銀行第一課 係長×係員対談

お二人の現在の仕事を教えてください。

菅 野:銀行第一課では、主要行やネットバンクの監督や、銀行業界全体に関わる各種施策を担当しており、企画係はまず、その取りまとめや他課室との連携・調整を行っています。課の内外と密にコミュニケーションを図ることで、政府全体あるいは全庁的に行われる様々な作業に効率よくかつ丁寧に対応するよう心がけています。この他、例えば外国人による金融サービス利用の利便性向上等、中長期的ないくつかの施策についても日々取り組んでいます。また、担当している銀行とは、日頃から対話を積み重ねています。

肥 後:私は、主に課の窓口担当として、他課室や業界団体との調整や、銀行との定例の意見交換会の準備を行っています。また、担当する銀行からの届出の受理や、各種ヒアリングの議事録作成等を担当しています。庁内外の様々なステークホルダーと関わる業務が多く、入庁当初は電話が鳴るたびにビクビクしていましたが、菅野さんはじめ上司の方々から、小さなことにも目を配り日頃から相手と信頼関係を築くことで、スムーズに案件を進める姿勢を学び、調整業務にも徐々に慣れることが出来ました。

2019年入庁

監督局銀行第一課企画係長

菅野 泰史
KANNO Yasufumi

2019.4
総合政策局総合政策課企画係
2020.7
総合政策局総務課国際室国際企画係
2021.7
監督局銀行第一課企画係長

2021年入庁

監督局銀行第一課企画係

肥後 由希子
HIGO Yukiko

2021.4
監督局銀行第一課企画係

この1年間で最も印象に残っている仕事は何ですか?

肥 後:特に一つこれというものはありませんが、1年を通して銀行業界と庁内との調整に携わり、粘り強く案件を進める点は非常に成長したなと思います。例えば、金融機関が金融庁・日本銀行・業界団体それぞれに提出している同様のデータについて、提出先を一つにまとめようとする取組みがあり、私は業界団体の一つと庁内のシステム担当部署を繋ぐ立場として関わっています。それぞれデータの取扱いや用途が異なる中、一元化への道筋は容易ではありませんでしたが、一つひとつ丁寧に認識をすり合わせ、4月からの開始に漕ぎ着けました。1年目から責任のある仕事を任せてもらい、達成感も大きかったですね。

菅 野:肥後さんは確かに、1年目ながら他省庁・他課室の課長補佐・係長ともバシバシやり合っていて、いつも熱いですよね。数百ページある「監督指針」の英訳作成作業でも、大勢の関係者を取りまとめてくれて、大変そうでしたね。

肥 後:庁内の色々な方々にご協力をお願いしましたが、皆さん快諾してくれて、大変ありがたかったです。

菅 野:お疲れ様でした。私はやはり、監督業務に実際に携われたのが、大変貴重な経験でした。監督といっても、(自慢できる話ではありませんが、)各分野の専門知識では銀行の方にすぐには太刀打ちできません。そのため、日々自分でも勉強するとともに、銀行の方にも教えていただきつつ、他方で必要な指摘をしっかり行うなど、密に連絡させていただいています。金融機関の革新的なサービスによって実際に顧客の利便性が向上したり、社会経済に良い影響を与えたりすることを具体的に見られて、金融庁で働く意欲が高まりましたね。

金融庁での働き方・職場の雰囲気について、
どのように感じていますか?

肥 後:銀行第一課は、テレワークも日常的に取り入れていますし、オンライン懇親会も毎月開催され、役職や年次を問わず話しやすい環境です。幹部とのタウンミーティングを企画し、より良い働き方やキャリアプランについて率直な意見交換を行う等、風通しも良いです。どんなに忙しい時でも殺伐とはせず、ちょっとした冗談を言い合う余裕を感じるので、良い雰囲気です。係内でも密に連携しており、小さな悩みもすぐチャットで気軽に相談出来ますし、私が少し遅くまで残っていると、菅野さんが「それは明日やればいいよ!」と声をかけてくれる等、無理せず楽しく働けています。

菅 野:私は金融庁で1年近く働いてからコロナの世の中を迎えました。金融庁はもともと働き方改革や業務効率化が進んだ役所だと感じていましたが、やはりコロナ対応モードになってからの変化は特に凄まじく、幹部へのオンラインでの説明等テレワークをしやすい環境の整備や、ペーパーレス化、係長・係員の負担軽減といった取組みが次々行われてきました。今では課内の業務改善打合せでも、環境への不満や改善点がほとんど出なくて困るくらいです。例えば、入庁した頃は会議のたびに相当な量の資料を印刷した記憶がありますが、この1年はほとんど紙を使いませんでした。組織全体としてそうした方向へのコミットが明確だと思います。

最後に、学生へのメッセージをお願いします。

肥 後:学生の頃は、ドラマの影響もあり、金融庁に対して「お堅い、怖い、偉そう」というイメージがありましたが、入庁早々そういったイメージは完全に払拭されました。金融庁で働く職員は、バックグラウンドも様々で多様性に富んでいますが、総じて芯がしっかりした人が多い印象です。時折、一緒に働く職員の金融に対する熱い思いや、各々の役人道に触れると、刺激を受けますし、純粋に「かっこいいな」と思います。金融に少しでも興味のある方や、世の中を良くしたいという熱い思いを内に秘めた方は、是非一度金融庁を訪れてみてほしいと思います。

菅 野:金融庁は、特にこれから入って来られる皆さんにとって、働きやすい良い環境です。幹部・先輩職員が若手の成長や働きやすさに配慮してくれて、若手のいわゆる「雑用」も減るなど、働き甲斐を感じられる職場だと思います。1年目でも幹部説明に参加しますし、普段から遠慮なく思ったことを発言出来ます。また、「金融」と聞いて具体的なイメージが湧かなくても、話を聞いてみると意外な程幅広い領域を扱うことに驚くと思います。官庁志望の方も、民間企業を中心に見ている方も、まずは話を聞きに来てみてください!

銀行第一課係員のとある一日

  • 出勤

    今日はテレワーク。パソコンを開いたらまずは担当する案件や金融機関に関する報道をチェック。気になる報道があれば関連資料を集めたり、銀行に問い合わせたり。

  • 調査・資料作成

    午後の幹部説明に向けて、主要行の決算概要をスライドにするよう指示があり、過去のスライドをもとにしつつも、出来るだけ見やすくなるよう工夫を凝らす。作成したら課長補佐にメールで送付、ほとんど直しが入らず一安心。

  • 昼食

    気になっていた家の近くのタイ料理店でランチ。食後のコーヒーで一休み。

  • 電話

    いただいた規制改革要望への回答について、関係省庁の担当者と公用の外線通話アプリで電話。様々な制約の中で、出来る限り提案者に寄り添った前向きな回答が出来るよう、調整を行う。最初は厳しい反応だった先方も、最後には積極的に検討してくれることに。

  • 業界団体との意見交換会

    業界団体、金融庁のトップが顔を合わせる定例の会議。会議の事前準備や資料の取りまとめを担当しているので、無事に終わるまでハラハラ。最近はオンライン開催なので、接続状況にも気を遣う。

  • 銀行とのミーティング

    担当する銀行の新規ビジネス案について、オンラインで意見交換。銀行のためにも、顧客のためにも、是非成功してほしいアイディア!

  • 作業依頼対応

    午後の間に来ていた各種作業依頼を精査、課内の各担当者に依頼する。課内の人たちが取り組みやすいよう、簡潔かつわかりやすく依頼するよう気を付ける。が、割振り違いをすぐ(優しく)指摘され慌てる。

  • 英会話研修

    ちょっと休憩して、週に一度のオンライン英会話。研修が始まった当初は思うように言葉が出なかったが、継続するうちに段々と会話が続くようになってきた。

  • 最後のひとしごと

    色々なところから、遅い時間まで次々と依頼が来る。翌日すぐ対応してもらえるよう、出来るだけその日のうちに課内の各担当者に依頼。
    よし、明日は登庁なのでそろそろ退勤しよう。

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