業からの、いわゆる事業体からのアンケート調査に基づく。こういった事業の中で、さまざまな努力がなされていることは信じますけれども、この制度が、本当にコストダウンのための、効果的に使途するためのインセンティブが働くのかどうか。したがって、そこはやはり外部からの、あるいは関係者からの、特に自動車ユーザーからの関与によって、そこを検証する必要があるのではないかと思っております。

いろいろ申し上げましたけれども、保険料率を引き上げざるを得ない状況だとしても、契約年度によるユーザー間の不公平感とか家計への負担増を踏まえれば、急激な保険料率の変動というのは、私は理解されないというふうに思います。少なくとも保険料率の引き上げを行う際には、先ほど来申し上げました一般会計への繰入金のあり方の問題、あるいは真に効果のある被害者対策事業をきちんとやっていく、そのための抜本的な見直し、これは、国も民間事業も含めての精査というものをどういう形で進めていくのかという姿が明確にならない限り、そのことの理解というのはなかなか難しいだろうと思います。

一つ、国交省で自賠責制度のあり方に係る懇談会というのがございます。こことの連携も図りながら、少なくとも保険料率をどう効果的に必要な事業に資するのか、そのための仕組みをどういう形で進めていくのか、こういった今私が申し上げたようなことに対する方向性なり時期というものを明確にしていただく、このことがやはり理解する前提ではないかというふうに考えます。

いろいろ申し上げましたが、そういうことでひとつお受けとめいただければありがたいと思います。

【山下会長】

田中委員、どうぞ。

【田中委員】

西原委員の言われたことと全く同趣旨でございまして、現在の損害率を133.8と想定している以上は、33.8の部分は積立益から出ているわけですから、これが枯渇すれば、いつかは上げなければいけないという構造的な問題は当然あるわけです。

問題は、今お話しのように、ユーザーを納得させる環境をどうやって整備していくかということですけれども、私は今までのいろいろな一般会計への繰り入れの問題も含めて努力が足りないと思います。ここでいろいろな問題が出ましたけれども、例えば一般会計に約6,000億円ぐらい繰り入れて、それを戻すにいたしましても、事故対策勘定と保障勘定に戻ってくるわけですから、仕組みとしてはユーザーの軽減負担に戻ってこないんですけれども、そういうことを含めて、その6,000億円をもう一回議論して、ユーザーに戻る仕組みができるのか、できないのかというところまで議論を深めていった上で、なおかつ料率を上げなければいけないのかということも一つ考えていただきたい。

その上で、どうしてもユーザーの負担軽減には結びつかない。要するに、事故対策勘定と保障勘定で完結したいというのであれば、これをどうやって特別会計に戻し入れるかということ。今までは覚書で延ばしましたという極めて安易なやり方なので、例えば24年から30年度であるとしたら、この年度では幾ら返すか。借金には返す計画が当然あるはずなので、それが全く示されないで30年まで延ばしましたというのでは、だれも納得ができない。やはりこの年度は幾ら返します、この年度は幾ら返します、全体として返しますという計画があって初めて納得がいくので、それが何もなくて、30年度までというと、恐らくこのままだと35年、40年とみんな考えてしまう。そういう状況では納得できないので、繰り入れる、あるいは今申し上げたように6,000億円余が負担軽減につながるような形で使われないにしても、その形をきちっと明らかにしていただきたい。そういうことによって引き上げの環境がきちんと整備できて、また納得できるだろうと思うんです。

今お話しのように、この問題は、8,000万台余の車があるわけですから、特に地方なんかは非常に疲弊していますし、ある意味の逆進性みたいなものがあるわけです。非常に疲弊しているところに車はたくさん持っているわけです。そういうところで上がっていくわけですから、そういうこともよく考えていただいて、気の配り方みたいなものをやった上で、なおかつ上げなければいけないという説明をしていただきたい。また、上げるにいたしましても、今お話がありましたように、一気に上げるということは余り好ましいことではないので、激変緩和というか、なだらかに上げていく。しかも、上げるときに、こういう形で上げますよという全体を示した上で、こういう形で上げていきますとぜひ示していただきたい。

いろいろ申し上げましたけれども、いずれにしても、今までのような、例えば一般会計への繰入れの繰り戻しについてのご努力のありようでは、とても納得できるような状況ではないと私は思います。

【山下会長】

ほかにいかがでしょうか。

福田委員。

【福田委員】

段階的に上げざるを得ないと私も思います。ただ、今まで出てきた議論の中で私がちょっと気になるのは、政府の一般会計へ繰り入れている部分については、2兆円の累積運用益があった際に、20分の11と20分の9に分けて、11については契約者還元をして、9については被害者保護のための基本的な財源とするということで合意して、法律改正されたわけなので、そこも含めて考え直すということになるんでしょうか。基本的には、今この料率に反映する問題としては、一般会計の分はまた別の話であって、純保険料の計算を考えるに当たっては、直接リンクさせる必要はないのではないか、むしろそれは別のところで議論していく問題ではないかというふうに考えますけれども。

【山下会長】

この件について、いろいろご意見を伺いました。

【白川保険課長】

一つ。

【山下会長】

では、お願いします。

【白川保険課長】

厳しいご指摘を幾つもいただきまして、事務局として答えられる部分と答えられない部分があるんですけれども、できる部分について幾つかお答えしたいと思います。

一つは、あり方懇で、被害者対策、事故対策に絡むさまざまな支出をしていることについて、もっと役所間の連携も強めて総合的に検討すべきだという西原委員のご指摘は、非常に重く受けとめておりまして、これは国土交通省さんと今後しっかり話をいたしますけれども、金融庁としてもあり方懇に何らかの形で出席するような形で、連携をさらに深めていきたいなというふうに思っております。

それから、社費の問題につきまして透明性が足りないというご指摘は真摯に受けとめたいと思っておりまして、その検討の結果、こうなりましたという結果だけをお示しするわけではなくて、その検討の過程で、恐らく来年の自賠責審議会にその検討の途中経過のところでご報告を申し上げ、いろいろご指摘をいただいた上で新しい基準をつくって、私どもの気持ちとしては、できれば社費の縮減につなげていきたいというふうに考えております。

【山下会長】

という事務局からのコメントもいただきました。

いずれにしても、我々としては今後の料率のあり方を考えざるを得ないということは、先ほど申し上げたとおりでございまして、その点については、例えばということで2つのことを私が申し上げましたが、そのうちの1段階というよりは2段階ということで、段階的に調整するほうがよかろうというのが、きょうのところは多くのご意見ではなかったかと思います。

他方、今、事務局からも今後どういうふうに対応するかのご説明をいただきましたが、やはり料率の調整の前提ないしは環境整備ということで、いろいろ検討してほしいというご意見も強くいただいたところでございますので、その点も踏まえまして、ご意見が多かった2段階での料率引き上げ案、すなわち23年度に料率の調整を始め、25年度に本来の料率水準に戻す案に基づいて、料率機構に来年度の料率の案を計算していただいた上で、次回のこの自賠責審議会において引き続きご審議いただくということがよいのではないかと考えますが、いかがでございましょうか。

西原委員。

【西原委員】

基本的に、今のあれで、だと思いますけれども、先ほど来出ているさまざまなクリアしていただきたいという要請、あるいは一般会計への繰入れの覚書の取り扱いも含めまして、時期、タイミング、先ほどの検討の体制、そういった部分については、当然、次の自賠審の中で一定の方向が出されるものということで理解してよろしいのかどうか、そこをちょっと確認させていただきたいと思います。

【白川保険課長】

ことしの4月から段階的引き上げの第1段階目を行おうとしますと、結構スケジュールがタイトで、来週にも具体的な料率案をテーブルに置いて、この議論を続けたいと思っておりまして、そういう意味ではスケジュールとしてはタイトなものですから、どこまでお答えできるかは、これからさらに努力をいたしますけれども、今いただいた宿題に対する、その時点でできる限りのお答えをさせていただいた上で、ご議論いただきたいと思います。

【山下会長】

いろいろご指摘いただいた問題も、過去からの積み重ねがあって、それぞれ非常に絡み合って、個別の問題ごとに検討すべき問題が大変多いと思っておりますが、この審議会がこれをそう長く何回もやっていくわけにはいきません。そういう意味では、ご提案があったりご質問があった事項について、すべて次回のときまでに解決しないとということになると、そこはちょっと難しいかと思いますが、今後、どういうふうに対応していくのかというプランニングも含めて、ある程度考え方を整理していただくということになろうかと思いますが、そういうことでよろしゅうございましょうか。

もしそういうお取りまとめでご異論がないようでございましたら、もう一回繰り返しますと、2段階の料率引き上げ案、すなわち23年度に料率の調整を始め、25年度に本来の料率水準に戻す案に基づいて料率の案を計算していただいた上で、次回のこの審議会でご検討いただくということにさせていただきたいと思います。

よろしゅうございますね。

この件は以上にいたしまして、損害保険料率算出機構におかれましては、そういう意味で速やかにご計算をいただきまして、次回にご報告いただきたいと思います。

【鈴木委員】

了解しました。

【山下会長】

続きまして、議題2の報告事項へ移らせていただきます。

まず、自賠責診療報酬基準案につきまして、中村委員よりご報告をお願いいたします。

【中村委員】

損保協会の中村でございます。自賠責の診療報酬基準案につきましてご報告申し上げます。

損保協会といたしましては、昭和59年の自賠責審議会答申に基づき、自動車保険料率算定会、現損害保険料率算出機構とともに、日本医師会の多大なご協力を得ながら診療報酬基準案を作成し、平成元年には日本医師会本部、自算会、損保業界、3者において診療報酬基準案の合意に至りました。この合意の後、各都道府県単位で、医師会のご理解とご協力を得ながら、診療報酬基準案の実施・普及に努めてきているところでございます。

実施状況につきましては、お手元の資料にございますとおり、現時点で全国45の都道府県で実施されています。残る山梨、岡山の2県につきましても、合意に向け協議を継続しているところですが、いまだ合意に至っていない状況にあります。損保業界といたしましては、日本医師会を初め関係各位のご協力を得て引き続き努力をしてまいりたいと思います。

なお、既に実施しております45都道府県におきましても、地区医師会との協議の場を継続し、一般の医師や事務職員の方のご参加をいただいている自賠責研修会において、自賠責制度への理解を得つつ良好な環境を維持しながら、医療機関のご納得のもとに、診療報酬基準案の普及に努めておりますが、現時点で約6割の医療機関の採用に至っている状況であります。6割にとどまっております診療報酬基準案が普及するためには、医療機関が診療報酬基準案を採用しやすいような環境整備を図っていくことが必要であると考えており、その対策を検討しているところであります。損保業界といたしましては、診療報酬基準案の普及に向け、引き続き努力してまいりたいと思います。

以上、ご報告申し上げます。

【山下会長】

ありがとうございました。

ただいまのご報告につきまして、ご質問、ご意見。

藤川委員。

【藤川委員】

日本医師会ですが、残る山梨県、岡山県に関しては、日本医師会のほうからも引き続き前向きに検討していただけるように努力しておりますが、問題は、この基準案を要請するときには、原則として健康保険は使わない、基準案に従って請求支払い業務をしていくという前提でなければなかなか説得はできないということで、原則として自賠責保険に関しては基準案を前提にして、自由診療としてやっていく。しかし、法整備はできないという独禁法の問題がありますので、そのことに関しては緩やかな要請をしていくという立場を日本医師会としてはとっております。ですから、この問題はいろいろな研修会でお話をしますけれども、やはり健保財源が非常に厳しい中において、自賠責保険を優先的に使うという自賠法の精神にのっとって、きちんと自賠責診療報酬基準案を採用することによって、自賠責、任意保険を含めて、未払いとか、支払い遅延とか、さまざまなトラブルが起こらないように努力をしていただきたいと思います。

【山下会長】

ほかにいかがでしょうか。

この件は、そういう意見を伺ったということで、今後とも引き続きご検討いただければと思います。

続きまして、平成23年度の運用益の使途につきまして、ご報告いただきたいと思います。民間保険会社、JA共済、自動車安全特別会計の順にご説明いただき、その後、一括してご議論いただきたいと思います。なお、国土交通省からは、自動車損害賠償保障制度に係る最近の取り組みについてもあわせてご報告いただければと思います。

まず、平成23年度民間保険会社の運用益の使途について中村委員よりご報告いただきたいと思いますが、予定していた時間よりは若干延びておりますので、なるべくたくさんのご意見をいただくためにも、報告においては少しご考慮いただければと思います。

【中村委員】

それではご報告申し上げます。

お手元の資料をごらんいただきたいと思います。本拠出事業の案につきましては、業界で検討いたしました内容を学識経験者の方を中心とした委員で構成しております自賠責運用益使途選定委員会にお諮りし、了承いただいているものでございます。なお、本拠出事業につきましては、今後、2月17日開催の損保協会の理事会で最終了承を得る予定としております。

それでは拠出事業のポイントについて簡単にご説明させていただきます。

2011年度拠出事業の作成に当たりましては、これまでの自賠責審議会答申や自賠責審議会におけるご意見、及び2001年度自賠法改正時の国会附帯決議などを踏まえまして、自動車事故の被害者対策を中心に充実させていくということを基本方針としております。さらに、既存事業におきましても、事業報告や検証を踏まえ、一層の事業の見直しを行い、必要な事業は充実させる一方で、それ以外の事業は縮減するということにしております。また、2011年度はこの基本方針に加えまして、自賠責保険をめぐる環境を踏まえつつ、持続的で安定的な被害者救済の実施に資するよう努めることに留意して検討を行いました。また、あわせて、自動車安全特別会計の事業仕分けにつきましてご議論がありましたので、そのような観点も総合的に勘案し、検討を行いました。

個々の事業内容につきましては、項目が多いものですから、説明は割愛させていただきますけれども、資料の1ページから5ページに記載されております支出のうち、新規事業といたしましては、1ページで言いますと、Aの自動車事故防止対策では、マル2交通安全のための街づくりに関する研究、マル3疾病等起因事故の調査研究、マル4免許取得前の若者に対する交通マナーの教育普及でございます。また、Cの自動車事故被害者対策では、4ページのマル11社会資源マップの作成支援、マル12脊髄損傷に関するデータベース構築を新規の事業として入れております。

増額も必要に応じて行い、例えば3ページのマル1交通事故無料相談事業支援では、ADR機能に対する社会の期待から相談件数もふえておりまして、1,300万円ほど増額を、さらに5ページのE、医療費支払適正化対策のマル2自賠責保険診療報酬基準案普及促進費では、既に導入している地域の普及率アップを目的としたシステム作成費用として1,000万円の増額をしております。

減額となっている事業としましては、3ページのマル3交通遺児育成基金への事業支援で、申請件数が減少していますことから、2,500万円の減額としております。交通遺児への支援もできるだけ後退しないように、その次のマル4交通遺児育英会への支援は1,000万円増額しております。

また、前回審議会でご意見いただきましたJAさんとのすみ分けですが、2ページマル9マル10、救急ヘリ病院ネットワークへの支援です。こちらにつきましては、同ネットワークとJAさんと当方、3者で協議・検討した上、JAさんと分担する形で支援することにいたしました。

これらの検討の結果、5ページにあります合計でございますが、21億7,775万円と前年度と同水準での拠出案となりました。民間損保といたしましては、今後とも運用益の有効かつ適正な使途のあり方につきまして、引き続き検討を深めてまいりたいと存じます。

最後に、直近5年間の拠出事業支援額の推移表、それから2009年度の運用益拠出事業の報告書、これらを添付させていただいておりますので、ご参考にしていただければと思います。

簡単でございますが、以上でご報告とさせていただきます。

【山下会長】

ありがとうございました。

続きまして、JA共済につきまして小野委員よりお願いいたします。

【小野委員】

それでは私のほうから23年度JA共済の運用益の使途についてご報告を申し上げます。

資料4をお取り出しいただきたいと存じます。表紙をおめくりいただきまして、1ページのタイトルにございます2011年度自賠責共済運用益拠出事業(案)でございます。これに基づきまして、1ページから4ページにその事業内容を掲載してございます。

この拠出事業につきましては、先ほど損害保険協会様からご説明ございましたものと同様に、私どもにも学識経験者や地域の代表の方で構成しております使途選定委員会がございます。そこに諮問し、了承いただいている内容でございます。この先、2月開催の本会の理事会にて最終決定する予定としております。

先ほど国、民間の役割分担等のご意見がございました。ご案内のとおり、JA共済は農村部、山間部を主な事業領域としております。そういう意味では地域的な役割分担ということで、この地域におきましては都市部に比較して、どうしても自動車事故の被害者対策、あるいは交通事故防止対策が手薄という面がございます。JA共済といたしましては、これまでの審議会の答申やご意見を踏まえつつ、これらの地域に必要とされる自動車事故防止対策、あるいは被害者対策というものを中心に取り組んできております。

取り組み内容の計画に当たりましては、既存事業の見直しを当然行うわけでありますけれども、遂行状況の効果検証等を行った上で、有効かつ必要性の高い事業については継続・拡充をしていく、縮減すべきものがあれば縮減するという観点で、効果的、効率的な実施に努めていくということを方針にして計画を立てております。結果といたしましては、2011年度は2010年度に実施した内容を継続していく事業が多くなってございます。

それでは、この案のポイントをかいつまんでご説明を申し上げます。

1ページでございますけれども、Aの項、自動車事故防止対策の部分でございます。ここにつきましてはマル1からマル7まで項目がございますが、マル6の交通安全ポスターコンクールは、JA共済が従前から実施しておりますけれども、右から3つ目の枠にございます増減額の欄、3,210万円増額しております。この意味合いは、備考に書いてございますように、交通安全意識の向上を広く促進していきたいということで、優秀作品展示会というものを開催しておりますけれども、その開催回数をふやしていこうということで増額したものでございます。その他の項目、マル1からマル5及びマル7につきましては、2010年度と同額でございまして、結果、一番下の欄の小計にございますが、4億3,430万円ということで実施をさせていただきたいと考えております。

続きまして2ページでございます。B、救急医療体制の整備の項でございますが、昨年と同額ということで、10億1,300万円を考えております。これは先ほど損保協会様からご説明がありました、救急ヘリの部分についてはそれぞれ調整を図って実施をするものでございます。

それから、Cの項、自動車事故被害者対策でございます。マル2のところでございますが、310万円増額しております。これは先ほど落合委員からもご報告がございましたけれども、交通事故紛争処理センターの処理件数もふえているということで、増額の要請に基づくものでございます。

続きまして、4ページの後遺障害認定対策、Eの項、医療費支払適正化対策の部分でございます。ここにつきましては、昨年度と同様の内容で、同額を計画しております。

合計は、4ページの最下行にございます。前年度比較で3,520万円増額の17億7,740万円ということで実施をさせていただきたいと考えております。

その次のページは、ページを付しておりませんけれども、最近5カ年の自賠責共済の運用益拠出額の推移を掲載してございます。

さらに1枚おめくりをいただきまして、次のページ以降は、ページを振ってございますけれども、2009年度の自賠責共済運用益拠出事業の実施結果を評価を含めて取りまとめたものでございます。参考としてごらんおきいただければと存じます。

甚だ簡単でございますけれども、以上をもってJA共済からの報告とさせていただきます。

【山下会長】

ありがとうございました。

続きまして、国土交通省八木保障課長よりお願いいたします。

【八木保障課長】

それでは資料5と6をご説明したいと思います。6のほうは、「最近の取組について」ということで関連することございます。今年度に関しましては、特に事業仕分がございましたので、6を先にちょっと触れて、その上で5をご説明したいと思っております。

早速、時間がありませんので、お開きいただきまして、1ページ、「NASVA事業仕分けについて」をご覧いただきたいと思います。NASVA、自動車事故対策機構は、昨年4月に事業仕分けの第2弾というもので、独法に対する事業仕分けの対象になりました。ニュースでも報道されましたので、ご存じの方も多いかと思いますが、NASVAの3つの業務のうち、自動車事故を防ぐという安全指導業務は、なるべく民間でできる方に移管していくべきではないかという趣旨のご指摘をいただきました。自動車アセスメント業務という自動車の衝突実験を行って、安全性を高める事業に関しては、他の法人で実施できないのかというご指摘をいただきました。

次に、2ページは、昨年10月に行われました特別会計に対する事業仕分けでございます。全体、3つのパートから成り立ってございます。ここは、予算に関わりが多いものですから、ご説明したいと思いますが、1番の自動車事故防止対策事業、あるいは被害者保護対策事業という事業そのものの内容に関するご議論では、結論といたしまして、見直しをすべきである。その見直しの趣旨は、先ほど簡単に申し上げましたように、一言で言えば、基本的に自動車事故防止対策事業のようなものを少し減らして、そのかわりに直接被害者救済に役立つ事業にシフトしていくようなことができないのかというご指摘だと理解しております。

したがいまして、右側に対応と書いておりますけれども、(1)(2)(3)とございまして、(1)の事故防止、特にバスの利用の活性化に関する予算については大幅に減額をしたい。それから、当日議論がありました救急医療機器を整備するという事業に関しても、約半減するというようなことにしたい。それから、無保険車を防止する事業は廃止するというような思い切った縮減をさせていただきました。その代わりといいますか、一方で(3)の重度後遺障害者の支援に関しましては、特に短期入院協力事業、あるいは療護センターにおける看護体制の充実というような直接的な対策の部分を今回増額いたしまして、充実させるということで、事業仕分けのご指摘を可能な限り反映した見直しを行ったものでございます。

2つ目のパートであります政府保障事業の委託費に関しましても、委託費8.8億円が縮減できないのかというご指摘でございましたので、そのように縮減をするということで、今8.1億円という予算を計上させていただいております。

次の3ページでございますが、以上を踏まえまして、事業仕分けでは特別会計そのものの制度のあり方が議論されました。こちらに関して私どもがご説明したのは、自動車安全特別会計の自賠責の積立金なりは、自動車のユーザーの方々にお支払いいただきました保険料を原資とするものでございまして、税金を一円も入れていないものでございまして、自動車ユーザー、あるいは被害者のためにきちんと活用することが大事ですというご説明を申し上げまして、結果としてそういったご説明がご理解いただけたものと理解しておりますけれども、現状の制度を継続しなさいという結論となったわけでございます。

ただ、ここに関しましては、先ほどもご指摘、ご質問にありました積立金について後段で付記されておりまして、現在の残高の取り扱いを含め見直しというご指摘もあわせてついております。これは各特別会計の事業仕分けの結論に大体ついているものではございますけれども、私どもはこれを受けて、対応として右側のところで考えておりますのは、まず、先ほど来ご指摘のございます一般会計へ繰り入れている分については、きちんと繰り戻しをしてほしいということで、年末の予算編成では相当強く財務省に申し上げたつもりでございます。この話題は最後に出てきますので、また触れさせていただきますけれども、そういったことをしてございます。

次に、4ページでございますが、先ほど予算を拡充すると申し上げました在宅の重度後遺障害者支援につきまして、絵をつくらせていただいております。在宅の後遺障害者、自動車事故の重度後遺障害者の方で、介護料という私どもの制度の対象となっている方が4,000人以上いらっしゃいますが、実は療護センターというものは合計で262床しかないということで、三角形の絵がかいてございますように、そのうちのほんの一部の方でございます。大部分の後遺障害者の方は在宅でいらっしゃいます。今回、特にそこに光を当てて、この支援を充実させる対策といたしまして、短期入院協力事業という、在宅ではありますけれども、年に1度あるいは2度病院に短期的に入院して、医療的なチェックを受けていただくということをする事業を充実させるために予算を拡充したというのが1点目。

2点目といたしましては、療護センターにおける看護体制を充実させ、療護センターの機能を使って、在宅の方々の例えば介護に関する講習を行うとか、いろいろな形でその支援をしてもらうようなスキームができないものか、そういった取り組みの部分を強化することをさせていただくこととしてございます。

予算に関係する部分は以上でございますので、恐縮ですが、資料5にいっていただいて、ここで運用益事業をご説明したいと思います。

早速ですが、1ページでございます。時間がございませんので、簡単に申し上げますけれども、今ご説明した後遺障害者への支援の強化の部分が(1)のマル2のところで、欄の読み方ですが、右から4つ目、(a)というものが現在22年度の予算額。その右隣(b)のところが今回策定いたしました23年度予算額ということで、約5割増額というのが先ほどの後遺障害者支援を強化するということの具体的な数字でございます。それから、看護体制につきましては(3)の運営費交付金というところで、実はマル1のところに入っておりますが、運営費交付金は合計値でお示しておりますので、全体の効率化のために定率で減額する部分が金額的には効いております。結果的に充実の部分が見えない形ではございますが、この程度の減額で済んでいるということで、その充実が入っているということでございます。

2ページは、NASVA以外の方に対する補助金のうち、被害者保護増進対策の部分でございます。ご説明いたしました医療機器の支援に関しましては、(1)のマル1でございますが、ここは2億2,900万が1億2,000万ということで大幅減額をいたしてございます。その代わりといいますか、マル2といたしまして短期入院の関係に関しましては7,300万が1億6,800万というようなことでございます。その他、(2)(3)(4)は、前年同額でございます。交通遺児育成基金に関しましては、お子さんの減少に応じまして減額をいたしております。(6)の無保険車防止対策事業は、事業を廃止するということでございます。

次に3ページでございます。こちらが自動車事故発生防止対策でございます。先ほど言ったバスの利用促進を行いますオムニバスタウン整備事業というのは(1)の上半分ですが、こちらは大幅減額いたします。一方で、先進安全自動車普及促進対策事業というような、事業用の自動車に自動制動がかかるブレーキを購入していただく補助を行う直接的な安全対策に関しては、安全対策ではございますが、増額をしたというものでございます。

実は先ほど来運用益事業の見直しが進んでいるのかというご指摘がございますけれども、この表をごらんいただいてわかりますように、(3)に書いている「その他」のところに関しましても、これまで多くの事業、自動車事故の分析とか貨物自動車の安全対策といったことも行っていたわけですが、これらは既に今年度22年度予算をもちまして全て廃止ということにさせていただいております。それから、今回、バスの利用に関しても思い切った見直しをしておりまして、安全の対策に関しましてはかなりすっきりした形になっておりまして、既に相当の見直しをしたものと私どもとしては考えてございます。

以上を合計いたしまして、4ページでございますが、(a)と(b)のところの比較で134億9,300万が130億6,900万ということで、冒頭にちょっと申し上げましたように、額としては約4億2,000万円、率として3.1%の減額をいたして、その中身に関しても見直しをしたということでございます。

恐縮ですが、先ほどの資料6のほうに戻っていただきまして、残ったものもあわせてご説明させていただきます。その5ページ、4の犯罪被害者等基本計画でございます。犯罪被害者基本計画と申しますのは、犯罪被害者に対する対策を取りまとめるために、内閣府のほうで会議を開催して検討を進めている計画でございます。今回、その改定というお話がございまして、交通事故も犯罪でございますので、私もその会議に参加して、その場に提出されました被害者団体等からの主な要望というものをお受けいたしてきております。それが下の欄の「胎児について人として扱うこと」、「後遺障害認定基準の見直し等」、「脳外傷による高次脳機能傷害を重大な後遺障害として認定」という3つでございます。

次のページをご覧いただきたいんですが、胎児の被害に対する保障につきましては、胎児そのものに対してそれを一つの人格として認めるというのは民法の原則そのものの問題になるということでございますが、自賠責制度におきましては、お母様に対する慰謝料という形で最大80万円まで傷害保険金の一部として今も支払いを認め、行っているところでございます。

次に、高次脳機能障害の認定につきましては、内閣府の会議でもご説明を申し上げましたけれども、MRIなどの画像がなければ認定を行わないという誤解が一部にございますが、そうではないということでございます。お医者さんの判断によってきちんと障害認定を行っておるわけで、現にこのグラフにありますとおり、実績もございます。ただ、脳機能の障害につきましては大変難しい問題でございます。先ほどちょっとお話がありましたように、認定システムというものについて、自賠責制度では他の国の同種の社会保障制度などに先んじて積極的に認定システムの検討を行ってきておりまして、昨年もさらにその見直しを行うべく料率算出機構さんにもお願いいたしまして、今検討の場を設けて、専門のお医者さん方の間で議論をしていただいているということでございますので、ご報告させていただきます。

駆け足になりますが、続きまして6番でございます。8ページをご覧いただきます。保険標章の多色化の件につきましては、昨年もご報告いたしましたが、いよいよ多色化の準備が整いましたので、昨年12月に省令を改正させていただいております。この4月から7色の保険標章が利用できることになります。ただ、現在使っている標章の在庫等がありますので、しばらくの間は併用するということになりますが、多色化することによって少しでも無保険車の防止に資することができればというふうに期待しているところでございます。

最後、9ページ、7番、一般会計への繰入金の問題です。これについては既にご説明してしまったことでございますけれども、先ほどの西原委員のご質問にお答えができておりませんので、この場で簡単にご説明したいと思います。

なぜこのような形での決着となったかということにつきましては、私どもとしては、もちろん繰り戻しをすべく最大限努力したつもりではございますけれども、今年の予算の状況をご覧いただければわかりますとおり、全く新たにお金を用意する財源はないという、そればかりでございます。したがいまして、金額として繰り戻しを実現することはできませんでした。そうなってくると、次に債権債務関係に関してきちんとした形で残すことが必要です。債権債務関係自体は、次の10ページの法律に規定がございますが、きちんと特別会計のほうに繰り戻しをするということは決まっているわけでございますが、期限に関しましても、現在結んでおります平成17年度から23年度までを決めておりますのが大臣同士が取り交わす文書で、期限を明示しています。私どもとしてはそのレベルをきちんと後退させないで、最低限維持してほしいということを申し上げました。その結果、その点は通りまして、同じように7年間という期間で24年度から30年度までということで結ばせていただいたわけでございます。

なぜ7年かということに関しましては、前回のときの考え方でございますけれども、繰り戻しを現実に行う場合にはある程度期間が要るということで、そういったことから7年という期限が決められております。そして今の財政状況から見まして、税収の好転を見込むことは大変に難しい問題でございますけれども、7年程度の期間を置けば、そういったことを考慮しても返済をしていただくことができるのではないかということが背景として考えられております。7年に関しましての議論としては以上でございます。十分なお答えにはなっていないのかもしれませんが、最大限の努力をした結果、何とか期限に関して約束をしてもらうことができたというような状況にございます。

ご説明は以上でございます。

【山下会長】

ありがとうございました。

それでは、ただいまの3つの報告につきまして、ご質問、ご意見をいただければと思います。

戸川委員、どうぞ。

【戸川委員】

交通事故全般の概況のほうでも説明がありまして、去年も交通事故が減ったという話がありましたけれども、去年、実質的には51人しか減っていません。今までの減少率から言うと、かなり鈍化しているわけで、減少率は1%と非常に少ない。このペースでいくと、今、第9次の交通安全計画が立案されていますけれども、そこで立てられる目標値も恐らく達成不可能ということです。やはり交通事故防止対策については、もちろん事業仕分けとかいろんなことからさまざまな制約があることは私は認めますけれども、まだまだ手を抜いていい問題ではないと思っています。

皆さんたちもご記憶にあるかと思いますけれども、去年の年末に福岡で7人の若者が池の中に飛び込んで亡くなってしまったとか、新年早々にも若者が大きな事故を起こすというのがあります。特に交通事故の発生件数でいくと、免許取り立ての世代が非常に多いということは今までも言われたわけですが、こういった人たちが大きく数字を落とす要因になっているというか、私はそんなような気がしてならないんです。

去年の交通事故の問題を見ると、鈍化している背景に、実は関東圏と近畿圏が対前年よりもふえているんです。今まで全般的に発生件数あるいは死亡者数も減ってきているんですけれども、逆にふえてきている人口の一番密集している大都市において、やはりどこかに交通事故の防止、あるいは抑止に対する今までの緊張感が薄らいできているのではないかというふうに私は考えています。そういう意味で、このあたりでもう一回手綱を引き締め直さないといけないと思います。先ほど言いましたように、事業の見直しの中でも、この問題については減らさないでいくべきかなと。確かに仕分けの問題からいけば、事業費の減額、支出の整理の面ではやむを得ないかもわかりませんけれども、不要なものを出すことはない。ただ、必要なものはやるべきだと。

先ほど言ったように、若者の死の問題と絡めますと、今私たちが事故防止と言っている安全教育とかさまざまな啓蒙活動というのは、今の若者たちはほとんど目にしないんです。ポスターなんか貼ってもだれも見ない。今若者はどういうツールから情報を得ているかと言えば、言わずもがなですけれども、インターネットとか、それから実際のアイテムとしては携帯電話ですよ。さまざまな情報は、ツイッターとか新しいメディアを通じての情報に頼っているわけです。確かにさまざまな形としてあるものの事業計画を減らすということはやむを得ないかもわかりませんけれども、こういった若者の死をこれ以上ふやしてはいけないという観点から、若者が最も目にしやすい部分に傾注してPR・啓蒙していくということを、国交省さんもそうですけれども、損保業界、JAさんも含めて、どういう方法があるのかそこをまず計画し直す必要があるのかなというふうにご提案をさせていただきたいと思います。

それから、先ほど私も茫然自失して言葉を失ってしまったんですけれども、田中委員から、繰戻金の保険料に転用することの可能性みたいなことについても考えたいという話がありました。自賠責保険制度についてはこの審議会でやるテーマではないと思いますので、私は、できるだけ早急に、先ほど皆さんから出された質問に答える意味でも、あり方懇談会を行って、自賠責制度というのはどうあるべきかということを議論するべきときではないかと思います。

ただ、今回、繰戻金のことからこんな話になったわけですけれども、もともと運用益というのは政府再保険制度を廃止するに当たってみんなで議論して、遺族側からすると妥協として、これだったらいいだろうということで残した大きな資金です。経済情勢悪化に伴って、これを保険者に還元してしまおうとかいうことになると、言ってみれば今まで築き上げてきた自賠責を取り巻く環境を、一種のちゃぶ台をひっくり返してしまうような話ですから、ここのところは原点に立ち返っても、やはり真剣になって考えてみないといけないと思います。

ですから、先ほど言ったように、この議論はこの場ではなかなかしづらいだろうと思いますけれども、あり方懇談会の中で、ぜひ関係者の方たちもご一緒になってその問題について議論をさせていただきたいなと思います。

以上です。

【山下会長】

ほかにいかがでございましょうか。

高橋委員。

【高橋委員】

3者からご説明をいただいた中で、前回、JAさんと民間保険会社でダブっている部分は調整してくださいと申し上げた部分を誠実にやっていただいたことに対してお礼を申し上げます。

それから、JAの事業のほうで、被害者対策の中に自賠責制度周知活動の実施というのが入っています。このやり方について、リーフレットとかポスターの配布・掲示という、これがよいのかどうかというのは、先ほどの委員の方と私は全く同じ意見でございまして、毎年、これをやっていることがどうなのかと。

それと、5ページのところに「自賠責共済・自賠責保険の未加入車両の解消を図る自賠責制度周知活動を実施し、被害者救済に役立てる」とあるんですが、この文脈の関係が私はよく理解できないんです。無保険、未加入車両の解消を図るということ、これは政府保障事業、国交省のほうに出しているお金ですので、保険に入らないことが違法であるとか、事故を起こした場合には当然立てかえるけれども、賠償、求償しますよというふうなことを知らせることは、未加入車両を防止することには大事だと思うんです。けれども、被害者の対策としては、未加入車両であっても政府が肩代わりしてくれるので、きちんと請求できますよ、時効になる前にちゃんとやりましょうねみたいなことをきちんと知らせることのほうが、むしろ重要なのかなというふうに思います。

ですので、この中身がどうなのかということと、国交省さんのほうで、今回、2ページ目ですけれども、無保険車防止対策事業を平成22年度限りで廃止するということですが、ここのところの廃止の経緯を伺いたい。いろいろ調べてみたんですが、無保険車がどのくらいの数があって、こういう対策をしてどういう効果を発揮しているのかとか、実際に被害者に対して政府が立てかえたお金が求償して裁判等々でどのぐらい戻ってきているのかという数字が、インターネットで検索してもなかなか出てこないんです。ざっとの数字で結構ですが、こういう対策をやっていることがどういう効果を生んでいるという視点でお答えいただけたらと思います。

【山下会長】

JAの関係、小野委員からご説明はございますか。

【小野委員】

次回でよろしいですか。ちょっと今即答できなくて申しわけございません。

【八木保障課長】

無保険車の数は、無保険はあってはならないので、ゼロのはずなんですが、実際は政府保障事業の例で言いますと、年間2,500件ほどあるうちの、ごく大ざっぱに言うと、2,000件がひき逃げ、500件が無保険車。ですから、仮に500件ということになりますと、事故の件数全体から見れば、率としてはかなり低い。実際に街頭の取り締まりなどをしても、それは相当小さい数ではございますが、何せ車両の数が数千万台ということで、わずかな率でもそれを掛け合わせれば台数としてはそれなりの数になる。外国との比較でいきますと、制度が違うものですから、無保険車というのは、例えば1割とかいう国はいっぱいあります。我が国はそういうことではなく、車検制度とリンクさせることによって、無保険そのものをかなり徹底して減少させる、その上で保険を掛けるという仕組みは一応はできておりますが、さらに残ったわずかな部分をなくすという取り組みです。

この対策は、そういった中で保険加入を促すための啓蒙活動的なものでございます。例えば警告はがきを出すとか、ポスターをつくるというようなものですので、この効果によって何台が何台という明確な数字はちょっと出し切れないと思いますが、もし関連する資料がございましたら、後ほどご説明させていただきたいと思います。

それから、先ほどご説明を1点申し忘れた点がございます。資料5の最後に、よく議論になりますので、民間と国の運用益事業の分担の考え方みたいなことに関しまして、今回、図形で資料をつけさせていただいております。ご説明は割愛いたしますが、民間の中では、保険会社さんとJAさんの間でも先ほどのご説明のとおりの考え方であるということでございます。個別の点に関しましてはともかくといたしまして、そういった意味での分担といいますか、デマケということについては、考え方があるということを補足させていただきます。

以上です。

【山下会長】

では、ご質問に関して、次回、もし補足があればそのときにまたお願いすることにいたします。

北原委員。

【北原委員】

今までのお話とちょっとずれた話になるかと思いますけれども、意見書というのがありますね。自動車損害賠償責任保険審議会に対する意見書。多額のお金を政府に貸してあって、そのお金がないために、私たちのこういう組織が非常に苦しんでいるということになる、ということを考えますと、これを返してもらう話については、会議に参加していろいろ聞いておりますけれども、聞きっ放しですし、今後、こういうものに対してはどういうふうにしていけばいいのか、見通しなどがありましたら聞かせていただけませんか。

【八木保障課長】

見通しというのは、この7年間ということで、先延ばしのようになってしまったのは私どもとしても大変残念ですが、期限を付しておりますので、これも毎年少しでも返してもらうように、また24年度予算、25年度ということで、毎年強く求めていきたいと思ってございます。

【北原委員】

どうも歯切れが悪い、悲観的な感じになってしまう言葉で、情けないというか、ですので、こういう場ではちょっとテーマが違うのかもしれないけれども、それにしても被害者対策のためにもっとお金を使ってほしいというふうに考えますと、やはりこれを返してもらうようにさらなる努力を関係者の方々にしていただきたいと思います。よろしくお願いします。

【山下会長】

早く返してもらいたいというのは、この場の委員全員の一致した意見であると思います。

田中委員。

【田中委員】

先ほどの戸川委員に若干誤解があるといけないと思うんですけれども、今のお話のように、ずっと一般会計に繰り入れたまま返さないという状態が続きますと、一体その金が本当に自動車交通対策上必要な金であったのかどうかという、そこの議論は当然出てくるはずなので、必要であれば、早期に返していただいて、交通対策事業に使うとかいう形でないと、今後10年も15年もずっとそっちへ行ったままの金というのは、本当に自動車交通対策事業に使う金なのだろうか、必要な金なのか、そういうような疑問が出てくるはずなんです。そうすると、先ほど福田委員が言われたように、20分の11、20分の9という非常にご苦労された比率が、本当にそれでよかったのかという議論も生じかねないということを申し上げているので、私は、決してそうしろということを言っているわけではないので。

そういうようなことを含めて、私が申し上げたように、年度ごとに返していただくという計画をつくるとか何かないと、また延ばすだろうとみんなが思ってしまうと、そのお金は一体何だろうかという、そこの議論が多分出てくるだろうということで申し上げたので、その6,000億は何もユーザーに返せということを言っているわけではなくて、ほうっておくと、そういう議論が当然出てくるし、こういうふうに使いますよということをきちっと言っていただければ、当然そういうお金ですし、特別会計に返ってくることは決まっているわけですから。それは今決まっているわけですけれども、ほうっておくと、そういう議論が当然出てくるんじゃなかろうかということをあえて申し上げます。決してちゃぶ台をひっくり返すような話ではないので、そういう議論が出てくる可能性があるから、私は早急に戻す努力をされたほうがいいということを申し上げております。

【八木保障課長】

ありがとうございました。今ご意見をいただきましたので、省庁同士の交渉だけでは、このような状態ですので、いただいたご意見のようなものも踏まえて、それをまたぶつけて、力強く交渉していきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【山下会長】

高橋委員。時間が予定より若干回っておりますので、簡潔に。

【高橋委員】

この自賠責保険審議会ですが、原則年に1回しか開かれなくて、今回もたくさんの宿題がでました。国民に関係のある重要なことがまた来年の段階で出てきて、そこでジャッジしなさいというのは非常に困難なことかと思います。それから、特別会計の話もずっと申し上げてきたんですけれども、去年の1月に申し上げたものが、12月のところで政府の間で決まってしまうということになると、やはり国民の納得感はないわけなので、審議会でなくて結構ですから、中間で1回ぐらいそれぞれ意見を言い合えるような懇談会のような場を設定していただくとか、あるいはきちんと文書なりメールなりで今の進捗状況を報告していただくなど、そういうことをしていただきたい。年に1回ですと委員としても職責が果たしづらいので、その辺をご配慮いただきたいということを要望しておきたいと思います。

【山下会長】

よろしゅうございましょうか。

それでは、きょう報告事項につきましていろいろご意見をいただきましたので、また今後の運営についてご参考にしていただければと思います。

私のほうが予定しておりました議題は以上でございます。

事務局から。

【白川保険課長】

どうもありがとうございました。

次回の自賠責審議会でございますけれども、事前に委員の皆様に今月中のご都合をお聞きしておりましたが、それによりますと、来週、1月20日、木曜日の午前中が最も多くの方にご参加いただけるようでございます。そこで20日、木曜日の同じく10時から、本日と同じ当会議室、13階の共用第1特別会議室で開催させていただきたいと思っております。委員各位におかれましては、ご多忙中とは存じますが、できる限りご出席賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

なお、本日のご審議を踏まえました今後の段取りとか技術的な点につきまして補足説明をするため、この後、私のほうから記者レクをさせていただきたいと思いますが、ご了承ください。

本日はどうもありがとうございました。

【山下会長】

それでは、これで本日の議事を終了いたします。

どうもありがとうございました。

お問い合わせ先

金融庁Tel 03-3506-6000(代表)
監督局保険課(内線3375、3772)


自動車損害賠償責任保険審議会に対する意見書(萩尾委員提出)(PDF:85K)

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