平成17年10月6日
金融庁

第120回自動車損害賠償責任保険審議会議事概要について

第120回自動車損害賠償責任保険審議会(平成17年1月20日(木)開催)の議事概要は、別紙のとおり。

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
監督局保険課(内線3375、3772)


第120回自動車損害賠償責任保険審議会 議事概要

1.日時

平成17年1月20日(木) 13時00分~

2.場所

中央合同庁舎第4号館 共用第二特別会議室

3.議題

(1)  料率検証結果について

(2)  諮問事項

  • (a)  自賠責保険普通保険約款及び算出方法書の一部変更について
  • (b)  自賠責共済規程の一部変更等について

(3)  報告事項

  • (a)  保険料等充当交付金の再計算について
  • (b)  商品自動車の回送運行許可証の有効期間延長について
  • (c)  自賠責保険診療報酬基準案について
  • (d)  自賠法施行令別表第二の後遺障害等級表の改正について
  • (e)  平成17年度自賠責特別会計の運用益の使途について
  • (f)  平成17年度保険会社の運用益の使途について

4.議事概要

  • (1)料率検証結果について

    まず、事務局より平成16年度料率検証結果について報告がなされ、平成17年度の契約者負担額についての説明がなされた。

    • 事務局より、損害保険料率算出機構より報告のあった料率検証結果について、平成16年度及び17年度の予定損害率は100.4%で、平成14年4月の料率改定時における予定損害率103.3%との乖離幅は△2.8%となっている旨説明。

    • また、保険料等充当交付金は、17年度以降段階的に削減される見込みであり、契約者の負担額も段階的に増加することになる。一方、民間の累積運用益残高は当初見込みを上回っていることから、今後、その還元財源を契約者に還元することを前提とした基準料率の引下げにより、契約者負担額の急激な変化を回避することが適当と考えている。

    • 引き続き、民間の累積運用益の還元方法について以下のとおり説明。

      • 民間の累積運用益を何年で契約者に還元するかについて、3年、4年、5年、6年のそれぞれについてシミュレーションを行った。

      • その中で、基準保険料の引下げとしては、4年還元(基準料率の引下げ率:△6.3%、平成17年度契約者負担額の上昇率5.4%)の場合が、契約者負担額の上昇率のバランスがとれており、自賠責保険の運用の中・長期的な安定の観点からも比較的問題が少ない。

      • なお、平成13年11月に旧大成火災が破綻した際、更生特例法に基づく更生計画に従って自賠責保険の責任準備金等が約140億円取り崩されており、今回の料率改定が破綻後最初の料率改定となるため、この額も織り込むこととしたい。

    【本件について出された委員の主な意見は以下のとおり。】

    • 今年からリサイクル法が施行され、新車購入時にリサイクル料として軽自動車でも8,000円~15,000円の負担が出てくる。これ以外にも低燃費車の補助がなくなったり、年金保険料や定率減税等の影響によるユーザー負担のアップ要因も多い。自賠責保険は公共性の高い保険であり、交付金の減少に伴うユーザー負担の増加をできるだけ緩やかに圧縮する方向で配慮願いたい。

    • 自動車メーカーも、2010年には死亡者数を半減させるという目標のもと、安全性を高めた自動車の開発に努めているところであり、先行き自賠責保険の支払がどんどん膨らんでいくという状況にはないと考えれば、累積運用益を比較的前倒しで還元しても、自賠責保険の会計に大きな影響を及ぼす心配はないと思われ、その辺を勘案願いたい。

    • 交付金の削減により平成17年度からユーザー負担増となることが分かっていたのなら、これまでは激変緩和措置を行っていたこと等をきちんと説明しておくべきではなかったか。ユーザーの負担をできるだけ軽減するために行政当局として努力したことが形に見えるようにしてほしい。

    • 自賠責保険の目的は交通事故被害者の救済が原点である。近年、重度障害者が増加しており、裁判所の損害賠償認定額は2億~3億5千万円と高額になってきている中で自賠責保険の限度額は最高4千万円に過ぎない。ドライバーは自動車の便利さというメリットを享受していることから、責任を持つべきである。保険料が上がるのは好ましくないが、重度障害者の救済が根本であることを忘れないでほしい。被害者に対する補償額が増額されたといっても、まだ十分とはいえない状況であり、制度の根本を忘れないでほしい。

    • 過去に議論した内容について、再度議論の対象にすることがないように可能な限り議事録を公開してほしい。

    • 累積運用益を前倒しで還元することには賛成であるが、気になるのは説明が十分でない点である。政府再保険廃止の議論の際に、交付金の仕組みについて説明すべきであったと思う。これまではともかく、これまでの3年間を反省し、今後は政府として自賠責保険とは何なのか、その保険料がどのように決まっているかについて、もっと周知を図っていただきたい。

    • 審議の結果、契約者負担を軽減するため、基準料率を下げるべきとされ、基準料率の改定については、民間の累積運用益等を平成17年度から4年間で還元することで作成することとし、翌日の審議会に提示することとなった。

  • (2)諮問事項

    事務局より、金融庁長官から諮問のあった事項である「(a)自賠責保険普通保険約款及び算出方法書の一部変更について」及び「(b)自賠責共済規程の一部変更等について」の説明があり、異議なく了承され、翌日の答申に盛り込むこととなった。

  • (3)報告事項

    • (a)保険料等充当交付金の再計算について

      国土交通省より、平成16年度末までの交付金の交付状況および平成17年度以降の交付金の水準について説明がなされた。

      • 平成13年度末の政府再保険制度廃止の際に、自賠責特別会計の累積運用益約2兆円について、その20分の11、約1兆700億円がユーザー還元に使う部分として分けられた。

      • 平成9年度にそれまでの累積運用益をユーザー還元しながら、低い水準に保険料が改定され、平成16年度まで維持することが審議会で取り決められたが、平成13年度末の再保険廃止に伴い、再保険金支払を通じたユーザー還元ができなくなることから、保険料等充当交付金制度を創設し、平成16年度までは、引き続き、同程度の負担水準となるよう交付金を交付し、ユーザー還元を実施してきた。

      • 交付金は、自賠法に基づき平成19年度までの6年間交付することとなっているが、平成17年度以降は残額を交付することが取り決められている。ユーザーの負担感をできるだけ和らげるため、少しずつ減らしていくやり方で平成17年度の所要の予算額を計上した。

      • 平成17年度の交付金額は、現行と比較して約3分の1程度に減額される予定である。

      • 平成18年度及び19年度の交付金の額については、平成17年度、18年度の再保険金の支払実績を見て、平成18年度は、平成17年度の半分程度、平成19年度についてはその半分程度ということを考えている。

      【本件について出された委員の主な意見は以下のとおり。】

      • 平成19年度末に交付金勘定に残額があれば保障勘定に移るとのことだが、平成13年度以前の契約に係る再保険金の支払状況等については明確にしていただきたい。なお、その内容については、毎年オープンにし、透明性を高めていただきたい。

      • 今後の説明はどうするのか。3年間にわたって交付金が減少することについての十分な説明は、国土交通省と金融庁の共同責任だと思う。また、ユーザーに対して直接契約の仕事をする保険会社・代理店においても、質問を受けた際にきちんと答えられるように、全体に広報することも含めて、政府として、きめ細かく丁寧な対応をしていただきたい。

    • (b)商品自動車の回送運行許可証の有効期間延長について

      国土交通省より、道路運送車両法等の一部改正により、本年5月中の施行を予定とし、回送運行の許可証の有効期間が最長6ヶ月から1年に延長されることとなったことに伴い、商品自動車の自賠責保険契約の保険期間も現行の6ヶ月から1年に改めることとする旨の説明がなされた。

    • (c)自賠責保険診療報酬基準案について

      (社)日本損害保険協会より、自賠責保険診療報酬基準案の実施状況について、各都道府県において地区医師会と協議を進めた結果、現在、45都道府県で実施されており、残る2県(山梨・岡山)についても引き続き協議を行っている旨の説明がなされた。

      【本件について出された委員の主な意見は以下のとおり。】

      • 自由診療により、通常の診療報酬の2倍も3倍もの金額が取られてしまうと、医療機関側は儲かるが、自賠責保険には限度があるため、慰謝料等の部分が減ってしまい、結果的に被害者が損をすることになってしまうのではないか。

      • 医療保険と自賠責保険とでは本来的に制度が異なる。医療保険については、損保と医師会との間で意見の食い違いがあるところであるが、いわば補償保険であり、いろんな制限がある。交通事故の治療については、このような制限を受けることなく、すべての患者を一刻も早く社会復帰させることが必要と考えている。医療保険を用いると、第三者行為の届け出や自己負担の問題等があり、患者にとっては難しい側面もあり、一概にすべての場合に医療保険を用いるのが良いというわけではない。

    • (d)自賠法施行令別表第二の後遺障害等級表の改正について

      国土交通省より、平成16年5月の厚生労働省労働政策審議会において、労災規則の後遺障害等級表の変更を内容とする答申が出されたことを受けて、自賠法施行令の後遺障害等級表が改正され、手指の亡失等に係る等級の見直しおよび眼球の運動障害の一形態である「複視」の等級の新設につき、平成16年10月より公布・施行されている旨の説明がなされた。

    • (e)平成17年度自賠責特別会計の運用益の使途について

      国土交通省より、平成17年度自賠責特別会計の運用益の使途について説明がなされた。

      • 被害者保護対策については、高額医療機器の補助、救急蘇生法の普及に対する補助、高等学校に通う生徒に対する授業料の減免、交通遺児の育成基金事業についての補助、自賠責紛争処理機構についての補助及び日弁連交通事故相談センターについての補助等を行い、前年度比1,700万円増、比率で1.1%の増となっている。

      • 自動車事故防止対策事業については、都市交通安全・円滑化対策、各種団体に対する事故防止調査・分析に対する補助等を行い、前年比4,700万円の減、比率で2.3%の減となっている。

      • 独立行政法人自動車事故対策機構に対する助成については、介護料支給、療護センターの施設整備費及びそれ以外の各種事業に対する交付金となっており、前年度比2億3,500万円の減、比率で1.7%の減となっている。

      • 全体としては、平成16年度予算169億4,900万円に対して平成17年度予算案は166億8,400万円となり、前年度比2億6,500万円の減、比率で1.6%の減となっている。

      【本件について出された委員の主な意見は以下のとおり。】

      • 毎回詳細な説明を求めているが、保険会社の運用益使途の資料に比べて、非常に大まかな資料と言わざるを得ない。自賠責特別会計の運用益は、非常に大きな金額であるので、もう少し細かな報告をしてほしい。また、運用益だけではなく特別会計の全体像については、きちんと開示していただきたい。

      • 予算についての説明はあるのだが、決算についての報告がなされないため、去年の予算が有効に使われたのかが分からない。

      • 自賠責特別会計の制度や交付金については、平成19年度以降、新たな形になる。確かに死亡者数は減少し、事故数も減少しているが、重度後遺障害についていうと、人数的には横ばいであるものの、内容的には高次脳機能障害者は増えている。

      • 自動車アセスメントなどの事故発生防止調査研究・情報提供等の項目は、一度始めるとなかなかやめられない実態がある。安全性の問題は、規格や基準も刻々と変わっていく。したがって、現在において、本当に効果はあるのかどうかを見ていかなければいけないと考える。

      • 健全性を保つために、運用実績を含めた報告をしていただき、それを見ていくことがこの審議会の責任ではないかと考える。

    • (f)平成17年度保険会社の運用益の使途について

      (社)日本損害保険協会より、平成17年度保険会社の運用益の使途について説明がなされた。

      【本件について出された委員の主な意見は以下のとおり。】

      • 民間の運用益で親亡き後の施設を作り、運営することは現実的ではなく、経済的には不可能である。そこで、成年後見制度の活動促進といった法的な面、心のケアの面で役に立つ事業に対し支援をしていきたい。

      • 支出先団体の活動状況の把握については、事業報告書、決算書類などにより把握している。

      • 身体障害者療護施設に対する福祉車両の寄贈であるが、交通事故の被害者のために役立っているのか。交通事故の被害者より、それ以外の方が多く利用するというのは問題である。

      • 福祉車両の利用を交通事故被害者に限定することは極めて難しい。支援の範囲が狭くならないように、広く交通事故の被害者の方が含まれているものを重点的にやっていくこととしている。

      • リハビリ講習会の参加者には、自動車事故の被害者ではなく病気が原因の方がたくさん混じっている。交通事故の被害者のために使うという運用益の本来の目的には合わないのではないか。交通事故被害者ではなく、福祉目的に使うのはいかがなものか。

      • リハビリ講習会の参加者のアンケートでは、患者・その家族の参加者のうち交通事故関係者の割合は65.8%。3人に2人は交通事故関係者ということであり、この事業が交通事故被害者のためになると判断している。

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