第131回自動車損害賠償責任保険審議会議事録

1.日時:平成25年1月9日(水)9時30分~11時30分

2.場所:中央合同庁舎第7号館西館13階 共用第1特別会議室

【落合会長】

それでは、時間が参りましたので、ただいまより、第131回自動車損害賠償責任保険審議会を開催したいと思います。本日は、ご多忙のところご参集いただきまして、誠にありがとうございます。

お手元に、当審議会のルールについてお配りしておりますが、これに則りまして、本日の審議は全て公開で進めさせていただきます。

まず最初に、今回より新たに就任されました委員の方をご紹介申し上げたいと思います。

西方委員でいらっしゃいます。

【西方委員】

西方でございます。よろしくお願いいたします。

【落合会長】

鈴木委員でいらっしゃいます。

【鈴木(共)委員】

よろしくお願いいたします。

【落合会長】

相原委員でいらっしゃいます。

【相原委員】

相原でございます。よろしくお願いいたします。

【落合会長】

矢代委員でいらっしゃいます。

【矢代委員】

矢代でございます。よろしくお願いいたします。

【落合会長】

それからもう一方、齋藤委員が新たにご就任されておりますが、本日は所用のためご欠席ということでございます。

また、福田委員におかれましても、所用のためご欠席となってございます。

それでは、ここでカメラ撮りの方はご退出いただきますようお願い申し上げます。

(カメラ退出)

【落合会長】

それでは、本日の議題としては、お手元の議事次第にございますように、自賠責保険料率の検証結果に関する報告のほか、幾つかの報告事項がございます。

まず、事務局から資料の確認をお願いいたします。

【小原課長】

よろしくお願いいたします。

まず議事次第がございまして、その次に委員名簿、それから、本日ご欠席の福田委員からいただいておりますご意見、その後、当審議会の公開ルールを配付させていただいております。

続いて、資料に番号を付しておりますが、資料1が、議題1の自賠責保険の基準料率についての検証結果をご報告するものでございます。

資料2以下は議題2の報告事項に関するものでございまして、資料2が運用益事業の見直しについて、資料3が自動車安全特別会計の運用益の使途について、資料4が民間保険会社の運用益の使途について、資料5がJA共済の運用益の使途について、資料6が自賠責診療報酬基準案についての資料でございます。

資料の過不足等があればお知らせいただければと思います。

【落合会長】

ありがとうございました。それでは議題1の料率検証結果につきまして、ご報告をいただいた上でご議論をお願いしたいと思いますが、実際に料率検証の作業を行いました損害保険料率算出機構から鈴木委員に概要をご説明いただき、その後、事務局から補足していただきたいと思います。

それでは鈴木委員、よろしくお願いいたします。

【鈴木(雅)委員】

損害保険料率算出機構の鈴木でございます。よろしくお願いいたします。

それでは24年度の検証結果につきまして、資料1に沿ってご説明させていただきます。

まず1ページの、自賠責保険・共済収支表をご覧ください。

この表では、自賠責事業を行っております全事業者の収入純保険料、支払保険金、収支残、損害率につきまして、過年度の推移及び、今回の検証の対象年度であります24契約年度及び25契約年度の予測値を載せております。

表の一番左側の収入純保険料をご覧いただきますと、平成14年度以降、19年度までは概ね9,000億円台で推移しておりましたが、平成20年4月に純保険料率を36.3%引き下げたことにより、平成20年度以降、平成22年度までは6,000億円台での推移となっておりました。

その後、平成23年4月に純保険料率を17.2%引き上げたことによりまして、平成23年度は7,000億円台となっております。

また、今回の検証の対象であります24年度、25年度でご覧いただきますと、収入純保険料は、24年度が7,064億円、25年度が6,952億円、また、支払保険金につきましては、24年度が8,507億円、25年度が8,365億円と見込んでおります。

以上の収入純保険料と支払保険金との差額が次の収支残の欄でございますが、24年度が1,443億円の赤字、25年度が1,413億円の赤字となっております。

一番右側に損害率がございます。支払保険金を収入純保険料で割った値でございますが、これが24年度では120.4%、25年度では120.3%となっております。

したがいまして、下の欄外の注3にございますように、平成23年4月の基準料率改定の際の予定損害率は119.4%でございましたが、これとの対比では、若干ではありますが損害率が悪化する見込みとなっております。

以上が今年度の検証結果となります。

ここで欄外の注7に関しまして補足いたしますと、平成23年12月に公布されました改正法人税法及び復興財源確保法により、平成24年度以降の法人税率が引き下げられたことに伴いまして、将来、積立金を取り崩す際の税の軽減効果が薄れることとなります。これによりまして、各損保会社、共済事業者の平成23年度決算におきまして、純保険料収支に係る積立金である調整準備金が取り崩されておりますことから、その合計額である226億円を平成23年度の累計収支残から控除しております。

続きまして、今年度検証結果の背景及び要因等についてご説明させていただきます。

2ページをご覧いただきたいと思います。

このページの交通事故の発生状況は、警察庁の交通事故統計によるものでございまして、交通事故の傾向を把握するための参考ということで添付しております。

初めに、左側の発生件数をご覧いただきますと、平成16年あたりをピークとして減少傾向となっており、平成24年の発生件数の見込みといたしましても、対前年増減率マイナス3.9%と、減少となっております。

また死者数、負傷者数の推移につきましても、同様に、近年減少傾向となっております。

次に3ページをご覧いただきたいと思います。

3ページでは、料率検証における主な予測要因についてご説明しております。

まず(1)の収入純保険料に関する予測要因といたしましては、過年度の保有車両数の動向を参考に、将来年度の保有車両数を推計しておりまして、24年度はマイナス0.1%、25年度は若干のマイナス、0.0%と、減少を見込んでおります。

次に(2)の支払保険金の予測に当たって前提となりますのが、マル1の事故率とマル2の平均支払保険金でございます。

まずマル1の事故率についてでございますが、ここでの事故率と申しますのは、自賠責の保険金支払いの対象となった事故率を意味しております。

こちらにつきましては、過年度の事故率の動向及び、先ほどご説明いたしました交通事故発生状況などを参考として算出しております。

3ページの表には、死亡・後遺障害・傷害別の予測値を記載しておりますが、4ページに、過去の実績値を含みましてグラフと表でお示ししておりますので、先に4ページをご覧いただきたいと思います。

最初に左端の死亡の事故率についてでございますが、過年度の動向といたしましては、18年度以降一貫して減少傾向となっております。

また、先ほど警察庁の交通事故統計をご覧いただきましたけれども、交通事故死者数は24年度に入ってからも減少傾向となっております。

このため、死亡事故率は今後も減少傾向が続くものと見込み、24年度は0.00565%、25年度は0.00555%と予測してございます。

次に表の右端の傷害の事故率をご説明させていただきます。

過年度の動向といたしましては、20年度までは緩やかな減少傾向が見られておりましたが、21年度以降は増加傾向で推移してきております。

先ほどご覧いただきました警察統計におきましては、負傷者数が減少傾向であったのに対しまして、自賠責の事故率が増加傾向で推移いたしますのは、警察統計上の交通事故負傷者数には反映されない、いわゆる物件事故における自賠責の支払いが、近年増加傾向となっておりまして、この影響が統計上の交通事故負傷者数の減少による影響を上回っているためのものでございます。

この点につきまして若干補足させていただきますと、人身事故扱いが行われないまま自賠責の支払いが行われた例といたしましては、当初ほとんど自覚症状がなく、事故後の念のため、あるいは軽度の症状による通院で治療が終了してしまうようなケースがございます。損保業界といたしましては、あくまでも人身事故の場合には警察に診断書を提出して人身事故の届けを行うのが原則であることについてご説明するという取り組みを進めておりますが、医師による診断書等により、十分に事故と受傷の因果関係が認められるにもかかわらず、人身事故届出を必須とするといった対応は形式的でもあり、手続的なご負担も配慮し、物件事故扱いのままでの保険金支払いも増えてきているといった事情がございます。

一方でこのような状況に対しましては、不正請求の混入につながるのではないか、あるいは医師への受診の遅れから症状の悪化、長期化を招いているケースがあるのではないかといった観点からのご懸念もあろうかと思います。

この点、実態といたしましては、物件証明事故は少額事案が7割程度を占め、また検挙された詐欺事案においては、むしろ人身証明のものが9割以上とほとんどであり、不正請求の可能性は相対的に少ないと思われます。しかしながら、不正あるいは不適正な請求の可能性は完全には否定できないと考えておりますので、事故受傷の事実及び、治療との因果関係に関する一層の精査に加えまして、保険請求歴のデータを業界及び機構として連携して活用し、少額ながら事故多発者の疑義のある事案等について、不正請求者の抽出率を高めるなど、適正な支払いのための取り組みに、従来以上に努めていきたいと考えております。

また、一部1%に満たない割合であるものの、医師の診療未受診の請求事案もございます。被害者の方の受診できる距離、あるいは時間帯の制約といった事情も見られますが、こうしたケースに関しましても、妥当な診療に基づいた適正支払いへの一層のご理解、ご協力をいただくべく、フォロー強化を図ってまいりたいと存じております。

資料に戻りまして、傷害の事故率に関しましては、24年度に入ってからも同様の傾向が続いておりまして、物件事故の増加による影響と、統計上の交通事故負傷者数の減少による影響を加重勘案いたしますと、事故率全体としては、前年度に比べて微増の1.43643%と、増加傾向が落ち着くものと予測しております。

またこうした傾向を踏まえまして、25年度の事故率は24年度と同率で推移するものと予測してございます。

最後は表の中央の後遺障害の事故率についてでございます。こちらにつきましては、20年度までは14級を中心として、傷害の事故率と比べて高目の増加傾向が見られておりましたが、21年度以降は14級の割合増加傾向も含めて落ち着きを見せてきており、傷害事故率と連動する傾向を見せてきております。

このため、24年度以降につきましては、先ほど申し上げた傷害事故率と同様の推移になるものと見込みまして、24年度の事故率は0.08103%と若干の増加を見込んだ上で、25年度は24年度と同率で推移するものと予測してございます。

以上が事故率に関するご説明でございます。

続きまして、資料の3ページに戻っていただきまして、(2)のマル2、平均支払保険金についてご説明させていただきます。

平均支払保険金に影響を与える主な要因といたしましては、賃金、治療費及び支払基準の改定の影響による変動が挙げられます。

このうち賃金上昇率につきましては、22年度以降ほぼ横ばいの推移となっており、24年度に入ってからも大きな変化が生じていないことから、24年度以降据え置きということで予測しております。

また治療費上昇率につきましては、過去5カ年の治療費日額の動向がほぼ横ばいとなっておりますことから、こちらにつきましても、24年度以降据え置きで見込んでおります。

なお、この治療費につきましては、医科診療以外にも柔道整復関連の施術料の動向にも影響されるところでございます。

柔道整復関連施術料の23年度の状況といたしましては、1件あたりの平均施術料、期間、実日数といった指標はいずれも微増、もしくは横ばいにとどまっておりますが、柔道整復資格者や施術院の増加に伴う受診ネットワークの拡大によりまして、請求全体に占める構成比が請求件数で前年の7.6%から約8.4%に増加し、結果として請求金額も、現在18.0%と増加が見られております。

一方で本件に関する社会情勢についてでございますが、平成21年度の行政刷新会議や会計検査院の指摘を踏まえ、既に健康保険における療養費の見直し等が行われておりますが、さらに本年度、厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会におきまして、柔道整復療養費検討専門委員会が設置され、第1回目が開催されるなど、検討が開始されております。

この委員会におきましては、健康保険における療養費の現状の確認や、平成24年度の健康保険における療養費改定について検討が行われており、引き続き、中・長期課題として療養費のあり方についても議論が行われる予定となっております。

したがいまして、今後、その影響も見られてくるものと思いますので、個別案件における療養内容の確認を引き続き徹底しつつ、委員会での検討内容等、全体の動向を注視してまいりたいと考えております。

最後に一番右の治療費、休業損害及び慰謝料の単価を定めております支払基準の改定による影響でございますが、直近では、22年4月に平均余命の変更にあわせた改定が行われておりますが、過去の支払基準改定における実績を踏まえた見積りを行いまして、25年度以降に0.05%の上昇を織り込んでおります。

続きまして、5ページをご覧いただきたいと思います。

5ページは自賠責保険・共済の支払件数及び平均支払保険金の推移の表でございます。この表は、3ページ及び4ページに基づき算出した自賠責保険・共済の支払件数、平均支払保険金の推移を一覧表にしたものでございます。

表のタイトルに「契約年度」とありますが、これは当該年度において契約を締結した車両が引き起こした事故による支払件数と平均支払保険金ということでございます。したがいまして、保険期間が1年を超える長期契約の場合、その契約を締結した車両に生じた事故につきましては、全て契約を締結した年度の支払件数、平均支払保険金として通算して集計したものとなっております。

一番左側の欄の死亡の支払件数につきましては、24年度が4,585件、25年度が4,455件と予測してございます。24年度は1.4%の減少、25年度は2.8%の減少と、減少傾向で見込んでございます。

また中央の後遺障害の支払件数につきましては、24年度が6万6,830件、25年度が6万5,835件と予測してございます。24年度は1.3%の増加、25年度は1.5%の減少と、多少数値がぶれてございますけれども、これは保険期間が1年を超える長期契約の件数の年度による波が出ている影響でございます。傾向といたしましては、保有車両数の減少による微減を見込んでございます。

また、右の傷害の支払件数につきましては、24年度が118万5,000件、25年度が116万7,000件と予測してございます。こちらも、24年度が1.4%の増加、25年度が1.5%の減少と、後遺障害の場合と同様に、多少数値がぶれておりますけれども、傾向といたしましては、保有車両数の減少から微減を見込んでございます。

他方、平均支払保険金をご覧いただきますと、こちらは死亡・後遺障害・傷害のいずれも、近年は小幅な変動での推移となっております。

次に6ページをご覧いただきたいと思います。6ページは自賠責保険・共済の支払保険金の総額の推移でございまして、前の5ページの支払件数と、平均支払保険金を掛け合わせて求めております。

こちらにつきましては、主に支払件数の変動に同調する推移となっております。したがいまして、死亡につきましては減少傾向となっておりますけれども、後遺障害及び傷害につきましては、24年度は増加、25年度は減少を見込んでございます。

また一番右の欄が合計になっておりまして、死亡・後遺障害・傷害の全体でも、24年度は増加、25年度は減少となっております。

この合計欄の、24年度の8,507億円、25年度8,365億円という数字が、冒頭の1ページの収支表でご説明いたしました支払保険金の24年度、25年度の値となっております。

次に7ページをご覧いただきたいと思います。7ページはご参考として、重度後遺障害の支払件数の推移をまとめてございます。

集計の対象は、注1にございますように、現行の後遺障害等級表の別表第一に該当する介護を要する後遺障害と、別表第二の1級から3級までに該当する後遺障害でございまして、これらが労働能力喪失率100%とされる後遺障害でございます。

なお、13年度以前は別表第一と第二で分かれておりませんでしたので、この表では13年度以前に発生した事故は別表第二で集計してございます。

それぞれの等級の支払件数の合計が一番右の欄にございますが、重度後遺障害の支払い件数としては、減少傾向が見られておりますものの、依然として約2,000人の方が被害に遭われている状況になっております。

続きまして8ページをご覧いただきたいと思います。8ページは自賠責保険、自賠責共済の運用益の発生と積立状況を参考として添付しているものでございます。

詳細は割愛させていただきますが、例えば損害保険会社の例でご覧いただきますと、一番右に積立金残高がございます。これが23年度末で3,012億円、これに税の軽減効果を勘案いたしますと、その下の括弧書きの4,424億円になります。

また表の下の注3をご覧いただきますと、運用益の積み立てに対する法人税等の取り扱いを記載してございますが、23年度末における法人税等を加算した後の積立金残高は、損保会社、共済事業者合計で5,006億円になっております。

この累積運用益は保険料の引き下げなど、自賠責保険の収支調整の財源として活用されるものでございます。

続きまして9ページをご覧いただきたいと思います。9ページは自賠責保険の社費・共済経費の収支表でございまして、全事業者の社費の収支につきましてご参考までに過去の実績を示したものでございます。

本表の23年度のC欄の当年度収支残はプラス13億円となっておりまして、B欄の23年度の支出社費2,141億円は22年度の2,246億円と比べまして105億円の減少と大きく改善しております。

この要因は、昨年の本審議会にご報告のありました、損保業界における経費計算基準の見直しによる効果73億円に加え、給与単価、さらには物件費の削減等の要因によるものとなっております。

次に10ページをご覧いただきたいと思います。10ページは今までにご説明させていただきました内容のポイントをまとめたものとなっております。

(1)にございますように、23年4月の基準料率改定における予定損害率は119.4%でございましたが、(2)の表の本年度検証結果である24年度、25年度の損害率はそれぞれ120.4%、120.3%と、予定損害率と比較しまして、昨年度検証結果と同様、若干ではありますが、悪化という状況になっております。

この予定損害率との比較での損害率の悪化の要因でございますが、まずは損害率の分母となります収入純保険料はほぼ改定時の見込みどおりとなっております。

これに対しまして、損害率の分子となります保険金の支払いは、死亡事故につきまして交通事故死者数の減少の結果、改定時の見込みよりも支出の減少が見込まれるとともに、後遺障害につきましては、改定時の見込みがやや高目でありましたために、今年度は支払いの減少が見込まれております。

これらに対しまして、傷害事故につきましては、事故率が予想を若干上回ったこと等により、支出の増加が見込まれる状況となっております。

この結果、全体としては今年度の検証結果としての損害率が、予定損害率119.4%との対比で、若干ではありますが悪化した要因となっているところでございます。

続きまして11ページをご覧いただきたいと思います。こちらは平成23年度における自賠責保険の収入と支出の構成割合を円グラフで表示したものとなっておりまして、ご参考ということで添付してございます。

私からの説明は以上でございます。

【小原課長】

それではただいまの資料1の10ページに沿いまして、事務局から補足説明をさせていただきます。

今般の基準料率検証結果といたしましては、ただいまご説明がありましたように、24年度の損害率が120.4%、25年度では120.3%となっておりまして、23年4月に基準料率改定を行った際に予定していた損害率119.4%と比較いたしますと、昨年度検証結果と同様、若干の悪化は見られますものの、大きな乖離は生じておりませんので、ほぼ現行料率算出時の見込みどおりの推移と見ることができようかと思います。

ご承知のとおり、現行の基準料率につきましては、25年度に2段階目の引き上げ改定を行うことを前提として算出されたものとなっておりますが、今年度の純率水準の検証結果は、ほぼその見込みどおりとなっているということができると思います。

具体的に申しますと、平成23年度末現在の運用益積立残高、10ページの下のほうでございますが、5,006億円でございます。これは平成24年度末には5,197億円となる見込みでございます。

これに対しまして、平成24年度末の累計収支残がマイナス5,128億円の赤字となる見通しでございますので、平成24年度末には還元財源が残り69億円と、ほぼ枯渇する見込みでございます。

また付加率水準につきましては、昨年1月の本審議会でのご報告がございましたように、日本損害保険協会に設けられた第三者を含めた検討委員会において、25年度の基準料率改定に向け、経費計算基準や代理店手数料の基礎数値に関する見直しが行われたところでございます。

事務局といたしましては、以上のような点を踏まえまして、25年4月以降の基準料率の改定の必要性につきまして、委員の皆様のご議論をお願いしたいと考えております。

なお、基準料率の改定を行う場合、残った運用益積立金などの還元期間を設ける必要がございます。すなわち、この積立金などを向こう何年かけて利用者に還元するかという議論でございます。

ご承知のとおり、平成20年に料率の引き下げを行った際には、この期間を5年と設定しております。これは自賠責保険の最長の契約期間が5年でございますので、契約者間の公平などを考慮して5年としたものでございまして、今回も特段のご異論がなければ、同様に5年とすることが適当と考えております。

この点につきましても、あわせてご議論いただければ幸いでございます。事務局からは以上でございます。

【落合会長】

ありがとうございました。それでは、ただいまの料率検証結果の報告と補足説明に関しまして、ご質問、ご意見をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。藤川委員、どうぞ。

【藤川委員】

先ほど料率算出機構から詳しい説明がありまして、非常に改善してきたという意識を持っております。我々日本医師会としては、被害者救済のために、可能な限り後遺症の残らないように、短期間で治癒にもっていくのが責務だと考えております。

問題は、軽症が9割を占める交通事故において、症状固定をするときに、医療機関で、被害者意識の強い患者さんたちに対してどうやって症状固定、治癒の状況にもっていくかいつも難渋しているところです。

後遺症診断書を書くのが1つの最終的な症状固定の区切りになるのですが、軽傷の場合に自覚症状が多くて、後遺症の判定にあてはまらない場合が多いのが現状です。軽傷の頸椎捻挫等においては、ほとんど自覚症状が主訴をなすことが多いので、その時点である程度の期間、裁判の判例で言えば、数カ月の間に症状は固定します。その時点で症状固定の診断を医師が書くのは、ベテランの医師であっても、特に整形外科医であっても難しい場合があります。

医療機関に来ることによって、最初の初期症状によって、見込みに関して予測の診断書を書くわけです。例えば頸椎捻挫の場合は、普通は1週間ないし2週間の通院安静加療。神経症状がある場合、入院する場合でも、加害者の責任問題もありますので、そんなに長期間、2カ月、3カ月という診断書は書かないわけです。まず短期に書きます。もちろん治療自身はそれより延びても構いません。医療現場では、頸椎捻挫の症状固定が遷延しないように努力をしているところであります。

医業類似行為等に患者さんが流れる場合は、どうしても施術の期間が長くなってしまいます。そこでは症状固定になっても後遺症診断という手続きが使えないわけです。後遺症というのは、最終的に一時金で自賠責保険から、慰謝料、休業補償と同じように払って、その資金によって、今後自分の疾病として、後遺症として健康保険等を使って治療を続けていくことができるわけです。医業類似行為、はり、灸、マッサージ、柔道整復師も含めてですけれども、症状固定するシステムがありませんので、原則論として整形外科医ないしは脳神経外科医、脳神経内科でもいいですが、頸椎捻挫に関しての症状固定にもっていく場合に、軽傷であっても初診から医療機関に必ず受診をさせるべきだと思います。

例えば先ほど話がありましたように、物損であって、数日後に頸椎の症状が出る場合があります。そういう場合でも、必ず医師の診断を受けるとともに、専門医である整形外科医ないしは脳神経外科、脳神経内科に受診をして治療を開始する。そのことによって症状固定もスムーズに行くし、必要であれば後遺症診断も受けられ、被害者である患者さんの損害をきちんと補填できると考えております。今後とも監督官庁からも警察に関しても、事故証明等を出す場合は医療機関を必ず受診するようにという指導をしていただきたいと思っております。以上です。

【落合会長】

ほかにございますでしょうか。どうぞ、堀田委員。

【堀田委員】

先ほどのご説明の中で、5ページですけれども、ちょっと教えていただきたいのですが、平均の支払保険金の欄であります。

死亡と後遺障害、このあたり、最近は減少傾向にありますけれども、この理由は何なのかということです。

私が勝手に考えるところ、被害者の割合の中に高齢者が非常に増えていることがこれに反映しているのかどうかであります。被害者の半分が高齢者、65歳以上だということは、世界的に見てもある種異常な傾向なんですけれども、これがここに反映しているのかどうなのかということが素朴な疑問ですけれども、もしおわかりであればご説明いただきたいと思います。

【落合会長】

鈴木委員、よろしいでしょうか。

【鈴木(雅)委員】

堀田委員のご指摘のとおり、高齢者については、死亡・後遺障害につきましては、高齢者ウエートがどの程度になるかが、実は平均の支払保険金に影響をそれなりに与えます。

ただ、とりわけ影響が大きいのはやはり死亡のところで、これはもともと死亡のところで高齢者の方の死亡ウエートが一番高い。5割を超える水準にありますものですから、そこの部分で、この平均の予測の中に高齢者の今後の人口動向等も踏まえた影響を若干入れ込んでおります。

それから、後遺障害につきましては、死亡ほど高齢者のウエートが高くなくて、若干影響が、死亡とは異なるものがあります。

【落合会長】

堀田委員、よろしいでしょうか。

【堀田委員】

ありがとうございました。

【落合会長】

ほかにございますでしょうか。

【相原委員】

よろしいでしょうか。

【落合会長】

相原委員、どうぞ。

【相原委員】

9ページの関係で1点。自賠責保険の社費等々について会計年度に関係し、ご説明を頂戴したところであります。

申し上げるまでもなく、自賠責保険の大原則として、支払実績やその見込みに応じて料率設定をすることについては承知しております。あわせて、大幅な負担増はもちろんユーザーにとって大きな負担になりますので、中期的・安定的な料率設定については今後とも引き続きの努力が要るだろうと思っております。

それを申し上げた上で、ご説明の中にもありましたけれども、私どもとしても料率の引き上げを検討することに当たっては、運用益事業そのもの、それはまた後ほどの議論になるかと思いますが、その中身の精査、とりわけ9ページにもご報告のありましたとおり、社費等についての純保険料以外についても、効率化を前提として検討すべきだということを申し上げてまいりました。

もちろん交通事故なり、ただいまもございましたとおり、被害の減少に向けて努力していくということについては申し上げるまでもない、第一義になりますが、先ほど申し上げたような中・長期、安定的な料率設定に鑑みますと、ここにもございますとおり、保険料の低減に寄与するという前提での社費等の効率化が実現されていくことについては大変重要な点だろうと思っております。

ご報告のとおり、関係各位のご努力もあって、改善傾向にあるというご報告も承知するところでありますので、今後とも引き続きこの点についてのご努力を、万全を期すことをお願い申し上げたいと思っております。

そういう前提に立ちまして、基準料率の検証結果、その全体については理解をいたすところでございます。

【落合会長】

ほかにございますでしょうか。藤川委員、どうぞ。

【藤川委員】

先ほど、社費の見直しについて、73億円、前回、改善したということで、今後もしっかりそういう無駄な費用を出さないようにしていただきたい。

もう一つは、やはり交通事故自身が、軽傷化し、死亡事故が減り、件数が減っているにもかかわらず、支払保険金が減らずに8,000億円前後で長期(10~20年)間推移している。そこが問題であるのではないかと思います。物損事故は増えていますが、それは任意保険で払いますので、自賠責には影響ありません。物損は増えているけれども非常に軽傷で、エアバッグやシートベルトのために重症事故が減ってきたことからすると、当然支払保険金が減らなくてはいけないはずです。治療費に関しては、医療機関においては平均16万円で過去10年続いており、経費がかからず治っている、ないしは、軽傷の方が圧倒的に多いわけです。外来通院の方が圧倒的に多いということですが、医業類似行為等においては、療養費が32万円という平均値が出ておりまして、しっかり見直すべきではないかと考えております。自賠責保険における医療費と別に療養費のデータの情報公開をする時期に来ているのではないかと思います。

健康保険でも、3,000億円から4,000億円と療養費の支払いが増えてきており、ゆゆしき問題になってきています。これは圧倒的に、柔整の学校が増えて、卒業生が増えて、8,000人近くの方が卒業して、柔整の国家試験を受ける。実際は5,000人から6,000人が合格しております。柔整の世界でも数の増大が仕事、経営するにおいても共倒れにつながっていくのではないかということが大問題になっております。

この辺も加味して、自賠責保険における健全なる支払保険金の適正化という点において、治療費が問題ではなくて、慰謝料・休業補償という、治療期間が長引くことによって支払保険金が減らないというのが実態ではないかと思います。将来的に医業類似行為の療養費のデータを公表していただくことと、長期間になる施術に関しても、医療機関の治療期間に関して、襟を正して必要以上の治療はする必要はありません。症状固定ないし治癒にもっていくことは、日本医師会としても、医療機関にも襟を正していただき、施術所も襟を正して、自賠責保険の適正なる活用をし、国民の大事な自賠責保険金を適切に確保していくことが大切ではないかと思っております。

【落合会長】

ほかにございますでしょうか。どうぞ。北原委員。

【北原委員】

自賠責保険制度は、当たり前ですけれども被害者救済制度ですね。被害者に対して民法709条などの制度によりまして、年間に大変多額の賠償金が支払われていると思います。

ここでは、自賠責だけの議論だとすると、被害者救済という視点に立ったときに足りないものがあるんじゃないかと思うんです。年間に被害者に対して損害保険から総額どれぐらいの賠償金が支払われているのか、そして自賠責保険の、平成24年で8,507億円支払われた、それが何%に該当するかということなども、こういう場で説明していただきたい。全体の被害者に対する償いのお金のうちの、自賠責保険は何%を受け持っているのかということを知りたいですね。

そういうことを知った上で料率のことも考えたほうが、被害者救済になるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

【落合会長】

それはトータルで保険金が被害者に渡る、そういうトータルな視点から議論する必要があるんじゃないかというご指摘と承ってよろしいですか。

この点につきまして、西方委員、お願いできますか。

【西方委員】

ただいまのご指摘もそのとおりの部分がございますけれども、ちょっと、申し訳ございませんが、今ご指摘の点について明確にできるデータを持ち合わせておりませんので、そこはまた別途ご回答申し上げたいと思います。

【落合会長】

ではただいまご質問がありました点の、データにつきましては後日また提供していただくということで、よろしいでしょうか。

【北原委員】

お願いします。

【落合会長】

ほかにございますでしょうか。

特に無いようですと、この検証結果に関するご議論につきましては、ご意見を一通りお伺いしたということで、この点に関する議論はここまでとさせていただきたいと思います。

今後の料率のあり方につきましては、平成23年の自賠責保険審議会での答申にもございますとおり、平成25年度から本来の料率水準に戻すことがよかろうという意見が多数でございました。

繰り返しになりますけれども、平成23年の自賠責保険審議会におきまして、平成23年4月を第1段階目、平成25年度を第2段階とする2段階による料率引き上げを行うことが答申でも述べられております。

収支状況を見ましても、平成23年の2段階による料率の引き上げを決定した際に想定しておりました予定損害率は、ほぼ乖離ない水準で、現在まで推移してきてございます。

このため、現行の赤字料率を維持するために使用してきました累計収支残及び運用益残高の水準を見ましても、24年度末でほぼ枯渇する見込みであるということがございます。

以上の諸点を踏まえますと、平成25年度より自賠責保険の収入と支出が見合う、本来の料率水準に戻すことが適当と考えるわけでございますけれども、このように考えてよろしいでしょうか。いかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【落合会長】

それでは、ご了承いただいたということで、この点はそのように取り扱わせていただくと同時に、還元期間につきましては、契約者の公平性等を考慮して、前回同様5年とする提案がございましたが、もしご異存がなければ、還元期間につきましても、5年ということで決定するということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【落合会長】

それでは、ご了承いただいたということで、この審議会の各委員のご意見を踏まえた上で、損害保険料率算出機構におきましては、来年度の新たな基準料率の案を作成していただきたく存じます。

新たな基準料率の作成に当たりましては、保険料の一部である賦課金、これは無保険、ひき逃げ事故の被害者救済を行うため、政府保障事業の財源に充てているものでありますけれども、この点についても見直しをされるかどうか、国土交通省の後藤参事官よりご説明いただきたいと思います。

【後藤参事官】

賦課金の額につきましては、保険料に賦課率等の一定割合を乗じて算出されることになっておりますので、保険料の改定が行われますと、これに伴い、賦課金の額も変動することとなります。

したがいまして、政府保障事業を実施するために必要な経費に応じまして、賦課率等の見直しを行うことが必要になるものと考えております。

【落合会長】

ありがとうございました。

それでは、以上の議論を踏まえまして、損害保険料率算出機構におかれまして、速やかに来年度の新たな基準料率の案を作成いただきまして、改めて開催いたします自賠責保険審議会にご提出いただきたいと存じます。

そうしますと、議題1が終了いたしましたので、議題2の報告事項に移りたいと思いますが、最初は運用益事業の見直しについてご報告をいただきたいと思います。

なお、平成25年度の運用益の使途についても、関連することからあわせてご報告いただきたいと思います。

自動車安全特別会計、民間保険会社、JA共済の順にご報告をいただき、その後まとめて議論をお願いしたいと思います。

それでは、まず、運用益事業の見直し及び平成25年度自動車安全特別会計の運用益の使途につきまして、国土交通省の後藤保障制度参事官よりご報告をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

【後藤参事官】

まず国土交通省からは、報告事項(1)の運用益事業の見直しの検討結果につきましてご報告をさせていただきます。資料は資料2になります。

運用益事業の見直しにつきましては、平成23年1月の本審議会におけます提案を受けまして、国土交通省の今後の自動車損害賠償保障制度のあり方にかかる懇談会におきまして検討を行いまして、昨年8月に報告として取りまとめをしたものでございます。

本日は報告の内容につきまして、概要版によりましてご説明をさせていただきます。

資料2の構成といたしましては、表紙をおめくりいただきまして1枚目、2枚目が概要版、3ページ以降が報告本文になっておりますが、本日は概要版でご説明させていただきます。

まず、運用益事業の意義でございますけれども、自賠責保険制度におきましては、自動車事故被害者の救済の基本は保険金による賠償にあります。

しかしながら、それだけでは被害者の十分な救済が図られない場合があるということで、国、保険会社、共済組合におきましては、保険料にかかる運用益を活用いたしまして、被害者の保護の増進、自動車事故の発生防止にかかる事業、運用益事業と言っておりますが、これを実施しております。

運用益といいましても、国の場合は過去の平成13年度まで実施しておりました再保険事業のときの運用益でございます。また、保険会社、共済組合につきましては、現在の自賠責保険事業による運用益ということで内容が異なっております。

運用益事業につきましては、それぞれ自賠法の規定に基づいて実施しておるところでございます。いずれも被害者の保護の増進、事故の発生防止を内容にしているところでございます。

次の運用益事業の見直しの経緯につきましては、冒頭申し上げたとおりでございます。

見直しの基本的な考え方でございますけれども、ここでは大きく3つの論点を考慮すべきと位置づけられております。

まず第1が財源論でございます。運用益事業は自動車ユーザーが支払いました保険料を原資としておりますので、自動車ユーザーの理解という観点で適切かどうかという点がまずございます。

それから第2が必要性であります。事業の目的であります被害者保護の増進、自動車事故の防止といった観点から、事業の必要性が高いものであるかどうかということでございます。

第3が効率性でございます。お金の使い方として、限られた財源で最大限の効果を得られる効率性の高い事業であるかどうかということであります。

なお、事業の精査に当たりましては、このような論点を基本といたしながらも、※印のところでございますが、被害者保護が後退しないこと、被害者支援への重点化を図ること、引き続き関係者の意見を把握し、その事業の選定に反映させることなどにつきまして留意が必要とされているところでございます。

見直しの方向性につきましては、このような論点を踏まえまして、個別の運用益事業について精査・検証するということでありまして、その結果につきましては、後ほどご説明いたします別紙として取りまとめたところでございます。

検証結果を踏まえまして、事業の廃止・縮減、あるいは拡充といった事業の見直しを実施するわけでございますが、国、損保協会、共済組合、それぞれの事業主体において、25年度の事業に反映させていくということでございます。

25年度事業におきまして、国においては予算編成過程、損保協会・共済組合では自賠責運用益使途選定委員会といった審議を経て決まってくるということでございます。

最後に運用益事業の検討・選定のプロセスでございますけれども、今般の検証結果は、25年度の事業の検討・選定に向けた方向性を示すものでございます。引き続き厳しく精査を行っていくということであります。

また、国民全般の理解を得るための取り組みを行うことが必要だということで、例えば事業主体が事業選定プロセスを開示することなどによりまして、事業選定の説明責任を果たしていく必要があるということでございます。

以上が見直しの基本的考え方の部分でございます。

続きましてもう1枚お開きいただきまして、「検証結果について」をご参照ください。

今般の見直しの検討に当たりましては、全ての運用益事業につきまして精査したわけでございますけれども、この概要版ではその主な項目につきまして検証の内容をご説明したいと存じます。

まず被害者保護対策事業でございますが、そのうち救急医療体制の整備、これは救急医療機関における機器、機材の整備に関するものでございます。

この事業につきましては、必要性は理解できるが、運用益事業ではなく一般会計により実施すべきではないか、あるいは企業の社会的な責任として実施すべきではないかなどのご指摘もございました。

検証結果といたしましては、まず保険会社による救急医療機器購入に対する補助につきましては、事業は継続としながらも、具体的な事業内容等につきましては、医療機器の利用状況、自動車事故の救急医療の実態等を踏まえて引き続き精査を行うとされております。

保険会社によります高規格救急自動車の寄贈につきましては、事業は継続としつつも、普及状況等を踏まえ、減額を検討とされております。

また、JA共済によります救急医療機器購入補助につきましても、事業は継続としつつも、実施効果を引き続き検証の上、減額を検討という形になっております。

次に被害者救済のうち重度後遺障害者等への支援でございます。

この項目につきましては、運用益事業のあり方として、被害者支援に重点化すべきである、あるいは被害者のニーズが多い直接的な事業に重点化すべきというご指摘があったところでございます。

検証結果といたしましては、重度の後遺障害者の方を対象といたします国の2つの事業、自動車事故対策機構の運営費交付金による療護施設の運営と、在宅の重度後遺障害者への支援につきましては、拡充とされております。

また保険会社の事業、被害者・家族等の心のケア、あるいは講習会の開催等に係る支援につきましては継続とされております。

なお、国の事業のうち、自動車事故対策機構を通じました療護施設の運営等につきましては、機構の業務運営の効率化を図りつつ、被害者支援に重点化することとされております。

また在宅の重度後遺障害者への支援につきましては、被害者のニーズを踏まえて事業内容を引き続き検討ということになってございます。

続きまして、被害者救済、事故の相談・解決というところでございます。交通事故の相談・示談あっせんに係ります国の支援につきましては、被害者救済事業全体の中での優先順位、あるいはその予算額が毎年度一定であることなどにつきましてご指摘がございました。

これにつきましては、無料の法律相談は法律制度に詳しくない被害者にとりまして必要性が大きいこと、また、実施主体におきましては、相談件数も比較的堅調である、また相談内容の充実あるいは高度化の取り組みがなされていることも考えまして、事業は継続とされております。効率化を図りつつ、引き続き実施するということでございます。

続きまして事故防止対策事業、自動車事故発生防止対策でございます。

この項目につきましては、効果の大きい事業に特化すべきである、あるいは運用益事業のあり方として、被害者保護の方向にシフトすべきといったご指摘がございました。

一方で、昨年の関越高速ツアーバス事故のように、最近の交通事故の状況等に鑑みまして、改めて事故の防止、被害軽減の重要性が認識されているところでございます。

そういったことを背景といたしまして、国の事故防止対策支援事業、具体的にはトラック・バスへの衝突被害軽減ブレーキ等の導入支援でございますけれども、これについては先取的な技術を活用して事故防止効果が高いことから、拡充とされております。事故防止効果が高い事業について効果を検証しつつ重点的に実施ということでございます。

また一方、国のオムニバスタウン整備総合対策事業につきましては、事故防止の効果が間接的であるということから、現在実施している事業の終了に伴い、25年度に廃止ということでございます。

保険会社によります交通事故防止用機器の整備に係る支援につきましては、継続としつつも、被害者団体からのニーズ等を踏まえつつ、当面は減額を検討とされております。

JA共済によります交通安全教室等につきましては継続とされ、事故防止効果が高い事業の充実を図るとされております。

なお、24年度予算における事業の規模といたしまして、国が128.7億円、保険会社が21.8億円、JA共済が16.4億円の計166.8億円でございます。

以上、運用益事業の見直しの検討結果につきましてのご報告でございます。

続きまして平成25年度の自動車安全特別会計の運用益の使途につきましてご説明をさせていただきます。

資料は資料3になります。

ここでのご説明のポイントといたしましては、先ほどご説明いたしましたあり方懇談会の見直しの検討結果を、25年度事業にどのように反映させているかということと考えております。

このような観点から、資料3の一番最後に1枚紙で、「25年度の運用益事業の選定(見直しの結果)」という資料を用意させていただいておりまして、この資料によりまして簡潔にご説明させていただきたいと存じます。

なお国の予算は、例年でありますと年末の概算決定で政府案が決まるわけでございますが、今回は12月に選挙がございました関係で、まだ概算決定されておりませんので、要求ベースということで、国の場合、金額を記載させていただいております。

まずここでは国と保険会社、JA共済とございます。保険会社、JA共済につきましては後ほどそれぞれからご説明いただく段取りになっておりますので、国の部分につきましてご説明させていただきます。

まず被害者救済対策の充実でございますけれども、1点目といたしまして、自動車事故対策機構によります近畿・関東西部における委託病床の本格運用に対応した予算を要求しているところでございます。

これは自動車事故による最重度の後遺障害者でございます遷延性意識障害の方を、一般病院における委託病床という形で受け入れるものでございます。被害者のご家族のニーズを踏まえまして、既存の療護施設等から地理的に離れております近畿・関東西部において設置し、本格運用を開始するものでございます。

経費は自動車事故対策機構の運営費交付金の中に含まれておりますので、その内数という記載になっております。なお、運営費交付金の総額は機構の業務運営の効率化により、圧縮しておりまして、対前年度比では減額という要求になっております。

それから被害者救済対策の充実の第2として、いわゆる短期入所協力事業を開始するための予算を要求額に盛り込んでおります。これは在宅で介護されております重度後遺障害者の方を、障害者支援施設において短期間受け入れます短期入所を促進するためのものでございます。

具体的には障害者の支援施設に対しまして、重い障害を持った方を受け入れるために必要な機器の整備を支援するものでございます。

第2の項目として、高速ツアーバス事故を受けた安全対策の強化ということでございます。事故防止対策につきましては、この事故を踏まえまして衝突被害軽減ブレーキの導入支援など、効果の高い施策を含みます事故防止対策支援事業について支援措置を拡大する要求をしておるところでございます。

またITを活用して、営業所から離れた遠隔地における運行管理を行うなど、過労運転防止のための取り組みに対する支援を新たに実施すべく要求をしているところでございます。

一方効率化した事業でございますけれども、先ほどご説明いたしましたオムニバスタウン整備総合対策事業につきましては廃止ということでございます。

また交通遺児等育成基金に対する補助金につきましては、実態を踏まえて縮減ということでございます。

なお、運用益事業の規模につきましては、下の欄に記載がございます。国につきましては、まだ要求ベースでありますので、若干の増となっております。

このほか、資料3として詳細な資料を用意しておりますけれども、要点としましては今ご説明したとおりでございますので、重ねての説明は省略させていただきます。以上でございます。

【落合会長】

ありがとうございました。それでは続きまして、平成25年度民間保険会社の運用益の使途につきまして、西方委員よりご報告をお願いいたします。

【西方委員】

それでは、私から平成25年度の民間保険会社の運用益の使途につきましてご報告申し上げます。

お手元の資料4をご覧ください。本運用益拠出事業案でございますが、第三者委員で構成されます損保協会長の諮問機関であります自賠責運用益使途選定委員会にてご審議をいただき、ご了承いただいているものでございます。今後2月22日に開催の損保協会の理事会で最終決定する予定としております。

それでは、本運用益拠出事業案のポイントをご説明させていただきます。

運用益拠出事業につきましては、ただいまご説明がございましたとおり、国土交通省の自動車損害賠償保障制度のあり方に係る懇談会にて議論されておりまして、昨年8月1日開催の同懇談会におきまして見直しの方針が確定したところであります。

したがいまして、私どもの本運用益拠出事業の作成に当たっては、これまでの自賠責保険審議会答申や平成14年の自賠法改正に当たっての国会附帯決議に基づく考え方に加えまして、同懇談会で示された方針も踏まえ、自動車事故の被害者対策を中心に充実させていくことを基本方針とさせていただきました。

また、既存事業においては、個々の事業報告、検証を踏まえまして事業内容の見直しを行い、必要な事業は充実させる一方で、それ以外の事業は縮減することにしております。

新規事業においては、あらゆる機会を通じまして交通事故被害者の皆様方及び関係者等のニーズを捉えまして、より被害者支援につながる事業への拠出の可能性を追求するという方針を立てて検討してまいりました。

そこで、具体的な事業案でございますが、新規事業といたしましては資料5ページの(12)でございますが、訪問看護師の育成と活用促進事業支援及び、(14)、高次脳機能障害者の自動車運転再開認定基準の策定支援の2つを挙げております。

いずれの事業も、自動車事故被害者支援を充実する観点から、自動車事故被害者の皆様方及び関係者のお声を聞かせていただきまして、事業化したものでございます。

また、これらの新規事業に加えまして、これまで実施していた被害者支援事業につきましても、直接的な支援につながる事業につきましては、金額の多寡はありますが、いずれも増加させております。

他方で、被害者支援以外の各事業については、その必要性、あるいは効率性の観点から一層の精査を行っております。

まず物品の寄贈ですが、救急医療機器や高規格救急自動車の寄贈等については、必要性の観点から見直しを行いました。いずれも、救急医療体制の整備という重要な施策でありますが、議論を重ねまして、結果として縮減しております。

また、交通事故紛争処理センターや損保協会における医療研修につきましては、一層のコスト削減を努力していくこととしまして、これも削減しております。

それらの結果、平成25年度の支出予定総額としましては、資料6ページの合計欄のとおり、20億1,560万8,000円となりまして、前年度対比で約1億6,000万円の減額となっております。

個々の拠出事業内容については、資料1ページから6ページに記載しておりますが、時間の関係上、説明を割愛させていただきます。

また、平成25年度も含めた直近5カ年の拠出額の推移、並びに平成23年度の運用益拠出事業の報告書を添付しております。

民間損保といたしましては、今後とも自賠責保険の運用益の有効かつ適正な拠出について引き続き努めてまいりたいと考えております。以上、ご報告申し上げます。

【落合会長】

ありがとうございました。続きまして、平成25年度JA共済の運用益の使途について、勝瑞委員よりご報告をいただきます。

【勝瑞委員】

それでは私から、JA共済の運用益の使途についてご報告させていただきます。資料5をご覧いただきたいと思います。

平成25年度のJA共済の運用益の使途につきましては、本運用益拠出事業について、先にご説明のあった損保協会さんと同様、第三者委員からなる使途選定委員会にてご審議・ご了承いただいているものでございまして、本日の報告後に最終決定する予定でございます。

なお、この本運用益拠出事業案の作成に当たりましては、実施状況を調査の上、実施効果、課題等を検証いたしまして、必要な事業については継続、または拡充する一方で、その他の施策によっては縮小することにより効果的・効率的な実施に努めているところでございます。また、これまでの当審議会におけるご意見なども参考に検討してきたところでございます。

それでは、本運用益事業案のポイントについてご説明させていただきたいと思います。

まず新規の事業でございます。1ページをお開きいただきまして、自動車事故防止対策の分野からでございますが、(9)の生徒向けの自転車交通安全教室の実施でございます。こちらにつきましては新規の事業になります。

また、3ページから4ページをお開きいただきたいと思いますが、後遺障害の認定分野の関係でございます。新たに調査を開始する(3)から(5)まで、4ページにまたがっておりますけれども、3事業、計4事業を挙げているところでございまして、これらが新規事業でございます。

このうち、先ほどありました(9)の生徒向けの自転車交通安全教室の実施につきましては、自転車交通安全啓発を目的といたしまして、交通事故のスタントマンによる実演などによって交通安全教室を中学校や高等学校で開催するものでございます。

続きましてまた後遺障害の分野でございますけれども、この分野の3事業については、従来までの2事業が計画どおり24年度で終了することに伴いまして、後遺障害認定対策として新たな研究テーマについて調査を開始するものでございます。

続きまして、終了する事業でございます。1ページの自動車事故防止対策の分野から、(8)の児童向けの交通安全教育資材の提供でございます。

また、2ページでございますけれども、自動車事故被害者対策の分野から、(5)の交通事故被害者・家族向け情報交換支援インターネットサイトの運営、3ページになりますけれども、後遺障害認定対策の分野から(1)と(2)の2事業、計4事業を挙げております。

このうち、1ページの児童向け交通安全教育資材の提供につきましては、全国の小学校に資材の配付が完了したことに伴い終了するものでございます。

また、2ページの交通事故被害者・家族向け情報交換支援インターネットサイトの運営でございますけれども、使途選定委員会でのご意見や、事業実施効果の検証結果を踏まえて終了するものでございまして、後遺障害認定対策の2事業については、先ほど申し上げたとおり、計画どおり終了するものでございます。

続きまして増額する事業でございます。1ページの自動車事故防止対策の分野でございますが、(6)のJA共済交通安全ポスターコンクールの実施と、(7)の幼児向け・高齢者向けの交通安全教室の実施の2事業でございます。

続きまして3ページでございます。自動車事故被害者対策の分野からは、(8)の交通遺児育英会の支援の計3事業が挙げられております。これらの分野が増額するということでございますけれども、このうち、自動車事故防止対策の2事業につきましては、自動車事故防止対策の取り組み強化に伴う増額ということでございまして、自動車事故被害者対策の事業につきましては、被害者救済対策の充実の観点から、先方と調整の上増額することにしたものでございます。

続きまして減額する事業でございます。2ページをお開きいただきたいと思いますが、救急医療体制の整備の分野の2事業でございます。自動車事故対策分野からは、(2)の交通事故無料法律相談事業の支援と、(3)の交通事故無料法律相談機関の支援、それから(4)の介助犬の普及の支援の3事業、合わせて5事業を挙げているところでございます。

このうち2ページの、先ほどありました救急医療機器等購入費補助でございますけれども、24年度比で3億円の減額となっておりますが、これは昨年1月の自賠責審議会での意見なども受けまして、検証を行った結果を踏まえて減額したものでございまして、重要性はあるものの、厳密な効果測定をしてさらに減額をしてきたということでございます。

また、自動車事故被害者対策の分野の(2)と(3)の減額は、事業主体からの要請額の減少に伴う減少でございます。

以上、4ページをご覧いただきますと、合計額がございますが、平成25年度の支出計画額は、前年度計画比で見ますと8,262万円減の15億5,950万円となりました。

最後でございますけれども、平成23年度事業の実施状況を取りまとめたものを添付いたしておりますので、参考としてご覧いただければと思います。

報告は以上でございます。

【落合会長】

ありがとうございました。ここで、本日ご欠席の福田委員から、運用益事業に関しましてご意見を書面でいただいておりますので、事務局から紹介いただきたいと思います。

【小原課長】

それでは、お配りしております福田委員からの1枚紙でございますが、読み上げさせていただきます。

平成25年1月9日開催の第131回自賠責保険審議会への意見。

本日は大学の校務のために出席できませんので、文書にて意見を提出いたします。

1.自賠責保険の運用益事業の見直しが行われているが、国、保険会社そしてJA共済による事業の原資は、性格が異なることに注意する必要がある。

国による事業の原資は、平成13年の自賠法改正による政府再保険制度廃止に際して、それまでに累積した約2兆円の運用益のうち、20分の9を積立金(基金に相当し、運用益で事業を実施する)として被害者保護対策等に充てることとして、自動車損害賠償保障事業特別会計法の附則において規定したものである。

国の被害者救済対策事業の実施は、一般会計へ貸し付けられた約6,000億円が全額返還されることを前提としているが、いまだ返還されていないため、積立金の元本を取り崩しながら事業を継続している状況である。このままでは、被害者救済事業の実施自体にも大きな支障が生ずることが確実であることからも、一般会計への貸付金を早急に返還するように求める必要がある。

2.運用益事業の見直しは、事業仕分けのように数値目標を立てて削減するという性質のものではない。あくまでも不幸にして交通事故の被害者となった人々の保護を第1に考えるべきものであり、被害者保護のレベルが後退することがあってはならない。効果のないものや、極めて非効率なものについては、見直しの対象とする必要はあるが、交通事故の実態にも注意して考える必要がある。交通事故死者数の劇的な減少に目を奪われがちであるが、交通事故がゼロとなったのではなく、平成23年の交通事故件数は約69万件、死者数は約4,600人、負傷者数は約85万人である。重度後遺障害となった被害者の数は横ばいであり、いまだ交通事故は深刻な状況にある。

このような状況を踏まえて運用益事業の内容を考慮すべきであって、現実に事故の犠牲となった被害者に対象を限定することは、被害者を増加させることにつながりかねない。

3.国、保険会社そしてJA共済による運用益事業は、それぞれの役割分担に従って行われている。保険会社やJA共済は第三者委員会による使途選定を行い、各事業の内容を事後的にも評価する仕組みが整っている。その評価に基づいて、当初は効果が期待されたが、現実には効果が乏しかった事業に対する助成を廃止するなど、運用益事業のあり方に対する配慮がなされている。評価方法等については、改善の余地がまったくないわけではないが、今後とも既存の仕組みに基づいて適切に評価されることが望まれる。

以上でございます。

【落合会長】

それでは、運用益事業に関しまして、国、保険会社、JA共済の3者からの報告が行われましたが、これらのご報告につきまして、ご質問、ご意見等ありましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。北原委員、お願いいたします。

【北原委員】

今福田委員から意見が出ておりますけれども、国に貸している6,000億円の返還については、どのように対処されるんでしょうか。

【落合会長】

その点につきましては、後藤参事官からお願いいたします。

【後藤参事官】

自動車安全特別会計から一般会計への繰入金につきましては、国土交通省といたしましては、財務省に対して、平成25年度の予算要求においても繰り戻しを要求しております。期限である平成30年度までの着実な繰り戻しを求めて引き続き協議してまいりたいと考えております。

【落合会長】

北原委員、よろしいでしょうか。

【北原委員】

いつも同じような答えの繰り返しを聞いておりますので、もう少し、効果のある方法はないものかどうか、考えてほしいと思うんですけれども。

【落合会長】

後藤参事官、どうぞ。

【後藤参事官】

しっかりと取り組んでまいりたいと思っておりますので、どうぞご理解をよろしくお願いいたします。

【落合会長】

ほかにございますでしょうか。

【相原委員】

1点よろしいですか。

【落合会長】

どうぞ。

【相原委員】

同様の趣旨になりますが、もう既にお答えいただきましたのでそれ以上のことはありませんけれども、やはり6,000億円のことは大変重要な観点だと思っております。

運用益事業そのものについてはそれぞれ精査をいただいて、ご報告のとおりですので、その中身については理解いたしましたけれども、今後とも厳しい精査については不断の努力が必要だと改めてこの場でも申し上げておきたいと思っております。

一方、6,000億円との関係で申し上げますと、この運用益事業、被害者救済事業を行う制度ということで大変重要なわけですけれども、取り崩していっているということになると、この事業の継続性そのものに関係してくることになりますので、その6,000億円をいかにするかということと、長期安定的な被害者救済事業を担保できるような仕組みそのものをどうするのかというのはまた別の問題としても起こってきていると認識できるわけで、安定的な事業の継続性についても十分な配慮がなされてやっていくべきではないかと思っておりますので、その点についても申し上げておきたいと思っております。

【落合会長】

ありがとうございました。高橋委員、どうぞ。

【高橋委員】

運用益事業の見直しについては毎年意見や提案をさせていただいてきました。今回、国と損保協会とJAさんからのご報告については、和暦と西暦の統一、予算をはじめ金額に対する表記について比較可能性を高めてほしいと申し上げたことを受けて、かなり改善していただき見やすくはなったと感じます。ただ、事業の内容については、それぞれ細かく書いてはいただいているのですけれども、どこまで精査されているのか、懸念が残っております。

書きぶりによる違いもあると思うのですけれども、たとえば評価方法は、福田委員のご意見にもありましたように、共済と保険会社は第三者委員会も使ってやっているということですね。提出資料を見る限り、保険会社は、例えば物を寄贈した場合には現場で確認したり、いろんな事業についての監査もやっていらしたり、現状もわかっていらっしゃるようですが、JAさんの資料では、ヒアリングと報告書の受け取りが多くて、実際に現場に行っているのか、どこまで監査しているかがわかりません。もし、やっていらっしゃるのであれば、この場で少し補足をいただきたいと思います。

それから国は立入検査もしていらして、かなりやっていらっしゃると思うのですが、事業全体の中では、補助金はよくわかるんですが、交付金の使い道に関しては、内数という書き方で、実際にどのように使われたのか、現状がどうなっているのかがなかなか見えてこないところがあります。ですから、細かくというより、メリハリをつけて、重要度に応じて、次回はぜひご報告をいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

【落合会長】

ほかにございますでしょうか。藤川委員、どうぞ。

【藤川委員】

今後、消費税を上げるために、インフレターゲットを2%にして、デフレ対策を頑張ろうと、選挙公約で圧勝した自由民主党と公明党の政権ができ上がりました。自民党の時代に6,000億円の一般財源化問題が起こっていまして、きちんと返すということになって、民主党政権になってまた延期したという経過があります。民主党政権時代に決まった様々な事業仕分けに関しても、凍結することが各省庁で出ておりますので、この6,000億円に関しても、再度、自由民主党政権においてきちんと見直しをしていただき、財務省に対してきちんとまず整理をしていただきたい。ユーザーから集めた保険料でありますので、一般の税金ではありません。まず一度清算をして、そして一般財源として足らなければ赤字国債を組むということで、帳簿上はきちんと清算をやって、一般財源として足らない部分は赤字国債、50兆円程度を組むということになっております。その中に組み入れて、必要な部分は税金として赤字国債を組む。自賠責の保険料に関してはきちんと、借入金としての6,000億円は財務省から国土交通省に戻すという手続をしっかりやってもらいたいと思います。

【落合会長】

ほかにございますでしょうか。高橋委員、どうぞ。

【高橋委員】

今の問題にも関係しているんですけれども、大きく制度を見直す場合の場として、自動車損害賠償責任保険審議会のほかに、以前、改正自賠法のときには、金融審の下に自動車損害賠償責任保険制度部会というのがありました。現在、金融庁では、再編でこの制度部会がなくなっていると思うんですけれども、今後、制度に対して部会を復活する予定があるのかどうなのか、廃止した経緯も含めてご説明いただけないでしょうか。

【落合会長】

では、事務局からお願いします。

【小原課長】

部会自体は残っている、必要に応じて審議を開くことになっているかと思います。

【高橋委員】

部会は残っているんですか。

【小野参事官】

金融審議会は、確かに前回整理いたしまして、第1特別部会、第2特別部会、本体は廃止したのでございますけれども、こちらについては残っておりますので、今後もし必要があればそこを再開いたしまして、やることは考えております。そこは必要に応じてやるということでございます。

【高橋委員】

そうしますと、委員構成は昔の部会のまま、そのまま委員が残っているということですか。それとも部会の箱だけ残っていて、委員は決まっていないということでしょうか。

【小野参事官】

お答えいたしますと、箱だけ残っております。委員会につきましては、基本的に金融審議会の会長である吉野直行先生に一任ということで、そこから会長が委員を任命するという構成になってございます。

【落合会長】

ほかにございますでしょうか。どうぞ、矢代委員。

【矢代委員】

福田委員のご意見に共感を覚えますので、補足を申し上げたいと思いますが、1点目の繰戻しの問題は、基準料率の算定と直接は関係ないことかと思いますけれども、自賠責保険料値上げも控えており、不明朗なものが残っていますと、制度に対する国民の不信のもとにもなるということがあると思いますので、是非取り組みをお願いしたいと思います。

それから2点目の指摘は、事故防止、予防ということをおっしゃっているように受けとめましたが、確かに、予防というのは定性的に考えますと、交通事故の危険を全体的に防止するということで、均霑に、保険加入者全体に利益をもたらしますし、また将来の料率を抑えるという効果もありますので、そういう意味で保険加入者全体に利益をもたらすものだということを補足したいと思います。

【落合会長】

ほかにございますでしょうか。それでは、この点に関する議論につきましては、このあたりにさせていただきたいと思います。

本日様々なご意見をいただきましたが、これらの意見は今後の運用益事業等に十分参考にして、適切な運営を今後もさらに実現していくということで進めていただきたいと思います。

そういたしますと、報告事項の最後になりますが、自賠責診療報酬基準案につきまして、西方委員よりご報告をお願いいたします。

【西方委員】

自賠責保険の診療報酬基準案につきましてご報告を申し上げます。

お手元の資料6をご覧いただければと思います。

昭和59年の自賠責保険審議会答申に基づきまして、平成元年に日本医師会、自動車保険料率算定会、損保協会の3者にて診療報酬基準案の合意に至った後、各都道府県単位の医師会のご理解とご協力を得ながら診療報酬の基準案の実施普及に努めているところでございます。

実施状況につきましては、お手元の資料にございますとおり、現時点では山梨県を除く全国46の都道府県で実施されております。

合意に至っていない山梨県につきましても、日本医師会のご協力を得まして、引き続き合意に向け努力してまいります。

なお、基準案に合意している都道府県におきましても、地区医師会との協議の場を継続しまして、自賠責保険研修会の開催等を通じて、医療機関のご理解のもとに診療報酬基準案のさらなる普及に努めてまいります。

報告は以上でございます。

【落合会長】

ありがとうございました。それではただいまの報告につきまして、ご意見、ご質問等ございますでしょうか。藤川委員、どうぞ。

【藤川委員】

日本医師会ですが、山梨県医師会の会長を通じて交通事故関係の医療機関である整形外科、脳神経外科等の部会においても、問題意識を常に共有しておりますので、今回の自賠責保険審議会の報告を受けて、再度協議をしたいと思っております。

【落合会長】

ほかにございますでしょうか。それでは特にご意見がないようですので、この自賠責診療報酬基準案につきましての議論はここまでとさせていただきたいと思います。

そういたしますと、本日予定しておりました議事は全て終了となりますが、全体につきまして、特段のご発言があれば承りたいと思いますが、いかがでしょうか。高橋委員、どうぞ。

【高橋委員】

先ほど運用益事業について、例えば国交省さんはどうなのか、JAさんはどうなのかをお聞きしたんですけれども、この場でご回答いただけないということは次回の会議でお答えいただけると理解してよろしいでしょうか。まだ少し時間があるようですので、この場で答えていただけたほうが生産的な議論ができると思います。

【落合会長】

現時点で答えられる部分がございましたら、それぞれお答えいただきたいと思いますが、まず、勝瑞委員、どうぞ。

【勝瑞委員】

先ほどのご質問の趣旨は、どのような調査なり活動をやっているかということだと思いますけれども、私どもJA共済では、外部機関も活用しながら、毎年度JA共済の交通事故の地域貢献の評価をしているところでございまして、こういったところを通じて警察庁のご意見なども聞いたり、関係者のご意見を聞いたりしながら、効果の測定なり検証をしているところでございます。

【落合会長】

続きまして、後藤参事官、どうぞ。

【後藤参事官】

先ほどの高橋委員のご質問といたしましては、運営費交付金ということで、中身がよくわからないというご趣旨と受けとめておりますけれども、運営費交付金につきましては、性格上、まとまったお金を独立行政法人にお渡ししてそこで使っていただくものですから、具体的な中身は必ずしもきちんと分けられないもので、そういう意味で内数といたしております。

具体的にどうすれば、よりおわかりいただけるか、少し検討させていただければと思います。

【落合会長】

高橋委員、どうぞ。

【高橋委員】

ご説明ありがとうございました。JAさんについても効果検証等はしっかりやっていらっしゃるということですね。文字にするのには限界があると思うんですが、ほかの団体や組織もそうですけれども、何をやったかはわかるものの、それによってどういう効果が上がったかにはなかなか言及していただいていないのです。例えば無保険車対策みたいにあまり効果がなかったものはやめましたということかもしれませんけれども、もう少し効果について効率的な指標を先につくって、アウトカム指標でちゃんと管理していただいたほうが、国民としては納得がいくのではないかと思います。

運用益事業は、先ほどご説明で事業の選考のプロセスも含めて透明化を図っていく流れにあると理解しましたけれども、今回民間保険さんは、例えば3カ年計画の2年目ですよとか、3年目で完了したから廃止しますよという説明になっているんですけれども、ほかのところに関してはそうなっていません。例えば財源がなくなったら途中で突然やめてしまうのかとか、その辺がよく読めません。単年度ではなく、中・長期的な視点を持って、目標が達成できたら次のものに切り替えていくのがよいやり方だと思いますので、その辺も工夫をしていただきたいなと思っています。これは要望でございます。

【落合会長】

ほかに、全体につきましてご意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは最後に事務局から連絡事項がございますので、よろしくお願いいたします。

【小原課長】

次回の自賠責保険審議会でございますが、あらかじめ委員の皆様方に、今月中のご都合をお聞きしておりましたところ、来週1月17日木曜日の午前中が最も多くの方にご参加いただけるようでございます。

したがいまして、17日木曜日10時から、本日と同じ、この会議室にて開催させていただきたいと存じます。皆様方におかれましては出席を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

また、次回の審議会終了後、事務方より記者レクをさせていただきたいと考えております。それまでの間、本日の議事内容の取り扱いにつきましては、ご留意いただければ幸いでございます。本日はありがとうございました。

【落合会長】

それでは本日の審議会を終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。

お問い合わせ先

金融庁Tel 03-3506-6000(代表)
監督局保険課
(内線3375、3772)

自動車損害賠償責任保険審議会に対する意見書(福田委員提出)(PDF:68K)


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