金融庁

農林水産省

経済産業省

第8回総合的な取引所検討チーム(議事録)

1.日時

平成23年3月3日(木)16時00分~17時30分

2.場所

経済産業省別館3階第4特別会議室

3.出席者

東 祥三   内閣府副大臣
和田 隆志   内閣府大臣政務官
筒井 信隆   農林水産副大臣
田名部 匡代   農林水産大臣政務官
松下 忠洋   経済産業副大臣
白木 信一郎   AIMA JAPAN 副会長
高井 裕之   住友商事株式会社理事 金融事業本部本部長
木村 洋介   丸紅株式会社 食料流通・原料部 砂糖海外課長

4.議事録

○松下副大臣

今回の司会を務めます副大臣の松下でございます。どうぞよろしくお願いします。

このたびの検討チームによるヒアリングでございますけれども、関係者の方から幅広くご意見をいただきたいと考えています。具体的には、国内外の、取引所の利用者として、商社、機関投資家、ファンドなどの方々、仲介業者として証券会社、商品先物取引会社、その他金融機関の方々、取引所として証券取引所や商品取引所の方々などをお招きすることを考えています。

1回目となる本日は、取引所の利用者の皆様方をお招きしております。

本日のヒアリングは、お招きをした皆さんからの率直な忌憚のないご意見をいただきたいと考えております。

それでは、時間も限られておりますので、これから早速意見交換に入りたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。

○白木副会長

AIMA JAPANの白木です。私どもは、資産運用会社、特にCTA(商品先物の投資顧問会社)ですとか、あるいはヘッジファンドといわれている業界団体で、拠点がロンドンにあります。

日本でもチャプターとして数十社のコーポレートの方々にご参加いただき、各投資家の皆様に対する啓蒙活動、それから規制当局との対話を通じて、業界でのガイドラインづくりやガバナンスをどうするべきという話を行っている団体です。

こういった団体の立場から、取引所がどのようにあるべきかという形でお話をさせていただければと思います。特に先ほど申し上げたように、私どもの団体自体がロンドン拠点のグローバルな団体ですので、海外での取引所がどうあって、国内での取引所に欠けているものがどういったところなのか、あるいは海外のプレイヤーとしての大手の資産運用会社がどういう活動をしていて、国内の取引所に対してどういったことを求めているかということをお話できればと思っています。

まず、商品先物の投資顧問会社というのがCTA(Commodity Trading Advisor)ということですので、ここからCTAと呼ばせていただきます。

私どもがみているCTAの数というのは、登録団体として海外で約1,000を超える会社がございます。翻って日本では、日本商品投資顧問業協会に登録している会社は8社になっております。ここでまず差が非常に大きいのですが、例えば英国の代表的なCTA1社だけの運用資産規模は1.6兆円ぐらいです。この資産にレバレッジを少しかけるので、実際の運用規模としては2兆円から3兆円程度を1社で扱っております。

さらに、その中で農産物、エネルギー、非鉄、貴金属等に投資をしているものが2月時点で27%です。それ以外は株、債券、為替へ投資をしています。通常はCME、ICE、TOCOMなどの幅広い商品市場を通じて投資を行っていますが、例えばエネルギー関連の先物建玉だけでもここ1社で1,000億以上持つことがある。

金融商品との対比では、商品先物が1、金融先物がそれに対して2ぐらいの割合で投資をするのが特徴です。

同様に同じような運用をする10億ドルを超える規模のファンド、為替で820億円を超える規模のファンドが非常に増えており、全体ではおよそ、30兆から40兆円規模ぐらいの運用業種として出てきていると思われます。その中で、商品先物が3分の1程度と思うと、10兆円から13兆円ぐらいの規模の商品先物がこういったCTAによって運用されている。

ヘッジファンドは、聞き覚えがあってなじみがあると思うのですが、実は商品先物に対してのボリュームというのは余り大きくありませんで、ヘッジファンド全体としては約100兆円規模といわれています。これはかなり乱暴な推測ですが、商品先物にはそのうちの1%程度しか来てないのではないかと推測しております。ETF、現物については、最近ボリュームが急速に膨らんでいますので、ここからは除外しております。

こういったCTAとかヘッジファンドに投資をする投資家の方々ですが、最近では各国の政府系の基金、いわゆるソブリン・ウエルス・ファンドであるとか、年金基金は米国、北欧を初めとしてかなり大手の、それこそ数十兆円規模の基金から政府系のソブリン・ウエルス・ファンドが投資を増やし始めています。

日本の年金基金もこういったCTAとかヘッジファンドに対するアロケーション(資産配分)を、低金利の時代で債券投資だけでは利回りを確保できないので、残高が膨らんできているという状況です。

日本の商品投資顧問の資産運用残高というのは合計でも600億円程度にすぎません。先ほど申し上げたような10兆円、20兆円規模の資産に比べると大変少ない金額になっています。

投資家の方々も投資信託を通じた個人のお客様であるとか、本当に稀に海外の機関投資家、そしてすごく少ない日本の年金基金といったところに限定されております。

CTAというのが国内先物市場であるTOCOMとかTGEでの取引を行うこともあるのですが、彼らとしては、市場取組高全体に対して、自分たちが取引できるボリュームの制限を設けていることがほとんどです。例えば1つの商品を取り上げると、日本ではプラチナがボリュームのかなりある取引ではありますが、この取引残高に対して、彼らがもっている残高がある一定割合を超えないこと、例えば5%を超えないことというのを1つの制約に科しているため、結果として全体の取引所のボリュームが落ちれば、彼らが運用するボリュームがTOCOMでは落ちると。そういったことがずっと起こってきて、日本の取引所に入ってくるCTAの取引残高はどんどん減っていると。

1,000億規模のファンドであっても、取引コストですとかトレーディングの手間を勘案すると、日本で取引することの意味がなくなってきているという現状がございます。

翻って、東証、大証の状況をみますと、こちらには国内の個人投資家、機関投資家を初めとして、十分に市場流動性を提供する方々がいる。そして、何よりも上場の企業銘柄分がユニークであるということで、多数の魅力的な投資対象がある。また、デリバティブ商品についてもいろいろなことがある。

TOCOMでも新システムが導入されましたが、グローバル水準の執行スピードが十分担保されています。例えば東証ではコロケーションの導入等がなされている。当然、それによってたくさんのブローカーがサービスを提供することによって競争的なフィー体系、コストが実現している。

さらに、新商品開発をする余裕があるため、運用者のニーズを開拓して、例えば最近では個別株オプションであるとか配当数等を出している。もちろん取引所全体、あるいは自国市場のマーケティングを十分行っているかというとそうではないでしょうし、グローバルスタンダードに十分合致しているかというとまだそこまでいっていない部分もあるかと思いますが、少なくともCTAであったりヘッジファンドというところは、東証、大証を通じてかなりのボリュームの取引を常に行っている状況になっています。

例えばCMEグループでは、この2月からCMEベロシティCTAヘッジファンド・パイロット・プログラムというのを施行していまして、こちらでは新しい電子FX取引をCTA、ヘッジファンドがあるボリューム以上を行った場合には、取引コストを半額以下にディスカウントするという試みを行っています。これは、試験的な取り組みで、今年の12月までですけれども、このように新商品の開発並びに新投資家の開拓ということを積極的に行うということが、取引所には重要な取り組みとして求められると思っております。

そして、東京工業品取引所、穀物商品取引所の課題として、まず今申し上げたような国内の投資家が十分な市場流動性を提供する素地をつくる必要があるということ。それから、多数の魅力的な、オーバーラップの少ない独自の商品が提供できているということ。こういったことが現時点ではできていないため、新しい投資家であったり、海外の投資家を引っ張ってくることが非常に難しくなっている。

こういった課題をもしクリアできれば、先ほど申し上げたような商品先物市場だけ、特にCTAだけで10兆円から12兆円、13兆円といわれている資金の一部を十分取り込むチャンスがまだあると考えています。

ですから、繰り返しになりますが、流動性の向上と品ぞろえの強化を実行するための資金基盤の拡充、そして投資家に対するマーケティング、参加者からのニーズの汲み上げといったことを根気よく続けていくプラットフォームがどうしても必要と思います。

最後に、資産運用業務の観点から若干それますが、アジアの市場の中心として新興国資金であるとかオイルマネーを取り込めるようなグローバルな取引所を目指すためにということで、こういったファンド運用者に何人かヒアリングしたところ、やはり金融商品との税制の一本化、規制監督官庁の一本化、清算機関の統一、取引口座統合を含めた証券会社のワンストップトレーディングの実現といったことがない限りは、ボリュームを取り込むことが難しいだろうと。

さらに、商品先物に対するイメージを今後刷新していく必要があり、新しい参加者が安心して取引を行えるための環境づくりという意味で、もっと国内個人投資家の方々にマーケティングをしていく必要があるだろうという意見が出ておりました。

私からは以上でございます。

○高井本部長

私は、このマーケットに31年携わってきまして、扱ってきた商品は非鉄金属、例えば銅とかアルミとか鉛、亜鉛、ニッケル、貴金属では、金銀、プラチナ、パラジウム、昨今よく話題になる原油、石油製品、天然ガス、ちょっと変わったところでは排出権とか天候デリバティブのような商社ならではの金融商品を扱ってきました。昔は商品でしたけれども、どんどん金融化が進んで、今では片仮名でコモディティというのです。商品からコモディティに変わったというのは1つ大きな変化かなと感じています。

農産物などについては、コーヒーとか砂糖といった農産物の取引をしてきました。我々が一番ホームマーケットとしてきた市場は、東京工業品取引所でした。私は、1983年の創設のときから担当者として取引を行い、そこの理事をやり、それから昨年の6月まで取締役をした経緯があります。

ホームマーケットの東工取、野球に例えると、阪神タイガースにとっての甲子園球場なのです。

ところが、ここ5年ぐらい、球場に来てくれるお客さんの数がどんどん減りまして、野球をやっていてもほとんどお客がいない状態になっている。ここ数年は、金融危機の影響などもありまして、市場の流動性がものすごく落ちているというのが今の取引所の現状だと思います。

我々、実はそこのメインプレイヤーであると同時に、取引所の株主でもあるのです。住友商事で5%弱の株を持っております。ですから、取引所として成功してもらわないと、株主としても困りますし、そこをヘッジの場として使っているプレイヤーとしても大変困るわけです。

例えばここ1週間、2週間ぐらいですか、エジプトでああいうことになって、リビアに飛び火して、原油価格がぼんぼん上がって、それまで90ドル台だったブレントの原油があっという間に120ドルまで上がるという状況が起きたわけです。我々、毎日会社に行くと、いろいろなお客さんからヘッジ注文をもらって、それを場につないで行こう、自分たちの原油のポジションもヘッジしに行こうと思っても、東工取の出来高はほとんどありませんので、流動性が非常に低くて、ホームマーケットでプレーできないのです。

どうするかというと、シンガポールのマーケット、CME(Chicago Mercantile Exchange)といいまして、何でシカゴのマーケットが昼間やっているのだという話なのですけれども、今24時間でつながっているのです。ですから、シカゴのマーケットもシンガポールのマーケットも、もう一個、インターコンチネンタルエクスチェンジといいまして、発祥はアメリカなのですけれども、イギリスの取引所を買って、非常に多国籍でやっている取引所がありまして、こういうグローバルな取引所が入り乱れて、東京の時間帯でプラットフォームを提供している。ですから、我々みたいなプレイヤーは、別に東工取を使わなくても、どこの取引所を使ったってヘッジできるのです。ですけれども、我々のホームマーケットは日本の市場ですから、できれば外国の取引所を使ってヘッジするのではなくて、ホームマーケットを使ってやりたいという気持ちはすごくあります。円建てでできますし、それから日本のユーザーに合わせて商品設計もしていますし、いろいろな意味で使い勝手がいいということもありますので、そういう状況に今、日本の取引所というのは置かれてしまっているということだと思います。

では、日本のマーケットにもう一回活気を取り戻すためにどうしたらいいのかということですが、私は世界の取引所をずっとユーザーとしてみているのですが、今取引所の業界で起こっていることというのは、航空業界で起こっているのと同じことだと思っています。私は、実は飛行機のリースの商売もやっておりまして、世界中のエアラインに飛行機をリースさせていただいています。

そんなこともあって、航空業界は少しだけわかるのですが、今世界の航空業界というのは、スターアライアンス、ワンワールド、スカイチームという、3つのグループに集約されようとしています。世界中に航空会社がありますが、大体この3つに加盟するようになって、加盟することによってコードシェア便であったりとか、マイレージの相互乗り入れであったりとか、機材の整備の提携であったりとか、チェックインのシステムとかラウンジの共有など、統合することによって合理化できる部分がたくさんあるのです。それによって経費を下げて生き残っていくというのが今航空業界で起こっており、そうならないと生き残れなくなっている。

私は、取引所の業界もそうなってくると思います。今現在、世界に大きな取引所が3つか4つぐらいあって、一番大きいのがNYSEユーロネクストグループというドイチェブースというドイツ取引所と合併すると最近発表した取引所です。これが1つのグループ。それから、ナスダックOMXグループ、ロンドンの取引所などが2つ目。3つ目がCMEグループ。3つの大きなグループに再編されてきているのが今の取引所業界です。

翻って日本の取引所はどうなっているかというと、証券取引所も北から南まで全部足すといっぱいあり、商品取引所も実質的には東工取が一番大きいのですが、存在しているのは幾つもあります。ですから、まず日本の場合は、非常にたくさんある取引所、東証、大証、一部の商品取引所を除いて、一個一個が大きな流動性を持っていない状態にあるため、こういうものをある程度整理して、統合して、世界の3つか4つの潮流にいかに乗せていくかということをやらなければいけないことではないかと私は感じています。

日本の取引所の中でも、例えば大証などは非常にうまくやっておられて、日経225の先物などを1988年に上場して、世界の大きなヘッジファンドや年金の投資金の受け皿になっています。もう1つ私が注目しているのが、FXの証拠金取引という非常に大きな市場がありまして、英語ではミセスワタナベと呼ばれています。日本の主婦がやっていますから、ミセスワタナベというのです。

このミセスワタナベの威力というのはすごくて、今、為替の市場で1日に円の直物取引で28兆円取引されていますが、この中で、ミセスワタナベがやっているのが5.2兆円あります。昨年の9月の日銀の介入は、1日に2.1兆円で、今までの史上最大の介入額でしたが、ミセスワタナベが1日5.2兆円やっているということは、日銀の介入よりもはるかに大きくなっています。これが円の取引の20%ぐらいを占めるようになってきています。日本の投資家というのは、投資をするとか投機をするということが苦手なのではなくて、場を与えられたらすごい威力で投資、投機をやるのです。ただ、そういうプラットフォームが日本にないがために、こういうFXの取引のプレイヤーたちがうまく商品先物市場に入ってきていないという状態ではないかと思います。

今、証券取引所や金融先物取引所などがこういうマネーをいかに日本の市場に引き入れるかという努力をしていると思いますが、私は上手にこういうマネーを商品の取引所にも導入することによって、これからどんどん日本のマーケットもアジアの市場の中でほかの取引所に伍していけるだけの市場になるのではないかというポテンシャルを感じています。

私が申し上げたかったことは、非常に分散化して非効率になっている日本の取引所業界を整理統合することによって、世界の3つ、4つの大きな潮流に乗る形にすることがまず1つ。

そうした上で、今申し上げた為替取引などの投資マネーをいかに日本の市場に引っ張り込んでくるかを考えること。そのためには、商品、証券、金融先物という垣根は取り払った方がいいと思います。為替に投資している人が原油にも投資し、原油に投資している人が金にも投資し、金に投資している人が証券、先物にも投資するという様に、境界線を全部取り払うことによって、こういう投資マネーが大きく動けるようになってくるというのが1つの方向性ではないかと感じています。

以上でございます。

○木村課長

20年前の1990年には、東京砂糖取引所の取組高は45万枚あり、平均的な1日の出来高が2万6,000枚ありました。一方で、今、世界の主流になっているニューヨークの砂糖の取引を行っている取引所の取組高は14万枚しかありませんでした。1日の出来高も2万2,000枚ということで、東京も世界に伍して、ニューヨークよりもボリュームが多かったという状況が20年後にどうなったかというと、おおよそ、東京の今取り組みが1万から多くて2万枚ぐらいという状況。出来高も一日1,000枚から2,000枚という状況。

その一方で、ニューヨークが去年の2月ぐらいには100万枚を突破したのですが、今、取組高が60万枚、出来高も平均しておよそ10万枚できているという状況になっています。この20年間でこれだけ東京の地位が低下して、ニューヨークはこれだけ増えていったのは、まず1つには、商品の設計といいましょうか、対象としている部分、どこをターゲットとしているかという部分があると思います。東京の場合は、日本で渡す貨物を対象にした商品設計になっている一方で、ニューヨークは生産地でできたもの、輸出する貨物、これを対象にしている商品となっています。細かい話ですが、砂糖の年間の貿易量というのは5,000万トンあり、ニューヨークは、一応これを取引の対象にしていると考えていただければいいと思います。

一方で、日本の砂糖の輸入量は、今130万トンぐらいしかなく、ベースがこれだけ違うもので戦おうとしても、数量的には40分の1ぐらいのところで比較しても、これは到底勝ち目はないと思います。砂糖の世界ではニューヨークとロンドンと東京、大きく分けて3つ取引所がありますが、ニューヨークがほぼ全体の世界の生産者を中心にカバーしている。ロンドンの場合は商品が若干違うのですが、ヨーロッパを中心にカバーしている。東京の場合は、日本だけをカバーしているという状況なのです。

今、世界の潮流としては、南米のブラジルから砂糖がアジア、あるいは中東に流れているのですが、もしアジアの富をとっていくのであれば、例えば、日本に到着する貨物ではなく、ほとんどが砂糖の輸入国となっているアジア全体の需要をとっていけるような商品設計にするといったように、パイを広げていかないと、取引の増加、建玉の増加は難しいのではないかと感じております。

どこを取りに行くのか、ベースの取引としてどれぐらいを想定するのかというのをもう少し具体的に議論した方がいいのではないか。そうした上で、もし商品がそれほど流動性を生まないのであれば、日本に要らないかもしれない。私個人的には砂糖を残してほしいのですが、流動性を保てるような、ボリュームをふやせるようなものができるのかどうか。農産物でいうと、CMEとか砂糖でいえばICE(Intercontinental Exchange)といった取引所に対抗したものをつくれるのかどうか、あるいはそうした取引所に付随して、さやとりをやるような市場にするのか、あるいは産地の価格変動をヘッジする市場と、消費地、輸入地の価格変動をヘッジするような市場をつくれるのかどうか。そのような方向で、だれを、何をターゲットにしていくのかというところを突き詰めていく必要があるのではないかと思っています。

実需のパイが大きくなってくれば、取組高・出来高も増えて、実需以外、当業者以外の投資家たちも入りやすいのではないかと思いますので、商品設計が非常に大事になってくる。

あとは品ぞろえということもこの中に入っていましたけれども、品ぞろえというよりは、本当に必要なのかどうかの判断が今後必要になってくるのではないかと思っています。

○松下副大臣

どうもありがとうございました。3人の第一線で働いていらっしゃる方たちの貴重なご意見でありました。

まず、私から3人に幾つかご質問させていただきます。

高井さんから、もう答えをいただいた部分もありますが、最近の取引所の再編、統合、どういう背景で進んでいるのかということに関して、今ご説明ありました航空業界とあわせて、何かつけ加えることがあったらぜひ聞かせてもらいたい。

もう1つ、海外の取引所はマネーを引きつけるためにどのような営業戦略をとっているのか、何を売り物にしているのかという見解を聞かせてもらいたい。

それから、東証、大証、東工取、東穀取などの日本の取引所について、世界の投資家からどのように評価されているのかを聞かせてもらいたい。

最後に、最近の取引所が現物株の取引よりもデリバティブ取引が収益源となってきているようでありますけれども、ドイツとニューヨークの合併比率も、デリバティブの強みをもつドイツのほうが優位に立っていると聞いています。なぜデリバティブのほうが収益性が高いのかも見解をいただきたいと思います。

白木さんに対してですけれども、ファンドの運用担当者が取引する取引所や商品を選ぶ際に、どのような基準によって選択をしているのか、見解をいただきたいと思います。

高井さんにもう1つですけれども、主に世界のどこで取引することが多いのか。取引する取引所を選ぶ際に、どのような基準によって選択しているのかも聞かせていただきたいと思っています。

木村さんですけれども、最近、食料、農産物の価格が急騰していますけれども、農産物の取引をする際に、ヘッジはどのように行っているのか。日本への食料、穀物の輸入量は多いと思っていますけれども、日本の取引所でヘッジをするニーズはあるのか否かご見解をいただきたいと思います。

○高井本部長

まず、売り物について一言でいうと利便性です。この業界でバイサイド、セルサイドという言葉があり、私たちみたいにヘッジャーとしてマーケットを使っているような人や、AIMAのメンバーになっておられるヘッジファンドのプレイヤーのように市場を使っているユーザーのことを専門用語でバイサイドといいます。逆に間に入って、それを売っている仲介業者、証券会社、商品業者をセルサイドといいます。

海外の取引所はバイサイドのニーズを非常によく分かっています。かゆいところに手が届く。私たちが一体何を求めているか、どういうヘッジをかけたがっているのか、執行のスピードはどれだけ欲しいと思っているのか、英語がいいのか、日本語がいいのか、清算はどうしてほしいのか、ルールはどうやったら簡素化できるのかということを徹底的に分析して、我々の方を向いてやっているのです。

残念ながら日本の取引所の場合、海外の取引所と比べバイサイドを向いてやっている印象が余りない。もっとバイサイドの方を向いて、利便性を高めてもらいたい。

海外の取引所は、システムであったり、クリアリングの制度であったり、ルールであったり、税制であったり、非常にわかりやすいです。ルールはグローバルにできている取引所というのは全部英語で統一されていますし、だれがみてもわかりやすいルールになっています。

税制も非常にわかりやすい税制となっており、安心して取引ができます。日本の場合は、ルールも税制もあちこちにいろいろあって、こんなのやったらここで怒られるとか、こんなことをやったら地雷を踏んでしまうとかいっぱいあり、怖くてプレーできない。その辺をまず整備して、グローバルに合わせてもらわないと、プレイヤーはやりにくいです。それが第1点です。

日本の取引所をどうみているか。ここに大きな流動性の固まりがあるのはみんな信じているのです。日本というのは、GDPで第3位に落ちてしまいましたけれども、中国とかほかの経済に比べると圧倒的に産業が発達している国なのです。ですから、ここに産業や工業に根差したヘッジニーズがある、ここにメーカーがいるということで、ポテンシャルはすごくあるのです。

何といっても、1,400兆円のお金がありますので、外国人にしてみても非常に垂涎の的なわけですけれども、制度が煩雑にでき上がっているため、これが自由に市場へ還流される環境になってされていないのです。ですから、外国人はアプローチしたいが、何かややこしいなということで素通りしていっているというのが現状だと思います。

デリバティブはおっしゃるとおりで、現株のマーケットというのはある程度成熟してしまって、これ以上ここでもうかるという商品設計は難しいのです。デリバティブというのは、そこから派生しているものですから、例えば1つの株式からいろいろな派生商品がつくっていけるわけです。指数をつくったりとか、オプションをつくったりとか、オプションを組み合わせて新しい商品をつくったりとか。

ですから、デリバティブのマーケットというのは広がりが無限大なので、世界の取引所が何をねらっているかというと、デリバティブでどこまで成長できるかをねらっているのです。例えば、ドイツ取引所とNYSEユーロネクストの合併ですけれども、収益の37%がデリバティブの収益とクリアリングの収益なのです。ここの部分がもっと伸びると皆思っています。

さらにいうと、ドッド・フランク法がアメリカでできたのです。施行されると、今、店頭取引でやっている取引も全部取引所に乗せる、クリアリングにかけなさいとなってくるため、皆あれをにらんで、クリアリングのビジネスに入ってこようとしています。日本はここをうまくとらえないと、全部外国人にやられてしまうと思います。ですから、デリバティブとクリアリングの2つは、日本の取引所は将来の飯の種だと思ってやっていかなければいけないということかと思います。

○松下副大臣

主に世界のどこで取引をするか、取引所を選択する基準についてはいかがですか。

○高井本部長

一言でいうと、流動性があればどこでもやります。やはり我々商社は、例えばリビアで動乱が起こった、原油の値段がばっと上がろうとしている。お客さんのために、300枚の原油を買いに行かなければいけない。ばっと画面をみたときに、日本の取引所は1枚しか売り物がない。CMEは例えば50枚の売り物がある。どこどこのマーケットは300枚の売り物があるというと、まずそのマーケットで300枚買うわけです。この流動性を提供してくれないと、我々はヘッジできないのです。残念ながら日本の取引所というのは、流動性のところで非常に劣後してしまっているので、いざヘッジをかけにいくときには、欧米の取引所の電子プラットフォームで取引してしまう場合が多いです。もしくは店頭取引を使うかということです。ですから、基準は何かというと流動性ということになってくるかと思います。

○松下副大臣

白木さん、今の高井さんの見解も交えて、ファンドの運用担当者が取引、商品を選ぶ基準とその考え方についてはいかがですか。

○白木副会長

プレイヤーとしては同じことで、資産運用での最重要なポイントは資金の保全です。投資家の方々の皆さんの資産をいかに保全していくかということが第一番の目的になっていますので、その際に一番重要なことというのは流動性です。つまり、何か市場で大きな波乱が起きたときとか、予想以上の動きが出たときに、キャッシュ化できるということが何よりも重要になるので、ほかのプレイヤーと同じように、流動性があるところにひかれて取引をするというのがまず一番です。

ただ、当然それだけではなくて、どういうバックグラウンドの人が運用を始めるかにもよりますが、例えば木村さんのように砂糖にすごく熟練をした方というのは、砂糖の裏も表も全部分かっているので、砂糖に特化して運用する。例えばそれが農産物なのか、あるいは貴金属なのか、エネルギーなのか、あるいは株式なのか、債券なのかというところは、その方々のバックグラウンドによって、異なるし、そこに熟練した人であればあるほど、先ほどいった裏も表もわかることのメリットというのは、価格の歪みをすぐにみつけることができます。

そうすると、裁定取引、アービトラージといいますけれども、例えば現物価格と先物価格の差が大きく開いたときに、それが戻る方向にかけようということであったりとか、あるいは先物には限月がありますので、コモディティでいうと、例えばずっと先の限月のほうが安く放置されていたりと。逆にコンタンゴといいますけれども、とても高くなってしまったりとか、これが事実上反映せずに歪みが起こったときに、そういった限月間の裁定取引をするといった、先ほど高井さんがおっしゃっていましたが、自分たちのホームグラウンドの中でおかしな動きがあったときに、いち早くそこに目をつけて、収益機会とすることのできるようなプレイヤーも非常にニーズが高いものですから、そういったところに入る方々もいます。為替になれた方は為替をやるでしょう。

熟練した方であればあるほど、一般的には長生きしている運用者であればあるほど、余り大きな方向性にかけるということをしなくなるのです。つまり、価格があっちに行くと思って、どんと張って、荒っぽい仕事をすると、運用者としてなかなか長生きができないので、結果的には方向性に余りかけずに、いつでも逃げ腰になりながら、例えば価格が非常に大きくリバウンドしてしまって、大きく上がってしまったときには売りをするとか、割安になったら買いをするというのを細かくやるような運用方法は長生きする秘訣でもあるので、これはその人の個性とかバックグラウンドに応じて選ぶ対象が変わってきます。ただ、大前提にあるのは、やはり流動性というのがポイントになると思います。

先ほど高井さんがご説明されていましたけれども、私どものところにもよく海外の取引所の方がヒアリングにいらっしゃいます。日本のプレイヤーは何がしたいのだ、どういった状況だったら、例えばシンガポールのSGXが頻繁に日本に来て、どうしたら取引ボリュームを増やしてくれるのだ、何がきっかけになるのだということをしつこいぐらいに聞いてきますし、ほかの海外の取引所でも同じようなことがあります。

一方で、今度は海外のブローカーの方々が日本のTOCOMのシートをとるべきかどうか非常に悩むわけです。我々プレイヤーとしてはTOCOMを使っていますので、ある程度の実利があるとわかっているが、果たしてそれがペイするのか、自分たちがシートをとって、いろいろな規制のリスクとか報告しなければいけないコストなどにさらされてまでとるべき仕事なのかということをものすごく悩むわけです。それが海外の取引所であるとそこまでのコストとかストレスはないのだろうと思います。

○松下副大臣

ありがとうございました。木村さん、今のお2人の見解も交えて、お願いします。

○木村課長

まず、価格高騰に絡んだところだと思うのですが、これも商品によっていろいろあるとは思いますが、まずベースとしてなぜ価格高騰しているか。基本的には人口増、あとは経済が先進国以外で伸びている。ほとんどの食品で需要が伸びているというのは間違いないと思うのです。穀物、特に中国は非常に大きいと思いますけれども、例えばインドネシアとか消費が非常に伸びている。

一方で、伝統的な生産国以外も含めて、農産地の拡大は非常に限られている。これは土地の問題、あとは土地当たりの収穫量の問題、反収がこれ以上伸びにくい。あとは水の問題。消費と生産余力の問題で、構造的にほうっておけば価格が上がるという環境にあると思うのです。これを打破するためには、生産を当然増やしていかなければいけないのですが、そのためには投資が必要になってくる。砂糖でいうと、1工場でたかだか10万トンつくるに100億円ぐらいの金を投じないといけない。それが正当化できるだけの高値が続くというベースがないと、なかなか投資はできない。そのために、相場が持続的に上がっていないと投資が促されないと思うのです。これが急落してしまうと、また同じような状況で消費が上がるのに生産が追いつかない。あるいは、ほかの商品でも起きているという気がしています。

砂糖も特にそうなのですが、消費は毎年伸びています。年間1~1.5%ぐらい伸びている。その一方で、生産余力があるのはブラジルだけなのですが、この増産が追いつかない状況なのです。ここにきて投資ペースが非常に落ちているため、市場が先物でそういうシグナルを送らないといけないのです。高値を出さないと、新しい投資が促されない。それで急騰している部分はもしかするとあるのかなという気がしています。それがファンダメンタルを超えているかというと、もしかすると超えているかもしれないです。しかし、そうしたシグナルが出ないと、次の生産増にはつながらないのだろうと。

昔に比べますと、流動性も高くなってはいるのですが、非常にボラティリティというか、動きが激しくなってきているのは間違いないと思います。そのために瞬間的には急騰ということが起きやすくなってきてはいると思います。

あと、質問2つ目の日本で農産物のヘッジのニーズがあるかどうか。これは、各商品によってもしかすると違うかもしれないのですが、ヘッジのニーズというのは、基本的に私ども農産物では生産者のニーズだろうと思っています。輸入者ないしユーザーは、ある程度はでき上がったもの、積み上げたコストで買っていくしかないと思っているのですけれども、生産者のヘッジのニーズがあるかというと、これは日本では国産の消費を除いて余り生産者のヘッジのニーズはないと思います。

今、恐らくトウモロコシ、砂糖も含めてやっているのは、メインのマーケットであるシカゴやニューヨークのマーケットであり、東穀取はそれらの取引所に対するさやとり市場といいましょうか、それがメインなのではないか。シカゴの値段、ニューヨークの値段とそこから海上運賃を足して日本でつけたときの値段と比べて、東京での穀物の値段、砂糖の値段と比較してどうかというのに主に東穀取の市場を使っていると思うのです。

ですから、これが必要かというと、今そこまで需要があるかどうかというのはわかりません。我々は当然使うのですが、本来の価格ヘッジで使っているかどうかというと、輸入者はあまり使っていないと思います。

○筒井副大臣

システムを含めた取引所、そして清算機関の2つがどのようにされているかが極めて大きなキーワードだと思っているものですから、それについてお3人それぞれにお聞きしたいのですが、取引所の点に関しては、世界が3つに統合化されつつあると。NYSEユーロネクスト、ドイツ取引所の合併は、我々素人にとっても極めて大きな衝撃だったと思うのです。

そういう世界の流れの中で、アジアのメインマーケットを目指していくためには、取引所の統合を促すことは避けられない、その必要性があると思うわけですが、その点に関してそれぞれご意見をお聞かせいただきたいと思います。

○高井本部長

ドイツ取引所とNYSEユーロネクストの合併効果の最大のものはシステム統合なのです。これで年間約4億ドル、330億円のコスト削減ができると報道されています。

恐らくどの業界も同じだと思うのですが、統合することによって重複していることを経費削減していくと。鉄鋼の業界でも大型の統合が検討されているとの報道がありましたが、あれも同じだと思いますし、航空会社もそうですし、こういう取引所も同じだと思います。

特に取引所の商売の場合は、電子取引の時代に入ってしまっていますので、グーグルとかヤフーと同じ業界だと思ったほうがいいです。マッチングエンジンなのです。売り手と買い手をマッチングさせるエンジンなのです。ですから、ものすごいシステム投資が必要になってきて、これをどんどんアップデートしていかなければいけないというのがありますので、恐らく1社でシステムの投資を賄い切れないというのが、合併する上での一番の差し迫ったニーズではないかと感じます。システムに関してはそういうことだと思います。

恐らく日本の取引所が生きていこうと思ったら、1社でシステム投資できなくなるのではないかと思います。

○筒井副大臣

その場合に、現物株とデリバティブと2つぐらいにという……

○高井本部長

私は、個人的な意見ですけれども、現物株とデリバティブは基本的に違いますので、2つ分けておくというのがいいのではないかと感じています。

ですけれども、デリバティブの中は、物がトウモロコシであっても、原油であっても、金融先物であっても、証券先物であっても、為替であっても、1つのものにしておいたほうがいいのではないかと。当然、クリアリングのところも1つに統合したほうがいいのではないかと思います。

○筒井副大臣

木村さん、もしそれについて。特に農産物の観点からの意見もできたらお聞かせいただけたらありがたいです。

○木村課長

まずはやはり商品として生き残れるかどうかが第一だと思います。

統合する必要があるかどうかですけれども、先ほどおっしゃっていたシステム、資産が非常に大きくなってくる中で、統合できるところは統合した方がいいのだろうと思いますし、クリアリングもできる限り統合できるところは統合していった方がいいのだろうと思っています。

緩やかな連合でそれがもしできるのであればそれでもいいのでしょうし、統合しなければいけないのかどうかは、プラットフォームとクリアリングで統合できるところは統合したほういい。あとは、1つの声としてまとまれるような体制はつくったほうが、独立した取引所よりは海外と対等に戦っていけるのではないか、あるいは対等に話していけるのではないかと考えています。

○筒井副大臣

白木さんの立場からどうでしょうか。

○白木副会長

2点あるのですが、システムに関しては東証もコロケーションを導入されました、世界の取引員というか、投資家の方々は、マイクロセカンドの世界での発注、例えば自分たちが端末を押した瞬間に約定ができるというのがどんどん常識になりつつあって、これができないところは取引の対象にならないというところまできつつあります。

ここに対応していくためには、かなり早いサイクルのシステム投資が必要になってきますので、これを可能にするためにはある程度資本力の大きなところに統合しておく必要があることは間違いないと思います。実際、皆さんの大きなテーマというのは、システムというところがあって、どんどん早く約定ができるというほうに流れてしまっていて、一つ後押ししているのは膨大な量のシステム取引をする、例えばCTAとかヘッジファンドといわれているところが後押しをしてしまっているのですが、本当に1秒とか分の単位で何千何万の取引オーダーを出すシステムができてきているのです。これが1つ。

もう1つは、流動性を上げるためには、例えばFXというのは証券会社さんと融合することによって、相当のボリュームが増えた経緯がありますので、今回、コモディティの先物についても、例えば証券会社がこれをプラットフォームで取り扱うようになれば、今まで金融先物、あるいは株の現物しか扱ったことのなかった個人の方々が毎日のように金とか穀物の価格に触れることができるわけです。そうすると、少し取引をしてみようという人は必ず出てくると思うので、そこで個人の投資家の方々の流動性を喚起できるということはほぼ疑いがないと思っています。

それによって、先ほどもいったように、外からみている方々も取引のボリュームが上がれば自分たちの制約も少し上がるので、外からの取引も増えるという順回転に必ずなってくるかと思いますから、そういった意味での統合というのは必要だと思います。

○筒井副大臣

もう1点だけ。今もお答えを一部いただいたのですが、清算機関についての確認をしたいのですが、清算機関もコスト集約、統合しなければならないし、例えば証拠金は証券、商品、金融、1つの証拠金で全部取り扱えるようにするという方向性に直す必要があると思うのですが、その点に関してお3人のご意見を。

○高井本部長

 おっしゃるとおりだと思います。やはりユーザーの立場からしたら、Aという取引所に10億円、Bに30億円、Cに50億円、それぞれ証拠金を置いて取引するのと、一ところにまとめていただいて、20億円で全部賄うほうがよっぽど資金効率はいいわけです。それが1つ。

もう1つは、我々みたいにいろいろな商品とか金融商品をやっていると、トウモロコシでは勝っています、原油では負けています、金では負けています、株は大勝ちしています、これは全部オフセットしてくれたら、これだけ勝っていますねという話なのです。これをばらばらでやられると、全部やらなければいけないのです。これは非常に非効率なのです。そのように思います。

○木村課長

私も同感で、商品ごとに清算をする、ロングとショートがあって、どれだけ値洗いやる、毎日清算するということを考えましたら、間違いなく全部まとめた方が、ネットして支払いなのか、もらいなのかをやって管理した方が、手間の分と資金面から、クリアリングに関しては間違いなく統合した方がいいと思います。

○白木副会長

利便性が間違いなく上がると思います。私ども、運用会社としても使える資金の自由度が圧倒的に上がると思いますので。

○高井本部長

クリアリングということでいいますと、今、取引所のクリアリングということだけに限定して話をしていますけれども、今の世界の潮流というのは、店頭取引までクリアリングに引っ張り込む世界なのです。そうすると、クリアリングハウスは、要はほかの収益源ができるわけです。今までは取引所だけがお客さんだったのですけれども、店頭取引まで全部客にできる。しかも、それが大きなクリアリングハウスであれば、例えばですけれども、非常に大手の金融機関が株主に入って、少々のことがあっても絶対つぶれないクリアリングハウスを日本で1個つくれば、アジア中のお客さんを引っ張り込むことができるのです。そこまでクリアリングを戦略的に考えていくということをぜひやってもらいたいと思います。

○東副大臣

まず白木さんに、基本的に商品投資は海外の取引所に流れてしまっておりますが、現在は東証や大証が現実に商品を取り扱うことができないわけです。それが総合的な取引所ということでもし取り扱うようになれば、本来国内で行われるべき取引の海外流出に歯どめをかけ、海外で行われている取引も呼び込むことができるのではないのかと考えるのですが、これは間違った発想なのか。

それから、高井さんと木村さんに、あるべき姿でやはりコモディティの上場や市場管理について、現物との関係で特別な配慮が必要ではないのかと。例えば石油もどんどん異常な価格高騰をしたり、そういう現実の私たちの暮らしにかかわる問題があったときに、何らかの形での特別な配慮が必要ではないのかと。ごく一般的に考えられるようなことなのですけれども、この点についてどのようにお考えになるのか。

それから、これは高井さんにお聞きしたいのですけれども、昨年のヒアリングの時に、金融の部分と商品の部分はある意味で法改正により近づいたと思いますが、まだちょっと違うところがあるので、これを一本化することが必要だと発言していただいたと思うのですが、コモディティについて特別な配慮が必要ならば、なかなか簡単には一本化に近づかないように思われるのですが、そうした配慮と一本化をどのように考えたらいいのだろうかということです。

それから、現実に資料4をみていただくと、これだけいろいろなものがあるのです。地方証券取引所、東証、大証、そしてクリアリング機関としてもそれぞれ相当ある意味で統合が進んできているのだと現実に思うのです。

CMEやNYSEユーロネクスト等、ものすごい力を増していく渦巻きのような潮流が起こっているのですが、それとの関連で、どうしても統合化が必要になってくるといった場合、政府が何かやれといってできるものなのかと。私は自由主義者ですから、もう既にある経営主体が勝手にちゃんと判断できるような土壌を整えておいてあげれば、自主的な経営判断に任せていく以外、たとえ国がそういうことをやれといったとしても、果たしてでき得るのかと思うのです。

クリアリングの問題も全く同じなのですが、それは国としてそういうことを推奨すべきだというよりも、法的な部分でちゃんと整備しておいてあげれば、あとは各取引所、あるいは関係者がぜひ一本化していきたいということを任せるべきなのだろうと私は基本的に思っているのですが、そうでないとそこに国が大きな介入をしてくるということが分かれば、それこそ入ってくるお金も逃げていってしまうのではないのかと思うのですが、統合化するに当たっての方法、国がそれを推奨していくのか、自主的な判断に任せて淘汰させるべきか。例えばニューヨークとドイツは国がやっているのではなくて、それぞれの経営主体が判断してやっているはずです。シンガポールにおいても、オーストラリアとも、それぞれの経営主体がやっているわけで、それを飛び越えて、国がぼんというのはないのだろうと私は思っているのですが、その点についてぜひお伺いしたい。

○白木副会長

東証、大証で商品、あるいは統合ということを前提として、今まで東証、大証を使っていたようなユーザーが商品先物にもさわれるようになった場合の第一次的な効果としては、これは私見ですけれども、何よりも東証、大証のチャネルを商品に開放するわけですから、証券会社がもっているお客さん、まずは個人の方々がこういった商品先物取引をかなりの確率でおやりになるようになると思うのです。これは、例えばFXで資本がそれほど大きくなくて、小さなところで信用力のないところでやっていたよりも、合併等が行われて、かなりの大手のところが資本を入れてFXをやった場合に、ボリュームが一気に上がったのと同様のことが商品先物でも起こるのだと思います。

当然長い目でみれば、国内の機関投資家も東証、大証に乗っている商品に投資をする可能性も出てくると思いますし、例えばETFとかREITを利用した機関投資家が増えてきたのと同様のことが起こるのだと思います。

当然、国内の取引ボリュームが大きくなるにつれて、海外の投資家も入ってきやすくなるというのは、先ほどのCTAの話でさせていただいたのと全く変わっていないのですけれども、こういった順回転が起こりやすい環境になっていくと思っています。

○高井本部長

東副大臣から大きく分けると2つ質問があったと思います。現物、デリバティブ、金融vs商品を一本化するというのは特別な配慮がいるのではないかというのが1つと、それから統合するときに自主的にやらせるべきではないかと。ただ、法制的なところをきちんとしてあげるということではないかということですね。

最初のポイントからいきますと、金融デリバティブと商品デリバティブの最大の違いは、商品デリバティブは現物で、最後決済するということは許されているのです。例えば、日経の225の先物を買えば、日経225という証券が最後デリバリーされてくるわけではないのです。あれは値差だけで清算して終わってしまうのです。

でも、例えば住友商事が金の先物を買ったと。その場合は限月になって清算しない場合は、物が来るわけです。そこが最大の違いだと思います。これは、欧米でも全く同じです。ですから、デリバティブの市場で1つ統合していこうという動きでやっていくのであれば、商品の最後、現物が動くというところは特別な配慮が必要だと思います。ですけれども、全体の大きな出来高の中で、ではどれだけデリバリーがあるのというと、実際は非常に少ないです。恐らく0.何%ぐらいの割合しかないのではと思いますので、そのことだけが全体の足を引っ張るような大きなことにはならないと私は思っています。

ですから、そのデリバティブ市場を管理監督する規制当局をどうするか。アメリカの場合は、CFTCという単独の規制団体があるわけですけれども、日本の場合は3つぐらいに分かれてしまっている。1つの方法は、日本版のCFTCをつくって、3つの省庁からそれぞれ人が出てきて、要はこういう1つの組織をつくって、証券の先物も金融の先物も商品の先物もみると。そのときに商品の先物だけはそれぞれそういうことがわかる方が省庁におられると思いますから、来ていただいて、そこはちゃんとみておくというのは私は可能だと思います。

それから、2点目の自主的にというところですね。それは、東副大臣のおっしゃるとおりです。例えばですけれども、先ほど述べた鉄鋼業界での大型統合は、別に政府が合併しろといったわけではなくて、経営者が判断して、株主に判断を仰いで、統合することによって双方にメリットがあるという判断でやっているわけです。

今回のドイツ取引所とニューヨーク取引所の合併にしても、あれは彼らが自分たちで判断して、必要だと思ってやっている。政府は、むしろ逆なのです。経営陣は合併しないと次の展開がないのだということで、政府を逆に説得しているような状況です。ですから、この部分に関しては、恐らく日本も全く同じだと思います。一個一個の取引所が1つの株式会社になっていますし、株主もいますから、何が企業にとっていいのか、株主にとっての最良の選択なのかということを判断基準にしてやるべきだと私は思います。国は、統合が起こりやすいような環境を整備してあげるということではないかなと思います。

○木村課長

上場管理に特別な配慮が必要かどうかという点に関してなのですけれども、特別な配慮という言い方がいいのかどうかちょっとわからないのですが、農産品を扱うに当たって、日本の農業政策、農業安保というのは、恐らく避けて通れないのかなと思っています。

それが直接上場する、しないの基準になるか分かりませんが、特別な配慮という言い方はわかりませんけれども、ある程度そこの部分を加味した上で検討していく必要はあるのではないかと考えています。

あと、管理等に関して、私も高井さんと同じように、日本版のCFTCのようなものをやはりもっていて、食料だけのことをわかる人ではなく、金融もほかのものもわかる専門家がそれぞれ出てきてやるのか。独立した機関として置いておく方がいいのかなということは思っております。

昨今、先ほど出ていた食料価格の急騰は、需給に応じたものとは思っているのですが、そんな中でもいろいろな動きが出てくる中で、それぞれの商品がわかる人、専門家を配したような独立の管理監督機関を置いた方がいいのではないかと思っています。

○筒井副大臣

今のお話を聞いて意を強くしたのですが、独立した機関に規制監督の権限を一元化する。そこにそれぞれのプロ、専門家を配置すれば、そこでもって十分やっていける。アメリカは、そういう方向であると。それは全く賛成で、そのようにしたいと思っています。その点は政府の規制監督権限の問題ですから、政府で決定しなければいけない問題だと思いますが、今おっしゃった内容に賛成だと。

同時に、取引所の集約、統合の問題は、社会主義国ではないのだから、政府が決定するというのは問題外で、各取引所が経営判断で決定すべきだと思うのです。ただ、日本の場合には集約、統合の方向での環境整備をしていくという姿勢は必要なのだろうと。その上でも、取引所は集約、統合など嫌だということであれば仕方ないことなのですが、それは最終的に取引所が決定することなのです。そのための環境整備をやっていくと、これを促すことだと思っているのです。先ほどそういう趣旨で申し上げさせていただきました。

○和田政務官

先ほどお話によると、バイサイド、セルサイドという話もありましたが、取引当事者にとって便利な取引所をつくることが取引所の生き残りの絶対条件だという話は、お三方の話からよく伝わりましたが、現実に今は日本の中でそれぞれの金融も商品も穀物も取引所があるわけですが、現状の取引所をご覧になって、このままであったら今の取引をそのままとり続けていけるでしょうか。

つまり、将来、外国との関係で今おっしゃったようなところを考えれば、外国の方が取引当事者サイドに立っているとみざるを得ないものですから、そうすると、私が取引当事者だったら、普通だったら全部取引をシフトするというのが自然な決断ではないかなと思いますが、日本の取引当事者としていろいろ考えるところもあるのではないかと思うのです。そこのところを今の現状がそのまま推移するときにはどうするかということが大きな流れとしての質問です。

もう1つは、今、皆が統合した方がいいのではないかなと思っているのですが、その進め方にはいろいろ議論があるところですが、それぞれ取引所の統合や清算のシステムの統合やいろいろなことが語られています。今、たまたま資料が配られていまして、ずっと眺めていたのですけれども、特にそれぞれ当事者から考えたときに、営業利益が上がっていないところで相手方として選ぶわけないのです。

例えばシステムのお話がございましたので、今それぞれ苦しんでいて、一緒になればそれぞれがプラスになれるという関係に立てば、それは決断できるのではないかと思いますけれども、一方がプラスで一方がマイナス、黒と赤という関係だと、取引当事者としては足を引っ張られるという感覚をもちますものですから、それではなかなかうまくいかないですよね。

これを幾つかみていただくと、書いてあるとおりで、中には赤字になっている機関がございまして、このまま一緒になる気にはならないのではないかと思うわけです。それを取引当事者として、取引所の部分も清算機関の部分もどのようにみていらっしゃるか、それをお聞かせいただければと思います。

○高井本部長

今のままだとどうなるかと。恐らく我々はヘッジしなければいけないニーズをもっていますから、外国の取引所でやります。ですけれども、私は日本人なので、やはりアメリカのエアラインに乗りたくないのです。やはり日本航空に乗りたいし、全日空に乗りたいわけです。なぜならば便利だから。日本人の立場に立っていろいろなことを考えてくれるから、利便性があるのです。もしかのときに、やはり日本語でできるというのはすごく大きいのです。

別に外国のエアラインだって乗ればいいではないかといえばそうなのですけれども、そうはいっても、私たちとしては日本の取引所で取引をしたい。日本人のプレイヤーだからというように思います。ですけれども、今のままいくと、一個一個、特に商品の取引所の場合は採算が非常に苦しいですから、そう長続きしないと思うのです。早晩、大きな経営判断を迫られてくると。

2つ目は、赤字と黒字の取引所があるということですよね。赤字の取引所だからといって企業価値がないかというと、そんなことはないのです。M&Aの世界などでも、赤字を出しているような企業の方がみんなM&Aが働くのです。どうして赤字が出ているのかということをもっと経営上手な企業が乗り込んできて、悪いところを全部整理して、統合していって、合理化することによって赤字が黒字に変わっていくわけです。

要は、この企業がもっている商品が将来性があるものかどうか、私はコモディティというのはすごく将来性があると思っています。これから商品というのはもっと上がっていきますし、非常に大きなアセットクラスなのです。このアセットクラスを上手に活用できるような、もっと経営の上手な取引所が今の商品取引所を経営すれば、今死んでいるものは生き返ってくるということなので、今、赤字かどうかということはあまり重要ではない。私は、将来どうなのだということが重要だと思います。

○和田政務官

清算機関はどうですか。

○高井本部長

清算機関は、日本の場合、いっぱいありますよね。特に商品の場合は、できるだけ早くクリアリングのところも例えばインハウス化してしまうとか、もしくはほかの金融系、証券系のクリアリングハウスと一緒にしてしまうという形で、財政的な基盤をもうちょっと大きくしないと、クリアリングハウスの意味自体がなくなってしまうということだと思います。

○白木副会長

このまま流れが何もしないでいった場合というのは、当然、私ども(AIMA)のメンバーでいらっしゃる方々もそうですし、私の本業でやっている運用もそうですけれども、徐々に国内の取引所から海外の取引所に割合を増やして、シフトしていくということは明らかだと思います。

今プランしているファンドにしても、新しく設立するものに関しては、やはり海外取引所のボリュームを少しずつ上げていかざるを得ない。これは、先ほどいったようにサイズの制限というのが出てきますので、取引ボリュームの中に我々が与えるインパクトが大きいと、価格に自分たちが関与してしまう可能性も出てくるので、それは我々にとっても大きなリスクにつながりますから、そこは避けたいということで、徐々に海外の取引所にシフトせざるを得ない。

ただ、これは我々にとっては非常に苦渋の選択で、こういう問題以前に、資産運用業界もグローバルのコンペティションにさらされていますので、いかにユニークであるかということが非常に重要になっています。資産運用会社もいかに収益源を多様化しておくか、あるいは差別化しておくかということが生き残りの重要なポイントになりますので、日本でのノウハウというか、ナレッジが我々の1つの大きな差別化の要因になっている。日本に取引所があって、日本のユニークな投資家、あるいは業者の方々が参加しているということが、価格構成を海外のものと若干変えている。その中での取引をすることが我々の最終的な収益の源泉になっているので、それ自体が投資家からみてもほかの大手のCTAに投資をしないで、国内のCTAに投資をしようという1つの強いインセンティブになっているわけです。それを維持するためにも、国内の取引所はずっとあってほしいし、ボリュームが大きくなってほしいということは非常に思います。

アジアについてですけれども、私が取引所をみる目というのは、収益性というところではあまりなくて、資本がどのぐらい厚いか、いわゆるカウンター・パーティー・リスクをみるわけなので、クレジットがどのぐらいあるかというところに尽きるわけです。極端な話をすれば、マイナスが出ていれば当然資本がなくなっていってだめになってしまうわけですけれども、十分な資本があってフラットであれば、さほど大きなイシューにはならないわけです。その中でプラットフォームとして十分機能しているものがあるのであれば、我々としては使い続けることができる。

ただ、今後、システムの開発が1つの大きなイシューになってきて、それに対応しないところは使えなくなってくるリスクがありますので、当然それは収益性があった方がいいだろうとは思います。

○木村課長

今後、今のままでどうかという点でいえば、恐らく我々も使わなくなってくる、海外に依存してくるというのは間違いないと思うのですが、ポテンシャルとしてアジアの需要がとれると私は思っているのです。今までそっちの方に行かなさ過ぎた点があると思うのです。

ただ、これがシンガポール、タイ、あるいは中国にできてしまうと、そちらに流れてしまうかもしれない。まだ今できていないので、東京もやりたい、インドネシアとかシンガポールに行っても、東京の砂糖はできるのという話をよく聞くのですが、やはり流動性が少ないという点でみんな腰が引けてやらないのですけれども、そのようなものが魅力ある商品をつくり出すことがまだできるとは思います。どれぐらい大きくなるかという議論はあり、今のままだと多分使わないと思うのですが、まだできる可能性はあるので、そういう方向に行ければ、それは当然使っていくと思います。

今、我々、ニューヨークの市場を使っているのですが、その中で日本勢、ないしは私ども丸紅という会社は、当然そんなに影響力もない、発言力もないが、日本の取引所であれば、当然日本語でやっているという利便性もありますし、そういう意味ではまだまだやりようはあるのかなという気がしております。

○松下副大臣

高井さん、さっきもお話しされましたけれども、日本の取引所の経営者は株主に向いているのかどうか。その辺についてどう思っているか。

○高井本部長

先ほど私は、1つの比喩ということで申し上げたのです。監督官庁も今、取引所の経営に関しては、危機意識を持ち、取引所の経営をサポートされていると思います。

ただ、シカゴとかニューヨークとかロンドンの取引所を経営している経営者の意識と日本の取引所を経営されている経営者の危機意識は差があると思います。日本の経営者の場合は、皆さん、聞いたら、意識としては危機意識をもっているよとおっしゃるのです。でも、差があると思います。

株主ともちゃんと対話されて、株主総会でもいろいろな論点が議論されますけれども、正直株主からすごく強い要求が出て、取引所の経営がどんどん変わっていくとは今なっていないような気がします。これは株主にも責任があると思うのです。株主も大きい声を出して、取引所もっとしっかりしろ、経営陣もっとしっかりしろということを行っていかなければいけないのです。

○東副大臣

本当にありがとうございました。1つ、政治が決めなくてはいけないと思っているのですが、先ほど高井さんから独立した機関で規制監督云々と。そこにはいろいろな意味合いがありまして、例えば金商法においては金融庁が管轄しています。そこでほとんど金融証券の問題を扱っていて、一方において金融庁が監督せよとかそういう話ではなくて、そこに商品のデリバティブについて合流させれば、それで済む話なのです。

また、商品に関していえば商品取引法というのがありますから、法においても規制が2つあって、監督が金融庁、農林水産省、そして経済産業省となっている。そのときに、一方においては、大きな別の独立機関をつくってやった方がいいという意見もあるのですが、そうするとまた別の組織をつくり上げていくのかと。既に動いている人たちがうごめいているわけです。そうしたときに、多分、高井さんのお話というのは、そういうのはどのように統合するか、規制監督を一元化するかというのは政治家が決めてくださいということなのだろうと私は解釈していますが、新たな独立組織をつくって今までやっているものとは全く違う別のものをつくれという話ではないですよね。そのことだけ確認させておいていただきたい。

○高井本部長

違います。やはり金融庁さんは金融庁さんのお考え、経産省は経産省、農水省は農水省、それぞれ皆さんお考えがあって、専門家の方がちゃんとみられていると思います。

ですけれども、それぞれ皆さん省のインタレストがあるではないですか。その省のインタレストは置いておいて、3つの省庁が仲よく、このマーケットを大きくするのだという1つの目的に統合されてやってもらいたいというのがユーザーとしての一番の気持ちです。

○白木副会長

今、私がやっているマネックス・オルタナティブ・インベストメンツという会社があるのですけれども、投資運用業と投資顧問業両方のライセンスを取得してやっているのです。毎回、3庁すべてにいろいろなご報告をしに行くということで、我々のコンプライアンス等もそこに相当の時間感と労力を割いている状況で、多分、これはこのままいくと同じようなことをする方々は余り出てこない状況なのかなということは常々感じていまして、やはりどういう形であっても1つのところにまとまるということは、関係者というか取引をやっている人間にとっては最もありがたいし、コストが非常に下がるお話だと思います。

○田名部政務官

きょうは本当にありがとうございました。危機感をもっているというだけではなくて、アジアのメインマーケットを目指して、本腰を入れてやっていかなければいけないという思いでこれまでも議論を重ねてきました。

方向性は同じなのですけれども、最後まとまり切れないところもあって、そこの確認ができないと、私たちは政府として25年にアジアのメインマーケットとして取りまとめられなのではないかという思いで、こういうヒアリングをもう一度させていただいています。

その中で、再度確認なのですけれども、当然、経営判断だということは大前提です。ただ、政府として、戦える体制であるとか、また目標というものはしっかり示すべきではないかと考えているのです。それさえも余りよくないというお考えなのか、私たちは私たちとして、例えば統合だとか集約というのは避けられないのではないかということはしっかりと打ち出して、同じ思いの中で進んでいただけないだろうかということが1つ思いで、そのことをどう思われるかという確認と、先ほどの独立した機関ということ、当然これは金融庁さんに1つにするのか、それとも別の独立性の高い権限をちゃんともった機関をつくるのかというところが意見が分かれています。

ほかの清算機関であるとかその部分は、大体皆さんの意見で1つになったと思うのですけれども、実は民主党として2006年に法案をつくって、準備をしてあるものなのですが、全く別の機関として独立性の高いものをつくるべきではないかということで民主党のインデックスに載せさせていただいたのです。そのことについて、独立性が高いということということに対して、そうあるべきなのか、そうではない、何かもっと違うお考えなのか教えていただきたいと思います。

○白木副会長

先ほど最後に申し上げたように、私どもとしては運用している、あるいはこういった取引をしているところとして、窓口を一本化していただくということが何よりも重要かなと思っています。これは、新規参入者がこれから増えてくる、商品のマーケットが拡大していくにつけて、新規参入者が増えてくる際にも、1つの阻害要因になりかねないので、まず窓口の一本化。

本当に些細な話ですけれども、例えば同じ書類を3通用意して、毎回登記簿謄本を3つもっていくということであるとか、それに一つ一つのノウハウが要るわけです。ご担当者を全部確認しておかなければいけないとか、そういったところからまずなくしていくような窓口一本化が図れると非常にありがたい。

それが1つの独立した機関であるのか、あるいはそうではなくて1つの省庁になるのかというのは、我々の段階ではそこまで大きなイシューではないと思っているのです。これは、多分、政府側できちんルールづけをして、例えば今、窓口は金融庁さんに一本化するとしても、3省庁できちんと話すような場所を1つ後ろに設けておいて、そこで個別のコモディティに関して管理監督されるといったことは、我々にとってはいいのかもしれないですし、何らか1つのソリューションをつくっていただいて、なるべく早くそういう状況になるというのが私どもの望みかなと思います。

○田名部政務官

方向性についてはどうですか。例えばアジアのメインマーケットを目指すということに関して、こういうことが必要ではないかという目標を立てる、目指すべき姿を示すべきではないかと考えているのですが、当然経営判断もある中で、私は示すことによって同じ思いの中で強い取引所をつくって、お互いに思いを同じくして目指していきたいと思うのですが、それに関して余り好ましくないと思われるのか……

○白木副会長

現状認識としては、前回のときも私は感じましたし、最後の議事録等を拝見しても、皆さんほとんど同じような思いでらっしゃるのだろうと。それは、ほとんどの関係者の方々が異論を唱えるようなところではないのかなと感じています。

○高井本部長

2点あると思うのですけれども、第1点目は、今の政府の金融政策をまずばんと出してもらいたい。今のままいったら、時間の問題で、シンガポールと上海と香港にとられます。東京どうするのということだと思います。それに対して、政府がこうあるべしという意見はいわなければおかしいですよね。それに従って、要は各企業の経営者が独自の判断をしていくというのがあるべき姿だと思います。

2点目に関しては、もちろん規制されるユーザーが利便性を感じるようなレギュレーションをやってもらいたいというのがあるのですけれども、私たちはそれ以上に業界を規制するだけではなくて育成してほしいのです。育成して、大きくしていただくというのが私たちが一番求める省庁の姿だと思います。

我々は今、工業品をやっていますけれども、経済産業省の姿勢には育成というのを非常に強く感じるので、ぜひそういう姿勢を今後も継続してもらいたいと思います。

○木村課長

ビジョンというのですか、一国民としても、これはぜひ掲げていただきたい。方向性をみせていただいて、細かいところまで口出しするかは別として、ある程度こういうことをやっていこう、日本国としてこういうことをやりたいというのはぜひ掲げていただきたいという気がしております。 

2点目の監督等々、利便性に関して一本化したほうがいいというのと、もう1つは各省庁ごとに判断のニュアンスが異なるというのは、恐らく全体の商品等々を扱う人にとって混乱を招く可能性もあるので、ぜひ利便性プラスそういう観点からも統合した方がいいのではないかと考えております。

○松下副大臣

時間が超過しましたけれども、大変貴重な率直なご意見をいただきました。ありがとうございました。

(以上)

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総務企画局市場課(内線3562、3618)

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