第130回自動車損害賠償責任保険審議会議事録

1.日時:平成24年1月31日(火)16時30分~18時30分

2.場所:中央合同庁舎第7号館西館13階 共用第1特別会議室

【小原課長】

それでは時間がまいりましたので、ただいまより第130回自動車損害賠償責任保険審議会を開催いたします。本日は、ご多忙のところご参集いただきまして、改めて御礼を申し上げます。

前回の審議会以降、山下会長におかれましては、任期の満了に伴いまして本審議会の委員を退任されております。したがいまして、本日は会長をお決めいただくこととなりますが、それまでの間、本審議会の事務局として、私、保険課長の小原が当面の議事進行を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

まず、今回より新たに就任されることになりました委員についてご紹介を申し上げたいと思います。

まず、金野委員でいらっしゃいます。

【金野委員】

金野でございます。

【小原課長】

清水委員でいらっしゃいます。

【清水委員】

清水でございます。

【小原課長】

勝瑞委員でいらっしゃいます。

【勝瑞委員】

勝瑞でございます。

【小原課長】

宮近委員でいらっしゃいます。

【宮近委員】

宮近でございます。よろしくお願いいたします。

【小原課長】

ありがとうございました。

なお、田中委員と関委員におかれましては、所用のためご欠席されております。また、高橋委員におかれましては、遅れて参加される予定と伺っております。

ここでカメラ撮りの方はご退出いただきますようお願いいたします。

(カメラ退出)

【小原課長】

さて、当審議会の会長の選任についてお諮りいたします。

会長は、自賠責審議会令第4条の規定に基づきまして、委員の互選によることとされております。

ここで皆様のご意見を伺いたいと思いますが、いかがでございましょうか。鈴木委員。

【鈴木委員】

損保料率機構の鈴木でございます。僭越ではございますが、一言、私のほうからご提案ということで。この保険分野で長年ご研究を重ねておられまして、大変ご造詣の深い落合委員が適任と私は考えますので、ご提案ということでよろしくお願いします。

【小原課長】

落合委員を推すご意見がございましたが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

【小原課長】

ありがとうございます。ご異議がないということでございますので、落合委員のご承諾をもって会長就任をお願いいたしたいと存じますが、落合先生、いかがでございましょうか。

【落合委員】

謹んでお受けいたします。

【小原課長】

ありがとうございました。

それでは、落合会長におかれましては、会長席にお移りいただきますようお願いいたします。

(落合委員、会長席へ移動)

【小原課長】

それでは、まず落合会長よりごあいさつをいただきまして、その後の議事を落合会長にお願いしたいと存じます。

【落合会長】

本審議会の各委員の方々からご推薦を受けまして、会長に就任いたすことになりました落合でございます。自賠法の目的というものは、交通事故に係る人身被害についての損害賠償保障制度というものの適正化を図り、被害者保護というものを充実させることであります。その目的を達成しますよう、微力ではありますが、全力を尽くしたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

それでは、本日の議題のほうに移りたいと思いますが、お手元にあります議事次第で、最初は自賠責保険料率の検証結果に関する報告、それから、さらに幾つかの報告事項がございます。

まず、事務局よりお手元にあります資料の確認をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【小原課長】

お手元の資料でございますが、委員名簿、それから議事次第の次に当審議会の公開に関するルールについての資料をつけてございます。その次が議題に関する資料でございます。資料1は、議題1の自賠責保険の基準料率についての検証結果を報告するものでございます。資料2から7までが議題2の報告事項に関するものでございます。資料2は付加率見直しに関するご報告、資料3は民間保険会社の運用益の使途についての資料でございます。資料4はJA共済の運用益の使途についての資料でございます。資料5は平成24年度自動車安全特別会計の運用益の使途についての資料でございます。資料6は自賠責診療報酬基準案についての資料でございます。最後に、資料7は自動車損害賠償保障制度にかかる最近の取組についての資料でございます。資料の過不足等がありましたら、お知らせいただきたいと思います。

【落合会長】

ありがとうございました。資料の関係はよろしゅうございますか。お手元にすべてそろっておりますでしょうか。

それでは、議題1の「料率検証結果について」、ご報告をいただいた上で、ご議論をお願いしたいと思います。

まず最初に、実際に料率検証の作業を行いました損害保険料率算出機構の鈴木委員に概要をご説明いただき、その後、事務局から補足をしていただく、こういう順番で行いたいと思います。

それでは、鈴木委員、よろしくお願いいたします。

【鈴木委員】

損害保険料率算出機構の鈴木でございます。改めまして、よろしくお願いいたします。

それでは、23年度の検証結果につきまして、資料1に沿ってご説明させていただきます。

まず、1ページ目をお開きいただきたいと思います。1ページの自賠責保険・共済収支表をご覧ください。この表では、自賠責事業を行っております全事業者の収入純保険料、支払保険金、収支残、損害率につきまして、過年度の推移及び今回の検証の対象年度であります23契約年度及び24契約年度の予測値を載せております。

表の一番左側の収入純保険料をご覧いただきますと、平成14年度以降、19年度までは、おおむね9,000億円台で推移しておりましたが、平成20年4月に純保険料率を36.3%引き下げたことによりまして、平成20年度以降、平成22年度までは6,000億円台での推移となっております。

また、今回の検証の対象であります23年度、24年度でご覧いただきますと、平成23年4月に純保険料率を17.2%引き上げたことによりまして、収入純保険料は23年度が6,974億円、その下の24年度が7,065億円と見込んでおります。

また、その右側の支払保険金につきましては、23年度が8,394億円、24年度が8,491億円と見込んでおります。

以上の収入純保険料と支払保険金との差額が次の収支残の欄でございますが、23年度が1,420億円の赤字、24年度が1,426億円の赤字となっております。

また、一番右側に損害率の欄がございます。支払保険金を収入純保険料で割った値でございますが、これが23年度では120.4%、24年度では120.2%となっております。

したがいまして、下の欄外の注3にございますように、平成23年4月の基準料率改定の際の予定損害率は119.4%でございましたが、これとの対比では、若干ではありますが、損害率が悪化する見込みとなっております。

以上が今年度の検証結果でございます。

続きまして、今年度検証結果の背景及び要因等について、ご説明させていただきます。2ページをご覧いただきたいと思います。このページの交通事故の発生状況は、警察庁の交通事故統計によるものでございまして、交通事故の傾向を把握するための参考ということで添付しております。

初めに、左側の発生件数をご覧いただきますと、平成16年あたりが約95万2,000件とピークでございまして、その後は減少傾向となっておりまして、平成23年の発生件数の見込みといたしましては69万件強となっております。また、死者数、負傷者数の推移につきましても、同様に近年、減少傾向となっております。

次に、3ページをご覧いただきたいと思います。3ページでは、料率検証における主な予測要因につきましてご説明しております。

まず、(1)の収入純保険料に関する予測要因といたしましては、過年度の保有車両数の動向を参考に、将来年度の保有車両数を推計しておりまして、23年度、24年度ともにマイナス0.1%と若干の減少を見込んでおります。

次に、(2)の支払保険金の予測に当たって前提となりますのが、マル1の事故率とマル2の平均支払保険金でございます。

なお、ここでの事故率と申しますのは、自賠責の保険金支払いの対象になった事故の率を意味しております。まず、マル1の事故率でございますが、こちらにつきましては過年度の事故率の動向、及び先ほどご説明いたしました交通事故発生状況などを参考として算出しております。

3ページの表には、死亡、後遺障害、傷害別の予測値を記載しておりますが、先に4ページをご覧いただきたいと思います。この4ページでは、死亡、後遺障害、傷害の事故率の過去の実績値と今後の見込みをグラフと表でお示ししております。

まず、表の左端の死亡の事故率をご覧いただきますと、過年度の動向といたしましては、18年度以降、一貫して減少傾向となっております。また、先ほど交通事故の動向についてご覧いただきましたけれども、交通事故死者数は、23年度に入ってからも減少傾向となっております。このため死亡事故率は今後も減少傾向が続くものと見込み、23年度は0.00617%、24年度は0.00604%と予測してございます。

次に、表の右端の傷害の事故率をご説明させていただきます。過年度の動向といたしましては、平成20年度までは緩やかな減少傾向で推移しておりましたが、21年度以降は増加傾向に転じております。その理由ですが、警察統計における交通事故負傷者数は一貫して減少が続いているのに対しまして、その交通事故負傷者数には反映されない、いわゆる物損事故扱いとして処理された事故において生じていた傷害に対する自賠責の支払いが近年増加傾向となっておりまして、全体の3割弱を占める水準になっております。

その結果、自賠責保険における傷害事故件数は、警察統計上の交通事故負傷者数の減少と、今申しました物損事故扱いで処理された傷害事故の増加のバランスにより、21年度以降は増加傾向となっております。

ところで、このような物損事故扱いで処理された傷害事故に対する支払い動向の背景といたしましては、以前、昭和59年の自賠審で交通事故の発生事実を十分確認すべきとのご指摘がありましたことから、以降、交通事故証明書、特に人身事故扱いの証明書の取りつけを励行してきたという経緯がありますが、一方で近年では、さらに保険金請求に関する丁寧な掘り起こしを行う観点から、保険金支払いの可能性のある事故につきまして、比較的軽微な事故についても漏れのないよう確認を徹底しているという取り組みが影響しているものと考えられます。

23年度に入ってからの警察統計における交通事故負傷者数の減少率は約5%と、直近の22年に比べまして大きな減少となっております。他方、物損事故扱いで処理された事故につきましては、その増加率は若干縮小しておりますものの、引き続き増加傾向にあります。

こうした交通事故負傷者数の減少による影響と、一方で物損事故扱いで処理された事故の増加による影響の双方を加重勘案いたしますと、結果として23年度の傷害事故率全体としては、増加傾向に落ちつきが見られますことから、前年度に比べて微増の1.41398%と予測し、また、24年度の事故率は、こうした安定化傾向を踏まえて、23年度と同率で推移するものと予測してございます。

最後は、表の中央の後遺障害の事故率でございます。こちらにつきましては、18年度以降、14級を中心として相対的に高めの増加傾向が見られておりましたが、21年度及び22年度では傷害事故率と連動する傾向を見せております。このため今後は、先ほど申しました傷害事故率と同様の推移になるものと見込みまして、23年度は若干の増加を見込み0.08170%とした上で、24年度は23年度と同率で推移するものと予測してございます。

以上、ご説明させていただいたように傷害及び後遺障害の事故率につきましては、多少の落ちつきは見せつつも増加傾向が続いております。この背景には、先ほども申しましたように、やはり保険金請求に関する丁寧なご案内などの取り組みが浸透した結果、軽微な傷害を中心として請求件数自体が増加したといった事情が影響しているものと考えられますが、一方、中には不正請求の混入がないのかといった点も懸念されるところでございます。

最近でも実際に治療費を水増し請求した保険金詐欺の事例などが見られたところでございますが、こうした点に関しましては、損保業界、当機構ともに従来以上に不正の可能性がある案件の洗い出しを徹底するとともに、そうした事案の損害調査、支払いに当たりましては、身体の受傷状況の確認のみならず、車両損害状況の確認など、事故と受傷との因果関係に関する精査を行っているところであります。また、偽装の疑いが生じた場合や、警察当局からの要請を受けた場合等につきましては、情報提供や連携に努めております。

こうした結果、不正請求として発覚した事案の件数は、平成22年度は152件と、この5年間で約3倍となっており、今後とも不正請求に対する取り組みを継続していくことが重要と考えております。少し長くなりましたが、以上が事故率に関する説明でございます。

続きまして、資料3ページに戻っていただきまして、(2)のマル2平均支払保険金についてご説明させていただきます。

平均支払保険金に影響を与える主な要因といたしましては、賃金・治療費の上昇率、及び支払基準の改定による上昇率が挙げられます。このうち賃金上昇率につきましては、22年度の賃金指数はプラス0.6%と若干の上昇となっておりましたが、23年度に入ってからはほぼ横ばいでの推移となっておりますことから、23年度以降据え置きということで予測しております。また、治療費上昇率につきましては、過去5カ年の治療費日額の動向がほぼ横ばいとなっておりますことから、こちらにつきましても23年度以降据え置きで見込んでおります。

なお、治療費につきましては、柔道整復関連の施術料の動向にも影響されるところでございます。21年度以降の状況といたしましては、1件当たりの平均施術料、期間、実日数といった指標はいずれも横ばい、あるいはわずかな増加にとどまっておりますが、請求全体に占める柔道整復関連の構成比が請求件数で約7.6%、請求金額で約16.3%と増加してきております。こうした増加の背景には、柔道整復資格者や施術院の増加に伴う受診ネットワークの拡大や利便性の向上があるものと思われます。

また、本件に関しましては、昨年の自賠審でも触れましたとおり、21年度における行政刷新会議や会計検査院の指摘を踏まえ、健康保険における療養費の見直し等が行われております。これらに加えまして、昨年11月に開催されました厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会におきまして、24年度に柔道整復療養費のあり方について、中長期的視点で検討する場を設置する予定とされているところでございます。

したがいまして、今後、その影響も見られてくるものというふうに思いますので、引き続き個別事案における診療内容の確認を徹底しつつ、全体の動向を注視してまいりたいと考えております。

最後に、一番右の治療費、休業損害及び慰謝料の単価等を定めております支払基準の改定による影響でございますが、直近では平均余命の変更に合わせた改定が行われていますが、過去の支払基準改定における実績を踏まえた保守的な見積もりを行いまして、24年度に0.05%の上昇を織り込んでおります。

続きまして、5ページをご覧いただきたいと思います。5ページは、自賠責保険・共済の支払件数及び平均支払保険金の推移の表でございます。この表は、3ページ及び4ページに基づき算出した自賠責保険・共済の支払件数、平均支払保険金の推移を一覧表にしたものでございます。表のタイトルに「契約年度」とありますが、これは、当該年度において契約を締結した車両が引き起こした事故による支払件数と平均支払保険金ということでございます。したがいまして、保険期間が1年を超える長期契約の場合、その契約を締結した車両に生じた事故につきましては、すべて契約を締結した年度の支払件数、平均支払保険金として通算して集計したものとなっております。

一番左側の欄の死亡の支払件数につきましては、23年度が4,926件、24年度が4,884件と予測してございます。23年度は3.2%の減少、24年度は0.9%の減少と減少傾向を見込んでございます。

また、中央の後遺障害の支払件数につきましては、23年度が6万6,367件、24年度が6万7,295件と予測してございます。23年度は0.9%の減少、24年度は1.4%の増加と数値は多少ぶれてございますが、これは、先ほど申しました保険期間が1年を超える長期契約の件数の年度による波が影響しております。傾向といたしましては、保有車両数の減少から微減を見込んでございます。

また、一番右の傷害の支払件数につきましては、23年度が114万8,000件、24年度が116万4,000件と予測してあります。こちらも23年度が1.0%の減少、24年度が1.5%の増加と、後遺障害の場合と同様に数値が多少ぶれておりますけれども、傾向といたしましては保有車両数の減少から微減を見込んでございます。

他方、平均支払保険金をご覧いただきますと、こちらは死亡、後遺障害、傷害のいずれも、近年は小幅な変動での推移となっております。

次に、6ページをご覧いただきたいと思います。6ページは、自賠責保険・共済の支払保険金の総額の推移でございまして、前の5ページの支払件数と平均支払保険金を掛け合わせて求めております。こちらにつきましては、主に支払件数の変動に同調する推移となっております。したがいまして、死亡については減少傾向となっておりますけれども、後遺障害及び傷害につきましては、23年度は若干の減少、24年度は若干の増加を見込んでおります。

また、一番右の欄が合計になっておりまして、死亡、後遺障害、傷害の全体でも23年度は若干の減少、24年度は若干の増加となっております。

この合計欄の23年度の8,394億円、24年度の8,491億円という値が、冒頭の1ページの収支表でご説明いたしました支払保険金の23年度、24年度の値となっております。

続きまして、7ページをご覧いただきたいと思います。7ページは、重度後遺障害の支払件数の推移をまとめてございます。集計の対象は、注1にございますように、現行の後遺障害等級表の別表第一に該当する介護を要する後遺障害、それと別表第二の1級から3級までに該当する後遺障害でございまして、これらが労働能力喪失率100%とされる後遺障害でございます。

なお、現行の等級表は14年度から実施されたものでございまして、13年度以前は別表第一と別表第二に分かれておりませんでしたので、この表の上では13年度以前に発生した事故は、別表第二という形で集計してございます。それぞれの等級の支払件数の合計が一番右の欄にございますが、重度後遺障害の支払件数としては減少傾向が見られますものの、依然として2,000人を超える方が被害に遭われているという状況になっております。

続きまして、8ページをご覧いただきたいと思います。8ページは、自賠責保険、自賠責共済の運用益の発生と積立状況を参考として添付しているものでございます。詳細は割愛させていただきますが、例えば保険会社の例でご覧いただきますと、一番右に積立金残高がございます。これが22年度末で2,859億円、これに税の軽減効果を勘案いたしますと、その下の括弧書きの4,475億円という数字になっております。

また、表の下の注3をご覧いただきますと、運用益の積み立てに対する法人税等の取り扱いを記載してございますが、22年度末における法人税等を加算した後の積立金残高は、損保会社、共済事業者合計で5,074億円ということになっております。この累積運用益は、保険料の引き下げなど、自賠責保険の収支調整の財源として活用されるものでございます。

なお、この点につきましては、昨年12月に改正法人税法及び復興財源確保法が公布され、平成24年度以降の法人税率が引き下げられることになっておりますが、これによりまして、自賠責の観点から見ますと税の軽減効果が薄れますので、法人税等を加算した後の積立金残額、すなわち収支調整に活用できる財源が若干目減りする見込みでございます。

続きまして、9ページをご覧いただきたいと思います。9ページは、自賠責保険の社費・共済経費の収支表でございまして、全事業者の社費の収支につきまして、ご参考までに過去の実績をお示ししたものでございます。自賠責保険では、社費につきましてもノーロス・ノープロフィットの原則によって、累計収支残を考慮して収支が均衡するように料率が設定されております。このため具体的に申しますと、平成20年4月改定の社費算出に当たりましては、19年度末の社費収支の累計黒字を5年間で保険契約者に還元するということにしておりまして、24年度末に過去の累計収支の黒字がゼロになる、そういう設定となっております。

なお、昨年1月の本審議会でのご指摘に基づき、損保業界では自賠責の経費計算基準の見直し検討をしておりますが、本表の22年度のB欄の支出社費2,250億円は、見直し前の基準により計上された損保・共済合計の金額を示してございます。

続きまして、10ページをご覧いただきたいと思います。10ページは、今までご説明させていただきました内容のポイントをまとめたものとなっております。(1)にございますように、23年4月の基準料率改定における予定損害率は119.4%でございましたが、(2)の表の本年度検証結果である23年度、24年度の損害率は、これと比較しまして、若干ではありますが悪化しているという状況になっております。

この予定損害率との比較での損害率の悪化につきまして、その要因でございますが、まず損害率の分母となります収入純保険料は、ほぼ改定時の見込みどおりとなっております。これに対しまして損害率の分子となります保険金の支払いは、死亡事故につきまして交通事故死者数の減少の結果、見込みよりも支出の減少が見込まれるとともに、後遺障害につきましては、昨年度の見込みがやや高めであったために、今年度の見込みとしては支払いの減少が予想されております。これらに対しまして、傷害事故につきましては、事故率が予想を若干上回ったこと等により、支出の増加が見込まれる状況となっております。

この結果、全体としては、今年度の検証結果としての損害率が、予定損害率119.4%との対比では、若干ではありますけれども悪化した要因となっているところでございます。

続きまして、11ページをご覧いただきたいと思います。資料の最後でございますが、こちらはご参考ですが、平成22年度における自賠責保険の収入と支出の構成割合を円グラフで表示したものとなっておりまして、ご参考までに添付してございます。

収入につきましては、23年4月に基準料率を改定して平均で11.7%の引き上げを実施いたしておりますが、こちらに記載の数値は22年度の実績値となっておりますことから、基準料率改定前の収入ということになっております。

私からの説明は以上でございます。

【小原課長】

それでは、事務局のほうから若干補足説明をさせていただきます。今の資料1の10ページに沿う形でお話をさせていただきます。

今般の基準料率検証結果といたしましては、ただいまご説明がありましたように、23年度の損害率が120.4%、24年度では120.2%となっておりまして、23年4月に基準料率改定を行った際に予定していた損害率と比較いたしますと、若干の悪化は見られますものの、大きな乖離は生じておりません。また、累計収支残と累積運用益の合計残高を勘案した純率収支の見込みといたしましても、現行料率のもとで24年度末までの収支は維持できる見通しとなっております。

ご承知のとおり、現行の基準料率につきましては、昨年1月の本審議会におきまして25年度に2段階目の引き上げ改定を想定しているところでございますが、今年度の純率水準の検証結果は、ほぼこの見込みどおりの推移と見ることができようかと思います。

また、付加率水準につきましては、昨年1月の本審議会でのご指摘に基づきまして、後ほどご報告いただく予定でございますが、日本損害保険協会に設けられた第三者を含めた検討委員会におきまして、25年度の基準料率改定に向けて経費計算基準や代理店手数料に関する検討が行われたところでございます。

事務局といたしましては、以上のような点を踏まえまして、24年4月以降の基準料率の改定の必要性につきまして、委員の皆様方のご論議をお願いしたいと考えております。

事務局からは以上でございます。

【落合会長】

ありがとうございました。

それでは、ただいまの料率検証結果の報告と補足説明に関しましてご質問、ご意見をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。どの点でも結構でございます。藤川委員、どうぞ。

【藤川委員】

先ほど説明がありましたけど、物損事故の場合に普通は自賠責保険から治療費等は出ないのです。やはり医師が診断書をきちっと書いて、1週間の治療が必要であるとか、治療の予測をするんです。医師の診断書が警察に届けられ、人身事故扱いとなった後に、自賠責保険が稼働し始めるというのが一般の国民ないしは医療機関の常識になっています。物損でありながら、後日症状が出たということで治療を開始するときに、医師の診断書がなくて3割も交通事故診療で行われているという事実を聞きまして、それは非常に問題じゃないかと思います。やはり物損であることをきちっと解除して、必ず医療機関を受診させて、医師の診断書を提出させて、対人賠償事例として自賠責の実数に上げていかないと、データが非常に不完全なものになってくるということです。やはり不正請求の温床となる可能性があるし、長期間の治療が漫然と続けられる土壌にもなってくるんじゃないかと思います。その辺は、やはりきちんとした対応をしていくべきかと思います。

【落合会長】

ありがとうございました。ただいまのご発言につきまして何かございますか。鈴木委員、どうぞ。

【鈴木委員】

すいません、先ほど説明がちょっと足りなかった部分があったかもしれません。藤川先生のご指摘は確かにそのとおりで、事故が起こった場合に非常に軽微なケース等につきましては、その瞬間では人身の届け出がなかなかできずに、そのまま経過してしまうというケースがあります。後ほどいろいろ症状を訴えるというケースが物損事故証明による自賠責の支払いということになるんですが、ただ、この確認につきましては業界及び私ども機構におきまして、きちんと医師の診断をいただくというようなことを徹底する動きをしておりますので、タイミングは少し遅れますけども、藤川先生のご指摘のとおりの取り組みを今進めておりますので、そういう観点では、不正の請求がないような形で取り組みを徹底しているところでございます。

【落合会長】

よろしいでしょうか。ほかにございますか。――ほかにどの点でも結構ですので、ご質問、ご意見。よろしいでしょうか。

そういたしますと、委員の方々からのご発言は、これ以上特にないということでありますので、議論はこのあたりまでとさせていただきたいと思います。

ご報告とそのご議論等を踏まえまして、今回の料率検証における損害率は、昨年度の審議会において議論していただいた際に想定していた予定損害率と比べて乖離が小さいということ。それから、自賠責保険料は中期的な安定を求められているということ。さらに2年連続で改定を行うと契約者間で不公平が生ずること。最後に、累計収支残及び運用益残高の水準を見ますと、直ちに料率改定が必要な状況ではないということ。

これらを踏まえますと、今回は基準料率を据え置くことが適当ということでよろしいでしょうか。それでは、特にご異議がございませんので、そのようにさせていただきます。

続きまして、議題の報告事項ということになりますが、まず「自賠責保険付加率見直しに関する報告」につきまして、金野委員よりご報告をお願いいたします。

【金野委員】

損保協会の金野でございます。お手元の資料2「自賠責保険付加率見直しに関する報告」に基づき、ご報告させていただきたいと思います。

資料1ページをご覧ください。こちらは、昨年1月の本審議会においてご説明した資料でございますが、純率部分の段階的値上げに際し、付加率部分についても削減努力を図るべき。また、見直しに当たっては、第三者を交えて透明性を確保すべきといったご意見を頂戴したことを受けまして、損保業界として学識経験者や消費者代表、会計専門家等の第三者委員を交えた合同委員会を新たに立ち上げて検討を進め、その見直し結果について今回の審議会にご報告させていただくとしていた経緯にございます。

資料2ページをご覧ください。自賠責保険付加率に関する合同委員会は、上段左側の荒川先生ほか、ご覧の5名の方に第三者委員として就任いただき、右側4名の業界委員を加えた形で、約半年間にわたって論議を行ってまいりました。

委員会では、第三者委員を交えた見直し検討プロセスにおける透明性の確保といった本委員会の目的をはじめ、保険会社において自賠責保険に要した経費を計算する経費計算基準の目的や妥当性、損保経営を取り巻く環境変化と、これまで自賠責保険の社費が減少している実績などについてご確認いただきました。

その上で、付加率見直しに当たっての業務実態調査の必要性や調査の概要についてご了解をいただき、11月の委員会では、業務実態調査の集計結果や、その主な増減理由、本見直しに伴う影響額の概算値などについてご論議をいただきました。

これら計4回にわたる委員会での論議において、自賠責保険における社費、代理店手数料の算出方法の妥当性、並びに算出基礎に関して業務実態調査を通じて見直すことについての適切性をご確認いただいたという経緯にございます。

資料3ページをご覧ください。続いて、各項目についてご説明させていただきます。

まず、損保経営を取り巻く環境変化と自賠責保険社費の状況についてですが、保険自由化に伴う競争激化などにより、損害保険事業の収益性が悪化する中、損保各社はより一層の経営効率化の取り組みを進めてきており、自賠責保険におきましても、これらの経営効率化の取り組みにより、下段、自賠責保険社費の状況に記載のとおり、2009年度における社費実績は2,072億円と、2000年度対比で105億円、4.8%の減少となっております。

続いて、資料4ページをご覧ください。この円グラフのとおり、自賠責保険の支出構成割合といたしましては、全体のうち保険金が74.8%を占め、社費が19.4%、代理店手数料が5.8%となっております。この代理店手数料は、右側上段吹き出しに記載のとおり、代理店での自賠責保険の契約取り扱いに要する人件費、物件費を積算して算出しております。

また、その下、社費につきましては、ノーロス・ノープロフィットの原則を踏まえ、各社の個別事情によらず、客観的、統一的に社費を捉えるために、全社共通の経費計算基準を設けております。この経費計算基準では、自賠責保険に要した社費を積み上げ方式で算出し、例えば現業部門の社員の給与は、1人1分当たりの給与額に契約引き受け、または保険金支払い1件当たりの処理分数と取扱件数を乗じて計算いたします。このうち1人1分当たりの給与額と取扱件数は、各社における毎決算期の実績を用いますが、契約引き受け、または保険金支払い1件当たりの処理分数は経費計算基準に定めた基準数値を用いております。

経費計算基準の特徴といたしましては、基準数値を全社が使用することで、基準数値以上の業務生産性を促す仕組みとなっており、また、各社が自賠責保険として計上する社費は、全社平均水準までしか認めないといった決算上の調整機能を通じて、効率化のインセンティブを働かせているといった点もございます。

続きまして、資料5ページをご覧ください。こちらは、付加率見直しに当たって実施した業務実態調査の概要でございます。業務実態調査では、保険会社における契約引き受け並びに保険金支払いと代理店における契約取扱業務について、それぞれどの程度の時間を要しているか、全社ベースで調査したものでございます。業務実態調査の集計結果につきましては、資料6ページ以降でご説明します。

6ページをご覧ください。保険会社における契約引き受けに関する集計結果ですが、契約引き受け1件当たりの処理分数は、e-JIBAIといった代理店計上型システムの普及に伴う保険会社における計上業務などの効率化を主因として、18.3分と前回対比3.6分、約20%の減少となりました。

次に、保険会社における保険金支払いに関する集計結果ですが、保険金支払い1件当たりの処理分数は、2002年度の自賠法改正に伴う被害者保護の強化の観点を踏まえた対応を主因として、一般払いの自賠社、一括払いの一括社は、それぞれ前回対比43分の増加、76分の増加となりました。一方で、一括払いの自賠社は、保険会社間における求償業務に関する効率化などを主因として、前回対比9分の減少となりました。

なお、一般払いとは、保険金請求について当事者が自賠責保険を契約している保険会社に直接請求する形を指しますが、一括払いとは、任意保険を契約している保険会社を一括社と言っておりますが、一括社が被害者への保険金支払い手続を行った後、一括社により自賠責保険を契約している保険会社に求償する形態であり、現在では、この一括払いが大宗、およそ90%を占めております。

また、保険金1件当たりの処理分数に含まれない業務、こちらは1名当たりの年間所要分数という単位でございますが、各社の損害サービス拠点の統廃合や本部主催の集合研修などの減少を主因として、631分と前回対比で786分の減少となりました。

なお、これは、本部での従来の集合研修にかわり、端末上で行うeラーニングなどにより、保険金支払いに関する業務品質を確保しつつ、教育の効率化を図ってきているということでございます。

資料7ページをご覧ください。代理店業務に関する業務実態調査の集計等につきましては、損保料率機構にて行っておりますが、本日は私よりご説明させていただきます。

まず、契約1件当たりの所要分数は28.3分と、前回対比ほぼ横ばいとなっております。これは、代理店においてe-JIBAIシステムといった導入の環境変化はあったものの、代理店は、依然として契約引き受けに際して、契約締結・証明書の発行、精算といった業務を担っていることが主な要因と考えております。

次に、契約1件当たりの業務所要経費でございますが、交通費、消耗品費等を要因として376.9円と若干増加となっております。

なお、下段の米印、注釈に記載しておりますが、基準料率改定時に織り込む代理店手数料は、これらの業務実態調査の集計結果に加えて、料率改定時における直近の公的賃金統計を用いて算出することになります。

続きまして、今般の見直しの影響額の概算値についてご説明申し上げます。資料8ページをご覧ください。先ほどご説明申し上げましたとおり、保険会社における契約引き受けでは、1件当たりの処理分数の減少に伴い約135億円の減少。一方、保険金支払では、処理分数の増加に伴い約62億円の増加が見込まれ、これらを合計いたしますと約73億円の減少ということになります。

なお、今回の付加率見直しに当たり、前回改定以降の減損会計並びに資産除去債務といった企業会計制度改正について経費計算基準への反映を検討いたしましたが、当該制度改正の内容や影響等をかんがみ、今回の見直しにおいては反映を見送ることとさせていただいております。

最後に、今後のスケジュールについてご説明申し上げます。資料9ページをご覧ください。ご覧のとおり、社費につきましては、2011年度末決算から今般の見直し結果を反映した新経費計算基準を適用し、また、代理店手数料につきましては、損保料率機構において今般見直しました代理店手数料算出における基礎数値を次回料率改定時に使用する予定でございます。

ご報告は以上でございます。

【落合会長】

ありがとうございました。

それでは、ただいまのご報告につきましてご質問、ご意見ございますか。西原委員、どうぞ。

【西原委員】

社費あるいは代理店手数料等々の関係については、この料率改定において、どれだけ様々な努力が継続できるのか、そこでの透明性を含めた形で、前回の自賠審の中で、私もそのことについて大変強く要請させていただいた経過がございます。今回、合同委員会の中で、第三者委員会の中で様々な精査がされた。具体的な1つの結果があらわれつつあるということについては評価させていただきたいと思います。

合同委員会の中で様々な論点等々が整理された経過があったと思いますが、できれば、今後、その辺の議事録等々について、どこまでの範囲というのはいろいろあろうかと思いますが、今後の自賠審、あるいは何らかの形で公表できるようなご検討はぜひお願いしたい、そのことだけ申し上げたいと思います。

【落合会長】

ありがとうございました。ほかにございますか。藤川委員、どうぞ。

【藤川委員】

今回、社費の問題について合同委員会に参加させていただきました。目標としては、11%料率が上がりましたので、可能であれば、それに見合う1割程度の社費の削減が必要だろうという前提で議論に参加させていただきましたが、今回、そこまでは行きませんでした。しっかり頑張られて73億円という数字を出していただけたのは立派だったと思います。

ただ、やはり保険料率を14%また上げる予定です。可能な限りユーザーに負担がかからないようにすべきです。約8,000億円の支払保険金が正確に払われているか、不正請求はないか、無駄な支払いがないかという本体の保険金の支払いに向けて、今後さらに検討して、できる限り正確な支払いをすることが求められています。今後の課題と思います。

【落合会長】

ありがとうございました。ほかに。清水委員、どうぞ。

【清水委員】

初めてですので、ちょっとよくわからないところがありますが、今の資料の8ページでマイナス73億円という効果額が出ているのですが、ベースとしましては、処理時間を測られて短縮を図られたというふうなご説明がございました。金額は単価×時間で算出されると思うんですが、単価の部分についてはみなしということで、2010年度の決算数値をもとに使っていらっしゃるということです。全体として何%の削減が図られたのかということについては、単価のほうも前回の見直し時と比べてどのように推移しているのか。全体として社費が下がっているというご説明はございましたけれども、その辺のところも説明される必要があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

【落合会長】

ありがとうございました。金野委員、いかがでしょうか。

【金野委員】

金野でございます。すみません、ちょっとご質問の趣旨がよくわからないのですが、基本的には、先ほど申し上げたように経費計算基準という基準がございまして、今回で言いますとe-JIBAIの普及によって、いわゆる1件当たりにかかっている処理分数が3分ちょっと下がってきたので、多分、その基準を当てはめると73億円ぐらい社費が減るということでご説明申し上げた次第でございます。

【落合会長】

どうぞ、清水委員。

【清水委員】

すいません、説明が悪くて恐縮です。資料の4ページを拝見しますと、経費計算基準の基準数値というのは、あくまで処理分数のことだということですよね。そこに書いてあるように、例えば1人1分当たり給与額といったような実績を使うというふうに書いていますんで、その部分のことについて申し上げた次第です。

【金野委員】

すいません、1人1分当たりの……。

【清水委員】

給与額と書いてありますよね。

【金野委員】

この給与額は、先ほども申し上げましたように、全社統一でこの基準を使いますので、各社におきましては統一基準よりも、例えば高くなってしまいますと、結果的には自社で持ち出しということになるので、先ほど申し上げたように、そういう基準を定めていますので、各社がみんな効率的にやろうとして、その基準の範囲内におさめていくということで、効率化のインセンティブが働いているというご説明をしたところでございます。

そのところが、先ほど冒頭申し上げました10年間で約100億、5%程度下がってきたというのも、各社が自分たちの賃金でやっているわけじゃなくて、基準というのを当てはめて、この範囲内でやれというかぶせ方をしますので、そこに努力をしないと各社みんな持ち出しになってしまいますので、結果としては、そういう効率化のインセンティブが働くという基準を経費計算基準と呼んでいるところでございます。

【落合会長】

清水委員、よろしいでしょうか。ここの4ページ見ますと、毎決算期の実績を用いるものと、経費計算基準という基準数値を用いる場合というので、それぞれ項目が違っているという部分、ここが清水委員がご質問された点で、1人1分当たりの給与額というのが毎決算期の実績を用いているのであれば、前の決算期の数字はどのぐらいの数字であったのか、そういうご質問と理解してよろしいでしょうか。

【清水委員】

そうです。かかる処理分数を効率化によって削減しました、これはよくわかるんですけれども、前回の改定時に比べて、では、どれほど単価が下がっているのかということについて、確かに社費が削減されましたというのは、どこかの資料に説明がございましたが、それが2010年ベースでの比較表だとちょっとわかりにくいということでございます。

【金野委員】

正確にお答えできるかどうかわかりませんが、今のご質問で言うと、決算期に計算基準を使った社費の減少というのが、3ページのところに営業費、それから損害調査費、一般管理費というふうに、105億円の内訳があるのですが、まさにこれが決算と基準値を使っていったときの結果としての減少というふうにご理解いただければわかりやすいのですが。ここにずっと下がってきたというか、各社の給与がずっと下がってきた結果、ここに反映しているというふうなことで。

【清水委員】

よくわかります。削減されたということは総額でわかるんですが、先ほどの単価という意味ではちょっとわかりにくいという趣旨でございます。

【金野委員】

はい。

【落合会長】

その点につきましては、ご質問の趣旨に合うような形で個別にご回答させていただくというようなことでよろしゅうございますか。

【金野委員】

わかりました。そのようにさせていただきます。

【落合会長】

ほかに。高橋委員、どうぞ。

【高橋委員】

私は、前回審議会で付加率に関して業務実態調査等をお願いした立場から発言させていただきます。

調査の枠組み等から非公式に少し関与させていただきました。それで、プロセス及び結果が今回初めて国民に明らかにされたということの意味は大きいと思いますし、それが2013年度から反映されるということについても妥当なものであると考えます。

ただ、2004年の自賠システムの導入による効率化の反映というのが数字として出てきたわけですけども、一方、人手のかかる支払いの部分などは逆に増えている結果ですが、この支払いの部分に関しても適正、かつ効率化が図れないのか、これは協会のほうに十分努力していただきたいと思っております。

それから、要望ですけども、この審議会でお願いして、こういう業務実態調査が行われたわけですが、この比較になっている数字、前回が2000年であるわけでして、その間、2004年にe-JIBAIが導入されて、それから何もされていなかったというのは、やはり問題であったかなと委員としても反省しているところでございます。

これに関しましては、やはり定期的に見直す、あるいは大きな変化があったときに見直す、何らかのルールづくりが必要ではないかと思いますので、その点、意見として申し上げたいと思います。

【落合会長】

ありがとうございました。金野委員、どうぞ。

【金野委員】

今、2000年以降見直しがなかったんで反映されてないというのはちょっと誤解でございまして、先ほども申し上げたように10年間で100億減ってきたというのは、この経費計算基準を使って、ちゃんとガイドラインをかけてやっているので、業界としてはきちっと効率化ができてきたというのは1つございます。

それから、今ご質問いただきました2004年、e-JIBAI以降、こういうことができるのであれば定期的に見直したらどうかといいますが、ご意見は承りたいと思うのですが、自賠責というのは、ご理解いただきたいのは非常に定型化された業務でありまして、大きな環境変化がないと、先ほど社費のところでも言いましたが、15%程度の社費しかございませんので、あまり毎年毎年大きく業務生産性が変わってくるということではないという認識です。

例えばe-JIBAIに関しましても、2004年に導入以降、07年で4割強、直近のところで84%ぐらいまで拡大してきたということと、一方でお支払いのほうは、2002年以降、審議会のご指摘もいただいて相当丁寧にお支払いをするということで、業務の効率化と損害のところが大きく環境が変わったということで、今回の調査は非常に価値があったと認識しています。

今後につきましては、こういう環境変化が大きくあれば、その時点でできるだけタイミングを見て、必要に応じてやっていきたいというふうに業界としては考えております。

以上でございます。

【落合会長】

高橋委員、よろしいですか。どうぞ。

【高橋委員】

誤解を招く表現があったかもしれませんが、7ページにあります業務実態調査の集計ということで前回対比が出ているのですが、これは、業界の方に伺いましたらば、2000年以降はやっていなかったということなので、そのことを申し上げたんです。全部をやってないという意味ではなくて、特にe-JIBAIを導入して、ここをやってなかったじゃないかということについて申し上げたんですが、今後、ほかのところでも同様のことが出てくる可能性がありますので、何らかのルールを設けていただきたいということです。

【落合会長】

ほかに。藤川委員、どうぞ。

【藤川委員】

今言われたのはよくわかるんですが、今回、社費の問題は相当洗ったわけです。しかし、73億円しか出てこなかったということで、自動車事故の場合、軽傷が9割近くを占める。交通事故の件数が減ってきて、死亡事故が減ってきてということからすれば、本来、支払保険金というのは、それに比例して減ってこなくてはいけないんですね。それが8,000億円ぐらいで推移しているというところにやっぱり異常さを感じます。これだけのメンバーがいながら異常に気づかないということは僕はおかしいと思います。

やはり本来ならば、そこで支払保険金が減ってこなくてはいけない最大の理由は何であるかということを、社費の問題がこれだけ解明されてきたということですから、次は支払保険金に何らか問題があるんじゃないかということで、支払保険金は減らせるのではないかということからすれば、保険料率も14%上げずに済むかもしれない。今後課題として、社費の問題は5年後でもいいし、10年後でもいいんですが、支払保険金を交通事故の現状から、減るべき支払保険金が減っていないのはなぜかということ、新たに委員会を立ち上げる必要は十分あると思います。

【落合会長】

ありがとうございました。ほかにご意見、ご質問ございますか。よろしいでしょうか。

そういたしますと、金野委員からの報告につきましては、本日様々なご意見をいただきましたので、これらの意見を本審議会として今後十分に参考にし、反映すべきものは反映していくということにしたいと思います。さらに後でご質問等が生じましたら、個別に質問していただくというような形で、個別に対応するということもルートは開かれているということにしたいと思います。

それでは、引き続きまして平成24年度の運用益の使途についてのご報告をお願いいたしますが、民間保険会社、JA共済、自動車安全特別会計の順にご説明をいただいて、その後一括してご議論をいただくというふうにしたいと思います。

なお、国土交通省からは自動車損害賠償保障制度にかかる最近の取り組みにつきましても関連することがありますので、これもあわせてご報告をいただきたいと思います。

それでは、まず「平成24年度民間保険会社の運用益の使途について」、これも金野委員よりご報告をお願いいたします。

【金野委員】

金野でございます。平成24年度の民間保険会社の運用益の使途につきまして、ご報告を申し上げます。お手元の資料3をご覧ください。

本運用益拠出事業は、第三者委員会で構成される損保協会長の諮問機関、自賠責運用益使途選定委員会にて審議、ご了解をいただいているものであり、今後、2月16日開催の損保協会理事会にて最終決定する予定としております。

それでは、本運用益拠出事業(案)のポイントをご説明させていただきます。

本運用益拠出事業(案)の作成に当たりましては、これまでの自賠責保険審議会答申や2002年度自賠法改正に当たっての国会附帯決議などを踏まえ、自動車事故の被害者対策を中心に充実させていくということを基本方針としております。既存事業においては、個々の事業報告、検証を踏まえて事業内容の見直しを行い、必要な事業は充実させる一方で、それ以外の事業は縮減するということにしております。増額に当たっては、当該事業の必要性、公共性及び期待される効果等を検証した上で、全体では8つの事業で増額とし、一方では拠出先団体に対して事業体としての自立を促すということ等を求めた結果として、全体では5つの事業で減額しております。

新規事業といたしましては、資料4ページの自動車事故被害者対策の分野から、マル9の「交通事故被害者への情報提供・研修会開催費用補助」及びマル11の「高次脳機能障害ファシリテーター育成講座」の2つを挙げてございますが、いずれも基本方針に基づき自動車事故被害者対策事業に後退がないよう検討したものでございます。

2012年度支出予定額としましては、資料5ページの合計欄のとおり21億7,654万円となり、前年度対比では120万円の微減となっております。

なお、個々の拠出事業の内容につきましては、資料1ページから5ページに記載しておりますが、時間の関係上、説明は割愛させていただきたいと存じます。

また、2012年度も含めた直近5年間の拠出額の推移並びに2010年度の運用益拠出事業の報告書を添付いたしております。

民間損保といたしましても、今後とも自賠責保険の運用益の有効かつ適正な拠出について、引き続き努めてまいりたいと思います。

以上、ご報告申し上げます。

【落合会長】

ありがとうございました。

続きまして、「平成24年度JA共済の運用益の使途について」、これにつきまして勝瑞委員よりご報告をお願いいたします。

【勝瑞委員】

JA共済の勝瑞でございます。平成24年度のJA共済の運用益の使途につきまして、ご報告申し上げます。お手元の資料4をご覧いただきたいと思います。

この拠出事業(案)につきましては、先に説明がありました損保協会と同様、第三者委員からなる使途選定委員会にて審議、ご了承いただいているものでございまして、2月開催の本会理事会で決定する予定としております。

それでは、本拠出事業(案)のポイントについてご説明させていただきます。

本拠出事業(案)の作成に当たりましては、これまでの当審議会答申や当審議会でのご意見を踏まえまして、農山村部において必要とされる自動車事故防止対策、あるいは被害者対策を中心に取り組んでいるところでございます。既存事業においては、実施状況を調査の上、実施効果、課題等を検証いたしまして、必要な事業は継続、または拡充させる一方で、それ以外の事業は縮減することにより、効果的、効率的な実施に努めているところでございます。

まず、新規事業といたしましては、1ページをお開きいただきたいと思います。1ページのAの自動車事故防止対策の分野から、マル8の児童向け交通安全教育資材の提供を挙げてございますが、これは、自転車交通安全啓発を目的とした児童向け交通安全教育資材、内容は交通安全教育用のDVDでございますが、これを全国の小学校に提供し、教育現場で活用いただくという内容でございます。

続きまして、増額する事業といたしましては、全体で3つの事業を挙げておりますが、まず1ページのAの自動車事故防止対策の分野のマル6の交通安全ポスターコンクールの実施及びマル7の幼児向け・高齢者向け交通安全教室の実施につきましては、取り組み強化に伴う増額をいたしております。また、2ページのCの自動車事故被害者対策の分野のマル3の交通事故法律相談機関の支援につきましては、先方の要請に基づく増額となっております。

続きまして、減額する事業でございますが、減額する事業といたしましては2ページのBの救急医療体制の整備の分野のマル1の救急医療機器等購入費補助、それから2ページから3ページにかけましてCの自動車事故被害者対策の分野のマル2の交通事故無料法律相談事業の支援、マル4の介助犬の普及の支援、マル7の交通遺児等育成基金の支援の計4事業を挙げております。

以上によりまして、2012年度の支出予定額といたしましては、資料の4ページをお開きいただきますと、合計欄のとおりでございますけれども、16億4,212万円となりまして、前年度計画比で1億3,527万円の減少となっております。

なお、個々の拠出事業内容につきましては、資料1ページから4ページに記載しておりますけれども、時間の関係上、説明は割愛させていただきます。

また、2012年度も含めた直近5カ年の拠出額の推移並びに2010年度の運用益拠出事業の報告書を添付しておりますので、参考としてご覧いただければと存じます。

JA共済といたしましては、引き続き自賠責共済運用益の有効かつ適正な拠出に取り組んでまいりたいと考えております。

以上、ご報告申し上げます。

【落合会長】

ありがとうございました。

それでは、続きまして「平成24年度自動車安全特別会計の運用益の使途について」、それから「自動車損害賠償保障制度にかかる最近の取組について」、この2件につきまして国土交通省の後藤保障制度参事官よりご報告をいただきたいと思います。

【後藤参事官】

ただいまご紹介いただきました国土交通省で保障制度を担当しております参事官の後藤でございます。昨年末、24年度の政府の予算案が固まりました。それに基づきまして24年度の自動車安全特別会計運用益の使途につきまして、ご説明いたします。

資料5をご覧ください。まず、1ページおめくりいただきまして、総括表がございます。

まず、この総括表で全体像をご説明いたします。運用益の活用事業につきましては、独立行政法人でございます自動車事故対策機構に対する助成と、それ以外のものに対する補助金とに分かれております。まず、独立行政法人、機構に対する助成でございますが、24年度政府予算案では106億1,000万を計上してございます。それから、機構以外に対する補助金といたしましては23億計上してございまして、合わせまして、24年度の予算案では129億ということになっております。これが全体の総括でございます。

次に、具体的な項目につきましてご説明いたします。1枚おめくりいただきまして、運用益活用事業という資料の1、機構に対する助成というところをご覧ください。(1)自動車事故対策費補助金というところがございます。このうちのマル1の介護料の支給でございますけれども、受給者の増加を見込んでおりまして、24年度の予算案では対前年度若干増の31億7,000万円を計上しております。それから、短期入院の助成は1億1,000万円、交通遺児等への貸付金の回収不能に係る補填、マル2マル3の部分でございます。これは、前年度と同額の予算を計上しております。

それから、(2)の施設整備費の補助金でございます。これは、老朽化した医療機器の更新等に充てるための経費でございます。24年度におきましては、東北と中部の療護センターの医療機器につきまして3億8,000万円を計上してございます。

ちなみに予算額の増減率を見ますと、23年度に比較して30%の減となってございますが、注1)のところをごらんいただきたいんですけれども、平成23年度におきましては東日本大震災によりまして被害を受けた東北と千葉の療護センターの復旧のための経費、約1億6,000万円計上してございまして、この補正予算の分を除きますと、24年度、ほぼ前年度並みということでございます。

それから、機構の(3)運営費交付金でございますけれども、24年度におきましては69億円を計上しております。独立行政法人全般の経費の効率化の方針に基づきまして、対前年度で2.8%の減というふうになってございます。

それから、1枚おめくりください。自動車事故対策費補助金でございます。まず、被害者保護増進対策というところでございます。医療関係では、(1)の自動車事故医療体制整備事業、それから(2)の自動車事故救急法普及事業というものがございます。(1)が2億9,000万円、(2)が1,000万円ということで、前年度と同額を計上しているところでございます。

それから、紛争処理、あるいは法律相談等の関係では、(3)の紛争処理機関に対する補助、それから(4)の日弁連の交通事故相談センターに対する補助がございます。こちらにつきましても、それぞれ1億5,000万円、それから5億7,000万円ということで、対前年度で同額を計上しております。

それから、(5)の交通遺児育成基金事業につきましては、前年度と比較しまして若干の減の1億円を計上しているところでございます。

それから、次のページに移りまして自動車事故の発生防止対策でございます。(1)は運送事業を対象といたします安全・円滑化等総合対策事業でございます。このうち上にございますオムニバスタウン整備総合対策事業でございますけれども、24年度は2億9,000万ということで、23年度に比較しますと1億円以上の大幅な減に縮減を行っております。本事業につきましては、現在、継続中の事業の終了に合わせて廃止することになってございます。

一方、事故防止対策推進事業でございますが、これは、衝突被害軽減ブレーキでございますとか、ドライブレコーダーといった整備に対して支援するものでございます。事故の防止、あるいは被害の軽減効果が大きいということで、需要が大きくございます。増額で計上しているところでございます。

それから、(2)の安全運転推進事業でございますが、対前年度同額の4,000万円を計上しております。

以上が24年度の運用益活用事業の概要でございます。

それから、資料といたしましては、22年度の事業の内容ということで参考をつけてございますが、詳細につきましては説明を省略させていただきます。

続きまして、資料7ということで、自動車損害賠償保障制度にかかる最近の取り組みということで、ご報告事項を用意してございます。運用益事業の見直しについてということでご報告させていただきたいと存じます。

運用益事業の見直しにつきましては、昨年の自賠責審議会におきましてご指摘をいただきまして、国土交通省の、具体的には自動車局長の懇談会でございます今後の自動車損害賠償保障制度のあり方に係る懇談会というところにおきまして、関係者の皆様と検討を進めてきたところでございます。昨年12月には、懇談会の委員の有志の方によります会議を開催いたしまして、運用益事業の見直し、精査に当たっての方向性を示します見直しの基本的な考え方についてご議論をいただいたところでございます。本日は、その検討議論の状況、今後の進め方につきましてご報告させていただきたいと思っております。

まず、資料の最初のページにございます運用益事業の見直しの基本的な考え方ということにつきましてご説明いたします。

これは、先ほど申しましたとおり、昨年末のあり方懇談会において議論いただきましたけれども、後ほどご説明するように幾つかのご意見、ご示唆をいただいたわけでございますが、基本的には、趣旨等につきましてご賛同いただいたというものでございます。

まず、運用益事業の意義でございます。運用益事業は、自動車損害賠償保障法の規定に基づきまして保険会社、共済組合は準備金の運用益によりまして、国は過去の再保険事業による準備金の運用益によりまして、被害者の保護の増進でございますとか、自動車事故の発生の防止に関する事業を行うというものでございます。国と保険会社、共済組合との役割分担といたしましては、国が全国一律に提供されるべき被害者の給付でありますとか、事業者への安全指導などを行う。一方、保険会社、共済組合は、国の取り組みを補完・促進するもの、あるいは先駆的な事業などを実施しておられるということになるわけでございます。

主な論点として、見直しに当たりまして考慮すべきものを幾つか挙げております。見直しの前提といたしましては、運用益事業は自賠責制度によります車社会の支え合いの仕組みによるということでございまして、見直しによりまして被害者の保護が後退しないように留意すべきということがまず記載されておるわけでございます。

以下、個別論点でございますが、まず財源論、運用益を財源とすることについてということでございます。これは、運用益の財源が自動車ユーザーが負担した保険料が財源になっているわけでございますので、自動車事故の被害者のために使われることが前提であるということでございます。ただ、実際には被害者の方以外の利用というものもあり得るわけでございます。これをどう考えるかということでございますが、仮に被害者以外の方が利用するということでありましても、例えば9号にありますように、被害者のために必要なことはございますので、これは実施する必要があるということであります。ただ、支援の規模、あるいは対象についてはきっちり精査していくということでございます。

それから、2つ目の論点でありますが、事業の対象範囲についてでございます。運用益事業は、もともと保険金では十分に補うことができない被害者の負担の軽減を図るという趣旨で実施されているわけでございます。この趣旨を踏まえまして、国、保険会社、共済組合がそれぞれの役割に応じて事業に重点的に取り組んでいくということでございますので、そういった観点から事業の対象を精査すべきではないかということでございます。

それから、論点の3つ目でございますが、財源の効率的な運用についてということでございます。必要な事柄につきましては、国、保険会社、共済組合、それぞれが支援を行う必要がある場合がございます。ただ、運用益事業というのは貴重な財源を活用して行うものでございますので、支援の規模、対象が適切なものになっているか、あるいはお金の使い方が効率的かどうかということを精査していくべきだということでございます。

最後に、論点を踏まえた事業の見直しの方向性についてでございますが、事業の効果の把握・検証の進め方といたしましては国、保険会社、共済組合、それぞれ評価の仕組みを現在持ってございます。したがいまして、この仕組みを活用して、今申し上げましたような論点につきまして改めて事業の必要性、効率性を検証するということではないかということでございます。

それから、検証結果を踏まえた見直しといたしましては、規模の縮減ということもございますし、必要性の高い事業への重点化ということも含めて見直しを行うということでございます。

それから、今後の事業のあり方につきましては、個別の事業につきまして精査を行いまして、関係者の皆様ともご相談した上で、具体的な見直し案を取りまとめることとしてございます。次回の国土交通省のあり方懇談会におきましてご報告して、25年度の事業の選定に反映させるということでございます。引き続き、このあり方懇談会などの場を通じまして、被害者のニーズはじめ関係者の皆様のご意見を伺っていくということを考えてございます。

次に、この基本的な考え方については、昨年末のあり方懇談会で議論されたわけでございますが、その議論の概要についてご報告いたします。これは、委員の皆様からいただいたご意見、ご示唆を取りまとめたものでございます。

まず、運用益の財源が自動車ユーザーの負担した保険料であるという観点から、運用益の活用につきましては自動車ユーザーなど関係者のご理解が得られるよう、透明性、事業の実効性の確保が重要であるというご意見がございました。

それから、運用益事業は自賠責制度によります支え合いの仕組みに基づくものとして定着してきている、被害者救済にとって重要な役割を果たしているというご意見もございました。

また、国、保険会社、共済組合との間の役割分担について明確にして、これを踏まえて運用益の見直しを検討すべきというご意見もございました。一方で、こういった役割分担の明確化の重要性というのは理解されるということでございますが、実際きちっとした線引きはなかなか難しいのではないかというご意見もあったところでございます。

それから、被害者救済の観点からは、国の財源に限りがあるという現実のもと、運用益事業は社会保障を補う意義を持っており、重要であるというご指摘もございました。

さらに、社会保障との関係では、運用益事業の見直しに当たっては変貌しつつある社会保障全体の状況を見つつ検討する必要があるのではないかというご意見もございました。

また、運用益事業の具体的内容につきましてのご示唆ということでございますが、我が国の交通事故の被害者には、高齢者が多いという実態がございます。こういった実態を踏まえて、予防的な観点から事故対策を講じる必要があるのではないかというご意見もございました。

最後に、運用益事業の効果の把握・検証ということにつきまして、現在も実施しているということですが、一般の方からはなかなかわかりにくいということもございまして、外から見てわかるような形で実施するようにすべきというご意見もいただいたところでございます。

今後の対応、進め方でございますが、このようにいただいたご意見、ご指摘を踏まえまして、関係者の皆様とご相談しながら見直しの検討を進めていくとしておりますけれども、スケジュールといたしましては、最後のページにございますが、今後、これまでの議論を踏まえまして、関係者の皆様とご相談しながら個別の事業の具体的な見直しにつきまして精査を進めます。事業の具体的な精査案につきましては、6月にあり方懇談会を予定してございますので、こちらにおいてご報告することとしております。

また、25年度の概算要求ということもございますので、来年1月の本審議会におきまして事業の具体的な精査案、これを踏まえた25年度の予算案につきましてご報告するということを考えてございます。

私からは以上でございます。

【落合会長】

ありがとうございました。

そういたしますと、三者からのご報告が終わりましたので、このご報告につきまして、どの点からでも結構でございますので、ご意見、ご質問をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。西原委員、どうぞ。

【西原委員】

昨年1月の自賠責審議会の中で、私から特に今後の保険料率の見直しに当たっての前提ということで4点申し上げました。改めて申し上げると、1点目は、いわゆる国、それから民間保険会社、JA共済、それぞれが行っている運用益事業の重複に関する精査、それから解消によって、より政策効果を高めるための抜本的な検討が必要ではないかということ。それから、2点目としてノーロス・ノープロフィットで運営されている自賠責保険制度での運用益事業そのもののあり方の精査、確認を行う必要があるということ。3点目として、同様の観点で、政府保障事業の精査も必要であるということ。4点は、先ほどご報告、あるいは意見も申し上げましたけれども、自賠責にかかわる社費及び代理店手数料の精査の必要性ということでございました。

このことに沿って今後も検討を進めるべきだと思いますが、今、全体の事業内容についてお聞きした上で、これまでも申し上げているんですが、あえて少し具体的事例も含めて今一度申し上げて、今後の検討の中でぜひ受けとめていただければと思っております。

やはり1つ大きいのは、1点は、積立金の運用益で本当に行うべき事業なのかどうかというところ、かなり本質的な部分を検討していく必要がある。もう1点は、これは国の関係ですけれども、本来、国の一般会計予算で措置すべき事業なのではないかというような疑問が生じるような事業内容が含まれている。

ちょっと具体的な例で何点か申し上げますと、例えばドクターヘリの普及の関係であります。ドクターヘリについては、当然、救急医療体制の整備事業として普及促進の重要性というのは十分理解しているわけでございますが、当然、これは自動車事故のみの対応ではないわけで、幅広く救急医療に必要な事業という観点からいかがなものか。

もう1点、これも以前申し上げたことがあろうかと思いますが、自動車事故発生防止対策事業として国が行っておりますオムニバスタウン整備に関する費用の補助、いわゆる公共交通機関の関係について事故防止対策事業の位置付けでやるということはいかがなものか。

それから、民間保険会社が行っております例えば警察庁への交通事故防止基金への寄贈でありますとか、救急医療体制の整備事業であります消防庁への高規格自動車、いわゆる救急車等の車両寄贈ですが、徐々に縮小方向にはなっていますが、本来、必要な分については国の一般会計予算の中で、それぞれの省庁の中で措置されるべき話であって、運用益事業で行うべきかというのは、もう一度きちんと検討していく必要があるだろうと思っています。

それから、ユーザーの保険料からなる運用益事業といった観点で見たときに、例えば保険会社からの寄贈が行われているわけでございますが、これはJA共済のほうからも行われていますが、これら企業、あるいは組織自体の事業として、あるいは企業、組織のCSRの観点から、本来、自らがやるべきこと、これを運用益の中から拠出するのはいかがなものか。

このことについては、もう一つ、2点目で大きく申し上げると運用益事業の拠出先の関係なんですけども、昨年12月のあり方有志懇の中でも疑問点として申し上げましたが、例えば保険会社が損保協会へ拠出する、あるいはJA共済がJA厚生病院でありますとか、あるいはJA共済総合研究所に拠出する、これは、ある面関係先というか、身内の中でそういう形で拠出するのは、正直申し上げて、自動車ユーザーという立場で見たときに、端的に身内への拠出ということで、透明性の観点からいかがなものか。

今2点、個別の事業について申し上げましたけども、今一度、今回のあり方の見直しの大きな方向の中で、ぜひともよりクリアになるような形での検討をお願いしたいと思っています。

先ほど今年度の運用益事業の報告、いろいろ受けたのですが、被害者救済以外の事業の関係なんですけども、かなり前から遡っていろいろデータを調べたんです。もちろんその年々でも見直しというのは一部なされていますが、ほとんど同じ拠出額なんです。拠出先からの要請で見直しをするとか、若干の移動はあるにしても、ほとんど変わっていない。これは、ある面、前年踏襲とも言えるような予算立てになっているんではないか。このことについては非常に疑問を持っております。事業の必要性というのは、当然、貴重な運用益の中での事業でありますし、その事業の目的、効果を考えたときに、やはり精査というものは、もちろんさまざまな機関を設けながらやられていることは十分承知した上で、いま一度、今回改めてそれらを見直すべき時期ではないかなと思っています。

したがいまして、今後、いわゆる次の方向の中で、ぜひ事業の効果の把握・検証、その中でやはり被害者救済、ここに相当強く特化した形で効果的な事業の選定というものがなされて、そのことが透明性を持って、特に共助の中で自動車ユーザーが負担している、自動車ユーザー自身からもやはり透明性を持った形で理解、納得というものが進められるような努力が必要ではないかと思っています。

今回、中間報告という形で、このように出されたことについては大変評価いたします。その上で、今申し上げたことも含めて、より具体的な形で、そのことが改革の方向に進みますことをぜひお願い申し上げたいと思っております。

それから、そもそも国の運用益事業の部分で約130億円、この使途のご説明を先ほどいただいたんですが、実際に運用益からの支出というのは、現実はその半分にも満たないというふうに聞いておりまして、要するに残りは基金を取り崩して拠出されているという状況がございます。あえて申し上げれば、運用益事業自体の効果なり、意義というものを明確にするんであれば、やはり長期安定的な形での運用ということを前提にしたときに、あえて言わざるを得ないのは一般会計に貸し出されている約6,000億、これをきちんと返してもらうという努力をより強く国交省からも財務省に対してお願いをしたい。これはずっと言い続けている話でありますが、これについてはぜひ引き続きお願いしたいと思っています。

制度自体を長期安定的な形で、その中で、冒頭会長のほうからもございました意義ある形の事業がより安定的な形で継続できるための見直しをぜひともお願いしたいと思っています。

いずれにいたしましても、今の状況の中でいけば、来年、料率改定という形になるわけで、その際にやはり自動車ユーザーの皆さんの家計への負担とか混乱を考えたときに、ぜひ急激な形での変動といったものを避けるためにも、今回、せっかくここまで様々な検討が進められていますので、そのことがより制度の意義といったものを強調できる方向で改革できるように、改めて申し上げておきたいと思っています。

以上でございます。

【落合会長】

ありがとうございました。ほかにご意見。どうぞ。

【宮近委員】

日本自動車会議所の宮近でございます。先ほどの西原委員の話とも関連がありますので、ユーザー側からの意見を申し述べさせていただきたいと思います。

自賠責保険の収支が赤字であるため、昨年に引き続いて来年の保険料値上げにつきましてはやむを得ないというふうに考えますけれども、その値上げに当たりましては、次の2点についてしっかり取り組んでいただきたいと思います。

まず1点目でございますけれども、運用益事業の精査についてでございます。今後行う運用益事業の見直しに向けた精査につきましては、先ほど来論議になっておりますけれども、徹底的に重複を排除して、十分な効率化を図り、ユーザーが納得できる見直しを行っていただきたいと思います。そして、社費や代理店手数料の水準につきましては、実態調査の結果に基づきまして適正なレベルとしていただくようお願い申し上げます。

2点目でございますけれども、自動車安全特別会計の事業についてでございますが、運用益事業の精査等を踏まえ、次回の値上げの際には自動車ユーザー、国民を納得させる環境づくりが必要であると考えております。中長期的観点も含め、長年にわたって主張してきております、以下申し述べる内容につきましてはぜひ実行いただくようお願い申し上げます。

まず、従来からの積み残しである特会からの一般会計繰越金の問題ですが、いまだ解決されていないことでございます。積立金と保険収支とは直接の関係にはないと申しましても、自動車安全特別会計からの一般会計繰り入れが返済されないまま保険料が値上げされることは、自動車ユーザーとしては納得しがたいことでございます。ぜひ毎年、少しずつでも返済していく具体的な計画を示していただきたいと思います。今まで計画が示されたことが一度もないことにつきましては、甚だ遺憾であると言わざるを得ません。

次に、自動車事故対策事業についてでございますが、この事業は安定的に運営されるべきものですが、今後も国の財政難が続き、積立金を一般財源とみなす動きが復活する恐れがあることでございます。まず一般会計繰入分を全額返済していただき、そこを出発点といたしまして自動車事故対策事業を安定的に運営するための抜本的な仕組みの改革について、検討をぜひお願いしたいと思います。

以上でございます。

【落合会長】

ありがとうございました。ほかにご意見。高橋委員、どうぞ。

【高橋委員】

私も、今のお二人の意見と同じ方向性でございますけれども、少し追加して申し上げたいと思います。

本日、国交省から運用益事業の見直しの基本的な方向性とスケジュールが示されたことは大きな進展だというふうには思うんですけれども、今後の見直し作業の透明化を図っていく点からも、運用益の使途についての報告のスタイルについて少し要望を申し上げたいと思います。

毎年、3事業の重複を避けて効率的、効果的にやってほしいということを申し上げています。以前と比べると3つの事業についてのご報告の表は見やすくはなっているんですけれども、細かいことを申し上げますと、民間会社とJAのものは2011年という西暦を使っていて、国交省のほうは平成という、それだけでも比較するときに困難なのですが、それだけではなくて、それぞれのスタイルで言うと、民間保険会社のほうは2011年度の承認額と2012年度の申請額と2012年度の支出予定額案という形で、個別の項目についての数値が出ていて、JAのほうは2011年度の支出予定額と2012年度の支出予定額案しか出ていない。今回大きく進歩しているのが国交省のほうで、22年度の予算額と決算額が出た上で、23年度の予算額と24年度の予算額が出て、その増減が対比されていると。この形のほうがずっと見やすいということと、その事業に関して、国交省は自動車事故対策機構に対する助成というくくりになっているので、それがほかの2つとくくりが違うので、被害者救済とか、事故防止という観点からいくと比較が非常にしにくくなっております。

ですので、やはり3つの事業の重複を避ける、そして効率的、効果的に運用益を使っていくという観点からいくと、フォーマットをできる限りそろえていただきたいと思うんです。そろえていただくと、無駄がもっと見やすくなるんですが、この状態ではわかりません。

それと、もう一つほかの委員の方から、前年踏襲予算じゃないかというふうなお話がありましたけども、私も同感です。細かく見ていきますと実績との対比がしにくく、一見いいのかなと思って実績を見ると予算よりもずっと少なくしか使ってないものなのに、2012年度でまた同じ予算が組まれていたりします。実際に事業に関してどういう検証・評価がされたのか、それが予算にどう反映されたのかというのを、細かく見ていくとおかしなところがどこの団体にもあると感じます。その点も改善していただくともっと効率的に我々の審議も進められるのではないかと思います。

以上です。

【落合会長】

ありがとうございました。ほかに。福田委員、どうぞ。

【福田委員】

先ほどの西原委員などのご意見の中に出てきましたけど、約6,000億円の一般会計への貸付金があるわけですが、約2兆円の滞留の運用益が出たときに20分の11と20分の9に分けて、20分の11についてはユーザーに対する保険料の還元という形で処理し、残りの20分の9については被害者対策のための安定化した事業を行うための基金として行うという政策判断がされたわけなのです。現在、その6,000億円が返ってきてなくて、毎年毎年元本といいますか、残っているお金を取り崩して被害者救済事業をやっているという現実がある。毎年、自動車安全特別会計で約130億です。あってはならないことですけれども、万が一この6,000億が戻ってこないということになってしまうと、あと20年ちょっとぐらいで特別安全会計のほうからの運用益事業ができなくなるという見通しでいいのかというのがまず1点ある。それと、あと西原さんたちのお話の中で、これを返していただくというのはもちろんそうなんですけども、返していただいたときに基金総額が約7,000億なり、8,000億になるんでしょうか、それを用いて現在の被害者救済の水準を後退させることなく被害者救済のために戻ってきたお金を効率的に使うということの検討をさらに精査するべきだというふうに理解してよろしいんでしょうか。その辺、ちょっと確認したかったものですから。

【落合会長】

今の福田委員の確認点につきまして、西原委員いかがでしょうか。

【西原委員】

そういうことで結構だと思うんです。そこのベースに戻したところで論議、論点はいろいろ出ると思いますけども、今、委員が言われたことについては認識は同じだというふうに私は理解しています。

【福田委員】

つまり、現在の被害者救済を一歩も後退させることなく、さらに効率的な被害者救済を行うための財源として、戻ってくる6,000億を含めて、この改定を考えていくということですね。

【落合会長】

ありがとうございました。ほかにご意見、ご質問ございますか。清水委員、どうぞ。

【清水委員】

各委員が重複事業の解消ということをおっしゃっていましたので、特に付け加えることはないんですけれども、運用益事業を拝見しますと、保険会社と共済組合の事業内容がほとんど同じものがあって、しかも、拠出先が全く同じというふうな事業もかなり見られました。被害者救済ということを考えるならば、保険会社及び共済組合全体としてどのぐらいの規模の支援をどこにしていくのか、両者合わせて適正な支援を行っていく仕組みがまさに必要ではないかというふうに思っています。これについては、見直しの方向性のところの2ページ目の上のほうに書いてあります財源の効率的な運用についてというところで、それぞれの支援の規模や対象が適切なものになってないのではないかというふうに感じるところですので、そういう仕組みづくりというものをご検討いただければというふうに思います。

【落合会長】

ありがとうございました。どうぞ、藤川委員。

【藤川委員】

6,000億円の話もそうなんですが、ユーザーは必ず加害者であるというわけじゃないんですね。交通事故の場合はユーザーは被害者の予備軍なんですね。だから、6,000億円は一般財源から戻してもらわなくてはいけないんですが、将来戻したときと2兆円の余剰金が発生した時代と状勢が変化しているんですね。全国のユーザーはすべて被害者の予備軍であり、実際被害者である人もいるわけですね。重傷であるか、軽傷であるかは別にしても、やはりすべてのユーザーが、被害者になる予備軍ですので、その予備軍に対して保険料が足らなければ、その保険料の穴埋めに使うということも考慮し、使途をあまり絞らないほうがいいかなと思います。その時点で、政府で議論して、使途に関しては保険料を下げるということであれば、全体的な被害者の予備軍、ないしは被害者に対して恩恵が授かると思います。そういう視点も、いずれ戻ってきたときには、みんなでその6,000億円を国民全体にどう使うか、どうやって還元するかということを考えればいいかなと思っています。

【落合会長】

ありがとうございました。それでは、戸川委員、どうぞ。

【戸川委員】

運用益の事業の使途について、特にその中でも事故防止についての新たなジャンルといいますか、その件についてちょっとお願いをしたいと思います。

私、あちこちの席で自転車事故が急増していて、それに対して社会の対応ができてないということを盛んに申し上げているんです。私たちがこれから問題にしようとしているのは、自動車と自転車の間の部分、高性能の自転車、あるいは新しいモビリティというものが今盛んに出てきているわけですけれども、それらが十分に行政の間、あるいは業界の中でも理解されて、うまく整理されてないというふうに思っています。

具体的にどんなものがモビリティにあるかといいますと、例えば小泉首相が乗って歩いたセグウェイというのがありますけれども、あれは日本では歩行者扱いということで一般の公道は走れないわけですが、一部の外国におきましてはきちんとした自動車として公道での走行が許されているというふうな、国際基準と整合しない部分がある。

それから、町の中で時々お年寄りがスクーターの小さいような電動の歩行具に乗っているのをごらんになった方もあると思いますけども、あれは歩行者と同じ扱い、車ではないわけです。ところが、日本の道路の交差点なんかに行きますと、車道から歩道に上がるところがかなり急なところがありまして、パワーが小さくて登れない場合がある。あるいは、雪が降ったりすれば全く動かないということがあります。

そんなことで時速10キロ程度の歩行具が歩道に登れなくて、やむを得ず車道を走ることがあるんです。車道は制限速度40キロですから、自動車から見ればそういったものは当然眼中にないといいますか、そのわきをビュンビュン通っていく。道路の端に違法駐車があれば、その歩行具がのろのろ避けて中に入っていかなきゃならない。こういう危険な状態があったりします。

それから、最近、主婦の中で非常に普及が進んでいますけど、電動自転車、自転車にバッテリーを積んだ車ですけれども、これはかなりの高性能でして、昔の原動機付自転車という自転車に小さなエンジンをつけたのとほとんど変わらないぐらいのパワーを持っているにもかかわらず、片や原動機付自転車は法的にきちんとした自動車として扱いを受けている。例えば原動機付自転車は、一般の道路においては制限速度30キロというふうに制限されていますけれども、電動自転車でちょっと下り坂になったりすると、それを超えてしまう。つまり、原動機付自転車を電動自転車が追い越すような場合がある。これもきちんとした整理をしないといけないんじゃないか。

それから、最近、競技用自転車が公道に乗り出して、いろいろ問題を醸し出しておりますけれども、この自転車、先ほど言ったように制限速度が原動機付自転車は30キロ、それから一般の車は40キロであるにもかかわらず、それを超えるような高速度の競技用自転車が町の中に走っているということです。これは、従来のママチャリと言われているような自転車と同じような扱いでは、当然いけないのではないかなと思っています。

それから、これから先の世の中ですけれども、電気自動車というものが普及してまいりまして、今の大手のメーカーがつくっているようなきちんとしたものではなくて、かなりコンパクトな個人ユースの小さなもの、1人乗り、あるいは2人乗りくらいのものができてくる可能性が非常に高い。中には車検を通らないようなものも出てくる可能性がある。

これらの従来のママチャリを超えた自転車、あるいは新しいモビリティというものについて、私はあちこちの行政に行って、この扱いをいろいろ聞いているんですが、きちんとした対応を話していただけないんです。要は整理ができてないというふうに思います。

そんなことで、この新しい自転車、あるいはモビリティについての分類整理をきちんとして、それから、これに関する行政としての対応、すなわち法律の整備であるとか、それからインフラの優先順位づけ、それから規制とか取り締まり、最後に保険等を含む、いわゆる保障制度の問題のあるべき姿をきちんと導くような土俵をつくるため、自賠責運用益の事業の中に外部の研究機関、あるいは大学のほうに研究委託をされている項目があるわけですけれども、それを拡大して、今のようにいろんな行政にまたがって整理のつかないようなモビリティを整理するために、研究事業として委託していただいて、それをもとに行政のほうの道しるべにしていただきたいと思います。

新しいご提案として、皆さんが運用益事業の無駄をなくそうと一生懸命かんなをかけるように節約、節約という努力をされている中で、大変申しづらいことですけれども、このテーマは事故防止という観点ではこれから大きな比重を占めてくると思いますので、よろしくご検討をお願いしたいと思います。

以上です。

【落合会長】

ありがとうございました。

それでは、さまざまなご意見をいただきましたので、これらの意見を今後の運用益の使途に十分参考にしていただければというふうに思います。

それでは、引き続きまして「自賠責診療報酬基準案」につきまして、これも金野委員よりご報告をお願いいたします。

【金野委員】

金野でございます。自賠責保険の診療報酬基準案につきまして、ご報告を申し上げます。お手元の資料6をご覧ください。

昭和59年の自賠責保険審議会答申に基づき、平成元年に日本医師会、自動車保険料率算定会、損保協会の三者にて診療報酬基準案の合意に至った後、各都道府県単位の医師会のご理解とご協力を得ながら、診療報酬の基準案の実施、普及に努めているところでございます。昨年は岡山県におきまして基準案が合意され、現時点では、お手元の資料にございますとおり、全国46都道府県で実施されております。合意に至っていない山梨県につきましても、日本医師会のご協力を得まして、引き続き合意に向け努力してまいります。

なお、基準案に合意している都道府県におきましても、地区医師会との協議の場を継続し、自賠責保険研修会の開催等を通じて、医療機関のご理解のもとに診療報酬基準案のさらなる普及に努めてまいります。

報告、以上でございます。

【落合会長】

ありがとうございました。

それでは、予定している時間が大分迫っておりますので、ただいまの金野委員の報告につきまして、簡潔な形でご質問、ご意見をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。藤川委員。

【藤川委員】

日本医師会として残りの山梨県とも交渉しております。3月までに自賠責審議会の報告と我々日本医師会の中の労災・自賠責委員会の答申等を踏まえて、一度ご説明に行って、基準案の採用に向けて前向きに検討していただくようにお願いしたいと考えておりますので、ご報告しておきます。

【落合会長】

ほかにございますか。

それでは、最後に北原委員のほうから配付されたものがございますので、これにつきましてお願いしたいと思います。

【北原委員】

交通事故後遺障害者家族の会の代表の北原でございます。本会は、交通事故後遺障害者が100%の被害者の会として、今のところオンリーワンの団体だと思います。

そこで、私たちは、日頃いろいろ会員と話し合いをして悩んでいるようなことを取り上げて、ここに箇条書きに書き出しましたので、一応読み上げます。その後、コメントをいただければと思います。

1番、自賠責保険運用益の積立金から94年、96年に政府に貸し出した資金の残金が利子を入れると、平成23年度末で約6,000億円になっているそうですが、毎年利子だけでも返還を求めることはできないのですか。また、この元金が戻ってくるめどはあるのですかということ。

2番、自賠責保険無保険車による被害者をなくすための対策を強化してほしいということ。

3番、任意保険の無保険車をなくする対策を強化してほしいということ。

4番、任意保険において事故多発者を排除する保険会社があると代理店の担当から聞きましたが、多発者も保険に加入できるようにしてほしいということ。

5番、被害者を介護する親などが亡くなった後の救済策について、自賠責保険金や賠償金など一定の資金を持つ被害者の場合の親亡き後の対策は、税金で支える福祉だけに頼る場合と違いがあるが、その場合の救済策――特に情報などですけども――を講じていただけませんかということ。

6番、ナスバにより重度障害者に支給されている介護料が介護を受ける被害者に支給されている点について、被害者は資金の管理能力がないのですから、同居の親などの介護者に支給するのが実情に合うと思いますが、改善できますかということ。

7番、ナスバの支援が遷延性重点になるのは理解できるが、高次脳機能障害で意思疎通はできるけれども、立てない、歩けない、排泄ができない重度障害者の存在もあるので、その救済策にも配慮がいただきたいということ。

この中で私たちが一番深刻に悩んでいるのは親亡き後の問題で、今のところ、国土交通省のほうでもいろいろ親身に相談には乗っていただけるんですけども、具体的な進展が感じられないという点について、さらに一歩前進した対策をお願いしたいということです。

以上です。

【落合会長】

どうも貴重なご意見、ありがとうございました。特に何かコメント等ございましたら、どうぞ。

【後藤参事官】

幾つか国土交通省に関係する部分につきまして、コメントさせていただきます。

まず1点目の繰戻金の関係でございますけれども、この繰戻金の期限につきましては平成30年度ということになっております。24年度の政府予算案におきましては、24年度で繰り戻されるように財務省と協議をしてきたわけでございますけれども、一般会計の財政状況が極めて厳しいという中で、残念ながら繰り戻しはできなかったということでございます。今後とも財務省に対しまして、繰り戻しにつきましては粘り強く要請して協議を進めてまいりたいと思っております。

それから、2点目の無保険車の被害者をなくすための対策ということでございますけれども、国土交通省におきましては従来から、特に車検切れの車等に対しましては監視活動、あるいは路上の取り締まりというものをやっております。また、保険の加入状況につきまして統一的に把握できないかということで、内部的にもいろいろ検討しておりまして、引き続き対策の強化に努めてまいりたいというふうに考えております。

それから、国土交通省の関係では、5点目のご質問、ご要請でございますけれども、介護する親が亡くなった後の対策ということでございます。今、北原委員のお話にもございましたが、国土交通省では、平成21年に親亡き後について調査を行いまして、どのようにしていくのかということで取りまとめを行っております。その中では、既存の制度、例えば成年後見制度を活用するとか、あるいは介護されている方が親亡き後の生活に対応するために有益な情報を入手できるような環境整備に努めていけないかということで進めております。確かに必ずしも十分できてないところがございますが、引き続き、そこの情報提供につきましてはどういう方法がいいのかということを考えてまいりたいと思っております。

それから、6点目の介護料の支給についてということでございますけれども、一応、介護料そのものはご本人に対して支給するということでございますので、ご本人の口座に振り込むような形になってございます。ただ、それだけでできない場合、口座をつくれないようなケースもございますので、一定の条件のもとで本人以外の口座も認めているというふうに聞いておりますので、そこは現場、現場でよくご相談いただければと思っております。

それから、7点目のご質問、ご要請でございますけれども、重度の後遺障害者の方につきましては介護料の支給というものを行っております。そこは確かに要件はございますが、そういった中でいろいろナスバがご相談に乗りながら対応していくことができるかなと思っておりますので、引き続きご理解のほどよろしくお願いいたします。

以上でございます。

【落合会長】

それでは、予定しました時間を5分近く超過してしまいましたけれども、本日も活発なご議論をいただきまして、予定した議事はすべて終了ということになりました。これで本日の会議を終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

お問い合わせ先

金融庁Tel 03-3506-6000(代表) 監督局保険課(内線3375、3772)


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