金融庁 採用案内 2013-2014
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32MESSAGENobuyasu Sugimoto 私は、IMFで、金融セクターの専門家として働いています。昨今、財政・経済危機の予防や解決には、金融システムに対する十分な監視と問題の解消が極めて重要な課題になっており、金融セクターを担当する局も、IMFで最大の職員数を誇る規模までに拡大しています。 IMFでは、このような問題意識を背景に、各国金融当局に対する評価を定期的に行っています(昨年、私は、金融庁で評価される側を経験し、それが、IMF職員に応募する契機となりました)。世界の金融当局を相手に杉本展康国際通貨基金(IMF)金融資本市場局[平成12年入庁]MESSAGEYoshitaka Wada和田良隆IAIS(保険監督者機構)[平成14年入庁] 金融危機というのは、大きな外的要因によって突発的に起こるものというよりも、むしろ、生活習慣病のように長い間に蓄積された問題が何かの小さなきっかけで爆発するものです。そのような爆発は、金融機関への影響に留まらず、長期の失業率の悪化等の社会不安にもつながりうることは皆さんも既にご存知でしょう。 蓄積されつつある問題を小さな段階で的確に見抜き、それが大きな問題につながり得ることを説得的に説明し、適切な措置をできるだけ早く講じる ― 金融庁(IMF)は、このような社会的に意義のある仕事ができ、更には金融の専門家としての専門性を磨ける、素晴らしい職場だと思います。 私は現在、金融庁から出向して、スイス・バーゼルにある保険監督者国際機構(IAIS)で働いています。国内保険会社に対する規制は、保険業法や監督指針によって、金融庁が責任を持ってその任に当たっていますが、IAISでは、日本の金融庁も含めた世界各国の金融当局が、自国の規制を検討・実施する際に、参考にすべき保険基本原則(ICP)の策定を任務としています。保険会社を含めた金融機関の業務がよりグローバルになり、監督が難しくなる中で、各国金融当局がより統一的な規制を、綿密にかつ連携して行い、金融危機を繰り返さないようにすることが目的です。私は、特に世界の金融システムにとって重要と判断される特別な保険会社(G-SII、金融危機当時の米国のA世界基準の策定IGが念頭に置かれています)の特定とそれらに対する監督のあり方の検討に従事しています。 これら重要事項を決定する国際会議の場では、金融庁の元同僚が、まさに「日本代表」として、日本の国益を実現するために各国代表と丁々発止の議論や「落としドコロ」を探る交渉を行っています。国内業務は日本人同士の折衝がポイントですが、国際交渉では、より国民の皆さんの為に働いていることを実感できます。金融庁を訪問される際には、是非、こうした魅力も探し出してみてください。金融庁の魅力

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