研修の枠組みについて

金融を取り巻く環境が大きく変化していく中で、金融庁の研修の枠組みも時代に対応すべく常にアップデートされています。新人研修では、文書作成や思考法等の基礎的スキルに加え、新人職員同士が相互理解を深め、絆を育むことが出来るよう、ITツールを利用しながらのグループワーク等互いに学び合う形式を多く取り入れています。

また、大学で金融に関連する科目を学んでいない新入職員も多くいることから、業務で必要となる専門的な知識やスキルを基礎から段階的に習得出来るような研修体系になっています。

さらに、専門分野(銀行・保険、市場・証券、開示・会計、IT等)ごとに育成担当者や先輩たちが中心となって、外部専門家も招きながら、各分野の庁内勉強会を全庁的に実施しています。

その他にも、英語や中国語の語学レッスンや情報処理技術者試験の一部に対する取得支援等も提供しています。国民の信頼や期待に応えていくためには、職員個人が金融行政のプロフェッショナルとして能力を高めていくことが不可欠です。金融庁では、職員が主体的に自身のキャリアをデザインし、学び、成長していくことを支援しています。

研修メニュー(一部抜粋)

業務
スキル
文章作成力・コミュニケーション
プレゼンテーション・対話力・思考力
語学
スキル
英語(リーディング・ライティング・英会話)
中国語(中国語会話)
IT
スキル
OAスキル
(Word、Excel、PowerPoint、VBA、
プログラミング等)
情報処理技術者試験
(ITパスポート、情報セキュリティマネジメント)
取得支援
金融
知識
銀行業務関連知識
(リスク管理、財務分析・簿記等)
基礎レベル~応用レベル
証券業務関連知識
(ファイナンス、開示・会計・監査、市場分析・市場監視等)
基礎レベル~応用レベル
保険業務関連知識
(保険商品、保険数理等)
基礎レベル~応用レベル
フィンテック等関連知識
(暗号通貨、資金決済、サイバーセキュリティ等)
基礎レベル~応用レベル

政策オープンラボ

金融庁では、若手職員を中心とした人材の育成・活用、組織の活性化に取り組むとともに、職員の新たな発想やアイディアを積極的に取り入れ、新規性・独自性のある政策立案へと繋げるため、職員による自主的な政策提案の枠組み(政策オープンラボ)を設置しています。

私が記事を執筆しました!

2021年入庁

公認会計士・
監査審査会事務局
総務試験課

百瀬 蓮
MOMOSE Ren

※金融包摂ラボ所属

データ分析推進LABO

 皆さんはデータ分析に興味はありますか?
 金融・経済は、いわば数多くの細胞が複雑に組み合わさっている、ダイナミックで巨大な生き物のようなもので、これまで語り継がれてきた姿とは大きく異なる振る舞いを見せることさえ増えています。金融庁として国益にかなう政策を実施するためには、この得体の知れない、けれども非常に興味深い生き物の生態を詳細に把握することが必要です。近年、大規模データの活用やデータサイエンスの手法が発展したことにより、こうした金融・経済の姿をより深く柔軟に理解する可能性が広がりました。
 そこで我々は、金融庁内の分析力向上やデータ活用をより広げていくため、データ分析に関心のある職員が通常業務の他に分析業務に携わる環境を作ろうと「データ分析推進LABO」を立ち上げ、2021年より活動を開始しました。
 ここでは、分析の企画、データの収集・加工・分析を行い、最終的に報告会で分析結果を発表するといった一連のデータ分析業務を通じて、それぞれの参加者にデータ分析の面白さを体感し、自身のスキルアップにも繋げてもらえたらと思っています。現在3つのチームに分かれ、それぞれが調査・分析を行い、幹部との意見交換も踏まえながら、業務の傍らデータ分析に取り組んでおります。
 金融庁に入庁された際に、データ分析に興味がありましたら、是非一緒に面白さを体験しましょう!!

「貧困問題における金融分野の可能性」チーム(金融包摂ラボ)

 貧困状態にある方や高齢者等、金融サービスから取り残されがちな方のアクセスを確保する支援の取組みを、「金融包摂」といいます。特に、「貧困問題」の解消は、SDGsの一つ目の目標として掲げられ、日本においても子供の7人に1人が貧困状態にあるなど、喫緊の社会的課題です。
 私たちは、日本の貧困問題に金融当局も取り組むことが出来ないかという問題意識から、「金融包摂ラボ」を立ち上げ、金融機関やNPO等へのヒアリング等を通じて貧困問題に対し金融行政や金融業界が出来ることは何かを模索しています。ラボには、入庁1年目の若手や、行政以外での勤務経験を持つ職員も複数在籍しており、各人が様々な視点を持ち寄って、自由に意見交換しています。2022年2月には、イベント「Re:ing/SUM地域金融のチカラでつくる未来」において、子供の貧困と金融業界での取組みをテーマに議論を行いました。
 これらの活動を通じて得られた発見や論点を踏まえ、金融庁として貧困問題解消にどのように貢献し得るのか、具体的に検討していきたいと考えています。

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