高校・大学時代に、留学経験があるわけでもなく、外国人の友人がいたわけでもない私は、どちらかと言うとドメスティックな人材として入庁したのですが、たまたま2年間の英国留学、3年間のブリュッセル勤務(EU代表部への出向)の機会を得ました。
ブリュッセル時代は、欧州債務危機の真っ只中で、マーケットが欧州の一挙手一投足に注目している重要な時期でしたので、欧州各国の財務・金融監督当局者にアプローチし、内部の状況を聞き出しながら、頻繁に議論を交わしました。外国人と議論することにも慣れてきた頃、帰国して、国際室の課長補佐として着任。バーゼル委員会の部会メンバーとして、国際会議・交渉に参加するようにもなりました。20数カ国が参加する議論の場で、日本代表として各国と立場が異なり、四面楚歌になった場面もありました。他の議題との合わせ技で、何とか日本として受け入れ可能な結論へと導くことが出来たものの、非常に緊張が走った瞬間でした。
金融分野は国際的な議論や動向と切り離せるものではなく、国際室でなくても、海外当局と英語で議論する機会は多くあります。入庁前とは大きく異なる自分が今存在するのですが、皆さんも入庁後に全く想像していない成長を遂げたご自身に出会えるかもしれません。金融庁は、そういう成長機会を与えてくれる職場だと思います。