金融税制研究会(第一回)議事要旨

1.日時:

平成22年5月31日(月曜日)16時30分~18時10分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 共用第一特別会議室

3.議事内容:

田村大臣政務官から挨拶および資料3(民主党の証券税制に対するこれまでの考え方)に基づき説明。その後、事務局から、資料4(証券税制について)に基づき説明を行った後、自由討議が行われた。参加者の主な意見は以下の通り。

【政策面】

○ 経済成長を促すためには、個人投資家が成長分野に投資を行うことを促進することが重要。成長分野への投資はリスクを伴うため、投資損失について税制上の手当てを講じるべき。

○ 個人資産を成長分野に供給する観点が必要。そのためには、損益通算の範囲を拡大するとともに、簡素で投資家にやさしい税制の構築が重要。

○ 税制がマーケットに与えるメッセージ性は非常に強いため、税制を通じて日本の金融市場を活性化するというメッセージを示していくことは重要。

○ 金融所得は足が速いため、税率を高くすると税当局の見えない所に所得が移転してしまうことにも留意が必要。

○ 本則税率のもと損益通算を進めていくことを前提とすると、マーケットに対してネガティブな印象を与えかねないため、当面は現行のまま、最終的な姿について骨太な議論を行うべきではないか。

○ 軽減税率が「貯蓄から投資へ」という政策目的に照らし、どのくらい効果があったのか検証すべき。

○ 「貯蓄から投資へ」と言った場合に、政策目標としていかなる商品への「投資」を促進するのかをまず精査すべき。個人的には、FXやCFDへの投資を奨励することには疑問。

○ 株式等への長期投資と、FXのようなレバレッジの高い商品への投資は分けて議論すべき。

○ 軽減税率やISAを考える際には、財政状況(税収)への配慮も必要ではないか。

○ 投資が増えない原因は仕手筋や証券会社を含め、株式市場全体への不信感が大きいのでは。税制で投資を誘導するのではなく、まずは市場への不信感を払拭する努力をすべき。

○ キャピタルゲインに対する税率は軽減する必要はないが、配当は二重課税の回避や長期保有促進の観点から非課税とすべきではないか。

○ 個人投資家に対し、個別株への投資促進よりむしろ、投資信託へ誘導すべきではないか。

○ 金融所得に所得税がどう向き合うのか中長期的な視点を示すことが重要。

○ 金持ち優遇批判への対応という意味においては、高所得者層に適用される最高税率の50%と比べると、軽減税率を本則税率にしても大差はないが、中所得者層の視点からすると20%は重いのではないか。

○ 欧米各国では、金融所得の損失に対する手当てが厚い。日本にも上場株式等については3年間の繰越控除制度があるが、米国が譲渡所得損失について無期限の繰越制度を設けている中で、個人の譲渡損失への手当てをどのように考えていくか。

【制度面】

○ 現在の証券税制は非常に複雑。証券税制は広く個人が対象となるため、簡素で継続性のある税制であることが重要。株価によって税制を変更していくことは望ましくない。

○ 投資家の裾野を広げるためにはシンプルな税制であるべき。同じ経済的性質を有する金融商品は同じ税制とすることが重要。

○ 金融所得課税については、「総合課税」が理想的な姿と言えるかにつき再検討することは重要。

○ 土地や商品も含めありとあらゆるものが金融商品化しているため、ほぼ全ての金融商品を同じ方法で課税し、損益通算の範囲は、可能な限り網羅的に広げるべき。

○ 金融技術の進展により種々の所得を容易に金融所得に転換できる状況の中、金融所得だから一体的に課税するということにはやや懐疑的。政策目標に沿って、金融一体課税の対象を決めるべきではないか。

○ 金融所得一体課税の開始時期が明確でない。軽減税率の終了時期については、損益通算の範囲拡大の時期とセットで考えるべき。

○ 金融システムの再構築や国際的な議論を踏まえ、株式調達と負債調達の間に歪みを生じさせる税制は避けるべき。

○ レバレッジを効かせた投機的取引に対する反省から、他国においては、利子の損金算入を制限している国もある。その点について、どのように考えるか。

○ 株式の譲渡益にも二重課税の問題は存在するのではないか。また、二重課税調整については、複数の税率を設けなくても、課税所得を半分にして課税する方法もあり、特定口座での取扱いもしやすいのではないか。

○ 金融所得でありながら「雑所得」に分類されているものも多く、このため金融所得の損益通算が制限されている。所得区分のあり方についてもどこまで議論の対象とすることができるか。

○ 株式や債券の無価値化を「損失」とみなすのか「経費」とみなすのかといった本質的な考え方についても議論すべきではないか。

○ 外国は基礎としている所得税の仕組みが日本と異なるため、特例措置の比較には本則との関係に留意する必要。

○ 金融所得への課税は資本に対する課税のあり方の問題であり、法人税と一体で考えるべき。配当に係る軽減税率が本則税率に戻った場合には、その増収分を法人税率の引き下げに充てるべきではないか。

【実務面】

○ 納税者にとっては、「申告を行う」ということ自身がプレッシャー・不安になっており、このことが株式投資への阻害要因となっているのではないか。一方で損益通算を行うためには、「確定申告を行う」ことが要件であり、両者のバランスをどのように考えるか。

○ 金融所得一体課税については、納税システムも課題。現状、特定口座間の通算については申告しなければできないが、申告を伴わない形での通算を行うことが考えられないか。

○ 申告段階での投資家の負担を軽くする場合、仲介する金融機関が課税情報を正確に把握し、それが税務当局に提供されることが前提とならないといけないため、申告を前提とせずに損益通算の範囲をむやみに広げるわけにはいかないのではないか。

○ 金融所得課税については、納税者を特定する事務等を簡素化する観点から、住民税の徴収をやめ、国税に一本化すべきではないか。

○ 税制による格差是正も大事であるが、単に税率を高くしても正しく申告されるとは限らないことに留意。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局政策課総合政策室(内線3182、3716)
本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。

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