谷垣委員長閣議後記者会見の概要

【平成12年4月11日(火)於:参議院議員食堂】
  

【閣議案件】

 本日は、一般案件は日米地位協定関係の1件を決定。国会提出案件は、漁業白書及び自衛隊員倫理規定関係の2件の提出を決定。人事は、199名の叙位叙勲を決定。

 閣僚発言は、農林水産大臣から漁業白書に関して発言。北海道開発庁長官及び運輸大臣から有珠山の噴火に関して発言。環境庁長官からG8環境大臣会合の結果に関して発言。

 閣僚懇での発言は、通産大臣、郵政大臣、運輸大臣、労働大臣及び国土庁長官から有珠山に関して発言。

   

【質疑応答】

 問:銀行業への異業種参入の問題に関連して、自民党の金問調の相沢会長が金融監督庁の幹部を呼んで、早急に結論を出してはならないというようなことを言ったという報道が一部でされていますが、それについて大臣は確認はされていますか。
  

員長:そういう報道は私も拝見を致しておりますが、それぞれ色々なご議論があるだろうことは推察に堅くありません。色々な方のご意見は我々も出来るだけ幅広く伺って、議論の参考にしなければなりませんが、一つ一つのご意見にコメントすることは差し控えたいと思います。金融再生委員会の立場としては、既に会見でも度々申し上げておりますように、論点の洗い出しというものを今までやって参りましたので、その論点について、一つ一つ、既に或る程度始めているわけですけれども、きちっと議論をしておこうということに尽きると思います。

  

 問:今回、監督庁の幹部をわざわざ呼んでそういう話をしたことについて、一種の圧力とも取られかねないような行動ではないかという気もしますが、その点について大臣はどのようにお考えなのかお聞かせ願えますでしょうか。
  
員長:先程申し上げましたが、色々なご議論があるのは当然だと思います。政治家の場合はなかなか、難しい所がございまして、発言をすると、ある場合には圧力と言われたりいたします。ただ、国民の代表としてそれぞれのお考えがあるだろうし、それぞれに色々な方から情報が集まっておられるわけですから、色々なご議論があるのは、当然のことだと思っております。

  

 問:大阪の幸福銀行について、交渉も山場にさしかかっているかと思いますが、確か今日ぐらいから本格的に審議を進めると聞いていますが、現在の状況及び議論の進め方、見通しなどについてお聞かせください。
  
員長:幸福銀行に関しては、金融整理管財人が受け皿についてご苦心の所だと思います。今日、金融再生委員会では、今の問題につきましてご報告を聞いた上で、議論することになると思います。現在、まだ議論致しておりませんので、金融再生委員会としては、右だとか左だとか真ん中だとか言う用意はございません。

  

 問:金問調の話ですが、色々な議論があるとか、考えがあるとか、それは事実だと思いますが、その議論の出所が金問調だというのが視聴者や読者、国民にとっては不安の材料になっている訳で、ペイオフも結局政治の力で、決定過程も違うとこの前から重ね重ね仰ってはおられますが、そういう不安があることも事実だと思うのですが。
  
員長:色々な議論がありますから、議論を尽くして我々もしっかり判断していくと、そうお答えするしかございません。

  

 問:これで議論が変わったりすることはあり得ませんね。
  

員長:色々な議論を全部聞きおくが一切考慮しない、という高飛車な態度で臨むつもりはないですが、きちっと議論を詰めて、きちっとした判断をするということです。

  

 問:異業種から参入の申請があった場合、既存の中小金融機関、信金と信組ですが、その経営への配慮というのは考慮するひとつの要因になるのでしょうか。
  
員長:まだそこまで議論が進んでいないので、今お答えする用意がありません。

  

 問:検討すべき主要な論点には入っているのですか。
  
員長:銀行法の免許要件の一つに金融秩序の安定という要件がございます。

  

 問:これは金融秩序の安定は、規制緩和一般の流れの中で全体の方針になっている需給調整要件とどういう関係になるのでしょうか。
  
員長:今仰った需給調整要件は、現在は、規制緩和の中で凍結ということになっていると思います。要するに銀行法であげている要件のうち一部を凍結する、ということではないでしょうか。

  

 問:中小金融機関への配慮というのも需給調整とは違うのですか。
  
員長:良く考えてみないといけませんが、全く同じではないのではないでしょうか。

  

 問:幸福銀行は、今日から議論をして大体いつ頃までに決定されるのでしょうか。
  
員長:やはり一年間というのが一つの目途ですから、それを目標にやりたいのですが、これは今日、議論をしてみないと、あくまでも目標は一年間なのですが、今日はどういう状況で金融管財人のご努力が実ってきているのか、ちょっと議論をしてみないとまだ明確には申し上げられません。目標はやはり一年であるということは言えると思います。

  

 問:金融法案の成り行きについてはどう見ておられますか。
  
員長:特に保険業法と預金保険法ですね。予期せざる内閣の交代がございまして、我々としては早く預金保険法の審議に引き続き入って頂きたいのですが、所信や代表質問が入ることになりました。その分の審議の遅れは致し方ないと思います。私としては、どういう方向でこれから金融の秩序が進んで行くのかという意味での大きな方向付けとして、国民或いは対外的にも、今後の方向を理解していただくために、必要なことだと思いますので、色々な政治状況があるわけですが、出来るだけ早く成立させて頂きたいと思っております。  

( 以 上 )


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