第132回自動車損害賠償責任保険審議会議事録

1.日時:平成25年1月17日(木)10時00分~11時00分

2.場所:中央合同庁舎第7号館西館13階 共用第1特別会議室

【落合会長】

それでは、時間となりましたので、ただいまより、第132回自動車損害賠償責任保険審議会を開催いたします。本日は、ご多忙のところご出席いただきまして、誠にありがとうございます。

なお、清水委員におかれましては、所用のためご欠席されております。

本日の議題でありますが、お手元の議事次第にありますように、自動車損害賠償保障法第33条第1項及び第2項の規定に基づく諮問事項に対する審議となっております。

それではまず、事務局より資料の確認をお願いいたします。

【小原課長】

よろしくお願いいたします。

まず、お手元の配付資料でございますが、配席図の次に審議会の公開ルール、議事次第及び委員名簿となっております。

続きまして、資料1、資料2をお配りしておりまして、最後に、諮問事項に係る書面、それから答申案を配付しております。資料の過不足等あればお知らせください。

また、本日の議題につきましては、議事次第にもございますとおり、諮問事項でございまして、最初に「自賠責保険事業に関する認可について」、次に「基準料率の適合性審査期間の短縮について」、最後に「自賠責共済規程の一部変更について」でございます。なお、本日の審議会の予定でございますが、審議状況如何ではございますが、概ね11時30分を目処に終了することを予定しております。

以上でございます。

【落合会長】

それでは、お手元の当審議会の公開ルールをお配りしておりますけれども、本日この後、議題1、諮問事項のうち、「自賠責保険事業に係る認可」につきましては、審議の中で個別会社の権利・利益等に係る個別情報を取り扱うおそれがあるということで非公開とさせていただきまして、本件のご審議を行った後に会議を公開することにさせていただきます。

それでは、議事に移りたいと思いますが、まずは諮問事項、「自賠責保険事業に係る認可について」でありますけれども、これにつきまして事務局よりご説明をいただいた上でご議論をしていただきたいと思います。

では、事務局よりお願いいたします。

【小原課長】

それでは、まずお手元に配付いたしました諮問文の1をご覧ください。「保険業法第123条第1項の規定に基づき、AIU損害保険株式会社に対し、自動車損害賠償責任保険事業を営むことを認可すること」でございます。

続きまして、お配りいたしました資料1、「自賠責保険事業に係る認可について」をご覧ください。

まず1ページ目でございますが、今般、AIU損害保険株式会社より、自賠責保険事業に参入したいとして、保険業法に基づきまして基礎書類、すなわち事業方法書、普通保険約款、保険料及び責任準備金の算出方法書の変更認可申請がございました。これにつきまして、下の参考にお示しした審査基準に従って審査する必要がございます。

次に、2ページ目をご覧ください。AIU損害保険株式会社は、AIU在日支店を日本法人化すべく、平成24年10月26日をもちまして、保険業法に基づく損害保険事業の免許を取得した会社でございます。今後、AIU在日支店より保険契約の移転を受けて、本年4月1日に営業を開始する予定としております。

AIU損害保険株式会社の今般の申請内容でございますが、既に自賠責保険事業を行っている他の保険会社と同一のものでございまして、審査基準を満たしているものと認められます。したがいまして、事務局といたしましては、認可を行うことといたしたく、当審議会にお諮りする次第でございます。

以上です。

【落合会長】

ありがとうございました。

それでは、ただいまの説明につきまして、ご質問、ご意見等ございましたらよろしくお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

よろしいでしょうか。それでは、当該保険会社の自賠責保険事業に係る認可につきまして、異議はないということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【落合会長】

ありがとうございました。それでは、ご異議がないということで、そのようにさせていただきたいと思います。

それでは、先ほど申し上げましたとおり、これより会議を公開といたしたいと思います。事務局は、傍聴者を会場へご案内願います。委員の皆様方は少しお待ちいただくということでよろしくお願いいたします。

(カメラ入室・撮影)

【落合会長】

それでは、審議を再開したいと思います。ここでカメラ撮りの方はご退出いただきますようお願いいたします。

(カメラ退出)

【落合会長】

それでは、議事に移りたいと思います。

続きまして、具体的な基準料率についてご議論いただきたいと思います。9日の審議会におきまして、平成25年度から本来の料率水準に戻すという結論が得られましたが、これに沿いまして、損害保険料率算出機構が新たな料率案を作成し、一昨日、15日でありますが、金融庁長官に対して届出が行われております。これに基づきまして、当該料率を4月1日から使用することを可能とするために、法律に定める適合性審査期間を短縮してよいかという諮問でございます。

それでは初めに、基準料率の届出を行いました損害保険料率算出機構から、届出の概要をご説明いただき、その後、事務局から補足をしていただきたいと思います。

それでは、鈴木委員、よろしくお願いいたします。

【鈴木(雅)委員】

損害保険料率算出機構の鈴木でございます。よろしくお願いいたします。

ただいまご説明がございましたとおり、一昨日、15日付で当機構から金融庁に基準料率改定の届出を行っております。

今回届け出ました基準料率は、実施日を本年4月1日とするものでございまして、その改定の概要を資料2に沿いましてご説明させていただきます。

まず、1ページの(1)をご覧いただきますと、ここでは現行の基準料率の改定に至る状況を整理しております。マル1の純保険料率に関しましては、(ア)にございますとおり、平成23年4月に改定された現行の基準料率は、収支均衡期間を平成23契約年度から24契約年度までとした上で、平成22年度末の累積運用益等を活用することにより、その予定損害率を119.4%として算出されておりまして、収支均衡期間が満了する平成25年度に引き上げ改定を行うといったことを前提としてございます。

次に、(イ)をご覧いただきますと、先日の本審議会においてご報告いたしました平成24年度の料率検証結果では、平成25契約年度の純保険料率の損害率は120.3%となり、予定損害率119.4%と比較いたしますと、若干の悪化は見られるものの、ほぼ現行料率算出時の見込みどおりの状況となっております。

また、(ウ)にございますとおり、累計収支残及び運用益積立金の残高の状況を見ますと、累計収支残としては平成24契約年度末において5,128億円の赤字が見込まれる一方で、運用益積立金の残高は平成24年度末時点で5,197億円と見込まれ、平成25年度以降も現行料率を継続した場合には、運用益積立金をもって累計収支の赤字を補てんし切れないことが確実な状況となっております。

他方、付加保険料率部分に関しましては、マル2に記載してございますように、昨年度の本審議会でもご報告がございました、自賠責保険付加率に関する合同委員会における検討に基づき、経費計算基準が見直されてございまして、その結果、社費に関しましては、支出の水準が現行料率の想定を下回り、平成24年度末の累計収支残は302億円の黒字となる見込みとなっております。

なお、代理店手数料の算出基礎数値に関しましても、自賠責保険付加率に関する合同委員会の検討に基づき見直されてございます。

続きまして、(2)の改定料率の算出に当たって前提となる枠組みについてご説明をいたします。

まず、マル1の純保険料率につきましては、平成24年度の検証結果における平成25契約年度の純保険料率収支、並びに全自賠責事業者の累計収支残及び累積運用益を勘案して算出することとしております。

なお、累計収支残及び累積運用益につきましては、平成25契約年度から29契約年度までの5年間で償却及び還元することとしております。

次に、2ページ目をご覧ください。マル2の社費の算定についてですが、社費は、直近既経過事業年度であります平成23年度の決算をベースといたしまして、純保険料率と同様、平成25から29年度の5年間で社費収支が均衡するように、中央時点に当たります平成27年度の所要経費を推定いたしまして、これに社費の累計収支残の還元を勘案いたしまして算出しております。

なお、ベースとなります平成23年度決算には、経費計算基準の見直しが既に反映されておりますので、改定社費は、その効果が反映されたものとなります。

次に、マル3の代理店手数料の算定に関しましては、こちらも昨年度、自賠責保険付加率に関する合同委員会における検討により見直された算出基礎数値をベースに、賃金上昇率、物価上昇率を据え置きといたしまして、平成25から29年度までの5年間で収支が均衡するように、中央時点であります平成27年度の所要額を基準として算出いたします。

マル4の賦課金率でございますが、今回の改定に当たって、国土交通省におかれまして、純賦課金率、付加賦課金率についてそれぞれ引き下げを予定しておられますことから、引き下げ後の賦課金率を用いて計算をしております。

また、マル5の改定の実施日といたしましては、本年、平成25年4月1日を予定しております。

これらの内容をもとに算出いたしました具体的な算出方法と結果につきましては、次の3ページをご覧いただきたいと思います。

ここではまず、今回の純保険料率の改定に関しまして、損害率に基づく純保険料率収支の調整、累計収支残の償却及び累積運用益の還元という3つの要素に分けて記載しております。

まず、一番上の枠の、平成25契約年度収支のCの欄の損害率に、今年度の検証結果である120.3%がございます。したがいまして、この25契約年度の損害率を基準に改定いたしますと、ノーロス・ノープロフィットの原則で運用していくためには、現行の純保険料率をD欄にございますとおり20.3%引き上げることが必要ということになります。

次に、2番目の枠の累計収支残の償却でございますが、E欄をご覧いただきますと、24契約年度までに5,128億円の赤字が生じるものと見込まれますので、これを25契約年度から29契約年度までの5年間で償却いたしますと、現行の純保険料率との対比では、Gの欄にございますとおり、14.7%の引き上げが必要となります。

続きまして、3番目の枠の累積運用益の還元でございますが、24年度までの累積運用益としては、5,197億円を見込んでおりまして、これを25から29契約年度の5年間で還元いたしますと、現行の純保険料率との対比で、Jの欄になりますが、14.9%の引き下げを行うこととなります。

これら3つの要素を合計したものが一番下の枠の基準料率改定率のKの欄となりまして、純保険料率部分につきまして、20.1%の引き上げという結果となります。

次に、社費についてでございますが、先ほどご説明いたしましたとおり、支出社費の水準が、経費計算基準の見直しなどにより減少したことや、平成24年度末までの全自賠責事業者及び当機構の累計収支残の合計額305億円を、25から29契約年度の5年間で還元することの結果といたしまして、現行の社費との対比では、M欄にございますとおり、3.2%の引き下げとなります。

また、代理店手数料についてでございますが、先ほど申しましたとおり、代理店手数料部分につきましても、その算出基礎となる数値の見直しを行っておりまして、それをもとに代理店手数料を算出いたしました結果、1,600円で据え置きとなりましたため、O欄にございますとおり、改定率は0.0%となります。

なお、L欄の純賦課金率変更による純保険料率改定率及びN欄の付加賦課金率変更による社費改定率に関しましては、今回の基準料率の改定に伴いまして、純賦課金率及び付加賦課金率が引き下げられる見込みとなっていることによるものでございます。

以上の結果、基準料率としての改定率は、Pの欄にございますとおり、K欄の純保険料率の改定率20.1%及びL欄の純賦課金率変更による純保険料率改定率マイナス0.1%に現行料率の純保険料率割合であります0.711を、次に、M欄の社費の改定率マイナス3.2%及びN欄の付加賦課金率変更による社費改定率マイナス0.1%に現行料率の社費割合であります0.22を、最後にO欄の代理店手数料率改定率0.0%に現行料率の手数料割合であります0.069をそれぞれ乗じまして、これらを合計いたしますと、基準料率の改定率といたしましては13.5%の引き上げとなります。

なお、表の下の注3にございますが、今回、本年4月にこの内容で基準料率改定を行った後の純保険料率収支の予定損害率は100.2%ということになります。

続きまして、4ページの注4をご覧ください。こちらは先ほど申し上げた社費改定率の根拠となっております改定前後の契約1件当たりの社費の内訳を示してございます。改定前後で比較いたしますと、経費計算基準の見直しによりまして、営業費は減少、損害調査費は増加となっておりまして、合計の社費といたしましては、3.2%の引き下げという結果になってございます。

また、注5には代理店手数料をお示ししてございますが、こちらは先ほど申し上げましたとおり、現行と同額の1,600円という結果になってございます。

以上のご説明が、全車種合計での基準料率の平均改定率となりますが、続きまして5ページをご覧いただきたいと思います。こちらの表では、車種別の純保険料率の改定率を記載してございます。

まず、一番下の合計欄をご覧いただきますと、25契約年度の全車種合計の損害率は、先ほど3ページでお示ししたとおり120.3%でございます。その上で、全車種合計の純保険料率改定率は、これも3ページでお示ししましたとおり20.1%でございます。このため、全車種合計の改定後の基準料率のもとでの予定損害率は100.2%となります。

これに対しまして、車種ごとの損害率は、表のA欄にございますようにそれぞれ異なっておりますので、車種別の純保険料率の改定率は、この車種別損害率に応じて算出することとなります。その結果がB欄に記載してございます。この車種別の純保険料率改定率の求め方でございますが、表の下、注2にございますように、車種別純保険料率改定率は、改定後の車種ごとの予定損害率が、全車種合計の改定後の予定損害率である100.2%と同一となるように求めてございます。改定後の車種別予定損害率が同一であるということは、車種ごとにお支払いする保険金に対してご負担いただく純保険料割合を同一とすることにより、車種ごとのご契約者の保険料負担の公平性を図るという趣旨でございます。

続きまして、6ページから9ページにつきましては、12カ月契約の場合の各地域別、車種別の基準料率を網羅的にお示しした表となっております。ただし、実際の契約例でご実感いただくという意味では、自家用乗用車などの例がわかりやすいかと思いますので、最後の10ページをご覧いただきたいと思います。

この表では、保険期間ごとの基準料率をまとめております。表に網かけをしている部分が自家用乗用車の基準料率の例となっております。自賠責保険において、最も契約台数の多い自家用乗用車の24カ月契約でご覧いただきますと、現行の基準料率はEの欄の2万4,950円でございますが、改定後はこれがFの欄の2万7,840円となりまして、差し引きではGの欄、2,890円の上げ幅となっております。その右のH欄が改定率でございまして、このケースでは11.6%の引き上げとなっております。なお、欄ごとに改定額及び改定率にばらつきがございますが、これは先ほど5ページで説明した車種別損害率に違いがございますことや、そのほか保険期間別に保険料の構成が異なるといった理由によるものとなっております。

今回の届出内容に関する私からのご説明は以上でございます。

【小原課長】

それでは引き続き、事務局から諮問内容につきましてご説明をさせていただきます。

ただいま、鈴木委員からご説明いただきましたとおり、今回届出が行われました基準料率は、本年4月1日を実施日とするものでございますが、4月1日に使用可能となるためには、適合性審査期間でございます90日を短縮する必要がございます。この適合性審査期間の短縮ということについてご説明いたしますと、損害保険料率算出団体に関する法律第10条の4におきまして、届け出が行われました基準料率について、本来、90日の審査期間が設けられているわけでございます。しかしながら、当審議会でご承認いただければ、同法の第10条の5第1項に基づきまして、当該審査期間の短縮を行いまして、本年4月1日から届出のあった基準料率の使用が可能となるというものでございます。

以上の点を踏まえまして、金融庁長官から当審議会への諮問がございまして、それに対する当審議会の答申案を配付させていただいております。この中で適合性審査期間の短縮について述べておりますのが、答申案の2でございます。

それでは、この答申案の2を読み上げさせていただきます。

「現行の自動車損害賠償責任保険の基準料率は、平成20年4月の料率変更時に前提とされた、収支均衡期間を5年間とし平成25年度には本来の料率水準に戻すための料率変更を行うこととする枠組みは維持しつつ、損害率の想定以上の悪化を受けて、平成25年に契約者の保険料負担が急激に増加することを緩和する目的から、平成20年時点の見込みと実績との乖離が明らかになった部分について調整を行うため、平成23年4月に引き上げられた料率である。

平成24年度の料率検証結果では、平成24契約年度及び平成25契約年度の損害率は、それぞれ120.4%、120.3%と、平成23年4月の料率変更時に想定していた予定損害率119.4%と大きな乖離は生じておらず、当初の想定どおり、平成25年度には、発生運用益で累計収支の赤字を補てんしきれなくなることが確実となっている。

したがって、基準料率については、届出のあったとおり、別表のように変更することが適当である。届出に係る基準料率を平成25年4月1日から使用することを可能とするため、損害保険料率算出団体に関する法律第10条の5第1項の規定に基づき、同法第10条の4第1項に規定する期間を短縮することについては、異議はない」。

また、答申案の3から5につきましては、各自賠責共済におきます共済掛金の改定につきまして、各所管官庁が認可、承認を与える際に必要な金融庁長官の同意に関するものでございます。答申案は、共済掛金改定に係る各共済規定の変更が、損保会社と同一の変更であれば異議はないとしておりまして、あわせてお諮りをさせていただいている次第でございます。

事務局からは以上でございます。

【落合会長】

ありがとうございました。

それでは、ただいまご説明のありました料率改定の案、それから諮問とそれに対する答申案に関しまして、ご質問、ご意見をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

藤川委員、どうぞ。

【藤川委員】

今、料率算出機構から数字に基づいて貴重な説明をしていただきました。よく理解できました。今回の料率については特に異論はありませんが、ただ、今後について、将来的に、まだ残された課題が残っております。日本医師会として交通事故診療に係る保険使用に関する調査をしたときに、本来、自賠責保険で払うべき損害賠償の金が健康保険から払われているという問題、いわゆる健康保険を使用したときの求償が100%行われていないという問題が判明しております。これに関して一番問題なのは、国公立病院において健康保険を使った場合、DPCの関係で非常に費用が高く、そのために健康保険を使っているところが、入院費に関しては5割ぐらいあり、その分の求償が完全に行われていないという実態があるということです。これは自賠責保険が本来払うべきお金ですので、将来的には自賠責の料率に反映されてくるものであり、将来料率を上げざるを得なくなる時期が来るかと思います。

それからもう一つは、医業類似行為の施設に事故被害者が流れている場合に、健康保険を使っている場合があります。これに関しては、医業類似行為でどのくらいの額が自賠責保険で払われているのか、ないしは健康保険で払われている療養費のうち、本来、自賠責保険に求償すべき額がどの程度なのか明らかになっておりません。もし求償されていなければ、自賠責の料率に反映されてくるものですので、料率を上げざるを得なくなるという問題を抱えております。

また、物損で軽症の場合に、医療機関に来なくて、医業類似行為の施設に行って、長期間施術を受けているという問題で、これもまだ解決されておりません。

それともう一つ、二重事故の場合、ないしは三重事故もありますが、最初の事故が軽症で終わりつつあるときに、さらに大きな事故を第一事故と同じ部位に受けた場合です。本来は前の事故の保険を中止して、次の事故の自賠責保険を使うのが筋です。前の事故が軽症の場合に、残った自賠責保険金を2つ目の事故に使うということも判明しております。これは本来あるべき姿ではないと思います。自賠責保険は1件当たり120万円を上限とすべきで、もしそのときに100万円でも残れば、それは自賠責の財源として使うべきであって、その次の事故上限額の120万円に、余った100万円をプラスするということはあり得ないと思います。2例目の事故が120万円を超えるような場合は、任意保険の対人賠償責任保険で払うべきだと思います。以上、この4つの課題がまだ解決しておりませんが、今回の料率に関しては、特に異論はありません。

【落合会長】

ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。

齋藤委員、どうぞ。

【齋藤委員】

日本自動車会議所の保険委員の委員長をしております齋藤でございます。よろしくお願いいたします。

私は、本会に自動車業界と自動車ユーザーの意見を反映させるために出席させていただいておりますので、その観点で意見を申し上げます。

今回の料率改定案の中身でございますが、値上げの圧縮努力は相当やっていただいておりますけれども、保険収支は画期的に改善されるというレベルには至っていないと考えております。

したがいまして、今後控えております消費税の上昇という中で、自賠責保険料の値上げで大きな負担増を強いられます自動車ユーザー、国民を納得させるためには、その環境づくりをしなければならないと考えてございます。

具体的には、当会といたしましては、以下の2点が必要であると考えてございます。

まず1点でありますけれども、前回の自賠審で、他の委員の方からも同様の発言があったと伺ってございますが、従前からの積み残しでございます特会からの一般会計の繰入金の問題がいまだ解決をしていないという点でございます。積立金と保険収支は直接の関係がないとはいえ、自動車安全特別会計からの一般会計繰り入れが返済されないままに保険料が上がるということは、自動車ユーザーとしては納得し難いということでございます。

毎年少しずつ返済をするというような具体的なアクションプラン、計画をぜひ示していただきたいと思っています。かつてこの計画が一度も示されたことがないというのは甚だ遺憾であると考えています。

また、あり方懇でも同趣旨の発言をいたしましたが、その後、何のアクションも示されておりません。この早期返還につきましては、他の委員の皆様方も意見が一致しているところであると考えてございます。ぜひ審議会として当局に返済計画を求めるなど、強くお願いしたいというふうに考えております。この点について何かご意見があればお聞かせ願いたいと思います。

次、2点目でございますけれども、当然ながら、自動車事故対策事業というのは安定的に運営されるべきものでございます。しかしながら、今後も国の財政難が続くという中で、積立金を一般財源とみなす動きが復活する危険、おそれがあると考えてございます。まずは一般会計繰り入れ分を全額返済していただきまして、そこを出発点として、自動車事故対策事業を安定的に運営するための抜本的な仕組み、改革について検討していただきたいと考えてございます。

以上2点でございますけれども、いずれにいたしましても、運用益事業や付加保険料等につきましての精査及び適正水準の検討につきましては、保険料を実際に負担しております自動車ユーザーが納得できるような形で、今後とも絶え間なく行っていただきたいと考えてございます。

以上でございます。

【落合会長】

ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。

どうぞ。高橋委員。

【高橋委員】

私も保険収支の悪化に伴う今回の見直しについて異議があるわけではございませんが、他の委員と同様に、今後の課題について意見を申し述べたいと思います。

前回、運用益事業について、効率化を行ってほしい。そのためにも、その内容について、より見える化を図る、比較可能性を高めていただきたいということを申し上げました。保険料につきましては、事故防止対策が各機関で打たれているわけですけれども、より一層の充実を図っていただいて、結果を出して料率によい影響を与えるよう希望いたします。

そのためには、各運用益事業の実施団体におかれましては、不断の検証を行っていただきたいと思いますし、監督官庁におかれましては、適宜適切な監督を行っていただいて、将来的な保険料の値上げを抑えていただきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。

以上です。

【落合会長】

ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。

相原委員、どうぞ。

【相原委員】

ただいまのご説明、ありがとうございました。料率の検証結果につきましては、十分お受けとめをさせていただいて、料率そのものについては異議ございません。

その前提といたしましては、前回の引き上げのときから申し上げてまいりましたけれども、本日のご説明にもありましたとおり、社費等を中心といたしますさまざまな精査が必要だということは申し上げてまいりました。その点につきましては、ご説明の中にもありましたけれども、今回の料率にそのご努力等々が反映されていること、また本日の答申に至るまでに各位のご努力があったこと等々についてはお受けとめをさせていただいて、それぞれの努力のあらわれだというふうにも承知をいたすところであります。この点を申し上げておきたいと思っております。

また一方で、ほかの委員の皆さんからのご意見にも若干通じるところがありますけれども、答申の中にもありましたとおり、例えば自家用乗用で2年で2,890円、軽自動車で4,400円というようなことからいたしますと、とりわけ地方経済が疲弊する中にあって、地方における複数保有というのは、交通インフラ、車社会においてはごく一般的なこととなっております。現在の所得環境、とりわけ地方経済や地方雇用の実況を踏まえるにおいては、家計へのインパクトということについても、決して少なくないものというふうにも受けとめております。それぞれのご努力の結果ということには、承知をする上でも、実態としても改めて私たちは認識をしたいと思っております。

したがって、今後も急激なアップダウンがない安定的な料率をいかにして制度維持、安定していくのかということと、漸減的にユーザーの負担を軽減しながら、適材適所に事業を営んでいくかと、この料率を各位のご努力によって目指していく必要が今後も必要だろうと思っております。

前回のご説明を頂戴いたしましたとおり、運用益事業については、この料率改定に至る間までにも、各位、各所で相当のご努力を積み重ねておられますので、今回に至る経過でさまざまな努力がなされたことを、今後もPDCAのサイクルをしっかり回していただいて、さらなる長期安定的な制度となるような、あり方懇などの場を通じて定着を図っていただくことが重要ではないかというふうにも思っておりまして、この点についてご見解があればお伺いいたしたいと思っております。

【落合会長】

ありがとうございました。

ほかにご意見、ご質問ございますでしょうか。

【小原課長】

では、幾つかお答えをさせていただきます。

まず、藤川委員から、健保の使用についてご発言がございました。交通事故の被害者の治療費については、原則自賠責保険の財源から支払われるべきということでございます。健康保険を被害者が利用する際には、保険会社のサポートのもとで、第三者行為手続漏れを防止するということが重要だと考えております。この点につきまして、損保協会におかれましても、手続の周知徹底を行うなどの対応策を検討しているというふうに聞いておりまして、私どもといたしましてもフォローしていきたいと考えております。

それからもう1点、物件事故証明等の事故の増加についてご発言がございました。ご指摘のとおり、物件証明による請求が増加傾向でございまして、損保協会あるいは料率機構におきまして、実態調査を実施されているところでございます。

いずれにいたしましても、保険金の不正請求の防止対策というのが非常に重要だというふうに考えておりまして、ちょうど今、損保協会におかれまして、不正請求防止対策の強化に取り組んでおられるところと承知しております。

金融庁といたしましても、関係省庁と連携しながら、しっかりとフォローしていきたいと考えております。

【後藤参事官】

国土交通省でございますが、一般会計の繰入金の繰り戻しの関係についてご意見がございました。一般会計に繰り入れております自動車安全特別会計の積立金につきましては、自動車事故の被害者保護などの運用益事業に資するための財源として積み立てられたものでございます。

こういった施策を安定的に実施するためにも、財務省に対して、引き続き繰り戻しを求めてまいりたいと考えております。

なお、この繰り戻しにつきましては、法律の規定に基づきまして、各年度予算に定めるところにより、繰り戻しを行うとなっております。また、国土交通大臣と財務大臣との合意によりまして、平成24年度から30年度までの間に実施するとなっておりますので、国交省といたしましては、関係の法律及び合意の趣旨を踏まえまして、着実な繰り戻しを求めて協議を進めたいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたしたいと思います。

それから、運用益事業について、この精査を引き続き実施すべきだというご提案、ご意見がございました。運用益事業につきましては、国、保険会社、共済組合それぞれ事業主体がございまして、各事業主体におきまして、事業を評価検証する仕組みがございます。こういった仕組みを通じまして、それぞれ運用益事業の選定に当たりましては、精査がなされるというふうに考えております。

また、事故防止事業について、しっかりと取り組むようにというお話がございました。国土交通省としても、事故防止事業をやっておりますので、そこはしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

以上です。

【落合会長】

今の事務局のほうからの説明等も踏まえまして、特にご意見ございますでしょうか。

それでは、本日様々なご意見をいただいたわけでありますが、これらの意見は、今後の行政に十分に参考としていただければと思います。

それでは、あらかじめ席上に答申案を配付させていただいておりますけれども、金融庁長官から諮問を受けました事項につきまして、審議会として異議はないということでお認めいただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【落合会長】

ありがとうございます。それでは、これで答申をご承認いただいたということでありますが、本答申につきましては、表現振り等、技術的な修正が必要となった場合には、私に一任していただきたいと存じますが、その点もよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【落合会長】

ありがとうございます。そういたしますと、自賠責保険取扱事業者におかれましても、今後の自賠責保険料の改定に当たって、契約者にご面倒をかけることがないよう、混乱がなく、円滑に事務が遂行されるよう、万全な準備をよろしくお願いしたいと思います。

西方委員、どうぞ。

【西方委員】

損保協会の西方でございます。

自賠責取扱事業者間によって、新しい営業保険料の取り扱い開始時期が異なりますと、契約者に混乱を来すおそれがございます。したがいまして、私ども自賠責取扱事業者間で連携を図りまして、2月1日をめどに新しい営業保険料による取り扱いが開始できますよう、また、公平性の観点からも円滑に料率が使用されるように努力してまいる所存でございます。

以上でございます。

【落合会長】

ありがとうございました。

そういたしますと、本日予定しました議事はすべて終了ということになります。最後に事務局から一言連絡事項がございますので、よろしくお願いいたします。

【小原課長】

本日の会議終了後、13時をめどに、今回の審議会の内容につきまして、事務局から記者レクをさせていただく予定でございますので、よろしくお願いいたします。

本日はありがとうございました。

【落合会長】

それでは、これで本日の会議は終了とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

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監督局保険課
(内線3375、3772)


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