金融庁2014
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32MESSAGEYoshio Horimoto まず、自己紹介をしましょう。私は、平成2年に大蔵省に入省し、平成12年に金融庁発足とともに出向しました。6年間、検査・監督行政に携わった後、民間のコンサルティング会社に転職をしました。その後、昨年、金融庁に参事官として復帰。いわゆる「リボルビングドアー」というやつでしょうか。まだ、日本では変わり種です。 現在、検査局において、金融モニタリング基本方針という方針の下で検査の改革をすすめる一方、監督局ではマクロプルーデンス対応というこれまた新しい体制の整備に取り組んでいます。 金融庁は新しいことや新しいスタッフにアレルギーがない組織だと思います。私のような者が、参事官として、このような新しい業務をやっているのが実例といえるでしょう。実際、官庁の中では民間出身者の活躍も含め最も多様性に富んだ職場だと思います。変わり種の公務員。 両方を経験した私が感じる、官と民の違いの1つは、民では利益を目指し、自らの希少価値を高めることが重要であるという点です(特定分野の専門性もこの源泉となります)。他方で、公ではマクロ的な視野が常に求められます。 最近は個人の専門性の追求を望む学生さんが多いですが、金融庁は民間金融機関の経営を監督するために専門性を身に着けなければならない点では、官庁としては大きな特徴があると思います。ただし、官民問わず、一流プロフェッショナルは専門性とともに、幅広い視野を持とうと努力します。そうでなければイノベーションが生まれないからです。イノベーションを生まない専門家は本物ではありません。 こうしてみると、金融庁という職場は、金融という専門性と公務というマクロ的な視野とをバランスよく身に着け、本物のプロフェッショナルになれる職場といえます。 金融庁でみなさんとお会いすることを楽しみにしています。官と民、そして金融庁という職場。堀本善雄参事官(金融モニタリング担当)[平成2年大蔵省入省]

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