谷垣委員長初閣議後記者会見の概要

【平成12年4月5日(水)於:金融再生委員会記者会見室】
  

【閣議案件】

 今日、森内閣総理大臣から国務大臣金融再生委員長に任命をするということで、謹んでお受けをいたしまして、皇居で認証式を済まして参りました。引き続きどうぞ宜しくお願いを申し上げます。

 認証式が終りまして、午後10時から初閣議がございました。初閣議の内容は、内閣総理大臣談話を決定。国会において審査中の内閣提出議案の審査取り進め方申し出についてを決定。国立国会図書館法の一部を改正する法律他5件の取扱いを決定。人事については、額賀福志郎さん他内閣官房副長官他等に任命することを決定。山本有二さん他31名を政務次官等に任命することを決定。町村信孝さん他1名を内閣総理大臣補佐官等に任命することを決定。このほか申合せをいくつかいたしました。内閣総理大臣の私共に対する説示が文書の形になっていたため、官房長官から読み上げられました。6項目ありまして、前内閣の政策の継続性を念頭に置きながら、自由民主党、公明・改革クラブ及び保守党の3党派による安定した政局の下で現下の諸課題に迅速に取り組むこと。第2に、北海道有珠山噴火の対策については最善を尽くすこと。第3に、来年1月の中央省庁等の再編が円滑に実施できるよう取り組むこと。第4に、九州沖縄サミットの成功に向けての協力を賜りたいということ。第5に、度重なる公務員の不祥事は極めて遺憾であって、国家公務員倫理法の施行も踏まえて、職員を厳しく指導監督すること。第6に、内閣は憲法上国会に対して連帯して責任を負う行政の最高機関であり、一致結束して国政遂行に当たって内閣の統一性と国政の権威の保持に協力を頂きたいこと。こういう内容でありました。その他、閣僚の資産公開、株式の取引の自粛、保有株式の信託、国務大臣の営利企業等の兼職、閣議での公表のあり方、了解人事等、内奏等の取扱い等について閣議で官房長官から発言がありましした。

 閣僚懇談会では、関係業者との接触及びパーティーの開催について、首都圏直下型大規模地震発生時の初動体制について、閣僚の給与の一部返納について、行政運営上重大な事項の大臣の報告等について、申合せを行いました。

 森総理から金融再生委員長を拝命しました時に、森総理からの指示事項といたしましては、先ほど申し上げました説示の中にもございますが、これから省庁再編が行われるのでそのことにしっかり取組んでもらいたい。省庁の枠を超えた人事交流等を積極的に考えてもらいたいというご発言がありました。その他に関しては、今まで金融再生委員長として実際に仕事をしてきたので、よく分っているだろうから特に自分から申さないという趣旨の指示を森総理から頂きました。それに対しまして、私は省庁再編につきましては、特に金融に関する行政組織につきましては、一昨年6月に金融監督庁が発足して以来、金融担当相に柳澤さんがお就きになり、金融再生委員会が発足し、今年からは金融庁ができ、来年は金融再生委員会もなくなるという、他省庁の再編に比べても激しく組織が動いているので、所管している事項を全力を挙げて取り組むことはもちろんであるけれども、こういう激しい行政組織の変動時期に当たって、その変動故に所管をしていることがおろそかにならないように、特に私の所管するところでは全力を尽くして参りたいということを私から総理に申し上げました。今日、森内閣になりまして引き続きこの職を拝命いたしましたことと閣議の様子は以上でございます。

   

【質疑応答】

 問:再任ですので取組む諸課題とかはよくご存知かと思いますので、改めて金融再生委員長になられての決意についてお願いします。
  

員長:40日ほど前に就任した時と特段変わったことを申し上げられるわけではないのですが、先ほど申し上げたように行政組織に非常に大きな変動がありますとともに、ペイオフが1年延期されたわけですけれど、かつては潰れないと思われていた金融機関が、場合によっては潰れると、その背後には経済情勢の変動もあり、行政手法の変化もあるわけですが、1年延期したペイオフが幕を開けたときに、まだまだ金融組織というものが不安定であるとすれば、最終的には国民経済及び国民に大きな迷惑をかけるわけでございますので、残された期間にペイオフの幕が開きましたときに、患部はきちっと取り去ったと、健康な体に戻しているということが私の仕事ではないかと思ってります。私の所管している仕事だけで、日本経済が活性化していくとは思いませんが、私の所管している仕事が十分に出来なければ、日本経済の再生の足を引っ張るということもまた明らかなのではないかと思います。全力を挙げて残された期間2期目の仕事に当たりたいと思っております。

  

 問:小渕総理の入院については、いつ、どのような形でお知りになったか教えてください。
  
員長:日曜日の夜11時30分に官房長官が記者会見をなさいまして、テレビで中継がなされました。その少し前に私の事務所から電話がかかってまいりまして、総理が倒れられたようで11時30分から官房長官の記者会見があるから、見てほしいという電話がありまして、そのテレビを見て知ったような次第です。

  

 問:閣僚の一人が、テレビを見て総理の入院を知ったというのは非常にまずいことではないのでしょうか。
  
員長:これはいろんな見方があると思いますが、危機管理に関する考え方も、おそらくいろんな見方があるのだろうと思います。天下に公表する仕方で知ったということにならざるを得ない場合もあろうかなと思います。

  

 問:時間にすると何時頃ということになりますか。
  
員長:私の秘書からの電話で知ったといえるのか、あるいは官房長官の記者会見を聞いて知ったというのかということになりますと、11時半あるいは11時頃かもしれません。

( 以 上 )


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