金融庁2014
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 中国の古い時代、知識ある人は日常的に漢詩を作っていたそうです。 「三国志」の英雄、曹操も例にもれず、「槊を横たえて詩を賦す」といわれるように、陣中にあっても悠然と詩を作っており、特に、「短歌行」という詩が有名です。 (漢詩のみならず、もちろん、ホメロスやチョーサー、シェイクスピアといった古今東西の詩に心は慰められます)。 「短歌行」冒頭で、曹操は、人の世の憂いをはらすのには、酒を初めて造ったとされる伝説の人物にその名の由来する「杜康」、すなわち、酒あるのみ、と詠い始めます。時空を超えた共感が得られますね。   「短歌行」にある、青青子衿 悠悠我心 の二句は、「詩経」鄭風にある「子衿(しきん)」という詩をそのまま用いたものです。青衿は周代の学生の服装で、若い有能な士の意味です。この「青青子衿」以下に、有為な若者を心から慕い、ひたすら訪れてもらうのを待ち焦がれている曹操の気持ちがよく現れていると思います。 この後も、髪を洗うのや、食事をしているのを中断してまで、才能あふれる来客に面会して人材の登用に努めていた周公旦を引きながら、曹操は、学生に限らず、優れた人材へのひたすらの渇望を詠っていきます。 私たちもまた、周公旦や曹操と同様(何かこう並べると妙ですね)、幅広く様々な優れた人材を必要としています。自らのミッションを果たすため、人材の育成・登用にはこれまでも並々ならぬ力を注いできましたし、今後ともそうしていかなくては、と考えています。  皆様、是非とも、金融庁を、訪れてみてください(人材を求めるあまり、周公旦のようにシャンプー途中の職員が登場することはありません、おそらく)。君の青い衿島崎征夫総務企画局総務課人事企画調整官46

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