ソルベンシー・マージン比率の算出基準等に関する検討チーム(第1回)議事要旨

1.日時:

平成18年11月20日(月)16時00分~18時30分

2.場所:

中央合同庁舎第4号館4階 共用第4特別会議室

3.議題:

「ソルベンシー・マージン比率等に関する検討課題について」

4.議事内容:

  • 第一回検討会が開催され、事務局より冒頭の挨拶として本検討会開催の趣旨等について説明が行われた。
  • 座長からの就任の挨拶、メンバーの紹介等が行われた。
  • 事務局より、資料1-3「ソルベンシー・マージン規制の見直しのイメージ」に沿って説明が行われた。第三回目までは、各委員からの意見の発表を行い、論点整理を行った後、個別検討テーマの議論を行うことについて了承された。
  • 事務局より、資料1-4「ソルベンシー・マージン比率の概要について」に沿って説明が行われた。
  • 事務局より、資料1-5「保険負債・ソルベンシー・マージン評価に関する国際的な動向について」に沿って説明が行われた。
  • 深尾委員、猪野委員より、それぞれ資料1-6「ソルベンシー・マージン基準のあり方について」及び資料1-7「ソルベンシー・マージン比率の算出基準等に関する検討会」に沿って、ソルベンシー・マージン比率等に関する検討課題について意見が述べられた。

上記説明に対して自由討論が行われた。主な内容は以下のとおり。

(意見)

個々の保険会社のリスク、特に株に関しては、マーケットと相関の低い資産もあることから、ポートフォリオ毎ボラティリティを評価すべきであって、β値(この場合は、TOPIXなどの株価指数の変動率に対する各保険会社の株式ポートフォリオにおける株価の連動性を示す指標)によりリスク評価を行うことは適切ではない。

(意見)

β値については、大手各社は概ね1に近くマーケットと大きな違いはないため、TOPIX等のマーケットの動きを見ていればよい。しかし、個別の保険会社については特有のポートフォリオを有していないか精査する必要があること、小さなポートフォリオでは極めて不安定なため注意を要する。

(意見)

「事業費リスク」は、予定事業費が商品認可時の審査対象からはずれていることから、リスクとして認識することも考えられるが、実際に適用するかに関しては、事業費リスクの概念についての十分な議論が必要である。

(意見)

ソルベンシー・マージン規制よりも各社のリスク管理が進んでいるならば、リスクの認識に関してプロジェクション方式(動的モデルであり、シナリオのもとで将来キャッシュフロー等のプロジェクションを行うことによりリスク量を計算する方法)への移行を中心に考えてはどうか。

(意見)

現状の保険会社のリスク管理の状況をみると、外資系の各社を中心に確率論的に企業価値や自己資本を測る手法が導入され、内部管理指標として用いられているものの、シナリオの置き方や計算の仕方に関しては研究中の社もあり、現時点で規制上用いるのは、難しいのではないか、「3段階に分けた実施」には賛同する。

(意見)

支払余力のうち「税効果会計」、「劣後債務」、「銀行と生保の資本の持ち合い」など銀行の規制との関連を考慮すべき資産等に関しては、よりコア自己資本を重視した規制のあり方が重要。

(事務局)

銀行と保険会社の規制は必ずしも同一のものではなく、保険会社特有の問題もあることに留意して、今後の検討を行っていく必要がある。

(質問)

「ALMリスク(資産・負債のデュレーション等のミスマッチのリスク)」を導入した場合、「満期保有目的債券」及び「責任準備金対応債券」だけが対象となるように読めるが、損害保険会社の積立保険では、「その他有価証券」も含めてALMを行うのが一般的であるがどのように考えるか。

(回答)

「満期保有目的債券」及び「責任準備金対応債券」に関しては負債との関係が特定できるが、その他の資産に関しては特定が難しいことから、「価格変動リスク」としたものであるが、今後、積立型商品の実態も踏まえて整理しなおす必要がある。

(質問)

「競争条件の公平性」が挙げられているがJA共済などについては、どのように考えればよいか。

(回答)

ほぼ同様の監督がなされているものと認識されるものの、主務官庁が異なっているための違いもあり、本来は一元的に監督すべきではないか。

(事務局)

制度共済等については、それぞれの主務官庁で監督しているものであるが、本検討チームにおける議論が各制度にも反映されていく可能性が高いと考えられることにも留意して進めていく必要がある。

(質問)

「経営管理リスク(オペレーショナルリスク)」についてはどのように計測すべきと考えるか。

(回答)

現時点においては、適切な方法の提示は難しい。計測の手法としては、諸外国の例を参考にするなどの方法しか考えられない。リスク計測手法ではないが、保険を活用することによりオペレーショナルリスクの軽減を図る方法、監査のあり方や総代の選び方などについても検討を行い、ガバナンスの強化によりリスクを軽減する方法などを考えてはどうか。

(事務局)

今後の進め方に関し、専門的、技術的な見地からの議論だけでなく、契約者又は消費者から見た視点に関しても十分議論する必要がある。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
監督局保険課 秋田(内線3770)

山村(内線3431)

本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。

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