谷垣委員長閣議後記者会見の概要

【平成12年3月28日(火)於:参議院議員食堂】
  

【閣議案件】

 今日の閣議は一般案件が3件で、フランスとの航空業務に関する協定に関する書簡の交換。円借款に関するベトナム政府との書簡の交換。予備費使用に関して事後承諾を求める書類の国会提出。国会提出案件は5件。法律の公布は8件で、当委員会に関係のあるのもはありません。政令は33件で、当委員会の関係するものとしては、「預金保険法施行令の一部を改正する政令」が大蔵省と金融再生委員会の共管になっております。人事は、宮内庁次長等の任免及び叙位叙勲等。

 閣議での閣僚発言は、外務大臣から韓国訪問の報告及び東チモール避難民等に関する緊急援助に関する発言。大蔵大臣から平成12年度公共事業等の執行に関する発言。経済企画庁長官及び通商産業大臣から公共事業等の執行に関連の発言。

 閣僚懇談会での閣僚発言は、環境庁長官から藤沢市のダイオキシン汚染の状況に関する発言。

   

【質疑応答】

 問:銀行業への異業種参入の関係で、最近、銀行の他業禁止規制について議論しようという話が出てきましたが、大臣はこの問題についてどのようにお考えですか。
  

員長:金融再生委員会では一回論点の整理をし、もう一回は欧米等の調査報告を聞いて、議論したという状況です。今の段階では、個人としてどう考えるかについては金融再生委員会の議論を先取りするような議論にもなりかねませんので申し上げにくいなという気持ちがございます。これもいろんな議論が有り得るのだろうと思いますが、他業禁止については、長い間かかって5%ルール等を作ってきたので、何%が良いか悪いかは別として、そういうものが出来てきた背景についてはそれなりの理由があったのだろうと思います。この辺をどうしていくかは、金融再生委員会としても今後詰めていかなければならないことなので、今の段階で、「えいやあ」ということは言い難いなと思っております。

  

 問:この話は銀行業への異業種参入の問題とセットとお考えでしょうか。それともまったく別に判断されるお考えなのでしょうか。
  
員長:そこもまだどう扱うか十分に議論は整理されていません。要するに、事業会社と銀行の関係という大きな項目の中では共に括られる問題ではありますが、全く一体のものとして扱われるべきか、違うものとして扱われるべきかについては、まだ議論は十分に煮詰まっていない状況です。

  

 問:大阪の幸福銀行について、譲渡先交渉がどういう状況にあって、いつぐらいを目途にというのがそろそろ見えてくる頃かと思いますが、その辺についての認識をお聞かせ下さい。
  
員長:個別の具体的なことについては、お話しないことになっています。今の段階で申し上げられるのは、幸福銀行については、守秘義務契約を結んで具体的な提案を頂いて、金融管財人が検討を進めているという段階だということです。

  

 問:破綻銀行の処理ですが、破綻から1年を過ぎると局面が変わってしまうのですが、やはり1年ということにはかなりこだわっていかれるつもりですか。
  
員長:一般論ですが、今仰ったように置いておけば、劣化が進んでいくというのは必然のことでしょうから、それだけ身動きもとりにくくなるし、負担も大きくなということですから、できるだけ早くというのは当然のことだと思います。

  

 問:信用組合への資本注入ですが、国としては7月から一斉に集中検査に入りますが、それまでの期間、4月に事務移管を受けて7月まで3カ月ほど空白が出来ると思うのですが、その間に資本注入の申請があった場合にはどのように対処されるのでしょうか。
  
員長:国会でも今のご質問に関連した質問を受けたのですが、結局資本注入をする場合、一方で大きな銀行とは違って地域の特殊性があるのだろうと思います。地域経済に大きな影響があるので、かなり具体に応じた運用をしなければならないのではないかという責任と、他方、資本注入するということはロス埋めと違いまして、返済されること、すなわち注入資本を棄損させないということが基本的な前提だと思います。棄損させないということに対して、どういう手順をとって行けばいいのかという事がありまして、そこをどうしていくのかということについてまだクリアカットな結論は出しているわけではありませんので、棄損させない為にどのような判断が必要かということを少し詰めておかないといけないと思います。その前に何かあったらどうするかということですが、それももう少し議論して煮詰めていかなければならないと思います。

  

 問:それはルールやガイドラインのようなものでしょうか。それとも運用の指針のような緩やかなものでしょうか。
  
員長:そこもどういう形にしていくかまだ決めてはいませんが、今までも地銀に注入する際にも一定の方針というものを金融再生委員会としては出していたわけです。そういうものを策定できるのかどうか、その辺も併せて考えなければならないと思います。

  

 問:昨日、BISの関係者と会われましたか。
  
員長:BISの関係者と夕食を一緒にしました。

  

 問:差し支えなければどんな話がありましたか。
  
員長:夕食の席ですから、難しい話をしたわけではありません。最近の我が国の金融再生の進展、特にペイオフを1年延期したことによって一部で後退の懸念があると受け止める向きもあるけれども、そういうことはないということをやや強調して申し上げたということです。

( 以 上 )


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