谷垣委員長閣議後記者会見の概要

【平成12年5月16日(火)於:参議院議員食堂】
  

【閣議案件等】

 本日は閣議に先立ちまして、小渕前総理が一昨日ご逝去になりましたので、黙祷をして小渕前総理のご冥福を全員で祈りました。

 閣議は、国会提出案件は2件で、ILOの87回総会で採択された条約及び勧告に関する報告書。質問主意書に対する答弁書。法律の公布は10件。政令は1件。人事案件は、特命全権大使の任命等。配付文書は、平成12年度通商白書。

 閣僚の発言は、総務庁長官及び総理から行政機関の職員の削減に関して発言。通産大臣から通商白書に関して発言。労働大臣から緊急雇用対策に関して発言。運輸大臣から各旅客鉄道会社、日本貨物鉄道会社の会長又は社長人事に関して発言。

 閣僚懇では、防衛庁長官から防衛庁新庁舎移転に関して発言。

     

【質疑応答】

 問:昨日、ドイチェ証券に対して、行政処分を出すように勧告がされましたが、大臣としてはどのように受け止めていますか。
  

員長:証券取引等監視委員会からそういう勧告が出て参りまして、監督庁の方でどう対応していくか議論して頂くということになると思います。

  

 問:今回、損失隠し商品の販売先が3社とも金融機関だったということですが、その辺について大臣の見解をお願いします。
  
員長:これから監督庁の方で議論して頂いて、私もその議論の結果を聞きながら、処分を出すとすれば、再生委員会の名前で処分を出さなければならないので、これからちょっと検討していかなければならないと思っています。
 失礼しました。再生委員会名と言ったのは間違いで、通常の場合は監督庁で処分を出すということです。

  

 問:破綻した第二地銀の受け皿問題ですが、幸福銀行、東京相和銀行と、現在の進捗状況についてお聞かせ下さい。
  

員長:幸福銀行につきましては、再生委員会でも1〜2回議論して、かなり再生委員会の議論としては問題点等煮詰めた議論を致しておりまして、それを受けて、金融整理管財人の方がご努力をされていると聞いております。今日、そのご報告を預金保険機構から受けて、再生委員会で恐らく議論することになるだろうと思います。今、申し上げられるのはそこまでです。東京相和銀行に関しましては、金融整理管財人の方で、ご努力を頂いている段階です。

  

 問:それぞれ破綻後1年を過ぎようとしていますが、スケジュール等迫っていると思いますが、その点についてはどのようにお考えですか。
  
員長:幸福銀行の方は、今日これから議論することでありますので、どういう結論或いは今日の議論がどこまで進むかというのは、まだ今の段階では申し上げられませんが、かなり煮詰まってきていると思います。東京相和銀行についても、煮詰めるように努力をしなければいけないと思っています。

  

 問:先日、森首相が、「日本は天皇を中心に活動する神の国だ」というご発言されたのですが、委員長としては、憲法を解釈する上でどのようにお考えですか。この発言に対してご所見をお願いします。
  

員長:その発言をどう理解するかということによると思います。もう一つは、神という言葉をどう理解するかということだと思います。ご承知のように、日本国憲法という大きな枠組みの中で我々は政治をしているわけですから、政治の議論と絡めて理解するかどうかということがまずあるわけです。そういう憲法の枠組みの議論とすれば、我々はその憲法の枠組みの中で、こういう言葉を使っていいかどうか分からないけれど、世俗的に仕事をしているということです。しかし、個人としてどう考えているかと言われれば、それぞれ個人の宗教観なり、その宗教に基づいて、社会や国家をどう見ていくかというもう一つ考え方を人間として持っていると思います。私も全国あちこちで色々な神社にお参りをさせて頂きますが、それぞれの神社の神様が鎮座しておられます由来等を勉強しますと、なるほどこの地域にはこういう神様が鎮座なさっていて、なるほど我々の祖先は、そういう考えの下で、この地域を開いてきたんだなというような考えを感ずることがしばしばございます。そして、そういう神様を祭っております鎮守の森であるとか産土の社というようなものが、例えば近時の開発で鎮守の森も見る影もなく、宅地開発の波に洗われているようなことを見ますと、ここに祭られている神様はどのように思われているだろうかというようなことも感じないわけではございません。ですから、そういう二様の問題、つまり世俗的な価値観と言うと語弊があるかもしれませんが、そういう憲法の枠内で世俗的な事に従事する存在と、それぞれが信仰を持つ者もあり持たない者もある。どうそういう観点から世の中を見ていくか、二面の問題があると思います。

  

 問:先程のドイチェ証券絡みですが、昨年のクレディ・スイス以降、実態としては勿論それ以前からなのですが、こういう外資系金融機関による、不適切な取引が後を絶たないという状況、それを渡りに船という形で手を出している日本の金融機関の現状とモラルの点も含めてなのですが、個別機関のことではなくトータルでどのようにお考えですか。
  
員長:今回の件は、証券取引等監視委員会で調査をして頂いて、結論を出そうということであったわけです。証券取引等監視委員会としてはあのような形で勧告を出されて結論を出された。我々の基本的な立場は、外資系のことを問題にされましたが、外資系であろうと或いは日本の企業であろうと、検査・監督をしていく基準、特に差を設けるということではありません。やはりそれぞれの企業というものはルールに基づいてきちっとやって頂くということを我々は監督していかなければなりません。それぞれの金融機関の利用者保護、保護という言葉が良いかどうか分かりませんが、利用者に不測の損害が起こるといけませんので、そういう点では外資とか国内であるという区分を設けずにやって頂きたいと思います。

  

 問:取引相手側の金融機関の姿勢については如何ですか。
  

員長:これはもう少し報告をよく検討させて頂いてから、結論を出したいと思います。

( 以 上 )


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