私は、マネー・ローンダリング・テロ資金供与対策に関する国際交渉に関わっています。技術革新や政治情勢等に伴い刻々と変化するリスクに対応し、国境を越えた不正な資金のやりとりや、リスクの高い活動が規制の厳しい国から緩い国へ逃避することを防ぐためには、国際的な協調のもと全世界的に規制を実施していくことが重要です。

金融庁は、マネロン等対策の多国間枠組みであるFATF（金融活動作業部会）の暗号資産関連会合（コンタクト・グループ）議長として、各国当局や民間セクターとも連携し、特に暗号資産分野におけるリスクのモニタリング、ルール形成およびその実施をリードしています。私も、仕事を通じて金融のグローバルな性質や世界との繋がりを感じるとともに、決して受け身になることなく積極的にアジェンダを提案していく周囲の前向きな姿勢から日々多くを学んでいます。

金融外交と聞くとテクニカルに感じるかもしれませんが、私たちは、国際的な議論でリーダーシップを発揮し、世界の金融システムひいては経済の安定や発展に貢献したい、という熱い思いを根底に持って働いています。この思いに共感し、金融庁に関心を持ってくれたらとても嬉しいです。