日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会(第2回)議事録

1.日時:

平成25年9月18日(水)15時00分~17時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 共用第一特別会議室

○神作座長

ただいまより日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会(第2回)会合を開催いたします。皆様、ご多忙のところご参集いただきましてまことにありがとうございます。

本検討会は、前回ご承認いただきましたとおり、原則公開となっております。

それでは、早速議事に移らせていただきます。本日は、まず、英国スチュワードシップ・コードについてお2人の有識者の方々からヒアリングを行ってまいりたいと存じます。

まず初めに、英国スチュワードシップ・コード策定の背景や各原則の内容等についてお話しいただくため、株式会社日本投資環境研究所、主任研究員の上田亮子様にご出席いただいております。

次に、英国現地での機関投資家へのインタビュー等を通じて把握された、英国スチュワードシップ・コードの運用実態等についてお話しいただくため、株式会社野村総合研究所主席研究員の大崎貞和様にご出席いただいております。

本日はこのお2人の方々からご説明をいただいた後、当該ご説明内容について質疑応答を行いたいと存じます。

続いて、機関投資家による投資先企業に対する関与のあり方に関し、業界における取り組みの現状等についてヒアリングを行いたいと存じます。

本日はアセット・マネジャー側からの取り組みといたしまして、信託協会から徳成メンバー、投資信託協会から松島メンバー、日本投資顧問業協会から野口メンバー及び同協会企画部部長の岡崎剛司様からお話を伺いたいと存じます。なお、日本投資顧問業協会におかれましては、先般英国スチュワードシップ・コードに関し、調査出張を行ったと伺っておりますので、その内容につきましてもあわせてご説明をいただければと存じます。

各業界の皆様からのご説明をいただいた後、再度自由討議を行うという流れで議事を進めてまいりたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

また、本日は上田参考人及び本検討会のメンバーの皆様方にご協力いただき、英国スチュワードシップ・コードについて、前文を含めた仮訳を作成しておりますので、参考資料として席上配付させていただいております。

それでは、早速ヒアリングに移らせていただきたいと思います。まず、上田参考人、15分程度でご報告をお願いいたします。

○上田参考人

日本投資環境研究所の上田でございます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。

では、今、座長の方からございましたけれども、英国のスチュワードシップ・コードについてご報告を申し上げます。お手元の資料で背景、そして原則について、今般改正が行われましたので、その内容を含めてご報告をさせていただきたいと存じます。

では、まず4ページ目からお開きくださいませ。こちらに英国における価値向上のための制度的な枠組みをまとめてございます。英国におきましては、考え方といたしまして上場会社の価値が向上することで株主、そしてそれが機関投資である場合には背景にいるアセット・マネジャー、アセット・オーナー、このアセット・オーナーが年金基金の場合にはさらにその背後にいる最終受益者たる国民の利益につながっていくという、このような一種のバリューチェーンのような考え方がございます。したがって、上場会社の価値が向上することで最終受益者の価値向上、ひいては国民全体の経済的な繁栄につながると、このような観点から制度の枠組みがつくられております。

大きな歴史的な流れを次のページでご報告をさせていただきますと、まず1992年にキャドバリー報告書というものがつくられました。背景には上場会社の不祥事が当時続出していたということがありまして、上場会社のコーポレートガバナンスを改善するという目的で、会社の改革というものが当初進められました。注意するべきは、そこにおいて当初の段階から機関株主委員会、現在では機関投資家委員会と申しますが、この機関投資家の団体がメンバーとして参画していたという事実でございます。

5ページに注で書いてございますが、この機関株主委員会のメンバーには年金基金協会や保険業協会というところが入っておりますが、主なリーダーシップはアセット・オーナーがとっております。アセット・マネジャーがその議論にも参加しているという構造になっているようでございます。

英国の歴史的な流れとしまして、そのように92年以降、上場会社のガバナンスの改革が進んだといえます。ところが、2007年の金融危機を契機にしまして、なかなかそれだけでは不十分であったという反省がございました。その中で、株主、特に機関投資家が株主としてより責任を果たすべきではないか、役割が重要なのではないかということが議論されるようになりまして、英国において財務省からの委託により、ウォーカー報告書という報告書が2009年に公表されております。この報告書の中で、スチュワードシップ・コードというコードを設けて、FRCすなわち財務報告評議会という団体においてこれを所管し、さらにソフトローの考え方で従来のガバナンスと同じ枠組みの中で一連の投資の流れを4ページ図表で網羅できるような形で制度的な枠組みをつくるべきではないかという提案がされ、2010年にスチュワードシップ・コードが定められております。このスチュワードシップ・コードは2年ごとに改正するべしというような提言がウォーカー報告書の中でされておりましたので、2012年に改正がされて、今後も都度必要に応じて見直しを行っていくという予定になっております。

6ページ、7ページにおいて、このウォーカー報告書の勧告を簡単にまとめてございます。もともとこのウォーカー報告書は金融機関の改善ということが大きな目的だったのですが、金融機関のみならず上場会社の改善、全般的な価値向上につながる議論としても共通ではないかということで、これを上場会社にも押し広げられてスチュワードシップ・コードというものが上場会社に投資をする場合のコードとして採用されたということになっております。したがいまして、このスチュワードシップ・コードの原則的な考え方というものは、このウォーカー報告書の中でほぼ定められているということになっているかと思います。

では、実際のコードは誰がつくったかということなのですが、少々ページが前後いたしますが、5ページに少しまた書いてございますが、コード自体は、先ほど申し上げました機関株主委員会がコードを設けております。このコードをスチュワードシップ・コードとしてほぼそのまま採用しているということですので、相当、このコード策定に当たっては機関投資家側がリーダーシップをとって策定していたということが、イギリスの背景として指摘できることではないかと存じます。

では、7ページにお進みいただきまして、スチュワードシップ・コードの背景的なところをご報告申し上げます。まず、採用を表明している機関投資家でございますが、2010年から2013年にかけて調査いたしましたところ、相当数が増えております。これをスチュワードシップ・コードの2010年版が策定される直前にした調査によりますと、大手の運用会社はリソースをかけて対応を進めているということだったのですが、中小の運用機関あるいは機関投資家の場合には、なかなか負担が大きいということで、当初は大手から進み、現状では中小にも広がっているという実態があるのではないかと思います。ただ、それに伴う課題としまして、スチュワードシップ・コードにかかわる開示の品質に問題がある事例が出てきているということもございまして、今般、2012年のコードの改正の1つの契機になったというところがあるようでございます。

では、8ページに、なぜスチュワードシップという言葉が用いられたのかということを、英国の当局者等にインタビューしましたので、その結果を私なりにまとめたものがございます。スチュワードシップ・コードというのは、先ほどのウォーカー報告書の中で用いられている用語なのですが、スチュワードシップとは、英国の歴史的な領主館等における財産を管理するといったところの概念から発生しているものでして、最もシンプルな意味としては他人の資産を管理するという中で出てくる考え方ということになります。

では、なぜ、fiduciary duty、いわゆる受託者責任ではなくスチュワードシップであるかという点についてです。ここはなかなか曖昧なようでございますが、そもそもスチュワードシップという関係でいくと、アセット・マネジャー、アセット・オーナー、さらにはサービスプロバイダーのような人もいるという投資連鎖の過程において、必ずしも契約関係等が明確でない、しかし、投資連鎖に組み込まれているという広い概念でこの関係性を網羅するべきではないかというところで、このスチュワードシップという言葉を使ったというふうに聞いております。ただ、やはりこの用語自体は大変曖昧な部分があるということで、例えば、ICGNという国際的な組織においてはスチュワードシップという言葉は使わないと明記して「機関投資家の責任原則」という表現を使っている場合もございますので、その用語の理解というのはイギリス的な歴史的な理解があって成り立っているのかと思われます。

では、10ページから具体的にコードの中身についてご報告を申し上げます。まず、大きな構成なのですが、序論といたしまして、スチュワードシップ・コードの前提となる考え方等がご説明されております。スチュワードシップ及びコード、そしてコードの適用対象は誰であるか。ちなみに、この適用対象というのは英国の経済的繁栄を目指すということですので、英国上場会社株式に投資をする、英国に登録されている機関投資家というのが第一義的なコードの対象になっているということが明記されております。

そして、遵守か説明かという、これはイギリスのコーポレートガバナンスに共通の原則でございますが、この原則について言及がされております。

その上で、7原則が設けられております。12ページ以下、各原則についてご報告を申し上げますが、原則の後、指針という形で具体的な運用において注意するべき事項、あるいは留意したほうがいい事項というものの解説が行われているという書き方になっております。

まず、原則1が、スチュワードシップに関するステートメントを開示するというものになっております。これはスチュワードシップの目的というのが明記されておりまして、ここでもうはっきり書いてありますのは、実効的なスチュワードシップによって投資される会社、投資している投資、ひいては経済全体が恩恵を享受できるものであるということ。そして、会社の長期的成功を促進するものであるという信念がうたわれております。その上でスチュワードシップに対してどういうアプローチをとっているかということをステートメントという形で公表するように求めております。今般の2012年の改正において、そのステートメントはアセット・マネジャーとアセット・オーナーによって違うということが明確にされております。

では、続きまして原則2でございますが、これは利益相反の管理です。この利益相反については、どうしても避けられないという前提に立って、利益相反をなくすのではなくて、利益相反は存在するという前提の上で、これをいかに管理するかという方法について議論がされております。そのためには、まずは機関投資家の義務というのは、顧客や受益者の利益を第一に考えて行動すべきであるということが明記されているところでございます。

では、続きまして、原則3ですが、ここは機関投資家による投資先企業のモニタリングについて言及されています。具体的なモニタリング方法、あるいはモニタリング活動において付随する問題等が指摘されております。

そのモニタリングが発展しますと、原則4の投資先企業に対するエンゲージメントということになります。これがスチュワードシップ活動ということになりますが、これをどのように強化していくのか、いつ、どういうときにこれを強化するのか、どういう方法でやっていくのかといった点について言及がされております。

このエンゲージメントが単独ではなくて、複数の投資家が共同歩調をとる場合には、次の原則5に書かれている集団的エンゲージメントについての内容になってまいります。集団的エンゲージメントというのは、原則4の単独のエンゲージメントで不十分な場合には、他の投資家と協調してこれを行いなさいということなのですが、この点についても今般改正がなされております。特にどういう状況で、どういう場合に集団的エンゲージメントを行うかという姿勢についての開示を強化するようにという形での改正がなされております。

続きまして、原則6、17ページでございますが、議決権行使の開示でございます。実務上、最も影響のある問題かと存じますが、まず、スチュワードシップ・コードのスタンスとしては、保有株式全てについて議決権行使を行うべきである。そして、その結果を公に公表すべきであるとされます。さらに、議決権行使助言機関を採用している場合には、その採用の目的、どういった形で、どの程度採用しているのかといったところまで開示するようにということを求めております。

少し内容が細かくなるのですが、18ページに議決権行使の開示についての実態調査がございますので、これをご報告申し上げます。英国の投資運用協会による調査ですが、回答した投資家のうち、開示をしていると答えた投資家が65%ございます。この65%のうち、図表2のほうになるのですが、個別議案にまで開示をしているのがそのうちの68%ということになります。他方、開示をしていないという会社が33%あるのですが、開示をしていない理由として、顧客にのみ開示をしているといったことを明記している会社もございます。

では、続いて19ページ、原則7でございますが、こちらはスチュワードシップ活動を顧客や受益者等に対して説明、報告を定期的に行いなさいということを明確にするものでございます。

この7原則について、2012年の改正では、原則そのものの変更ではなくて、どちらかというと原則の運用をより丁寧に行ってほしいという目的で、指針の改正がなされました。

以下、2012年改正内容というところはポイントを今、簡単にご報告を申し上げましたので割愛させていただきます。

そして、このスチュワードシップ・コードは、最後の32ページに書いてございますが、各国においても国際的な広がりを持って現状、議論されているとなっております。

以上、英国の制度についてご報告を申し上げました。ありがとうございました。

○神作座長

どうもありがとうございました。

続きまして、大崎参考人、同じく15分ほどでよろしくお願いいたします。

○大崎参考人

野村総合研究所の大崎でございます。よろしくお願いいたします。このような場で、こういう説明をさせていただく機会を頂戴しまして、まことに光栄に存じます。

私は、この7月に検討会のメンバーでもあります、私の勤務先における同僚であります堀江メンバーと2人で英国に出張いたしまして、スチュワードシップ・コードの実践を機関投資家の皆さんがどんな形でやっておられるのかということについてヒアリング調査をしてまいりまして、あわせて関連する法的問題について法律事務所や当局と意見交換をしてまいりました。その内容についてお話をしたいと思います。

あらかじめお断りしておきたいと思いますのは、私どもが行った調査は、率直に申し上げて若干片手落ちなところがございます。それは上場企業に対してのヒアリングが行えなかったということでございますので、ある意味では2人の当事者の片一方からだけ聞いた話をご紹介するということをあらかじめお断りしておきたいと思います。

非常に簡単なレジュメでございますが、これに沿ってご説明していきたいと思います。最初の1ページというところですが、先ほど、上田参考人からご説明いただきましたとおり、このスチュワードシップ・コードの実践のかなめとなるのはエンゲージメントという、上場企業と機関投資家の対話と申しますか、ミーティングのような、そういうつながりでございます。それが、では具体的にどんなふうに行われているかということでありますけれども、まず、この1ページに書きましたが、年金基金、アセット・オーナー、あるいは投資運用会社、アセット・マネジャーにおきまして、このエンゲージメントを担当する人というのがやっぱり当然おります。これらの方々は名刺を見ますと、大体コーポレートガバナンス担当とか責任投資、レスポンシブルインベストメント担当というような肩書を持っておられる方でして、従来のいわゆる議決権行使とか、コーポレートガバナンス強化のためのいろいろな働きかけをしてきたような方々がスチュワードシップ・コードについても主たる担当者になっておられるということであります。

当然のことながら、こういう人たちが上場企業とミーティングをする場合に出席をされるのですけれども、非常に興味深いなと思いましたのは、その出席をする際に、基本的には投資判断を行うファンド・マネジャーが同席することが多いと。私どもがヒアリングした何人かの、いわゆるエンゲージメント、担当の人たちは、真の意味で株主といいますか、買うということを決めたのはファンド・マネジャーであって私ではないんだから、その会社に対して意見を述べるのもファンド・マネジャーが言ったほうが会社にとっても通りやすいし、理解されやすいんだというようなことを言っておられまして、ですから、資産運用、投資判断ということと、決して切り離せない形で運営がなされているというのが一つ、このエンゲージメントの特徴だと思います。

それから、エンゲージメント活動として実際にミーティングをしたり、あるいは電話会議みたいなことをやったりするのは、基本的にアセット・マネジャーであります。ただ、例外的にはアセット・オーナーがみずから上場企業と直接コンタクトをするということを実践しておられる例もあるようでありますが、通常はアセット・オーナーはエンゲージメントその他のスチュワードシップの活動を、どの程度積極的に体系的に行っているかということを、運用委託先の選定基準の判断材料の一つとしているということでありまして、自分たちで直接出張っていって話をするというのは例外的であるということでございます。

それから、企業側からはどういう人が出てくるのか。企業と投資家のミーティングといいますと、従来、インベスタリレーションズ、IRという活動が活発に行われているわけですが、このIRの場合は、経営トップが直接行くということもあると思いますけれども、IR担当者という人たちが直接対話をするというのが多いと思うのですが、このエンゲージメントに関しては、やはり経営トップに直接訴えるということに意義があるというふうに投資家は捉えているようであります。あるいは、財務上の問題であればCFOとかですね。あるいは、イギリスでは今、社外取締役がコーポレートガバナンス充実の観点から株主と積極的に対話すべきということが打ち出されております関係で、社外取締役と投資家とのエンゲージメントということも行われているようでございます。

次に、それでは、このエンゲージメントでどういう話題を議論するのか、それから、どの程度の数の企業とこのエンゲージメントをするかということですが、2ページでありますけれども、投資先全部とするというのは必ずしも一般的ではありません。これはやはり分散投資をすればするほど、投資先の企業の数が増えますので、非常に例外的に集中的投資を行う会社で全ての投資先企業と年1回必ずエンゲージメントをやっていますという運用会社さんも1社、実際にありましたが、あまりそれは一般的ではないと思われます。

通常は、例えば株主総会の議案の内容に投資家が疑問を感じた場合、エンゲージメントを行って、そこについて議論を深める。あるいは、株主総会で結果的に反対票を投じた場合に、その後、反対は反対だったわけですけれども、その後の理解を深めるとでもいいますか、その意味で事後的にエンゲージメントを行うというような、議決権行使と密接に結びついた形でのエンゲージメントがどうも多いようであります。

それから、通常は、やっぱり機関投資家のほうからお願いしますと言って実行するというのが一般的なようですが、企業側から逆に、例えばこのような議案について意見を聞きたいというようなことでミーティングを積極的に求めるということもあるようであります。

それから、さっき申しましたとおり、全ての投資対象先とエンゲージメントというのは、これは物理的にも無理なわけですね。そうすると、どことするのかと、これが問題になるわけですが、これはやっぱり費用対効果を考えて対象先を選定するという声が多く聞かれまして、例えば投資運用会社さんであれば、自社のファンド・マネジャーがたくさん持っている、保有割合が高い。あるいは、相手側が深刻な問題に直面しているので、今、困っているとか、そういったいろいろな事情で、働きかけの効果が大きいと期待されるものについて対象先として選ぶということのようでございまして、形式的に年に何回やるとかではなく、ルーチンワークのようにやるのではなく、やった以上、その効果が出てくる先を選んでエンゲージメントをするということのようであります。

この場合、非常に問題になるのが、パッシブ運用、いわゆるインデックス投資をしている場合ですね。これはご承知のとおり、例えば議決権行使についてもインデックス運用者が積極的にすべきかそうでないかというのは2説あるわけで、片方ではインデックスに入っている銘柄は投資対象から外せないんだから、せめて議決権行使で経営改善をしてパフォーマンスを上げるべきだという意見があるでしょうし、他方ではインデックス投資というのはコストが小さいことがかなめなんだから何もする必要はないという考え方もあるわけですね。これはエンゲージメントについても全く同じ議論が当てはまりまして、定説はないという感じがいたします。

次に3ページに行っていただきまして、先ほど上田参考人からもございましたのですが、スチュワードシップ・コードについては必ずしも強制されているものではない。いわゆるComply or Explainで遵守状況について開示をするという、説明をするというアプローチはとられているわけですが、これの趣旨ですね。日本では時として、私の偏見かもしれませんが、このComply or Explainというのが、一種の激変緩和措置みたいな、要するにほんとうはルールにしたいと制定者側は考えているんだけれども、今、急に入れるとみんな守れないから、とりあえずというふうにやっているのではなかろうかと。あるいは、そのルールをつくろうとした側と、守らされる側の力関係で結果的にそうなっているというような見方をする人が多いように思うのですが、どうも、ことスチュワードシップ・コードについては大いに違うなと感じております。

つまり、コーポレートガバナンスコードについては、幾らComply or Explainといっても、これ、上場企業全社、必ず適用は少なくとも受けるわけでありまして、その意味では限りなくルールに近いわけでありますけれども、スチュワードシップ・コードについては、先ほどの上田参考人の資料にもございましたとおり、例えばアセット・マネジャーですと101社しか署名していないんですね。もちろん、イギリスは運用業界、大きなところですから、もっともっと運用会社、いわゆるFCAの認可を受けた運用会社というのはもっと数があるわけであります。

そういう意味では、そもそも全員に適用されていないというところがポイントでして、それには先ほどちょっとご紹介のあった、例えば中小は守りにくいというようなこともあるのですが、それとはちょっと異なる観点で、例えばヘッジファンドなんかの場合は、その採用している投資方針そのものが例えば短期的な利ざや稼ぎ、あるいはイベントに着目して投資成果を追求するというようなことで、必ずしも長期的にロングポジションをもってその投資対象の業績を向上させていくということをそもそもねらいとしていないわけですね。そういった人たちに画一的にこのスチュワードシップ・コードを課すということにはそもそも意味がないという考え方がとられていまして、ですから、エクスプレインといった場合に単に、例えばよく社外取締役でComply or Explainとかいうと、適材が見つからなかったとかいうような、非常にネガティブな理由でエクスプレインをするんじゃないかというようなことを言う議論があると思うのですが、スチュワードシップ・コードについて言えば、弊社の投資戦略からすると、これは不適切であるというような積極的な説明が十分に使えるものであると。その意味でもComply or Explainがとられているということが非常に重要だと思っております。

アセット・オーナーの側にとっても、ですから、そういうわけで、投資戦略上、スチュワードシップ・コードを守る必要がないと思われる人にも、当然、アセット、配分しても問題はないわけでありますので、スチュワードシップ・コードを守っているということは必ずしも受託者責任を遵守しているということと1対1対応ではないと、この辺が非常に重要な点でございます。

あと、集団的エンゲージメントについてご紹介がありましたとおり、原則5でこれは推奨されております。これはいわゆるフリーライドの防止という観点からも大事だという意見がありまして、つまり、エンゲージメントでほんとうに会社がよくなるのであれば、何もしないで会社がよくなったという成果だけを享受するのはずるいじゃないかと、こういう意見でありますが、意外なほど実際に聞いてまいりますと、いや、うちは集団的エンゲージメントにはあんまり参加したくないねという声が強うございました。これは私どもがヒアリングした先がいわゆる有力機関投資家だったせいもあると思うのですが、彼らはやっぱり自分たちの独自の判断、独自の意見で、企業と直接、できるだけ1対1でやりたいという気持ちが強いようでありまして、ただ乗りを少々されても自分たちは自分たちでやりたいと、こういう声でございました。

ただ、一方で、今年の6月、新聞報道ベースでございますが、シュローダーとかリーガル・アンド・ジェネラルとかいった有力機関投資家の皆さんが、投資家フォーラムという、これは昨年の7月に出たケイ・レビューの中で提案されたものですが、これを具体的に設立するように動き始めたというようなことも報じられておりましたので、ある程度こういう集団的エンゲージメントをポジティブに捉え、促進しようという動きもあるのかもしれません。

最後に5ページでございますが、エンゲージメントをめぐる法律的な問題としてイギリスで若干議論というほどではないのですが、意識されている点について2点ほどご紹介したいと思います。1点目はインサイダー取引規制上の問題でございます。つまり、エンゲージメントというのは率直に申しまして密室でのやり取りです。しかも、その内容が重要なものになればなるほど、未公表の重要事実がその場において伝達されるという可能性は高まるわけであります。現実に、イギリスではそういう伝達が行われているという認識です。ただし、アセット・マネジャー側が事前にそのような伝達を受けることについて同意をした場合について伝達をするというのが、これは実はスチュワードシップ・コードのガイダンスにも書かれていることなのでありますが、実践されております。どのぐらいの期間、インサイダーのままで置かれるかということについても、会社側から説明をするということになっております。これは当然ですけれども、インサイダー情報を伝達されたら、そこから取引は少なくともその情報が公表されるまでできませんので、そういう前提でやっております。

これでちょっと物議をかもしましたのが、2012年のグリーンライト事件というもので、これはアメリカのヘッジファンドが、うちはインサイダー情報はもらいたくないというふうに明示したにもかかわらず、伝達された情報が事後的に規制当局によってインサイダー情報であったというふうに認定されて、その後行った取引がインサイダー取引に当たるとして課徴金を課されたという事件であります。これはいろいろな意見があるのですが、そもそも幾ら同意してなかったとはいえ、どう見たってこれは重要事実だろうというふうに見る人もいるような情報だったのですけれども、諸説あるようで、少なくともこのエンゲージメントとインサイダー取引規制との関係というのは論点にはなるということでございます。

それから、もう一つはTOB規制、あるいは大量保有報告書規制との兼ね合いでありまして、これは日本でもそうですが、例えば共同保有者概念というのが日本にもございまして、日本の金商法にもありまして、要するに一緒に議決権を行使するような場合は、TOB規制上も、あるいは大量保有報告書上も合算して考えましょうということになるわけなんですね。これは集団的エンゲージメントの兼ね合いで問題として意識されておりまして、イギリスでは今のところテイクオーバー・パネルというTOB規制を所管する、現在は公的当局と言っていいと思いますが、当局が、グループの代表者を取締役に選任することを求めるといったような場合を除けば、基本的には共同保有に該当しないという見解を明らかにしておりまして、できるだけ集団的エンゲージメントを円滑に行わせるという配慮をしております。

ただ、この大量保有報告書の問題は、実は、先ほど上田参考人が最後にご紹介いただいた、海外にこれを広げていくということの若干、障害と言うとちょっと言い過ぎですが、懸念点となっておりまして、といいますのは、アメリカでは大量保有報告書に日本の特例報告に該当する制度がございまして、いわゆるパッシブ・インベスター、積極的に経営に関与しない投資家に関しては、年に1回の簡易な報告で足りるという制度がございまして、アメリカの運用会社はやはりこれに該当することを非常に強く希望しております。アメリカのアセット・オーナーのほうは、実はスチュワードシップ・コードに前向きなのですが、アセット・マネジャーはこの問題があるために極めて消極的だということでございまして、つまり、エンゲージメントをやってしまうと、経営に関与しようとしているというふうにみなされて、パッシブ・インベスターではなくなり、大量保有報告書の通常報告を求められるのではないかと。そうすると、アメリカはたしか5営業日か何かだったと思いますが、とにかく非常に短期間で5%を超えた場合に報告しなければいけなくなるので、事務負担が非常に重くなるということが意識されていると。この辺も法的問題として、結論がどうこうということではないのですが、意識されているということのようでございました。

大変雑駁な内容で恐縮でございますが、私のほうからの説明は以上とさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

○神作座長

大崎参考人、大変ありがとうございました。

それでは、ここで一旦、自由討議に移りたいと思います。ただいまの上田参考人及び大崎参考人からのご説明につきまして、メンバーの皆様からご質問、ご意見等がございましたらご自由にご発言を頂戴したいと存じます。よろしくお願いいたします。

堀江メンバー。

○堀江メンバー

すみません、私が質問するのは何か変な感じですが、大崎さんにお聞きしたいことがあります。最後の点は日本においてもやはり同じような課題があり、投資家が企業サイドといろいろなエンゲージメントをする場合に何か支障になる、そういったプラクティカルな課題が日本ではあるとお考えでしょうか。

○神作座長

はい、お願いいたします。

○大崎参考人

全くの私見でありますけれども、私はインサイダー取引規制上の問題というのはあり得ないことはないと思っております。とりわけ今般の法改正で利益を得、損失を回避させる目的においてという条件つきではありますけれども、未公表の重要事実の伝達そのものが金商法に違反する行為というふうに位置づけられておりますので、そういったことを考えたときに何らかのセーフハーバー的なものがないと、なかなか突っ込んだ生産的なエンゲージメントがやりにくい環境だということは言えると思います。

また、大量保有報告書規制に関しましても、いわゆる重要提案行為等を行おうとする場合については特例報告が利用できないという問題がございます。しかも、これは重要提案行為等を行おうとする場合に事前に通常報告をしなければいかんというような制度になっておりますので、エンゲージメントの中でどういう話が飛び出すかわからないというようなことですと、やはり機関投資家の皆さんは一種のレギュレーションリスクを感じざるを得ないのかなと考えております。

○神作座長

どうもありがとうございました。よろしゅうございますか。

ほかに。はい、江口メンバー。

○江口メンバー

上田さん、大崎さん、非常に緻密な報告をありがとうございました。非常に関心を持ちました。

その中でちょっと質問というよりも確認したいという点です。大崎さんの報告の中で、集団的エンゲージメントに触れた部分で、有力機関投資家が自分たちで独自にやりたいという意向を持っていると、インタビューされた感触だと思うのですけれども、述べられています。イギリスのエンゲージメントでも一番の有名な点がこの集団的エンゲージメントだと思うんですね。かつて、30年前、20年ぐらい前までは結構盛んに行われていて、その中で主導権を握ったのは保険会社のプルデンシャルなどいわゆる主要な機関投資家であったということなんですけれども、今、そうではなくなっている。このインタビュー結果は、当事者に何か意識の変化があったのか、それとも単に今の時点では業界としてもなかなかまとまりがつかないということなんでしょうか。何か感触として得られたものはございますでしょうか。

○神作座長

大崎参考人、お願いいたします。

○大崎参考人

これはきちんとアンケート調査をしたりしたわけではないんですね。ほんとうにたまたま私どもが行った先が、たまたま消極的な人だったということは十分考えられると思っております。ただ、1点、ちょっと思いましたのは、投資家が昔に比べると多様化している。ヘッジファンドなんかが重要な役割を持つようになったとか、そういう変化を踏まえて考えると、手の内をなるべく投資家同士でも見せ合わないようにしたほうがいいと考える人が出てきているというのはあるのかもしれないなと思っておりますが、全く雑駁な感想です。

○神作座長

どうもありがとうございました。よろしゅうございますか。

ほかに。古市メンバー、お願いします。

○古市メンバー

大崎参考人の説明にあったように、エンゲージメント自体は投資活動の一環であるということは共通認識かと思います。また、大崎参考人の資料2ページの、「エンゲージメントの目的はあくまで資産運用パフォーマンスの向上であり、ルーティン化してはならないと考えられている。」という考え方は、まさにその通りだと思います。そうした考え方を踏まえて、コストやレギュレーションを課すことのリスクなど様々なことを考慮しながら、日本版スチュワードシップ・コードの検討を行っていくべきだと思っています。

その上で、英国における事例も、参考にしなければならないと考えておりますが、英国においてスチュワードシップ・コードを導入したことによって、日本版スチュワードシップ・コードの目標の一つである産業の新陳代謝の促進などを通じて、中長期的な企業の成長が実現し、資産運用パフォーマンスが向上したケースなど、具体的な効果が出ている点があれば、マクロでもミクロでも構わないので、教えていただきたいと存じます。

○上田参考人

ありがとうございます。

エンゲージメントの実証的な効果の調査というのは、実は大変難しいものでございまして、投資家の感触ということでお話し申し上げますと、まずスチュワードシップ・コードによってエンゲージメントというものの土壌ができたということは大きな意味があったようです。その中でも、先ほど、大崎参考人のほうから集団的エンゲージメントに関してはさまざま意見があるということでしたが、大崎さんもこちらに書かれていますように、何かの不祥事があったときにそういう場が設けられているということでは効果があったとのことです。

この点は実際に英国では効果があったという事例が生じているようでございます。銀行等における経営者報酬の高額化というものが大きな社会問題になっているようなのですが、その場合には集団的エンゲージメントを含めてエンゲージメントができたことで、この問題をより大きな社会的な問題として取り上げて改善できたという意味での効果はあったということを聞いております。ただ、これを数値的に何か大きな効果があったかどうかを分析するということについては大変難しい考察になるのかなと存じます。

○神作座長

よろしゅうございますか。

ほかに。それでは、田中メンバー。

○田中メンバー

大変興味深いご報告をありがとうございました。

1点、感想を述べさせていただきたいと思います。大崎さんのご報告の最後にあったエンゲージメントをめぐる法的問題という点は、我が国に引き直したときにどういう法的な障害がエンゲージメントにあり得るかということをぜひ洗い出して、解釈を明確にする、場合によってはセーフハーバー的な立法をするということが重要かと思います。

ここに挙げられているようなインサイダー取引規制との関係と、それから、重要提案行為をしたときに大量保有報告書への規制が強化されるという点のほかに、おそらく英国と同様に、共同保有者として大量保有報告書の開示が必要になる場合がどの程度あるか。つまり議決権の行使について合意がなされているという理由で、複数の投資家の持分を合算して大量保有報告規制の適用を受けるという場合がどの程度あるかということの検討が必要かと思います。

私自身は、この点、「議決権行使の合意」という言葉をきちんと法律上の概念に照らして厳密に考えていく必要があると思っておりまして、法律上の合意というのは、一方的当事者が相手方当事者に対して自分の行動を約束することの合意なわけですね。ですから、単に自分はこういうふうに議決権を行使するつもりだという予定を伝えて、それがたまたま複数の機関投資家の予定が合致したというだけでは、私は合意とは全然言えないと思っております。このようなことがもし明確にされていませんと、非常に広範な内容が合意というふうに解釈されかねないと思っていて、大変危惧しております。これが1点です。

もう一つあるとすれば、私は、アメリカのこの主のエンゲージメント、まあ、アメリカではエンゲージメントとあまり言わないかもしれないのですが、アメリカの経験について研究しているわけですが、向こうでは、委任状勧誘規則との関係でちょっと問題になっていたということがあります。それは、向こうの規則ですと、「委任状を勧誘する」という言葉に当たる行為がかなり広く規定されているために、投資家同士の協調行動も委任状勧誘に該当しかねないということがあったものですから、90年代の初めぐらいにセーフハーバールールをつくったという経験があります。

私、個人的には、日本の条文はほんとうに形式的に、議決権の代理行使委任状を「勧誘」しなければ委任状勧誘にならないので、そういうふうに考えれば、投資家の協調行動がほとんど規制に抵触することはほとんどないのではないかじゃないかと思っていて、また、それでいいのではないかとも思っているのですけれども、この点も場合によっては解釈を詰めた上で、セーフハーバーの必要性があるかどうかということをぜひご検討いただきたいと思っております。

以上でございます。

○神作座長

貴重なご指摘、大変ありがとうございました。

それでは、小口メンバー、お願いします。

○小口メンバー

大変わかりやすい説明をありがとうございました。

意見1つと、それから質問1つということで、先に意見ですが、先ほど大崎さんのお話にもありましたし、また、今、田中先生からもお話が出ましたけれども、重要提案行為や大量保有報告という問題については、私が企業との対話活動を6年ぐらい前に始めたときからこの問題があって、それが対話のネックだということを、運用会社の方々と話していたときによく聞かされました。ほんとうのところどうなのかなと思いまして、当時の金融庁の方にもお聞きして、情報としていただいたものをご紹介させていただきますと、金融庁のほうで2006年の12月13日に重要提案行為に該当するものの判断3要素、3つのものに該当する場合に限って重要提案行為だという見解、あと、議決権に関する話し合いについては、2010年3月31日に見解が示されていまして、いずれもウエブサイトでご覧いただけます。まず重要提案行為については例えば「重要な」とか「多額の」という言葉を含めて列挙されていることに限定して該当することが1点、それから、行為として経営者の自律的な判断をゆがめるような他律的な影響力を行使する場合に限るということと、3つ目は質問ではなくて提案に限るということ。ですから、通常の対話ではなくて、具体的な提案に限るということが書かれていて、そういった意味でいくと、現実の中で、もちろん懸念はあるのですけれども、該当することはあまりないのかなとの印象を受けました。

それから、実質共同保有については、議決権行使についての話し合いは該当しますかという問いに対し、話し合いにとどまる場合にはいわゆる実質共同保有者には該当しないと考えられますというふうに答えられていて、ただ、当該話し合いにおいて共同して議決権を行使することを合意した場合には、その時点で実質共同保有者になるということを回答されています。

私が申し上げたいのは、確かにこの問題というのは大変皆さん関心があるということだと思いますので、予見可能性ということだと思いますけれども、そこをはっきりする必要があるんじゃないかなということと、一方で、集団的エンゲージメントがこういった形で議論されていくのは、それはそれなりに意味があるわけで、先ほど投資家サイドの話もありましたけれども、私が聞いている限りでは、企業サイドも、いろいろな投資家からいろいろ言われるよりも、ある程度まとまってもらったほうが効果的だという企業さんもいらっしゃるので、それなりに効用はあると思うので、バランスの問題なのかなと思います。例えば、グローバルな広がりを見せている国連責任投資原則の中で、我々も該当するのですけど、エンゲージメント・サービス・プロバイダーという、共同エンゲージメントを提供するサービス業態、顧客の資産とは独立したエンゲージメント・サービスを提供するという業態の活用が認識されていますが、実際に使うかどうかはさておき、そういうことも含めて、取り組みは機関のいろいろな創意工夫に任せるということだと思うのです。集団的エンゲージメントとかエンゲージメントの抱える、そういった問題についてクリアにした上で、必要があればできるような形にするというのが望ましいのではないかなというのが意見です。

2つ目は質問ですが、英国スチュワードシップ・コードの和訳を拝見すると、かなりアセット・オーナーについて書かれていて、例えば3ページのところですね。本コードの適用の2で、アセット・マネジャーとかアセット・オーナーは、外注はできるんだけれども、最後はスチュワードシップの責任までも委譲することができないということ、最終的な責任はアセット・マネジャー、アセット・オーナーにあるんだよという部分とか、次のページの7の下のほうに、アセット・オーナーはアセット・マネジャーが行うスチュワードシップ活動について、アセット・マネジャーがアカウンタブルであるよう求め続けるべきである。そうすることによって受益者に対する責務をよりよく果たすことになると書かれています。

先ほどの上田さんの資料にもあったように、最終受益者に一番近いところのアセット・オーナーに対してはかなり強い要請があると思うのですが、一方で、先ほど大崎さんのおっしゃったように、実際に企業と対峙するアセット・マネジャーというのは、いろいろなアプローチの仕方があったり、あるいはコストの問題とかあったり、おっしゃったようにヘッジファンドが該当するのかという問題があって、質問としては、そうすると、強く要請されているアセット・オーナーである年金等が、このコードを守ろうとしたときに、アセット・マネジャーとのそういったギャップについて、どういった形でアセット・オーナーは埋めにいくのかという点です。例えばですけれども、ヘッジファンドだったらアセット・オーナーが指名するときに、彼らはヘッジファンドで、端的に言うと、短期のリターンを求めているんだから、別にサインしなくてもいいよということを、アセット・オーナーが明示して言うのか、その辺のアセット・オーナーに課された責任と、最終のアセット・マネジャーの間のギャップというものをアセット・オーナーがどういうふうに埋めているのかなと疑問に思いましたので、そこについて教えていただけたら。

○神作座長

大崎参考人、お願いいたします。

○大崎参考人

私の理解では、アセット・オーナーは全体としてこのスチュワードシップ・コードにコミットしているということで、何も日々の行動を全部画一的にここに書かれたことによって立たなければいけないというふうにまで要求されているのではないということだと思っております。ですから、先ほど申し上げたように、アセット・オーナーはアセット・ミックスをつくって、マネジャー選定を行うわけですけれども、そのときに当然、あるセクターというか、あるアセット・クラスについては、そもそもこのスチュワードシップ・コードと無縁のアセット・クラスであるというような認識のもとにマネジャー選定を行っているんだと思うんですね。ですから、その意味では、彼らが個々のアセット・マネジャーに対してどうこうしろと言うのではなくて、個々のアセット・マネジャーが開示している方針に基づいてアセット・マネジャーを選択するというふうにしているんだというふうに理解しております。

ですから、その意味では、別にアセット・オーナーとアセット・マネジャーの間にギャップがあるわけではなくて、アセット・オーナーは全体としてスチュワードシップを発揮できるようなアセット・ミックス、マネジャー・ミックスをつくるというふうに行動しているという、そういうことじゃないかと思います。

○神作座長

よろしゅうございますか。

ほかに。濱口メンバー。

○濱口メンバー

今の質問に関連しますが、上田さんのプレゼンの12ページ目に、アセット・オーナーの責任はアセット・マネジャーとは大きく異なると、こう書かれています。これは結局どう異なるのかというのがわからなくなってきたのが一つ。もう一つの質問は、13ページ目の利益相反に関連して、アセット・オーナーも利益相反を持っているわけです。一般に企業年金でいうと母体は上場会社で、それもあって欧米ではこういう活動に積極的なのはどちらかというといわゆる公的年金で、企業年金は比較的消極的で、それこそ助言会社とかに丸投げして終わりというようなケースも結構ある。これはきっと利益相反の一つのあらわれでしょうが、イギリスでアセット・オーナーが結構署名をしていて、それこそ問題になったバークレーとかRBSとか、まさに金融機関の年金基金というのはイギリスでも相当大きな年金基金で、この利益相反をアセット・オーナーの立場でどういうふうに管理していると言っていて、世の中がどういうふうにそれに納得しているのか、何か具体的な例があれば教えていただきたい。

○神作座長

上田参考人、お願いできますでしょうか。

○上田参考人

ご質問ありがとうございました。

まずは12ページのほうのアセット・マネジャーとアセット・オーナーの役割、あるいは期待されるものの違いということなんですが、まず、アセット・マネジャーの場合には、一義的には顧客としてのアセット・オーナーが存在するといったところ、そして、アセット・オーナーの場合には、先ほど大崎参考人のほうからもありましたが、全体としてのアロケーションを考えた上で背景にいる受益者のために行動するというところの違いがあるかと思います。

例えば、開示等の話をイギリスの場合に聞いておりますと、アセット・オーナーというのは背景に受益者がいるので、より丁寧に受益者に向かって、受益者というのは基本的に個人が多いということで、開示しなければならないそうです。彼らの利益というものが全面に出るわけなんですが、アセット・マネジャーのほうはやや違っていまして、お客さんということでアセット・オーナーを相当に意識しているとのことです。

ですから、例えば同じ開示にしましても、例えば議決権行使の開示等については、顧客であるアセット・オーナーが納得すればいいと考えているので、個別の開示はしないと、こういう回答をしているところもございます。顧客としての裏側に資金の出し手がいるか、あるいはそうではなくて、いわゆる受益者という直接的な投資家が後ろにいるかといったところが大きな違いではないかと存じます。一般的なご回答になりますが、こういうことでございます。

利益相反の発生でございますが、必ずしもスチュワードシップ・コードはアセット・オーナーについての利益相反を無視しているということではなくて、アセット・オーナーも含めて機関投資家にはさまざまな利益相反があるだろうということで、背後にいる企業であったり、あるいは顧客として存在する相手であったりということを想定しております。重要なのは、その利益相反がないということではなくて、それをいかに管理をしているかということの透明性を高めて説明責任を尽くすことだというようなところに議論が移っているのではないかと存じます。

○神作座長

大崎参考人、お願いします。

○大崎参考人

私から若干補足しますと、私の印象としては、やはりイギリスの企業年金はかつての不祥事などを踏まえたことだと思うのですけれども、母体企業と年金受益者の利益相反については極めて敏感な感覚を持っているなというふうに思っております。今回の調査でも、これは総合型とでもいいますか、複数の企業でつくっているある企業年金にお邪魔したときの話なんですが、そこのガバナンス担当者が自分たちは母体企業の経営によって左右されることはないと。いい一つの証拠として、ある出資といいますか、ある参加企業で、その企業の会長さんというのは、その基金の理事なんですけれども、その理事の会長としての再任提案に反対票を入れてきたところだということを言っておられまして、私なんか、これは別にその投票行動の是非はともかくとして、まさに基金のガバナンス担当者は誰が理事長であるかとか、出資企業がどこであるかというようなことに左右されることなく、純粋に自分が受益者のためになると思うことを貫いているという、そういう印象を持っております。

○神作座長

どうもありがとうございました。

ほかにご質問ございませんでしょうか。よろしゅうございますか。それでは、他にご質問等がないようでしたら、自由討議は終わらせていただきます。

続きまして、業界における取り組みの現状等につきましてヒアリングを続けてまいりたいと存じます。

それでは、まず、信託業界における取り組みにつきまして、徳成メンバー、15分程度でよろしくお願いいたします。

○徳成メンバー

三菱UFJ信託銀行の徳成でございます。本日はイギリスのスチュワードシップ・コードと関連づけながら、信託協会として、あるいは私ども三菱UFJ信託個社としての投資企業様との対話の現状等をご報告させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

お手元の資料3「信託業界における取り組みについて」という表題をご覧いただいて、1枚おめくりいただければと思います。目次でございますが、本検討会の事務局様より事前にご指示をいただいた項目について並べておりまして、この順番に沿いましてお話をさせていただきます。まず、1ページでございますけれども、「はじめに」というところでございます。信託協会では加盟傘下の信託銀行に対しまして平成15年3月に議決権行使に関する通達というのを出しております。この中で受託者の善管注意義務の観点から議決権行使にかかわるガイドラインを整備・充実すべきといったことを定めております。その後、平成21年の金融審議会金融分科会「我が国金融・資本市場の国際化に関するスタディグループ」の報告を踏まえまして、同年7月に、黄色のところでございますけれども、議決権行使にかかわるガイドラインの一層の充実とその公表、さらに議決権行使結果を集計して公表することといったことを通達で定めております。また、弊社個社におきましては、投資先企業の企業価値向上という観点から、投資者企業様との対話の充実に努めているほか、商品ラインアップにいわゆるESG(Environment、Society、Governance)ファンド、そういうものに着目して投資先を選定するといった商品を取りそろえているところでございます。

続いて2ページでございますけれども、弊社におきましては、投資先との会話は銘柄選定を行うアナリストやファンド・マネジャーによるものと、議決権行使担当部署によるものの2つのルートがございます。先ほどもお話がございましたように、同時にということもございますが、分けてお話をさせていただきますと、まず、ファンド・マネジャーやアナリスト等によるものは800社ほどの投資先のカバレッジに対しまして年間およそ5,600件程度のコンタクトを行っております。この数の中には決算説明会への出席なども含まれた数でございます。対話内容はコーポレートガバナンスに関するものもございますが、経営戦略や財務内容といった、それにかかわらず内容は多岐にわたるものがございます。

次に、議決権行使部署によるものは、年間140件ほどでございます。対話内容は、議決権行使ガイドラインというものを私どもが公表させていただいておりますので、その中身の考え方、具体的にこういうことをすると三菱UFJ信託は反対に回るのだろうかといったようなお問い合わせといったものが主となります。

続いて3ページでございますが、私どもの議決権行使の考え方でございますけれども、私どもは信託でございますので、信託の受託者はもっぱら受益者に対して忠実義務や善管注意義務などの受託者責任を法律上負っておりますので、議決権行使は受益者のために投資収益を上げることを目的に行っているということになります。そのような前提のもとで幾つか例示させていただいておりますけれども、マル1取締役の選任のことでそこにレ点で4つ書いているようなこと、あるいは退職慰労金のような問題で企業価値の毀損につながる場合、あるいはコーポレートガバナンス上問題があると判断される場合には、原則として反対のスタンスで議決権行使を行っております。

続いて4ページでございますけれども、議決権行使における弊社の意思決定プロセスでございます。ここでは、この図のマル3のところに議決権行使ガイドラインというものがございます。これは業界ベースで定められている通り、私ども各信託銀行ともホームページで公表いたしております。この議決権行使ガイドラインは社内のルールでございます。それから、その右に議決権行使会議というものがございますが、これは社内の会議体でございまして、受託財産部門長と書いてございますが、常務役員クラスを議決権行使権限者とし、私どものESGグループを事務局とする社内の会議体でございます。

流れといたしましては、まず左上のマル1の対話、日常の投資先企業様との対話結果、あるいは業績のデータといった情報を利用しつつ、議案の精査を行います。その議案の精査を行う場合には、議決権ガイドラインに照らしてその議案をどうかということで原案をつくります。そのつくった原案を議決権行使会議という社内の会議にかけます。この会議自体は私どものほかの業務、例えば貸出といった部署とは遮断をされておりますので、受託財産信託の受託者として責任を負っている受託財産部門長のもとで行われている会議でございます。この会議体で個社ごと、個別議案ごと個別議案ごと、賛成していいか、反対に回るべきかといった議決権行使の内容を決定いたします。その議決権行使の指図はマル5番でございまして、一番下の株主の名義人でございます資産管理信託銀行、マスタートラスト信託等に指示をするという形になります。

以上が私どもの流れでございます。

続きまして、お題にございましたスチュワードシップ・コード、英国の7原則に照らしまして、私どもで具体的に何をやっているかということを比較でご説明を申し上げます。5ページでございます。原則1、機関投資家はスチュワードシップ責任をどのように果たすかについての方針を公に開示すべきであるということでございますが、我が国では業者の規制法であります信託業法のみならず、一般法、すなわち私法である信託法においても信託業法と同水準の受託者責任に関する規定がございます。また、先ほど申し上げましたように、信託協会では特に議決権行使に関しましては、議決権行使に関してのガイドラインを作成し、公表すること、そしてその議決権行使結果を集計して公表することをルール化いたしております。

続いて原則2でございますが、スチュワードシップに関する利益相反の管理について、堅固な方針を策定して公表すべきであるという原則2でございますけれども、信託では業法以外に一般法にも厳しい受託者責任がございます。さらに、銀行法や金融商品取引法に基づきまして、顧客の利益が不当に害されることのないように必要な処置をとるということになっておりますので、弊社では利益相反管理方針を定めまして、これを公表し、それに基づいて行動いたしております。

続いて6ページにお進みいただきまして、原則3、投資先企業のモニタリングでございます。こちらでは、具体的に6項目の記載をいたしております。その6項目がスチュワードシップ・コードの原則に書かれておりますが、それぞれの項番の下に黒ポツで書いてあることが、私どもが実際に行動をしておることでございます。

続いて7ページにお進みいただきまして、原則の4でございまして、機関投資家はスチュワードシップの活動を強化するタイミングと方法について明確なガイドラインを持つべきであるということでございますが、これに関しましてはぴたりと当てはまるようなことは行っておりません。ただし、コードの中を読みますと、機関投資家が関与を行おうとする場合として、会社の戦略、業績、ガバナンス、報酬、リスクアプローチに対して懸念を有する場合などが挙げられるという具体的な記載がございます。このような観点で申し上げますと、私どもが議案の精査を行う段階において、資料の1、2、3で記載しておりますような場合、すなわち内部留保で必要以上の金融資産を保有しているような場合には、内部留保をどういうふうにお使いになりますかという使途について、それからマル2にございますように、法令違反等、重大な不祥事が発生した場合には、どのような再発防止策をおとりになりますかということについて、マル3の取締役の人数が多く、かつ前年よりも増加する場合については、取締役会の適正規模についてどうお考えですかといったことについて説明をご依頼いたしております。

原則5でございますが、他の投資家と協調して行動すべきということでございますけれども、弊社といたしまして、協調して行動するといったことについては、先ほど来、議論がございますように、行っておりませんが、日頃から同業他社をはじめ、他の金融機関様と議決権行使ガイドラインのあり方等についていろいろと意見交換を行っているというレベルでございます。

それから8ページにお進みいただきまして、原則6でございます。議決権行使及び議決権行使結果の公表について明確な方針を持つべきということでございますが、ここにつきましては全ての株式について議決権行使ガイドラインに基づき議決権を行使しており、信託協会の通達に沿ってガイドラインを作成し、公表し、かつ、その議決権行使結果について整理・集計し、公表いたしております。

原則7、委託者に対して定期的に報告すべきであるということでございますけれども、私どもでは議決権行使結果について、毎年、委託者様に報告を行っております。また、受託財産の運用プロセス全体につきましても、外部監査人による監査を受けておりまして、その監査結果をホームページで開示いたしております。

私どもの実際の取り組みと英国スチュワードシップ・コードとの比較は以上でございます。

最後に、9ページでございますけれども、機関投資家として資産運用や企業統治の観点から重要であろうと考えていることについて少しお話をさせていただきます。前回も議論がございましたとおり、一言で企業と申しましても、業種、規模等、さまざまでございまして、私どもが「これがガバナンス像だ」というのを一律に押しつけるわけにもいかないというふうに思います。それは大変僣越なことだと思いますので、私どもといたしましては投資先と実のある対話を行って、対話の中で個々の企業様がお考えいただいて、私どももそれを共有化させていただくということが大事ではないかと考えております。

また、もう一つの問題は株主総会の集中ということがありまして、ポツの2つ目にございますように、毎年6月に私どもの担当者は実質2週間の間に1,400銘柄の議案の精査を行うという大変過密なスケジュールで仕事をしております。ということで、こういう観点からも、普段から投資先様との対話を行っておくことが適切な判断を下すために大変有用だと考えております。

以上、大変駆け足でございましたが、私からの報告を終わらせていただきます。

○神作座長

どうもありがとうございました。

続きまして、投資信託協会における取り組みにつきまして、松島メンバー、15分程度でよろしくお願いいたします。

○松島メンバー

それでは、資料を用いながらご説明をいたします。

1ページ目のグラフをごらんください。投資信託の日本の株式の保有比率は86年から今まで、おおむね2%から4%の間で推移しております。2012年度末時点では4.5%で、この右の表にございますように、86年と2012年を比べると大きく部門の中で移動が起きておりますのは、外国法人が5.3から28%に増加したのに対して、金融機関全体では41.5から28、事業法人が30から20へと減少いたしておりまして、この2つの部門の減少幅と外国法人の増加幅がほぼ一致しております。

一方、国内株の投資金額は、平成24年度決算を集計した当初予算のデータによりますと、私募投信を含め、投信全体で17兆円でした。投信協会が別の集計方法で行ったものによれば、8月末の公募の投資信託が保有する国内株の残高というのは12兆5,000億です。そのうち8兆円がETF等、インデックス投信などのパッシブ型が保有しておりまして、残りの4兆5,000億というのがアクティブ型の投信が保有しているという状況です。

2ページに投資先企業との対話の状況について概説しております。まず、テーマですけれども、目的と性格で分類をしました。目的は大きく2つございまして、投資先企業の把握ということで、これはスチュワードシップ流に言えば、モニタリングということになると思います。短期的な状況の変化から長期の経営方針、哲学まで、チェック項目が並んでおります。

もう一つの目的は、私ども、運用会社としての投資方針の伝達ということで、これは広く言えばエンゲージメントに当たるものも多く含まれていると考えています。

3ページにお進みください。対話の方式を記載しております。イメージをお持ちいただくために、私どもの数字を申し上げます。2012年に社内のアナリストとファンド・マネジャーが説明会に参加した総数が3,480件で、こちらにあります電話取材と訪問の合計件数が6,220件で、総計が9,700件でした。今年は、7月末までの数字ですけれども、合計で5,597件です。決算等の季節要因がございますので、それぞれの月の合計を比較いたしますと、電話訪問による対話件数というのは、昨年比、私どもでは530件増加しておりまして、もっと増やしていこうと言っているところです。

当社にはアナリストが現在16名、ファンド・マネジャーが18名おりまして、企業による発表が多い月、例えば今年の5月にはアナリストが609件の説明会に参加して、一方で489件の個別対話というのをさせていただきました。ですから、合計で1,098件、そのほかにファンド・マネジャーも220回ぐらいのミーティングを持っておりますので、約1,300件くらい、月にやっているというような数字で、アナリストの一人平均でいっても70件弱ですから、相当な数になっていると思っております。企業の皆様にはこのように対話機会をご提供いただいて、大変感謝しておりますと同時に、私ども単独でもこういった数字ですから、相当にご多忙であろうかと想像しております。

3の項目は、ガバナンス関連の取り組み事例ということで、これは先ほど来、話がございましたように、投資判断を主に行う通常のアナリストに加えて、議決権行使のための担当者やチームが置かれているということを示しております。

その議決権行使についてお話をします。4ページをごらんください。投資信託委託会社では法令と自主規制団体である投信協会のルールによりまして、業界として大きな枠組みが策定されています。法律レベルで名義上の株主である受託銀行が議決権を行使するのではなくて、委託会社が指図することを規定しておりまして、投信協会の2段階のルールによって各社の体制整備の基本的な枠組みというのが設定されています。

5ページがその法律と規定を抜粋しております。

6ページがさらに細かい、投信協会の規定を受けた留意事項、言ってみればガイドラインに当たります。重要な部分に下線を引いておりますけれども、まとめますと、議決権の指図行使は受益者の利益を図るためのみに行うということ、それから、意思決定のプロセスと権限と責任の所在並びにスクリーニング基準にかかるルールをつくって開示することと。さらに、集中して開催される5月、6月の株主総会での議決権行使結果のまとめを8月末をめどに開示するというものでございます。

具体例といたしまして、ホームページに公開している当社の事例を次ページ以降に添付してございます。7ページが、いわゆる基本姿勢でございまして、先ほど申し上げた法律ルールにのっとった内容となっております。また、利益相反の防止についても、こちらの一番下のパラグラフで触れています。

ガイドライン、スクリーニング基準については8ページ目以降でご説明いたします。(1)から(8)は業績等に何らかの問題があるなど、より詳細に精査して議決権行使に臨むべきであるという基準で、9ページ以降の個別議案に対する考え方にありますように、議案の賛否を決するに当たっての基準です。

時間の都合で個々のご説明は省かせていただきますけれども、原則的な考え方としては、会社提案を肯定的に判断するというスタンスをとってはいるのですけれども、議案の主要類型ごとに、即座には肯定できないケースというのを決めております。また、申し上げたとおり、これら基準を開示しているというような構造になっております。

13ページに、この8月16日に開示をいたしました当社の5月、6月株主総会の行使結果を載せております。各社ほぼ同じような形で載せていらっしゃいます。

次に、英国のスチュワードシップ・コード7原則との比較について、14ページ以降でお話をいたします。この表は、あらかじめお断りいたしますと、複数の投資信託会社様にお話を伺って、かつ、あわせて当社の状況をもとに、私どものほうで勝手に判断をいたしました。したがって、協会全体の状況ということではなくて、あくまで事例であるとご理解いただきたいと存じます。

原則1のマル1を△というふうにいたしました。△というのは一部取り組んでいるということですけれども、コメントに記載しておりますように、能動的なエンゲージメント、協働エンゲージメントへは、取り組み状況とか姿勢が積極的に取り組んでいるとは言えないということで△にしております。

マル2の評価については、ガバナンス等については賛否の考え方を各社公表しておりますので、その意味では広くとれば基本的なエンゲージメント、働きかけというのはできていると考えております。

マル3については国連責任投資原則への署名とか、我が国の21世紀金融行動原則などへの参加によりまして一定程度補強されていると思っております。

15ページの利益相反管理については、先ほど申し上げたとおり、○でございます。

16ページ、モニタリングの原則3の中でマル1マル2のモニタリングについては、積極的に取り組みをしている、たくさん対話をしているということで、○をつけております。

マル3マル4のダイアログと確認については、網羅的に行っているかというとそうではないということで、コードをそのまま読んでの印象として△にしております。

マル5マル7はインサイダーとなって積極的に関与するということについては、それ自体望んでいないというスタンスをとっております。

次の17ページの活動を強化するタイミングと方法についてのガイドラインですけれども、ここが最もスタンスが異なっております。つまり、能動的な介入とか、他の投資家との協働介入については、現在、取り組んでいないということに加えまして、将来の実施も検討していないというような状態でございます。投信の仕組みとして、日々投資家の申し込み、解約に伴う組み入れ銘柄の売買がございますので、私どもとしてはみずから売買ができなくなるような立場、インサイダーになっていく、あるいは経営に参画していくというのは無理があるのではないかと個人としても思っております。

18ページの協働によるエンゲージメントにつきましては、先にちょっと触れました国連責任投資原則についてあわせてご説明いたしますので、一旦飛んで21ページをごらんください。21ページに国連責任投資原則を載せております。これは2006年に作成された共通のガイドラインで、こちらに記載の6つの原則によりまして、ESG、環境・社会・ガバナンスの課題を投資の中に組み込むというもので、その中に英国スチュワードシップと類似した考えを見ることができると思っております。この中で一種のエンゲージメントも奨励しておりまして、緩やかな協働のあり方というものも示されていると思います。

次の22ページにございますように、全世界で約1,200社、我が国でもこちら記載の28社が署名をしております。

23ページに、21世紀金融行動原則というのがございまして、これは我が国の取り組みで、PRIに参加していない国内金融機関への責任投資の普及を目的としたもので、一部を抜粋しております。機関投資家の運用業務における義務として、ESGの考慮、企業への働きかけを促しているということです。これら2つの取り組み事例と、先ほど来ご説明しております投資信託のルールの枠組み、これで投資家間での価値観の共有をしておりますし、また、みな同じように開示をしているというようなことで、そういった企業への働きかけを促す枠組みができていると。緩やかですけれども、協働によるエンゲージメントと考えております。

19ページにお戻りいただきまして、議決権行使につきましては、先ほど私どもの事例をご説明したので、先に進ませていただきます。

20ページ、7つ目の原則、活動の記録と報告ということですけれども、この2つの項目については、正直なところ、イギリスでの実施状況がわかりませんでしたので、控え目に△に評価をしております。

これに限らず、以上の比較は、全て我々の取り組み実績を英国との実態とではなくて、コードに書かれているものと比べたものでございますけれども、私個人としては、日本の投資信託の枠組みとしては相応の水準に達しているのではないかと考えております。

最後に、資料にはつけておりませんけれども、日本版のスチュワードシップを考える上、また、経済の発展を考える上で重要だと感じている事柄について、個人としての考えですけれども、一言述べさせていただきます。

今、申し上げましたように、投資信託の業界としては会員各社が受託者責任に立って、コーポレートガバナンスを重視した投資行動をとることを担保する枠組みというのが構築されておりますし、企業との対話というのも相当程度実施されておりますけれども、冒頭申し上げましたように、日本株式の時価の約4.5%を占めるに過ぎない割合でございますし、その3分の2ぐらいがインデックス型の投信と言えるということで、この比率に私としては課題が見えていると思っております。要するに、もっと大きなシェアをいただけるように、あるいはアクティブ型の残高を大きくしたいということで、そのためには運用パフォーマンスを積み上げていきたいと思っております。

議決権行使などのガイドラインをより厳しくするという考え方もございますでしょうけれども、資本市場の中で売買されることによって選別されるというプロセスの中にこそ、マーケット主義のダイナミズムと説得力というのがあるのではないかと思っております。例えば当社のアクティブファンドの例で申し上げますと、100億円以上のファンドで一番組み入れ銘柄数が少ないファンドは54銘柄です。中小型株に多く投資するファンドで一番多いもので276銘柄、一番大きな私どもの日本株ファンド、アクティブファンドは今、1,000億ぐらいですけれども、それでも約110銘柄ぐらいです。アクティブ運用の中でいかに銘柄選別というのが積極的になされているかという例を申し上げたいと思います。

この規模が全体として増えていくことで、資本市場、マーケットの中での企業の皆様の間の競争環境がより厳しくなりまして、それを通じて全般的な底上げにつながっていくのではないかと考えております。

それと、企業の皆様方におかれましては、やはり言わずもがななんですけれども、パフォーマンスというか業績を上げていただくということと、それから、タイムリーディスクロージャーの一層の強化というのをお願いしたいと思っております。やはり何だかんだ言いましても、対話の出発点というのは企業の皆様方からの情報発信がその原点でございます。

そういうことで、大変駆け足になりましたけれども、発表を終えさせていただきます。

○神作座長

どうもありがとうございました。

続きまして、日本投資顧問業協会における取り組みにつきまして、また、同協会における英国出張の結果につきまして、野口メンバー及び岡崎参考人、合わせて15分程度でよろしくお願いいたします。

○野口メンバー

DIAMアセットマネジメントの野口でございます。本日は投資顧問業協会におきます各種の取り組み状況などについてご説明の機会をいただき、ありがとうございます。

まず、具体的な取り組みの状況などにつきまして、投資顧問業協会の事務局に協会会員のヒアリングをお願いいたしましたので、その結果について協会事務局からご説明申し上げ、その後で私から幾つか付言させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○岡崎参考人

日本投資顧問業協会事務局の岡崎でございます。資料5をもとに説明させていただきます。

まず、表紙をお開けいただきまして2ページ目でございます。2ページ目が今回この説明をするに当たってヒアリングをした先でございまして、国内の年金基金等から日本株運用受託額が2,500億円以上の8社に対してヒアリングを行いました。ヒアリングの対象者としては、日本株の調査を行うアナリストあるいは運用を行うポートフォリオ・マネジャー、議決権行使などを行うコーポレートガバナンスの担当者、あるいはエンゲージメントの専任担当者にヒアリングを行いました。

3ページ目をごらんいただきたいと思います。3ページ目は投資先企業との対話の現状ということで、先ほど来、お話がございますが、まず、1つ目は企業業績の見通しなどについて常時、運用担当者、アナリストは企業をモニタリングし、コンタクトをし、対話を行っております。これは頻度で言えば、大まかに言って四半期に1回程度というような状況でございます。

そして2番目でございますが、もっと大きな枠組み、会社の方向性ということで、これは年に1回あるいは2回、企業のCEOあるいはCFOと直接対話をするということで、こちらは企業経営者の直接の声を聞くことができる。あるいは、運用会社が投資方針やその企業について考えていることについて直接意見を伝えることができるということで、非常に貴重な場であるという意見がございました。

3番目のコーポレートガバナンス関連でございますが、こちらは特に株主総会の前に企業が運用会社を訪問して、各議案の説明、例えば会社提出議案について賛成をしてもらいたい、あるいはこの議案についてはもっと深く知ってもらいたいという観点から運用会社を訪問して説明するということが多うございます。

そして最後に、委託者への報告でございますけれども、ヒアリングをした各社におきましては、一部の大手公的年金から年に1回、報告書を求められ、その提出後に報告書をもとに議案の賛否について理由を尋ねられるといった例がございます。

そして、下のチェックのところでございますが、特に海外の委託者、例えばスチュワードシップ・コードを導入しているイギリスの年金などから受託をしているところは、対話の現状について聞かれることもあるというような意見もございました。

次の4ページ目でございます。議決権行使に当たっての考え方、意思決定プロセスということで、こちらのページでは当協会の自主規制ルール、議決権行使にかかるルールを記載してございますが、まず、このルールが制定されるに至った背景をお話ししたいと思います。投資顧問会社が年金の運用に参入するに至った1990年、平成2年でございますけれども、この参入の際に、投資一任会社は投資を行うのに必要であれば指図権の委任を受けることができるという当時の大蔵省の見解が示されたことから、年金投資一任契約にかかる議決権の適切な行使についてという自主規制ルールを平成2年、今から20年以上前に制定いたしました。

そして、1990年代の終盤に、我が国株式市場の長期低迷などを背景として、コーポレートガバナンス向上のための手段の一つとして議決権行使が徐々に注目されるようになりました。そして、コーポレートガバナンスの確立が長期的な株主価値の向上に貢献するという考え方が主流になりまして、一部の大手年金基金では運用方針に議決権行使に関する事項を定め、投資一任会社における議決権行使について従来以上に積極的に行動するアセット・オーナーが出てまいりました。

こうしたことを背景に、当協会では平成13年、2001年の8月でございますけれども、議決権等株主権行使研究会を設置、そして翌14年に報告書を公表し、その報告書を受けて、先ほどの平成2年の自主ルールを改定し、この4ページにございますようなルール、こちらの大半が制定されたという流れでございます。

そして、このルールのポイントといたしましては、ルールの第2、議決権等行使指図のガイドラインを作成すること。ルールの第3、ガイドラインの基本的な考え方を公表すること。ルール第5の1、議決権行使指図は顧客の利益を図るためのみにこれを行うこと。そして、ルールの第6の1、議決権等行使指図の集計結果を公表すること。これらが主な柱となっているわけでございます。

○野口メンバー

続きまして、ただいま事務局からご説明申し上げました協会のルールを受けまして、DIAMアセットマネジメントにおきましても、議決権行使についての基本的な考え方や行使を行う体制、あるいはプロセスの整備を行ってまいりました。それを弊社のホームページ上で公開してございます。

資料の5ページにその一部を抜粋してございます。ポイントといたしましては、受託者責任の観点から、委託者の利益のために行使を行うこと。行使目的は投資先企業が企業倫理を遵守した上で株主利益の最大化に努め、そのための適切なガバナンス体制の構築を促すことにあること。そして、委託者の利益のみを考えて行使すること。以上でございます。

議決権行使の判断は、取締役会から権限を委任されました議決権行使委員会が行い、その構成員は運用部門の担当取締役が委員長を務め、現在は私でございますが、また、委員長が任命する運用部門所属の委員だけで構成されております。つまり、系列もしくは取引関係等を勘案して議決権行使の判断を行ったりしないようにということで、企画関係ですとかマーケティング部門の者はメンバーには含まれておりません。

具体的な行使プロセスは、この委員会で、こちらのほうに一部掲載しております判断基準に従って、全議案を個別に精査し、総合的に判断しております。なお、この過程におきまして、例えば昨年1年間ですと、もっぱら議決権行使、あるいはガバナンスにかかる目的でのミーティング等、大体年間100件ほど行ってございます。発行体企業様が私どもを訪問されてご説明いただくのが大体60件ぐらい、電話等でご説明をいただいたのが十数件、それから議案の中身に応じまして、例えば再発防止策の中身をさらに確認したりですとか、あるいは取締役の規模あるいは増員の理由について、開示だけではなかなか判断がつかないといったような場合に、さらにそれを詳しく説明いただくために、こちらから照会をかけたりとかいったような形で十数件、合わせて100件程度の対話を行っております。

○岡崎参考人

それでは、6ページ目から、具体的にスチュワードシップ・コードの原則、当協会でどう取り組んでいるかということのヒアリング結果でございます。まず、原則の1、スチュワードシップ責任をどのように果たすか、この方針を公にすべしというところでございますけれども、現在、日本にスチュワードシップ・コードはございませんが、英国版スチュワードシップ・コードの枢要な部分を占める議決権行使について方針を策定し、公表しているということで、この部分において既に対応しているということでございます。

この原則1の2つ目のチェックでございます。これは意見でございますが、議決権行使は受託者責任の観点から、投資一任契約の委託者の利益のために行使をしているので、スチュワードシップ責任を果たすことで受託者責任の一部を果たしていると捉えられるのではないかという意見が幾つもございました。

そして2番目に、利益相反の管理でございますが、議決権行使の方針に利益相反にかかる管理規定があり、公表をしております。それから、それとは別に、グループ会社としての利益相反にかかる管理規定もあるということでございました。

次の7ページ目でございます。原則の3、投資先企業をモニタリングすべき。これは先ほどの3ページ、投資先企業との対話の現状についてでもお話しいたしましたが、日常的にモニタリングを行っているということでございます。

そして、次の原則4、スチュワードシップ活動を強化するタイミングと方法について、明確なガイドラインを持つべきである。こちらは意見が2つに分かれておりまして、1つ目、企業のモニタリングは日常的に行っているので、例えば投資先企業で不祥事等が発生した場合に、特別に対話を行うとか、活動を強めるといった、適宜対応をしているという意見と、もう一つは、ROE等の収益指標において数値基準を設けて、例えば3年連続でこの水準を下回った場合には、投資先企業に警告を発するといったようなエスカレーションのプロセスを持っている運用会社もございました。

次に、8ページ目でございます。原則の5、他の投資家と協調して行動すべきというところでございます。こちらは、先ほど来、お話が出ておりましたけれども、ヒアリングした先は協調した行動はとっていない。そして2つ目、協調した行動をとるとしても、大量保有報告、重要提案行為といった法制度との関係の整理が必要であるということではヒアリング先の意見は一致しておりました。

そして、原則の6、議決権行使及び議決権行使結果の公表について、明確な方針を持つべきということで、先ほどの4ページから5ページ目でお話ししましたように、方針を策定、公表しております。そして、次のチェックポイントでございますけれども、議決権行使というのは、顧客である委託者のために行っており、行使結果、その判断理由は要請に応じて委託者に個別に開示しております。また、投資一任契約は相対の契約であるということで、議決権行使結果、すなわち顧客の財産に属する情報については個別に公表する必要はなく、また、委託者との守秘義務契約上、行えないという意見が大半でございました。

そして9ページ目でございます。スチュワードシップ活動、こちらの委託者に対する定期的な報告でございますけれども、委託者の要請に応じて適宜これらの報告を行っている。また、先ほど申し上げましたが、一部の大手年金等につきましては、要請に基づいて定期的に報告を行っている。それから、1社ございましたけれども、例えば企業不祥事等の案件によっては、その対応について委託者から要請がなくても、積極的、能動的に委託者に報告をしているという運用会社もございました。

○野口メンバー

それでは、資料10ページに、ヒアリングした結果について若干サマライズしてございます。私ども投資顧問業界では、年金基金等の委託者に対する受託者責任を果たすために、また、投資先企業の中長期的な株式価値を向上させることを目的として、企業との建設的な対話をこれまでも行ってきております。こうした、これまでの活動を背景に、英国スチュワードシップ・コードでうたわれております7原則につきましては、概ね対応が行われているものと理解してございます。

また、こうした日本版スチュワードシップ・コードの導入によって、アセット・オーナーである年金基金、アセット・マネジャーである投資顧問会社、そして投資先企業の間の相互理解が深まり、投資先企業との建設的な対話等によって株式価値が中長期的に向上することにより、全てがウイン・ウインの関係になることが望ましいという意見もございました。

ただ、先ほども触れましたが、他の投資家との協働活動、集団的エンゲージメントについて言えば、これを導入するに当たりましては大量保有報告、あるいは重要提案行為といった現行の法制度との関係の整理が必要になってくると思っております。

また、議決権行使結果の公表につきましては、現行の集計値ベースでの開示が適切であるというふうに考えております。

また、スチュワードシップ・コード以外につきましてヒアリング先から出された意見としましては、今後、企業との対話を中心としたエンゲージメント活動をより積極化させるために体制整備を行い、あるいは年金基金等から投資顧問会社の方針と異なるガイドラインに基づく議決権行使への対応などが求められるようになった場合には、今まで以上に時間と労力を要するものと考えられます。投資顧問会社におきましては、それに伴うコストの増ということも考えられます。原則として、こういったことにつきましては、お客様のほうでご負担いただきたいという意見がございました。

次に、投資先企業に対しましては、投資顧問会社が株主総会議案の内容を十分に精査して、効率的な議決権の行使を行えるよう、議決権の電子行使プラットフォームをより活用してもらいたいという意見がございます。

また、分散が図られつつあるものの、株主総会の開催日はいまだ特定の時期に集中しておりますので、十分に議案を精査できるよう、株主総会の開催日をさらに分散して、加えて招集通知を早期に発送してもらいたいという意見がございました。

以上でございます。

○岡崎参考人

時間の関係もございますが、今年の7月に英国スチュワードシップ・コード導入後の英国の状況について、当協会の岩間会長と出張してまいりましたので、その点について簡単に触れたいと思います。11ページ目をごらんください。

11ページ目が訪問した先でございまして、上の2つが大手の年金、それ以外につきましては年金の協会、あるいは生命保険会社の協会、投資顧問業協会、そしてコードを策定しているFRCを訪問してまいりました。

12ページ目が主な意見でございます。まず、1つ目でございますけれども、Comply or Explainアプローチは適切であるということを皆さんおっしゃっておりました。これはコードの内容が過大で、強制すると項目ごとに機械的なチェック、ティッキング・ア・ボックスと言っておりましたけれども、こうしたものに終始し、コードを守ること自体が目的になってしまって実効性を伴ったものにならない。彼らに言わせるとスピリットがこもったものにならないという意見を皆さんおっしゃっておりました。

そして、2番目でございますけれども、コード導入の効果ということで、まず、運用会社はみずからの運用スタイルにとって、どのようにコードを実践することが適切であるか。また、そのコードを利用して、いかにパフォーマンスに付加価値をつけるかを考えるようになり、一方で投資家はそれを見極めながら運用会社を選択できるようになった。あるいは、運用会社はコード実践の内容を顧客に対してわかりやすく報告しなければならなくなったので、年金基金等はコードの内容、委託先の実践状況について利害を意識し、興味を持つようになった。

そして、最後に3点目でございますけれども、長期的視点に立つ株主は、投資先企業の経営陣との緊張感を持った良好な関係の構築を心がけ、経営陣とゴールを共有するようになった。これらが主な意見でございます。

○野口メンバー

投資顧問業界からは以上でございますが、今後とも皆様方と日本版スチュワードシップ・コードの導入にかかる検討の議論を重ねてまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

○神作座長

どうもありがとうございました。

それでは、ただいまより自由討議に移りたいと思います。これまでのご説明に対するご意見に限らず、ご自由にご発言、ご意見をおっしゃっていただければと存じます。よろしくお願いいたします。

それでは、堀江メンバー。

○堀江メンバー

すみません、いつも最初で。

今のお話のいろいろなところに出ていたように、我々は議決権行使については多くのことをやっているというご説明がありました。この点について、ちょっと事実認識が私は違っていると思います。私も運用業界の一員という意識で言わせていただくと、我々は10年間以上、お客様に対して、これは前回、大場さんもおっしゃっていた通り、価値を破壊してきた立場にあります。実際に投資家に対してリターンを提供しなかったということです。にもかかわらず、結構やっていますというのは、話が違うのではないかなと思います。私は、第1に事実認識として、我々は投資家に対してリターンを提供してこなかったという、まずは反省がありその反省に立って、投資家責任をいかに果たしていくかということのためにこの会議をやっており、もう少し建設的な意見を言っていただきたいというのが第1点です。

さはさりながら、議決権行使に関して言うと、運用会社の立場に立って言うと、やはり信託協会からも投資顧問業協会からも話がありましたように、実際に議決権を行使できる環境が非常に日本では整っていないのが現実だと考えています。1つは集中日の問題です。もう既にクリアになっていると思うのですが、基準日と決算日を分けることによって集中を避けることは実質的に可能で、集中日は単なる慣習であり、何かリーガル的な問題があって集中しているということではないことは、皆さん事実認識として持っておられると思います。この点については、もう少し企業サイドの方に何とか働きかけをしていただけないのかなというのが1点。もう一点は、これはどのぐらい私は実質的な効果があるかはわかりませんけれども、実質株主が株主総会に参加できないというのは、企業との対話をする上で良いことではなく、実質株主の方にも株主総会に参加するような実質的な手だてが何かできないのかなということです。この2点はやはりやっていただきたい。

もう一つは、株主総会の議案の中でも、取締役の選任に関して言えば、決算と切り離して、大分前から、取締役の方に関しては根回し等しているはずですから、そういった議案についてもう少し前倒しで運用会社の方にもっと公開して議論するといった、そういった企業サイドの方にもぜひもう少し運用会社がエンゲージメントしやすくなるようなことをサポートしていただける手だてを考えていただきたいなというのが意見でございます。

○神作座長

どうもありがとうございました。

ほかにご質問、ご意見ございませんでしょうか。どうぞ、お願いいたします。

○三浦産業組織課長

ありがとうございます。経済産業省でございます。まず、ただいまのプレゼンテーション、貴重な情報、大変参考になりました。ありがとうございました。

現在行われているいろいろな取り組みのご紹介ということだったと思うので、経済産業省でも今進めているプロジェクトを一言だけご紹介したいと思います。というのも、今、堀江さんからご指摘があった点と少し問題意識が通じると思っていまして、経済産業省ではもともと企業会計とか開示の問題をずっと扱っていた文脈で、企業報告ラボというプロジェクトを進めています。そこで何を行っているかというと、まさに企業と投資家の方の建設的な対話をどうやったら促せるかということでございまして、ここにいらっしゃる皆様にも一部お世話になっています。

まさに投資家、株主と企業との間でお互いに何を聞きたいのか、何を言いたいのかということについて、もう少し円滑なコミュニケーションにならないかということでありまして、お互いに相手は何を聞きたいのかわからない、相手は何を言いたいのかわからないというふうに、ともすると思いがちなところも今まであったのではないかという問題意識に立って、まさに江口メンバー、ここにいらっしゃいますけれども、投資家の方に、今おっしゃったようにタイミングということも大事なエレメントかもしれませんけれども、どういうことを知りたいのかというのを出してもらい、企業の側もどういう発信があるのかというのを出し合って、今、出し合ったというステージでございますけれども、そういう、個社がそれぞれIRをやられていると思いますが、個別のIRの前提として、少し共通のプラットフォームで、練習試合と呼んだりしていますけれども、お互いに一般に何を求め合っているのかということについて理解を深めるような場をつくっています。

それから、あと、その仕事の一貫で、イギリスでもケイ・レビューというのができているということですけれども、まさに対話のための対話ではなくて、対話の向こう側にある、日本企業が収益力を高めていく、中長期的あるいは持続的に価値を創造していくための関係構築をもう少し広く勉強するというプロジェクトを、7月16日から開始していて、既に3回会議を行い、近日中に論点整理の内容を公表したいということでございます。

このような形で投資家の方と企業の方との間のコミュニケーションやディスクロージャーのあり方について、我々の場でも勉強をしておりまして、よい内容がまとまればこの場でも何らかの形でフィードバックさせていただければと思っております。

今日はいろいろ、そういう意味では参考になるお話を聞けたと思っておりますので、こちらでもこういったものも踏まえて進めていきたいと思います。

○神作座長

どうもありがとうございました。

ほかにご質問、ご意見ございませんか。はい、江口メンバー。

○江口メンバー

今、三浦さんのほうから、私どもがやったことに触れていただきましたので、若干それに付け加えさせていただきたいと思います。

先ほどご紹介がございましたように、企業報告ラボの活動の一貫といたしまして、エンゲージメントのやり方が双方わからないのではという問題意識があります。例えば、我々、投資家サイドとしてはこのような項目に関心を持っているというようなことを企業のほうにお伝えをする。企業のほうはそれを見ていただいて、実際には、こういうことを話せば投資家としては関心を持ってくれるし、お互いのためになるということを理解していただく。こういったことを積極的に行っております。先ほどありましたように、練習試合ということで、経済産業省の場をおかりして何社かとやっております。ここで委員になっていらっしゃる会社さんとも実はやっております。

それとは別に作業に参加した個別の運用会社ベースで、投資家がこういう項目に関心を持っているということをまとめたものを質問票と言っておりますが、その質問票に即しまして個別の会社さんと話し合い、エンゲージメントをやっています。それに関して、多分、重要なことだと思いますので一言触れたいことは、このような活動は今まであまりなされてこなかったということでございます。先週もある日本を代表するメーカーでございますけれども、CFOに1時間、時間をとっていただきまして、その会社のガバナンス体制にかかわることについてお話を伺う機会がありました。そのときに担当の部署の方がおっしゃっていたことは、そのCFOの方がガバナンス体制という観点から、投資家から訪問を受けて議論をすることは初めてであるというようなことであったと思います。

こういったことを私どもが実際に行っていく過程で、皆さん、初めての経験だったと思うのですけれども、熱心に対応していただいた。また、反応としては、非常にこれは実り多いということを会社の側の皆さんからコメントとしていただいています。そういう意味から申しますと、こういった活動がこれまでやられなかったことは全く残念なことで、これからますます盛り立てていきたい。

でありますので、今回のスチュワードシップ・コードを巡る議論も、既に萌芽的に行われているような活動をさらにどういった形で後押ししていくのか。こういった観点から議論を尽くしていければいいのかなと考えております。

以上でございます。

○神作座長

ありがとうございました。

小口メンバー。

○小口メンバー

先ほど、堀江さんから大変耳の痛いご指摘がございまして、我々、基本的に投資サイドの人間なので、結果的に、日本の企業の収益性向上に貢献できなかったということについて、まず真摯に反省しなければいけないと思うのです。あわせて、先ほどいただいた投資顧問業界の資料で説明されていなかった、12ページの最後に書いてある意見がすごく大事だと思っています。エンゲージメントについて、投資家サイドで、先ほどデータや質問票のご説明があったように、いろいろな形で取り組まれていると思うのですが、先方企業の立場に立ったときに、ほんとうに貴重な時間を費やしていただく価値があるものなのか、あるいはそれがほんとうに企業価値につながるものなのかということを常に考える必要があるんだと思います。

コードをつくるにあたり、先ほどスピリットという話がございましたけど、投資家は、企業さんといかにウイン・ウインの関係になるかということを常に考えながら、せっかく先方な重要な時間を使うということであるので、結果的にウイン・ウインになるようなことをしなければいけないということから言うと、先ほどいろいろ説明があった、何回会ったとか、まあ、それはそれで大事なのですが、やはりクオンティティーよりクオリティーが問題であって、なおかつおそらく、すべての個別の企業に何か一つの質問票でおさまる話ではないので、投資家サイドは個々の企業を十分勉強させていただいて、企業様にとってもためになるような対話をすることを促すコードをつくるということが必要だと思うのです。もともとコードをなぜつくるのかといいますと、先ほど上田さんのお話でもありましたけれども、最終的には日本経済のためになるようにということなので、その原点を忘れないように議論をしていく必要があるんじゃないかなと感じましたので、コメントさせていただきました。

○神作座長

どうもありがとうございました。

ほかにご質問はございませんか。それでは、大場メンバー、お願いします。

○大場メンバー

今の小口さんの意見に若干補足するようなことになるかもわかりませんが、1つ、2つお話ししたいと思います。

まず1つは、堀江さんのいったことにも関連するのですが、いろいろなことをやってきたんだけれども、企業の持続的成長が残念ながらこの数十年にわたって実現できていない。個別企業はともかく全体としてですね。この前提に立ってこの会議が設定されていると思うので、そこもまず原点にしないといけないのではないか。そうしますと、いろいろなことをやってきたんだけれども、やり方に工夫の余地があるのか、別の角度からの検討が必要なのかということを検証しないといけないと、こういうことではないかと思います。

その点で、じゃあ、私はどう思うかということであるのですが、前回もご説明申し上げましたように、私ども、実はエンゲージメントファンドというのを立ち上げておりまして、実際にやっているんですね。その対話をするときに非常に難易度が高いと思っているんです。それはどういうことかといいますと、上田さんの資料にも書いてあるんですけれども、エンゲージメントというのは一体どういうことをやるのかというので、11ページ目の一番初めに書いてあるのですが、企業文化や報酬の問題を含め戦略、業績、リスク、資本構造、ガバナンスの問題についてと、相当広範囲なことを全部理解してやれということですよね。これはね、相当難易度が高い。だから、ある意味では、私は、投資家のほうも相当知見が求められるということではないかと思います。

それを忘れると、実りのあるエンゲージメントにはならない。この可能性がある。ひょっとしたら、いろいろなことを、いろいろな業界がやってきたんだけれども、なかなか実績につながらないということからすると、そういったことについて工夫の余地があるのではないかというふうに思うということであります。

もう1点でありますが、それを補完するという意味でもあるのですが、私がこういうことを言っていてもあまり説得力がないかもわかりませんので、経営の神様が何を言っていたかというのをちょっと引っ張りだしてご紹介申し上げたいと思いますが、これは今から50年近く前になるのですが、経営の神様と言われた松下幸之助さんが言っていたことであります。これはPHPの本に書かれておりますので、そのままご紹介申し上げますが、「少数株しか持っていない株主であっても、会社の主人公たる株主としての権威、見識を持って、会社の番頭である経営者を叱咤激励する、こういうことが大いに望ましい。」のだと。言ってみればスチュワードシップ・コードに関連するようなことを50年前に松下さんはおっしゃっておられるわけですね。

ここで私は、この文章をすらっと読むとあまり気がつかないのかもわからないのですけれども、「権威とか見識を持って経営者とお話をする」これが非常にキーワードになっているのではないかなと思います。相当な知見が求められるという覚悟を持ってやらないと、ほんとうのエンゲージメントというのはそんな簡単なものではないよ、ということをおっしゃっているのではないかと思いますので、ご紹介を申し上げるということでございます。

以上です。

○神作座長

大変ありがとうございました。

川田メンバー、お願いいたします。

○川田メンバー

私からも企業側の立場から一言申し上げたいと思います。

前回も申し上げたと思いますが、企業側にとりまして投資家との対話というのは非常に重要であると考えております。といいますのは、上場している以上、株主総会の場で多数の株主に承認をいただく必要がありますので、株主が何を考えているのか、どういう思いで発言をされているのか、株主の意思・関心を理解したいとの思いから、あるいは株主に会社の業績について正しい理解をしていただきたいということから、投資家との対話は非常に歓迎をしているというのが現状でございます。

一方で、先ほどのどなたかの発言にも関係いたしますが、機関投資家の皆様に関心を持っていただくのは非常にありがたいと思いますが、ざっくばらんに申し上げて、あまり内容をご存じない方の質問というのが結構多くございまして、お答えする場合も、一般論でお答えするのがいいのか、あるいは個別具体的に答えたらいいのかという悩みもかなりございます。しかしながら、先ほど申し上げたように、いろいろなご意見については大歓迎ということで承っているというのが現状だということを一つ申し上げたいと思います。

それから、2つ目ですが、先ほどから株主総会の集中、あるいは招集通知の期間というお話があったわけでございますけれども、上場会社の中には株主数の多い企業も多々あり、私どもで18万人ぐらいで、これは中規模ぐらいだと思いますが、まず、株主の確定という作業がございまして、これは意外と時間がかります。基準日で株主を確定し、その集計に私どもで3週間ぐらいかかっているという現状がございます。それから、印刷物。招集通知を印刷物として発送しますが、その印刷物の作成でもやはり2週間ぐらいかかるというのが現状であり、物理的にそのような時間もかかっているのだということをご理解いただきたいと思います。

それと、連結決算になりますので、決算の集計にも、大体1カ月ぐらいかかりますし、4月末から5月の連休にかけてその集計が出てくるというようなこともありまして、そうしますとどうしても総会招集通知の発送までには相当の時間が必要となります。招集通知の発送は、総会日の2週間前、私どもは3週間前をターゲットにしており、法定期間よりも早めの発送を心掛けておりますが、さきほど申し上げた事情から、3週間ぐらい前の発送が限度かなと思っております。

それから、もう一つご紹介申し上げたいのは、招集通知を英訳し、これを参考という形で発送している会社が多くあるということでございます。これは海外の機関投資家の方に総会の内容を早めにご理解いただき、速やかに議決権の行使を行っていただきたいとの思いからであり、事業会社もこのような努力を行っているということをご紹介申し上げたいと思います。

以上でございます。

○神作座長

どうもありがとうございました。

ほかによろしゅうございますか。古市メンバー。

○古市メンバー

この検討会の趣旨にも関わる点でございますが、一点申し上げたいと思います。現状を真摯に受け止め、これまでの取り組みを一定反省し新たな取り組みの検討に活かしていくことは必要だと思います。

ただ、25 年前と比べ株価が下がっていることについて、投資家が何かをやらなかったということにその原因を求めるような議論というのはおかしいと思います。確かに、この25 年間、日本の株価は上がらなかったが、では株価が上がった市場があって、その国の投資家がしっかりしたエンゲージメントをしたから株価が上がったかというと、おそらく違うと思います。

あくまでも将来に向かって、これまでのいろいろな取り組みの是非を個々に見ながら、それを踏まえて生産的に検討していくべきであって、過去の自虐的な反省に基づいて議論をスタートするというのは、合理的な結果には繋がらないのではないでしょうか。

スチュワードシップ・コードも含め、投資家サイドの行動も重要ですが、一方で、英国のコーポレートガバナンス・コードのような企業サイドのガバナンスの議論についても、英国並みにやっているのか、海外の進んだ国並みにやっているのか、その辺も含めてセットで議論する必要があると思います。

真摯に議論することはその通りですが、これまで十分でなかったことに対して、とにかく反省から入るということではなく、日本がこれまでやってきたことの中に、英国より進んだものも十分あったかもしれないと思います。また、経営陣が基本的には長期の企業価値向上を目指して取り組んできているという日本の環境等を踏まえて議論する必要があると思います。それこそが日本版スチュワードシップ・コードの議論ということだと思っています。

○神作座長

それでは、松島メンバー。

○松島メンバー

先ほどの私の説明が、まるでスチュワードシップをつくりたくないと、もう十分やっているというふうに聞こえたら大変申しわけないと思います。投信協会といたしましては、決してそういうことではなくて、今の取り組みを英国のコードと比較すればどうだということを言っただけでございます。

そういう意味では、今、ご発言がございましたとおり、よりよいベストプラクティスみたいなものを出していくということが必要なのだろうということです。投信も先ほど申し上げましたように、より大きなシェアを占める、よりアクティブなファンドを皆様にご信任いただいて、買っていただけるようにという目標を通じて、日本の企業の底上げをしたいと私は思っていると申し上げました。今の状況で全ていいんだという意味ではなく、比較において、日本の中で各業界が法律とかルールをつくって、それなりにまじめにやっているという状況をまずご理解をいただいた上で、補強するものをつくっていきたいと、そういう趣旨でございますので、よろしくお願いいたします。

○神作座長

野口メンバー。

○野口メンバー

すみません、今と同じようなことになるかと思いますが、私どもも、今やっていることについてご説明したところですが、おそらく、小口さんですとか大場さんからお話がありました様に、対話のクオリティーが確かに問われているのだろうなと思います。そこについてどういうふうにやっていったらいいのか。基本的には企業も私ども投資家も、中長期的に企業価値が増大すること。それに伴って株価が上昇し、プランスポンサーですとか受益者の方にリターンを提供できるようになること。そうできるのが望ましいことだと思っております。

ただ、先ほど古市さんからもお話がありましたとおり、あまり過去20年間の、4万円の日経平均が2万円あるいは1万円を割るところになったところを全て投資家だけというのは。やはり、我々、市場に参加する者、発行体企業、機関投資家、それからそこに資金を提供する方、これ、みんなでやっていかなければいけないことだと思います。どこか1つだけがおかしいとか、どこか1つだけがすごくいいということは恐らくないと思います。そういうことで、日本版のコード導入に向けて議論が深まっていけば非常にいいなと思います。よろしくお願いいたします。

○神作座長

どうもありがとうございました。

よろしゅうございますか。

それでは、本日いただきましたご説明やご意見等は、今後の具体的な検討に当たっての参考とさせていただきたいと思います。

次回も引き続き関係者からのヒアリング等を行いつつ、議論を整理してまいりたいと存じます。

最後に事務局のほうからご連絡等ございましたらお願いいたします。

○油布企業開示課長

次回のこの検討会の日程について申し上げます。後日改めて事務的にご案内させていただきますが、10月18日、金曜日の15時を一つの候補として想定させていただいております。

○神作座長

どうもありがとうございました。

それでは、本日も若干延長いたしまして大変申しわけございませんでした。以上をもちまして本日の会議を終了させていただきます。まことにありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)

総務企画局企業開示課

(内線3836、3671)

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