谷垣委員長閣議後記者会見の概要

【平成12年4月18日(火)於:参議院議員食堂】
  

【閣議案件等】

 今朝は8時20分から、食料・農業・農村政策推進本部がありました。3月24日に決めた食料・農業・農村基本計画及び食生活指針の推進についてを中心に議論を致しました。

 閣議ですが、一般案件は、エネルギー及びこれに関連する分野における研究開発のための日米間の協力に関する協定の有効期間の延長、太平洋島サミットの開催及び恩赦の3件。国会提出案件は、質問主意書に対する答弁書が1件。法律の公布が3件。政令が4件。人事は、気象庁長官の閣議了解及び叙位叙勲。

 閣議での発言は、官房長官、外務大臣及び通産大臣から中国国内における遺棄化学兵器処理事業の実施に関して発言。大蔵大臣からG7等について報告。

 閣僚懇では、北海道開発庁長官から有珠山に関して発言。

     

【質疑応答】

 問:今日の衆議院大蔵委員会で、公的資金導入行の中小企業向け融資について、全銀協の杉田会長ら二つの銀行の頭取が参考人招致されますが、参考人の話す内容の中でどんな点に注目されていますか。
  

員長:中小企業向け融資について、昨年9月期の数字に比べると、見込み値でありますが後半は非常に良い数字が出されているわけです。どうしてこういう良い数字が達成できたのかという分析について、どういうご説明になるのかは我々も関心を持っています。我々としても当然のことながら、これからその辺りのことをきちっとお話を聞いて、行政としても整理をしないといけないと思います。

  

 問:先週末ですが、第一火災について2000年3月期の決算で約500億円債務超過になると、数百億円規模の資本増強を検討しているという報道があったのですが、その事実関係についてお聞かせ下さい。
  
員長:そういう報道があったことは承知しています。事実関係については、個別の企業のことですのでコメントを差し控えたいと思います。また金融監督庁の所管事務になります。

  

 問:金融再生委員会で、先週から議論が始まった幸福銀行の譲渡先の話について、今週の再生委員会で何らかの前進は見られるのでしょうか。
  

員長:今週は、預保法を巡って国会日程もだいぶ詰まっていますので、どういう形で再生委員会の審議をやっていくのか、私も十分見通しがついていないのですが、今週そういうことが議論できる段階になるのかまだお答えできる段階ではありません。

  

 問:先程お話にありました中小企業向けの貸出しのことですが、先程の質問に対する答えの中で、「きちっと話を聞いて行政としても整理しておかなければ」と仰ったのは、これは通常業務の他に特別にどなたかを呼んで話を聞くということを意味しているのでしょうか。
  
員長:これは国会でもお答えしていますが、今回の数字はあくまで暫定値ですから期末にそれぞれの銀行としてきちっとした数字が出されてくるわけです。前回、中間発表についても当初の予定より若干前倒しして、国会にもご報告させて頂きましたので、今回も当然そういうことはやらなければいけないのかと思います。その時に、各行においてきちっと数字を整理して頂くことは勿論ですが、我々としてはどのように達成されたのかということについて、それぞれの見解、ご報告を徴さなければいけないと思っています。出来るだけ前倒しで急ごうとは思っていますが、それ以上に特別の意味を込めたわけではありません。

  

 問:仮に野党が指摘するように、期末だけ数日間優良中小企業向けに残高を増やすとか、或いは、自分のところの系列子会社に大量に貸し込むとか、いわゆる粉飾まがいというか、数字を見せかけだけ良くするような実例が出てきた場合にはどう対処されますか。
  
員長:今の段階で、あまり仮定のご質問にはお答えしづらいと思います。要するに、実際の資金ニーズがあって、貸しているということであれば、何ら問題ないわけです。それ以上のことは仮定ではお答えしにくいという状況です。

  

 問:大蔵委員会に出された数字は、事前に相談はなかったのですか。
  
員長:事前相談はありません。お出しになる直前、当日の朝拝見したということです。

  

 問:新規参入銀行のガイドラインの目途はまだたっていないのでしょうか。
  
員長:新規参入は、色々な論点がありますので、一つ一つ議論していこうということで、今いつ頃ということをお答えする用意はありません。

  

 問:自民党の相沢金問調会長の会見で、彼はもうちょっと慎重にやるべきだと仰ってますし、一部の報道では4月下旬に出すことはダメと言ってますが、それについてどうお考えでしょうか。
  
員長:これも何度か申し上げているように、色々なご意見があるのは当然だと思います。またそのご意見も我々としてはそれぞれ咀嚼をしなければいけないと思っています。

  

 問:預金保険法等の法案は今週末が大きな山場だという見方があるのですが、法案の審議、今週金曜日ということですがこの辺はどうなのでしょうか。
  
員長:これは今、大蔵委員会で現場の理事がご苦労頂いております。私の方からはコメントを差し控えさせて頂きます。繰り返しになりますけれども、本法案はこれからの金融をどの方向にもっていくかという基本的な性格付けがあると思いますので、できるだけ早く処理をして頂きたいと思っています。

  

 問:与党3党から、株を公的資金で買い支えるという提案というか要請が政府の方に出されのですが、その動きについてはどうお考えでしょうか。
  
員長:これは本来大蔵大臣がお答えすべきことだろうと思いますが、大蔵大臣も仰っておられますように、日本経済そのものは比較的足取りがしっかりしてきていると思いますので、そんなに急に政府として、どうということではないと思います。色々御心配の向きがあるのもあって不思議はない。やはり目を広く開いてきちっとウォッチして行くということではないでしょうか。

  

 問:大阪で韓国系の信用組合が統合することを発表したのですが、その動きについてはどう感じられますでしょうか。
  
員長:私も韓信協の動きは聞いておりますが、具体的な中身を承知しているわけではありませんので、良しとか良くないとか、コメントできる状況にありません。

  

 問:明日の与党3党のヒアリングなのですが、どういう感じで受け止められるのでしょうか。
  
員長:やはりどれだけ実際の資金ニーズがあって、それに応えているかということだろうと思います。その辺がうまく機能しているかどうかというのは、やはりきちっと精査しなければいけないことだろうと思っています。

  

 問:保守党が入って初めての集りですが貸し渋りの話から非常に盛り上がるのかなあと思うのですが。
  
員長:党でやっておられることで、私もご議論がどうなっているのか全部把握しているわけではありません。ただ、金融の秩序を回復していく過程の中で、一番の理想を言えば金融システムはきちっとし、資金も潤沢に出ていく、きちっと必要なところには貸していく、という形になればよいのですけれど、やはり現実には不良債権の処理や自己資本比率を高めていくということと、貸付けというものは常に経営上相伴うの如く動くとは限らないので、その辺の乖離をどう埋めていくかというのは常に関心を持ちながらやっていくのは当然だろうと思います。

  

 問:保守党の方からは何か話は聞いていませんか。
  
員長:直接、国会で色々な形のご質問を伺う以外直接は聞いておりません。

( 以 上 )


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