谷垣委員長閣議後記者会見の概要

【平成12年3月14日(火)於:参議院議員食堂】
  

【閣議案件】

  今日は、一般案件が6つ、条約、それに類するものの国会承認を求める件。あと外交の案件。国会提出案件が質問趣意書に対する答弁書5件。法律案は9件ございますが、そのうち金融再生委員会に関するものは2つでございまして、1つは農水産業共同組合貯金保険法及び農林中央金庫と信用農業共同組合連合会との合併等に関する法律の一部を改正する法律案で農水省・大蔵省と共管。農水産業共同組合の再生手続の特例等に関する法律案で農水省・大蔵省・自治省と共管。人事については特命全権大使、判事等の任命等及び叙位叙勲。配布資料としては平成11年度特別交付税の3月交付額についての資料が配布されました。

 閣議における閣僚発言は、自治大臣から平成11年度特別交付税の3月交付額について。

 閣僚懇のご発言は、河野外務大臣から日朝赤十字会談についてのご報告。

 

【質疑応答】

 問三和銀行と東海銀行とあさひ銀行の経営統合を今日発表するようなのですが、その評価と当局としての姿勢をお伺いします。
  
員長:3行については、今朝時点ではそういう方向で協議を進めているのは事実であるが、まだ具体的な決定ではないと、報告を受けています。個別具体の案件についてはコメントを申し上げませんが、一般論としては金融の大きな変革が進んでいくなかで、競争力の強化や金融の果たすべき役割をお考えになって、再編を進めて頂いているのは大変結構なことだと思います。一般論としては今のような意味で歓迎し、再生委員会として出来ることはやりたいと思っております。

  

 問公的資金を3行含めて注入していますので返済が大きな課題だと思います。これが実現すれば、公的資金の返済とかリストラを、せまっていくのでしょうか。
  
員長:具体的な金融機関に関連してのお尋ねでしょうから、お答えし難いですが、我々としては資本注入の目的は、金融の不安を払拭して競争力を高めて頂くということがまず第一です。だから資本注入したものも利用されて、今申し上げたような形での努力をして頂くのは当然のことであろうと思います。それと同時に国民の公的に頂いたお金を注入しているわけでありますから、業績をきちっと上げて頂いて、きちっと返ってくることを期待していくのも当然だろうと思います。

  

 問:今問題になっている南証券ですけれども、社長が行方不明になって、所在がつかみきれてないという話もあるようですが、また弁護士さんが警視庁に告訴しするとかの動きがありましたが、当局として、改めて今後どのような対応をとられていくのかというお話を伺いたいのですが。
  
員長:これは金融監督庁でやっておられることですし、個別の企業に関することですので、再生委員長として私から個別のコメントは控えさせて頂きたいと思います。

  

 問:南証券は、個別の企業とはいえ証券会社という名前をかたっていながら、あまりにお粗末というか不届きな実態が出てきているというところに問題があるのではないかというような意見もありますが、その点はどう思われますか。
  
員長:金融監督庁がきちっとおやりになるだろうし、そうでなければいけないわけですが、個別具体のことはこれ以上申し上げ難いと思います。

 

 問:特別公的管理後に譲渡された銀行や資本増強のため公的資金の注入を受けた銀行が、別の破たん銀行を買い取るというのは論理的には出来ると思うのですが、そういうのは再生委員会として認めて行くのでしょうか、それとも公的資金の偏在を考えて、それは制限されるべきだと思われますでしょうか。
  
員長:今の問いは、個別具体のことを想定されての問いかけでしょうと思いますので私としては答えを控えさせて頂きます。一般論としては、具体的に手をお挙げになるということがあれば、金融再生委員会でもきちっと議論をして適切に対処していかなければならないと思っております。具体的に議論も始まっておりませので、今予断を与えるのは控えたいと思います。

  

 問:八城さんがテレビでお話になっていることだと思うのですが、東京相和銀について、その番組を委員長はご覧になりましたか。
  
員長:いいえ、見ておりません。

  

 問:八城さん側から具体的な接触はないということですか。
  
員長:この件について、私は八城さんと接触したということはありません。

  

 問:大手の金融機関の統合に関してなんですが、先程大臣が一般論としてと仰っていたわけですけれども、再編は支援して歓迎すべきことと仰っていたわけですけれども、一方ではこのケース以前にもいくつかの統合、合併があって、発表直後は株式も評価しているのですが、だんだんと株価も下がっている。その背景には新しいコンテンツというのが見当たらない、邦銀の再編のあり方というのにマーケットが若干冷ややかな目を最近投げかけているということもあると思うのですが、その点について支援されていくというお立場の中で、どのようなものを期待されているのかお考えを伺いたいのですが。
  
員長:さっき申し上げたことに尽きるのですけれども、やはり金融を巡る情勢が大きく変わってきておりますから、ただ、一緒になりますよ、というだけでは所期の効果は必ずしも期待できないということだろうと思います。やはり競争力を高めて行く上では色々な経営の効率性というのも追及して頂かないとならないでしょうし、また金融技術の開発というのにも取り組んで頂く必要があるのでしょうし、それぞれの再編成されるについても自分のところがどういう特色を持っていて、どういう形で国民経済なり地域経済の中で必要なものと思われて、役割を果たしていけるのか、これは一般論として言えるわけではなくて、それぞれの金融機関によって違うと思いますけれども、そういうことをきちっと整理してお考え頂くということが大事だろうと思います。

 

 問:今回の3行はリージョナルな合併、統合だと思うのですが、大臣に就任されて最初の話なので思い入れがあるのではないでしょうか。
  
員長:まだ具体的にこうなりました、というお話も聞いているわけではありませんのでこのぐらいしか申し上げられません。

( 以 上 )


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