2013年 入庁

総合政策局総務課
国際室課長補佐(国際企画)

池田 友理IKEDA Yuri

サステナブルファイナンスに関する国際的な枠組み作り

担当している仕事を教えてください。

SDGsやESGが注目される中、持続可能な社会の実現に向けた「サステナブルファイナンス」の重要性が高まっています。このサステナブルファイナンスに関する国際的な枠組み作りに貢献するのが私の仕事です。具体的には、脱炭素社会に向けた移行を促すため、金融当局や金融機関がどのような役割を果たすことが出来るか、必要なアプローチや開示・リスク管理の在り方は何か、といったことを、G7やG20、FSB(金融安定理事会)等の国際会議で議論しています。また、気候変動以外にも、生物多様性やダイバーシティ等、サステナビリティに関する課題は尽きません。そしてこれらは皆、国際社会が一丸となって解決に向けて尽力することが必要な課題です。最前線の国際的な議論を国内に還元し、必要な政策を関係者と議論しながら、こうしたグローバルな課題解決のための国際協力を進めています。

これまでで最も印象に残っている仕事は何ですか?

一つを選ぶのはとても難しいのですが……2021年11月に英国グラスゴーで開催された、COP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)に日本政府代表団の一員として参加したことです。200に及ぶ国々から、首脳や著名人、政府機関や国際機関、産業界・金融界が一同に集まって、会場のそこかしこで熱く議論する姿が印象的でした。市民団体の方々も多く参加し、一人ひとりの声や思いが未来を作っていく、というダイナミズムを肌で感じられた経験となりました。同時に、普段何気なく言葉にしている抽象的な「国際社会」というものを実体として感じ、そうした「国際社会」の中で、行政官としてどうあるべきか、自分自身に改めて問いかける契機となったよい経験です。

学生へのメッセージをお願いします。

金融は、企業や人、国を繋ぐインフラでありツールです。また、日々イノベーションが起こっている分野でもあります。金融を通じてみる世界はどこまでも広く、考えもつかなかった仕事や人々に出会えることもあります。色々なバックグラウンドを持った職員が働いていること、サステナブルファイナンスをはじめ、様々な国際会議の議長を金融庁の職員が務め、国際的な議論をリードするやりがいを感じることが出来るのも金融庁の魅力の一つです。10年後、20年後に誇れる社会とするために、金融が果たす役割を信じて、皆さんの前にある様々な選択肢から金融庁を選んでもらえたら、とても嬉しいです。

2013.4
監督局銀行第一課
2014.7
監督局証券課証券モニタリング室 兼 証券取引等監視委員会
2015.7
日本銀行(出向)
2017.7
監督局総務課企画調整係長
2018.7
米・ロチェスター大学(留学)
2020.7
総合政策局総務課 国際室課長補佐(国際企画・国際保険)
2021.7
総合政策局総務課 国際室課長補佐(国際企画)
CAREER