日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会(第3回)議事録

1.日時:

平成25年10月18日(金)15時00分〜17時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 共用第一特別会議室

○神作座長

それでは、定刻となりましたので、ただいまより日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会(第3回)会合を開催いたします。皆様、ご多忙のところご参集いただきましてまことにありがとうございます。

それでは、早速議事に移らせていただきます。本日はまず、前回に引き続いて、機関投資家による投資先企業に対する関与のあり方に関し、業界における取り組みの現状等についてヒアリングを行いたいと存じます。今回は、生命保険協会から古市メンバー、企業年金連合会から濱口メンバーよりお話を伺います。

本日は、このお2人の方々からご説明いただいた後、当該ご説明の内容につきまして質疑応答を行いたいと思います。その後、日本版スチュワードシップ・コードの策定に向けた検討のポイントにつきまして事務局からご説明をお願いします。そして、事務局からのご説明の後に再度、自由討議を行うという流れで議事を進行してまいりたいと思います。

それでは、早速ヒアリングに移らせていただきます。まず、古市メンバー、15分程度でご報告お願い申し上げます。

○古市メンバー

本日はヒアリングのお時間を頂き、ありがとうございます。

それでは生命保険業界における取り組みについて、ご説明いたします。まず、資料の1ページ目にお進みいただき、目次をご覧ください。

はじめに、我々の資産運用の特徴等について、ご説明し、ご理解頂いた上で、投資先企業との対話の現状など、事務局から事前にご指示のあった項目に沿って、業界全体や弊社の取り組みをご説明いたします。それでは、2ページ目にお進み下さい。

まず、生命保険会社の資産運用の特徴の1点目は予定利率に見合う安定収益の確保です。生命保険会社は、将来の保険金支払いに備え、お客さまからお預かりした保険料を、責任準備金として、積み立てています。その保険料は一定の予定利率で割り引かれているため、それに見合う安定収益をあげる必要があります。

特徴の2点目は生保資金の長期性です。生命保険契約は、20年、30年、また終身などの長期に亘る契約が中心であり、この期間、保険契約者に対する保険金支払いを保証する必要があります。こうした負債の特徴を踏まえると、生保の運用においては、短期の利益ではなく、長期に安定した利息や配当の受け取りに繋がる、公社債投資・融資・株式投資等による資産運用を行うことが重要ということになります。

次に、そのうちの生保会社の株式投資の状況について、ご説明いたします。3ページ目をご覧ください。

生保会社の資産アロケーションにおいては、近年ALMやリスク管理の進展に伴い、公社債投資が増加する一方、株式投資の占率は減少しています。そして、この表にありますように、投資家全体に占める生保会社の株式保有の割合も低下し、かつて12〜13%ありましたが、平成24年度末時点で4.1%となっております。ただ依然として市場の一角を占める存在でもあります。

これらを踏まえていただいた上で、株式投資に係る投資スタンスについて、弊社のケースでご説明いたします。次の4ページ目をご覧ください。

弊社の株式投資スタンスとしましては、1点目が、先程述べた生保事業の負債特性や公共性に鑑み、長期投資・分散投資等を基本とし、日本経済・社会の健全な発展に資する投資を心掛けること。2点目が、 収益性が高く継続的な成長が期待できる企業や、株主への利益還元に前向きに取り組んでいる企業等に投資を行うこと。3点目がそうした投資先企業の企業価値向上の果実を、中長期にわたり安定的に配当などの形で株主として享受し、それを契約者に還元していくこと、としております。

このような短期のトレーディングをするのではなく、長期の株式投資を行うに当たっては、企業価値向上に向けた投資先企業との対話が重要となってまいります。その取り組みについてご説明いたしますので、次の5ページ目をご覧ください。

投資先企業との対話についてですが、まず、生保業界全体での取り組みとして、生命保険協会において、昭和49年より39年間に亘り、毎年実施している株主価値向上に向けた調査をご紹介します。

この調査は、企業と株主が十分なコミュニケーションを行いつつ、課題の共有化とともに長期的な視点で株式価値の向上が進むことを目指しております。また投資先企業が膨大な数に及ぶ中、業界が一丸となった効果的な取り組みと考えています。

昨年度でいいますと、上場企業1,129社と投資家144社を対象に多岐に渡る質問項目を設定し、アンケート調査を実施しました。この調査結果を踏まえ、協会では、投資先企業に対する中期経営目標の設定・公表や適切な株主還元等の要望を策定・公表しています。

また対象となっている上場企業等に報告書を送付するなど、企業に対する働きかけを積極的に実施しています。もちろんこれだけの成果ではありませんが、例えば、中期経営目標の公表を行う会社も近年増加している等の成果も得られています。

このような投資先企業へのアンケート調査に基づく分析やそれを踏まえた企業への働きかけは、知る限りでは欧米等では行われておらず、ある意味ユニークで先進的な取り組みかと、思っております。

6ページ目にお進みください。

次に、弊社、日本生命の取り組みについてですが、大きく分けて、日常的な対話と議決権行使における対話がございます。

日常的な対話については、左下の箱に記載のとおり、企業訪問や決算説明等のタイミングで、直接ミーティングを実施しており、経営全般に係る項目や懸念事項、リスク等について、対話を実施しております。

また、議決権行使における対話については、右下の箱に記載のとおりですが、詳細は次ページでご説明します。

7ページ目にお進みください。

最初に、弊社の議決権行使に関する基本的な考え方についてご説明いたします。

まず、定型的・短期的な基準のみで画一的に判断するのではなく、プロセスにおいて個々の企業との対話に努め、企業価値向上や株主還元向上に向けた課題意識を共有すること、次に、個々の議案を精査する中で、例えば、法令違反など株主利益を毀損していると危惧される場合等には、対話等を通じて、株主として必要な働きかけ等を行うこと、対話を行っても改善が見られない場合には、議決権行使による意思表示や、投資対象からの除外を行うこと、を基本的な考え方としております。

次に、具体的なプロセスについてご説明します。次の8ページ目をご覧ください。なお、この「考え方」「プロセス」ともにホームページで公表しております。

弊社では、議決権行使のためのガイドラインを独自に策定しており、株式を保有する約2,500社全ての企業の議案に対して、当該ガイドラインに基づき議決権を適切に行使しております。

具体的には、図の中ほどに記載のとおり、投資先企業の議案について、まずガイドラインに基づき、剰余金処分や役員報酬の水準、定款や株主構成の変更など多様な項目について、スクリーニングを行ないます。

次に、このスクリーニングの結果、抽出された議案について、精査し、ただすべきものは企業にヒアリングをかけ、それらを踏まえ、各議案について、賛同するか、不賛同するかの最終決定をしております。

なお、保有する全企業の議案について、こうしたプロセスをとっているので、当業務には多くの時間と労力を割いております。株主総会が6月に集中するので、例えば、6月単月で弊社職員が議決権行使関連業務に割いている時間は、あくまで概算ですが、延べ4千時間を超える水準に達しております。

大事な対話プロセスであると認識していますので、引き続き丁寧にやってまいりますが、できれば株主総会の集中緩和を期待するところであります。

9ページ目にお進みください。

続きまして、スチュワードシップ・コードの7原則について、我々の取り組みとの比較を行ってまいります。これまでの説明と一部重複する部分がありますが、ご容赦下さい。

まず、原則1については、我々の取り組みとして、議決権行使に関するガイドラインを作成するとともに、「考え方」について大手社を中心に公表しております。

次に、原則2につきましては、保険業法に基づき、利益相反管理方針を定め公表しております。

また、原則3につきましては、アナリストが投資先企業の業績、ニュース等をモニタリングしたり、各層での対話を通じ、企業の経営課題やリスク等を確認するなどしているところです。

10ページ目にお進みください。

原則4につきましては、増資や不祥事の発生等、中長期的な観点から株式価値の毀損が懸念される事態が判明したタイミングで、必要に応じ対話を実施し、改善に向けた取り組みを働きかけております。

さらに原則5につきましては、冒頭にご説明いたしました株式価値向上に向けた業界としての取り組みを実施しているところです。

11ページ目にお進みください。

原則6につきまして、議決権行使に係る方針を公表し、また全ての保有株式について、詳細なガイドラインに基づき議決権を行使し、必要に応じ精査・対話をし、その上で不賛同とした事例等につきましては、ホームページにおいて公表しております。

最後の原則7につきましては、弊社では、原則6におけるホームページの掲載内容について、適宜更新しております。

最後、12ページ目をご参照下さい。我が国資本市場と日本経済の中長期的発展のために必要と考えている事項について、僭越ですが投資家としていくつか付言させて頂きます。

まずは、現在の各機関投資家が工夫し取り組んでいる多様な試みを推進することが重要ではないかと思います。

自分たちの例で恐縮ではありますが、生命保険協会における投資先企業へのアンケート調査やそれに基づくコミュニケーションといった取り組みはこれまでもやって参りましたが、まだ改善の余地は十分にあるかと考えております。内容やフィードバックの仕方、アピールの仕方などをさらに改善することで、中長期的な企業価値向上に資することができるのではないかと思います。

次に、企業と機関投資家のコミュニケーション環境の改善です。

先ほども触れましたが、6月の株主総会が集中していることが、円滑な企業との対話や議決権行使の妨げになっているため、開催日の分散等による環境改善が必要と考えております。

そして今我々が議論している日本版スチュワードシップ・コードが意義あるものとする為に、より多く幅広い投資家の参加が大前提で、その為にも、より多くの機関投資家が合意できる原則とすることが必要であると思います。

つまり、日本版コードの詳細について定めていくのではなく、コードにその“スピリット”というか“プリンシプル”というのか、つまり大きな幹の部分がしっかり反映されていることが、より重要と考えます。

最後に、日本版のコードの検討にあたっては、経済財政諮問会議の議論を踏まえることとされていますが、その中間報告書においては、実体を伴わない短期的な利益のみに偏りすぎず、持続可能な経済社会を実現することが重要とされております。

我々も日本版のコードを通じて、企業への中長期の資金供給により、そのような社会の実現を支援すべきと考えます。

以上でご説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。

○神作座長

どうもありがとうございました。

それでは、続きまして濱口メンバー、同じく15分程度でご説明をお願いいたします。

○濱口メンバー

それでは、2ページ目を開けていただきまして、本日ここでは企業年金におけるガバナンス活動への取り組みに際して、幾つかの制約があるということについてコメントさせていただきたいと思います。ここで企業年金と言っていますのは、小規模なものも含めて、約1万5,000基金ございまして、その基金のこと、それから、その年金基金を会員とする、また、みずからも年金資産を運用している我々企業年金連合会、その両方の立場、状況を交えてお話しさせていただきます。

まず、コスト負担、人材整備の限界についてでございます。大半の企業年金の運用担当者は、実は1名しかおりませんで、企業年金連合会は運用資産も大きいので、担当者は数十名おりますが、それでも欧米の年金に比べれば、運用業務の費用、人材は母体の企業もしくは基金理事会、厚生労働省から、予算面で厳しく制限されているという実態がございます。

そうした環境の中で、費用対効果がはっきりせず、いわゆるフリーライダー問題もある本件にアセットオーナーとして直接取り組むことは、直接的な効果が期待できるほかの運用業務と比べて、やはり受託者責任の観点からも優先度は低いと考えております。それでも、不十分な体制で直接取り組もうとすると、企業との対話はどうしても表面的、形式的な側面にとどまらざるを得ませんので、その効果は限られるのではないでしょうか。英国スチュワードシップ・コードにあるような積極的な企業への監視、経営関与、エンゲージメントなどは、現在の体制では非常に難しいと言わざるを得ません。

次のページに移ります。

また、企業年金は母体企業と一体となって、年金財政健全化に取り組んでいく必要がございますので、その点では本件への取り組みに際しては、どうしても利益相反の発生が出てきます。結果として、その活動は効率が悪くなるということです。欧米でも私的企業年金の本件への取り組みは概して消極的で、一方で公的年金が積極的であるというふうに理解しています。

そうした環境の中で、アクティブ運用を委託しているアセットマネジャーに対しては、議決権行使を含むガバナンス活動を求めており、マネジャー側も、ここでご説明がありましたように、対応してきていただいているというふうに理解しています。

一方で、低コストがメリットであるパッシブ運用については、投資先企業が数千と多数にのぼり、それをすべてカバーするのはコスト面での制約が大きいので、費用対効果を勘案しながら取り組んでいるというのが実情です。我々、企業年金連合会の場合で言いますと、インハウスでパッシブ運用をしておりまして、企業業績を重視した議決権行使基準を策定し、投資業務の一部を外部委託いたしまして、業務の効率化を図りながら取り組んでいるという状況です。企業との直接対話も、限定的ですが実施しております。

以上が企業年金の状況ですが、それとの比較で公的年金における取り組みについて少しコメントさせていただきます。企業年金に比べますと公的年金は圧倒的に規模が大きいということで、GPIF、それから国家公務員共済などの3共済の4団体の合計でも150兆円ございまして、企業年金は、先ほど言いました、1万5,000基金合計でも80兆円。その中の最大の我々企業年金連合会でも10兆円にとどまっているということです。

したがって、公的年金のほうが、先ほど申し上げた、人材、体制整備にかかわるコスト負担力も大きいはずですし、議決権行使や対話の影響力も大きいと思われます。また、企業年金と違い、先ほどご説明した利益相反発生の可能性も少ないのではないでしょうか。よく政府による企業経営の介入の可能性が懸念点として挙げられますが、独立性の高い理事会による監督など、受託者責任を全うするためのガバナンス体制を整えられれば、そのような問題は回避できるのではないかと思います。

したがって、欧米と同様にGPIFや共済などの公的年金は、本件などのガバナンス活動の強化を検討される余地があるのではないかと思います。ただし、その際には、費用対効果、すなわちそれをやることで運用利回り改善への効果がどの程度あるかについては十分に吟味される必要があると思います。

続きまして、次のページですが、何か市場機能の改善策について意見があればという事務局からのご依頼ですので、少し私見を述べさせていただきますが、最初のポイントは持ち合いについてです。日本の株式市場全体の平均的なパフォーマンスが欧米に劣るのは、当然、優良な企業が数多く存在する一方で、長期にわたり業績も株価も低迷している企業も多いというのが原因の一つではないでしょうか。それは例えば簿価を大きく割れるような低株価が続いても、株主総会で会社提案議案が否決されたり、もしくは買収されるといった脅威が少ないのが一つの原因ではないかとも思います。

さような例えば業績が非常に悪いような企業に対する機関投資家の議決権の反対行使比率というのは、一部ここでご紹介がありましたけれども、相当に高いのですが、現実には、過去、否決された議案がほとんど皆無に近いということでして、これは一体どういうことなのかということを考えますと、私の推測ですが、いまだに、いわゆる持ち合いが着実に行われていることが一つの原因ではないかと思います。確かに、先ほどもご説明がありましたが、銀行、生保などの保有比率は下がっている一方で、事業法人の保有比率は20%強と高どまりしております。これは全体の平均ですから、中には相当高い会社もあるのではないかと思われまして、そういう状況が確認できれば、これはいわゆる経営陣による株主の選択に当たるわけで、いろいろ市場機能への問題が大きいというふうに考えられれば、こういう持ち合いに対する新しい規制というものが何か検討できないのか、検討する余地はないのかというふうに思います。

英国スチュワードシップ・コードにあるような積極的な対話、経営関与は、一方で株価低迷による脅威が市場の通常の機能として存在して初めて有効なのではないでしょうか。そのよい意味での脅威がないと、我々も過去やっておりましたが、なかなかそういう企業とは対話にも入れないという実情がございます。対話に積極的で、優良な企業とはさらに業績を上げていくためにどんどん話せばいいと思いますけれども、そことだけと対話を重ねていても、市場全体の底上げに対しての効果はあまり期待できないのではないかと思います。

続きまして、買収防衛策の制限についてコメントさせていただきます。金商法などで市場としての適切なルールが整備されているにもかかわらず、また、これもご紹介がありましたが、大半の機関投資家が反対しているにもかかわらず、いまだに500社を超える企業が導入している買収防衛策は、実際に発動された件数というのは極めて限られているわけですが、業界再編や外資の算入に対する暗黙の障壁になっている可能性があるのではないでしょうか。政府方針でもある、対内投資促進のための象徴的な意味合いも込めて、法制面で難しいことはあると思いますが、何らかの制限を加えることは検討できないのか、検討の余地はないのかと思います。

最後に、これは全く違った観点のコメントですが、機関投資家のパッシブ運用インデックスの変更の可能性についてコメントさせていただきます。一般に、機関投資家はTOPIXを使用しておりまして、これはご存じのように、全千七百数十銘柄ということで、同様のインデックスは米国ではS&P500ですし、イギリスではFTSE100、ドイツではDAX30ということで、主要国のメインのインデックスと比較しても、日本の市場規模に比べて明らかに銘柄数が多過ぎるということです。日本の日経平均はいわゆる時価総額加重平均ベースではないので、パッシブ運用では使いづらいというか、使えないわけです。

残念ながら、ほかにパッシブ運用で使える適切なインデックスがないので、我々機関投資家は、ある意味でやむを得ずTOPIXを採用していますが、下位銘柄の流動性や価格への悪影響、結果としては発行企業への規律の問題などが大きいのではないでしょうか。

したがって、銘柄数を大幅に絞り込んだインデックスの開発が望まれますが、当然、パッシブ運用に適した透明度の高いもので、先ほど言いました、時価総額加重平均、かつ浮動株比率の調整つきであることが必要ですし、これは非常に重要なことなんですが、パッシブ運用のリバランス、売買等の便宜上、流動性の高い先物市場が並行して創設されることが不可欠です。先ほど言いました、アメリカ、イギリス、ドイツ、これは先物市場のメインとしてこういうインデックスが取引されているということです。

次の最後のページに移りますが、優良銘柄を絞り込んだインデックスという点では、東京証券取引所がガバナンスなどの定性評価を織り込んだインデックスを検討しているというふうに一部の報道機関で報じられておりますが、それはそれで結構だと思いますけれども、パッシブ運用ということで言いますと、単純に時価総額、つまり株価が上がれば、インデックス構成銘柄に入ると、こういう単純な競争を発行企業がしていく仕組みがよりふさわしい、適切ではないかと思います。

ただ、そういうインデックスの開発のためには、金融当局、証券取引所、証券業界、それから投資顧問業界、投信業界、信託業界、それから年金業界、全ての関連業界が合同して検討に当たる必要がある。実は昔、企業年金連合会が銘柄を絞り込んだインデックスを使って、今でも使っているんですけれども、これがなかなか広がらない。それは先物がないとか、いろんな理由があるわけですけれども、全ての関連業界が、金融業界が一丸になってやる。それぞれしがらみがございますので、そこを解きほぐしてやるという意志がないと、なかなかそういう面でできないのではないかと思います。

以上です。

○神作座長

どうもありがとうございました。

それでは、ここで一旦、自由討議に移りたいと思います。ただいまの古市メンバー及び濱口メンバーからのご説明につきまして、メンバーの皆様からご質問、ご意見等がございましたら、ご自由にご発言を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。橘・フクシマメンバー、お願いいたします。

○橘・フクシマメンバー

大変単純な質問で恐縮ですが、生保で実際に議決権行使をされて、ノーを出される企業の割合、それから、そのリストを公表される割合というのは、どのくらいでしょうか? また、傾向として、ここ10年で増えてきているのか、それとも減ってきているのか、全体の中で何割ぐらいになるのか、実際にどのぐらいの企業がそういう形で結果的に評価されているのかを知りたいのですが。

○古市メンバー

質問のご趣旨は、生保がノーと言っている率のことでしょうか。

○橘・フクシマメンバー

そうです。

○古市メンバー

生保業界全体としては、各社が数字を出していないのでトータルの数字はございません。逆に質問させていただきたいのですが、その数字を把握することでどういう興味があるのかをお聞かせいただけますでしょうか。

○橘・フクシマメンバー

実際にどのぐらいの企業が、ふさわしくないと思われるような行為をしているのかに関心があります。まず最初には対話に持っていかれて、それで改善しない場合には次の段階で議決権を行使されるというご説明でしたので、実際に対話の段階で修正をしている企業と、対話後もし続けて、対話の効果がなかったというのと、日本企業で今、投資されているところでどのぐらいの割合があるのか知りたかったんです。

○古市メンバー

趣旨は理解いたしました。ただ、対話の深さ、程度が重要であって、トータルで反対票の数を足し算して意味があるのかというとなかなか難しいと思います。例えば、30%の反対票を投じる機関投資家は20%の反対票を投じる機関投資家よりも「良い」という評価ができるのかはわからないと思います。その反対票に価値観があってそれが明確であれば、そういう数字にも意味があるのかもしれませんが。

○橘・フクシマメンバー

私が伺いたいのは、どのアセットオーナーやアセットマネジャーが、どのくらいの割合でポリーシングしたかという成果を比較して、成績をだすことではありません。実際、日本企業全体を考えたときに、海外の投資家から見て、例えば不祥事が多いですとか、少ないですとか、そういったような議論がなされる中で、実際のところはどうなのかというのを知りたいんですね。

私自身、第一回の会合で発言させていただきましたが、日本企業は比較的まじめなところが多いという印象を持っているのですが、ただ、気がつかずに不祥事を起こしている企業もあり、それは気がついてやっている確信犯の企業とでは雲泥の差があります。それを早い時点で、アセットオーナーやアセットマネジャーが指摘をすることでどれだけ「あ、すみませんでした。気がつきませんでした」といって修正をしている企業があるか。そして、それを知っていても「いいんです」と言ってやる確信犯の企業と、それから、その前に適切にガバンしている企業との割合を知りたいということです。例えば社外役員の立場からするとガバンすることが役割になりますので、実際どのぐらいの割合が確信犯かということでご質問させていただいています。

○古市メンバー

冒頭に申し上げた通り、生保業界全体としては、各社の開示状況が違うため、統計はございません。

個社の話をさせていただくと、対象となる約2500社の精査を実施しております。約2500社のうち、約800社について再度検証し、そのうち半数強についてヒアリングを実施しております。その対話によって、我々の評価として不満足となるのは、1割未満です。対話によって方針を変更する企業やそうでない企業があるし、方針を変更しない企業でも、例えば、今期は配当を出さないがその原資を長期の設備投資のために使うとか、ガバナンスについても、不祥事は別として、それ以外に体制が不十分ということがあっても再発防止策がしっかりしているとか、そういう説明が十分に聞けて我々が納得すれば賛同することになると理解しています。

○橘・フクシマメンバー

ありがとうございます。

なぜ伺ったかといいますと、ソフトローにするのか、ハードローにするのかという判断は、どのぐらいの割合の企業が実際にそういう対象になるのかによりますので、データとして知りたかったので伺いました。ありがとうございます。

○神作座長

ほかにご質問はございませんか。小口メンバー、お願いします。

○小口メンバー

私のほうは濱口メンバーの資料に対しての1つ、意見と申しますか追加部分と、それから、2つ目は質問なんですけれども、1つ目は、買収防衛策についておっしゃった部分は、私も全く同感で、特に私どもの顧客である海外の投資家がほとんど反対しているのですが、実際にはほとんど通っていると。以前、雑誌を見ていましたら、議決権電子行使プラットフォームを提供するICJによるペーパーで、2012年の6月総会について、議決権電子行使プラットフォームに参加されている企業に対する議決権行使、数は400社ちょっとらしいのですが、時価総額では70%ぐらいを占めているのでかなりカバーリングが高いと思うんですが、そこで国内の機関投資家と海外の機関投資家が、この買収防衛策についてどういう判断をしたかデータがありました。これは電子情報なので、もう集計も何もなく、ほんとうに機械的に出てきた数字だと私は理解しているのですが、国内の機関投資家で40%、海外で9割、90%が反対していると。なのに、さきほどの濱口さんの話で、通過しているということは賛成されている方の方が多いということです。別に賛成すること自体がいけないということじゃないんですが、やはり、透明性を高める中で、機関投資家として買収防衛策等に議決権行使をされている方々の考え方みたいな部分がクリアになれば、もう少しこの辺の議論も深まるのかなと思ったのが1点目の意見です。

2つ目は質問なんですが、先ほど濱口メンバーがおっしゃっていた、コスト負担とか人材の限界、これはおっしゃるとおりだと思うので、それを前提としてお伺いしたいのですが、もし日本版スチュワードシップ・コードができたときに、イギリスのスチュワードシップ・コードの適用のところの7番を見ると、アセットオーナーがコミットメントする方法は2つあると書いてあって、会社との直接的なエンゲージメントもあれば、運用委託を通じた間接的なものもあると。まあ、両方があるということなんですが、日本でスチュワードシップ・コード原則というものが実際に企業年金に適用された場合は、そうすると、後者のアセットマネジャーに対する運用委託の中で、こういったことをやってくれとか、あるいはこういったところをやっている運用会社を中心に選定するといった形で日本版スチュワードシップ・コードに関与していく、あるいは貢献していく方向というのはあり得るんでしょうか。

○濱口メンバー

それには特に異議はございませんが、アセットオーナーとしても直接の活動は続けますから、そういう意味ではコードの一部については直接できると思います。ただ、費用対効果を考えながら。

一方のマネジャーのほうには、今、各アセットマネジャーからどういう行使をした、どういう対話をしているというヒアリングをずっと逐次、毎年やっておりまして、その中でより積極的にやっていただくという働きかけをするということはあると思います。アセットマネジャーといっても、例えばうちだけでも何十とありますので、そういう活動を特に積極的にして、運用成果に結びつけるような、そういう機関もありますから、それぞれのマネジャーの得意分野、フォーカスを当てた活動のところについて議論をして、そこに委託をする形で、その活動を支援していくことも考えられます。これは運用利回りに結びつくというところが非常に重要な前提ではありますけれども。

○神作座長

ほかにご意見、ご質問ございますか。

よろしゅうございますか。

○古市メンバー

先ほどの発言の中で対話によって、我々の評価として不満足となるのは1割未満と申し上げましたが、これは直近の数字であり、数字自体は年によって変わるということを申し添えさせていただきます。

○神作座長

どうもありがとうございました。

ご意見、ご質問、よろしゅうございますか。

ありがとうございました。

それでは、続きまして、日本版スチュワードシップ・コードの策定に向けた検討のポイントにつきまして、事務局からご説明をお願いしたいと存じます。お願いいたします。

○油布企業開示課長

それでは、資料3をご覧いただきたいと思います。これは、日本版コード策定に向けた検討のポイントということでございまして、あくまでポイントという趣旨でご理解いただければと存じます。

それでは、この後、ご意見いただく時間をたくさん取るために、少々早口かつ、場合によっては省略しながらの説明になりますけれども、ご容赦いただきたいと思います。1ページをご覧ください。

まず、コードの前文に当たる部分についてでございます。1ページ目の(1)日本版コード策定の経緯・目的というところでございます。閣議決定されております日本再興戦略では、企業の持続的な成長を促す観点から、幅広い範囲の機関投資家が企業との建設的な対話を行う、といったことが書かれてございます。

2つ目の丸になりますが、英国コードでも、スチュワードシップの目的につきましては、資金の根源的な提供者も繁栄できるような方法により、会社の長期的成功を促進することになると書かれております。それから、実効的なスチュワードシップは、会社、投資家、経済全体に恩恵を及ぼす、という記述がございます。

3つ目の丸になりますが、両者の記述は互いに矛盾するといったものではないと考えられますので、日本版コードの策定に当たっては、この両者の趣旨を踏まえたような内容を盛り込むということが一つ考えられるかということであります。

(2)が「スチュワードシップ責任」という、この表現についてでございます。1つ目の丸ですが、英国コードは、直接的な委託・受託関係を基礎とする狭い意味での受託者責任のみではなくて、より広く機関投資家が運用する資金の根源的な提供者に対する責任も含むという意味で、あえて「スチュワードシップ責任」という表現を使っております。

2つ目の丸ですが、ただ、この表現はなかなか日本ではなじみもございませんので、例えばということですが、日本版コードでは、これと同様の範囲を示すものとして、「機関投資家としての責務」といった表現を考えられないかと。ここもいろいろとご意見、お知恵を拝借したいと思っております。

以下、便宜上、「機関投資家の責務」という表現で、この下の資料は作っております。

2ページ目の(3)になりますが、コードの対象とする機関投資家であります。1つ目の丸ですが、日本版コードもソフトローということで、法的拘束力がございません。いわば法令のように適用範囲を必ずしも明確に定義しなければいけないというわけではないと。このため、むしろより幅広い主体がこのコードを受けることが可能となるように、適用対象である機関投資家の外縁はあえて明確にしない、つまり定義は置かないということが考えられるのではないかと。注にありますように、英国コードも同じような仕組みになっております。

2つ目の丸ですが、機関投資家として求められる役割は、資産保有者としての機関投資家、すなわちアセットオーナーと、資産運用者としての機関投資家、アセットマネジャー、これでおのずと異なる場合があろうかと思います。このため、日本版コードでも必要に応じて両者の書き分けを行うということが考えられるかということでございます。注書きのように英国コードでも、こうした書き分けが行われております。

3つ目の丸になりますが、議決権行使助言会社や投資助言会社、これはもちろん機関投資家ではございませんけれども、機関投資家が議決権行使、あるいは投資戦略の決定といった面で、機関投資家としての責務を果たすに当たって大きな影響力を持っております。こうした点に鑑み、この両者につきまして、日本版コードの拡大適用が想定される旨をコードに記載することが考えられるのではないかと。注書きにありますが、英国でも同じアプローチをとっております。

資料をおめくりいただきまして3ページをご覧ください。

機関投資家としての責務を果たすためには、ある程度のコストが発生するということですが、このコストはその機関投資家の規模や運用方針によって受容水準が異なるということが考えられます。このため、コード履行の態様は機関投資家の規模や運用方針により差があり得る旨を記載するということが考えられるのではないか。注書きには英国コードが引用してありますけれども、「コードの全てがあらゆる署名機関にあてはまるものではない」という旨の記載は、英国コードにもございます。

それから、国内外の別ですけれども、閣議決定されました日本再興戦略では、企業の持続的な成長を促す観点から、日本版コードを策定といったことが示されております。このため、日本版コードは、日本企業の持続的な成長を促すという観点から、日本株に投資する機関投資家を念頭に置いて策定したものである旨をコードに記載することが考えられるのではないかと。注書きですが、英国コードも、英国株に投資する機関投資家を対象としております。

4ページですが、位置づけ等でございます。まず、1つ目の丸です。英国コード同様に、マル1といたしまして、まず、コードを受け入れるかどうか、イギリスで言いますと、Signatoryになるかどうか。

2つ目の丸ですが、また、そのコードを受け入れる者も、全てを遵守する必要があるということではなく、遵守しない原則等があれば、その理由を説明すれば足りると。これはComply or Explainでございますので、この2段階アプローチをとるということが考えられるのではないか。

次の丸でございます。これは日本版だけのアイデアということになりますけれども、記載事項の全てをComply or Explainとするのではなく、マル1遵守しない場合に説明を求める事項、例えば語尾を「〜すべきである」というふうに記載するということが考えられるかと思います。それと、マル2にありますように、先進的な取り組み、あるいは現時点で一律に慫慂することが適切とは言えない事項など、遵守しなくともただちに説明を求めない項目につきまして、書き分けを行うということが考えられるのではないか。こういった実例といたしましては、ドイツのコーポレートガバナンスコードなどでこういう手法がとられております。

5ページになりますけれども、機関投資家によるコードの受け入れ状況を可視化して、その周知性を高めるという観点から、コードを受け入れる機関投資家に対しまして、コードを受け入れる旨、それから、各原則の遵守状況を自社のウエブサイトで公表することと、その公表内容を金融庁に通知していただくということを求めるということが考えられるかと思います。もちろん、遵守しない原則がある場合にはその説明をすれば足りるわけです。その上で金融庁が、その機関投資家のリストを公表することとしてはどうかと。

それから、議決権行使結果など、2つ目の丸になります。別途定期的な公表が必要とされる場合がある項目につきましては、これも自社のウエブサイトで公表していただいて、その公表URLを金融庁に通知していただくということで、金融庁がそのURLリストを公表するということが考えられないかというふうに書かせていただいております。

6ページになります。日本版コードにつきまして、定期的見直しという条項についてでございます。その実施状況等を踏まえながら、さらにその内容の改善などを図っていくということが考えられるわけでございまして、こうした点に鑑み、日本版コードに定期的に見直しを実施する旨を記載するということが考えられないか。例えば、3年程度かというふうに書かせていただいております。注書きにありますように、英国も定期見直し条項がございます。2年ごとということで記載があります。

その他ということですが、これも日本版だけのアプローチでございますが、ご案内のように、日本版ではルールベースの規律が一般的でございます。今回、英国コードを初めてご覧になったときに、そういう印象を持たれた方も少なくないかと思いますが、一見、当たり前のような内容が多いということで、こういうプリンシプルベース・アプローチは軽視されがちではないかという懸念があるかと思っております。こうした点に鑑みまして、日本版コードでは、プリンシプルベース・アプローチの意義をコードに記載する、開設するといったことが考えられるかと考えております。

点線のところに書いてありますのは、そのプリンシプルベースのアプローチの意義というのは何かということを書いてみたわけでございますが、一見当たり前のプリンシプルであっても、関係者がその趣旨、精神を改めて共有し、再確認した上で、各自、自分の行動が形式的な文言ではなくて、その趣旨や精神に照らして真に適切か否かを判断する、という理解でよろしいかということでございます。

3つ目の丸になりますけれども、機関投資家と投資先企業との建設的対話を促進するためには、これは投資家側だけではなくて、企業側の努力も重要と考えられます。このため、日本版コードでは、企業側にも、株主総会議案について投資家側が十分に検討し得る期間を確保するなど、建設的対話に向けた取り組みを期待する旨をコードに記載することが考えられるのではないかということでございます。

7ページから、各原則に入らせていただきます。まず、原則1についてでございますが、原則1は、黄色の部分でございます。原則1本文は英国コードの場合ですが、機関投資家はスチュワードシップ責任をどのように果たすかについての方針を開示すべきであると記載があります。指針については割愛させていただきますが、その下の7ページの矢羽根のところをご覧いただきますと、基本的にこの原則1については英国コードの枠組みを活用するということで問題ないかと。バーを引っ張っておりますけれども、上記マル2をご覧いただきますと、アセットオーナーとアセットマネジャー、これらについて前者が後者に外部委託する場合、あるいはその機関投資家が議決権行使助言会社等に業務を外部委託する場合の留意点が記載されております。この点も含めまして、英国コードの枠組みを活用するということで問題ないかということでございます。

8ページの原則2についてでございます。原則2の英国コードの本文は、機関投資家は、スチュワードシップに関連する利益相反の管理について、堅固な方針を策定して公表すべきであるということでございます。

下の矢羽根をごらんいただきますと、基本的に英国コードの枠組みを活用することで問題ないかどうか。前回会合のヒアリングでは、この利益相反の管理についてはおおむね対応できている旨のご意見があったかと承知しております。

原則3については9ページと10ページに記載しておりますので、両方対照しながらご覧いただきたいと思います。原則3そのものは、英国コードでは、機関投資家は、投資先企業をモニタリングすべきであるというふうに記載されています。

10ページの矢羽根をご覧いただきたいと思いますが、この原則3につきましては、基本的に英国コードの枠組みを活用しつつも、以下の点で修正を行うということが考えられるのではないかということでございます。バーを引っ張っておりまして、原則3の本文につきまして、これは日本再興戦略では、企業の持続的な成長を促す観点から、日本版コードを策定するということが示されておりますので、この原則3の本文におきまして、アンダーラインの部分を追加するということが考えられないかと。例えば、「機関投資家は、投資先企業の持続的成長を促すとの観点も踏まえ、投資先企業をモニタリングすべきである」というふうに修正するということが考えられるのではないかということでございます。

2つ目のバーのところに、上記マル2とございます。上の9ページのマル2のところを見ていただきますと、モニタリングに当たり、以下を追求すべきということで、(a)から(f)まで細かい列挙がございます。この点についてどう考えるかということでございます。

10ページにお戻りいただきますと、上記マル2と書いてあるところの1つ目のポツです。英国コードのように個別のモニタリング項目を細かく列挙いたしますと、かえって列挙項目のみに注力すれば足りるという誤解を与えないかということ。それから、2つ目のポツになりますが、投資先企業のモニタリングに際しましては、当然、さまざまな項目が考えられると思いますが、その中でどれに注目すべきかは、これはコードにおいて個別列挙するというよりも、むしろ機関投資家ご自身の判断で行うべきではないかと考えられないかということでございます。

3つ目のバーのところでございます。上記マル5とありますが、これは9ページの指針のマル5のところをちょっとご覧いただきたいと思います。英国コードでは、機関投資家は「インサイダーとなるよう希望することも、そうならないよう希望することも可能。インサイダーになっても構わない場合には、その意思・方法を明示すべき」という記載がございます。

10ページにお戻りいただきまして、この点につきまして、英国コードでは特定の株主に、いわゆる選択的開示を行うことを想定している、もしくは前提にしていると思われます。ただ、これは前回のヒアリングで、株主平等などの観点から、我が国の機関投資家がインサイダーになることを希望することはないというふうなご意見もございまして、日本版コードではこうした点を踏まえた記載を行う必要があるのではないかということでございます。

11ページをおめくりください。これも上下を対照しながらご覧いただきたいと思います。原則4の英国コードの本文は、「機関投資家は、スチュワードシップ活動を、どのようなときに、どのような方法を用いて強めていく(escalate)のかにつき、明確なガイドラインを持つべき」というふうになっております。

12ページをご覧いただきたいと思います。まず、矢羽根のところですが、英国コードのように、その関与(intervene)の結果を踏まえて、その関与をさらにエスカレートしていくということについてどう考えるべきか。

1つ目のバーのところです。原則4の本文、そのものに関するところでございますが、日本版コードでは、そういう関与の結果を踏まえて、さらに関与を強めていくということよりも、例えばということですけれども、投資先企業との間での目的を持った対話を通じた認識共有や問題の改善に努めることに重きを置くべき、こういった記載をすることが考えられるのではないかということです。

ここの下のところにポツをつけております。前回のヒアリングでは、投資先企業に問題が生じたような場合等には十分な説明を求めるという対応を図っていると。ただ、投資先企業に対する関与を、相手方の対応によってさらに、徐々に強めていくというような、そういうアプローチはとられていないというご意見がございました。これはもちろん最終的に議決権行使で反対票を投じるということは当然あり得るということだと思いますが、この相手の対応によって徐々にエスカレーションしていくということはとられていないというご意見のご報告があったかと思います。

上記マル4でございますが、先ほどと似たようなお話でございます。11ページを見ていただきますと、関与を強める度合について(a)から(g)まで個別の記載がございます。

12ページにお戻りいただきまして、この点について、このように細かく列挙することをどう考えるか。1つ目のポツですけれども、投資先企業への関与の方法を細かく列挙すると、かえって形式的な対応ということにならないか。2つ目のポツですが、関与については、いろいろなさまざまな方法が考えられると思います。その中でどの方法をとるべきかは、このコードで個別列挙するのではなくて、機関投資家ご自身の判断で行うべきというふうに考えられるのではないか。こういうことを踏まえますと、むしろ日本版コードでは、例えばということですが、「実際の局面に応じて、どのような方法で投資先企業への関与を行っていくかについて、明確な方針を持つべき」、こういうことを記載することが考えられるのではないかということです。

13ページをご覧ください。原則5でございますが、英国コードでは「機関投資家は、適切な場合には、他の投資家と協調して行動すべきである」と記載がございます。

13ページの矢羽根をごらんいただきますと、英国コードのように、他の投資家と協調して個別の投資先企業に対して行動を起こすということについては、日本の実情に必ずしもなじまないのではないか。

バーのところに記載しております。前回のヒアリングでは、2つご意見がございまして、1つは、投資家の間で個別の投資先企業に関する具体的な課題についてではなくて、議決権行使に当たっての一般的な考え方などについての意見交換が行われているというご報告でございます。それから、2つ目のポツですけれども、ほかの投資家と協調して個別の投資先企業に何らかの行動を起こすということについては、投資先企業との信頼関係、それから秘密保持の必要性、こういった観点から、実務では行われていないとのご意見がございました。

14ページ、原則6でございます。英国コードでは、機関投資家は、議決権行使、それから議決権行使結果の公表、この2つにつきまして明確な方針を持つべきであると記載されております。

14ページの矢羽根のところをご覧いただきますと、「基本的に英国コードの枠組みを活用することで問題ないか」と記載させていただいております。バーの1つ目ですが、原則6、本文、ここでは議決権行使の方針につきましては、英国コードと同様に明確なものであるということに加えまして、単に形式的な基準のみを定めるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するような方針となるよう工夫すべきと、そういった旨を記載することが考えられるのではないか。

2つ目のバーになります。上記マル2に対応する部分でございますが、議決権行使結果の公表について、これは英国コードでも個別の開示、すなわち投資先企業別、かつ議案別ということかと思いますが、この個別の開示までは求められておりません。日本版コードではこれをどのように考えるかと。前回会合のヒアリングの中で、イギリスについて報告がございまして、65%の機関投資家、これは何らかの形で開示が行われていると。個社別、議案別の開示を行っているのが44%ということでございました。

上記のマル3、バーの3つ目でございます。議決権行使について、「外部の議決権助言会社を利用する場合でも、その推奨に機械的に依存するのではなく、投資先企業との対話の内容等を踏まえ、みずからの責任と判断で行うべき」と、こういう記載が考えられないかということでございます。

15ページをおめくりいただきまして、原則7、これは英国コードでは「機関投資家はスチュワードシップ活動、それから議決権行使活動について、委託者に対して定期的に報告すべきである」と記載されております。この委託者に対する報告といいますのは、契約などに基づきまして、委託者に対して個別に行う、そういう報告を念頭に置いて記載されていると理解しております。

15ページの矢羽根のところです。基本的にその枠組みを活用しながらも、以下の点で修正を行うことが考えられるかどうか。1つ目のバーのところです。これは上記のマル2マル3に対応するところでございます。委託者への報告というのは、これを基本としながらも、実務的に考えてみますと、例えば、委託者ご自身が報告を要らないと言っておられる場合とか、あるいは、最終的な受益者に対しまして個別に報告するような手段が存在しない場合なども想定されるということを踏まえまして、こういう場合には個別の報告ではなくて、これにかえて一般に公開可能な内容を公表するというアプローチも考えられるのではないかということです。

その下のバーですが、これは指針のマル4に対応いたします。保証報告書という、ちょっと耳慣れない文言が出てまいります。これについては、参考で机上配付しております英国コード翻訳の4ページの一番下に訳注の形で書かせていただいております。かいつまんで申し上げますと、これは公認会計士の業務でございまして、いわゆる公認会計士の監査よりは、やや簡素で平易なアプローチで、保証報告書という形式を取る場合がございます。英国では、それを念頭に置きまして、指針のマル4にありますように、公認会計士の保証報告書を取得するということについて記載がございます。

これにつきましては、15ページのバーのところ、もう一度、一番下にお戻りいただきますと、これは私のほうで、イギリスの機関投資家の開示状況を実際にチェックしてみました。そうしましたら、この保証報告を取得している場合にはその旨を開示すべきというふうに書かれてございますが、我が社は保証報告書を取得しておりますというふうな開示は実は見当たりませんでした。これは全てについてチェックしたわけではございませんので、皆無ということではないと思いますけれども、無作為抽出で調べた結果、このような開示は行われていないということでございました。この点に鑑みれば、日本版コードで保証報告書の取得を求める旨の記載は必要ないのではないかと書かせていただいております。

最後になりましたが、16ページでございます。ここは、日本版コードに独自に付加する原則についてでございます。具体的な提案として1つ書かせていただいております。1つ目のポツのところでございます。前回会合で、企業と実りある対話を行うためには、投資家側も相当程度の見識を持つことが重要というご意見がございました。

2つ目のポツでございます。これを踏まえまして、独自の原則といたしまして、例えば投資先企業の持続的成長につながるよう、高い見識と深度ある理解に基づき、適切な対話と判断を行うための力を持つべきと、こういうことを盛り込むことなどが考えられないかと。

3つ目のポツになります。その際、この原則の指針といたしましては、例えばということになりますが、1つ目のバーです。投資先企業やその属する業種についての深度ある力に努めるべき。それから、高い見識と深度ある理解に基づき、適切な対話と判断を行うために必要な体制整備を行うべき旨。3つ目のバーになりますが、自らの対話と判断が適切であったか否かについての事後的な検証を行うべき旨。こういったことなどを記載することが考えられるのではないかということでございます。

もちろん、今ご説明したもののほかにも、どのようなものが考えられるかご意見をいただければと考えております。

ご説明は以上でございます。

○神作座長

どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの事務局からのご説明を踏まえましてご議論をお願いしたいと存じます。なお、時間が限られておりますので、本日、ご発言の中で言い足りなかったことですとか、おっしゃることができなかったこと等がございましたら、事後的に事務局のほうにメールでご意見をお寄せいただくということを前提にご議論を始めたいと思います。

まずは、コードの前文に当たる部分につきましてご議論をお願いしたいと思います。資料に示されたどの論点についてでも構いませんので、ご自由にご発言をいただけたらと存じます。具体的には資料の1ページ目から6ページ目までの中でご質問、ご意見等ございましたらぜひよろしくお願いいたします。

川田メンバー、お願いいたします。

○川田メンバー

川田でございます。

まず、6ページのところでございます。「その他」の項目の下の○に記載されている部分について少し違和感がございます。「機関投資家と投資先企業との建設的対話を促進するためには、機関投資家の努力だけではなく、企業側の努力も重要であると考えられる」という点は、その通りであろうと思います。しかし、コードに「企業側にも、…建設的な対話に向けた取り組みを期待する」旨を記載するということについては、そもそもスチュワードシップ・コードが、機関投資家が果たすべき責任について記載するものであることに鑑みると、こうした記載の位置づけについてどのように理解すればよいのか疑問を感じました。もちろん、記載内容を否定するわけではないのですが、コードに発行体である企業側の取り組みについて記載する意味について確認したいと思います。

○神作座長

事務局からお願いいたします。

○油布企業開示課長

これはコードの前文のところに書くということでございますので、まず前提としまして、Comply or Explainとか、そういうものが関わるというものではないと。その上で、こういう記載をすることが考えられないかということでございます。これは前回、川田メンバーからご説明がございましたように、企業側でも議案の早期発送に最大限の努力をしていると。それから、これも前回ですけれども、株主総会の株主確定の基準日と決算期末を分けるという対応を取れば、これは総会までに日程的にゆとりを持つということが可能になるわけでございますが、そういう点もほんとうは望ましいのではないかというご意見があったというふうに記憶しております。

それから、本日も議決権の電子的行使についてのお話がございましたが、これまで本日も含めて3回の会合の中で、そういう企業側のご意見が出たということを踏まえまして、前文の中で、もちろんこれのコードの適用対象は機関投資家でございますので、そこはもちろんはっきり区別されると考えておりますが、こういった「期待する」という記載をすることが考えられるかどうかということでございます。

○神作座長

川田メンバー、よろしゅうございますか。

○川田メンバー

はい。

○神作座長

では、江口メンバー、お願いいたします。

○江口メンバー

「機関投資家としての責務」という言葉の使い方についてちょっと違和感があるということを申し上げたいと思います。

機関投資家というのは、言ってみれば投資の仲介者であります。最終的な投資の受益者に投資行為を仲介しているというイメージ、これが本来の第一義的な責務であって、スチュワードシップと言っている内容とは少しずれがある。

仲介者としての義務は何が強調されるかというと、例えば個人の投資家であればできないような分散した投資を非常に低いコストで実現すること。それは市場における効率性の向上に多大に貢献するという社会的な意味があるわけですね。これを担っている者が機関投資家です。また、もう一つは、個々の会社のいわゆるファンダメンタルバリューを見極めて、ファンダメンタルバリューに比べて株価が上にあるか下にあるかによって売買行為を行うことによって、株価とファンダメンタルバリューの乖離をなくしていくこと。そのような機能が恐らく機関投資家としての責務ということで、まず第一に頭に浮かぶものだと思うんですね。いわゆるイギリスで言っているスチュワードシップの責任とはちょっとずれがあるというふうに感じざるを得ないということであります。

○神作座長

どうもありがとうございます。

何かそれにかわるいい表現というのはございますでしょうか。

○江口メンバー

代替案ということで、これがいいというのはないのですけれども、具体的にこういう責任があるということを書くよりも仕方がないんじゃないか。それで、先ほど私が申しました機関投資家が社会的に負っている責任とどう関係しているのか。そのあたりを明確にしていく。これが作業として大切なことなのかなと思います。

○神作座長

どうもありがとうございます。

それでは、野口メンバー、お願いいたします。

○野口メンバー

2ページの3つ目の丸に、機関投資家の範囲として、議決権行使助言会社や投資助言会社とあります。恐らくインベストメントコンサルタンツを投資助言会社と訳されたものと思われますが、投資助言会社が議決権の行使等につきまして助言している例が余り思い当たらないので協会の事務局に確認したところ、そういった例は日本においてはほとんどないということでしたので、このコードの対象である機関投資家からは、投資助言会社を除かれたほうが宜しいのかなと思われました。

インベストメントコンサルタンツで意味しているところがやや微妙ですが、年金コンサルタントはプランスポンサーに対して色々積極的に関与しておりますので、含まれうるかなと思われます。

○神作座長

どうもありがとうございました。貴重なご指摘、どうもありがとうございます。

ほかにご質問ございませんか。はい、松島メンバー、お願いいたします。

○松島メンバー

一番最初のこの1ページのところにかかると思うのですけれども、コードの目的は、企業の持続的な成長と、いわゆる受託者責任を両立させるものというふうに理解したのですけれども、そういう意味でここはお使いになっていらっしゃるんじゃないでしょうか。イギリスではそうじゃないかなと思うんですね。コードの意味というのは企業の成長の促進と投資家の利益の両立にあると。ですから、機関投資家としての受託者責任というのと、スチュワードシップというのはまた別の概念であるというふうに考えるのかなと思って読んだのですけれども。

○神作座長

どうもありがとうございます。

事務局からございますでしょうか。

○油布企業開示課長

そうですね、その点は私にはにわかにどう読めばいいのかなかなか定見があるわけではございませんので、ご指摘のような読み方はあるかなと私も思っておりますけれども、それが別のものであるので両立というふうに捉えるのか、あるいは……。

○松島メンバー

なぜそんなことを申し上げるかといいますと、いわゆるパッシブ運用とアクティブ運用というのがいろいろなメンバーの中からもお話に出ていました。イギリスのコードの中でも、どちらの方法においても検討すべきだということがあるわけです。

実務的な話で言えば、前回もご案内申し上げましたけれども、投資信託においてですら、パッシブ運用のほうが残高的には大きい状況です。そこではそれらの銘柄を継続して持っていることが、ほぼ義務づけられているわけですから、TOPIXに連動するという投信であれば、千七百何十銘柄をずっと持っています。従って、企業の持続的な成長を促すことが、優先的な目標であった場合、ほとんど全ての銘柄に投資するパッシブ運用において、その取り組みをどういうふうに考えていくのかというのが、実務的にその体制を整備する、社内のガイドラインを整備する中では避けて通れない課題になってくると考えられます。

そのときに、一方で、コストなり、我々が受け取っている受益者からのマンデート、投資顧問会社であれば、もっと具体的なマンデートというのがあると思うんですけれども、それと必ずしもマッチしなくても、積極的な対話なりエンゲージメントなり、スクリーニングを行っていくのかどうかという葛藤が生じてきます。そういう意味において、それぞれの異なる場面で両立を目指していくということであると、問題は生じないですけれども、全ての運用において、モニタリング、関与、エンゲージメントを実行していくことが自然だと読める書き方では、業務運営の枠組みの作り方が難しいということを、先日からいろいろなメンバーの方がおっしゃっているんじゃないかというふうに思ったものですから、申し上げたところなんですけれども。

○神作座長

どうもありがとうございます。

○油布企業開示課長

松島メンバーの問題意識がやっとわかりました。それはもちろん3ページの上に書いておりますけれども、まさに今おっしゃられたようなことを念頭に置きながら、ここはこの機関投資家の規模と運用方針、アクティブ、パッシブと書いてあります。こういうことを書いているわけでございます。

ただ、1点、事務局の考え方として付言させていただきますと、程度の差はあると思いますけれども、パッシブ、アクティブだけではなくて、恐らく規模との組み合わせというので勘案したほうがいいのかなという気もいたしております。事務局としてここの記載を考えながらそういうことを思ったわけでございますが、なぜかと申しますと、120兆円の資産規模を誇りますGPIFは基本的には株についてはパッシブ運用です。そこで、パッシブだから、彼らにどの程度のスチュワードシップ責任を求めたらいいのだろうかというのは、これは非常に大きな問題で、今、内閣官房の有識者会議で検討が行われております。

そういう意味で、アクティブ、パッシブの二律というのとその規模、あるいは長期、短期の運用といった、こういう複数の軸のマトリックスで考えるのが適切なのかなというふうな気はしておりました。

○神作座長

よろしゅうございますか。

それでは、小口メンバー、お願いいたします。

○小口メンバー

今の質問にもひょっとしたら絡むのかもしれませんが、2ページのところで、機関投資家の外縁は明確にしないとされています。今回の趣旨が実質を求めていこうということなので、これはいいと思うのですが、一方で、やはり考えなければいけないのは、空洞化といいますか、書いたことが実際に機能しない可能性です。そこで、中核となる対象者というんですか、例えば英国スチュワードシップ・コードを見ると、アセットオーナーというのは年金基金、保険会社、インベストメント・トラスト、その他集団投資スキームが含まれると書いてあって、それ以外にもあるのかもしれませんが、少なくともこれはアセットオーナーであるという書き方だと思うんですが、今回はそこについてもComply or Explainの対象として書かないということなのか、やはり中核は書くということなのか、お聞かせいただけたらと思います。

○油布企業開示課長

基本的にこの前文のところは特にそうでございますが、ここに書いてないことはもう書きませんという意味ではございませんので、当然、これをコードに文章化する過程ではいろいろなつけ足しや補足説明も要るだろうと思いますし、今の例示については、むしろこの場でご意見などを賜れれば幸いだと思っております。

○神作座長

追加のご意見ございますでしょうか。

○小口メンバー

単純に英国スチュワードシップ・コードのこの記述が、日本でも当てはまるんだなと思っていたので違和感もなく、特段これ以外の例示というのは今のところ思いつかないので、これでいいというふうには思います。

○神作座長

どうもありがとうございました。

ほかによろしゅうございますか。

もしよろしければ、続きまして原則1と原則2に当たる部分についてご発言をお願いしたいと思います。具体的には資料の7ページ及び8ページにつきまして、どうかご意見を頂戴できればと存じます。堀江メンバー、お願いいたします。

○堀江メンバー

原則2について質問します。利益相反の部分はどのような内容をイメージするのかが全く理解できません。例えば濱口さんも言われたように、運用会社が企業年金から受託をした場合、当然、企業年金は企業の一部であり、企業の立場から見て、議決権行使のある議案に対しては、反対してほしくないという意見があったとします。しかし、他の企業年金の立場からすると、企業価値を向上させる上でその議案には賛成すべきであるとします。このように、企業価値向上の観点からすると賛成すべきだケースの場合、特定の企業年金から受託した株式持ち分は、当該企業からのリクエストもあり、本来的には賛成すべきと思うが、持ち部分に関しては反対した、といったところまで書くのかどうか。利益相反の部分の書き方についてどの辺のレベルを想定するのか。

利益相反の部分を原則的な書き方にとどめると、本質的な利益相反が十分に回避されないのではないかと懸念されます。従って、利益相反の部分は、どのようなケースで利益相反が発生したかを私は書いたほうが良いと思います。

○神作座長

どうもありがとうございます。ご意見として承りました。どうもありがとうございます。

ほかにご意見ございますか。原則1及び原則2につきまして。

それでは、よろしゅうございますか。続きまして、原則3及び原則4に当たる部分についてご発言をお願いしたいと存じます。9ページ目から12ページまでにつきましてご意見を頂戴できればと存じます。

江口メンバー、お願いいたします。

○江口メンバー

既に事務局がお書きになっていることだと思いますけれども、個別に項目を列挙することは、マイナス効果がかなり大きいと私は印象を持ちます。これは実務的にどうしてもそうなりがちであるということなんですけれども、項目ごとにそれぞれ何回ありましたかというようなことで数を数えるとか、そういったことに行き着いてしまう。内容的なことが問われなくなってしまう危険性が非常に高い。でありますから、項目列挙には若干違和感を感じざるを得ないという事務局のご意見に同意いたします。

○神作座長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。はい、石田メンバー、お願いいたします。

○石田メンバー

10ページの原則3の、2行目にある「原則3の本体において、機関投資家は、投資先企業の持続的成長を促すとの観点も踏まえ」の箇所に、例えば「資本の効率性を勘案しながら」とか、「株主資本の効率的な使用を考慮に入れながら」のような表現が入るといいかなと思いました。

なぜかというと、今、世界中でスチュワードシップ・コードが広がりを見せています。であれば、では、日本版の特徴は何か?ということになるかと思います。ただ、そもそもこのスチュワードシップ・コードは、その性質上、原則的な考え方を述べるに留めるものなので、具体的な事柄は書きにくい。また、日本ではきっちり細かく決められたルールを守ることは、国民性としては得意でも、原則のもとに自発的な行動を起こすのは、どちらかといえば苦手。なので、日本版にはこれという、何か具体的なもの、目玉みたいなものがあったほうがいいのではないか、と思うわけです。

となると、その目玉は、日本の現状に即したもの、つまり、海外からみた日本企業の問題点に取り組むものであることが望ましいと思います。そこで、海外の人が、日本企業の何を問題視しているかというと、最大公約数的には、資本効率の低さがまずは挙げられるかと思います。かといって、ROE向上のようなことを書くのは具体的すぎて、コードという性質上、違和感がある。ですが、資本の効率性を勘案しながら、のようなニュアンスで表現する程度であれば、それほど違和感がない、しかも、外国の人が見たときに、日本版のコードは日本の問題に取り組んでいる、という印象を与えることができるのではないかと思うのです。

このように、なにか日本の現実に即したものがないと、言葉だけになってしまうのではないかと。繰り返しですが、コードは原則論ではあるものの、その中で、いかに日本の固有性を表現できるかが、日本版に求められていることだと思います。

あと、よくスチュワードシップ・コードの話の中で「対話」という言葉がよく出てきますが、この言葉には、つかみどころがないところがあります。もちろん、対話それ自体は良いことだと思いますが、肝心の「何を」対話するかが、なかなか見えないからです。となると、その対話のヒントとなるようなものとして、何らかの具体的な記述があったほうが良いかと思います。この点からも、例えば先ほど申し上げたように、資本の効率性だとか、何かそういったものがあるほうがよいのではないかと感じます。

○神作座長

どうもありがとうございました。

ほかにご意見ございますか。はい、お願いします。江口メンバー。

○江口メンバー

先ほど続けて言ってもよかったのですけど、このモニタリングという言葉の使い方は、あまり適切ではないのではないか。モニタリングとは投資家が企業を監視することですけれども、そもそも企業の長期的な成長を促すことで、お互いにウイン・ウインの関係になりましょうということで、一方的に監視することではなかったと思うんですね。

モニタリングということが海外でよく使われるんですけれども、これを使うことの是非を十分検討すべきではないかと思います。本来の目的が投資先企業の持続的成長を促すこと、それに対して投資家が何をできるのかというところの議論から入っていくべきでありますね。

○神作座長

どうもありがとうございました。

ほかにございますか。

続きまして、原則の5及び6に当たる部分についてご発言をお願いできればと存じます。13ページから14ページにかけまして。古市メンバー、お願いします。

○古市メンバー

原則6についてですが、議決権行使の方針については、当然に各機関投資家のサイズや、タイプ、投資期間が違いますが、そういった中で自分達が何を遵守するか明確に世の中に示し、また、各企業に伝えることは大事なことであり、そういったことをベースに対応していくことだと思います。

ただ、行使結果の公表については、事例の公表なのか、集計結果の公表なのか、個別企業毎の公表なのか、といったことについては各機関投資家に任せるということで良いのではないかと考えます。

江口メンバーの発言のとおり、あまり細かく書きすぎることの弊害もあるでしょうし、事務局からのコメントにもございましたとおり、まさにプリンシプルベースであることが重要だと思います。

○神作座長

どうもありがとうございます。

ほかにご意見ございか。野口メンバー。

○野口メンバー

6番の議決権行使結果の開示のところでございますが、私どもの業界では全体の集計結果について開示しております。私どもは、一任契約で受託しておりますので、それぞれのお客様の要請や守秘義務を前提として、求められるお客様には定期的に報告しておりますが、そういった開示の仕方のほうが望ましいのではと思っています。

現在、全体の集計結果をウエブサイトに掲示しておりますが、個別の開示については、お客様のニーズに応じて、相対の世界の中で開示するのが望ましいのではないかと私どもは思っております。

○神作座長

ありがとうございます。

ほかにご意見ございますか。川田メンバー、お願いします。

○川田メンバー

原則6の議決権行使の方針については、資料に記載されているように、単に形式的な基準のみを定めるのではなく、投資先企業の持続的成長に資する方針となるよう工夫すべき旨をコードに記載するべきであると私は考えております。

○神作座長

どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。江口メンバー、お願いします。

○江口メンバー

同じような内容の趣旨で恐縮なんですけれども、先ほども事務局からご指摘がありましたように、関与を高めていくとは非常に海外的な発想であると思います。英国版コードの内容というのは、英国特有の投資家文化を反映した言葉遣いになっていると思うので、先ほど言いました、日本の文脈と合わないという面を非常に強く感じます。

モニタリングもそうですし、それから、関与ということですけれども、関与ということは、経営することなのか。投資家は経営することに興味を持っているとは思えないわけですね。その辺を明確にしていかないといけない。そのあたりが日本のコードがほかの国のコードと違った特色を出す一つのポイントにもなるのかとも、私自身は思うわけであります。

○神作座長

ありがとうございます。

徳成メンバー、お願いします。

○徳成メンバー

私も原則4の「関与」については、やはりかなり気になります。実際に私どもアセットマネージャーとしてできることは限られます。投資先企業様といろいろお話をした結果、その議案に賛成しないということ以上に、企業の経営そのものに関与することは不可能です。12ページの上のほうで提示いただいている「関与を強めていく」ということへの対案は、事務局案そのままでよろしいのですが、12ページの一番下「むしろ」以下では、「日本版コードでは実際の局面に応じてどのような方法で関与を行っていくか明確な方針を持つべき」と、「関与」していくことが前提になっています。アセットマネージャーは投資先企業様の経営自体には「関与」しようがないと思いますので、原則4を日本に入れる場合はかなり考えないと難しいと思います。

○神作座長

どうもありがとうございます。

小口メンバー、お願いします。

○小口メンバー

議論がどうしても日本語バージョンなので、日本語の伝え方とか意味合いということになるのですが、一方で、さっきスルーされた3ページのところで、国内外の別という部分で、英国コードもそうなんですけど、要するに日本株に投資する機関投資家ということで当然、海外のグローバル投資家も含まれるわけで、先ほど、古市メンバーの資料にもございましたが、現実問題として海外投資家がもう3割を占めるということになります。そこで、英国コードを日本版に検討し直して、日本版にしたらこうであるというときに、じゃあ、その日本語を英訳したら海外で使われている言葉と違う、まあ、違ってもいいんですけど、どんな言葉が適切なのかと。それが理解されるのかどうか、あえて変えるリスクをなぜとるのかなと、正直よくわかりません。 それなりに議論された英語だと思うので、もしおかしいとすると訳語が多分違っていると思うんですが、その日本語訳を議論して修正して、英訳したら全然違うことになると、グローバル投資家から見て日本版スチュワードシップ・コードって何なのっていうことにならないか気になります。繰り返しになるんですけれども、言葉を丁寧に使うとか、わかりやすく使うとか、誤解なく使うというのはそのとおりだと思うのですが、一方で、国内外の別をなくして日本に投資しているグローバル投資家にも伝えるということであれば、当然、彼らにもわかるような表現でなければいけないんじゃないかなと思います。

○神作座長

大変ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。石田メンバー、お願いいたします。

○石田メンバー

原則6の議決権行使の開示に関してですが、いまここで議論されているスチュワードシップ・コードに興味がある企業の方であれば、機関投資家がどのような基準で議決権行使をするかについて、基本的な考え方は理解されていると思います。ところが、それは一部の企業であって、多くの企業、たとえ、東証一部上場企業であっても、どうして株主総会議案に反対されたのかが、正直言ってわからないと思うのです。つまり、議決権行使結果の開示以前の問題として、なかなか議決権行使が株主から企業にメッセージを伝える手段となっていない、という問題があります。ですので、議決権行使結果をどう開示するかを議論することは大切なのですが、それより先に考えなければならないのは、どうして反対したか、その理由をいかに企業にきちんとフィードバックするか、だと思います。でなければ企業はわからないままです。機関投資家がどんなに建設的なメッセージを送るつもりで反対しても、企業の方にとってみれば、反対票それ自体を歓迎するはずがありません。理由がわからなければ、気分が悪いままで終わってしまう。

つまり、建設的な関係が企業と築けないわけです。企業に対してどうして反対したのか、その理由をフィードバックすることによって初めて、議決権行使には意味があるのではないか、企業とのエンゲージメントの輪が、繋がるのではないかと思います。議決権行使結果を開示しても、そもそも企業がそれを見なければ意味がない。であれば、単に開示して、見たい人は見てください、というような受身的な姿勢に満足するのではなく、一歩進めて、積極的に反対の理由を企業にフィードバックすることができれば、議決権行使の意義が高まると思うのです。

○神作座長

大変ありがとうございます。

ほかにご意見いかがでしょうか。古市メンバー。

○古市メンバー

今の石田メンバーの意見はおっしゃるとおりだと思います。機関投資家は企業の議案になぜ反対したのかは伝えなければならないと思います。それは、企業に伝えなければならないのであって、必ずしも世の中に伝える必要はございません。そういう意味では、個別開示については極めて慎重であるべきだと思います。

個々の企業との対話については、我々の現状の取組みが十分かどうかは別として、議決権行使の手前の段階も含め時間をとりながらスクリーニングし、丁寧に、企業側が理解できるような対話を続けていく必要があると思います。

○神作座長

どうもありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

よろしゅうございますか。時間がありましたら、また後で戻っていただくことといたしまして、最後に原則の7、それから日本版コード独自の原則に当たる部分についてご意見を頂戴したいと思います。15ページ、16ページにつきましてご意見いただければと思います。いかがでしょうか。小口メンバー、お願いします。

○小口メンバー

最後の16ページに書かれていることは、私自身はすごくいいことを書かれているなと思っていて、こういうことを書くということは日本の特色として意味のあることではないかなと思っています。一方で、恐らく、グローバル投資家が日本版コードを見たときに、先ほどの国内外の別というところにまた戻るのですが、多分、一番違うなと思うのは、原則5のところ、いわゆる集団的エンゲージメントを外すという点です。日本の実態としてはそういうことなのかなと思うんですが、一方で日本株に投資するグローバル投資家は既に、collective engagement、いろいろ言い方はあるんですが、一緒に協調することは、リソースが限られているという前提で、なおかつ、相手の企業にとっても効率的だという前提で、例えば別途議論されています英国のケイ・レビューなんかでも、投資家プラットフォームを推奨するみたいな話があったりします。一応、そういう要請はグローバルには肯定されている部分もあるので、完全に否定するような、推進はしないまでも否定するようなことは、やはり誤解を招くことになると思うので、私が独自原則を書くとしたら、ここに書いてあります、投資家企業等の持続的成長云々のところで、適切な対話と判断を行うための力を持つべきの後で、例えば、「その一助として必要な場合には他の投資家と協調することも考えられる。」と追加したいと思います。

つまり、一機関投資家ではどうしても今まで議論が出ていたようなリソースの問題とか知識の問題とか限界があるというのは、これは事実だと思うので、そのときに必要だと思ったら、ほかの投資家のお知恵も拝借しながら一緒にやっていくこともあり得る形で、新たな、多分英国の原則5にかわる日本独自原則の中で書くというのは一つのアイデアとしてあるのかなと思いました。

○神作座長

どうもありがとうございます。

江口メンバー、お願いします。

○江口メンバー

小口さんの最後のポイントの延長線上なんですけれども、お互いに相談しながらやるということはいいことだと思います。ただ、前々回か、議論がありましたように、いろいろ法制的に問題がある。ですから、これをクリアしていくということを行動方針として、ステートメントとして出したほうがいいと思います。

法制を変えることには時間がかかるわけで、スチュワードシップ・コードの公表とタイミングが合わないわけでありますけれども、スタンスとして、ガバナンスに関して協調行動をとることが、M&Aの場面と全く異なるものであって、それが望ましい。社会的に望ましいという積極的なメッセージを発する。望ましいものであるから法制も変えていく方向で努力しますというようなステートメントを入れることが多分重要であろうかと思います。

○神作座長

大変ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。橘・フクシマメンバーお願いいたします。

○橘・フクシマメンバー

先ほど小口さんがおっしゃた翻訳の問題は重要だと思います。確かに海外投資家が英訳を読んだ場合に、日本語の、例えば「関与」にしても、英語の訳語の持つ意味合いで解釈をするわけですから、受ける印象が異なる可能性があります。先ほどおっしゃったように、コードの英語も練られてつくられた言葉の筈ですから、英語圏ではそれぞれの定義がそれなりに共通の理解があると思うんですね。それを日本が違う言葉で表現した場合、(つくるのがいけないというのではなくて、当然、独自性を出すべきだと思うのですが)、まさにComply or Explainと同じで、なぜその言葉なのかをExplainできるように、一つ一つの言葉の定義を明確にしておいたほうが良いと思います。

今回、議事録の英訳を送っていただいて、自分の発言が英語になると、実に分かりにくく、大分手を入れました。日本語では一定の意味で使っていた言葉を、英語のコンテクストではどういう表現になるか、また、ガバナンスという観点から見てどういう言葉が一番適切かは、十分に気をつけて訳さないと、逆に外国人投資家からそこを指摘されてしまう可能性もあると思います。先ほど小口メンバーがおっしゃったことはまさにそうだなと、不安になりましたので、その辺はぜひご検討をいただければと思います。

○神作座長

どうもありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。小口メンバー。

○小口メンバー

今の話で、原則3と4に戻るのですが、確かに、これが限定列挙だと思われちゃうと困るんですけど、じゃあ、例えばどんなことをするのっていうのが、例示という意味でいくとあったほうがわかりやすいのかなという見方もあるかなと思いました。ここは悩ましいところで、おっしゃるように、これが限定列挙だと、これに従ってbox ticking になっちゃうリスクもあるんですが、何も書かないと、実際どういうことをやるのっていう問いに答えられない部分もあるのかなと思ったのです。先ほど言うのを躊躇したので、今、フクシマさんに言っていただいたのを受けて、わかりやすさの観点から追加で言わせていただきます。

○神作座長

ありがとうございます。

古市メンバー、お願いします。

○古市メンバー

独自の原則についてですが、投資家が高い見識や深度ある理解を持つことは重要だと思いますが、後段にある「事後的検証」を実施することは技術的に困難ではないでしょうか。この部門は売却するべき、配当は出すべき、内部留保を溜めるべき、といったアドバイスを行い、その結果株価が上昇した、もしくは業績が良くなった場合、それはエンゲージメントによるものなのか、為替によるものなのか、企業努力によるものなのか、判別することは困難であると思います。企業の株価が上がるのは企業努力が主因であり、投資家の働きかけの効果はあくまでも限定的なものに過ぎないというように謙虚に考えるべきではないでしょうか。謙虚に考えるということは、企業へのエンゲージメントに対して積極的ではないという意味ではない点は留意する必要がございますが、この「事後的検証」というのは、実際にこの原則を運用する際に、機関投資家の首を絞めるものになりかねないのではないかと思います。

また、多くの方々がコメントをされているように、コードには細かく内容を書き込まないと何をすべきなのかわからないというご意見と、各機関投資家にとって共通の部分をまず同意をして大きな概念的なところからスタートをしようというご意見と両方あると思いますが、元々ソフトローで「遵守あるいは説明」という考え方でコードを策定する際には、ルーズというと若干語弊はございますが、共通に同意できるような、あまり細かく踏み込まないものを作っていくべきではないかと考えております。

○神作座長

ありがとうございます。

ほかに、ご意見ございますか。

よろしいでしょうか。もしご質問、ご意見がございましたら、前文から最後まで全体を通して追加のご意見を頂戴できればと思います。江口メンバー、お願いします。

○江口メンバー

先ほど来、再々出ております、個々別々に項目を列挙すべきかということですけれども、個々別々で列挙することは今、予見できることなんですね。恐らくそれは一番つまらないことになってしまう。経験的にそういうことが多いわけですね。個別にはなかなか列挙できないところが一番意味があったりするわけですね。その辺を考えますと、個別列挙に精力を使うよりも、原則をしっかり固めていくほうが重要かと思うわけであります。

○神作座長

どうもありがとうございます。

ほかに。石田メンバー、お願いいたします。

○石田メンバー

全体として日本版のスチュワードシップ・コードは、英国のコードの枠組みから見ている感じがいたしますが、世界には英国のコードをモデルとして、スチュワードシップ・コードの広がりがあります。ですので、英国以外のコードも見る余裕があるのか、それともあくまで英国コードをベースとしてやっていくのか、どちらでしょうか。

○神作座長

事務局、お願いいたします。

○油布企業開示課長

大変厳しいご質問をいただきました。私どもが次回の会合に向けて考えておりますのは、一つは、現在調べているところでございますが、国際的な機関投資家の団体でありますICGNが策定した、同じような機関投資家の原則。それから、それに類するものとして国連の責任投資原則ですね。こちらも、ちょっと重ならない部分もあるのですけれども、イギリスのスチュワードシップ・コードと重なる部分があるということで、これについてはいろいろとポイントを調べております。

次回の会合の場でわざわざ時間を取ってご説明する必要があるかどうかは考えさせていただきたいと思いますが、いずれにせよメンバーの方々の参考になるように、その2つについては、この会議の場であるか、あるいはメールといった手段で資料を送らせていただこうと思っております。

○神作座長

ほかにご意見ございますか。橘・フクシマメンバー。

○橘・フクシマメンバー

意見ではないんですが、今のお話に関して、私、ちょっと欠席をしてしまったので、実際お話を伺っていないんですけれども、前回の上田さんの資料の一番最後の32ページに、スチュワードシップ・コードの国際的広がりというところで、たくさんスチュワードシップ・コードのリストが、カナダ、南アフリカ、オランダ、スイス、イタリア、国際的な団体によるコードとか、ICGNも入っていますし、マレーシアの証券委員会とかって入ってますので、これは多分、既にもう一応ご覧になられているという前提でよろしいですか。

○油布企業開示課長

私ども事務局がここに書いてあるものを全てレビューしたかというと、そこは必ずしもそういうわけではございませんが、その点についてはむしろ上田さんのお知恵を授けていただければなと思っております。これについては事務局提出資料ではございませんでしたので、全て事務局で見たわけではございません。

○神作座長

ほかにご質問、ご意見ございますか。江口メンバー。

○江口メンバー

スチュワードシップ・コードに入るかどうかわからないのですけれども、きょうの新聞で、ソニーに関してサードポイントが提案を留保しますと報道されています。日本企業の長期的な価値を高めるということに関しますと、こういうことが一番、重要なポイントですけれども、スチュワードシップ・コードでは多分外れてしまうんじゃないか。これをどう連関させていくのか。そのあたりを考慮すべきではないかと個人的には考えるわけであります。

○神作座長

ありがとうございます。

ほかにご意見ございませんでしょうか。よろしゅうございますか。小口メンバー。

○小口メンバー

先ほどの川田メンバーのお話に少し関連するのですが、もともと英国のスチュワードシップ・コードというのは、コーポレートガバナンス・コードがあって、スチュワードシップ・コードがあり、スチュワードシップ・コードはコーポレートガバナンス・コードから派生してきた部分があるのですが、今回、先にスチュワードシップ・コードができ、今回の議論には直接関係ないのかもしれませんが、同様の趣旨のコーポレートガバナンス・コードというのは、今後、やはり議論されるようなことは想定されているのでしょうか。

○油布企業開示課長

なかなか、金融庁の一事務局としてお答えするのは難しい問題ではないかと思っております。ご存じの上でおっしゃっておられると思いますけれども、一応、東京証券取引所では、OECDのコーポレートガバナンスコードを参考にしてつくられたものですけれども、ご存じのとおり東証上場会社コーポレートガバナンス原則というのは一応あるということでございます。

ただ、それが幅広く企業等の発行体の方に知られているかというと、どうも必ずしもそうでもない面もあるというふうに認識しております。

○神作座長

どうもありがとうございました。

ほかにご意見ございますか。よろしゅうございますか。

それでは、本日は活発なご議論をいただき、ありがとうございました。本日いただきましたご意見などを踏まえ、次回以降は日本版スチュワードシップ・コード策定に向けて、より具体的な検討に移らせていただければと思います。

また、先ほども申し上げましたけれども、本日のご意見などに加え、追加のご意見、御要望などがございましたら、事務局にメールなどでお寄せいただけたらと思います。

最後に事務局のほうからご連絡などございましたらお願いいたします。

○油布企業開示課長

次回の検討会の日程でございます。皆様のご都合なども踏まえた上で、11月中の開催ということを念頭に置きまして、調整の上、後日また私どもから事務的にご案内させていただきたいと思います。

以上です。

○神作座長

どうもありがとうございました。

それでは、以上をもちまして本日の会議を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企業開示課 (内線3836、3671)