金融庁の新しい働き方

時代の変化に合わせて、
働き方も柔軟に変化させていきます

2003年入庁

総合政策局 秘書課課長補佐

小島 啓治郎
KOJIMA Keijiro

 金融を取り巻く環境が大きく変化する中、金融行政の質を維持・向上させていくためには、職員一人ひとりが最大限に能力を発揮して活躍出来る職場であることが不可欠です。そのためには、性別や年代、育児・介護等による時間的制約の有無にかかわらず、あらゆる職員が充実感のある仕事と生活を両立させることが出来る真のワークライフバランスや女性活躍の実現が必要です。

 金融庁においては、コロナ渦以降加速する働き方の変化に対応すべく、働き方の継続的な見直しや新しい働き方の定着に取り組んでいます。特に、テレワークを活用した柔軟な働き方の推進は、あらゆる職員が活躍出来る職場を作るために重要であるとともに、非常時における業務継続にも繋がるものです。

テレワーク環境

 金融庁では、全職員が自宅でも職場と同等の業務が行えるテレワーク環境を整備しています。具体的には、全職員にテレワーク対応の軽量ノートPCを配布している他、チャット機能、オンライン会議ツール、公用の外線通話アプリの導入等を行いました。これにより、ほとんどの業務をテレワークで実施することが出来るようになり、例えば、金融機関との面談や情報のやり取り、審議会の開催等もオンラインを積極的に活用しています。
 令和3年の緊急事態宣言期間中は、全職員の約6割がテレワークを実施していました。宣言解除後も、多くの職員が引き続きテレワークを活用して業務を行っており、テレワークをしたい時に出来る雰囲気が醸成されています。

 また、金融庁独自の制度として、配偶者の一時的な地方転勤への同行や地方在住の親の介護に伴う遠隔地への転居の場合、その転居期間中に限り遠隔地からテレワークを行うことも出来るようにしました。これまで休職または退職を選択するしかなかった職員に対し、大きな選択肢を提供することが出来たと実感しています。
 ポストコロナにおいても、テレワークを特別な働き方として位置づけるのではなく、通常の働き方の一つとして定着させていくことを目指しています。

男性職員の育児に伴う休暇・休業の取得促進

 男性職員の育児参加は、男性職員本人のワークライフバランスはもちろんのこと、女性活躍を推進するためにも重要になります。令和2年度からは、子供が生まれた全ての男性職員について、育児に伴う1カ月以上の休暇(年次休暇等を含む)・休業を1年以内に取得出来るよう目指しています。父親になることがわかった男性職員には、育児に関する様々な制度を案内するとともに、当該男性職員が休暇・休業を取得出来るよう、その上司に対しても働きかけています。その結果、令和2年度以降は、子供が生まれた男性職員のほぼ100%が1カ月以上の休暇・休業を取得出来ました。

 このような取組みにより、男性の育児に関する上司・同僚の理解も進み、休暇の取得やフレックスタイムの活用により、16時に退庁して保育園にお迎えに行く男性職員も珍しくありません。金融庁は、今後も男性職員の育児参加に向けた取組みを後押ししていきます。

One Day Schedule

遠隔地テレワークという選択肢

2013年入庁

監督局銀行第二課
地域金融企画室課長補佐

松本 亜衣
MATSUMOTO Ai

 夫の転勤に伴い、約1年間、名古屋から遠隔地テレワークの形で働いていました。2人の子供もいるため、夫の単身赴任という道も選び難く、仕事と家庭、どちらかを諦めずに済む選択肢があったことは、大変ありがたかったです。
 金融庁ではテレワーク環境の整備が進んでいるため、物理的な距離がある中でも、オンライン会議ツールや公用の外線通話アプリを活用し、庁内外問わず、業務に必要なコミュニケーションを円滑に図ることが出来ました。業務でも家庭でも予定外のことは日々生じますが、周囲のご理解とサポートのお陰で、仕事と家庭の両立に励めていると感じています。

ある1日のスケジュール
  • 06:30

    起床

    朝食を用意。朝食後、時間がある日は、子供に絵本を読んだりお絵描きしたりします。

  • 08:00

    登園

    在宅勤務の日は、子供を保育園に送り、自宅へ。始業時間まで、掃除等の家事をします。

  • 09:30

    始業

    地域金融企画室にて、新たな担保制度の検討等を担当しています。
    パソコンを立ち上げ、メールチェックや、その日の会議で何を話すか頭の整理をします。

  • 10:00

    金融機関とオンラインで意見交換

    法制度の実現を目指すにあたり、実際に制度を活用することとなる業界との意見交換は欠かせません。

  • 12:00

    お昼休み

    在宅の日は、お昼休みを活用して、夕飯の下準備等をしておきます。

  • 14:00

    チームでの打ち合わせ

    作成中の会議資料について議論。
    チームには弁護士事務所や再生コンサル会社出身の方もいるため、多様な視点からご意見をいただけます。

  • 15:00

    資料作成

    チームでの議論を踏まえ、会議資料を修正。伝わりやすいストーリーラインや言葉を、試行錯誤しながら考えます。

  • 16:30

    電話対応

    公用の外線通話アプリで、他省庁からの電話に対応。一つの省庁のみで進められる施策は多くありません。
    庁内だけでなく、他省庁とのコミュニケーションも重要です。

  • 17:00

    お迎え

    育児時間を活用し、お迎え。勤務終了時には、チームメンバーに引き継ぐべきことがないか、
    メンバーから相談したいことがないか、スカイプで確認してパソコンを閉じます。

  • 18:00

    夕飯

    夕飯後には、子供たちがテレビ時間を楽しむ間に、手早く洗い物を済ませます。

  • 21:30

    寝かしつけ

    子供たちからその日の出来事を聞く大事な時間。
    一緒に寝落ちしない日は、公用の外線通話アプリやパソコンでメールチェック等行います。

育休を取得してみて

2015年入庁

総合政策局リスク分析総括課
情報・分析室情報調整係長

関口 宥人
SEKIGUCHI Yuto

 金融庁では男性職員の1カ月以上の「育休」取得を奨励しており、男性職員が育休を取得することがスタンダードになりつつあると思います。私は3カ月間育休を取得しました。
 実際に上司に育休を取得したい旨を伝えた際は、復帰後の働き方に関する要望も聞いてもらうことができ、育休の取得しやすさだけでなく、将来的な仕事と育児の両立に関する不安も共有することが出来ます。
 このような職場環境が醸成されているため、育休復帰後は在宅勤務やフレックスタイムを活用して育休復帰後も育児に参加することが出来ています。初めての育児で慌ただしい毎日ですが、娘の成長に驚き、喜ぶ日々を過ごしています。

ある1日のスケジュール
  • 07:00

    朝食

    早起きの娘と一緒に身支度します。

  • 08:00

    業務開始

    在宅勤務とフレックスタイムを活用します。

  • 09:00

    分析資料の作成

    金融機関から提出いただいた資料を用いて、分析資料を作成します。
    大量のデータを扱うため、集中できる午前中に行います。

  • 12:00

    昼食

    午後の業務に向けて娘と遊んでリフレッシュします。

  • 13:00

    午後の業務開始

  • 14:00

    資料説明

    作成した分析資料について、分析の観点や結果から導き出される洞察について上司に説明します。
    上司からの質問に答えられるように入念に準備して対応します。

  • 15:00

    作業依頼対応

    関係部署からの作業依頼について、係内で相談をして対応方針を決めます。

  • 16:00

    電話対応

    庁内からの分析資料に関する照会について対応します。
    オンライン会議システムを用いることで在宅勤務であっても円滑に業務を進めることが出来ます。

  • 17:00

    業務終了

    本日中にやらなければいけない仕事がないかを確認して退勤します。
    在宅勤務の活用によって、平日でも速やかに育児に参加することが出来ます。

  • 18:00

    夕食

    寝ぐずる娘をなだめながら急いで済ませます。

  • 19:30

    娘のお風呂

    お風呂後の保湿は欠かせません。

  • 19:30

    娘、就寝

    娘が寝た後は夫婦で談笑します。話題はいつも娘のことばかり。

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