谷垣委員長閣議後記者会見の概要

【平成12年5月12日(金)於:参議院議員食堂】
  

【閣議案件等】

 今日は、閣議の前に月例経済報告がありましたが、内容につきましては経済企画庁長官からお話があると思います。私の関連では、いわゆる貸し渋り問題、特に中小零細のところにはあるのではないかという議論が党の側からあり、その辺もよく見ていかなければならないという答弁をしました。

 閣議ですが、一般案件は3件で、天皇陛下がヨーロッパをご訪問される際の国事行為の委任を皇太子殿下にする件。高円宮ご夫妻のエジプト、モロッコご訪問することの了解。大使への信任状及び解任状の認承を仰ぐ件。国会提出案件は、質問主意書の答弁書が2件。法律の公布が8件。政令は2件。人事案件は大使の任免、国際会議の代表の任免、判事の任免、叙位叙勲。

 閣僚発言は、特にありません。

     

【質疑応答】

 問:異業種参入の関連ですが、先日の会見の時にも、ガイドラインについてかなり煮詰めなければいけないという話でしたが、昨日の再生委員会でもかなり煮詰まった議論が行われたのですか。
  

員長:昨日、再生委員会でも議論をしました。細部についてはともかく、おおよその方向は段々固まってきたという状況です。今後これをどう形にしていくかということについては、これから考えていかなければいけないと思っています。この事業会社の金融事業に対する参入については昨日はそんな議論でございました。

  

 問:焦点の一つである親会社への免許認可後の検査・監督については、一定の例えば主要株主については、検査・監督を義務付けるというような方向性ですか。
  
員長:その辺の細かいところまで全部できているわけではありません。その辺の一種の遮蔽と言いますか、影響がすぐ及んでくることがないように、どうしていくかということについての方向性は、ほぼ固まったということだと思います。それ以上の詳細の点についてはこれからです。

  

 問:遮蔽と言うのは。
  

員長:事業会社と銀行の関係について、弊害と言いますか、そういうものを遮断するために、どういう監督手段なりルールを作ればいいのかという意味です。

  

 問:具体的に主要株主が20%以上であるとか、そういった細かい部分までガイドラインで規定しているのですか。
  
員長:まだそこまでは最終的には決めておりません。

  

 問:公表するのは月内中にも決まりますか。
  

員長:これもできるだけ早く公表したいと思っておりますが、もう少しブラッシュアップをしていきませんと。まだちょっとブラッシュアップできていないところがありますから。

  

 問:幸福銀行の受け皿ですが、今はどういった状況ですか。
  
員長:連休前に色々と議論を致しまして、かなり再生委員の議論もある意味では出尽くしてきた感じがあります。問題点は金融整理管財人の方に出してありますので、多分連休の間にかなり進展が見られたのではないかと思っています。まだ再生委員会に連休が明けてからはかかっていませんので、具体的な状況までは把握していません。

  

 問:東京相和の前会長らが逮捕されるという事態があったわけですが、これについてはどのように受け止めていますか。
  

員長:管財人の方々が努力をされて、過去の経営の問題点を究明されてきた結果だろうと思います。今後、司直の手による解明が進んでいくと思いますが、私としては注視していかなければならないと思っています。

  

 問:この間、森総理にお会いになった時に、新免の問題を説明されたのかどうか分かりませんが、説明されたのなら、総理はどのようなご意見を仰っていましたか。
  
員長:この間、総理にお目にかかりましたのは、金融再生委員会ないしは金融監督庁で今やっていることの幾つかの柱の概括的なご説明ということでございます。新規事業者の参入につきましても、この記者会見でも申し上げているような問題点がございますと、「こういうメリットがある反面、こういう問題点があるので、これをどうクリアしていくのかを今議論しております」ということを総理にご報告致しました。総理はなるほど、そうか、ということでございました。

  

【委員長資産公開関係】

員長:閣僚の資産公開につきまして、皆様のお手元に資料をお配りさせて頂いていると思いますが、小渕内閣の時と変化をしていますのは、昨年9月に母方の祖母が亡くなりまして、いわゆる代襲相続という形で相続をした分が前回からの変動、細かい部分はあるかもしれませんが、主要の部分はそれに尽きるわけで、他は若干借入金を返済したということです。既に相続そのものは、前回の小渕内閣の時に祖母が亡くなっておりましたので、相続そのものの効果は出ていたわけですが、相続人が何名かおりますので、遺産分割協議がまとまりましたのは、3月になってからであったと思います。それで今回、資料にその分割協議によって、私が相続したものを掲載させて頂いたということです。

  

 問:何か印象なり、感想なりはございますか。
  
員長:前回はどなたに書いて頂いたのか分かりませんが、閣僚の平均よりかなり低いというコメントがありまして、複雑な心境でした。今回はどうなったかは分りませんが、複雑な心境です。

  

【総括政務次官資産公開関係】

括政務次官:去年の11月5日で公表しておりますが、それと基本的には変わりはございません。借入金が少し減ったということでございます。

  

 問:資産公開とは関係がないのですが、異業種の銀行参入について、今現在の政務次官の心持といいますか、望む心境をお伺いしたいのですが。
  
括政務次官:金融業というのが、いわゆる都市銀行が4大銀行にまとまっていくという流れができてきた、IT革命とか色々なことで非常に様相が変わってきているのを見ておりますと、金融業というものは、所詮、昔のような産業界を支配する、或いは、ある種の財閥と言うのでしょうか、金融グループの中核として、その中で最も支配的な力を発揮するというような特異なものではなく、金融、お金の仲介をするという一種のサービス業の一つになったのではないかと考えますと、金融業の特殊性というのは、勿論、経済の血液を供給するという大切な役割はありますが、特別な地位にあるのではないというふうに感じます。そういう意味で、かなり自由な参入があってもおかしくないのではないかという気がします。いずれに致しましても、色々な国で色々な業態があるということを踏まえて考えてみますと、勿論、国民経済にとって非常に重要な機能でありますから、銀行法上求められている様々な要件を満たすなら、新規参入は結果的に国民に対するサービス・利便の向上につながり、そして色々な意味での、いまだ発見されていない様々なニーズに応える事にもつながるのではないかと考えております。基本的には積極的にこれを認めていくことで良いのではないかと感じております。

( 以 上 )


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