第123回自動車損害賠償責任保険審議会 議事要旨

1. 日時

平成19年1月17日(水) 10時00分~12時23分

2. 場所

中央合同庁舎第四号館 共用第二特別会議室

3. 議題

  • (1)料率検証結果について

  • (2)諮問事項

    • (a)小型二輪自動車(250ccを超えるバイク)の車検期間延長に伴う基準料率の追加について

    • (b)自賠責共済規程の一部変更について

  • (3)報告事項

    • (a)保険料等充当交付金の再計算について

    • (b)小型二輪自動車の車検期間の延長について

    • (c)自賠責保険診療報酬基準案について

    • (d)平成19年度自動車損害賠償保障事業特別会計の運用益の使途について

    • (e)平成19年度民間保険会社の運用益の使途について

    • (f)平成19年度JA共済の運用益の使途について

    • (g)特別会計の改革について

    • (h)改正自賠法等の附帯決議に係る対応(あり方懇談会)について

4. 議事概要

(1)  料率検証結果について

事務局より、平成18年度料率検証結果について報告がなされた。

  • 損害保険料率算出機構より報告のあった料率検証結果について、18年度、19年度の予定損害率は99.4%で、17年4月の基準料率改定時における予定損害率106.9%との乖離率はそれぞれ▲7.0%となっている。この乖離率は過去の料率改定実施時の乖離率と比べると相対的に小さいものとなっている旨説明。

  • また、保険料等充当交付金(以下「交付金」という。)は17年度以降段階的に削減されることから、契約者負担額は20年度に向けて段階的に上昇していくことになっている。

  • 農協共済については18年12月1月から保険会社と同様に共同プール運営を行っているが、これまで別枠で運用されており、料率検証に必要なデータ報告がなされるのは19年7月となっているため、農協共済を含めた合算検証は次の検証結果報告からとなる。

【本件について出された委員の主な意見は以下のとおり。】

  • 交通事故の死者数について警察庁資料を掲載しているが、事故発生から24時間以内の死亡者数であり、自賠責保険を支払った死亡者数のみ掲載すればよいのではないか。

  • 14年4月の自賠法改正時に、施行令別表第1「介護を要する後遺障害」が設けられたが、別表第1該当者への支払い実績を資料に添付すべきではないか。

  • 自賠責保険の将来支払件数を推定するに当り、最近の交通事故の発生状況を参考にするものであり、広く審議を頂くための材料を幅広く集めて提示しているものである。また、当該資料は、料率検証結果について審議いただくために数表等のデータを中心に取りまとめたものであり、資料の性格上どのようなことが出来るか今後検討していきたい。(事務局)

  • 自賠責取扱事業者間によって新しい契約者負担額の取扱開始時期が異なると、契約者に混乱を来たす恐れがあるため、システム等の準備を短期間で行い、新しい契約者負担額は自賠責取扱事業者間で連携を図ったうえ、1月29日を目途に取り扱いを開始する。

◎ 審議の結果、交付金の減少により契約者負担額が上昇することとなるが、料率検証結果において予定損害率との乖離率が▲7.0%に留まっている。過去の料率改定実施時の予定損害率との乖離率と比べると相対的に小さいこと、また、来年度の交付金の減少額やそれに伴う契約者負担額の上昇は昨年及び一昨年の審議会で議論した際に想定していたものと考えられること、さらに自賠責保険料は中期的に安定を求められていることから、基準料率について据え置くこととなった。

(2)  諮問事項

事務局より、金融庁長官から諮問のあった(a)小型二輪自動車(250ccを超えるバイク)の車検期間延長に伴う基準料率の追加について及び(b)自賠責共済規程の一部変更について説明がなされた。諮問事項について審議した結果、本件諮問を受けた事項についてはいずれも異議はない旨の答申を行うこととなった。

(3)  報告事項

  • (a)保険料等充当交付金の再計算について

    国土交通省より、交付金の創設経緯や交付金の交付方法の考え方、平成19年度の交付金の水準について説明がなされた。

    • 14年度に政府再保険制度を廃止し、累積運用益についてユーザーへの還元と被害者救済対策の安定的な実施の二本建てで対応することとされた。再保険廃止時の累積運用益の20分の11、約1兆700億円をユーザー還元して保険料負担の軽減を図るために交付金制度を創設し、19年度末までの6年間の保険契約について保険料の一部を交付金という形で交付し、ユーザー負担金を引き下げる形でこれまで取り組んでいた。

    • 交付金の交付方法の考え方としては、当初3年間は厚めに交付し、その後は段階的に交付金を引き下げ、ユーザー負担について大きな変動がない形で進めていくこととされていた。

    • 18年度末までに約7,600億円を交付金としてユーザーへ還元予定で、18年度は460億円を交付する予定。なお、交付金制度の最終年度に当たる19年度は376億、実際の交付金の交付が予算的に1四半期ずれ込むため、20年度の初めにも75億を交付する予定。

    • 19年度の交付金については、自家用乗用自動車2年契約の場合、これまで18年度1,050円の約半分くらいと見込んでいたが、各種統計等実績を基に精査した結果、19年度の交付金については、900円となる予定。このため、19年度ユーザー負担額は150円増えることとなるが、20年度以降は交付金制度が廃止されるので、認可保険料(基準料率)と一致する。

    【本件について出された委員の主な意見は以下のとおり。】

    • 自動車事故対策勘定からの一般会計繰り入れが繰り戻されないと自動車事故対策事業会計が安定しないため、早期に全額繰り入れされるように対処して頂きたい。

    • 財政当局とは早い段階から議論・要望しており、特会改革全体の流れの中で来年度の繰り戻しは行われないが、23年度までに段階的に繰り戻しされる約束になっており、早期に約束を履行してもらうために要望していきたい。(国土交通省)

    • 20年度には、交付金の交付終了に伴い急激に保険料負担額が増加してしまうため、防止するための措置を講じて頂きたい。

    • 来年度以降の審議会で基準料率改定等の議論を頂くということになる。(事務局)

    • 18年度末では、繰り戻されていない金額がいくらになるのか。具体的な繰り戻し案を示して頂きたい。

    • 一般会計への繰り入れによって被害者救済のための基金が減少しているので、早急、確実に繰り戻してもらうよう尽力してもらいたい。

    • 特別会計統合整備が国の財政にできるだけ寄与するという政府の方針もあるが、一般会計への繰入金は性格が違うので、審議会として繰り戻しを強く要望するべきである。

    • 国の財政状況も厳しいといいつつ、先般の補正予算においては、それなりの形での補正も組めたので、国の歳入についても一時期の大変厳しい状況からは次第に好転状況にあり、さらに審議会で指摘を頂いたことも当局にとっては大変追い風かなと思うので、しっかり要望していきたい。(国土交通省)

  • (b)小型二輪自動車の車検期間の延長について

    国土交通省より、小型二輪自動車の車検期間の延長の背景となった経緯等に関して説明がなされた。

  • (c)自賠責保険診療報酬基準案について

    (社)日本損害保険協会より、自賠責保険診療報酬基準案の実施状況について、現在45都道府県で実施されており、残る2県(山梨・岡山)に対し、早期実施に向けて引き続き協議を行っていく旨の説明がなされた。

    【本件について出された委員の主な意見は以下のとおり。】

    • 自賠責保険診療報酬基準案の未実施の2県はどうして15年以来進展がないのか。

    • 毎年地区協議会の開催を依頼し、岡山では基準案についてご理解頂けるようになってきたが、山梨はそこまで至っていない。しかしながら医師会や自賠責の研修会のような場を通じて、引き続きあらゆる機会を捉えて粘り強く交渉していきたい。

    • 医師会としても、さまざまな機会を捉えて、平準化した医療を守るという価値観を広めて、全国での実施普及に努めて参りたい。

  • (d)平成19年度自動車損害賠償保障事業特別会計の運用益の使途について

    国土交通省より、平成19年度自賠特会の運用益の使途について説明がなされた。

    • 独立行政法人自動車事故対策機構に対する助成には、自動車事故対策費補助金、施設整備費補助金、及び運営費交付金がある。具体例を挙げると、自動車事故対策費補助金は重度後遺障害者への介護料等、施設整備費補助金は療護センターの施設整備費等、運営費交付金は療護センターの運営等である。

    • 自動車事故対策費補助金は、被害者保護増進対策と自動車事故発生防止対策の2つがある。予算全体のスリム化の中で、前年度と比較して増額となっている事業がある。被害者保護増進対策の中では、短期入院協力病院の受入体制の整備に対する補助事業が前年度比増、自動車事故発生防止対策の中では、衝突時の被害を軽減するための先進安全自動車普及促進対策事業が新規事業として挙げられる。予算全体を見ると、18年度約162億が19年度約154億となり減少しているが、メリハリを効かせた予算となった。

    • 補助対象事業者に対しては、出来るだけ実績目標を作り、その達成度を内部的に評価して国土交通省に報告し、対外的に公表できるよう依頼している。それで補助の有効性等を確認しているところ。

    【本件について出された委員の主な意見は以下のとおり。】

    • 被害者の救済対策に関して事故後に被害者が必要な情報をタイムリーに、かつ十分に受けられるように自動車事故対策機構の積極的なPRを進めて頂きたい。また、事故発生防止対策に関して、後部座席のシートベルト着用促進の教育安全広報に重点的に取り組んで頂きたい。

    • 運用益の使途(162億円、154億円)の算出根拠を教えて頂きたい。

    • 一般会計に繰り入れているため、運用益だけでは賄えない状況にあり、基金を取崩しているが、一般会計で利子を含めて積み上がっている。(国土交通省)

    • 九州や北海道の人など、療護センターから離れている人は、同一の自賠責保険料を支払っているのにサービスが受けにくいという現状があるので、地理的な偏りを改善して頂きたい。

    • 車載監視カメラ(ドライブレコーダー)は事故防止に効果があるので、普及に向けて努力をして頂き、裁判所での証拠書類として採用されるように、カメラの規格や公的機関での解析等に、もう少し予算を使うことを検討して頂きたい。

    • ドライブレコーダーの普及に向けた実証実験、有効性の検証に取り組んでいる。裁判でどのように使用するかについては、普及状況を見ながら関係機関と議論を進める必要がある。(国土交通省)

    • 自賠責保険は被害者対策のためにあると思うが、被害者保護増進と事故発生防止で予算配分額が1桁違うというのは納得できないし、そもそも運送事業者に対する安全対策は、自ら行うべきである。

    • 当局も、事業者はもっと自助努力すべきではないかという問題意識も持っている。具体的には、自動車事故対策機構の講習会について、現在、事業者の自己負担を増やす議論もしているところ。来年度予算に関しても、事業者に対する補助金を前年度比2億4,000万円削減しており、引き続き来年度以降も問題意識を持って取り組みたい。(国土交通省)

    • 現状の表だと予算と実績の検証ができないので、改善して頂きたい。

  • (e)平成19年度保険会社の運用益の使途について

    (社)日本損害保険協会より、平成19年度の保険会社の運用益拠出事業案について、これまでの自賠責審議会答申や審議会における意見、自賠法改正時の附帯決議を踏まえ、自動車事故被害者対策を中心に充実することを基本方針として既存事業の見直しや新規事業の選定を行った旨の説明がなされた。

    【本件について出された委員の主な意見は以下のとおり。】

    • 運用益拠出事業報告書に基づき、十分検証を行っているのか。

    • 事業報告書、収支決算書で確認し、さらに拠出先へ現物確認、現地調査、ヒアリング等を行っている。特に新規事業の場合は、途中段階でヒアリングするように努めている。

    • 交通事故紛争処理センターに非常に多額の予算が充てられているが、本当に全て必要あるのか。被害者救済が目的であれば、被害者側の弁護士の育成支援に予算を充てて頂きたい。

    • 交通事故紛争処理センターは、実際に裁判外紛争処理機関の一つとして年間約7,000件の新規相談を受け付けており、非常に認知度も高く、被害者救済に相当機能しているのではないかと考えている。

    • 弁護士の立場では、ADR法も出来たので、今後裁判外紛争処理というのはもっと機能していかなければならないと考えている。日弁連でも被害者保護に十分活用できるような弁護士育成のための全国研修を行っている。

  • (f)平成19年度JA共済の運用益の使途について

    前に説明があった国及び保険会社の運用益の拠出という点で重複する部分が多いこと、また時間の都合上資料のみの配付となった。

    【本件について出された委員の主な意見は以下のとおり。】

    • 国、民間の会社及びJAの運用益の使途は、真に必要な事業に充てて頂きたい。もし運用益に余剰があれば、契約者に返すべきである。

    • 自賠責の運用益は、半分はユーザーに、半分は被害者救済に充ててきた経過もあり、被害者救済事業をJA共済と民間保険会社で一緒に運営をするのが合理的かつ、効率的であると思うので、ぜひ検討を頂きたい。

  • (g)特別会計の改革について

    国土交通省より、特別会計改革の流れ、並びに自動車損害賠償保障事業特別会計(以下「自賠特会」という。)の18年度予算等について説明がなされた。

    【本件について出された委員の主な意見は以下のとおり。】

    • 特別会計は、被害者救済のために重要な機能を果たしているので、廃止前提で議論しないで頂きたい。仮に、廃止される場合も交通事故被害者に痛みを強制しないようにお願いしたい。

    • 自動車事故対策事業会計と車検特会の統合後は区分運営を明確にして頂きたい。

  • (h)改正自賠法等の附帯決議にかかる対応(あり方懇談会)について

    国土交通省より、改正自賠法等の附帯決議にかかる対応の経緯、及び平成18年6月30日に提言がなされた「今後の自動車損害賠償保障制度のあり方に係る懇談会」報告書の概要と、それに対する取り組み状況等について説明がなされた。

    【本件について出された委員の主な意見は以下のとおり。】

    • 高度脳機能障害の救済対策は、療護センター・一般協力病院を活用するなら、厚生労働省まで含めないと実効性のないものになるのではないか。

    • 現在、保険金の支払額は死亡した場合3,000万円、重度の後遺障害者の最高額4,000万円となっている。遺族の立場で理解して欲しいが、命を奪われることが一番悲惨だと思う。後遺障害者の方が介護にお金が掛かるため高額だろうが、命の値段を考える上でどうしても腑に落ちない。介護は別に切り離して自賠審では悲惨さを重点に考えて、改善してほしい。

    • あり方懇談会は毎年度1回行うこととしており、支払限度額等について、今後も議論を深めて行きたい。(国土交通省)

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
監督局保険課(内線3375、3772)

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