第133回自動車損害賠償責任保険審議会議事録

1.日時:平成26年1月29日(水)10時00分~12時00分

2.場所:中央合同庁舎第7号館西館13階 共用第1特別会議室

【落合会長】

それでは、おそろいのようなので始めたいと思いますが。133回の自動車損害賠償責任保険審議会となりますが、本日はご多用のところご出席いただきまして、ありがとうございます。

まず、今回から就任された新しい委員につきまして、ご紹介したいと思います。

雨宮委員。

【雨宮委員】

雨宮でございます。よろしくお願いいたします。

【落合会長】

桑山委員。

【桑山委員】

よろしくお願いします。

【落合会長】

丹野委員、お願いします。

【丹野委員】

丹野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【落合会長】

中林委員。

【中林委員】

中林でございます。よろしくお願いいたします。

【落合会長】

中村委員。

【中村委員】

中村でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【落合会長】

堀委員でございます。

【堀委員】

堀でございます。よろしくお願いいたします。

【落合会長】

なお、矢代委員は交通の事情により到着が少しおくれるということでございます。それから清水委員と山本委員は所用のため欠席ということになっております。

本日の議題でありますが、お手元にあります議事次第に従って行いますけれども、まず最初に、自動車損害賠償保障法に基づく諮問事項に関する審議がございます。その後、報告事項という順序で進めたいと思います。

初めに、まず事務局より資料の確認をお願いいたします。

【諏訪園課長】

事務局を務めさせていただいております保険課長の諏訪園でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

それではまず、お手元の配付資料でございますが、まず、お手元に最初に配席図があろうかと思います。その下に本審議会の公開ルール。その下に議事次第と委員名簿。それから諮問、答申の案となってございます。その下に各種資料がついているわけですが、この資料の確認につきましては、3枚目のこの議事次第に即して確認をいただければと思います。

まず、本日の議題1でございますが、これは「自賠責保険事業に係る認可について」ということでございまして、最初のこの議事次第のすぐ次の次についております諮問、答申の案、それから、この分厚い資料1から6のうち、最初の資料1でございます。

それから議題の2、これは自賠責保険の基準料率についての検証結果をご報告するというものでございまして、これは資料2でございます。

それから議題3は報告事項ということで、自動車安全特会、民間保険会社、JA共済のそれぞれの運用益の使途についてのご説明資料が資料の3、4、5。それから「自賠責診療報酬基準案について」に関するものが資料の6ということでございます。

また、最後にですが、昨年の当審議会におきまして、藤川委員のご発言がございまして、それを踏まえまして、本日、損害保険料率算出機構よりご提出いただいた参考資料をおつけしております。雨宮委員より補足があれば簡単にご説明をお願いいたします。

【雨宮委員】

それでは、若干補足のご説明をさせていただきます。今ご紹介がありました、最終についております参考資料でございますが、1ページ目が自賠責保険に対する医療費の請求の全体像をお示ししております。それから2ページ目が同じものの医療機関の現況。そして、3ページ目が柔道整復関係の状況ということになってございます。

内容はごらんいただくことといたしまして、1点ご留意いただきたい点でございますけれども、1ページ目の注の1にございますとおり、この資料に掲載しております数値は、自賠責保険に請求のありました件数と金額を集計したものでございまして、自賠責保険としてお支払いをした支払い金額や件数を集計しているものではないという、その数字の根拠のところにご留意いただきたいと思っております。

そういうふうな取り扱いをせざるを得ない理由ですけれども、自賠責に請求される損害は、ここに見ていただいている医療費のほかに慰謝料とか休業損害とかさまざまな費目がございます。そういったご請求の総額が自賠の限度額を超えますと、限度までのお支払いということになるわけでございますが、そうなりますと、その内訳の医療費に幾ら、あるいは休業損害等に幾らといったようなことがつかめないというのが実情でございます。したがいまして、この医療費に関する数字については請求ベースということで見ていただいておりますので、この点をお含みおきいただきたいということでございます。

なお、この資料の中身につきましては、今後は私どものディスクローズ資料に掲載をしていきたいということで予定をしております。

補足のご説明は、以上でございます。

【諏訪園課長】

ありがとうございます。

以上、13点の資料となりますが、お手元の資料に過不足などがございましたら、お知らせいただければと思います。なお、本日の審議会の予定でございますが、あらかじめご連絡しておりますけれども、審議状況いかんではございますが、おおむね12時を目途に終了することを予定しております。

以上でございます。

【落合会長】

ありがとうございました。

それでは、お手元に当審議会の公開ルールをお配りしておりますけれども、本日の議題1、諮問事項「自賠責保険事業に係る認可」、これにつきましては、審議の中で個別会社の権利・利益等に係る個別情報を取り扱うおそれがあるということを考慮いたしまして、非公開とさせていただき、本件のご審議を行った後に会議を公開するということにさせていただきます。

それでは、議事に移りたいと思いますが、まずは諮問事項「自賠責保険事業に係る認可」につきまして、事務局よりご説明をいただき、ご議論をいただこうと考えております。それでは事務局からお願いをいたします。

【諏訪園課長】

それでは、まず最初に、お手元に配付いたしました諮問文をごらんいただきたいと思います。読ませていただきますと、自動車損害賠償保障法第33条第1項の規定に基づき、下記の事項について諮問する。保険業法第123条第1項の規定に基づき、アメリカンホーム医療・損害保険株式会社に対し、自動車損害賠償責任保険事業を営むことについて認可すること、ということでございます。

続いて、お配りしました資料の1、横長の資料、こちらをごらんいただきたいと思います。

まずおめくりいただきまして1ページ目でございますけれども、今般、アメリカンホーム医療・損害保険株式会社より自賠責保険事業に参入したいと。そして、保険業法に基づき、基礎書類、すなわち事業方法書、普通保険約款、保険料及び責任準備金の算出方法書の変更認可申請がございました。これにつきまして、下の参考にお示しした審査の基準に従って審査する必要がございます。

次に2ページ目をごらんください。このアメリカンホーム医療・損害保険株式会社でございますが、これはアメリカンホームというのは、これまで在日の支店形態ということで保険業を営んでおりましたけれども、これを日本における日本法人化するということで、平成25年11月13日をもちまして、保険業法に基づく損害保険事業の免許を取得した会社でございます。今後は今営業を行っているアメリカンホームの在日支店より保険契約の移転を受けて、本年4月1日に営業を開始する予定としているところでございます。したがいまして、今、支店形態でやっている自動車保険、自賠責保険を今後は日本法人としてのアメリカンホーム医療・損害保険株式会社ということで営業をしていきたいということでございます。

したがいまして、今回のアメリカンホーム医療・損害保険株式会社の申請内容につきましては、既に自賠責保険事業を行っている各種の基礎書類と同一のものでありまして、先ほど申し上げました審査基準を満たしているものと認められるところでございます。したがって、事務局といたしましては認可を行うことといたしたく、当審議会にお諮りする次第でございます。

【落合会長】

ありがとうございました。

それでは、今のご説明につきまして、ご質問とかご意見とかございますでしょうか。どなたからでも結構でございますけれども、いかがでしょうか。

特にご意見がないようですので、それでは、あらかじめ席上に答申案を配付させておりますけれども、金融庁長官から諮問を受けた当該保険会社の「自賠責保険事業に係る認可」については、審議会として異議はないという取り扱いにしてよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【落合会長】

それでは、異存ないようでありますので、そのようにさせていただきます。

それでは、これから先は会議を公開するということにいたしまして、事務局は傍聴者を会場へご案内お願いするということで、委員の皆様方、ちょっとお待ちください。

(傍聴者入室、カメラ入室・撮影)

【落合会長】

それでは、審議を再開したいと思います。ここでカメラ撮りの方はご退席をいただきますよう、お願いいたします。

(カメラ退出)

【落合会長】

それでは議事に移りたいと思いますけれども、続きまして、議題2の「料率検証結果」、これにつきまして、まず報告をいただいた上で、それに基づいた議論を進めたいと思います。

まず、実際に料率検証の作業を行った損害保険料率算出機構から、雨宮委員に概要をご説明していただき、その後、事務局からの補足をしていただく。こういう順序でやりたいと思いますが。それでは、雨宮委員、よろしくお願いいたします。

【雨宮委員】

それでは、平成25年度の検証結果につきまして、資料2に沿ってご説明させていただきます。

まず、1ページの自賠責保険・共済収支表をごらんください。表のタイトルに契約年度とございますのは、当該年度に契約を締結した車両の保険料とその車両が起こした事故による支払保険金を集計したもの、そういうことでございます。この表では、自賠責事業を行っております全事業者の収入純保険料、支払保険金、収支残、それから損害率、これにつきまして、過年度の推移及び今回の検証の対象年度でございます平成25及び26契約年度の予測値を載せております。

まず、表の一番左側の収入純保険料の欄をごらんいただきますと、平成に入りまして、下のほうですが、平成14年度以降、19年度までは、おおむねこの純保険料が9,000億円台程度で推移しておりましたけれども、平成20年4月に純保険料率を36.3%引き下げを行いました。このことによりまして、20年度以降、平成22年度までは6,000億円台での推移となっております。その後、23年4月に純保険料率を17.2%引き上げたことによりまして、23、24年度は約7,000億円程度といったような推移でございます。また、今回の検証の対象でございます平成25年度、26年度、一番下のところでございますが、これをごらんいただきますと、25年4月に純保険料率を20.1%引き上げたことによりまして、収入純保険料は25年度が8,278億円、その下の26年度が8,525億円と見込んでおります。

また、その右側の支払保険金につきましては、25年度が8,302億円、26年度が8,540億円と見込んでおります。

なお、この支払保険金の算出に当たりましては、本年4月に消費税率が8%に引き上げられるという影響も織り込んでございます。ただ、この影響はわずかでございまして、最後に見ていただきます損害率で見てみますと、25年度、26年度とも0.2%ほどの上昇の影響ということになっております。

今申し上げた純保険料と支払保険金との差額が次の収支残のところでございますが、平成25年度が25億円の赤字、26年度が15億円の赤字となっております。

一番右に、今申し上げた損害率という欄がございます。支払保険金を収入純保険料で割った値でございますが、平成25年度ではこれが100.3%、26年度では100.2%となっております。

下のこの欄外の注の3番のところにございますように、平成25年4月の基準料率改定の際の予定損害率は100.2%ということでございましたので、ほぼ改定時の見込みどおりという評価ができるかと思います。

以上が今年度の検証結果でございますけれども、続きまして、その検証の背景及び要因等についてご説明をさせていただきます。

2ページをごらんいただきたいと思います。このページは交通事故発生状況ということで、警察庁の交通事故統計によって交通事故の傾向を把握するということで、ご参考ということで添付してございます。左側の発生件数をずっとたどっていただきますと、平成16年のあたりをピークとして減少傾向となっております。平成25年、一番下のところも対前年増減率、マイナス5.5%ということで減少しております。また、死者数、負傷者数の推移につきましても、同様に近年、減少傾向ということでございます。

次に3ページをごらんください。このページでは、料率検証における主な予測要因についてご説明をしております。まず、(1)の収入純保険料に関する予測要因でございますけれども、これは過年度の保有車両数の動向を参考に将来年度の保有車両数を推計しておりまして、平成25年度、26年度ともに増減率としては、プラス0.0%ではございますけれども、若干の増加と見込んでおります。

次に支払い側でございますが、(2)の支払保険金の予測に当たって前提となりますのが①の事故率と②の平均支払保険金でございます。まず、①の事故率でございますけれども、ここで事故率と申していますのは、自賠の保険金支払いの対象になった事故の発生率を意味しております。こちらにつきましては、過年度の事故率の動向及び先ほどごらんいただいた交通事故発生状況などを参考として算出しております。

今見ていただいています3ページの表には、結論としての25年度、26年度以降の数値を記載してございますけれども、次の4ページに過去の実績も含めてグラフと表でお示ししておりますので、恐れ入ります、先に4ページをごらんいただきたいと思います。

4ページの右下に一覧表がございますけれども、この左端が死亡でございます。死亡の事故率につきましては、過年度の傾向として、一貫して減少傾向ということで、これは警察庁の交通事故統計とも同様でございます。25年度に入ってからも同様に減少傾向となっておりますので、死亡の事故率につきましては今後も減少傾向が続くと見込んで、平成25年度はここにありますとおり0.00566%、26年度はさらに下がって0.00557%、そして、記載はございませんけれども、27年度以降はさらに減少していくと見込んでおります。

次に後遺障害を飛ばしまして、一番右の傷害の事故率をご説明させていただきたいと存じます。過年度の動向を見ていただきますと、2ページの先ほどの警察庁の統計による発生状況ですと減少傾向だったものが、この19年度から20年度については下がっているんですけれども、その後、増加傾向になっております。この理由ですけれども、交通事故が発生いたしますと、基本的には人身事故あるいは物件事故として警察に届け出がなされることになります。先ほど見ていただいた警察統計上の負傷者数は、このうち、人身事故として届け出られたものが集計されてございますけれども、これに対しまして、近年は物件事故として届け出られた事故において自賠責保険の支払いが行われるもの、これが増加傾向となっておりますことから、先ほどの交通事故統計とこの自賠の事故率との動向に差が生じてございます。

自賠において、今申し上げたようなケースの支払いが出てくる主な事例といたしましては、事故の当初はほとんど自覚症状がなかったので物件事故として警察には届け出をしたんだけれども、その後、念のために検査を受けられたとか、あるいは治療のために通院されたとかいったようなケースになってございます。

損保業界では、自賠責保険への請求に当たりましては、警察へ人身事故の届け出をしていただくのが原則だということをご説明するという取り組みをされておりますけれども、今申し上げましたような物件事故として届け出がされた事例におきましても、医師の診断をお受けいただいて、その診断書等によって、事故とそれから受傷との因果関係、これが認められる場合には保険金をお支払いするということをしてございますので、近年、そのような形で、若干この傷害の事故率において、警察統計とは違った傾向が出ているということでございます。

それを踏まえて、今回の検証に当たっての平成25、26事故年度の事故率でございますが、表にございますように、今申し上げたとおり、物件事故の証明書による支払いの増加傾向と警察統計上の負傷者数の減少傾向の影響をそれぞれ勘案いたしまして、事故率全体としては、24年度に比べ微増ですけれども、1.44242%、0.1%程度増えるものと予測をし、26年度につきましては、全体としての傾向は増加傾向が落ちつきを見せているということで、25年度と同率で推移をすると置いてございます。

以上が傷害でございます。

最後に、真ん中の後遺障害ですけれども、これは交通事故によって受傷した後、後遺症が残るという事案でございますので、近年はこの事故率の動向は傷害とほぼ同様の傾向になってございます。したがいまして、平成25年度以降につきましては、今申し上げた傷害事故率と同様に推移すると見込みまして、25年度の事故率は、若干前年より増えて0.07797%、26年度以降は同率で推移するものと見込んでございます。

それでは、恐れ入りますけれども、一遍、3ページ、前のページに戻っていただきまして、次に、②の平均支払保険金のご説明をさせていただきます。この今後の動向に影響を与えます主な要因としては、ここにありますとおり、賃金上昇率、それから治療費上昇率及び支払基準の改定でございます。

このうち、賃金上昇率につきましては、過年度を振り返りますと、ずっと若干の減少傾向で推移しておりますけれども、昨今の経済情勢を踏まえました現時点での今後の見通しとしては、平成25年度以降、横ばいということで置かせていただいております。

それから、治療費上昇率につきましても、消費税率の変更による影響は織り込んでおりますけれども、それ以外は横ばいということで見ております。

一番右の支払基準、これは治療費や休業損害及び慰謝料といった費目の金額とか算定方法を定めている基準でございます。平成25年度はこの改定の見込みは今のところございませんので、影響なしということでゼロと置きましたが、26年度以降はこの支払基準の改定が想定されます。その影響としては、直近のこの支払基準の改定によって引き上げ効果が生じておりますので、その平均値0.05%程度を予測値として置いてございます。

それでは、4ページを飛ばして5ページに移っていただきたいと存じます。このページは自賠責保険・共済の支払件数及び平均支払保険金の推移の表でございます。これもタイトルに契約年度とございますけれども、これは先ほどの1ページと同じく当該年度において契約を締結した車両が起こした事故による支払件数、それとその支払いの平均保険金ということでございます。したがいまして、保険期間が1年を超える長期契約のような場合には、その契約を締結した車両に生じた事故につきましては、契約を締結した年度の支払件数と平均支払保険金に保険期間全体分が通算して集計されてございます。

一番左の死亡の欄の支払件数を見ていただきますと、先ほど、死亡の事故率は一貫して減少傾向と申し上げましたが、件数的には24年度、25年度、26年度、このあたりが増えたり減ったりするような形になっております。このように数値自体は波打っておりますけれども、これは各年度ごとに新車販売台数の増減の影響などで、契約台数自体は多い年と少ない年とございますので、事故率は一貫して減少傾向で見込んでおりますけれども、実際の件数としてはこのように、契約年度で見ますと波を打ってくるというような状況が生じているということです。後遺障害についても同様のでこぼこといいますか、数値が波打つ状況、傷害についてもそういう状況がございますけれども、今申し上げたのと同様の理由によるものでございます。

他方、平均支払保険金の欄をそれぞれごらんいただきますと、こちらは死亡、後遺障害、傷害、いずれも近年は小幅な変動での推移ということになってございます。

続いて、6ページをごらんください。6ページは今見ていただいた自賠責保険と共済の支払保険金の今度は総額の推移でございまして、前に見ていただいた5ページのそれぞれの件数と平均支払保険金を掛け合わせた形のものでございまして、一番右が合計となっております。この合計欄の平成25年度、下から2段目ですけれども、8,302億円、26年度の8,539億8,800万円という値が、冒頭1ページに見ていただいた収支表でご説明をした料率検証対象年度の支払保険金の値ということになっております。

続きまして、7ページをごらんいただきたいと思います。7ページは従来からご参考として見ていただいているものですけれども、重度後遺障害の支払件数の推移をまとめたものでございます。この表はタイトルに支払年度とございます。これはそれぞれの年度に保険金が支払われた事案の件数ということでございます。

集計の対象は、注の1にありますように、現行の後遺障害等級表の別表第一に該当する介護を要する後遺障害。それと別表第二の1級から3級に該当する後遺障害、つまり、労働能力喪失率100%とされる後遺障害を集計してございます。それぞれの等級の支払件数の合計は一番右の欄でございます。重度後遺障害の支払件数としては、減少傾向は見られますものの、依然として約1,800人の方が被害に遭われているという状況になっております。

続きまして、8ページをごらんいただきたいと思います。8ページは自賠責保険、自賠責共済の運用益の発生状況及び積立状況でございます。詳細は割愛させていただきますけれども、一番右の欄が現時点における各年度の積立金の残高でございまして、括弧内で表示しておりますのが法人税等相当額を加味した金額となっております。その意味するところは、表の下の注の3に書いてございますけれども、この運用益積立金は有税積立で、積み立てるときには税を納入いたしますけれども、保険料の引き下げ財源等に活用される際の実質的な金額は、法人税等相当額をむしろ加味した残高となります。そこでこの法人税等相当額を加味した金額をお示ししてございまして、平成24年度末では、損保会社それから共済事業者の合計で、この注の一番下に書いてございますけれども、5,205億円ということになっております。

続きまして、9ページをごらんいただきたいと思います。9ページは自賠責保険の社費とそれから共済経費、いわゆる経費側の収支表でございまして、全事業者の社費の収支につきまして、ご参考までに過去の実績をお示ししてございます。

平成23年度、24年度は、損保業界における経費計算基準の見直しの効果等によりまして、当年度収支残というC欄、右から2番目の欄ですけれども、こちらの当年度収支残が下の2行はプラスということになっております。なお、平成25年4月改定の料率における社費につきましては、24年度まで、ここで累計で残っております収支残を5年間で保険契約者に還元するという料率で算出してございますので、25年度以降の単年度収支は赤字となってくる見込みでございます。

続きまして、それでは10ページをごらんいただきたいと思います。10ページはこれまでご説明させていただきました内容のポイントをまとめたものとなっております。(1)にございますように、平成25年4月の基準料率改定における予定損害率は100.2%でございましたところ、(2)の表の本年度の料率検証結果である25年度の単年度損害率、26年度の単年度損害率はそれぞれ100.3%、100.2%ということで、予定損害率と比較するとほぼ改定時の見込みどおりということでございます。

それから、一番下の(3)にありますとおり、収支の赤字補塡に活用できる法人税等相当額を加味した24年度末の運用益積立金の残高は、先ほど見ていただいたとおり、5,205億円でございまして、上の(2)の表にございます累計収支残、ここのところは赤字になっておりますけれども、これが補塡される構造であるということでございます。

最後に11ページでございますが、こちらは平成24年度における自賠責保険の収入と支出の構成割合を円グラフで表示したものとなっておりまして、ご参考ということで添付してございます。

私からのご説明は以上でございます。

【諏訪園課長】

それでは、事務局でございますが、ただいまの資料、もう一度、10ページにお戻りいただきまして、これに沿って補足説明をさせていただきたいと思います。

機構の雨宮委員からご説明いただきましたように、今般の基準料率の検証結果といたしましては、ただいまご説明がありましたように、25年度の損害率が100.3%、そして26年度では100.2%とこのようになっておりまして、25年4月に基準料率改定を行った際に予定しておりました損害率と比較いたしますと、ほとんど乖離は生じておりませんということでございます。したがいまして、現行料率算出時の見込みどおりの推移と見ることができるかと思います。

それから、なお消費税の影響について少しご報告させていただきたいと思います。本年4月の消費税率引き上げの自賠責保険収支に与える影響でございます。まず、代理店手数料でございますが、これにつきましては、保険料本体は非課税取引ですが、課税されることになってございます。この代理店に生じます増税負担分は、自賠責保険を引き受けている保険会社等に転嫁されることになりますので、当面は保険会社等の社費で負担することとし、料率改定を行う機会があれば、その機会にそれまでの期間分を含め、増税負担分を料率に織り込むこととしたいとこのように考えております。

なお、今申し上げた取り扱いでございますが、過去消費税を導入しました平成元年におきましても同様の取り扱いをしているということでございます。

手続的に補足しますと、保険会社等が代理店に支払う手数料は、現行1,600円でございますので、これに増税分3%を加えた1,646円となりますので、事業方法書等について調整が必要になるかと思います。その他社費本体については物件費部分に、保険金の支払い面では医療費部分に若干の影響がございますが、先ほどご説明ありましたが、料率全体への影響としてはわずかであるということだと思います。

いずれにしましても、この点につきましては、次年度以降の料率検証の過程におきまして確認をしてまいりたいとこのように考えております。

以上のような点を踏まえまして、26年4月以降の基準料率改定の必要につきまして、委員の皆様にご論議をお願いしたいと考えております。

事務局からは以上でございます。

【落合会長】

ありがとうございました。

それでは、ただいまの料率検証結果の報告、それから補足説明をあわせて、ご意見、ご質問等をお願いしたいと思いますが。どなたからでも結構でございますので、いかがでしょうか。齋藤委員、どうぞ。

【齋藤委員】

私、自動車の総合団体でございます日本自動車会議所の保険委員として本会に参加をしておりますので、その観点から意見を申し述べさせていただきたいと思います。

ただいまのご説明の中で、料率検証につきましては、値上げの結果、保険収支がかなり改善しているということがご説明ございました。ただし、将来のことを考えますと、この値上げで大きな負担増となりました自動車のユーザーあるいは国民を納得させる環境づくりを行わなければ、自賠責保険制度への信頼が今後失われるんじゃないかとこういうことを懸念するものでございます。それに当たりまして、自動車ユーザーあるいは国民が納得をするためには、次のようなことが必要ではないかということで2点ほど申し上げたいと思います。

まず1点目ですけれども、これは過去から何度も申し上げていることでございますけれども、従前からの積み残しでございます特会、特別会計からの一般会計繰入金の問題がいまだ解決されていないということでございます。積立金と保険収支が直接の関係にないとはいいながら、自動車安全特別会計からの一般会計繰り入れが返済されないまま保険料が値上げされたことにつきましては、自動車ユーザーとしては納得しがたいと考えます。毎年少しずつでも返済をしていくというような具体的な計画を示していただきたいということも申し上げてきたわけでございますけれども、これまで具体的な計画が示されたことは一度もないということにつきましては、遺憾に感じてございます。

昨年の自賠責審議会や国土交通省の自賠制度のあり方懇談会につきましても、各委員からの同じような趣旨の発言があったと記憶をしてございますが、基本的にはゼロ回答が続いているわけでございます。ぜひ早期繰り戻しのための予算措置をお願いしたいと思います。

次に自動車事故対策事業は安定的に運営されるべきものであるということは当然のことだと思います。しかしながら、今後も国の財政難が続いたとして、積立金を一般財源とみなす動きが復活するおそれがあるということを懸念してございます。まず一般会計繰り入れ分を全額返済していただきまして、そこから新たな出発点として自動車事故対策事業を安定的に運営するための抜本的な仕組み、この改革につきまして検討していただけたらと考えております。

それから、消費税の関係について申し上げます。今ほどのご説明で今般のいわゆる代理店手数料にかかわる課税に対する新たな発生は吸収していただけるということでお聞きしまして、安心をしてございます。当然ながら、つい先般の保険料の引き上げがあったわけでございますので、消費税引き上げにあわせて保険料の引き上げというのは難しいかなと思っておりましたけれども、安心をいたしました。ぜひこの件につきましても、よろしく今後ともお願いしたいと思います。

以上でございます。

【落合会長】

ありがとうございました。今の齋藤委員の発言につきまして、事務局から何かございますか。

【吉田参事官】

国土交通省の吉田でございます。よろしくお願いいたします。今、齋藤委員からご指摘のありました点についてご説明させていただきたいと思います。

ご指摘のとおり、平成6年度及び7年度に当時の自動車損害賠償責任保険特別会計、現在の自動車安全特別会計でございますけれども、ここから一般会計に繰り入れられました約1兆1,000億円のうち、約6,000億円がいまだに繰り戻されてございません。繰り戻し期限につきましては、国土交通大臣と財務大臣間の合意に基づきまして、平成30年度とされておりまして、今般の26年度予算におきましても、私どもといたしましては、その一部だけでも繰り戻しがなされるよう財務省と協議をしてきたところでございますけれども、一般会計の厳しい財政状況等を踏まえて、繰り戻しが見送られたという結果になってございます。私どもといたしましては、今後とも財務省と期限である平成30年度までの着実な繰り戻しについて協議をしてまいりたいと思いますので、ご理解よろしくお願いいたします。

それから、抜本的な仕組みでございますけれども、これにつきましては、今申し上げた一般会計からの繰り戻しの状況でありますとか、特会の収支状況、積立金の状況が今後どうなっていくかということもございますので、まずはこの繰り戻しについてしっかり取り組みまして、その上で中長期的にその対応につきまして検討していくということではないかと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

私からは以上でございます。

【落合会長】

それでは、ほかにご意見。藤川委員、どうぞ。

【藤川委員】

日本医師会の自賠担当の藤川と申します。先ほどの雨宮委員から非常に詳しい説明をいただきまして、感謝申し上げます。

まず初めに、柔道整復師のデータに関しては、自動車保険の概況にきちっとディスクロージャーしていただけるというお話でしたので、国民にとっても見える形になって、適正化にも一歩前進かと思います。

それからあともう一つは、交通事故の中でも物損扱いで処理されていた多くの被害者が、現実には数日ないしは1週間程度たって、症状がなかったのに症状が出てきたということで医療機関や医業類似行為にかかっているという情報があります。そのことに関して、一番大事なことは、医師の診断書をきちっとつけた上で事故証明をとって、自賠責保険を支払っていただく必要があります。現実には医師の診断書なしに自賠責保険が払われているという実態がありますので、警察当局と連絡をとっていただいて、物損であっても、医療機関に後日かかる場合は、被害者に対して、医療機関において医師の診断書を提出するように指導することが必要です。交通事故証明をきちっと出すように周知徹底していただきたい。そうすることによりデータが更に正確になってくると思います。

それから、平成24年、社費の問題で経費を節約するということで努力をしていただいたんですが、今回のデータを拝見していますが、反映されてないようですね。最初の初年度は75億円、節約されたと聞いております。次年度は300億円近くが節約されたという情報は入っておりますけれども、今回見てみると、あまりその数字がここに反映されていないというので、ぜひその社費のさらなる経費節約を損保協会と、料率算出機構には更なる努力をしていただきたいということであります。

以上です。

【落合会長】

そのほかの点でございますでしょうか。相原委員、どうぞ。

【相原委員】

簡潔に1点だけ。損害率等に基づきまして料率の検証結果をただいまご説明を頂戴しました。全体として異議はございません。このとおりのご対応でよろしいのじゃないかと承知をいたします。なお、ご説明の中にもありましたけれども、消費税の関係等についても若干触れられております。補足のご説明も頂戴したところです。もとより、短期間での料率の変更は望ましくなく、安定的に運営していくということが基本路線かと承知をいたします。あわせて、消費税の影響も2段階の引き上げ等々も今後頭に置いた際に、保険収支全体への影響がいかなるものなのか、今後とも注視はしていくことが必要なんだろうと思いますので、その点は1点、申し添えておきたいとこのように思います。

以上です。

【落合会長】

ほかにご発言ございますでしょうか。ほかに特にないようですので、そういたしますと、委員のご意見伺ったわけですけれども、議論をこの辺で打ち切るということにして、それを要約するとこういうことになるのではないかと思います。

結論的には、基準料率については据え置くことが適当であると。なぜそのように考えるかということについての理由でありますけれども、ご発言の中にもありましたが、損害率が昨年度の審議会でご議論いただいた際に想定していた予定損害率と比べて乖離が非常に小さいということであります。それから、自賠責保険料は中期的な安定が求められている。これも確かに重要な事柄でありますので、これらの基本的な理由を勘案すれば、基準料率については据え置くことが適当であるとしたいと思います。その際、代理店手数料に係る消費税負担の円滑かつ適正な転嫁は粛々と進めていただくということを前提として据え置きということで、この審議会の結論としては、そのような形でよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【落合会長】

ご異議がないようですので、そのようにさせていただきます。

そういたしますと、その次の議題でありますが、これは「平成26年度の運用益の使途について」でありまして、これは報告事項ということになります。自動車安全特別会計、それから民間保険会社、JA共済の順にそれぞれご説明いただいた上で、それを踏まえてまとめて議論していただきたいと思います。

それでは最初に、「平成26年度自動車安全特別会計の運用益の使途について」につきまして、国土交通省の吉田保障制度参事官から報告をお願いいたします。

【吉田参事官】

それでは、資料3に基づきまして、自動車安全特会の運用益の事業につきましてご報告をさせていただきたいと思います。資料の構成でございますけれども、1ページ、2ページ目にポイントをまとめておりますので、これに沿ってご説明させていただきたいと思います。詳細は3ページ目に総括表、それから4ページ目以降に個別の事業の26年度、来年度の事業内容の案、それから8ページ目以降には昨年度、平成24年度の事業の結果と申しますか、その内容についてまとめてございますので、後ほどごらんいただければと思います。

それでは、まず1ページ目でございますけれども、平成24年度の運用益活用事業の実績についてご説明させていただきます。ご承知のとおり、運用益事業は、大きく被害者保護増進対策と自動車事故発生防止対策の2つの柱から成り立っておるわけでございますけれども、被害者保護増進対策でございますけれども、1つ、昨年度の大きな内容といたしまして、独立行政法人自動車事故対策機構、NASVAの行っております療護施設につきまして、委託病床の拡充ということをいたしました。

この療護施設と申しますのは、自動車事故でいわゆる遷延性意識障害となられた方の療護を行うための施設をNASVAが行っておるわけでございますけれども、この資料にございますように、現在、東北、千葉、中部、岡山の4つのセンターをNASVAで所有いたしまして運営を行っております。これに加えまして、現在、患者の方のニーズを踏まえまして、この機能の拡大ということで、今は一般の病院に委託病床という形でさらに拡充を図っているところでございますけれども、これまで札幌と福岡県の久留米市にこの委託病床を設置してきたわけでございますが、平成25年1月に新たに近畿地区ということで、大阪府の泉大津市の泉大津市立病院に新たに委託病床をオープンいたしました。

現在、16床で運営を行っておりまして、満室の状態でございます。関東西部、ここが現在のところニーズが高い空白地帯となっておりますので、引き続きまして、この関東西部に委託病床を設置すべく現在取り組みを行っているところでございます。

それからもう1点でございますけれども、訪問支援の充実・強化ということでございます。NASVAは重度後遺障害者の方で、在宅で介護が行われている家庭に対して、介護料を支給しておるわけでございますけれども、患者家族の皆様方から介護料の支給も大変ありがたいけれども、あわせていろいろ介護に関する情報をいただきたい、あるいはいろいろ日常の相談にも乗ってほしい、あるいは同じような境遇に遭われた方と交流もしたい、そういった情報もいただきたいという、いわゆる精神的な支援のニーズも非常に高まっている。そういうご要請もたくさんいただいているところでございます。

これを受けまして、NASVAにおきましては、平成19年度から介護料受給者を対象に実際にNASVAの職員がご家庭を訪問して、さまざまな支援情報の提供等による精神的な支援を強化してきているところでございます。これにつきまして、今、目標といたしまして、平成28年度までに全介護料受給家庭の60%のご家庭を実際に訪問できるようにという目標を立てて取り組んでおりますけれども、平成24年度におきましては、全ご家庭の46.3%ということで、約半数の介護料受給者をご訪問することができたわけでございます。引き続き、早期にこの60%を達成するとともに、将来的には100%を目指して取り組みを進めていくことにいたしております。

引き続きまして、自動車事故発生防止対策でございます。先ほど、料率機構様からもご説明ございましたけれども、交通事故による死者数としては毎年減少傾向にございますけれども、政府の目標といたしましては、平成27年までに3,000人以下に持っていくということでございまして、そういう意味では、まだまだ交通事故の死者数は相当多くございます。また、重度後遺障害者の数は横ばい状況が続いておりまして、そういうことも考え合わせますと、この自動車事故発生防止対策は、引き続き強力に取り組んでいかなければならないものと認識をいたしております。

昨年度、運用益事業で実施しました内容といたしまして、1つは、これはNASVAがやはりやっておるものでございますけれども、自動車アセスメントを実施いたしております。これは自動車の安全性能につきまして、実際に衝突試験等を行いまして、自動車の安全について、点数あるいは星を使って、わかりやすくその安全性能を評価し、消費者に向かって公表しております。これによりまして、ユーザーの方々がより安全な車を選んでいただけるよう、そういう事業を実施しておるわけでございます。平成24年度は新たに11車種の新車を選びまして、実際に試験、評価を行い、実施・公表をいたしているところでございます。

もう一つは、先進安全自動車、Advanced Safety Vehicleと申しておりますけれども、ASV等の導入経費の補助でございます。これは国でやっている事業でございますけれども、平成24年度は、そこにございますように5億1,700万円の補助を行いました。具体的な内容でございますけれども、これはトラックとかバスといった運送事業者に対します補助でございまして、例えばそこの図にございますように、衝突被害軽減ブレーキといったものに対しまして、そういった車を導入する事業者に対しまして補助を行うということでございます。これも平成24年度に実施したということをご紹介させていただきます。

続きまして、2ページをごらんいただきたいと思います。来年度の予算案でございます。これは政府予算案でございまして、これから国会の審議をいただくということになっております。運用益事業全体といたしましては、来年度は128.1億円ということで、今年度と比べまして0.9億円、0.7%増という予算案になっているところでございます。

来年度の内容の主な点につきまして、ご報告をさせていただきます。被害者保護増進対策の充実でございますけれども、1つは先ほども申し上げましたNASVAの行っております療護看護、療護施設でございますけれども、そこの機能の強化ということでございます。これにつきましては、療護施設患者の機能改善の向上や療護施設退院後に介護者が安心・安楽な在宅介護を実践できることなどを目的といたします、いわゆる新看護プログラムの本格実施、在宅での応用に向けた指導の実施の予算でございます。

この新看護プログラムと申しますのは、これまでNASVAで試行的に実施してきたものでございますけれども、複数の看護師が集中的な刺激を患者さんに与えることで、関節拘縮の改善でございますとか、座位が安定的にとれるといった機能の改善が見られるということでございまして、被害者の患者さんのご家族の方々から、ぜひ自分の家族にもこのプログラムを実施してほしいという強いご要望がございまして、来年度はこれをNASVAの療護施設の療護の一環として本格的に取り入れていきたいと思っております。

それからもう一つは、在宅で介護をされております重度後遺障害者のための短期入所受け入れ体制の充実でございます。この充実につきましては、昨年のあり方懇でもぜひこれは充実すべきであるというご意見を承ったところでございますけれども、在宅で介護される家族の方々が急病になられたりとか、あるいはその他の事情で一時的に介護ができないという場合がございます。この場合に、近隣の障害者施設にお預けして、そこで少しいていただく、受け入れていただくというシステムでございます。これにつきまして、今年度はモデル的な実施ということで、現在のところ、7つの障害者施設を指定いたしまして、現在、モデル的に施行しているところでございますけれども、この結果を踏まえまして、来年度からはこれを全国的に拡大し、短期入所受け入れ体制の充実を図ってまいりたいと考えております。

それから、自動車事故発生防止対策の強化でございますけれども、これにつきまして、新規の予算として、いわゆる事業用自動車事故調査委員会の設置のための委託費として5,800万円を計上いたしております。これにつきましては、事業用自動車、いわゆるトラックとかバスとかそういう運送事業を特に念頭に置いておりますけれども、そういった事故の背景、それから再発防止策といったものにつきまして、これまでも国土交通省におきまして、そういう交通事故の要因の分析、新たな対策、そういったことについては検討を外部の方々のお力もいただきましてやってきたわけでございますけれども、これをさらにしっかりやっていかなければいけないということでございまして、今まで鉄道とか飛行機につきましては、事故調とか、今、運輸安全委員会と申しておりますけれども、そういうものがございますけれども、事業用自動車の重大事故につきましても、警察等の関係機関と協力いたしまして、新たに事業用自動車事故調査委員会を設置して、その事故要因の背景等も含めたしっかりとした調査分析と再発防止策の提言を取りまとめていただく。それを受けて行政のほうでしっかりそれを生かして施策を打っていく。こういう取り組みのための予算でございます。

一方で常に効率化ということも視野に置いていかなくてはいけないわけでございますけれども、運用益事業につきましては、来年度の効率化ということで、先ほど24年度のほうでもご説明申し上げましたASV装置の補助につきまして見直しを行いました。具体的には、平成25年度に比べまして、来年度は約7,000万円ほどの減額の予算となっております。ただし、これはこの補助制度の政策目的が低下しているということではございませんで、補助対象の事業者を見直しまして、これまでは特に制限を設けず、全ての希望する事業者に対して、予算のある限り補助をしてきたわけでございますけれども、来年度は中小企業に対象を限定して、中小企業者に対しまして補助を行う。大企業の運送事業者につきましては、引き続きみずからこの導入について取り組んでいただきたいと考えているところでございます。

以上が26年度の予算案の主なポイント内容でございます。私からの説明は以上でございます。

【落合会長】

ありがとうございました。

それでは引き続きまして、「平成26年度民間保険会社の運用益の使途について」。この点につきましては、堀委員から報告をお願いいたします。

【堀委員】

日本損害保険協会の堀でございます。よろしくお願いいたします。

それでは、平成26年度の民間保険会社の運用益の使途につきまして、ご報告申し上げます。お手元資料の4をごらんいただきたいと思います。この運用益の拠出事業案につきましては、第三者委員で構成されております、損保協会長の諮問機関でもあります自賠責運用益使途選定委員会、ここで審議をいただきまして、了承をいただいたものでございます。今後、2月20日開催予定の損保協会の理事会で最終決定する予定のものでございます。

それでは、本運用益拠出事業案のポイントをご説明させていただきます。資料の1ページをごらんいただければと思いますが、平成26年度の事業案の策定に当たりましては、平成24年8月に今後の自動車損害賠償保障制度のあり方に係る懇談会、ここで確認されました見直し方針、また、これまでの自賠責保険審議会での答申やご意見、さらには平成14年の自賠法改正に当たっての国会附帯決議を踏まえまして、自動車事故被害者対策を中心に充実させていただくことを基本方針としております。したがいまして、被害者対策に資する事業、そして、被害者を生まないための自動車事故防止対策事業を中心に個々の事業の報告、検証を踏まえまして、事業内容の見直しを行っております。

資料、1ページ、概要を記載しておりますので、このページでご説明申し上げたいと思います。まず、新規事業でございますが、自動車事故防止対策では、自動車と自転車の事故を防止するための交通安全教育支援、それから優先配慮行動を促す道路上のコミュニケーションと交通安全に関する研究、そして、体調変化に起因する事故を予防するためのモデル事業の支援、この3つを掲げております。また、自動車事故被害者対策といたしましては、グリーフケア人材養成講座の運営支援、受講料の補助、また学童期・青年期にある高次脳機能障害者に対する総合的な支援に関する研究、この2つを新規事業として掲げておりまして、トータルで5つの新規事業を行う予定でございます。

こうした事業につきましては、自動車事故被害者の皆様や関係者の声をお聞きしている中で事業化したもの、あるいは昨今の社会的な環境に鑑みて喫緊の課題に取り組むという観点で事業化したものでございます。

次に、既存事業についてご説明いたします。ただいまご説明申し上げました基本方針を踏まえながら、充実あるいは縮減しております。充実した事業の主なものとしましては、より効果的、被害者保護の増進に資する事業としまして、交通事故被害者への情報提供・研修会開催費用の補助、また訪問看護師の育成と活用促進事業の支援、また高次脳機能障害者の自動車運転再開認定基準の策定といった事業を増額しております。一方で縮減した事業といたしましては、運用益事業の見直しの方向性を踏まえまして、交通事故防止用機器の寄贈、経費節減や運営の効率化によりまして、交通事故無料相談事業支援、そして、医療費支払い適正化のための医療研修といった事業を縮減しております。

これらの結果、平成26年度の支出予定総額といたしましては、資料の右の上に記載しておりますが、19億9,795万6,000円。対前年度比で約1,700万円、0.9%の減額となっておりますが、水準としては同水準のものを拠出しようということでございます。

なお、資料といたしましては、2ページ以降に平成26年度事業案の詳細、直近5カ年の拠出額の推移、平成24年度の運用益拠出事業の報告書をおつけしておりますので、ごらんいただければと思います。

民間損保といたしましては、今後とも自賠責保険運用益の有効かつ適正な拠出について、引き続き努めてまいりたいと考えております。

以上、ご報告申し上げます。

【落合会長】

ありがとうございました。

それでは続きまして、平成26年度JA共済の運用益の使途につきまして、中村委員から報告をお願いいたします。

【中村委員】

全国共済連の中村でございます。それでは、平成26年度のJA共済の運用益の使途につきまして、ご報告申し上げます。

お手元の資料、資料5をごらんいただきたいと思います。この運用益の使途につきましては、ただいまご説明のありました損保協会さんと同様に、第三者委員からなる使途選定委員会にて、審議の上ご了承いただいた内容に基づき、本日報告をさせていただくものでございます。なお、この運用益の使途につきましては、実施状況を調査の上、効果等を検証して、継続あるいは拡充、縮小ということで、より効果的、効率的な実施に努めておるところであります。また、これまでも当審議会におけるご意見なども参考に検討しております。

それでは、表紙をおめくりいただきまして、具体的な内容について説明をさせていただきます。概要ということでございます。新規、それから充実した事業、縮減した事業と3つの区分で説明をしております。

まず、新規事業でございますが、交通事故被害者に対する情報提供支援の開始ということでございます。交通事故被害者団体様と連携をしまして、交通事故被害者およびその家族が抱える問題を解決するための事例ということで、主に財産管理に関することなどのニーズがあることを承知いたしました。これをインターネット等を活用した情報提供支援ということで、相談窓口等の情報を集めて、被害者が見られるようにしていくというものでございます。

それから充実した事業ということで、生徒向け自転車交通安全教室の拡充ということでございます。全国の中学校や高校で、生徒が交通事故の実演、これはスタントマンによるものでありますが、これを見ていただいて認識をいただくということで、未然防止につなげるということでございます。昨今の自転車事故の増加を踏まえ、実施回数を増やしてまいりたい。あわせて、高校生のバイクの事故の防止にも努めようということで、このことも疑似体験で確認できるプログラムを追加したいということでございます。

縮減した事業ということで、救急医療機器等の購入費の補助であります。これまで取り組んでまいりましたが、一定の整備が済んだということで縮減してまいりたいということでございます。それから、交通事故無料法律相談事業の支援、交通事故無料法律相談機関の支援、交通遺児等育成基金の支援につきましては、こちらの団体と相談の上、要請額の減少に伴って減額をさせていただくものでございます。

全体の金額の推移は一番下の欄でございますが、25年度が、切り捨ててありますが15億5,950万円であります。26年度は15億6,000万円ということで50万円の増加でございます。

2ページ以下にはそれぞれの事業の明細を記述しておりますので、後ほどごらんいただければと思います。

以上でございます。

【落合会長】

ありがとうございました。

それでは、三者からご報告いただいたわけですので、これにつきまして、ご意見、ご質問をお願いしたいと思います。どの点からでも結構ですが、いかがでしょうか。藤川委員、どうぞ。

【藤川委員】

現在、交通事故の中で車の安全性が非常に高まってきまして、非常に軽傷の患者さんが増えてきたというのが医療機関でも実感であります。それがどういうわけか、医療機関でも非常に治療期間が長引く傾向にあります。後遺症診断のときに悩ましい問題がある。我々医療機関としては、ある一定の治療期間が来れば、症状固定にして後遺症診断を書いて、その後は自分の健康保険で治療していくということを指導しております。

しかし、今、料率算出機構の雨宮委員から出たデータを見てみますと、医療機関の場合には治療期間が69日で実日数21日です。自動車保険の概況を見てみますと、治療期間が50日で実日数が15日です。ということは、医療機関では平均2カ月以内に治っている。軽傷の場合です。むち打ちを含めて打撲、捻挫に関して。柔道整復師の現況を見てみると、施術期間は全て100日以上になる。実日数は50日。もちろん、平均の請求額も医療機関より高いですが、現実に1枚目の紙を見てみると、医療機関が2,600億円、柔道整復師は673億円で、件数を見てみますと、やはり医療機関が116万件で、柔道整復師の方が21万件。件数にしても医療機関のほうがもちろん5倍近く多いんですが、本来ならば医療機関が3,000億円以上いくべきところがやはり柔道整復師の670億円というのはやや高い。

どうしてかというと、外傷の場合には、我々の場合には入院させることがあるんですね。特に手術をする場合、必ず入院させます。それから、救命センター等に運ばれる多発外傷も含まれてきますので、120万円以上かかりますし、それ以降、200万、300万かかることもあるんですが、やはり手術料や手術材料費等を考えると、外来だけの柔道整復師の支払額が多い原因は、やはり治療期間が長いということが問題視されるわけです。それに慰謝料、休業補償が加わってくるために支払い保険金が比例して増えてくるということです。

料率を今回、前年度、25%近く上げています。それから、6,000億円というユーザーの資金である大金が財務省から取り上げられているということを解決すべきと考えます。本来、あるべき6,000億円がない。そして、本来、適正に払うべきお金がやや多目に払われているとなれば、ユーザーとしてはまた料率を上げられるんではないかと不安感があります。4月からの消費税の増税に加えて、燃料費が上がったり、物価が上がったり、いずれ公定歩合が上がると思いますけれども、さまざまな増税感の中で、来年度以降、自賠責保険の料率が上がるということは、現代の日本の自動車社会においては、家計が苦しい中小企業や個人の方々のキャッシュフロー、いわゆる可処分所得が減ってくると、またデフレスパイラルに戻るんではないかと心配しております。

我々医療機関として、そういう患者さんたちを治療するときに非常に財政的な苦労されているのを肌で感じますので、ぜひこの自賠責保険の原資である資金をしっかり守っていただきたい。必要な医療機関にはきちっと払うべきですが、必要でないところはしっかり節約をしていただきたい。このデータを活用して、日本の車社会における自賠責保険制度という立派な制度をしっかり守っていただきたいと思います。

以上です。

【落合会長】

ほかにご意見、ご質問。鈴木委員、どうぞ。

【鈴木委員】

いのちのミュージアムの鈴木と申します。私、こういう場で話すことがなれてないものですから、うまく伝えられるかどうかわからないんですけれども。

民間保険会社の運用益事業の中で、新規事業としてグリーフケアの人材養成講座の運営支援と受講料の補助というところ、この事業に関しては、私としては非常に期待をしたいと思っています。と申しますのは、私たちの活動の中でも、交通事故の被害者がその被害者に対して直接の、つまりピアサポートを行っているんですね。もっとより専門的に知識を得て、そうしたサポートに当たりたいということですので、これはすごく魅力だなと期待をしているところです。

ですが今年度からやられるということですが、今年度、やっぱり詳しい内容の中で、6ページなんでしょうか、それを見ますと、上智大学グリーフケアというところに問い合わせてみたんですけれども、今年度の分はもう何か締め切られていて、せっかく予算がついているのに、その予算が生かされてないんじゃないかなという懸念を持っております。ですから、少々もう少しこの部分では検討していただきたいなと思っております。資金提供、お金は出したけれども、内容についてどこまで実現するんだろうかというのが少々疑問なところだなと今の段階では思っておりますので、その辺を検討していただきたいと思っています。

それと、自動車事故防止対策の中で、いろんな研究ですとかそういう分野については非常に大切なことだとは思いますけれども、少々欠けているのはやっぱり心についてという部分ではないかなと思っております。研究したりとかすることも非常に大切なんですけれども、心の部分でもって。

私たちの活動の中で、「生命のメッセージ展」という活動を全国展開しておりまして、これは犠牲になった方たち、等身大の人がたの足元に靴を置いて、悲惨な事件、事故というのが決して人ごとではないということと、それから命というのはかけがえのないものだというのを伝えている活動をしているんですね。こうした活動を今、教育現場ですとか、それからいろんなところ、企業なんかでも開催をしているんですけれども。例えば部品メーカー何カ所かでこうした活動をして、遺族というか、被害者の生の声を届けております。その結果、従業員の方たちが起こす事故が半減したという報告を受けております。それからまたいのちの教育現場では、交通安全にも非常に効果があるというか、やっぱり交通法規は守ろうとそういう感想を書いてくれる子供たちもおります。ですから、そうした心に対する何かということも必要じゃないかなと思います。

何かうまく説明できなくて、申しわけありません。

【落合会長】

ありがとうございました。堀委員のほうでグリーフケアに関連して、何か今の鈴木委員のご質問に関連してお答えが可能であればお願いいたします。

【堀委員】

日本損害保険協会の堀でございます。貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。

今いただいたご指摘につきましては、来年度の事業を見直すに当たりまして参考にさせていただいて、進めさせていただきたいと思います。

【落合会長】

それではほかにご意見。福田委員、どうぞ。

【福田委員】

福田です。

先ほど、藤川先生もおっしゃった柔道整復の現況につきましては、こういう形で細かい数値を出していただいて非常にありがたいと思います。この問題は、やはり医療関係者との話が非常に重要だと思いますから、もっとできたら細かい内容、例えばこの平均請求金額の具体的な内容について、もっとブレークダウンしたもの等が出てくれば、問題がどこにあるかというのがわかるのではないかと思いますので、できればこれについてもう少し具体的な内容について、請求金額の細かいブレークダウンであるとか実数等の問題についても、できれば調査していただければと思います。

それからもう1点、国が行っております安全特別会計の運用益の使途についてでございますが、具体的な個別的な内容ではなくて、大もとの話をさせていただきたいと思います。先ほど、藤川委員、ほかの委員の方もおっしゃっていましたけれども、いわゆる財務省への貸付金があって、今現在、本来は元本を回して、それでこの運用益を出してそこで事業をやっていくという図式を法改正のときに描いたわけですけれども、その元本自体が戻ってきていないので、今は残されている元本を切り崩しながら運用しているという状況にあるのではないかと思います。

現状の大体今128億円ぐらいの合計額の運用益活用事業をやっていった場合に、もし仮に6,000億円が返ってこなかったならば、あとこの事業は一体どのぐらい続けることができるのだろうかと。それが返ってくることを当てにして、今のままやっていていいものなのか。どこかの段階でやはりある程度の判断をせざるを得ないのではないかと考えておりますので、この点についてどのようにお考えか、お知らせいただければと思います。

【落合会長】

それでは、吉田さん、よろしくお願いします。

【吉田参事官】

まず、6,000億円、引き続き一般会計に繰り入れているという現状がありますので、毎年度、必要な運用益事業、大体130億円ぐらいですけれども、これにつきましては、今、特会にあります積立金の運用益及び積立金そのものも取り崩しながら、これも原資として活用しているという現状は福田委員のご指摘のとおりでございます。ただ、一般会計に繰り入れております額につきましても、これはしっかり利子をつけて返していただくということに法律上なっておりますので、そういう意味ではそこのところはしっかりと計算されていると理解をしております。

それから、仮に6,000億円が戻ってこなければというお話もございましたけれども、この繰入金の繰り戻しということは法律で決まっていることでございまして、法律に基づいて返すということでございますし、財務省からもこれを繰り戻さないというお話を承っているわけでもございませんので、今この6,000億円が返ってこないという前提で何か判断なり、検討なりするということではないと思っておりますので、私どもといたしましては、速やかにこの法律に基づいて、一般会計から特会に繰り戻す必要があると考えておりますし、財務省に対しましても、これまでもそうですけれども、引き続き強く繰り戻しを求めていくということでございます。ご理解をお願いいたします。

【落合会長】

どうぞ。よろしいですか。

【福田委員】

はい。

【落合会長】

ほかに。相原委員、どうぞ。

【相原委員】

今回、ご報告いただいた平成26年度の事業については、これまでの議論のとおりで、財源論ですとか、必要性ですとか、効率性ですとか、その点をベースに置いて見直しがあったものと全体としては承知をするところです。あわせてこれは申し上げるまでもありませんが、運用益事業というのは、ご説明にもあったとおりですけれども、いかにして被害者の保護を進めていくのかということと事故を減らしていく、この大きな柱があるわけでして、大変重要な意義を持っていると承知をいたします。

また同時に、この事業というのは、やはり自動車ユーザーが払っている保険料を運用し、それに基づいて事業運営しているということですから、ご議論は先ほどありましたけれども、私はこの保険料の引き上げの有無にかかわらず、毎年厳しい精査をしていく。今回引き上げたから特段だということは私はないと思っておりまして、保険料の引き上げの有無にかかわらず、その使途についてはPDCAをしっかり回していく、事業精査していくというこの態度と実践が必要なんだろうと思っております。

その点で2点ほどですが、個別の事業と事業全体との関係で一言ずつ申し上げたいと思います。個別の事業においてでありますが、新規のもの、継続のもの、また縮減するもの、また縮減の中には打ち切るもの、さまざまなものがあると承知をいたします。その前提についていきますと、例えば終了する事業については、果断に終了する必要があると私は思っておりますが、そのときにはせっかく貴重な財源を投じたわけですから、今後の事業の継続性がいかなるものか、もしくは生きたお金として使っていけているような事業体になっているのかどうかなどなど、投資したその事業が引き続き後も生かされる形になっているのかどうかということも引き揚げてくる際には重要な判断基準だと思っております。

したがって、開始するときにも、その終了判断の時期においても、ボリューム感とその質、質、量とも伴って、明快な判断基準を持って今後とも事業運営に当たっていただきたいと思っております。それが言うなれば必要性や効率性の観点につながっていくものだと承知をいたします。

あわせてもう1個、事業全体にかかわるほうですが、先ほど別の委員からもありましたので繰り返しのところは避けますが、やはり運用益で賄い切れていない。要は取り崩しが進んでおるということについて、吉田さんからご説明があったところですが、これはやはり毎年基金を取り崩している状態で走っていっているということ自体は、健全性を欠いていると私は承知をします。

したがって、この状況についての改善を進めなくてはならないと思うのと同時に、その背景にはやっぱり6,000億円の問題が出てくるというところで、ここがひもつきになってまいりますので、抜本対策と目の前の事業の健全性のこの両立を果たしていただくということを重ねて申し上げておきたいと思っております。あり方懇等々もいろいろなご議論ありますので、その場でも闊達な意見を申し上げていきたいとこのように思っております。

以上です。

【落合会長】

ほかにございますでしょうか。藤川委員、どうぞ。

【藤川委員】

2つです。1つは脳脊髄液減少症の問題が今、賠償科学会でも非常に重要視しているんですが、これは学問的にまだ結論は出ていませんが、脳脊髄液が漏れるような脊髄の硬膜が破れることが、頸椎捻挫で起こることはないだろうという意見のほうが圧倒的に強いわけです。一部推進派の方がいらっしゃるために、もし例えば1年間症状が続いた場合に、ブラッドパッチ法で症状が消えたということになると、その1年間の慰謝料、休業補償が一瞬にして発生する。しかし、普通裁判になった場合は、頸椎捻挫の場合は3カ月ないしは4カ月程度は裁判で認められますけれども、その後は後遺症として処理をされるわけです。やはり司法の場で、非常に弁護士や裁判官が困っている現状があります。

これに対して厚労省としては、中間的ガイドラインを出していますけれども、まだまだ非常にあやふやなガイドラインで、結論は出ておりません。やはり国として省庁の壁を越えて解決していただきたい。学会とも協力していただいて、こういう治療が長引くというところに、やっぱり前向きに研究の資金として運用益を使うことも考えていただきたい。さまざまな研究をされていますけれども、脳脊髄液減少症に関してのテーマを拝見しませんので、ぜひそういう運用益を活用されるのであれば、今一番問題になっているトピックスにも資金を回して研究をされたらいかがかなと思います。

それからもう一つ、今日、新聞に載ったと思いますけれども、あり方懇でも申しておりましたけれども、自転車事故の問題です。これの支払いが今回4,700万円だったと思いますけれども、請求額は1億6,000万円でしたね。一応裁判の結果はそういうところですけれども、やはり損保業界にも金融庁にも私は意見をしましたが、自転車事故を起こした場合の自転車に乗っている方の加害者としての支払い能力をしっかりつけておかないと、はねられて即死したり、さまざまな事故に遭った被害者の救済が実現できないということです。医療機関はしっかり治療しますが、スピード化した自転車の事故というのは今後もさらに起こってくる可能性はあるだろうということです。ぜひ金融庁としても、その保険制度の中で、自賠責保険、強制保険と同じように、自転車に乗る場合には保険に入るシステム、制度として国に考えていただかないと、国民も安心して道路を歩けないということになるのかなということで、よろしく前向きにお願いします。

【落合会長】

ほかに。堀委員、どうぞ。

【堀委員】

今、藤川先生からの貴重なご指摘いただきまして、ありがとうございました。

自転車事故につきましては、やはり賠償額が高額化しているということを承知しております。そういった中で、民間の保険会社といたしましては、自転車事故に伴う加害者用の保険というのが主に個人賠償保険というのがございまして、これにご加入いただくということをお勧めしております。加入方法なんですけれども、主に個人で加入されます自動車保険とか、火災保険とか、傷害保険がございますが、これの特約でご加入されることが一般化しております。また昨今は、インターネットとか、あるいはコンビニエンスストア、ここでもご加入いただけるようになっておりまして、今後の我々の課題といたしましては、こういった保険を国民の方に周知徹底していくというのが課題かと思っております。また、団体では、小学校とか中学校とか高校とかそれぞれの団体別にご加入いただく制度というのもございます。

損保協会といたしましては、自転車ユーザー向けの冊子を作成するとか、あるいは自転車事故に備えた保険の普及を進めていくということで今までもやっておりますが、今後も普及に努めてまいりたいと考えております。

以上です。

【落合会長】

運用益に関連して。古笛委員、どうぞ。

【古笛委員】

運用益事業の効率性については、従来から言われていますが、国と民間保険会社とJAさんとで重複がないようにお願いします。保険会社さんからご指摘のあった自転車事故対策とJAさんの自転車の安全教育、それぞれ検討されているとは思いますが、窓口が別々で同じようなことをやって非効率的になっているところがないかご確認いただけたらと思います。

それと、民間保険会社においてもJAさんにおいても交通事故無料法律相談が縮減の対象となっていることは、インターネットなど相談窓口がたくさんできていることなどから納得できるところではありますが、一方で、そのことがいろんな問題を生じさせています。その意味においても、情報提供支援もあわせて行っていただいており、すごくいいことだと思っています。

また違った視点からいうと、自賠責保険あるいは任意保険から損害賠償額が支払われる段階ではいろんな窓口がありますが、支払いが終わった後の支援がほんとうに十分だろうか、特に法律専門職がもっともっとやらなければならないところができてないのではないかという思いはあります。

親なき後問題とも関連する成年後見制度の利用ですとか、最高裁による後見制度支援信託などからも近年注目されている民事信託の利用など、まだまだ十分に活用されていないと思われます。いろんなところで研究がなされているので、それらを現実的な制度として実行に移せるような役割を果たす包括的な窓口を運用益事業として検討していただけたらなとは思っています。

【落合会長】

ほかにございますでしょうか。

そういたしますと、運用益につきましてはさまざまな貴重なご意見をいただきましたので、それぞれ運用益を実際に運用するというところにおいては、これらの本日出ました意見をぜひ参考にして、有効な活用ということをさらに実現する方向でご考慮いただきたいと思います。

それでは、報告事項の最後になりますが、「自賠責診療報酬基準案について」ということですけれども、これも堀委員からお願いいたします。

【堀委員】

日本損害保険協会の堀でございます。自賠責保険の診療報酬基準案について、ご報告申し上げます。お手元資料の6をごらんいただきたいと思います。

本件は昭和59年の自賠責保険審議会の答申に基づきまして、平成元年に日本医師会、自動車保険料率算定会、そして損保協会の三者にて、診療報酬基準案の合意に至っております。その後、各都道府県単位の医師会のご理解とご協力を得ながら、診療報酬基準案の実施、普及に努めているところでございます。

資料をごらんいただきますと、その普及状況がございますが、現在は山梨県を除く全国46の都道府県で実施されております。合意に至っていない山梨県につきましても、日本医師会のご協力を得まして、引き続き合意に向けた努力をしてまいります。なお、基準案に合意している都道府県におきましても、地区医師会との協議の場を継続しておりまして、自賠責保険研修会の開催等を通じて、医療機関のご理解のもと、診療報酬基準案のさらなる普及に努めてまいりたいと考えております。

報告は以上でございます。

【落合会長】

ありがとうございました。

それでは、ただいまの報告につきまして何か。藤川委員、どうぞ。

【藤川委員】

日本医師会の藤川です。今年度、山梨県の医師会に、自賠責保険の報酬基準案についての説明に行って、担当役員の先生方十数名とも懇談をしてきました。実態としては、この新基準に関しては、山梨県でも使われているということを確認してきております。ただ、正式に県の医師会と損保協会との契約までは至ってないということです。自由診療ですので別に問題はないんですが、新年度4月以降に新しい執行部ができて、再度前向きに検討してみたいということです。来年度にはと、期待をしております。現場のさまざまな医療機関の理解がないと、なかなかスムーズにいきません。山梨県まで普及した暁には、次のステップとして検討課題として上がってくる問題が出てくると思います。それに向けて努力をしていく所存です。

以上です。

【落合会長】

ほかにご意見、ご質問等ございますでしょうか。

よろしいでしょうか。そうだといたしますと、本日、予定しておりました議事は全て終了ということになりますが、この際、全体につきまして、何か特にご発言等がありましたらと思いますけれども、いかがでしょうか。桑山委員、どうぞ。

【桑山委員】

全国遷延性意識障害者・家族の会代表の桑山といいます。家族会の立場で、私の若干自己紹介も兼ねてお話ししますと、今から19年前に私のその当時小学校2年生の次男がスピード違反の車にはねられて、その後、いわゆる寝たきりになってしまいました。その中でも少しずつ回復を見せたりはしています。

私たちは、自賠責の運用益を使った被害者対策に非常に期待を持っています。国土交通省さんに対しても、大体10年ほど前から、自分の住んでいるところ大阪なものですから、大阪近辺にはそういった療護センターがなかったものですから、療護センター設立を要望してきまして、やっと昨年度、大阪にもそういった療護センターの委託病床ができました。非常にこれはうれしいことだと思っています。今後も、空白区の多くの地域での設立を望んでいます。

その中で、委員の方々に今お配りした新聞記事で、左側の日経新聞のほうなんですが、日経新聞というのは規制緩和推進の立場で、特別会計に関しても仕分けをしていこうという立場の新聞社であることは確かです。ただ、きちんとこの間の自賠責の経緯を説明しまして、かつて自賠責運用益を、11対9で分けられたことだとかそういった話をしていくと、十分理解してもらえました。やはりこういった被害者対策の事業は非常に必要であるということで理解をもらえて、非常にそれはよかったなと思っています。今後とも大事なお金ですので、ぜひとも皆さまと一緒に、国交省が財務省に貸し込んでいる6,000億円を返してもらうように各方面で働きかけていけたらなとそんなことを思いました。

以上です。

【落合会長】

どうもありがとうございました。

ほかに全体につきまして、何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、これで本日の会議を終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。

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金融庁Tel 03-3506-6000(代表)
監督局保険課
(内線3375)


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