金融庁2014
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29MESSAGETatsuhiko Kamei 投資運用業者※1の監督をしています。「監督って何だ」と思う方もいるかもしれませんが、まさに野球やサッカーの監督と同じようなものです。たとえば、選手がプレーしているとき、調子が良くない選手がいれば不調の原因は何か、どうすれば改善できるのかを考えたり、フォーメーションや攻め方・守り方を考えたりするといったことが監督の仕事になると思います。 ただ、実際に動くのは選手であり、監督ではありません。選手が動きやすいようにする、悩むことがあれば相談にも乗る、こういった役割について、野球やサッカーでいう「選手」を「投資運用業者」に置き換え、毎日その会社の人達と面談を行い、対処方針を考える、これが私の仕事です。ーー現在取り組んでいる仕事について教えてください 私は入庁4年目に国内大学院に留学し、6年目にリーマンショックを経験、8年目に東京証券取引所に出向しました。 印象的な経験を多々積んできましたが、なかでも、東証出向中に携わったインフラファンド※2市場創設に向けた仕事が印象に残っています。日本にはまだないインフラファンドを何とか産み出そうと、金融庁の担当者に相談しつつ、仲間と一緒に知恵を出し合った日々は忘れられません。 また、入庁3年目に携わった保険商品の認可業務※3において認可した、ペット保険を最近よく街で見かけるようになり、世の中に少しでも貢献できたかなと思っています。ーーいちばん印象に残っている仕事はなんですか? たまたま行った合同説明会で、残っていた金融庁のパンフレットを記念に持ち帰ったこと、これが私と金融庁の出会いでした。「テレビや新聞でよく見かける金融庁に入ったら、地元で自慢できるかな」という軽い気持ちで官庁訪問に臨みました。 入庁後、最初は金融の知識が全くなかったため、必死に勉強する毎日でしたが、やればやるほど仕事を任され、自分でできることが増える金融庁。今では、あの時たまたまパンフレットを持ち帰って本当に良かったと心から思っています。 金融庁は、やる気と元気があれば何でもできる本当にいい職場です。ここまでやりがいを感じることができる職場は、中央省庁の中でも珍しいのではないでしょうか。ーー金融庁で働こうと決めた理由を教えてください亀井達彦監督局証券課[平成15年入庁]投資運用業者:顧客の資金を預かって株式や債券などに投資・運用し、その成果を顧客に分配(配当)する事業者。インフラファンド:投資家から集めた資金を道路・空港・発電施設などに投資し、施設などからの収益を投資家に還元するためのツール。著者は東証出向中、インフラファンドの上場市場を東証に開設するための業務に従事した。保険商品の認可:生命保険や損害保険などの保険商品は、金融庁の認可を受けなければ販売できない。※1 ※2 ※3

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