ソルベンシー・マージン比率の算出基準等に関する検討チーム(第2回)議事要旨

1.日時:

平成18年12月4日(月)16時00分~18時30分

2.場所:

中央合同庁舎第4号館9階 金融庁特別会議室

3.議題:

「ソルベンシー・マージン比率等に関する検討課題について」

4.議事内容:

  • 第二回検討会が開催された。第一回検討会に欠席したメンバーの紹介等が行われた。

  • 植村委員、森本委員、澤口委員、竹下委員、中林委員、恩蔵委員から、それぞれ資料2-1「ソルベンシー・マージン基準の見直しについて」、資料2-2「ソルベンシー・マージン基準のあるべき姿」、資料2-3「ソルベンシー・マージン比率の算出基準に関する論点」、資料2-4「消費者から見たソルベンシー・マージン比率活用の現状と課題」、資料2-5「ソルベンシー・マージン基準のあり方について」、資料2-6「消費者とソルベンシー・マージン基準」に沿って、ソルベンシー・マージン比率等に関する検討課題について意見が述べられた。

上記説明に対して自由討論が行われた。主な内容は以下のとおり。

(質問)

保険会社も金融機関であり、他の業態との調和性を考えるべきであるが、BIS規制と比べてどこが大きく異なるのか、また、逆にどこが同じでなければならないと考えるか。

(回答)

経済価値を捉えやすいものかどうか、どこまで捉えるべきか、という違いはあるものの、保険と銀行において、経済価値的観点で考えるという原理・原則が異なるものは存在しないとの認識である。

(質問)

銀行の場合は「信用リスク」が重要であり、保険の場合は「金利リスク」が重要といった観点から、規制の相違があるのではないか。

(回答)

リスクが何に起因しているかは異なっているが、どちらも経済的な観点から捉えられようとしつつあるという認識である。

(質問)

「実質資産負債差額は廃止すべき」との意見があるが、理由は何か。

(回答)

格付会社や契約者が、単一の指標で判断することは危険と考えるが、監督基準として早期是正措置のトリガーとして考えるのであれば物差しは一つの方がやり易いのではないか。実質資産負債差額は、金利リスクを反映しておらず、負債が簿価評価のままであり、資産価値は金利が上昇すると悪化するが、おそらく会社価値としては破綻から遠のくことになるといった状況を反映しない。過去の破綻時には、資産サイドの劣化が顕在化したこと、逆ザヤを埋められず資本の毀損という形で有効であったが、指標の考え方、合理性、納得感、などについては、ソルベンシー・マージン基準の考え方が優れている。

(意見)

健全性の指標に関しては、複数の指標を総合的に勘案しながら判断することが望ましい。ソルベンシー・マージン比率にしても、実質資産負債差額にしても、介入のトリガーとして明確なルールが定められており、有効に機能するのであれば意味があるのではないか。

(質問)

バーゼル II において流動性リスクに関してはどのように評価されているか。

(事務局)

バーゼル II における流動性リスクに関しては、次回事務局から資料を用意する。

(質問)

「巨大災害リスクの算出方法について、地震リスクと風水災リスクのいずれか大きい方を採るという方法は、過小評価ではないか」との意見に関し、地震リスクと風水災リスクはリスクの計測方法が異なっており、単純に合算することはできない。分散をどのように反映すべきかと考えるか。

(回答)

合算の方法や相関の考え方に言及したものではなく、地震リスクと風水災リスクのいずれか大きいほうを採ると言うことは、過小評価となっているのではないかという問題意識で指摘したものである。

(質問)

「過去の実際の破綻事例を見ると、ソルベンシー・マージン比率が400%前後で実質的に破綻している場合が見られ、早期是正措置の判断基準として現行の200%が適切であるか疑問が生じる。」との意見に対し、200%では不十分と考えるべきなのか、それとも現在のソルベンシー・マージン基準では十分に把握できないと考えるべきなのか。

(回答)

破綻があった当時は資産の自己査定が今のように厳格に行われていなかったため、流動性を確保するために解約益を上回る売却損が生じ、会計的に成り立たないことが明確化したこと、風評リスクなども影響し、先を見越して苦しくなり破綻したものと認識している。

400%前後で破綻する会社があったと思うが、動的な分析、将来収支分析が経営破綻のトリガーとなり、ソルベンシー・マージン比率とは別の軸で評価されたと認識。ソルベンシー・マージン比率が破綻を未然に防ぐために使われるのであれば、いろいろな見方をする中でその中の一つという域から出られないのではないか。

(質問)

リスク管理において、各社で内部モデルを使用しているとのことだが、現状をみて、各社の内部モデルをソルベンシー・マージン比率の計算に用いるのは現状として可能と考えるか。

(回答)

現状では会社によるバラツキも大きく、内部管理モデルの導入には無理があるのではないか。大手損害保険グループであっても試行段階という印象を持っている。

(質問)

「将来収支分析は第三者の監査の対象になっておらず、信頼性を確保する手立てが必要」との意見について、アクチュアリーと会計士との責任分担の問題があるが、どのような観点から監査が必要と考えるか。また、内部モデルの監査についてどう考えるか。

(回答)

例えば、繰延税金資産の回収可能性について監査を行う際には、将来の予測を含めた監査の必要がある。将来の予測の監査は難しく、将来収支分析、モデルの監査も難しいが、実際に監査を試みると、仮定数値などの合理性に疑義のあるものがあり、結果として会社に修正を求めることもある。したがって、外部の目を経ずに信頼性を担保することは難しいという認識を持っている。

(質問)

「企業価値」を「資産価値」マイナス「負債価値」で評価するとの提案に関し、負債価値の評価は現在IASBなどで正に議論されているところであり、これとの関係はどのように考えるのか。

(回答)

経済価値の考え方とIASBの負債評価については、方向性や考え方は同じと考えている。今の段階でできる経済価値の推計を行えばよく、変更すべき部分は、事後のレヴュー等で修正していけば対応可能。

(意見)

若干の修正で済むかは考える必要がある。

(質問)

ソルベンシー・マージン比率が本来の趣旨から離れ、保険会社のランキングなどに使用されていることに関し、指標の理解を深める又は誤解を解消するためにはどのようにすればよいと考えるか。

(回答)

  • 「早期是正措置の対象となる200%の位置づけ」、「数値が大きければよいということではない」といった特徴について、発表元が表示するか、またはファイナルシャル・プランナーなど消費者に伝える立場の者が伝えていければよいのではないか。

  • ソルベンシー・マージン比率の一覧表がでる場合には、「数値の大小が必ずしも優劣を競っているものではないこと」を注記すべき。

(質問)

公表の是非について、どのように考えるか。

(回答)

  • 今更非開示は現実的ではないが、そのような議論をしなければいけないほど危険な使われ方をしているのではないか。

  • ソルベンシー・マージン比率の評価について、誤解がある状況を放置することは危険であることから、公開の仕方を変える、又は、公開しないことを検討することも必要である。

  • 公表されていることを前提として保険のプロの立場の者が消費者等の理解を深めるようにすべきである。

  • 保険会社の信頼性が必要以上に薄れることは、保険会社にとっても、消費者にとってもよいことではない。今回の見直しでより厳しい結果がでることにより、それがさらに保険会社にとって悪い影響(風評のようなもの)がでるのであれば公表しないほうがよい場合もある。

(質問)

消費者は保険商品を選ぶ際、相互会社の契約に入ることと株式会社の契約に入ることの違いを認識しているか。

(回答)

消費者はどちらと契約するかということに対する認識は低いと考えられる。ファイナンシャル・プランナーとしては、生保の統廃合に当たり一定の縛りがでてくることなど、相互会社かどうかということは一つのポイントとなることから認識する必要があるが、消費者は、相互会社について、たとえば総代会の代表の選び方といった細かな点まで理解して保険会社を選択している人は多くないと思われる。

(質問)

「流動性リスク」については、保険会社で、流動性資産が不足して保険金がおろせないといった事態は想像しにくいがどのようなイメージか。

(回答)

  • 過去の破綻事例をみると、取り付けは起きていないのではないかと思うが、問い合わせが増えるなど取り付け的なことも起こりえたのではないか。保険金の支払いは現金に近い資産が必要であり、その確保が必要と考える。

  • 破綻が起きていた時期においては、憶測が憶測を呼び、解約の申し出が殺到するという例もあった。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
監督局保険課 秋田(内線3770)
山村(内線3431)
本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。

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